JP6138635B2 - セルロース系核粒子及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、粒子の製造に用いられる核粒子、該核粒子を用いて調製される粒子、及び該粒子を含む錠剤、水なしでも服用できる口腔内崩壊錠又はカプセル剤に関する。
近年、医薬、食品等の製剤化において、粒子を調製する方法として、核粒子に薬物や薬効成分を被覆させるレイヤリング法が知られている。また、薬物や薬効成分などの有効成分の安定性や苦味などのマスキング、有効成分の溶出制御のために、核粒子を用いて製造された粒子に対してフィルムコーティングを施す技術が知られている。
特に、微粒子フィルムコーティング技術は苦味マスキングや口腔内崩壊錠に多く採用されており、その要因は、本来、カプセル剤の粒子として利用されてきた核粒子の製造技術が向上し微粒子化した事と微粒子でも安定した製品が製造できる微粒子コーティング装置が開発されたことである。このことによって、微粒子コーティング粒子を含有させた口腔内崩壊錠も広く利用可能となり、そのような錠剤は口腔内でもざらつきを感じることなく服用できるようになっている。さらに、微粒子化したことで、より多くの薬物を被覆することができ、患者への錠剤投与量への負担が低減可能となっている。なお、口腔内崩壊錠の場合、口腔内で違和感なく服用できる核粒子の平均粒子径は小さければ小さいほど良いが、一般的に薬物やフィルムを被覆させた後の平均粒子径が150μm以下であれば許容範囲と言われている。
最近の口腔内崩壊錠は、医薬製剤分野において大いに発展した剤形である。それらの口腔内崩壊錠は、普通錠と同様の製法で製造されているが、錠剤として実用的な錠剤硬度と口腔内崩壊錠としての満足いく崩壊性や服用感を得るのに、多種多様の添加剤や賦形剤の配合比率を駆使して作り上げた技術に基づくものである。こうした技術の製剤は、高付加価値製剤として、患者へのQOL(Quality Of Life)向上の他、製品のPLCM(Product Life Cycle Management)の上でも重要になりつつある。更には、高齢化社会が急速に進む中、唾液や少量の水で速やかに崩壊する口腔内崩壊錠は、高齢者や小児などの嚥下力の弱い患者でも服用しやすい剤形として、医療現場での利便性や患者への服用性など、コンプライアンスの向上に大いに寄与している。
これまで粒子の製造に用いられるセルロース系の核粒子としては、例えば以下のものがある。
特許文献1には、結晶セルロースを核粒子として使用して薬物を積層させ、更にフィルムコーティングを施す方法が開示されており、特許文献2には、機械的に摩砕して得られた結晶セルロースを含む分散液を調整し、該分散液を液滴の形態にした後、乾燥することにより得られるセルロース系核粒子、及びその粒子に薬物を積層させ、フィルムコーティングを施す方法が開示されている。更に、特許文献3には、結晶セルロース系の核粒子に薬効成分及びフィルムコーティング層が均一の厚みに積層された小さい粒子を高い収率で製造する方法が開示されている。
特開平7−173050号公報 国際公開第2002/036168号 国際公開第2008/149894号
特許文献1に開示されているセルロース系核粒子は、平均粒子径が150μm以上と大きく、細粒剤や顆粒含有錠等に応用する場合、口腔内でざらつきを感じ服用感が問題となる。また、粒子含有錠とした際、粒子と賦形剤の分離偏析が生じ、製剤として打錠性や混合均一性及び含量均一性に問題がある。
特許文献2に開示されているセルロース系核粒子は、粒子表面の凹凸が大きく、かつ比表面積が大きいことから、フィルムコーティング層のばらつきが生じるため、薬効成分の溶出制御が難しく、所望の薬効成分の溶出制御を得るためにはフィルム層を厚くする必要があり、コーティング層を多く必要とする。その結果、粒子の大きさも150μm以上となり、細粒剤や粒子含有錠等に応用する場合、口腔内でざらつきを感じ服用感が問題となる。
特許文献3に開示されているセルロース系核粒子の平均粒子径は10〜100μm未満と小さく、口腔内でざらつきを感じないものである。しかし、核粒子のタッピング嵩密度が0.80g/ml以上と重質で、さらには真球度が高く、かつ表面が平滑であるが故、該粒子を打錠する要領で成形しても満足に成形し得ないものである。つまり、粒子含有錠とした際、成形性が足りず、錠剤化することが難しいだけでなく、錠剤にすることができても高い打錠圧が必要となり、速い崩壊性が得られず口腔内崩壊錠に製剤設計するには非常に難しいものである。
このように、従来の核粒子では、核粒子に対し数十質量%以上の薬効成分の被覆やフィムコーティング層を積層させると平均粒子径が100μm以上と大きくなり、さらには、粒子の成形性も悪く、口腔内崩壊錠としての最適な錠剤硬度や崩壊性、服用感で満足いくものを製造することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、核粒子に対し数十質量%以上の薬効成分の被覆やフィルムコーティング層を積層させても平均粒子径が100μm以下に抑制でき、さらには、粒子の成形性も良く、口腔内崩壊錠としての硬度や崩壊性、服用感で満足いくものを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロースを100質量%含有し、見かけ嵩密度が0.20〜0.60g/ml未満、安息角が38〜50°、打圧3kN時の錠剤硬度が50N以上、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合が50質量%以上であれば、上記目的を達成できること、また、このような核粒子は、セルロースと結合液とを撹拌混合して造粒する攪拌造粒工程と、該攪拌造粒工程で得られた第一の造粒物を気流により流動させると共に転動させながら結合液を噴霧する転動造粒工程と、該転動造粒工程で得られた第二の造粒物を乾燥する乾燥工程と、乾燥した粒子を粉砕する粉砕工程とを組合せることにより製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)セルロース100質量%を含有し、見かけ嵩密度が0.20g/ml以上0.60g/ml未満、安息角が38〜50°、打圧3kN時の錠剤硬度が50N以上、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合が50質量%以上であるセルロース系核粒子。
(2)吸水能が0.3ml/g以上1.5ml/g未満である上記(1)のセルロース系核粒子。
(3)上記(2)のいずれかに記載のセルロース系核粒子と、該核粒子を被覆する薬物層を有する粒子。
(4)上記(3)の粒子と、該粒子を被覆するフィルムコーティング層を有するフィルムコーティング粒子。
(5)上記(3)の粒子、又は上記(4)のフィルムコーティング粒子を含有する錠剤。
(6)上記(3)記載の粒子、又は上記(4)のフィルムコーティング粒子を3〜90質量%含有する錠剤。
