JP2006188473A - コーティング顆粒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、薬効成分の臭い、苦味、酸素による劣化、薬効成分の昇華、および揮発性を抑制した顆粒を提供すること。
【解決手段】薬効成分を含み、且つ、摩損度が1%以下、平均粒径が100〜1700μm、形状係数が0.8以上である素顆粒100部に、酵母エキス残渣を主成分とし、酵母エキス残渣粒子のメジアン径が2〜30μmであり、粘度が1500mPa・s以下であるコーティング剤10部(固形分)以上をコーティングすることを特徴とするコーティング顆粒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、薬効成分を含有した素顆粒が酵母エキス残渣を主成分としたコーティング剤で被覆されたコーティング顆粒剤の製造方法に関する。
医薬品顆粒中の薬効成分の安定性改善や苦味、臭気をマスクするために種々の技術が開発されている。薬効成分の苦味や臭気をマスクする技術としては、従来から糖衣を施す技術が行われている。しかしながら、糖衣技術は、錠剤に対しては汎用される技術だが、顆粒に対しては極めて困難な技術である。顆粒へのマスク技術としては、水系や有機溶媒系のフィルムコーティングが知られている。特許文献1には、エチルセルロースを主成分とするフィルムコーティング剤で苦味マスクする技術が開示されている。特許文献2には、メチルセルロースを用いた苦味をマスクした顆粒の製造技術が開示されている。特許文献3には、フィルムコーティング剤としてプルランを用い臭気マスクする技術が開示されている。顆粒への応用の記載もあるが、具体的な作成条件や実施例の開示は無く、現実的に臭気マスク顆粒を作成することは不可能に近い。特許文献4には、酵母エキス残渣を用いて顆粒の臭気マスクや酸素バリア、昇華防止を行う技術が開示されている。また、特許文献5には、鰹節を含む顆粒の風味気散防止やアセトアミノフェン含有の顆粒の苦味マスクの開示がある。該特許には、用いる素顆粒や作成条件の規定は無く、実際に臭いマスク顆粒を作成するには、多量のコーティングが必要であったり、医薬品に求められる経時安定性を得るのは困難であった。
特開2001−55344号公報 特開2001−139495号公報 特開2002−12541号公報 国際公開04/018650公報 特許第3349677号公報
本発明は、臭気、苦味、空気酸化性、昇華性、揮発性を有する薬効成分を含有する顆粒剤のマスキングあるいは、安定性改善が課題である。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の物性を有する素顆粒に、酵母エキス残渣を主成分とするコーティング剤を被覆することで、薬効成分特有の臭気のマスク、苦味のマスク、空気酸化、薬効成分の昇華、および揮発を抑制することができる事を見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)薬効成分を含み、且つ、摩損度が1%以下、平均粒径が100〜1400μm、形状係数が0.8以上である素顆粒100部に、酵母エキス残渣を主成分とし、酵母エキス残渣粒子のメジアン径が2〜30μmであり、粘度が1500mPa・s以下であるコーティング剤10部(固形分)以上をコーティングすることを特徴とするコーティング顆粒の製造方法。
(2)薬効成分が臭気または苦味、空気酸化性、昇華性、揮発性のいずれかの性質を有する物質であることを特徴とする(1)のコーティング顆粒の製造方法。
(3)(1)あるいは(2)の方法で製造されたコーティング顆粒。
本発明により、薬効成分の臭気の無い使用性の高いコーティング顆粒を容易に提供することができる。併せて薬効成分の空気酸化、昇華、揮発を抑制することも可能である。更には、薬効成分の苦味マスクもできる。
以下、本発明について、具体的に説明する。
本発明に使用される素顆粒は、薬効成分を含有する。薬効成分とは、人及び動物の疾病の治療、予防、診断に使用されるものであって、器具機械ではないもののことであり、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止剤、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経口で投与されるものが上げられる。薬効成分は単独で使用しても良いし、2種以上を併用した場合であってもよい。強い臭気を発する薬効成分としては、L-システイン、DL-メチオニン、ブシラミン、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、塩酸エチルシステイン、塩酸バカンピシリン、セフロキシムアキセチル、トシル酸スルタミシリン、ジクロフェナミド、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジンなどの含硫黄化合物、フルルビピロフェン、ピンドロール、バルプロ酸ナトリウム、塩酸トドララジン、塩酸トルピリゾン、トリメタジオン、サラゾスルファピリジン、カノコソウ抽出物、漢方薬、生薬などがあげられる。臭気の種類としては、アミン臭、アンモニア臭、醗酵臭、硫黄臭などがあげられる。