JP2006188081A - 車両用ステアリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】粘性抵抗力発生機構が発生する抵抗力を変化させることによって操作反力を低減させるステアリングシステムを得る。
【解決手段】ステアリングシステムに設けられたばね機構24の弾性力は中立位置復帰力として作用し、流体ダンパ30の抵抗力は操舵方向と逆向きに作用する。ステアリングシステムのECU200は、車両の平均速度が設定速度を超えている場合は、均等型抵抗力制御部222によって、切り増し操作時の抵抗力と切り戻し操作時の抵抗力とが等しくなるように制御する。一方、平均速度が設定速度以下の場合は、不均等型抵抗力制御部224によって、切り増し操作時の抵抗力が小さくなるとともに、切り戻し操作時の抵抗力が大きくなるように制御する。そのため、切り増し操作時と切り戻し操作時との両方において操作反力を低減することができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、流体の粘性抵抗によって操作部材の操作位置の変化に対する抵抗力を発生させる粘性抵抗力発生機構を備えたステアバイワイヤ式の車両用ステアリングシステムに関する。
いわゆるステアバイワイヤ式のステアリングシステムは、ステアリングホイール等の操作部材と転舵装置とが機械的に分離して作動するシステムである。そのため、ステアバイワイヤ式のステアリングシステムでは、操舵操作に対する転舵装置からの反力が操作部材に伝達されないため、操作反力付与装置を設けることによって操舵操作に対する手応えを運転者が感じられるようにすることが多い。下記特許文献1〜6には、操作反力付与装置を備えたステアバイワイヤ式のステアリングシステムが記載されている。操作反力付与装置は、例えば、弾性力発生機構、駆動力発生機構、粘性抵抗力発生機構等を備えたものとすることができる。弾性力発生機構は、例えば、弾性体によって操作部材を中立位置に向かって変位させる弾性力を発生させる機構である。また、駆動力発生機構は、例えば、電磁式モータによって駆動力を発生させる機構である。さらにまた、粘性抵抗力発生機構は、例えば、流体の粘性抵抗によって操作部材の変位に対する抵抗を発生する機構である。
特許3553920号公報 特開2004−175257号公報 特開2004−231063号公報 特開2004−231054号公報 特開2000−53005号公報 特開平10−71957号公報
上記特許文献1には、弾性力発生機構と粘性抵抗力発生機構とを備えた操作反力付与装置が記載されている。また、粘性抵抗力発生機構は、操作部材に作用させる粘性抵抗力の大きさを変化させることができるものとされている。しかしながら、粘性抵抗力を制御する方法については一例が示されているのみであり、その制御方法について改良の余地がある。すなわち、従来から検討されてきた粘性抵抗力発生機構を備えたステアリングシステムには、粘性抵抗力の制御方法を含め種々の観点からの改良の余地があり、改良を施すことによって操作性を向上させる等、実用性を向上させることが可能である。本発明は、そういった実情を鑑みてなされたものであり、より実用的なステアリングシステムを得ることを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明の車両用ステアリングシステムは、(a)前記操作部材の操作位置を中立位置に近づける向きの力である中立位置復帰力を発生する中立位置復帰力発生機構と、(b)前記操作部材の操作位置の変化に対する抵抗力を発生する粘性抵抗力発生機構と、(c)前記操作部材が中立位置に近づく向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力が、中立位置から遠ざかる向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力よりも大きくなるように制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
本発明の車両用ステアリングシステムは、中立方向変位時抵抗力増加制御部によって粘性抵抗力発生機構を制御して粘性抵抗力を変化させることにより、切り増し操作時の粘性抵抗力と切り戻し操作時の粘性抵抗力とが等しくされる通常の制御と比較して、切り増し操作時の粘性抵抗力を小さくすることと、切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすることとの少なくとも一方を行うことができる。その結果、中立位置復帰力発生機構が中立位置復帰力を制御によって変化させることができない構造にされている場合であっても、中立位置復帰力と粘性抵抗力との作用によって操作部材に付与される操作反力を、必要に応じて切り増し操作時と切り戻し操作時との少なくとも一方において低減することができる。すなわち、本発明によって、多様な制御を行うことができ、より実用的なステアリングシステムが得られるのである。なお、本発明の車両用ステアリングシステムの各種態様およびそれらの作用および効果については、以下の、〔発明の態様〕の項において詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項と(2)項とを合わせたものが請求項1に、(3)項が請求項2に、(6)項が請求項3に、(7)項が請求項4に、(10)項が請求項5に、それぞれ相当する。
(1)操舵操作がなされる操作部材と、その操作部材になされた操舵操作に応じた車輪の転舵を自身の駆動力によって行う転舵装置とを備えたステアリングシステムであって、
抵抗力発生流体を有して、その抵抗力発生流体の粘性抵抗によって前記操作部材の操作位置の変化に対する抵抗力を発生させる粘性抵抗力発生機構と、
その粘性抵抗力発生機構を制御することによって操舵操作に応じて前記粘性抵抗力を変化させる制御装置であって、前記操作部材が中立位置に近づく向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力が、中立位置から遠ざかる向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力よりも大きくなるように制御する中立方向変位時抵抗力増加制御部を含んで構成される粘性抵抗力発生機構制御装置と
を備えた車両用ステアリングシステム。
本項に記載のステアリングシステムは、いわゆるステアバイワイヤ式のステアリングシステムであり、操舵操作に応じて転舵装置を電気的に制御し、その転舵装置の駆動力によって車輪を転舵するものである。したがって、操作部材と転舵装置とが機械的に分離された状態で作動し、操作部材は転舵装置からの反力を受けない構造とされている。そのため、本項のシステムでは、上記粘性抵抗力発生機構制御装置によって上記粘性抵抗力発生機構を制御し、前記操作部材の操作位置の変化に対する抵抗力を発生させることにより、操舵操作に対する手応えを生じさせて操作感を向上させることができる。
本項に記載の粘性抵抗力発生機構制御装置は、中立方向変位時抵抗力増加制御部を備えており、前記操作部材が中立位置に近づく向きの操舵操作である「切り戻し操作」に対する前記粘性抵抗力の大きさが、中立位置から遠ざかる向きの操舵操作である「切り増し操作」に対する前記粘性抵抗力の大きさよりも大きくなるように制御することができる。そのため、より多様な制御を行うことができる。すなわち、より実用的な車両用ステアリングシステムが得られるのである。
