JP2006186021A - ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスプレイ画像の黒レベル向上、明室コントラスト向上が可能な、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタの提供。
【解決手段】透明基材1上に、少なくとも、導電性で平面視形状がメッシュ状のメッシュ層2が形成されたディスプレイ用の電磁波シールドフィルタ10として、メッシュ層の面のうち少なくとも表裏両面を黒化層等で黒くしておき、しかも、メッシュ層のメッシュ形状をライン幅Wが5〜35μm、ラインピッチPが80μm〜170μm、開口率Kが30〜90%の全てを満足する形状とする。黒レベル向上、明室コントラスト向上を、視野角低下やラインの断線・変形を防ぎつつ実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】透明基材1上に、少なくとも、導電性で平面視形状がメッシュ状のメッシュ層2が形成されたディスプレイ用の電磁波シールドフィルタ10として、メッシュ層の面のうち少なくとも表裏両面を黒化層等で黒くしておき、しかも、メッシュ層のメッシュ形状をライン幅Wが5〜35μm、ラインピッチPが80μm〜170μm、開口率Kが30〜90%の全てを満足する形状とする。黒レベル向上、明室コントラスト向上を、視野角低下やラインの断線・変形を防ぎつつ実現できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)等の各種ディスプレイの前面に配置する、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタに関する。
従来は、ディスプレイと言うと、CRT(ブラウン管)ディスプレイが代表的であったが、最近はこれに代わって、フラットパネルディスプレイ(FPD)の普及が本格化している。FPDのなかでも、LCD(液晶ディスプレイ)とPDP(プラズマディスプレイパネル)とが先駆的に普及しだしているが、今後は、これら以外にも更に、SED(Surface−conduction Electron−emitter Display)等として注目を集めるFED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)の普及も予想されている。
この様な各種ディスプレイに於いては、画素の駆動信号等から電磁波が発生するので、例えば上記のうちPDP、CRTで説明すれば、これらディスプレイから発生する電磁波をシールドする為に、ディスプレイ前面に配置する電磁波シールドフィルタが知られている。この様な用途に用いる電磁波シールドフィルタでは電磁波シールド性能と共に光透過性も要求される。そこで、基材に樹脂フィルムやガラス等の透明基材を用い、この透明基材上に金属箔のエッチングや金属めっきにより、導電性と光透過性を両立させたメッシュ層を設けたディスプレイ用電磁波シールドフィルタが知られている。メッシュ層は、その層自体が光不透明性なので、平面視形状がメッシュ状となるように層をパターン状に形成し多数の小さい穴(開口部)を設けることで、光透過性を確保している。ただし、メッシュがあまりに大きければ、目に付いてディスプレイ画像の邪魔になり、またメッシュの穴の総面積(開口率)が小さければ、やはりディスプレイ画像を邪魔して暗くなる。かと言って、メッシュを構成するラインを細くし過ぎれば、メッシュの面積抵抗が増える上、断線等が生じ、本来の電磁波シールド性能を損ねてしまう。
そこで従来、この様なメッシュ層のメッシュ形状は、その大きさを、例えば、メッシュを構成するラインのライン幅Wは40μm以下、そのラインピッチPは200μm以上等とするのが良いとされ、また、メッシュの開口率は、大よそ80%〜90%程度(例えば正方形の開口部が正方格子配列したメッシュで、ラインピッチP250μmでライン幅W25μmでは開口率K81%)とされてきた(特許文献1)。
また、メッシュ層は、その面が光反射性だと、外光等の不要光を反射し、透視画像の明室コントラストを低下させるので、通常、メッシュ層の層自体の面には、黒化処理による黒化層を設け黒くする事も知られている(特許文献1)。