強い苦味を有する薬効成分としては、塩酸メクロフェノキサート、クロラムフェニコール、アミノフィリン、エリスロマイシン、ジョサマイシン、ホパテン酸カルシウム、フェノバビタール、シメチジン、ファモチジン、塩酸エチレフリン、塩酸ジルチアゼム、塩酸プロプラノロール、フルフェナム酸、アトルバスタチンカルシウム、ジギトキシン、テオフィリン、塩酸プロメタジン、塩酸キニーネ、スルピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどがある。空気酸化性の薬効成分としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンP、脂溶性ビタミンなどのビタミン類、レシチンなどの脂質類、リノール酸、γ−リノレン酸などの脂肪酸類、などがある。昇華性の薬効成分としては、カフェイン、アスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、サリチル酸、マレイン酸クロルフェニラミン、ヒベンズ酸チペピジン、イブプロフェン、ソジウム1,4−ジメチルイソプロピルアルアズレン−3−スルホネート、L−メントール、トリメタジオン、カンフル、ブロムワレリル尿素、塩酸クロフェダノールなどがあげられる。揮発性の薬効成分としては、クレオソートなどがあげられる。
本発明に使用される素顆粒は、薬効成分と医薬品添加剤を原料とし、公知の技術で散剤、細粒、顆粒剤の剤形を付与したものである。ただし、その素顆粒の摩損度は、1%以下であり、かつ、平均粒径は100〜1400μmであり、更に、形状係数が0.8以上でなければならない。
本発明に使用される素顆粒は、摩損度が1%以下である。素顆粒の摩損度が1%より大きいとコーティング時に素顆粒が破壊、粉化が起こり、コーティングフィルム層に粉化した薬効成分が混入するため、マスク効果が低下する。より好ましくは0.8%未満である。
本発明に使用される素顆粒は、平均粒径が100〜1400μmである。平均粒径が100μmより小さいと、被覆の際に粒子同士の凝集が起こったり、マスクするために多くの被覆量が必要となるため、好ましくない。また、1400μmより大きいと、服用し難く、コーティング顆粒を錠剤やカプセルにする場合に使用し難いので、好ましくない。好ましい平均粒径は、1000μm以下であり、より好ましくは200〜800μmである。
本発明に使用される素顆粒の形状係数は0.8以上である。形状係数とは、凹凸の度合いを示す係数である。形状係数が1から離れるほど、物体の凹凸度合いが大きいことを意味する。形状係数が0.8未満であると、素顆粒の凹凸を埋めるようにコーティング剤がコーティングされる。そのためマスクに必要なコーティング量が多くなるため好ましくない。表面が平滑な真球が好ましいが、実用的には、0.8以上であれば良い。0.9以上であるとコーティング量およびコーティング時間が低減することができるため更に好ましい。
測定方法および算出方法は、実施例の項で説明する。
本発明に使用される素顆粒の製造方法は、公知の方法を使用でき、例えば、素顆粒に使用する成分(薬効成分や医薬用添加剤)に水を加えて混練した後、適当な大きさに押出し造粒、次いでマルメライザー等の機械で球形化する「押出し−マルメ法」や薬効成分を含まない球形核粒子の表面に薬効成分を担持させる方法「修飾造粒法」などが利用できる。薬効成分の含有量は、投与すべき薬効成分の量や最終製剤の大きさにより適宜調整できる。
押出し−マルメ法による素顆粒の製造方法については、薬効成分と医薬用添加剤を公知の装置を使用して加工することができる。
修飾造粒法に使用する球形核粒子は、医薬用添加剤に水を加えて混粘した後、適当な大きさに押出し、マルメライザー等の機械で球形化する「押出し−マルメ法」や、市販の核粒子である、「セルフィア」(旭化成ケミカルズ(株)製)や「ノンパレル」(フロイント産業(株)製)などを利用できる。
原料の物性や配合量および球形化の条件により出来上がり素顆粒の摩損度や形状係数が異なるので、本発明に使用する素顆粒を調製するためには適宜条件を選択する必要がある。例えば、摩損度が高い場合には水溶性高分子などの結合剤や結晶セルロースの配合量を多くすると、摩損度が低くなりやすい。また形状係数が低い場合には結晶セルロースの配合量を多くすることや球形化の時間を長くすると改善することができる。
修飾造粒法に使用する球形核粒子が脆いために、素顆粒の摩損度が高くなる場合は、核粒子にHPMCなどの医薬用コーティング剤を2〜5%程度コーティングして、核粒子を補強すると良い。核粒子に修飾した薬物層が剥れやすい場合は、薬物を修飾するときに結合剤の配合量を多くすると良い。また形状係数がより高い核粒子を使用すれば、形状係数が0.8以上の素顆粒が得やすい。形状係数がより低い核粒子を使用する場合、薬物を修飾するときに結晶セルロースや酸化チタンなどを配合し修飾すると良い。
押出し−マルメ法や修飾造粒法などで作成した素顆粒の摩損度が高い場合は医薬用コーティング剤を2〜5%程度コーティングして、摩損度を下げることも可能である。
素顆粒の成分として使用される医薬用添加剤としては、例えば「医薬品添加物辞典2000」(薬事日報(株)発行)、NF(USP/NF:National Formulary)、EP(European Pharmacopeia)に記載の賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、界面活性剤に分類されるものなどが使用される。上記から選ばれる1種又は、2種以上を併用することは自由である。摩損度を低減させるために成分として、結晶セルロースあるいはセルロース粉末を含むことが好ましい。