なお、本項に記載の態様において、粘性抵抗力発生機構制御装置による粘性抵抗力発生機構の制御によって粘性抵抗力を変化させることは、操舵速度等の操舵条件が等しい状態において発生する粘性抵抗力を変化させることを意味している。例えば、粘性抵抗力発生機構が発生する粘性抵抗力が、ずり速度の違いによって変化したとしても、つまり、操舵速度等の違いによって粘性抵抗力が変化したような場合は、粘性抵抗力発生機構制御装置による粘性抵抗力発生機構の制御によって粘性抵抗力を変化させたとは言わないこととする。
本項に記載の粘性抵抗力発生機構の具体的構成は、粘性抵抗力を変化させうるものであれば特に限定されない。例えば、抵抗力発生流体の温度を変化させる加熱・冷却器を含んで構成され、温度を変えて粘度を変化させることにより、操作部材に作用する粘性抵抗力を変化させるものとすることができる。また、例えば、操作部材に連動して変位する変位体と、モータ等の駆動力によってその変位体の変位方向あるいは逆方向に変位することができる駆動体と、変位体と駆動体との間に充填された抵抗力発生流体とを含む構成とすることができる。その構成において、駆動体と変位体との相対速度を変化させることにより、操作部材に作用する粘性抵抗力を変化させることができる。さらにまた、例えば、電場や磁場によって粘度が変化する電気粘性流体(ER流体)、磁気粘性流体(MR流体)等と、それらが充填された場所に電場あるいは磁場を発生させる機器とを備えた構成とすることができる。その構成において、電場あるいは磁場の強さを変化させることにより、操作部材に作用する粘性抵抗力を変化させることができる。
本項に記載の抵抗力発生流体は、予定された大きさの粘性抵抗力、例えば、操舵操作時に運転者が手応えを感じられる程度の粘性抵抗力を発生しうるものであれば特に限定されない。例えば、オイル,グリース,水等を採用することができる。また、それらに、例えば、各種の粉末粒子や添加剤が加えられていてもよい。具体的には、上記MR流体のように、例えば、オイル媒体中に強磁性の微粒子が分散させられたものとすることができる。オイルは、例えば、シリコンオイル,化学合成油,鉱物油,植物油,またはそれらのうちの2以上のものを混合したもの等を含んで構成することができる。
(2)当該ステアリングシステムが、前記操作部材の操作位置を中立位置に近づける向きの、かつ、操舵量に応じた大きさの力である中立位置復帰力を発生する中立位置復帰力発生機構を備えた(1)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載のステアリングシステムは、中立位置復帰力発生機構を備えており、操作部材が自動的に中立位置に戻るようにされている。また、操舵量に応じた大きさの力を操作部材に作用させるため、運転者は中立位置復帰力が大きいほど操舵量が大きいことが把握でき操作性が向上する。中立位置復帰力発生機構は、例えば、電磁式モータ,弾性体等を備えた機構とすることができる。また、中立位置復帰力発生機構は、例えば、操舵量に比例した大きさの中立位置復帰力を発生させる機構等とすることができる。
中立位置復帰力発生機構の中立位置復帰力は、常に操作部材を中立位置に近づける向きに作用し、粘性抵抗力は、操舵方向と逆の方向に作用する。そのため、前述の「切り増し操作」に対して、中立位置復帰力と粘性抵抗力との両方の力が操作反力として作用する。一方、前述の「切り戻し操作」に対して、中立位置復帰力から粘性抵抗力を減じた力が操作反力として作用する。そのため、切り増し操作時の粘性抵抗力と切り戻し操作時の粘性抵抗力とが等しくされる通常の制御と比較して、切り増し操作時の粘性抵抗力を小さくすれば切り増し操作時の操作反力が減少し、切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすれば切り戻し操作時の操作反力が減少する。すなわち、切り増し操作時の粘性抵抗力を小さくすることと、切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすることとの少なくとも一方により、切り増し操作時と切り戻し操作時との少なくとも一方の操作反力を低減することができるのである。
中立方向変位時抵抗力増加制御部の制御により、中立位置復帰力発生機構が中立位置復帰力の大きさを変化させることができない構造にされている場合であっても、必要に応じて操作反力を低減することができる。また、通常時において、中立方向変位時抵抗力増加制御部によって操作反力が低減されるように制御しておき、必要に応じてその制御を解除して本来の制御に変更することにより、あるいは、操作反力の低減の度合いを弱めることにより、操作反力を大きくすることができる。すなわち、本項に記載の態様は、多様な制御を行うことができ、より実用的なステアリングシステムが得られるのである。
(3)前記中立位置復帰力発生機構が、操舵量の増加に伴い変形量が増加させられる弾性体を有してその弾性体によって前記中立位置復帰力の原力となる弾性力を発生させる弾性力発生機構を含む(2)項に記載の車両用ステアリングシステム。
弾性力発生機構は、弾性体の弾性力によって中立位置復帰力を発生するため、電力を消費しないというメリットがある。その弾性力発生機構は、中立位置復帰力の大きさは操舵量によって決まってしまうため、中立方向変位時抵抗力増加制御部の制御により、粘性抵抗力を変化させて操作反力を変化させることが効果的である。その際には、中立位置復帰力の大きさを擬似的に変化させることができる。本項に記載の弾性反力付与機構は、例えば、ばね材,ゴム材,気体等の弾性体を備えるものとすることができる。
(4)前記粘性抵抗力発生機構制御装置が、操舵量に応じて前記粘性抵抗力を変化させるように前記粘性抵抗力発生機構を制御するものである(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の粘性抵抗力発生機構制御装置は、例えば、操舵量が増加するとともに粘性抵抗力を増加させるように粘性抵抗力発生機構を制御することができる。そのため、例えば、当該ステアリングシステムが中立位置復帰力発生機構を備えている場合には、中立位置復帰力が操舵量に応じて増加するのに伴い粘性抵抗力も増加するため、粘性抵抗力が中立位置復帰力に対して適度な大きさに保たれる。また、操舵量に対する粘性抵抗力の増加割合を変化させることによって、例えば、あたかも中立位置復帰力の操舵量に対する変化勾配を変えたような反力特性を得ることができる。さらにまた、中立位置復帰力発生機構が、弾性力発生機構である場合には、弾性体のばね定数を擬似的に変えることができる。
(5)前記中立方向変位時抵抗力増加制御部が、前記操作部材が中立位置に近づく向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力の大きさと、中立位置から遠ざかる向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力の大きさとの差が、車速度の低下に応じて大きくなるように前記粘性抵抗力発生機構を制御するものである(2)項ないし(4)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