(7)第16改正日本薬局方の崩壊試験法に準じて測定された崩壊時間が60秒未満である上記(5)の錠剤。
(8)セルロースと結合液とを混合撹拌して造粒する造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で得られた造粒物を粉砕する粉砕工程とを含むセルロース系核粒子の製造方法。
(9)セルロース100質量%を含有し、荷重ピーク値が200〜1000mNである造粒物を粉砕する工程を上記(1)〜(2)のいずれかのセルロース系核粒子の製造方法。
本発明は、典型的には、セルロースを含んだある程度硬い球形造粒物を粉砕処理する方法により得られる核粒子に関するが、そのような処理により、驚くべきことに、造粒物が均等に破壊され粒子径の揃った比較的丸い形状の粒子が得られる。さらに、セルロースにケイ酸カルシウムや軽質無水ケイ酸などの賦形剤を含有させた粒子からも、同様に粉砕処理した場合には粒子径の揃った比較的丸い形状の粒子が得られる。しかも、これらの粒子表面が完全には平滑でなく、多少の凹凸がある為、その粒子を核粒子として使用して薬物を積層させ、更にフィルムコーティングを施すと、核粒子に対し数十質量%以上の薬効成分の被覆やフィルムコーティング層を積層させても平均粒子径を100μm以下に抑制でき、さらには、粒子の成形性も良く、口腔内崩壊錠としての硬度や崩壊性、服用感で満足いくものが製造できる。
本発明の錠剤の一実施態様の断面模式図を示す。
以下、本発明を実施する為の最良の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるのもではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<本発明の核粒子>
本実施形態のセルロース系核粒子は、セルロースを100質量%含有し、見かけ嵩密度が0.20g/ml以上0.60g/ml未満、安息角が38〜50°、打圧3kN時の錠剤硬度が50N以上、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合が50質量%以上である。
セルロースには、結晶セルロースや粉末セルロースなどがあるが、核粒子にした場合の硬さや核粒子を錠剤にした成形性などの観点から結晶セルロースが好ましい。
結晶セルロースとしては、平均重合度が60〜350であるものが好ましい。平均重合度が350以下であれば、核粒子に繊維状が現れず、摩砕されやすく、かつ、核粒子の丸みが損なわれないので好ましい。また、平均重合度が60以上であれば、結晶セルロース分子の絡み合いが多くなるため、核粒子の硬さが向上するので好ましい。結晶セルロースの平均重合度は、好ましくは100〜300、さらに好ましくは120〜270である。
本実施形態の賦形剤とは、医薬品などの取扱いあるいは成形性の向上や服用を便利にするために加える添加剤である。特に、製剤過程(製造工程)では、有効成分の量が少ない場合に、一定の大きさや濃度にする目的で賦形剤を添加する。
本実施形態のセルロース系核粒子に含有される賦形剤の成分としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、含水無水晶形酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、含水ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、タルク、炭酸マグネシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸一水素カルシウムなどが挙げられる。
本実施形態のセルロース系核粒子の平均粒子径は、薬効成分の被覆、フィルムコーティング時の凝集を抑制させる観点、及び口腔内でのざらつき防止や薬効成分の含量均一性に影響する分離偏析の抑制の観点から、20μm〜100μmが好ましく、40μm〜80μmがより好ましく、40μm〜70μmがさらに好ましい。
平均粒子径とは、ロータップ型篩分機、振動型篩分機、超音波篩分機、エアージェットシーブ等の一般的な空気分散式篩分析装置などを用いて測定した際の累積50質量%の粒度のことを言う。また、本実施形態において、セルロース系核粒子の粒度分布は、上記の理由から出来るだけ狭いことが好ましく、目開き75μmの篩(なお、篩はいずれもJIS標準篩)を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合が50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態のセルロース系核粒子の見かけ嵩密度は、0.20g/ml以上0.60g/ml未満であり、好ましくは、0.30g/ml以上0.60g/ml未満である。
本発明において、見かけ嵩密度とは、粒子30gを100mlのガラス製メスシリンダーに疎充填した粒子層の容積を読み取り、30gを該容積(ml)で除した値である。
見かけ嵩密度が0.20g/ml以上であれば、粒子が軽質であり、且つ単位質量あたりの粒子数も十分なので、単位質量あたりの粒子の表面積が大きくなる一方で、被覆層に含まれる有効成分の溶出制御を行うのに必要な厚さを有するフィルムコーティング層を得るために、フィルムコーティング層を大幅に増やす必要がなく、効率やコスト面でのマイナス要因が少ない。
見かけ嵩密度が0.60g/ml未満であれば粒子自体を他の賦形剤と混合した場合に、粒子が分離・偏析しにくく、粒子に被覆した薬物の含量均一性に優れるので好ましい。
本実施形態のセルロース系核粒子の安息角は、試料を自然落下させた状態で形成される粉体の山の角度(仰角)を測定した値である。粉体のハンドリング性を推測する最も簡便な測定値であり、一般的に安息角が40°以下の粉体は製造設備中の閉塞が少ないと言われる。しかし、セルロース系核粒子のみが流れが良くても他の賦形剤と混合、配合した場合、粒子が分離偏析し、含量均一性や錠剤重量の均一性などのトラブルが発生しやすくなることから、セルロース系核粒子の安息角は、38〜50°が好ましく、40〜48°がさらに好ましく、42〜45°がさらに好ましい。
本実施形態のセルロース系核粒子の打圧3kN時の錠剤硬度が50N以上とは、500mgの核粒子を計りとり、臼に入れ、11mmφの臼杵で打錠圧3kNの力で10秒間静圧プレス(1011CREEP、AIKOH ENGINEERING製)した錠剤の硬度を指す。
錠剤硬度が50N以上であれば、本実施形態のセルロース系核粒子を用いて製剤化した錠剤の包装や輸送時にも、その錠剤の角などが欠けにくく、品質や薬物含量の安定につながり好ましい。