修飾造粒法を用いる場合は、薬効成分を担持させることを容易にするために、あるいはその薬効成分がコーティング工程で剥れないように、補助成分を含んでも良い。例えば「医薬品添加物辞典2000」(薬事日報(株)発行)、NF(USP/NF:National Formulary)、EP(European Pharmacopeia)に記載の結合剤、フィルムコーティング剤、界面活性剤、賦形剤、崩壊剤、無機物質に分類されるものなどを使用できる。上記から選ばれる1種又は、2種以上を併用することも自由である。
本発明に使用される素顆粒は、タッピング見掛密度が0.40g/cm以上であることが好ましい。タッピング見掛密度が高いほど、コーティング時に均一な皮膜を形成し、低コーティング量で十分なマスク効果が得易い。タッピング見掛密度が0.50g/cm以上がより好ましく、0.65g/cm以上がさらに好ましい。
本発明に使用されるコーティング剤は、酵母エキス残渣を主成分とする。主成分とは、酵母エキス残渣が連続フィルム(海成分)を形成することを意味する。
本発明に使用される酵母エキス残渣の原料は、分類学上、酵母に属するものであり、例えば、ビール酵母、清酒酵母、ワイン酵母、パン酵母、トルラ酵母等が使用される。これらの酵母は単独あるいは組み合わせて使用しても良い。
本発明に使用される酵母エキス残渣は、酵母から酵母エキスを抽出した抽出残渣が使用される。例えば、(1)特許第2989676号公報、(2)特許第3347724号公報、(3)特許第3349677号公報、(4)特許第3407125号公報、(5)国際公開04/018650公報、などに記載の酵母エキス残渣が使用される。特に好ましい例は、(5)である。
抽出残渣の酵母特有の臭いや色を取り除くために、酵母菌体または上述した酵母エキス残渣に対して種々の脱色処理を行うことが好ましい。脱色処理の例としては、プロテアーゼ等による酵素処理や酸、アルカリ、過酸化物、有機酸、脱色剤(オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸)、漂白剤、有機溶媒(エタノール、イソプロパノール)などによる処理を挙げることができ、これらの処理を適宜、単独または二種類以上組み合わせて使用できる。これらの処理を適宜、単独または二種類以上組み合わせて、使用できる。脱色処理の条件により、酵母エキスの残渣の粘度と粒径が変化するため、条件を選択する必要がある。強いアルカリ処理は避けることが望ましい。
本発明に使用される酵母エキス残渣は、スラリー状、乾燥粉末など、どのような形態のものでも用いることが出来る。
本発明に使用される酵母エキス残渣は、固形分5質量%の粘度が1500mPa・s以下である。粘度が1500mPa・sより高いと、素顆粒にコーティング液を噴霧した場合、粘着性が高くなり、粒子同士の凝集が起こるため好ましくない。また、粘度を下げるために濃度を下げると、マスク効果を発揮するコーティング量をコーティングするまでに時間がかかり、好ましくない。好ましい粘度は、1000mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下、最も好ましくは200mPa・s以下である。なお、粘度の測定方法は実施例の項で説明する。
本発明に使用される酵母エキス残渣は、水分状態における酵母エキス残渣粒子のメジアン径が2〜30μmである。メジアン径とは、累積頻度50vol%に相当する粒子径である。メジアン径が2μmよりも小さいと、粘度が高くなり好ましくない。メジアン径が30μmよりも大きいと、素顆粒にコーティングした場合に、粗なフィルム層を形成し、マスク効果が低下するため好ましくない。メジアン径の測定方法は実施例の項で説明する。
本発明の製造方法にて製造されたコーティング顆粒は、素顆粒に酵母エキス残渣をコーティングしたものを意味する。
本発明の製造方法は素顆粒に、酵母エキス残渣を主成分とするコーティング剤を10%以上コーティングしなければならない。10%以下では、顆粒表面に均一なフィルムが形成されないため、臭いマスク、苦味マスク、酸素バリア、薬効成分の昇華防止の効果を十分に示さない。本発明におけるコーティング量に上限はないが、コーティング量が多すぎるとコーティングに時間がかかりすぎ実用的でない。コーティング量は、固形製剤の剤形、薬効成分の含有量、薬効成分の特性(臭気、苦味、空気酸化、昇華の程度)、素顆粒の形状係数、生産性(コーティング時間)によって、適宜決定されるべきものだが、例を挙げれば10〜60%程度である。
