JP2006187705A - 有機半導体層の形成方法および有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機半導体層の形成方法および有機薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布法により形成される有機半導体層のキャリア移動度を向上させ、また、有機半導体層薄膜の繰り返し使用(測定)時の特性変動抑制、又閾値の低下、更には基板上における有機半導体薄膜の成膜性の向上を図る。
【解決手段】基板上に有機半導体材料の溶液を供給した後、溶媒の一部を蒸発させ、基板表面に有機半導体材料を析出させた後、残留した溶液を除去することにより有機半導体層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体層の形成方法およびこの有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタの製造方法に関する。
近年、有機半導体を半導体チャネルとして使用する有機薄膜トランジスタが種々検討されている。有機半導体は無機半導体に比べて加工が容易であり、プラスチック支持体との親和性が高いので薄層デバイスとしての魅力がある。
有機半導体薄膜の形成方法としては、蒸着による方法が代表的であるが、材料の特性により種々の方法が用いられる。その中でも塗布或いは溶液、液体を基板に適用する常圧プロセス(ウエットプロセス)により蒸着等よりも容易に半導体薄膜を得ようとする試みが数多くなされている。
例えば、特許文献1また特許文献2においては、溶液積層による薄膜トランジスタ(TFT)の形成が、特許文献3には、同じく印刷法によるTFT形成が、また非特許文献1においては、チオフェンポリマーを有機半導体材料として有機半導体の溶液に含まれる溶媒を乾燥させることで、有機半導体薄膜(層)を形成している。しかし、これら単に溶媒を乾燥させるというだけでは未だ移動度が低い問題がある。更に繰り返し測定時の特性変動や、閾値が高いといった問題がある。
従って、特許文献4、5、6等においては、半導体ポリマーの配向処理をそれぞれ行うことで、半導体チャネルの移動度を向上する等の処理を行っている。しかしながら、いずれも配向の形成には、煩雑な操作や半導体について複雑な構成が必要となる等問題を抱えている。
また、有機トランジスタの性能を確保するには、ゲート絶縁層膜表面を撥水化処理することが一般的である。このゲート絶縁膜上に半導体層を公知の方法で形成する際(溶液を塗布する、印刷或いはインクジェットでパターニング)、ゲート絶縁膜表面で溶液をはじき、半導体層の形成が難しいという問題がある。この傾向は性能の良好な低分子の半導体で顕著となる。
米国特許第6,087,196号明細書 国際公開第01/47043号パンフレット 米国特許第6,677,607号明細書 特開平9−232589号公報 特開平7−206599号公報 国際公開第00/79617号パンフレット JACS 2004,126,3378
従って、本発明の目的は、塗布法により形成される有機半導体層のキャリア移動度の向上させることであり、また、有機半導体層薄膜の繰り返し使用(測定)時の特性変動抑制、又閾値の低下、更には基板上における有機半導体薄膜の成膜性の向上にある。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
(請求項1)
基板上に有機半導体材料の溶液を供給した後、溶媒の一部を蒸発させ、基板表面に有機半導体材料を析出させた後、残留した溶液を除去することを特徴とする有機半導体層の形成方法。
(請求項2)
有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体層の形成方法。
(請求項3)
アルキルチオフェンを含有する有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体層の形成方法。
(請求項4)
有機半導体材料の溶液を供給する基板表面の、水に対する接触角が60度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体層の形成方法。
(請求項5)
基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成したのち、ゲート絶縁膜表面に半導体層、ソース、ドレイン電極を形成する有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記半導体層が前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体層の形成方法により形成されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明により、閾値が低く、又キャリア移動度が高く、繰り返し測定時の特性変動が少ない、更には有機半導体薄膜を形成する基板上において成膜性のよい欠陥が少ない有機半導体層が形成できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明において用いられる有機半導体材料はπ共役系化合物であり、π共役系化合物とは、分子内にπ共役系を有し分子間でπスタックを形成しながら、分子が規則正しく配列することのできる化合物であり、低分子、オリゴマー、ポリマー等にかかわらず、本発明に用いることができる。π共役系を有し、分子間でπスタックを形成し配列する化合物であであれば、本発明に用いることができる。オリゴマー、ポリマーの場合には有機半導体材料の重量平均分子として、5000以下が好ましい。大きなポリマー分子においては、πスタックが部分的にしか形成されず、配向性の乱れた部分が数多く存在するため、十分なキャリア移動度が得られないと推定される。半導体材料膜においては、結晶化領域が大きいほど、また結晶化領域の比率が高いほど、キャリア移動度は向上すると思われる。