ところが、メッシュ層による外光反射は、メッシュ層の観察者側に面した面からだけではない。すなわち、図6の概念的な断面図で示すディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の如く、観察者側とするメッシュ層2の面(図面では上方の面)が黒化処理等で黒く外光反射が抑止されていても、該メッシュ層2のライン部(非開口部)ALの間に設けられた開口部AOから透明基材1内部まで進入した外光Lbは、該透明基材の裏面で反射する。特に、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを、ディスプレイの前面板と接着剤等で積層一体化構造とせずに、ディスプレイの前面板との間に空気層を介在させて利用する場合に、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタのディスプレイ側の面と空気(層)との界面での屈折率差が大きくなるため、この現象が顕著である。そして、その反射光が観察者にまで到達し明室コントラストを低下させる。ただ、開口部AOから透明基材内部に進入する外光については、該開口部AOの存在自体がディスプレイによる画像光を観察者に到達させる為であり避けられないものなので、従来は、不可避の容認せざるを得ないものと考えられてきた。
しかし、上記黒化処理やディスプレイ自体の輝度アップ等によって、明室コントラストは向上したが、ディスプレイ画像の黒レベルも画質を決める重要なファクターであり、黒レベルが悪い、つまり黒い部分が十分に黒くないと、画像に締まりがない上、画像の暗部の階調表現力に乏しい等の課題があった。そして、黒レベル向上は、明室コントラスト向上にも繋がるものであった。この様に、ディスプレイ画像の黒レベル向上が求められていたが、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタをディスプレイと間に空気を介して組み合わせたときに、ディスプレイ側露出面(例えば透明基材裏面)での外光反射が、黒レベル向上の障害となっていた。
以上の如く本発明の課題は、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタにて、ディスプレイ画像の黒レベル向上、ひいては明室コントラスト向上につながるような、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタのディスプレイ側露出面での外光反射の影響を減らすことである。
上記課題を解決すべく、本発明のディスプレイ用電磁波シールドフィルタは、透明基材上に、少なくとも、導電性で平面視形状がメッシュ状のメッシュ層が形成されたディスプレイ用の電磁波シールドフィルタにおいて、該メッシュ層は、少なくとも、その透明基材から遠い方の表面と、透明基材に近い側の裏面との表裏両面が共に黒く、該メッシュ層のメッシュ形状が、ライン幅Wが5〜35μmでラインピッチPが80μm〜170μmであり、且つ、メッシュの開口率Kが30〜90%である、構成とした。
なお、上記メッシュ層を、少なくとも、その透明基材から遠い方の表面と透明基材に近い側の裏面のいずれか片面が黒い構成としても、相応の効果が得られる。
なお、上記メッシュ層を、少なくとも、その透明基材から遠い方の表面と透明基材に近い側の裏面のいずれか片面が黒い構成としても、相応の効果が得られる。
この様な構成とすることで、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタのディスプレイ側露出面での外光反射による黒レベル低下を抑制し、黒レベルが向上する。つまり、透明基材とメッシュ層のみからの最も基本的な構成で説明すれば、透明基材をディスプレイ側に向けメッシュ層を観察者側に向けて配置するディスプレイへの適用法に於いて透明基材裏面がディスプレイ側露出面となり、外光がメッシュ層側から透明基材内部に進入し該透明基材の裏面(図面で下側の面)で反射しても、斜めに透明基材に進入する外光の一部(図1では外光La)は該裏面で反射した後、メッシュ層の裏面(メッシュ層2と透明基材1との界面)に到達する。しかし、該メッシュ層の裏面は黒くしてあるので、そこで外光を吸収できる。従って、透明基材裏面で反射する外光のうち、メッシュ層の裏面に到達する光については、観察者にまで到達するのを防げ、この分、黒レベルが向上し、ひいては、明室コントラストを向上させることができる。しかも、メッシュ形状をライン幅WとラインピッチPと開口率Kとについて特定範囲としてあるので、画像の明るさ低下、メッシュの視認、視野角の低下、及びラインの断線・変形を防ぎつつ、黒レベル向上が図れる。
本発明によれば、ディスプレイ側露出面での外光反射の悪影響が抑制されて黒レベルが向上し、ひいては、明室コントラストを向上させることができる。しかも、メッシュ形状をライン幅WとラインピッチPと開口率Kとについて特定範囲としてあるので、画像の明るさ低下、メッシュの視認、視野角の低下、及びラインの断線・変形を防ぎつつ、黒レベル向上が図れる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
なお、図1は、本発明によるディスプレイ用電磁波シールドフィルタを、その一形態で概念的に説明する、断面図(A)と部分拡大平面図(B)である。
図2は、ライン幅W、ラインピッチP及び開口率Kの望ましい組み合わせ範囲を示す説明図である。
図3は、メッシュ層が、メッシュ部の外周に非メッシュ部を有する形態例を示す平面図である。