本発明の酵母エキス残渣を主成分とするコーティング剤は、マスク効果を向上させるために、増粘多糖類、多糖分解物、少糖類、糖アルコール、食物繊維類、ゲル化剤、塩酸アルギニン、硫酸第一鉄、リン酸塩、澱粉加水分解物、油脂類、「医薬品添加物辞典2000」(薬事日報(株)発行)、あるいはNF(USP/NF:National Formulary)あるいはEP(European Pharmacopeia)に記載の可塑剤、結合剤、無機物に分類されるもの、医薬用コーティング剤などを含んでも良い。医薬用コーティング剤とは、医薬品固形製剤のフィルムコーティングおよび糖衣に使用できる素材のことであり、例えば、徐放性コーティング剤(エチルセルロース水分散液、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS、メチルセルロース等)、腸溶性コーティング剤(メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタアクリル酸コポリマーS等)、速放性コーティング剤(アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール-ポリエチレングリコール共重合体、プルラン等)、糖衣(ショ糖、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等)などである。上記から選ばれる1種又は、2種以上を併用しても良い。その含有量は、このコーティング剤を成膜した時に、酵母エキス残渣が連続成分(海成分)となる限り、いくらでも良いが、酵母エキス残渣100質量%に対して、だいたい50質量%以下である。
すなわち酵母エキス残渣以外の副成分物質は成膜時に島成分とならなければならず、副成分物質の比率が高すぎると、マスク効果が低下するため好ましくない。
薬効成分を含有する素顆粒に、酵母エキス残渣からなるコーティング剤をコーティングする方法としては、コーティング液とした後、噴霧・乾燥する方法や、酵母エキス残渣粉末あるいは混合物粉末を粉末添加しながら水や可塑剤などの液体を噴霧する方法などが使用できる。コーティングに使用される装置としては、例えば、流動層型コーティング装置((株)大川原製作所製「フローコーター」)、ワースターカラム付き流動層型コーティング装置(グラット社製GPCGシリーズ)、遠心流動型コーティング装置(フロイント産業(株)製「CF−グラニュレーター」)、転動流動型コーティング装置((株)パウレック製「マルチプレックス」、不二パウダル(株)製「ニュー/マルメライザー」、ホソカワミクロン(株)製「アグロマスター」、フロイント産業(株)製「スパイラフロー」)、改良型ワースターカラム付き流動層型コーティング装置((株)パウレック製「マルチプレックス」)、などがあげられる。
本発明品のコーティング顆粒は、そのまま投薬されるか、あるいはカプセルに充填して使用されるか、あるいは他の有効成分と混合して使用されるか、あるいは他の賦形剤や有効成分や有効成分を含む顆粒や溶出制御コーティングを施した顆粒と混合後に打錠して錠剤とする、などの方法で使用される。
本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明の実施態様は、これら実施例の記載に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における各物性の測定方法は以下の通りである。
(1)摩損度[%]
目開き75μmのJIS標準篩を通過する微粉成分を手で篩分して除いた素顆粒10gを、摩損度試験機(PharmaTest、ジャパンマシナリー(株)製)に仕込み、25rpmで15分間回転させた後、目開き75μmの篩上に残存した顆粒の質量を測定した。そして投入した素顆粒質量から篩上の残存した素顆粒の質量を差し引き、投入した顆粒全量で除した質量百分率を摩損度とした。繰り返し数は2でその平均値を取った。
摩損度[%]=((投入した素顆粒の質量−篩上に残存した素顆粒の質量)/投入した素顆粒の質量)×100
(2)平均粒径[μm]
ロータップ式振盪機(平工製作所(株)製、シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩を用いて、素顆粒20gを10分篩分し、積算50重量%の粒径を平均粒径とした。繰り返し数は2でその平均値を取った。
(3)形状係数[−]
100個の素顆粒をマイクロスコープ(VH−7000、(株)キーエンス製)の50倍レンズを使用して撮影した。形状係数は、画像解析装置(ImageHyper、(株)インタークエスト製)を用いて下記の算出式より求めた。ここでの面積とは、対象となる粒子の画素数の総和とした。
形状係数[−]=(周囲長)/(4π×面積)
(4)タッピング見掛密度[g/cm
素顆粒30gを100cmメスシリンダーに充填し、30回タッピング後の体積を読み取り、下式によりタッピング密度を計算した。繰り返し数は2でその平均値を取った。
タッピング見掛密度[g/cm]=素顆粒質量[g]/タッピング後の素顆粒体積[cm
(5)メジアン径[μm]
5質量%の酵母エキス残渣水分散液を用いてメジアン径を測定した。酵母エキス残渣が粉体の場合は、TKホモミクサー(特殊機化工業(株)製、HV-M型)の5000rpmで15分攪拌させて、5質量%の酵母エキス残渣水分散液を得た。酵母エキス残渣がスラリーの場合は、酵母エキス残渣の質量が5質量%になるように水で希釈し、300rpmのプロペラ攪拌で10分攪拌した。
酵母エキス残渣をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−910型)、屈折率1.20にて測定し、メジアン径を求めた。繰り返し数は2でその平均値を取った。
(6)粘度[mPa・s]
メジアン径の項と同様に調製した5質量%の酵母エキス残渣水分散液を25℃の条件下で、B形粘度計((株)トキメック製)、60rpmの回転数で粘度を測定した。酵母エキス残渣水分散液を静置30秒後、粘度計のローターを回転させ、30秒後の粘度を読み取った。繰り返し数は2でその平均値を取った。
(7)コーティング効率[%]