前記分子量以下である低分子の有機半導体材料としては、ペンタセン等がありその半導体膜は通常蒸着形成されるが、例えば、WO03/28125号、WO03/16599号、USP6,690,029号、US2003−136964号等に記載されたペンタセンや置換ペンタセン等の低分子量化合物等も塗布可能であり本発明に用いることができる。
また、前記分子量以下である低分子の有機半導体材料として、分子構造中にヘテロ環を2つ以上含む化合物が好ましく、特に前記ヘテロ環がチオフェン環である化合物が好ましい化合物として挙げられる。該チオフェン環はアルキル基などの置換基を有していても、また無置換のものでもよいが、分子内に置換基を有するチオフェン環をが含まれることが好ましく、置換基を有するチオフェン環と無置換のチオフェン環の両者が含まれることがより好ましい。更に、前記チオフェン環が2つ以上に連結していることが好ましく、連結するチオフェン環の数は2〜10が好ましい。
また、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどのポリマー等も前記吸熱点、発熱点を有するものは本発明に用いることができる。ポリマーの場合においても重量平均分子としては、5000以下のものが好ましい。代表的には、JACS 2004,126,3378等に記載されるチオフェンポリマー等が挙げられる。
また、本発明において、平均分子量5000以下の分子量を有するオリゴマーは有機半導体材料として好ましい化合物である。本発明において特に好ましく用いることのできるオリゴマーとしてはチオフェンオリゴマーが挙げられる。
本発明において好ましく用いられるチオフェンオリゴマーとしては、置換基を有するチオフェン環繰り返し単位と、無置換のチオフェン環繰り返し単位が、各々少なくとも2つ以上連続している部分構造を有するチオフェンオリゴマーを含み、且つ、該チオフェンオリゴマーに含まれるチオフェン環の環数が8〜20の範囲が好ましい。
本発明においては、本発明者等による特願2004−172317号(2004年6月10日出願)に記載のチオフェンオリゴマーが好ましく用いられる。
好ましいチオフェンオリゴマーとしては下記一般式(1)で表される部分構造を有するものある。
Figure 2006187705
式中、Rは置換基を表す。
《一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマー》
本発明に好ましく用いられる一般式(1)で表されるチオフェンオリゴマーについて説明する。
一般式(1)において、Rで表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によって更に置換されていても、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも好ましい置換基は、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が2〜20のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素原子数6〜12のアルキル基である。
《チオフェンオリゴマーの末端基》
本発明に好ましく用いられるチオフェンオリゴマーの末端基について説明する。
本発明に好ましく用いられるチオフェンオリゴマーの末端基は、チエニル基をもたないことが好ましく、また、前記末端基として好ましい基としては、アリール基(例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)等が挙げられる。
《チオフェンオリゴマーの繰り返し単位の立体構造的特性》
本発明に好ましく用いられるチオフェンオリゴマーは、構造中に、Head−to−Head構造を持たないことが好ましく、それに加えて、更に好ましくは、前記構造中に、Head−to−Tail構造、または、Tail−to−Tail構造を有することが好ましい。
本発明に係るHead−to−Head構造、Head−to−Tail構造、Tail−to−Tail構造については、例えば、『π電子系有機固体』(1998年、学会出版センター発行、日本化学界編)27〜32頁、Adv.Mater.1998,10,No.2,93〜116頁等により参照出来るが、ここで、具体的に各々の構造的特徴を下記に示す。
Figure 2006187705
Figure 2006187705
Figure 2006187705
ここにおいてRは前記一般式(1)におけるRと同義である。
以下、本発明に好ましく用いられるこれらチオフェンオリゴマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2006187705
Figure 2006187705
Figure 2006187705
Figure 2006187705
本発明においては、上記半導体材料を、例えば、一旦溶媒中に溶解或いは分散して基板上に塗布、或いはインクジェット等又印刷等により一定量一定領域に溶液を供給した後(必要な場合にはパターニング形成する)、溶媒の一部を蒸発させ、基板表面に有機半導体材料を析出させた後、残留した溶液を除去することで、本発明に係わる有機半導体層は形成できる。
従って、基板上に適用した溶液から、有機半導体材料を析出させるには、溶媒をその蒸気圧により、蒸発させ、溶液を濃縮する必要がある。
従って、例えば、塗布液を基板上に薄膜状に供給した後、表面から、溶媒を蒸発により除去する。従って蒸発を促進するために、基板を加温する、不活性気体の溶液薄膜表面に供給する。又軽い減圧状態を作り出す等は好ましい。