図4は、メッシュ層の層構成の詳細構成として3例を例示する断面図である。
図5は、透明基材とメッシュ層以外の追加的な層構成として4例を例示する断面図である。
図6は、透明基材裏面での外光反射が黒レベルに悪影響する様子を概念的に説明する断面図。
図2は、ライン幅W、ラインピッチP及び開口率Kの望ましい組み合わせ範囲を示す説明図である。
図3は、メッシュ層が、メッシュ部の外周に非メッシュ部を有する形態例を示す平面図である。
図4は、メッシュ層の層構成の詳細構成として3例を例示する断面図である。
図5は、透明基材とメッシュ層以外の追加的な層構成として4例を例示する断面図である。
図6は、透明基材裏面での外光反射が黒レベルに悪影響する様子を概念的に説明する断面図。
〔概要〕
本発明では、図1(A)の断面図、図1(B)の平面図で例示されるディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の如く、その層構成は、少なくとも透明基材1とメッシュ層2とからなり、該メッシュ層2は少なくともその表裏両面が黒く、且つそのメッシュ形状を特定形状とする。該特定形状とは、メッシュのライン幅Wが5〜35μmで、ラインピッチPが80μm〜170μmで、開口率Kを30〜90%とする形状である。以上の構成によって、視野角の低下やラインの断線・変形を防ぎつつ、黒レベル向上が図れる。
本発明では、図1(A)の断面図、図1(B)の平面図で例示されるディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の如く、その層構成は、少なくとも透明基材1とメッシュ層2とからなり、該メッシュ層2は少なくともその表裏両面が黒く、且つそのメッシュ形状を特定形状とする。該特定形状とは、メッシュのライン幅Wが5〜35μmで、ラインピッチPが80μm〜170μmで、開口率Kを30〜90%とする形状である。以上の構成によって、視野角の低下やラインの断線・変形を防ぎつつ、黒レベル向上が図れる。
なお、本明細書にて、「表側」、「表面」、「裏側」、「裏面」等の向きを特定した面や方向を表現する用語は、透明基材に対してメッシュ層が形成された側(「表側」とする)と同じ向きとなる面(図面上方の面でもある)を「表面」と言い、「裏側」及び「裏面」とはこの逆で、「表面」乃至は「表側」の面に対して面の向きが逆向きとなる面を「裏面」、逆向きとなる側を「裏側」と言うことにする。
また、ディスプレイの前方に間に空気を介して本ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを配置した場合に於いて、観察者側の面が常に上記本発明で定義する表面では無く裏面の場合もあり得る。それは、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタのディスプレイ側露出面(空気に接する面)での外光反射光を吸収させ得る点で、例えば透明基材上のメッシュ層上に更に接着剤を介して光学フィルタを積層した構成のディスプレイ用電磁波シールドフィルタとし、これを該光学フィルタ側をディスプレイ側に向けて配置した場合等では、メッシュ層表面(層界面)よりもディスプレイ側に近いとなる光学フィルタ表面がディスプレイ側露出面となり、該露出面での外光反射に関しても黒レベル向上が図れるからである。この様な場合は裏面側を観察者側として使っても黒レベル向上効果が得られ、また、表面側を観察者側として使っても黒レベル向上効果が得られる。
また、ディスプレイの前方に間に空気を介して本ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを配置した場合に於いて、観察者側の面が常に上記本発明で定義する表面では無く裏面の場合もあり得る。それは、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタのディスプレイ側露出面(空気に接する面)での外光反射光を吸収させ得る点で、例えば透明基材上のメッシュ層上に更に接着剤を介して光学フィルタを積層した構成のディスプレイ用電磁波シールドフィルタとし、これを該光学フィルタ側をディスプレイ側に向けて配置した場合等では、メッシュ層表面(層界面)よりもディスプレイ側に近いとなる光学フィルタ表面がディスプレイ側露出面となり、該露出面での外光反射に関しても黒レベル向上が図れるからである。この様な場合は裏面側を観察者側として使っても黒レベル向上効果が得られ、また、表面側を観察者側として使っても黒レベル向上効果が得られる。
以下、本発明によるディスプレイ用電磁波シールドフィルタについて、透明基材から順に説明する。
〔透明基材〕
透明基材1は、一般的に機械的強度が弱いメッシュ層を補強する為の層である。従って、機械的強度と共に光透過性を有すれば、その他、耐熱性、絶縁性等も適宜勘案した上で、用途に応じたものを選択使用すれば良い。透明基材の具体例としては、例えば、樹脂板、樹脂シート(乃至はフィルム、以下同様)、ガラス板等である。