また、セルロース系核粒子は、平均粒子径が20μm〜100μmでありながら、球状核であることが好ましい。ただし、核粒子の平均粒子径が20μm〜100μmの場合には、当該核粒子が完全には球状でなくとも、その粒子径が十分に小さいといえるから、該核粒子に被覆する薬効成分やフィルムコーティング層である程度、当該被覆やコーティング後の粒子を球状化することが可能である。球状性は真球度で表すことができ、真球度は、粒子の短径を長径で除した値である。核粒子の真球度は、0.5〜0.9が好ましく、0.6〜0.9がさらに好ましい。核粒子の真球度が0.5以上であれば、それを用いた球状粒子の真球度が良くなり、有効成分の被覆後の製品美観上や有効成分の溶出速度のコントロールの点で好ましい。また、真球度が0.9未満であれば、核粒子同士の抵抗が依然として大きく、その結果、成形性が上がり錠剤の一般的な硬度が得られやすい。また、流動性も高くなりすぎないため、核粒子が分離偏析し、錠剤の重量均一性や含量均一性に問題が生じることが少ない。
本実施形態のセルロース系核粒子の吸水能は、0.3ml/g以上1.5ml/g未満であることが好ましく、0.5ml/g以上1.5ml/g未満であることがより好ましい。本発明において、吸水能とは、粒子が吸水できる含水量を粒子1gあたりで表したものであり、JIS K5101に記載の吸油量の測定に準じ、油の代わりに純水を用いて測定できる。
吸水能が0.3ml/g以上であれば、薬物レイヤリングなどの時に用いられる水溶液や水性懸濁液を噴霧した場合に、粒子の表面に水分が残りにくく、粒子同士の凝集や機器壁面への付着が少なくなり好ましい。また、吸水能が1.5ml/g未満であれば、粒子が吸収する水分が少なく、粒子自体が重くならないため粒子の流動性や操作性が良好である結果として、均一な製品を製造しやすい。
本実施形態のセルロース系核粒子の形状係数は、1.05〜2.50であることが好ましい。より好ましくは、1.15〜2.25であり、さらに好ましくは1.20〜2.00である。形状係数とは、粒子投影図の輪郭の長さを粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長で除した値である。すなわち、粒子表面の平滑度、若しくは、凹凸度合いを示したものであり、形状係数が1.05以上の場合、水溶性の薬物懸濁液、結合液などが付着しやすく、更には、薬物層を核粒子に対し50質量%以上被覆することが容易となり、好ましい。一方、形状係数が2.50以下の場合、薬物被覆後の粒子の凹凸が多すぎず美観的に好ましい。また、粒子が摩損しにくくなり、品質的にも好ましい。
尚、形状係数は、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製、VH−7000型、VH−501レンズ)を用いて撮影した粒子画像を、画像処理解析ソフトを使用して、粒子形状を測定したものであり、凹凸のない場合は1.0であり、凹凸が多くなるに従って1.0より多くなる。
本実施形態のセルロース系核粒子は、荷重ピーク値が200〜1000mNであることが好ましい。荷重ピーク値が200mN以上であれば、粒子の強度が高く、粉砕処理工程で粉化を抑制でき、平均粒子径が20μm〜100μm未満、真球度が0.5〜0.9未満のものを得やすい。一方、荷重ピーク値が1000mN以下であれば、粒子の強度が高すぎず、粉砕処理工程で、均等に粉砕することが容易になり、平均粒子径が20μm〜100μm未満、真球度が0.5〜0.9未満のものを得やすい。
以上のような物性を有するセルロース系核粒子は、セルロースと結合液とを混合撹拌して造粒する造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で得られた造粒物を粉砕する粉砕工程とを含む製造方法で製造することができる。
また、結晶セルロース及び賦形剤と結合液とを撹拌混合して造粒する攪拌造粒工程と、前記攪拌造粒工程で得られた第一の造粒物を気流により流動させると共に転動させながら該第一の造粒物に結合液を噴霧する転動造粒工程と、前記転動造粒工程で得られた第二の造粒物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で得られた第三の造粒物を粉砕する粉砕工程と、を含む核粒子の製造方法により製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
しかしながら、これまで、平均粒子径が20μm〜100μm未満の小さい粒子では、真球度が0.5〜0.9のものを効率良く得られる製造方法は知られていなかった。ところが、セルロースを含んだ、ある程度硬い球形造粒物を粉砕処理すると、その粒子は、驚くべきことに造粒物が均等に破壊され粒子径の揃った比較的丸い形状で、真球度が0.5〜0.9のものが得られることがわかった。
まず、結晶セルロース及び賦形剤を撹拌混合して造粒する撹拌造粒工程について説明する。
本実施形態において、結合液とは、結晶セルロース及び賦形剤を結合することができる液体であればよく、取扱いの観点から、水のみが好ましい。水に粘性を与えるヒドロキシプロピルセルロース、デンプン糊、ポビドンなどの結合剤を少量入れても良い。撹拌混合には、混合撹拌造粒機(VG−10、パウレック製)を用いることが好ましい。
次に、必要な場合に実施されるところの撹拌造粒工程において得られた第一の造粒物を気流により流動させると共に転動させながら、該第一の造粒物に結合液を噴霧する転動造粒工程について説明する。
転動造粒工程で造粒物に噴霧する結合液は、結晶セルロースを結合することができる液体であればよく、造粒工程において使用した結合液と同一であっても良く、そうでなくても良い。取扱いの観点から、水のみが好ましいが、これに限定されない。造粒物を気流により流動させると共に転動させる装置としては、転動流動層型コーティング装置(MP−25型、パウレック製)を用いることが好ましい。
具体的には、転動造粒工程は、攪拌造粒工程において得られた造粒物を転動流動型コーティング装置へ移し、底部からの給気により粒子を流動させ、かつ、底部の転動盤の回転により粒子を転動させながら、すなわち、転がしながら動かして、水を噴霧することが好ましい。
転動造粒工程により、粒子を重質化及び球形化させた後、乾燥し(乾燥工程)、必要により粗大粒子を篩分する。その後、この粒子をジェットミル(STJ−400A、セイシン企業製)やハンマミル(H−12、ホソカワミクロン製)、バンタムミル(AP−B、ホソカワミクロン製)などの粉砕機で粉砕を行う(粉砕工程)ことで平均粒子径が20μm〜100μm未満の微小粒子でありながら、本発明で規定する物性を満たす核粒子を製造することができる。
<本発明の核粒子を使用した医薬品>
本実施形態のセルロース系核粒子を薬物層で被覆し、更に場合によりフィルムコーティングすることで医薬品に配合可能な粒子を得ることができる。本実施形態のセルロース系核粒子を被覆する薬物層及びセルロース系核粒子を含有する粒子を含む医薬品、典型的には錠剤に使用される有効成分とは、人及び動物の疾病の治療、予防、診断に使用されるものであって、器具・機械ではなく、第十六改正日本薬局方に収載されている繁用な医薬品の有効成分である。