薄膜状に基板上に供給された溶液から溶媒を除去し、有機半導体材料が基板上に析出してきたところで、蒸発を停止させ、残留する溶液を、基板から流し落としたり、スピン等を用いて振り落とす、また、ブラッシング、或いはワイプ等により取り除く。
結晶が析出した後、充分に基板上において成長した有機半導体材料は、基板と固着しており、残留する溶液を除くため、溶液から基板上に結晶が沈着してゆくプロセスであり純度のよい有機半導体材料薄膜が形成できる。又、溶液中において、部分的に析出し浮遊する微結晶は、残留溶液を除く際に、一緒に取り除かれるので、例えば、そのまま乾燥され(通常の塗布・乾燥プロセスがこれにあたる)形成された有機半導体薄膜に比べ、純度が高い高配向を有する有機半導体薄膜が得られる。また、析出の段階で結晶の配向(例えばπ−スタック)が安定するので、得られる半導体膜の電気特性が安定し、例えば、薄膜トランジスタとしてのI−V特性の変動が少ない。
濃縮の程度は、用いる有機半導体材料又溶媒により一義的には決まらないが、当初の液量の、1/3〜1/20程度になる様に濃縮するのが好ましい。濃縮が過ぎると物理的に残留する溶液が取り除けなくなり、また溶液中の不純物等がとれにくくなり、得られる有機半導体薄膜の性能を劣化させる。従って、濃縮の程度、また有機半導体材料とこれ溶解する溶媒の選択は重要である。
溶媒の濃縮による有機物の析出は、所謂一種の再結晶現象であり、加温等を利用した濃縮の他、溶液温度を基板上で低下させる等の手段を併用してもよい。例えば、溶液温度として50℃以上で適用し、蒸発による濃縮と共に、基板を冷却し析出させてもよい。この場合は溶解度曲線が適当な溶媒と有機半導体材料の組み合わせを選ぶ必要がある。
また、基板温度を例えば、室温に維持しても、一定の温度をかけて有機半導体材料を溶解した溶液は、基板上に薄膜として供給された後冷却されるので、同様の効果がある。
この様にして、結晶の成長を速めることも出来るが、結晶化をゆっくりと進めることが適した半導体材料もあり、適宜、最適条件を見いだすことが出来る。これらの最適条件は有機半導体材料(化合物)によっても異なるが、要は結晶化(或いは結晶構造変化)温度で一定時間維持することが重要である。
これらの蒸発による、所謂再結晶現象により基板上に沈着し形成された、有機半導体材料は、πスタックが有効に形成され、有機半導体薄膜として好ましい性質を有する。
また、この様にして有機半導体薄膜を形成した後に、一定の温度での熱処理等を施すことで更に配向処理を行ってもよい。
前記有機半導体材料を溶媒に溶解し、その溶液を塗布により基板上に形成して本発明に係わる有機半導体層は形成されるが、必ずしも完全に溶解していなくともよく、分散状態の液でもよく、要は塗布後に、膜形成するときに、基板上に有機半導体結晶が沈着し、これを核として均一に結晶が成長した膜を形成できればよい。
有機半導体層の形成の為の溶液の供給法としては、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等種々の塗布方法があげられる。有機半導体層の形成に用いられる塗布液は、本発明に係わる有機半導体材料が有機溶媒中に分散或いは溶解された液である。用いられる有機溶媒の種類は、炭化水素系、アルコール系、エーテル系、エステル系、ケトン系、グリコールエーテル系など広範囲の有機溶媒から、有機半導体化合物に応じて適宜選択されるが、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、ヘキサン、トリデカン、α−テルピネオール、また、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等が好適に用いられる。
又、上記分散液を、インクジェット方式により飛翔させて形成することもできる。この方式によれば、後記する図1のようなソース電極2とドレイン電極3間の狭い溝状に効率よく有機半導体層1を、エネルギーロスが少なく形成することができる。
これらの方法により一定量の有機半導体材料溶液を、パターニング等が必要であればそのパターニング方法に応じた方法により、一定領域に、一定以上例えば、1ml以上の供給量で適用し、基板を、必要なら冷却し、或いは溶液を濃縮させることで、基板上に有機半導体材料の結晶を沈着、成長させる。必要な半導体薄膜が溶液中で形成された後、残留する溶液を、基板から流し落としたり、スピン等を用いて振り落とす、また、ワイピング、或いはブラッシング等により除去する。また、残留溶液の除去後に、少量の溶剤により、洗浄を行ってもよい。
こうして形成される有機半導体薄膜(層)の膜厚は、好ましくは5nmから1μm,より好ましくは10nmから100nmの範囲内である。
本発明において、通常は、有機半導体層は、ゲート、ゲート絶縁膜上に形成されるのが好ましく。ゲート絶縁膜のような疎水性を有し、水に対する接触角の大きい表面は、通常の塗布プロセスに対しては、特にその乾燥終期において、所謂、表面の液切れから有機半導体材料溶液の表面張力との関係で、膜欠陥を生じやすい。本発明に係わる有機半導体層の形成方法によれば、これら有機半導体材料の溶液を供給する基板表面の、水に対する接触角が60度以上、更には80度以上であるような、疎水性の膜に対しても、均一な欠陥のない有機半導体材料薄膜が形成でき好ましい。従って、ボトムゲート型の薄膜トランジスタの場合に、基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成したのち、ゲート絶縁膜表面に、有機半導体薄膜を形成することは、本発明の好ましい態様である。次いでソース、ドレイン電極を形成することによりキャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを得ることが出来る。