切り増し操作時の粘性抵抗力を小さくすることと、切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすることとの少なくとも一方により、切り増し操作時と切り戻し操作時との少なくとも一方の操作反力を減少させることができる。また、切り増し操作時の粘性抵抗力を小さくすることと、切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすることとの少なくとも一方により、切り増し操作時の粘性抵抗力と切り戻し操作時の粘性抵抗力との差が大きくなる。すなわち、切り増し操作時の粘性抵抗力と切り戻し操作時の粘性抵抗力との差を大きくすることにより、先に説明したように、切り増し操作時と切り戻し操作時との少なくとも一方の操作反力を減少させることができるのである。
切り増し操作時に操作反力を低減することにより、例えば、低速走行時に軽快な操舵操作が行えるようにすることができる。また、切り戻し操作時に操作反力を低減することにより、例えば、渋滞時等に運転者が左右いずれかの操作位置に操作部材を保舵する負担を減少させることができる。逆に、高速走行時には、操作反力が大きくなり、操舵の安定性を向上させることができる。
(6)前記中立方向変位時抵抗力増加制御部が、前記粘性抵抗力発生機構に前記粘性抵抗力を発生させて前記操作部材の操作位置が前記中立位置復帰力によって中立位置に向かって変化することを禁止する制御である変位禁止制御を実行する変位禁止実行部を備えた(2)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
切り戻し操作時の粘性抵抗力を大きくすることにより、操作部材の中立位置復帰力による変位を禁止することができる。また、操作部材の中立位置復帰力による変位を禁止することにより、例えば、右折待ち時や渋滞時において、運転者が中立位置復帰力に抗して操作部材を保舵する負担を減少させることができる。また、例えば、運転者によって手を離された操作部材が中立位置復帰力によって中立位置に戻され、発進する際に操舵操作を行わなければならなくなるといった煩わしさを回避することができる。
(7)前記変位禁止実行部が、操作位置を一定に維持すべき条件である保舵条件を満たす場合に、前記変位禁止制御を実行するものである(6)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、操作性を向上させるために付与されている中立位置復帰力によって、かえって運転者の負担が増加する場合に、保舵条件が満たされるようにすることができる。例えば、車速度が比較的低速(停車も含む)で、操作位置が中立位置以外のある操作位置に維持されると予測される状態である操作位置維持状態において保舵条件が満たされるようにすることができる。その操作位置維持状態は、例えば、右折のウインカを点滅させて運転者が操作部材を右方向に切って保舵した状態で停車している状態や、渋滞時等において低速走行が設定時間継続するとともに操作部材がいずれかの操作位置で保舵されている状態とすることができる。また、例えば、運転者が操作部材から手を離した状態、つまり、運転者が操作部材を保持していない状態である非保持状態において保舵条件が満たされるようにすることができる。その非保持状態は、例えば、操作部材に配設された感圧センサの検出結果に基づいて、運転者が操作部材に手を触れていないと認識された状態や、また、例えば、操作部材と弾性力発生機構とを連結する部材の変形を検出する歪みゲージ等の検出結果に基づいて、運転者が操作部材に力を加えていないと認識された状態とすることができる。
(8)前記中立方向変位時抵抗力増加制御部が、前記変位禁止状態において、前記中立位置復帰力を超える大きさの前記粘性抵抗力が発生しないように前記粘性抵抗力発生機構を制御するものである(6)項または(7)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様と異なるが、変位禁止状態における粘性抵抗力を、操舵操作がなされても操作部材が変位しない大きさとすることもできる。しかしながら、本項に記載の態様のように、粘性抵抗力発生機構が中立位置復帰力を打ち消す大きさの粘性抵抗力を発生し、それより大きな粘性抵抗力を発生しないように制御することにより、変位禁止状態であっても操舵操作によって容易に操作部材を中立位置方向へ変位させることができる。そのため、変位禁止状態であっても迅速に切り戻し操作を行うことができる。
なお、本項に記載の態様と異なるが、変位禁止状態における粘性抵抗力を、中立位置復帰力よりも設定量だけ大きくすることもできる。例えば、変位禁止状態における粘性抵抗力を、現時点の操舵量における中立位置復帰力よりも、操作部材を操作端まで変位させた際に発生する中立位置復帰力の5分の1,あるいは10分の1程度大きくすることができる。そうすることによって、変位禁止状態において操作部材に操舵操作がなされた場合に、操作部材に適度な操作反力が付与される。
(9)前記中立方向変位時抵抗力増加制御部が、操舵操作がなされた場合に、変位禁止制御を解除するものである(6)項ないし(8)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
操舵操作がなされるということは、操作部材の変位を禁止する必要が無いということである。従って、操舵操作がなされたことを、変位禁止状態を解除するトリガーとして利用すれば、適切なタイミングで変位禁止状態を解除することができる。操舵操作がなされたことは、例えば、操作部材の操作位置が変化したこと,運転者によって操作部材に力が加えられたこと等に基づいて検知することができる。
(10)前記粘性抵抗力発生機構が、前記抵抗力発生流体として、液体とその液体中に分散させられた磁性粒子とを含んで構成される磁性流体と、その磁性流体に作用させる磁場を発生する磁場発生器とを備えた(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、抵抗力発生流体として磁性流体を採用した態様であり、磁場を変化させることによって磁性流体の見掛けの粘度を変化させることができ、粘性抵抗力を変化させることができる。その磁性流体は、例えば、上述の「MR流体」とすることができる。また、磁性流体は、例えば、磁場下において、ビンガム流体と同様な流動特性を有するものとすることができ、一定の大きさの降伏値を超える外力を加えないと流動を開始しないという特性を持たせることができる。その降伏値は、磁場の強さによって変化させることができる。そのため、例えば、中立位置復帰力が作用していたとしても、適度な大きさの粘性抵抗力を発生させることにより、操作部材をある操作位置に保舵することができるのである。磁性粒子は、例えば、マグネタイト系,フェライト系等の強磁性の金属微粒子とすることができる。液体は、例えば、オイル,水等とすることができる。磁気発生器は、例えば、コイル等を備えた電磁石とすることができる。
以下、本発明の実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、決して下記の実施例に限定されるものではなく、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
1. ステアリングシステムの概要.