コーティング後のコーティング顆粒の回収量を、用いた原料の総量で除した質量百分率で示した。
(8)凝集率[%]
コーティング顆粒10gを紙の上に広げ、目視で凝集している粒の個数を数え、総個数で除した質量百分率で示した。
(9)臭気[−]
コーティング顆粒30gを約50mLのガラス瓶に入れ、室温12時間放置し、開封したときの薬効成分の臭気の有無を三人の専門パネラーにて評価を行った。臭気の度合いは、臭気無しの場合、臭気強度を「1」、臭気少しありの場合、臭気強度を「2」、臭気有りの場合、臭気強度「3」、とスコアを付け、その平均値を「臭気」とした。
(10)苦味[−]
コーティング顆粒0.5gを舌に乗せ、30秒後の薬効成分の苦味の有無を三人の専門パネラーにて評価を行った。苦味の度合いは、苦味無しの場合、苦味強度を「1」、苦味少し有りの場合、苦味強度を「2」、苦味有りの場合、苦味強度を「3」、とスコアを付け、その平均値を「苦味」とした。
(11)昇華性[−]
コーティング顆粒30gを約50mLのガラス瓶に入れ、60℃で1週間静置した。そのときのガラス瓶のくもりおよび顆粒表面の薬効成分(針状結晶物)の有無を評価した。
(12)薬効成分の低下率[%]
アスコルビン酸を含有するコーティング顆粒をアスコルビン酸含有量が約0.2gになるように測り取った。50mLの0.5質量%メタリン酸溶液に素顆粒を加え、アスコルビン酸を溶解させ、1mLのでんぷん溶液を加えた後に、0.05mol/Lヨウ素液で滴定した。コーティング顆粒をポリエチレン袋に入れ、60℃で2週間静置した。この経時変化後のコーティング顆粒を用いて、アスコルビン酸含有量を測定した。経時変化前のコーティング顆粒のアスコルビン酸含有量を100%とした場合に、経時変化後のコーティング顆粒のアスコルビン酸含有量の低下率を下式により求めた。
薬効成分の低下率[%]=(初期コーティング顆粒のアスコルビン酸含有量−経時変化後のコーティング顆粒のアスコルビン酸含有量)/初期コーティング顆粒のアスコルビン酸含有量
[実施例1]
転動流動コーティング装置 ((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)に結晶セルロース100%からなる球形核粒子(旭化成ケミカルズ(株)製、「セルフィア」CP−507)を1.5kg仕込み、L−システイン(協和発酵(株)製)10重量%、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、SSLタイプ)2重量%、水88重量%の薬物修飾液を噴霧し、L−システインが5重量%含有するまで修飾し、篩で800μm以上の成分を除き素顆粒Aを得た。素顆粒Aの物性を表1に示した。
市販の酵母エキス残渣(商品名:イーストラップ(キリンビール(株)製))にオゾンガス(0.1gオゾン/(g酵母エキス残渣・hr))を60分間吹き込み、次いで32000m/sで20分間遠心分離((株)久保田製作所製、6930型)した。得られた残渣に1Lの水を添加し、残渣に対して2.0質量%の過酸化水素を添加し、60℃で3時間反応を行った。32000m/sで20分間遠心分離し、残渣に1.8Lの水を添加し、1mol/Lの塩酸によりpH7に調整し、カタラーゼ・レオネットFプラス(ナガセケムテックス製)を0.1質量%カタラーゼ/(g酵母エキス残渣)添加し、300rpmのプロペラ攪拌を30分行った。32000m/sで20分間遠心分離、残渣に1.8Lの水を添加の操作を二回繰り返し、酵母エキス残渣イを得た。酵母エキス残渣イの物性を表2に示した。
水1.3kgにマンニトール(東和化成工業(株)製)40gを加え溶解させた。このマンニトール水溶液に、酵母エキス残渣イの固形分が150gになるように添加し、15分間300rpmのプロペラ攪拌を行い、7質量%のコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Aを転動流動コーティング装置に仕込み、回転板回転数:500rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:60〜65℃、排気温度:40〜42℃、風量:80〜100m/hr、コーティング液供給速度:9.5g/minの条件で、素顆粒に対して40質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒1を得た。コーティング顆粒の結果を表3に示した。コーティング顆粒1は薬効成分の臭気が無かった。
[実施例2]
結晶セルロース100%からなる球形核粒子(旭化成ケミカルズ(株)製、「セルフィア」CP−305)を用い、後は実施例1同様の操作を行い、500μm以上の成分を除き素顆粒Bを得た。素顆粒Bの物性を表1に示した。
ビール酵母を自己消化させて酵母エキスを取り除いた抽出残渣を乾燥させたものを500gを水10kg懸濁させ、オゾンガス(0.1gオゾン/(g酵母エキス残渣・hr))を90分間吹き込み、次いで32000m/sで20分間遠心分離((株)久保田製作所製、6930型)した。得られた残渣に1Lの水を添加し、残渣に対して2.5質量%の過酸化水素を添加し、60℃で2時間反応を行った。32000m/sで20分間遠心分離し、残渣に1.8Lの水を添加し、1mol/Lの塩酸によりpH7に調整し、カタラーゼ・レオネットFプラス(ナガセケムテックス製)を0.1質量%カタラーゼ/(g酵母エキス残渣)添加し、300rpmのプロペラ攪拌を30分行った。32000m/sで20分間遠心分離、残渣に1.8Lの水を添加の操作を二回繰り返し、酵母エキス残渣ロを得た。酵母エキス残渣ロの物性を表2に示した。