例えば、抗癲癇剤(フェニトイン、アセチルフェネトライド、トリメタジオン、フェノバルビタール、プリミドン、ニトラゼパム、バルプロ酸ナトリウム、スルチアム、等)、解熱鎮痛消炎剤(アセトアミノフェン、フェニルアセチルグリシンメチルアミド、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フロクタフェニン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、エテンザミド、オキシフェンブタゾン、スルピリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、アルクロフェナク、ナロキセン、ケトプロフェン、塩酸チノリジン、塩酸ベンジダミン、塩酸チアラミド、インドメタシン、ピロキシカム、サリチルアミド、等)、鎮暈剤(ジメンヒドリナート、塩酸メクリジン、塩酸ジフェニドール、等)、麻薬(塩酸アヘンアルカロイド、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、オキシメテバノール等)、精神神経用剤(塩酸クロルプロマジン、マレイン酸レボメプロマジン、マレイン酸ペラジン、プロペリシアジン、ペルフェナジン、クロルプロチキセン、ハロペリドール、ジアゼパム、オキサゼパム、オキサゾラム、メキサゾラム、アルプラゾラム、ゾテピン、等)、骨格筋弛緩剤(クロルゾキサゾン、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、塩酸エペリゾン、等)、自律神経用剤(塩化ベタネコール、臭化ネオスチグミン、臭化ピリドスチグミン、等)、鎮痙剤(硫酸アトロピン、臭化ブトロピウム、臭化ブチルスポコラミン、臭化プロパンテリン、塩酸パパベリン、等)、抗パーキンソン剤(塩酸ビペリデン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、レボドパ、等)、抗ヒスタミン剤(塩酸ジフェンヒドラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン、メキタジン、フマル酸クレマスチン、等)、強心剤(アミノフィリン、カフェイン、dl−塩酸イソプロテレノール、塩酸エチレフリン、塩酸ノルフェネリン、ユビデカレノン、等)、不整脈用剤(塩酸プロカインアミド、ピンドロール、酒石酸メトプロロール、ジソビラミド、等)、利尿剤(塩化カリウム、シクロペンチアジド、ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン、アセタゾラミド、フロセミド、等)、血圧降下剤(臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、シロシンゴピン、レセルピン、塩酸プロプラノール、カプトプリル、メチルドパ、等)、血管収縮剤(メシル酸ジヒドロエルゴタミン、等)、血管拡張剤(塩酸エタフェノン、塩酸ジルチアゼム、塩酸カルボクロメン、四硝酸ペンタエリスリトール、ジピリダモール、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、クエン酸ニカメタート、シクランデレート、シンナリジン、等)、動脈硬化用剤(リノール酸エチル、レシチン、クロフィブラート、等)、循環器官用剤(塩酸ニカルジピン、塩酸メクロフェノキサート、チトクロームC、ピリジノールカルバメート、ピンボセチン、ホパンテン酸カルシウム、ペントキシフィリン、イデベノン、等)、呼吸促進剤(塩酸ジメフリン、等)、鎮咳去痰剤(リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、塩酸L−メチルシステイン、塩酸ブロムヘキシン、テオフィリン、塩酸エフェドリン、アンレキサノクス、等)、利胆剤(オサルミド、フェニルプロパノール、ヒメクロモン、等)、整腸剤(塩化ベルベリン、塩酸ロペラミド、等)、消化器官用剤(メトクロプラミド、フェニペントール、ドンペリドン、等)、ビタミン剤(酢酸レチノール、ジヒドロタキステロール、エトレチナート、塩酸チアミン、硝酸チアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、ニコチン酸、パンテチン、シアノコバラミン、ビオチン、アスコルビン酸、フィトナジオン、メナテトレノン、等)、抗生物質(ベンジルペニシリンベンザチン、アモキシシリン、アンピシリン、シクラシリン、セファクロル、セファレキシン、セフロキシムアキセチル、エリスロマイシン、キタサマイシン、ジョサマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、グリセオフルビン、セフゾナムナトリウム、等)、化学療法剤(スルファメトキサゾール、イソニアジド、エチオナミド、チアゾスルホン、ニトロフラントイン、エノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、等)が挙げられる。
特に本発明は苦味のある薬物を有効成分として含む医薬品に適用するのが好ましく、そのような薬物としては、カフェイン、ランソプラゾール、ファモチジン、オメプラゾール、クエン酸モサプリド、ボグリボース、酒石酸ゾルピデム、ロラタジン、イミダプリル塩酸塩、ミゾリビン、塩酸セフカペンピボキシル、レボフロキサシン、リスペリドン、コハク酸スマトリプタン、フマル酸クエチアピン、コハク酸ソリフェナシン、グルコサミン、グルコサミン塩酸塩、N−アセチルグルコサミン、コエンザイムQ10、ギムネマ、アガリクス、コラーゲン、サイリウムハスク末、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸塩、ウコン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸エステル、アルギン酸亜鉛、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、防風痛聖散、明日葉、アスタキサンチン、アルファーリポ酸、イチョウ葉、エラスチン、L−カルニチン、キトサン、クロレラ、スピルリナ、セラミド、コノギリヤシ、ヒアルロン酸、ビルベリー、β―グルカン、マカ、松樹皮抽出物、ルテイン、アフリカマンゴノキ、柑橘系フルーツ抽出エキス、キノコキトサン、葛の花エキス、グリーンコーヒー豆エキス、グリーンルイボス、黒酢、オルニチン、アミノ酸、オリーブ、クルクミン、アガリクス、霊芝等菌類、リン脂質、オリゴ乳酸、フェルラ酸、青大豆パウダー、ラクトビオン酸、キャッツクロー、ポリフェノール等が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態の核粒子に有効成分を含む薬物層を被覆して粒子を製造する方法としては、例えば、核粒子を流動層造粒装置(MP−25型、パウレック製)で流動させながら結合液中に有効成分を溶解又は懸濁させた液を噴霧する方法や遠心流動型コーティング装置(CFグラニュレーター;フロイント製)中で転動させながら、結合液を連続的に噴霧し、同時に有効成分粉末を散布する方法、有効成分と結合液中に核粒子を浸漬する方法などが挙げられる。