図1に、請求可能発明の一実施例であるステアリングシステムを概略的に示す。本システムは、いわゆるステアバイワイヤ型のシステムであり、操作部10と、転舵部12とが機械的に分離され、操作部材としてのステアリングホイール14に加えられる操作力によらずに、転舵部12に設けられた動力源の動力によって転舵車輪16(以下、単に「車輪16」という場合がある)を転舵するステアリングシステムである。
操作部10には、操作部材たるステアリングホイール14と、そのステアリングホイール14を操作可能に支持するとともに操作反力を付与する操作反力付与装置20とが設けられている。操作反力付与装置20は、後方端部(車両後方側、つまり運転者側の端部)にステアリングホイール14が取り付けられたシャフト22,そのシャフト22にばね部材の弾性力を作用させるばね機構24,流体の粘性抵抗によってシャフト22に抵抗力(粘性抵抗力)を作用させる流体ダンパ30,および,操作位置を取得するための操作位置センサ36を備えている。
転舵部12には、車輪16を転舵させる転舵装置60が設けられている。その転舵装置60は、ハウジング62と、そのハウジング62を車幅方向に貫通した状態で支持された転舵ロッド64とを備えている。その転舵ロッド64は両端部の各々において、ボールジョイント66を介してタイロッド70と連結されている。そのタイロッド70は、車輪16を回転可能に保持するステアリングナックル72に固定されたナックルアーム74に連結されている。すなわち、転舵装置60は、転舵ロッド64を左右に駆動することによって、ステアリングナックル72を回転させ、車輪16の転舵を行うのである。転舵装置60は、転舵モータ76を備えており、その転舵モータ76の駆動力によって転舵ロッド64を駆動する
本実施例において、転舵装置60には、車輪16の転舵位置を取得するための転舵位置センサ88が設けられている。その転舵位置センサ88は、転舵ロッド64に形成されたラックギヤに噛み合うピニオンギヤの回転位置を検出するものとされている。ピニオンギヤは、転舵ロッド64が軸方向に移動するのに伴い回転させられるため、そのピニオンギヤの回転位置を取得すれば転舵ロッド64の移動によって転舵させられる車輪16の転舵位置を取得することができるのである。
2. 操作反力付与装置.
図2に操作反力付与装置20の断面を模式的に示す。この図において、図の左側が車両後方側、つまり運転者側であり、操作反力付与装置20の後方端部に図示を省略するステアリングホイール14(操作部材)が取り付けられる。なお、以下の説明において、車両前方側を「前」,車両後方側を「後」と呼び分けることとする。操作反力付与装置20は、ハウジング100を備えており、そのハウジング100が図示を省略する取付部材を介してインストゥルメントパネルのリインフォースメントに取り付けられて固定されている。そのハウジング100内には2つの区画壁102が設けられている。また、ハウジング100の後方端部104,および2つの区画壁102の各々には中央に軸方向の貫通穴が設けられている。シャフト22は、それらの貫通穴において、図示を省略する軸受を介して回転可能に保持されている。
3. ばね機構.
ハウジング100の内部は、2つの区画壁102によって3つの空間に区画されており、それら3つの空間のうちの車両前方側(図において右側)の空間に、弾性力発生機構たるばね機構24が配設されている。ばね機構24は、ばね材によって形成されたコイルスプリング110を備えている。そのコイルスプリング110の前方端部は、ハウジング100の前方端部112の内壁面に相対回転不能に固定されている。一方、コイルスプリング110の後方端部は、シャフト22の前方端部に相対回転不能に固定されている。すなわち、コイルスプリング110は、操舵操作がなされたステアリングホイール14と一体的に回転するシャフト22によって捩られて変形し、その捩れ量(変形量の一種である)に比例した大きさの弾性力を発生するのである。また、コイルスプリング110は、ステアリングホイール14が中立位置に位置する際に、捩れ量が零になり、弾性力を発生しないように設けられている。そのため、ステアリングホイール14が左右いずれかに回転操作された際に、その回転方向と逆向きの、つまり、ステアリングホイール14を中立位置に近づける向きの弾性力を、中立位置復帰力としてシャフト22を介してステアリングホイール14に作用させるのである。すなわち、本実施例において、ばね機構24は、「中立位置復帰力発生機構」として機能している。
4. 流体ダンパ.
ハウジング100の内部の3つの空間のうち、中央の空間には流体ダンパ30が配設されている。その流体ダンパ30は、自身を貫通するシャフト22に相対回転不能に固定された円板状のロータ120を備えている。また、流体ダンパ30は、環状に導線が多重に巻かれて形成された電磁コイル122(磁場発生器の一種である)を備えている。その電磁コイル122は、環状のコア124によって、ハウジング100の内周部に固定されている。その電磁コイル122は、設定されたクリアランスを保ってロータ120の外周に配置され、電力が供給されると、コア124とロータ120との間にロータ120の径方向の磁力線を発生させる。また、電磁コイル122に供給する電流の大きさを変化させることにより、磁場の強さを変化させることができる。
流体ダンパ30には、ロータ120と2つの区画壁102等との間に、抵抗力発生流体たるMR流体130が充填されている。なお、2つの区画壁102とシャフト22との間、および、2つの区画壁102とハウジング100の内周部との間には、図示を省略するシール部材が配設されており、MR流体130が漏れ出さないようにされている。ステアリングホイール14に操舵操作がなされると、ロータ120はシャフト22と一体的に回転させられる。その際に、ロータ120と2つの区画壁102等との間に充填されたMR流体130の粘性抵抗によって、ロータ120の回転を制動する向きの力、すなわち、粘性抵抗力が発生する。
本実施例において、MR流体130は、炭化水素系オイル,フッ素系オイル,シリコンオイル等の媒体中に、高濃度にマグネタイト等の強磁性体の微粒子が分散させられたものとされている。そのMR流体130は、磁場下において、その磁場に沿って微粒子が鎖状に連結し、変形に対する抵抗力を発生させる。そのMR流体130は、電磁コイル122が発生した磁場の強さによって見掛けの粘度が変化する。すなわち、磁場が発生していない時には見掛けの粘度が非常に小さくなり、磁場が強い時は見掛けの粘度が大きくなる。そのため、電磁コイル122に供給する電力の大きさを変化させることによって、流体ダンパ30において発生する粘性抵抗力を変化させることができるのである。また、MR流体130は、磁場下において、降伏応力を有するビンガム流体と同様な流動特性を示し、流動していない状態で抵抗力を発生させることができる。すなわち、電磁コイル122によって磁場を発生させることにより、ロータ120の回転変位を禁止することができるのである。
5. 操作位置センサ.
ハウジング100の内部の3つの空間のうち、後方側(図において左側)の空間にはステアリングホイール14の操作位置を取得するための操作位置センサ36が配設されている。操作位置センサ36には、回転位置をコード化する多数の反射子が周上に配設された回転コード板140と、その回転コード板140の回転位置のコードを検出するコード検出器142とが配設されている。回転コード板140は、自身を貫通するシャフト22に相対回転不能に固定されており、ステアリングホイール14と一体的に回転する。コード検出器142は、ハウジング100の後方端部104の内壁に固定されており、回転位置のコードを取得するために、回転コード板140からの反射光を光センサによって検出するようにされている。
6. 電子制御ユニット.