水1.4kgにポリビニルアルコール(以下、PVA)(日本合成工業(株)製、ポバールEG−5)10gを加え、60℃に加熱しながら溶解させた。このPVA水溶液に、酵母エキス残渣ロの固形分が150gになるように添加し、15分間300rpmのプロペラ攪拌を行い、7質量%のコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Bを転動流動コーティング装置に仕込み、回転板回転数:500rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:60℃、排気温度:40〜42℃、風量:60〜80m/hr、コーティング液供給速度:7.0g/minの条件で、素顆粒に対して50質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒2を得た。コーティング顆粒の結果を表3に示した。コーティング顆粒2は薬効成分の臭気が無かった。
[比較例1]
素顆粒Aを用い、実施例2で作成した酵母エキス残渣ロとPVA混合コーティング液を、素顆粒に対して5質量%までコーティングした以外は、実施例2と同様の操作を行い、コーティング顆粒3を得た。コーティング顆粒の結果を表3に示した。
[比較例2]
改良型ワースター装置 ((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)に造粒乳糖(旭化成ケミカルズ(株)販売、Super−Tab)を75〜125μmに分画したものを1.5kg仕込み、L−システイン10重量%、ヒドロキシプロピルセルロース2重量%、水88重量%の薬物修飾液を噴霧し、L−システインを5重量%含有するまで修飾し、篩で212μm以上の成分を除き素顆粒aを得た。素顆粒aの物性を表1に示した。
実施例1同様のコーティング液を用い、0.6kgの素顆粒aを改良型ワースター装置に仕込み、スプレーエアー圧:0.16MPa 、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:70℃、排気温度:40〜42℃、風量:40〜50m/hr、コーティング液供給速度:6.0g/minの条件で、素顆粒に対して60質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒4を得た。コーティング顆粒の結果を表3に示した。
[比較例3]
素顆粒aに対して120質量%までコーティングした以外は、比較例2同様の操作を行い、コーティング顆粒5を得た。コーティング顆粒の結果を表3に示した。
[実施例3]
転動流動コーティング装置 ((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)に乳糖/結晶セルロースからなる球形核粒子(フロイント産業(株)製、「ノンパレル」NP−101)を1.5kg仕込み、アセトアミノフェン(エーピーアイコーポレーション(株)製)15.0重量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製)2.5重量%、水82.5重量%の薬物被覆液を噴霧し、アセトアミノフェンが10重量%含有させた後、篩で500μm以上の成分を除き素顆粒Cを得た。素顆粒Cの物性を表1に示した。
3質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースTC−5E(信越化学工業(株)製)水溶液2.0kgをTKホモミクサー(特殊機化工業(株)製、HV-M型)によって5000rpmで攪拌しながら、噴霧乾燥した150gの酵母残渣イを少しずつ添加し、添加後15分間攪拌して、8質量%のコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Cを転動流動コーティング装置に仕込み、回転板回転数:380rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.14MPa、スプレーエアー流量:350L/min、給気温度:60〜65℃、排気温度:40〜42℃、風量:70〜80m/hr、コーティング液供給速度:9.5g/minの条件で、素顆粒に対して40質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒6を得た。コーティング顆粒の結果を表4に示した。コーティング顆粒6は薬効成分の苦味が無かった。
[実施例4]
万能混合攪拌機((株)三英製作所製、5DM−03−R)にアセトアミノフェン30部、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製、「セオラス」PH−101)64部、クロスカルメロースナトリウム(旭化成ケミカルズ(株)販売、ND−2HS)3部、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製、Sタイプ)3部を投入し、結晶セルロースの1.5質量%の水を滴下しながら混練した。その後、押出し造粒機(不二パウダル(株)製、ドームグランDG−L1)φ0.7スクリーンで押出し顆粒を作成し、マルメ機(不二パウダル(株)製、ニュー/マルメライザーNQ−125)で30分間丸め操作を行った。その後、流動層乾燥機((株)パウレック製、「マルチプレックス」MP−01型)で品温が40℃になるまで乾燥を行い、篩で75μm以下、800μm以上の成分を除き素顆粒Dを得た。素顆粒Dの物性を表1に示した。