本実施形態の核粒子から製造した粒子は、その粒子表面にフィルムコーティング層を施してフィルムコーティング粒子とすることが好ましい。フィルムコーティングは、例えば、核粒子に薬効成分を含む薬物層を被覆した粒子に対し、飲みやすさの改善、外観の美化、防湿、防酸化、薬物の溶出制御(例えば、徐放性、腸溶性、胃溶性)、薬物の苦味マスキングや劣化防止などの、医薬品にとって更に好適な物性を賦与することを目的として行われる。
本実施形態のフィルムコーティング層を有する粒子に使用されるフィルムコーティング成分としては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、マクロゴール、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートポリマーE、パルミチン酸イソプロピルヒドロキシプロピルセルロース、ヒマシ油、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ミツロウ、ミスチリン酸イソプロピル2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、モノステアリン酸グリセリン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アラビアゴム末、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、オクチルデシルトリグリセリド、オパドライ、含水二酸化ケイ素、クエン酸トリエチル、グリセリン脂肪酸エステル、合成ケイ酸アルミニウム、合成ワックス、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ステアリルアルコール、D−ソルビトール、トウモロコシデンプン、トリアセチン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒプロメロースフタル酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、D−マンニトール、無水クエン酸、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルアクリレート・メタアクリル酸・メチルメタアクリレートコポリマー、メチルセルロース、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート等が挙げられる。
フィルムコーティング層の量は目的によって異なるが、粒子100質量部に対してフィルムコーティング層1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部がより好ましい。フィルムコーティング層が50質量部以下であれば粒子の粒子径を小さいまま保つことができ、口腔内でのざらつきが少ないため好ましい。また、錠剤化においても粒子と賦形剤の粒子径の違いによる流動性の均一性が高く、分離偏析が起こりにくいため好ましい。また、フィルムコーティング層が1質量部以上であれば、フィルムコーティング層による目的の溶出制御が容易となり好ましい。
本実施形態のセルロース系核粒子を被覆する薬物層及びセルロース系核粒子を含み、更に場合によりフィルムコーティング層を含む粒子を含有する医薬品、典型的には錠剤に使用される結晶セルロース、有効成分、フィルムコーティング成分以外の成分として、例えば、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴムなど)、安定化剤(例えば、安息香酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、甘味剤(アスパルテーム、D−マンニトールなど)、矯味剤(アスパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウムなど)、香料(ペパーミント、メントールなど)、崩壊剤(クロスポビドン、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カンテン末、ショ糖脂肪酸エステル、カルボキシメチルスターチナトリウム、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ポビドン、クロスカルメロースナトリウムなど)、その他の添加剤などの製剤や食品などに使用可能な成分を含有することが出来る。
前記のとおり、本実施形態において、粒子又はフィルムコーティング粒子が薬効成分を含むものである場合は、そのまま投薬するか、又は他の薬剤と混合して投薬してもよいが、カプセルに充填してカプセル剤とするのが好ましく、更に、他の適当な賦形剤と混合後、打錠して粒子含有錠とすることがより好ましい。粒子含有錠の中でも、口腔内の唾液で速やかに崩壊する口腔内崩壊錠は最も好ましい剤型の一つである。
従って、以下に、本実施形態の粒子又はフィルムコーティング粒子を含んだ、口腔内で速やかに崩壊する口腔内崩壊錠の製造方法について説明する。
本実施形態において、口腔内崩壊錠は、錠剤100質量%に対して、粒子又はフィルムコーティング粒子を3〜90質量%含有することが好ましく、3〜70質量%含有することがより好ましく、3〜50質量%含有することがさらに好ましい。粒子又はフィルムコーティング粒子の含有量が3質量%以上であれば、有効成分の薬効が発現しやすいため好ましい。一方、粒子又はフィルムコーティング粒子の含有量が90質量%以下であれば、口腔内崩壊錠として十分な錠剤硬度や崩壊時間が得られるため好ましい。
本実施形態において、口腔内崩壊錠の成分にセルロース類(本発明のセルロース系核粒子に含まれているセルロースは除く。)を含有することが好ましく、その配合量は錠剤100質量%に対して1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。セルロース類が1質量%以上であれば、口腔内崩壊錠の硬度が向上し好ましい。セルロース類が30質量%以下であれば、口腔内崩壊錠としたとき、口腔内でもさつきなどが発生せず服用感に問題がでにくいため好ましい。
このようなセルロース類としては、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられるが、口腔内崩壊錠の成形性と崩壊性のバランスから結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースの具体例としては、例えば、セオラス(登録商標)KG−1000、KG−802、PH−302、PH−301、PH−101、PH−102、UF−711、UF−702、PH−200、PH−F20JP(いずれも旭化成ケミカルズ製)などが挙げられる。