本ステアリングシステムは、自身が備えるステアリング電子制御ユニット200(ステアリングECU、以下、単に「ECU200」という場合がある)によって制御される。ECU200は、コンピュータを主体として、各種モータ,各種電磁アクチュエータ等を駆動する駆動回路等を含んで構成されている。ECU200には、操作位置センサ36,転舵位置センサ88,車速度センサ202等の各種センサが接続されている。ECU200の駆動回路には、転舵モータ76,流体ダンパ30の電磁コイル122等が接続されている。
図3に、ECU200の機能ブロック図を示す。なお、ECU200の構成部分がこの図に示すように明確に分かれているわけではないが、ECU200の機能を理解し易くするためにこのような図とした。本実施例において、ECU200は、ROM,RAM等の記憶装置を含んで構成された「記憶部210」を備えており、その記憶部210には、各種のプログラムおよび各種のデータが記録されている。例えば、車輪転舵制御プログラム,操作反力制御プログラム,保舵条件判定プログラム等のプログラムが「プログラム記憶部211」に記録されている。そして、ECU200は、それら各種のプログラムをコンピュータによって実行することにより、以下に述べる各種の機能部が有する機能を発揮する構造とされている。すなわち、本実施例において、ECU200が各種プログラムを実行することによって行われる処理が、それらプログラムに対応する各種機能部によって行われる処理なのである。また、逆に、各種機能部によって行われる処理は、ECU200が、その機能部に対応するプログラムを実行することによって行われる。なお、記憶部210が備える各種の記憶部については後述する。
ECU200は、「転舵装置制御部212」を備えている。ECU200は、転舵装置制御部212により、すなわち、「車輪転舵制御プログラム」を実行することにより、転舵モータ76を制御して操舵操作に応じた車輪16の転舵を行うのである。具体的には、転舵装置制御部212は、操作位置センサ36の検出信号に基づいて取得された操作位置から目標転舵位置を決定する。そして、転舵位置センサ88の検出信号に基づいて取得された実転舵位置と、目標転舵位置との偏差を減少させるように転舵モータ76に電力を供給し、車輪16の転舵を行う。
また、ECU200は、「操作反力制御部220」を備えている。ECU200は、操作反力制御部220により、すなわち、「操作反力制御プログラム」を実行することにより、流体ダンパ30を制御してステアリングホイール14に適切な操作反力を付与する。その操作反力制御部220は、ステアリングホイール14が中立位置から遠ざかる向きに操作する切り増し操作がなされている場合と、中立位置に近づく向きに操作する切り戻し操作がなされている場合とにおいて、同じ大きさの抵抗力を流体ダンパ30に発生させる制御を行う「均等型抵抗力制御部222」と、切り戻し操作時において切り増し操作時よりも大きい抵抗力を流体ダンパ30に発生させる制御を行う「不均等型抵抗力制御部224」とを備えている。その不均等型抵抗力制御部224は、切り戻し操作時の抵抗力を大きくすることにより、ステアリングホイール14の変位を禁止する「変位禁止実行部226」を備えている。なお、操作反力制御部220およびそれが備える機能部については、後に詳述する。
さらにまた、ECU200は、「保舵条件判定部230」を備えている。ECU200は、保舵条件判定部230により、すなわち、「保舵条件判定プログラム」を実行することにより、操作位置を一定に維持すべき条件である保舵条件が満たされているか否かを判定するのである。その保舵条件判定部230については、後に詳述する。
7. 操作反力制御プログラム.
図4に「操作反力制御プログラム」のフローチャートを示す。操作反力制御プログラムは、車両の動力起動後に、ECU200によって、極めて短い時間間隔で繰り返し実行される。ステップ11(以後、ステップ11を「S11」と略記し、他のステップについても同様とする)において、車速度センサ202の検出信号に基づいて、現時点から設定時間前までの車両の平均速度が取得される。
S12からS16において、車両の平均速度が、設定速度V1(例えば、時速60km)よりも大きい状態であるか否かによって、抵抗力の制御態様を変更する処理が行われる。すなわち、平均速度が設定速度V1よりも大きい状態が設定時間維持された場合に、S17の制御が行われ、平均速度が設定速度V1以下になる状態が設定時間維持された場合に、S18の制御が行われるようにされている。具体的には、いずれかの状態が維持されて本プログラムが極短時間毎に繰り返し実行されると、S13またはS14においてカウンタCaまたはCbが増加させられ、それぞれの設定値Na,Nbよりも大きくなると、S15,S16の判定によってS17またはS18が実行されるのである。それらの処理によって、いずれかの状態が設定時間維持されてから制御態様が変更されるため、制御態様が頻繁に切り換わらないようにされている。なお、S15およびS16の判定がNOとなる場合は、車両の起動直後、あるいは平均速度がV1と同程度となる走行状態であると考えられ、S17が実行されるようにされている。
7.1. 均等型抵抗力制御.
図5に、操作反力制御プログラムのサブルーチンであるS17(図4)の均等型抵抗力制御のフローチャートを示す。均等型抵抗力制御は、均等型抵抗力制御部222によって行われる制御であり、流体ダンパ30によって操舵角に応じた抵抗力を発生させる制御である。ステアリングホイール14の操舵角は操作位置センサ36の検出信号に基づいて取得される(S21)。標準抵抗力値は、図6に示す標準抵抗力値マップに基づいて、操舵角に対応した値が取得される(S22)。その標準抵抗力値は、本実施例において、操舵角の増加に応じて大きくなるように設定されている。なお、標準抵抗力値マップに記録された標準抵抗力値は、ステアリングホイール14が停止している場合の値であるが、ステアリングホイール14が変位している場合でもその値が使用される。また、標準抵抗力値マップは、記憶部210の標準抵抗力値記憶部250に記憶されている。
本均等型抵抗力制御では、標準抵抗力値が目標抵抗力とされ(S23)、流体ダンパ30が発生する抵抗力が目標抵抗力になるように、駆動回路を介して電磁コイル122に電力が供給される(S23)。なお、ECU200の駆動回路への制御指令入力部には、ローパスフィルタが設けられており、均等型抵抗力制御部222からの制御指令の高周波的なノイズ成分がカットされる。
ところで、ステアリングホイール142には、ばね機構24が発生する中立位置復帰力としての弾性力と、流体ダンパ30が発生する抵抗力との作用によって操作反力が付与される。弾性力はステアリングホイール14を中立位置に近づける向きに作用し、抵抗力はステアリングホイール14の操作方向と逆向きに作用する。そのため、ステアリングホイール14の操舵角を増加させる向きの操作である切り増し操作がなされた際には、抵抗力と弾性力とが操作反力として作用する。一方、操舵角を減少させる向きの操作である切り戻し操作がなされた際には、弾性力から抵抗力を減じた力が操作反力として作用する。
上述の均等型抵抗力制御を行った場合における操舵角と操作反力との関係を、図7に模式的に示す。なお、比較のために、弾性力のみの作用による弾性反力を一点鎖線によって示した。この図からも分かるように、切り増し操作時には操作反力が大きくなり、切り戻し時には操作反力が小さくなるのである。そのため、切り増し操作時には手応えを大きくし、切り戻し操作時には適度な力によってステアリングホイール14を中立位置に復帰させることができるのである。なお、この図では、電磁コイル122に電力が供給されず磁場が発生していない状態での抵抗力は小さいため、理解を容易にするために無視して示してある。また、その他の図においても同様である。
7.2. 不均等型抵抗力制御.