市販のビール酵母エキス残渣であるイーストラップ(キリンビール(株)製)にオゾンガス(0.18gオゾン/(gビール酵母エキス残渣・hr))を一時間吹き込み、次いで次いで32000m/sで20分間遠心分離後、得られた残渣に水1kgを添加し、300rpmのプロペラ攪拌と32000m/sの遠心分離による水洗浄を二回繰り返し、得られた残渣を凍結乾燥して酵母エキス残渣ハを得た。酵母エキス残渣ハの物性を表2に示した。
水2.0kgをTKホモミクサー5000rpmで攪拌しながら、100gの酵母エキス残渣ハを少しずつ加えた。添加後、更に30分間混合を行うことで、水分散液を調製した。その後、3gの酸化チタン(東邦チタニウム(株)製、局方品)を加え更に15分攪拌してコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Dを転動流動コーティング装置に仕込み、回転板回転数:500rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:60〜65℃、排気温度:40〜42℃、風量:80〜100m/hr、コーティング液供給速度:8.0g/minの条件で、素顆粒に対して50質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒7を得た。コーティング顆粒の結果を表4に示した。コーティング顆粒7は薬効成分の苦味が無かった。
[比較例4]
φ0.1スクリーンを用いる以外は、実施例4の素顆粒D同様の操作を行い、篩で75μm以下、212μm以上の成分を除き素顆粒bを得た。素顆粒bの物性を表1に示した。
実施例1の酵母エキス残渣イの5質量%液をコーティング液として用いた。
1.0kgの素顆粒bを改良型ワースター装置に仕込み、スプレーエアー圧:0.16MPa 、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:75℃、排気温度:40〜42℃、風量:40〜50m/hr、コーティング液供給速度:6.0g/minの条件で、素顆粒に対して50質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒8を得た。コーティング顆粒の結果を表4に示した。
[比較例5]
ビール酵母を自己消化させて酵母エキスを取り除いた抽出残渣を乾燥させたもの100gを水1Lに懸濁させ、0.25mol/Lの水酸化ナトリウムを加えpH12に調製して、60分還流煮沸させた。32000m/sの遠心分離により得られた残渣に水1Lを加え、300rpmのプロペラ攪拌と32000m/sの遠心分離による水洗浄を二回行った。得られた残渣に水1Lを添加し、1.0mol/Lの塩酸を加えて、60分還流煮沸させた。次いで遠心分離により得られた残渣に水1Lを加え、300rpmのプロペラ攪拌と32000m/sの遠心分離による水洗浄を行い、得られた残渣に水1Lを加え、オゾンガス(0.18gオゾン/(gビール酵母エキス残渣・hr))を8時間吹き込み、次いで32000m/sで20分遠心分離した。得られた残渣にエタノール1Lを添加し、300rpmのプロペラ攪拌と32000m/sの遠心分離によるエタノール洗浄を行った。得られた残渣に水1Lを添加し、300rpmのプロペラ攪拌と32000m/sの遠心分離による水洗浄を行い、酵母エキス残渣いを得た。酵母エキス残渣いの物性を表2に示した。
水2.0kgをTKホモミクサー5000rpmで攪拌しながら、酵母エキス残渣の固形分が100gになるように添加し、その後、20gの酸化チタン(東邦チタニウム(株)製、局方品)を加え更に15分攪拌してコーティング液を調製した。
上記のコーティング液を用い、実施例3同様に素顆粒Cにコーティング操作を行い、素顆粒に対して30質量%までコーティングを行い、コーティング顆粒9を得た。コーティング顆粒の結果を表4に示した。
[実施例5]
万能混合攪拌機にアスピリン30部(白鳥化学(株)製)、結晶セルロース(PH−101)64部、クロスカルメロースナトリウム3部、ヒドロキシプロピルセルロース3部を投入し、結晶セルロースの1.5質量%の水を滴下しながら混練した。それ以外は、実施例4同様の操作を行い、素顆粒Eを得た。素顆粒Eの物性を表1に示した。
水1.3kgにショ糖(日本粉末薬品(株)製)30gを加え溶解させた。このショ糖水溶液に、酵母エキス残渣イの固形分が150gになるように添加し、15分間300rpmのプロペラ攪拌を行い、7質量%のコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Eを転動流動コーティング装置に仕込み、実施例1同様の操作を行い、素顆粒に対して40質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒10を得た。コーティング顆粒の結果を表5に示した。経時保存後のコーティング顆粒10はガラス瓶に曇りや針状結晶が無かった。
[実施例6]