本実施形態において、口腔内崩壊錠は、糖又は糖アルコール(例えば、D−マンニトール、乳糖、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、ショ糖)、崩壊剤、無機賦形剤(例えば、無水リン酸水素カルシウム)、デンプン類(例えば、アルファー化デンプン)、その他、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤として、例えば、滑沢剤、結合剤、流動化剤、矯味剤、着色剤、甘味剤、界面活性剤などが挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、酒石酸カリウムナトリウム、軽質無水ケイ酸、カルナウバロウ、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、硬化油、硬化ナタネ油等が挙げられる。滑沢剤は錠剤を打錠する際に、臼や杵への粉の付着を防止する目的で配合される。滑沢効果が強すぎると成形性が弱くなり、実用的な錠剤硬度50〜70Nを得るために、必要以上の圧縮圧力を要することがある。高い圧力で打錠された錠剤は、錠剤の崩壊速度が遅延する傾向にあることから、口腔内崩壊錠には適さない。したがって、本発明においても、できるだけ低い圧力で打錠する必要がある。その点から、本発明の滑沢剤としては、少量で滑沢効果の高いステアリン酸マグネシウムが好ましい。滑沢剤の配合量は、錠剤100質量%に対して0.05〜3質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましい。
結合剤としては、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類等が挙げられる。
流動化剤としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
矯味剤としてはグルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、メントールなどが挙げられる。
香料としてはオレンジ、バニラ、ストロベリー、またはヨーグルト風味の香料、及びメントール等が挙げられる。
着色剤としては食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、リボフラビンなどが挙げられる。
甘味剤としてはアスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア等が挙げられる。
界面活性剤としては、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
口腔内崩壊錠の具体的な製造方法について説明する。
例えば、フィルムコーティング粒子とセルロース類、糖又は糖アルコールなどを含む添加剤を混合機で混合して打錠用粉末を調製後、打錠して製造する方法が挙げられる。打錠は、例えば、ロータリー打錠機、単発打錠機などの公知の打錠装置によって製造することができる。打錠の際の圧力は、できるだけ低くすることが望ましく、好ましくは20kN以下であり、より好ましくは15kN以下、さらに好ましくは10kN以下である。打錠の際の圧力が大きすぎる場合、口腔内崩壊錠中のフィルムコーティング粒子のフィルムが損傷し、有効成分の溶出制御ができなくなる場合があるため好ましくない。また、打錠圧力と錠剤の崩壊性は、錠剤内の空隙率と水浸透性に相関があるため口腔内崩壊錠としての崩壊性を確保するためにも打錠圧力は低い方が好ましい。
口腔内崩壊錠の錠剤硬度は40〜100Nであることが好ましい。40N以上であれば輸送や保管中に錠剤側面が欠けたり、割れたりする可能性が少なく好ましい。一方、100N以下であれば錠剤の崩壊性が遅すぎず口腔内崩壊錠として満足いく崩壊性が得られるため好ましい。
口腔内崩壊錠は、水なしでも服用できる医薬品及び健康食品製剤であり、例えば、第16改正日本薬局方、一般試験法「崩壊試験法」に準じて実施した錠剤の崩壊時間は60秒未満が好ましく、30秒以内がより好ましい。
また、錠剤を実際に、人の口の中に入れて唾液のみで崩壊させる口腔内崩壊試験では、60秒未満で崩壊することが好ましく、30秒以内がより好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明で用いられる物性の測定方法及び条件は以下のとおりである。これらの測定方法は、本発明で定義した物性を同定するための標準的なプロトコールとして参照され得る。
<核粒子、粒子の平均粒子径[μm]>
ロータップ式篩振盪機(平工製作所製、シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩を用いて試料20gを10分間篩分することにより粒度分布を測定し、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合(質量%)を求めた。また、篩下積算分布における積算50質量%粒子径を平均粒子径とした。
<見かけ嵩密度[g/ml]>
100mlのメスシリンダーに粒子30gを疎充填(メスシリンダーの開口部にロートを差し込み、5秒から10秒程度かけてゆっくり核粒子を注ぎ込み、そのまま静置)させた粒子層の容積を読み取り、30gを該容積(ml)で除した値を算出した。繰り返し数は3で、その平均値をとった。
<荷重ピーク値>
顆粒強度測定装置(グラノ、岡田精工(株)製)を使用し、測定速度250μm/秒で測定し、変位をX軸とし荷重をY軸とした時に得られる出力信号波形における傾きの変曲点を荷重ピーク値とする。測定粒子の粒子径の50%以下の変位において、顆粒強度測定装置の先端チップの最小移動ステップ(1μm)の2倍以上の変位幅に渡って、荷重が変化しない又は下がった最初の点を変曲点とする。変曲点が検出できた100個の粒子の平均値をとった。
<安息角[°]>
パウダーテスター(PR−T型、ホソカワミクロン製)を使用して測定する。繰り返し数は3で、その平均値をとった。
<真球度><形状係数>
デジタルマイクロスコープ(VH−7000型、キーエンス製、VH−501レンズ使用)を用いて撮影した画像を1360×1024ピクセル、TIFFファイル形式で保存し、画像処理解析ソフト(Image HyperII、デジモ製)を使用して、100個の粒子の短径と長径の平均値をとって、短径の平均値/長径の平均値により真球度を算出した。また、該画像の100個の粒子の輪郭の長さを該粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長で除した値の平均値により形状係数を算出した。
<吸水能>
JIS K5101に記載の吸油量の測定に準じ、油の代わりに純水を用いて、セルロース系核粒子10gに純水30mlを加え、1時間室温で放置後、ろ取し、粒子表面の付着水をろ紙などで軽く拭き取った後、重量を測定し、重量の増加分から含水量を算出後、10gで除した。
<錠剤の硬度>
一般的に使用される錠剤硬度測定器(Tablet Tester 8M/DR.SCHLEUNIGER製)にて、錠剤の硬度を測定した。1錠ずつ錠剤硬度を測定し、20錠分の錠剤硬度の平均値を算出した。
<錠剤の崩壊試験>