《有機薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ及びスイッチング素子》
本発明の有機薄膜トランジスタ及びそれらを用いるスイッチング素子等について説明する。ここで、スイッチング素子は、その使用形態により、有機TFT素子といわれることもあり、また、電界効果トランジスタ素子と呼ばれることがある。
本発明に係わる有機TFT材料は、有機TFTや電界効果トランジスタのチャネル層に用いられることにより、良好に駆動するスイッチング素子(トランジスタ装置ともいう)を提供することができる。有機TFT(有機薄膜トランジスタ)は、支持体上に、チャネルとして有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
本発明に係る有機半導体材料、チオフェンオリゴマー等を有機TFTまたは電界効果トランジスタを用いたスイッチング素子のチャネル(チャネル層ともいう)に設置するには、前述のように、適切な溶剤に溶解し必要に応じ添加剤を加えて調製した溶液をキャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等によって基板上に薄膜状に適用し、溶剤を蒸発させ、有機半導体結晶を溶液から基板表面に析出させ残留溶液を除去することが好ましい。
本発明において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、種々の金属材料を用いることができるが、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素等が好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法等がある。
電極の形成方法としては、また導電性微粒子分散液、また、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液を、直接インクジェットによりパターニングする方法、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成する方法がある。更に導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
例えば金属等からなる導電性微粒子を、好ましくは有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や有機溶剤又はその混合物である分散媒中に分散させ、ペースト或いはインク等の導電性微粒子分散液とし、これを塗設、パターニングすることで、電極を形成することができる。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体層とのオーミック接触を可能とできる。即ち金属微粒子の表面に、導電性ポリマーを介在させて、半導体への接触抵抗を低減させ、かつ、金属微粒子を加熱融着させることで、さらに本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体などが好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で、電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させてソース電極、ドレイン電極を形成する。また電極形成時に、概ね、1〜50000Pa、さらに1000〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進することも好ましい。
上記金属微粒子分散物を用いて電極様にパターニングする方法としては、例えば、金属微粒子分散物をインクとして用いて印刷法によりパターニング方法がある。また、インクジェット法によりパターニングする方法がある。金属微粒子分散物をインクジェットヘッドより吐出し、金属微粒子の分散物をパターニングする方法であり、インクジェットヘッドからの吐出方式としては、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンド型や静電吸引方式などの連続噴射型のインクジェット法等公知の方法によりパターニングすることができる。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータなどに用いられる方法をはじめ、公知の方法を用いることができる。
このようにして形成される有機半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、得られたTFTの特性は、半導体層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、半導体材料により異なるが、一般に1μm以下、好ましくは5nmから1μm,より好ましくは10nmから100nmの範囲内である。
本発明においては、有機半導体層には、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセクター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って、ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしてアクセプター、ドナーのいずれも使用可能であり、公知の材料、プロセスを用いることができる。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層と有機半導体層の間に、任意の配向処理を施してもよい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。