水1.3kgにポリエチレングリコール(以下、PEG)(分子量1000、和光純薬工業(株)製)7.5gを加え溶解させた。このPEG水溶液に、酵母エキス残渣ロの固形分が150gになるように添加し、15分間300rpmのプロペラ攪拌を行い、7質量%のコーティング液を調製した。
1.0kgの素顆粒Eを転動流動コーティング装置に仕込み、実施例1同様の操作を行い、素顆粒に対して50質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒11を得た。コーティング顆粒の結果を表5に示した。昇華性を評価したところ、経時保存後のコーティング顆粒11はガラス瓶に曇りや針状結晶が無かった。
[比較例6]
ビール酵母を自己消化させて酵母エキスを取り除いた抽出残渣を乾燥させたもの500gに、水10kg添加し15分間300rpmのプロペラ攪拌を行った後に32000m/sの遠心分離を行った。得られた残渣に、水10kg添加し15分間300rpmのプロペラ攪拌を行った後に32000m/sの遠心分離を行う操作を二回繰り返し、噴霧乾燥して酵母エキス残渣ろを得た。酵母エキス残渣ろの物性を表2に示した。
水1.3kgにショ糖(日本粉末薬品(株)製)30gを加え溶解させた。このショ糖水溶液に、酵母エキス残渣ろの固形分が150gになるように添加し、15分間300rpmのプロペラ攪拌を行い、7質量%のコーティング液を調製した。
実施例5同様の操作を行い、素顆粒Eに対して60質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒12を得た。コーティング顆粒の結果を表5に示した。
[比較例7]
φ0.5スクリーンを用いる以外は、実施例5の素顆粒E同様の操作を行い、篩で75μm以下、500μm以上の成分を除き素顆粒cを得た。素顆粒cの物性を表1に示した。
実施例5同様のコーティング液を用い、0.8kgの素顆粒cを改良型ワースター装置に仕込み、スプレーエアー圧:0.16MPa 、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:70〜75℃、排気温度:40〜42℃、風量:40〜50m/hr、コーティング液供給速度:7.0g/minの条件で、素顆粒に対して50質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒13を得た。コーティング顆粒の結果を表5に示した。
[実施例7]
万能混合攪拌機にアスコルビン酸(BASF社製)50部、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ(株)製、「セオラス」PH−301)44部、クロスカルメロースナトリウム3部、ヒドロキシプロピルセルロース3部を投入し、結晶セルロースの1.5質量%の水を滴下しながら混練した。それ以外は、実施例4同様の操作を行った。その後、転動流動層装置に素顆粒を仕込み、回転板回転数:300rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.14MPa、スプレーエアー流量:35L/min、給気温度:60〜65℃、排気温度:36〜38℃、風量:80〜100m/hr、コーティング液供給速度:10.0g/minの条件で、素顆粒に対して3質量%まで7質量%のHPMCをコーティングし、素顆粒Fを得た。素顆粒Fの物性を表1に示した。
実施例1で使用したコーティング液を用い、0.8kgの素顆粒Fを転動流動コーティング装置に仕込み、回転板回転数:400rpm、タンジェンシャルボトムスプレーを使用し、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、給気温度:60〜65℃、排気温度:40〜42℃、風量:80〜100m/hr、コーティング液供給速度:9.5g/minの条件で、素顆粒に対して60質量%までコーティングした。その後60℃で一時間顆粒の乾燥を行い、コーティング顆粒14を得た。コーティング顆粒の結果を表6に示した。経時保存後のコーティング顆粒14は薬効成分の低下率が低かった。
[比較例8]
素顆粒に対して7質量%までコーティングした以外は、実施例7同様の操作を行い、コーティング顆粒15を得た。コーティング顆粒の結果を表6に示した。
Figure 2006188473
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本発明のコーティング顆粒の製造方法およびコーティング顆粒は、酵母エキス残渣を主成分とするフィルムでコーティングすることにより、薬効成分の臭気マスクや苦味マスク、酸素による劣化、昇華、揮発を抑制することができる。

Claims (3)

  1. 薬効成分を含み、且つ、摩損度が1%以下、平均粒径が100〜1400μm、形状係数が0.8以上である素顆粒100部に、酵母エキス残渣を主成分とし、酵母エキス残渣粒子のメジアン径が2〜30μmであり、粘度が1500mPa・s以下であるコーティング剤10部(固形分)以上をコーティングすることを特徴とするコーティング顆粒の製造方法。
  2. 薬効成分が臭気または苦味、空気酸化性、昇華性、揮発性のいずれかの性質を有する物質であることを特徴とする請求項1のコーティング顆粒の製造方法。
  3. 請求項1あるいは請求項2の方法で製造されたコーティング顆粒。
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