図8に、操作反力制御プログラムのサブルーチンであるS18の不均等型抵抗力制御(以後、「不均等型制御」と略記する場合がある)のフローチャートを示す。不均等型制御は、不均等型抵抗力制御部224(以後、「不均等型制御部」と略記する場合がある)によって行われる制御である。その不均等型制御では、基本的に、ステアリングホイール14の操舵角と操舵速度とに基づいて、切り増し操作がなされている状態か、それとも切り戻し操作がなされている状態かを判定し(S32)、それぞれの状態に適した目標抵抗力が演算される。操舵角と操舵方向は、S30において、操作位置センサ36の検出信号に基づいて取得される。そして、後に詳述するS31の保舵条件が満たされていない場合にS32以下の処理が実行される。S32の判定では、中立位置よりも右側の操舵角の符号を正、ステアリングホイール14を右回転させる向きの操舵速度の符号を正とし、それらの逆を負とすると、操舵角および操舵速度の符号が互いに等しい場合に切り増し操作と判定され、操舵角および操舵速度の符号が互いに異なる場合に切り戻し操作と判定される。なお、操舵角が0の場合は切り増し操作と判定され、操舵角が0以外であって操舵速度が0の場合は切り戻し操作と判定される。その判定に従って、切り増し操作時の目標抵抗力と、切り戻し操作時の目標抵抗力とのいずれを取得するかが決定されるのである。
S32の判定において、切り増し操作がなされていると判定された場合は、S33において切り増し操作時の標準抵抗力値が取得される。一方、切り戻し操作と判定された場合は、S36において切り戻し操作時の標準抵抗力値が取得される。それら切り増し操作時および切り戻し操作時の標準抵抗力値は、図9に示す不均等型制御時の標準抵抗力値マップに基づいて、操舵角に応じた標準抵抗力値が取得される。なお、不均等型制御時の標準抵抗力値マップは、理解を容易にするために同じ図中に示したが、切り増し操作時のマップと切り戻し操作時のマップとが別個に存在し、それぞれ記憶部210の標準抵抗力値記憶部250に記録されている。また、比較のために、均等型制御における標準抵抗力値マップを一点鎖線で示した。この図から分かるように、本実施例において、切り増し操作時の標準抵抗力値が比較的小さくされ、切り戻し操作時の標準抵抗力値が比較的大きくされている。
ここで、図10に、流体ダンパ30が発生する抵抗力の大きさが不均等型抵抗力制御時の標準抵抗力値になるように制御した場合の切り増し操作時および切り戻し操作時の操作反力を模式的に示す。切り増し操作時および切り戻し操作時のいずれにおいても、均等型抵抗力制御と比較して操作反力が低下している。このように、切り増し操作時の標準抵抗力値を小さくすることにより、操舵操作を軽快にすることができる。また、切り戻し操作時の標準抵抗力値を大きくすることにより、ステアリングホイール14の中立位置への復帰を緩やかなものとすることができる。なお、前述の均等型抵抗力制御では、例えば、切り増し操作時と切り戻し操作時との両方において均等に抵抗力を小さくすると、切り増し操作時の操作反力は小さくなるが、切り戻し操作時の操作反力は大きくなってしまう。すなわち、均等型抵抗力制御では、切り増し操作時と切り戻し操作時との両方において操作反力を低減することができないのである。
なお、図10には、流体ダンパ30の抵抗力が無い場合のばね機構24の弾性力による操作反力を一点鎖線で示した。また、切り増し操作時の操作反力と切り戻し操作時の操作反力との平均の操作反力を点線で示した。前述の均等型抵抗力制御では、上記平均の操作反力を示す直線の傾きは、ばね機構24の弾性力による操作反力を示す直線の傾きと同様になる。一方、不均等型抵抗力制御では、上記平均の操作反力を示す直線の傾きは、ばね機構24の弾性力による操作反力を示す直線の傾きよりも小さくなる。ばね機構24の弾性力による操作反力を示す直線の傾きは、コイルスプリング110のばね定数によって定まり、均等型抵抗力制御では、抵抗力を増加あるいは減少させたとしても、上記平均の操作反力を示す直線の傾きを変えることはできない。一方、不均等型抵抗力制御では、上記平均の操作反力を示す直線の傾きを変えることができる。そのため、コイルスプリング110のばね定数を減少させたような効果が得られる。すなわち、擬似的にコイルスプリング110のばね定数を減少させることができるのである。
本実施例において、車両が比較的高速度で走行している状態(例えば、時速60km以上)では、均等型抵抗力制御によって、比較的大きな操作反力がステアリングホイール14に付与され、一方、高速度走行でない状態では、不均等型抵抗力制御によって、高速度走行状態よりも小さな、つまり、中程度の操作反力がステアリングホイール14に付与されるのである。
上述のように、不均等型制御時の標準抵抗力値を取得するだけでも流体ダンパ30の制御は可能である。しかし、本実施例では、それに加えて、車速度が設定速度V2以下(例えば、時速40km以下)になった場合に、車速度に応じて操作反力を変化させる制御である車速度依拠制御が行われる。具体的には、車速度の低下に伴い、切り増し操作時の抵抗力を小さくするとともに切り戻し操作時の抵抗力を大きくするのである。車速度に応じて適度な操作反力をステアリングホイール14に付与することにより、例えば、車速度が低下するのに伴い操舵操作をより軽快にすることができ、あるいは渋滞時の極低速走行等においてステアリングホイール14を保舵する運転者の負担を減少させることができる。
車速度に応じて抵抗力を変化させるための係数である低速時増減係数は、記憶部210の低速時増減係数記憶部254に記録された低速時増減係数マップ(図11)に基づいて、車速度に応じた値が取得される(S34,S37)。その低速時増減係数を標準抵抗力値に乗じることによって、不均等型抵抗力制御時の目標抵抗力が取得される(S35,38)。なお、低速時増減係数マップは、切り増し操作時のマップと切り戻し操作時のマップとが別個に存在するが、理解を容易にするために同じ図中に示した。なお、切り戻し操作時の低速時増減係数は、車速度が0の場合に係数Kとなるようにされている。その係数Kは、現時点の操舵角に応じた弾性力を、その操舵角に応じた標準抵抗力値で割った値にされる。すなわち、車両停車時には、流体ダンパ30の抵抗力がばね機構24の弾性力と同じ大きさになるようにされるのである。そのため、車両停車時において、運転者がステアリングホイール14から手を離しても、ステアリングホイール14は弾性力によって変位させられないのである。なお、流体ダンパ30の抵抗力が、ばね機構24の弾性力よりも大きくなるようにすることもできる。なお、図12に、車速度がV2から0に低下した場合に、切り増し操作時の操作反力,切り戻し操作の操作反力,およびそれらの平均の操作反力の変化を示す。本実施例において、車速度依拠制御によって、切り増し操作時および切り戻し操作時の操作反力を車速度に応じて低減させることにより、平均の操作反力を車速度に応じて低減することができる。
本実施例において、車速度が0の場合に車速度依拠制御で行われる制御は、「中立位置復帰力たる弾性力によってステアリングホイール14が中立位置に向かって変化することを禁止する制御である変位禁止制御」の一態様である。なお、不均等型抵抗力制御は、車速度依拠制御を行わない態様とすることもでき、その場合には、例えば、S34,S37を省略し、S35,S38において標準抵抗力値を目標抵抗力とすればよいのである。
切り増し操作時または切り戻し操作時の目標抵抗力が取得されると、流体ダンパ30が発生する抵抗力がその目標抵抗力になるように、駆動回路を介して電磁コイル122に電力が供給される(S39)。なお、ECU200には、駆動回路への制御指令入力部にローパスフィルタが設けられており、均等型抵抗力制御部222からの制御指令の高周波的なノイズ成分がカットされる。
なお、不均等型抵抗力制御において、目的に応じて、切り増し操作時の抵抗力を減少させることと、切り戻し操作時の抵抗力を増加させることとの一方だけを行うようにすることもできる。すなわち、不均等型抵抗力制御において、切り増し操作時の抵抗力と切り戻し操作時の抵抗力との差が大きくなるように制御することができ、その制御によって、切り増し操作時の操作反力と切り戻し操作時の操作反力との少なくとも一方を低減させることができるのである。
7.3. 保舵条件判定プログラム.