第16改正日本薬局方、一般試験法「崩壊試験法」に従って実施した。試験液は水を用いた。
<錠剤の口腔内崩壊試験>
健康な成人男子3人を被験者として、口腔内の唾液で錠剤が完全に崩壊する時間を測定した。各人2回測定し、3人の平均値を算出した。
<服用感>
健康な成人男子3人を被験者として、口腔内の錠剤の服用感を官能的に評価した。錠剤の味や食感に問題がない場合を「良好」とし、粉っぽさを感じる場合は、「もさつき感あり」、粒子などのザラツキを感じた場合は、「違和感あり」として判定した。各人2回測定し、2回とも「良好」である場合のみ、その被験者の服用感の評価を「良好」と判定した。そして、例えば、もさつき感について、被験者が1回目に何も感じず、2回目にもさつき感を感じた場合は、その被験者の評価は「もさつき感あり」とし、同様に、1回でも粒子などのザラツキを感じた場合は、「違和感あり」として判定した。
I.核粒子の製造
[実施例1]
結晶セルロース(製品名:セオラス(登録商標)UF−711、平均重合度250、旭化成ケミカルズ製)1.5kgを高速攪拌造粒機(VG−01、パウレック製)に仕込み、結合液として純水900gを加え、30分間造粒した(撹拌造粒工程)。撹拌造粒工程で得られた造粒物2.4kgを転動流動層型造粒コーティング装置(MP−01、パウレック製)に仕込み、結合液として純水を10g/minの速度で450gを供給しながら、給気温度25℃で60分間転動させた(転動造粒工程)。転動造粒工程で得られた造粒物を、給気温度を100℃に上げて乾燥させた(乾燥工程)後、ジェットミル粉砕機(STJ−400A、セイシン製)で全量粉砕し(粉砕工程)、目開き106μmの篩と20μmの篩でふるい、該106μmの篩を通過し該20μmの篩を通過しない粒子を集め、20〜106μmの核粒子(A)を得た。得られた核粒子(A)の20〜75μmの割合は95質量%であった。物性を表1に示す。
[実施例2]
結晶セルロース(製品名:セオラス(登録商標)UF−711、平均重合度250、旭化成ケミカルズ製)1.5kgを高速攪拌造粒機(VG−01、パウレック製)に仕込み、純水900gを加え、30分間造粒した。この粒子2.4kgを転動流動層型造粒コーティング装置(MP−01、パウレック製)に仕込み、純水を10g/minの速度で450gを供給しながら、給気温度25℃で60分間転動させた。その後、給気温度を100℃に上げて乾燥させた粒子をバンタムミル粉砕機(AP−B、ホソカワミクロン製)で全量粉砕し、目開き106μmの篩と20μmの篩でふるい、20〜106μmの核粒子(B)を得た。得られた核粒子(B)の20〜75μmの割合は98質量%であった。物性を表1に示す。
[実施例3]
次に実施例1〜2で得られた核粒子を、各々500mg計りとり、11mmφの臼杵で打錠圧3kNの力で10秒間静圧プレス(1011CREEP、AIKOH ENGINEERING製)し、錠剤を作製した。各々の錠剤硬度は表2に示す。
いずれも錠剤硬度が50N以上あり、良好な錠剤硬度を得ることができた。
実施例の核粒子の物性について、以下の表1にまとめる。
Figure 0006138635
実施例の錠剤硬度について、以下の表2にまとめる。
Figure 0006138635
[比較例1]
結晶セルロース(製品名:セオラス(登録商標)UF−711、平均重合度250、旭化成ケミカルズ製)1.5kgを高速攪拌造粒機(VG−01、パウレック製)に仕込み、純水900gを加え、30分間造粒した。この粒子2.4kgを転動流動層型造粒コーティング装置(MP−01、パウレック製)に仕込み、純水を10g/minの速度で450gを供給しながら、給気温度25℃で60分間転動させた。その後、給気温度を100℃に上げて乾燥させ核粒子(c)を得た。得られた核粒子(c)の物性を表3に示す。
[比較例2]
次に比較例1で得られた核粒子を、500mg計りとり、11mmφの臼杵で打錠圧3kNの力で10秒間静圧プレス(1011CREEP、AIKOH ENGINEERING製)し、錠剤を作製した。錠剤硬度は表4に示す。
比較例2の錠剤硬度が50N以下となり、錠剤を作製するのは不適格なものであった。比較例の核粒子の物性について、以下の表3にまとめる。
Figure 0006138635
比較例の錠剤硬度について、以下の表4にまとめる。
Figure 0006138635
II.フィルムコーティング粒子の製造
[実施例4]
実施例1の核粒子800gをワースター型流動層造粒コーティング装置(MP−01型、パウレック製)に入れ、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、保護エア圧:0.2MPa、給気温度:75℃、排気温度:35℃、風量:30〜50m3/hの条件で、リボフラビン10質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)2質量部、水88質量部の懸濁液を、10g/minの供給速度で噴霧し、実施例1の核粒子100質量部に対してリボフラビンが2質量部となるまでリボフラビン含有被覆層(薬物層)を被覆した。実施例1の核粒子にリボフラビンを被覆した粒子を212μmの篩で篩分し、凝集粒子を取り除き、レイヤリング顆粒(核粒子を被覆する薬物層を有する粒子)を得た。
次いで、実施例1の核粒子にリボフラビンを被覆したレイヤリング顆粒700g(212μm以下)をワースター型流動層造粒コーティング装置(MP−01型、パウレック製)に入れ、エチルセルロース水分散液/クエン酸トリエチル/ヒドロキシプロピルメチルセルロース/水=34.3/2.6/2.1/61.0の質量組成で、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、保護エア圧:0.2MPa、給気温度:75℃、排気温度:35℃、風量:30〜50m/hの条件で、10g/minの供給速度で噴霧し、レイヤリング顆粒100質量部に対してフィルムコーティング液の固形分として15.0質量部までフィルムコーティングを施した。実施例1の核粒子にリボフラビンを含む薬物層を被覆後、フィルムコーティングを施した粒子を212μmの篩で篩分し、凝集粒子を取り除き、フィルムコーティング粒子を得た。フィルムコーティング粒子の平均粒子径を表5に示す。
実施例2の核粒子に対しても同様の操作を行った。
実施例4のフィルムコーティング粒子の平均粒子径について、以下の表5にまとめる。
Figure 0006138635
[比較例3]
比較例1の核粒子800gをワースター型流動層造粒コーティング装置(MP−01型、パウレック製)に入れ、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、保護エア圧:0.2MPa、給気温度:75℃、排気温度:35℃、風量:30〜50m3/hの条件で、リボフラビン10質量部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)2質量部、水88質量部の懸濁液を、10g/minの供給速度で噴霧し、比較例1の核粒子100質量部に対してリボフラビンが2質量部となるまでリボフラビン含有被覆層を被覆した。比較例1の核粒子にリボフラビンを被覆した粒子を212μmの篩で篩分し、凝集粒子を取り除き、レイヤリング顆粒を得た。