ゲート絶縁膜としては、水に対する接触角が60℃以上、好ましくは80度以上であるような、疎水性の膜が好ましい。通常の塗布プロセスによる有機半導体層の形成においては、はじき等により、乾燥後に欠陥を生ずることがあり、注意を要するが、本発明に係わる有機半導体材料の析出による半導体層の形成においては、薄膜とはいえ、溶液から基板上への溶液中での沈積によるため、塗布・乾燥による製造プロセスにおけるような、乾燥後期における基板のハジキ等が回避され、均一な有機半導体薄膜が形成される。
本発明において、支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えば、プラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
図1に本発明に係る有機薄膜トランジスタの構成例を示す。
同図(ba)は、ガラス支持体6上に、マスクを用い勿論金等を蒸着によりパターン形成し、または金属微粒子を含む層のパターンを形成した後、次に金属微粒子を含む層を加熱加圧して融着させてもよいが、ソース電極2、ドレイン電極3を形成し、その上に有機半導体材料層1を形成し、その上にゲート絶縁層5を形成し、更にその上にゲート電極4を形成して有機TFTを形成したものである。
図1(ab)、(c)に、トップゲート型の有機薄膜トランジスタの他の構成例を示す。
また、同図(d)は、支持体6上にゲート電極4を形成した後、ゲート絶縁層5を形成し、前述した蒸着や金属微粒子を用いた方法によりソース電極2、ドレイン電極3を形成して、その上に有機半導体材料層1を形成して、ボトムゲート型の有機TFTを形成したものである。同様に他の構成例を(e)、(f)に示す。
図2は、前記有機薄膜トランジスタを用いて、液晶、電気泳動素子等の出力素子様に構成されたTFTシートの概略等価回路図の1例である。
TFTシート10はマトリクス配置された多数のTFT素子11を有する。7は各TFT素子11のゲートバスラインであり、8は各TFT素子11のソースバスラインである。各TFT素子11のソース電極には、例えば液晶、電気泳動素子等の出力素子12が接続され、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
OTS(オクタデシルトリクロロシラン)処理済みの熱酸化膜(厚さ200nm)付きSiウエハー上に、窒素ガス雰囲気下でチオフェンオリゴマー(化合物例〈9〉)のシクロヘキサン/THF(容量比90/10 6.0質量%)溶液を滴下、3分そのまま放置し、溶媒を蒸発させ、残留溶液量が1/5となったところで、基板をスピンし(1000回転/分)、残存した溶液を振り切り除去した。形成した半導体層上にソース、ドレイン電極として金を蒸着して、有機薄膜トランジスタを作製しFET特性を測定した。
また、比較例1として、同溶液をスピンコートした後、全部そのまま乾燥して、半導体層を形成した以外は同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。同様にFET特性を測定した。
FET特性として、キャリア移動度、ゲート電圧の閾値またその繰り返し特性をそれぞれ以下の方法により測定した。
《キャリア移動度評価》
得られた有機薄膜トランジスタの各々について、I−V特性の飽和領域から、キャリア移動度(cm2/V・s)を求めた。
《閾値》
FET特性として、次にゲート電圧を0〜30V迄変化させたときのドレイン電流変化から、ゲート電圧の閾値をみた。
《繰り返し特性》
キャリア移動度、ゲート電圧の閾値について、測定を繰り返し、測定値の変動がみられるか否かをみた。
実施例1 比較例1
移動度 0.35 0.11
繰り返し特性 変動なし 変動あり
閾値 5V 20V
以上のように、本発明によれば、に特有の効果として、有機半導体により形成される有機薄膜トランジスタチャネルにおけるキャリア移動度が非常に高く、ゲート電圧の閾値が低く、低電圧駆動可能な有機薄膜トランジスタが得られる。
本発明に係る有機薄膜トランジスタの構成例を示す概略図である。 有機TFTシートの概略等価回路図の1例を示す概略図である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 TFTシート
11 TFT素子
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路

Claims (5)

  1. 基板上に有機半導体材料の溶液を供給した後、溶媒の一部を蒸発させ、基板表面に有機半導体材料を析出させた後、残留した溶液を除去することを特徴とする有機半導体層の形成方法。
  2. 有機半導体材料の重量平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体層の形成方法。
  3. アルキルチオフェンを含有する有機半導体材料を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体層の形成方法。
  4. 有機半導体材料の溶液を供給する基板表面の、水に対する接触角が60度以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体層の形成方法。
  5. 基板上にゲート電極、ゲート絶縁膜を形成したのち、ゲート絶縁膜表面に半導体層、ソース、ドレイン電極を形成する有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記半導体層が前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体層の形成方法により形成されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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