図8の不均等型抵抗力制御プログラムのS31において、保舵条件が充足しているか否かが判定される。そのS31の判定は、図13に示す保舵条件判定プログラムの判定結果を参照することによってなされる。その保舵条件判定プログラムがECU200によって実行されることにより、すなわち、保舵条件判定部230の処理によって、保舵条件が充足しているか否かの判定がなされる。本実施例において、操舵角,操舵速度,車両の平均速度が取得され(S51)、それらに基づいて、操作位置が中立位置以外のある操作位置に維持されると予測される状態である操作位置維持状態が認識される(S52〜S56)と、保舵条件が充足されたと判定される。
その操作位置維持状態は、車両の平均速度が設定速度V3未満(例えば、時速20km未満,あるいは時速5km未満等)(S52)で、かつ、ステアリングホイール14が中立位置以外で停止している状態(あるいは、操舵速度が設定速度以下の状態)(S53)が設定時間維持された場合に認識される。そのような状態は、渋滞等の要因によってカーブを旋回する途中で徐行や停車をしているような状態であると考えられ、その後もその状態が維持される可能性が高いのである。具体的には、S52,S53の条件が満たされている状態が設定時間維持されると、本プログラムが繰り返し実行されるのに伴いカウンタCdが増加させられて設定値Ndを超えると(S54,S55)操作位置維持状態であると認識され、保舵条件充足フラグがON状態にされ(S57)、すなわち、保舵条件が充足したという判定結果が得られるのである。なお、S52,S53の条件が満たされない場合には、カウンタCdは0にリセットされ、また、カウンタCdが設定値Nd以下の場合は保舵条件充足フラグがOFF状態にされる(S58)。その保舵条件充足フラグが、S31の判定において参照されるのである。
7.4. 変位禁止制御.
ここで、図8のフローチャートの説明に戻る。S31において、保舵条件が充足していると判定された場合に、S40,S41が実行され、変位禁止制御がなされる。その変位禁止制御は、流体ダンパ30の抵抗力によって、ステアリングホイール14が中立位置復帰力として作用するばね機構24の弾性力によって中立位置に向かって変化することを禁止する制御である。具体的には、変位禁止制御時の標準抵抗力値である変位禁止抵抗力値が、図14に示す変位禁止抵抗力値マップに基づいて、現時点の操舵角(S30)に応じて取得される(S40)。その変位禁止抵抗力値マップは、記憶部210の標準抵抗力値記憶部250に記録されている。その操舵角に応じて取得された変位禁止抵抗力値が目標抵抗力とされ(S41)、流体ダンパ30が発生する抵抗力がその目標抵抗力になるように、駆動回路を介して電磁コイル122に電力が供給される(S39)。
なお、本実施例において、変位禁止抵抗力値がばね機構24の弾性力よりも設定量だけ大きくされている(例えば、ステアリングホイール14が操作端に位置した際に発生する弾性力の10分の1程度の大きさ)。そのため、弾性力によるステアリングホイール14の変位を確実に禁止することができる。また、ステアリングホイール14に適度な反力が付与されているため、運転者は切り戻し操作を開始する場合に、適度な手応えを感じつつ操舵操作を開始することができる。なお、変位禁止制御において、切り増し側の抵抗力は零にされている。また、変位禁止制御が行われている場合に、操舵操作がなされると、S31の保舵条件が充足しなくなり、変位禁止制御が解除され、S32以下の処理が行われる。
本実施例において、S18の不均等型抵抗力制御では、車速が0で切り戻し操作がなされた場合にS36〜S38の処理によって、S31の保舵条件が満たされた場合にS40,S41の処理によって変位禁止状態にされる。車速が0になった場合のS36〜S38の処理と、保舵条件が満たされた場合のS40,S41の処理とは、いずれも変位禁止制御の一態様である。以下に、それらの違いについて述べる。S36〜S38の処理では、車速が0になった場合に、弾性力によるステアリングホイール14の変位が禁止され、一方、S40,S41の処理では、車速が0にならなくとも保舵条件が満たされた場合にステアリングホイール14の変位が禁止される。また、S36〜S38の処理では、車速が0であれば、操舵操作がなされても変位禁止状態が保たれる、つまり、流体ダンパ30の目標抵抗力がばね機構24の弾性力と同じ大きさに保たれるのに対し、S40,S41の処理では、操舵操作がなされると解除される。
本実施例において、例えば、保舵条件が充足した場合に変位禁止制御がなされたが、運転者がスイッチを入れることでも変位禁止制御が行われるようにされている。ステアリングホイール14には保舵スイッチ290が取り付けられており、操作反力制御部220は、その保舵スイッチ290が設定時間(例えば、2秒程度)押し続けられた場合にS40,S41と同様な処理によって変位禁止制御を行うようにされている。なお、変位禁止制御を行っている状態において操作位置の変化に基づき操舵操作がなされたことが検知されると、変位禁止制御が解除される。
本実施例において、粘性抵抗力発生機構たる流体ダンパ30を制御する操作反力制御部220が、粘性抵抗力発生機構制御装置として機能している。また、不均等型抵抗力制御部224が、「ステアリングホイール14が中立位置に近づく向きの操作位置の変化に対する粘性抵抗力が、中立位置から遠ざかる向きの操作位置の変化に対する粘性抵抗力よりも大きくなるように制御する中立方向変位時抵抗力増加制御部」として機能している。さらにまた、不均等型抵抗力制御部224の変位禁止実行部226が、ECU200の不均等型抵抗力制御のS40,S41の処理を行う部分を含んで構成され、「ステアリングホイール14の操作位置が中立位置復帰力によって中立位置に向かって変化することを禁止する制御である変位禁止制御を実行する変位禁止実行部」として機能している。なお、前述のように、車速度が0で切り戻し操作がなされる場合において、ECU200の不均等型抵抗力制御のS36〜S38の処理を行う部分が、「ステアリングホイール14の操作位置が中立位置復帰力によって中立位置に向かって変化することを禁止する制御である変位禁止制御を実行する変位禁止実行部」として機能している。
8. 変形例.