次いで、比較例1の核粒子にリボフラビンを被覆したレイヤリング顆粒700g(212μm以下)をワースター型流動層造粒コーティング装置(MP−01型、パウレック製)に入れ、エチルセルロース水分散液/クエン酸トリエチル/ヒドロキシプロピルメチルセルロース/水=34.3/2.6/2.1/61.0の質量組成で、スプレーエアー圧:0.16MPa、スプレーエアー流量:40L/min、保護エア圧:0.2MPa、給気温度:75℃、排気温度:35℃、風量:30〜50m/hの条件で、10g/minの供給速度で噴霧し、レイヤリング顆粒100質量部に対してフィルムコーティング液の固形分として15.0質量部までフィルムコーティングを施した。比較例1の核粒子にリボフラビンを含む薬物層を被覆後、フィルムコーティングを施した粒子を212μmの篩で篩分し、凝集粒子を取り除き、フィルムコーティング粒子を得た。フィルムコーティング粒子の物性を表6に示す。
比較例3のフィルムコーティング粒子の平均粒子径について、以下の表6にまとめる。
Figure 0006138635
III.口腔内崩壊錠の製造
[製造例1]
結晶セルロースのセオラス(登録商標)KG−1000(旭化成ケミカルズ製)300gとエリスリトール(三菱化学フーズ製)700gをバーチカルグラニュレーター造粒装置に仕込み、水を摘下させながら撹拌造粒を行い、造粒顆粒を得た。さらに、この造粒顆粒を、流動層乾燥機に移して造粒顆粒の乾燥を行った後、600μmの篩で篩分し、結晶セルロースとエリスリトールを含有する平均粒子径が150〜200μmの造粒顆粒を得た。
撹拌造粒の条件は下記の通りであった。
(1)使用装置 :バーチカルグラニュレーター(商品名)FM−VG−10(パウレック製)
(2)加水量 :200g
(3)ブレード回転数 :280rpm
(4)チョッパー回転数:3000rpm
(5)造粒時間 :3分間
乾燥の条件は下記の通りであった。
(1)使用装置 :マルチプレックス(商品名)MP−01型(パウレック製)
(2)風量 :50m/時間
(3)給気温度 :70〜75℃
(4)排気温度 :45℃停止
[実施例5]
次に、実施例3で得た実施例1のフィルムコーティング粒子を30.0質量%、製造例1で得た造粒顆粒を56.9質量%、無水リン酸水素カルシウム(フジカリン(商品名)富士化学製)を5.0質量%、結晶セルロース(セオラス(登録商標)KG−1000(商品名)、旭化成ケミカルズ製)を5.0質量%、崩壊剤としてアルファー化デンプン(SWELSTAR PD−1(商品名)、旭化成ケミカルズ製)を3.0質量%、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業)を0.1質量%混合し、ロータリー打錠機(リブラ2(商品名)、菊水製作所製)で、打錠した。打錠用の臼杵は、直径9.5mm、杵の凹曲面半径が13.5mmのものを使用し、ターンテーブル回転数40rpm、圧縮圧力7.0kNで打錠し、錠剤重量が380mgの錠剤を得た。実施例3で得た実施例2のフィルムコーティング粒子に対しても同様の操作を行った。
実施例1〜2の核粒子を用いた錠剤は、全て、硬度50N以上、崩壊時間30秒以内で、服用感も良好であった。
得られた錠剤の物性は表7に示す。
[比較例4]
実施例5同様に、比較例3で得た比較例1のフィルムコーティング粒子を30.0質量%、製造例1で得た造粒顆粒を56.9質量%、無水リン酸水素カルシウム(フジカリン(商品名)富士化学製)を5.0質量%、結晶セルロース(セオラス(登録商標)KG−1000(商品名)、旭化成ケミカルズ製)を5.0質量%、崩壊剤としてアルファー化デンプン(SWELSTAR PD−1(商品名)、旭化成ケミカルズ製)を3.0質量%、ステアリン酸マグネシウム(太平化学工業製)を0.1質量%混合し、ロータリー打錠機(リブラ2(商品名)、菊水製作所製)で打錠した。打錠用の臼杵は、直径9.5mm、杵の凹曲面半径が13.5mmのものを使用し、ターンテーブル回転数40rpm、圧縮圧力7.0kNで打錠し、錠剤重量が380mgの錠剤を得た。
比較例1の核粒子を用いた錠剤は、硬度不足(50N以下)や服用感で粒子のザラツキを感じ、口腔内崩壊錠として不適格なものであった。
得られた錠剤の物性は表8に示す。
実施例5の錠剤物性について、以下の表7にまとめる。
Figure 0006138635
比較例3の錠剤物性について、以下の表8にまとめる。
Figure 0006138635
本発明は、医薬品薬物を含有する医薬品製剤の分野で好適に利用できる。特に優れた崩壊性を有しているため、水なしで服用できる崩壊性固形製剤、好ましくは口腔内速崩壊性の固形製剤(錠剤)として利用できる。
1..核粒子
2..薬物層
3..粒子
4..フィルムコーティング層
5..フィルムコーティング粒子

Claims (8)

  1. セルロース系核粒子と該核粒子を被覆する薬物層を有する粒子であって、該核粒子が、セルロース100質量%を含有し、見かけ嵩密度が0.20g/ml以上0.60g/ml未満、安息角が38〜50°、打圧3kN時の錠剤硬度が50N以上、目開き75μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する粒子の割合が50質量%以上であるセルロース系核粒子である、前記粒子
  2. 前記セルロース系核粒子の吸水能が0.3ml/g以上1.5ml/g未満である請求項1記載の粒子
  3. 請求項1又は2記載の粒子と、該粒子を被覆するフィルムコーティング層を有するフィルムコーティング粒子。
  4. 請求項1又は2記載の粒子、又は請求項3記載のフィルムコーティング粒子を含有する錠剤。
  5. 請求項1又は2記載の粒子、又は請求項3記載のフィルムコーティング粒子を3〜90質量%含有する錠剤。
  6. 第16改正日本薬局方の崩壊試験法に準じて測定された崩壊時間が60秒未満である請求項4記載の錠剤。
  7. セルロースと結合液とを混合撹拌して造粒する造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で得られた造粒物を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた造粒物を薬物層で被覆する工程を含む請求項1又は2に記載の粒子の製造方法。
  8. セルロース100質量%を含有し、荷重ピーク値が200〜1000mNである造粒物を粉砕する工程を含セルロース系核粒子の製造工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の粒子の製造方法
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