上記実施例において、中立位置復帰力発生機構として、操作反力付与装置20にばね機構24が設けられていた。そのばね機構24に代えて、操作反力付与装置20に電磁式モータを設けることができる。図15に、電磁式モータ300を備えた操作反力付与装置302の側方断面図を模式的に示す。その操作反力付与装置302は、電磁式モータ300以外の部分は操作反力付与装置20と同様であるため説明を省略する。電磁式モータ300は、ハウジング100内の車両前方側に設けられており、シャフト22に相対回転不能に固定されたロータ310と、ハウジング100の内周面に配設されたステータ312とを含んで構成されている。ステータ312はコアに巻き付けられたコイルを有しており、ECU200の駆動回路によって電力が供給されると磁界を発生する。ロータ310の外周部には永久磁石が取り付けられており、ステータ312が発生した磁界に応じた回転駆動力を発生する。
本実施例において、電磁式モータ300は、ステアリングホイール14を中立位置に向かって変位させる向きの操舵角に応じた駆動力を発生させるように制御され、中立位置復帰力発生機構として機能する。ECU200は、電磁式モータ300によって中立位置復帰力を発生させるとともに、上記実施例と同様に流体ダンパ30の抵抗力を状況に合わせて増減させることによって、操作反力を適度な大きさに保つのである。
請求可能発明の実施例であるステアリングシステムの概略を示す図である。 上記ステアリングシステムの操作反力付与装置を側方から見た断面を模式的に示す図である。 上記ステアリングシステムのECUの機能を示すブロック図である。 上記ステアリングシステムのECUによって実行される操作反力制御プログラムのフローチャートを示す図である。 上記操作反力制御プログラムの均等型抵抗力制御のフローチャートを示す図である。 上記均等型抵抗力制御において参照される標準抵抗力値マップを示す図である。 上記均等型抵抗力制御によってステアリングホイールに付与される操作反力の大きさを模式的に示す図である。 上記操作反力制御プログラムの不均等型抵抗力制御のフローチャートを示す図である。 上記不均等型抵抗力制御において参照される不均等型の標準抵抗力値マップを示す図である。 上記不均等型抵抗力制御によってステアリングホイールに付与される操作反力の大きさを模式的に示す図である。 上記不均等型抵抗力制御において参照される低速時増減係数マップを示す図である。 上記不均等型抵抗力制御の車速度依拠制御によってステアリングホイールに付与される操作反力の変化を模式的に示す図である。 上記ステアリングシステムのECUによって実行される保舵条件判定プログラムのフローチャートを示す図である。 上記不均等型抵抗力制御において参照される変位禁止抵抗力値マップを示す図である。 上記とは別の実施例において、ステアリングシステムの操作反力付与装置を側方から見た断面を模式的に示す図である。
符号の説明
10:操作部 12:転舵部 14:ステアリングホイール(操作部材) 16:転舵車輪 20:操作反力付与装置 22:シャフト 24:ばね機構(弾性力発生機構 & 中立位置復帰力発生機構) 30:流体ダンパ(粘性抵抗力発生機構) 36:操作位置センサ 60:転舵装置 110:コイルスプリング(弾性体) 120:ロータ 122:電磁コイル(磁場発生器) 130:磁性流体 200:ECU 220:操作反力制御部(粘性抵抗力発生機構制御装置) 222:均等型抵抗力制御部 224:不均等型抵抗力制御部(中立方向変位時抵抗力増加制御部) 226:変位禁止実行部 230:保舵条件判定部 300:電磁式モータ(中立位置復帰力発生機構) 302:操作反力付与装置

Claims (5)

  1. 操舵操作がなされる操作部材と、その操作部材になされた操舵操作に応じた車輪の転舵を自身の駆動力によって行う転舵装置とを備えたステアリングシステムであって、
    前記操作部材の操作位置を中立位置に近づける向きの、かつ、操舵量に応じた大きさの力である中立位置復帰力を発生する中立位置復帰力発生機構と、
    抵抗力発生流体を有して、その抵抗力発生流体の粘性抵抗によって前記操作部材の操作位置の変化に対する抵抗力を発生させる粘性抵抗力発生機構と、
    その粘性抵抗力発生機構を制御することによって操舵操作に応じて前記粘性抵抗力を変化させる制御装置であって、前記操作部材が中立位置に近づく向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力が、中立位置から遠ざかる向きの操作位置の変化に対する前記粘性抵抗力よりも大きくなるように制御する中立方向変位時抵抗力増加制御部を含んで構成される粘性抵抗力発生機構制御装置と
    を備えた車両用ステアリングシステム。
  2. 前記中立位置復帰力発生機構が、操舵量の増加に伴い変形量が増加させられる弾性体を有してその弾性体によって前記中立位置復帰力の原力となる弾性力を発生させる弾性力発生機構を含む請求項1に記載の車両用ステアリングシステム。
  3. 前記中立方向変位時抵抗力増加制御部が、前記粘性抵抗力発生機構に前記粘性抵抗力を発生させて前記操作部材の操作位置が前記中立位置復帰力によって中立位置に向かって変化することを禁止する制御である変位禁止制御を実行する変位禁止実行部を備えた請求項1または2に記載の車両用ステアリングシステム。
  4. 前記変位禁止実行部が、操作位置を一定に維持すべき条件である保舵条件を満たす場合に、前記変位禁止制御を実行するものである請求項3に記載の車両用ステアリングシステム。
  5. 前記粘性抵抗力発生機構が、前記抵抗力発生流体として、液体とその液体中に分散させられた磁性粒子とを含んで構成される磁性流体と、その磁性流体に作用させる磁場を発生する磁場発生器とを備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
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