透明基材1は、一般的に機械的強度が弱いメッシュ層を補強する為の層である。従って、機械的強度と共に光透過性を有すれば、その他、耐熱性、絶縁性等も適宜勘案した上で、用途に応じたものを選択使用すれば良い。透明基材の具体例としては、例えば、樹脂板、樹脂シート(乃至はフィルム、以下同様)、ガラス板等である。
樹脂板、樹脂シート等として用いる透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
なお、これら樹脂は、樹脂材料的には、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、また層的には、単層、又は2層以上の積層体として用いられる。また、樹脂シートの場合、1軸延伸や2軸延伸した延伸シートが機械的強度の点でより好ましい。
また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、外光反射防止用色素、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、これら樹脂は、樹脂材料的には、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、また層的には、単層、又は2層以上の積層体として用いられる。また、樹脂シートの場合、1軸延伸や2軸延伸した延伸シートが機械的強度の点でより好ましい。
また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、外光反射防止用色素、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
また、ガラス板のガラスとしては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラスなどがあり、より好ましくは熱膨脹率が小さく寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラス等が挙げられ、ディスプレイの前面基板等とする電極基板と兼用することもできる。
なお、透明基材の厚さは、用途に応じたものとすれば良く特に制限は無く、透明樹脂から成る場合は、通常12〜1000μm程度であるが、好ましくは50〜700μm、より好ましくは100〜500μmが望ましい。一方、透明基材がガラス板である場合には、通常1〜5mm程度が好適である。いずれの材料に於いても、上記未満の厚さとなると機械的強度が不足して反りや弛み、破断などが起こり、上記を超える厚さとなると過剰性能でコスト高となる上、薄型化が難しくなる。
なお、透明基材としては、これらの無機材料、有機材料等からなる、シート(乃至はフィルム)、板などが適用でき、また、透明基材は、前面基板及び背面基板等からなるディスプレイ本体の一構成要素である前面基板と兼用しても良いが、前面基板の前に配置する前面フィルタとしてディスプレイ用電磁波シールドフィルタを用いる形態では、薄さ、軽さの点で、板よりもシートの方が優れており、また割れない等の点でも、ガラス板よりも樹脂シートが優れていることは言うまでもない。
また、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを連続的に製造し生産性を向上できる点では、透明基材は、生産性の点で連続帯状のシート(つまりウェブ)の形態で取り扱うのが好ましい。
また、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを連続的に製造し生産性を向上できる点では、透明基材は、生産性の点で連続帯状のシート(つまりウェブ)の形態で取り扱うのが好ましい。
この様な点で、透明基材としては樹脂シートが好ましい材料であるが、樹脂シートのなかでも、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂シート、セルロース系樹脂シートが、透明性、耐熱性、コスト等の点で好ましく、より好ましくはポリエチレンテレフタレートシートが最適である。なお、透明基材の透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で80%以上となる光透過性が良い。
なお、樹脂シート等の透明基材は、適宜その表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの公知の易接着処理を行ってもよい。
また、透明基材は色素等で着色しても良い。着色により、近赤外線吸収、ネオン光吸収、色調整、外光反射防止等が図れる。例えば、樹脂の透明基材に対しては、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、色調整用色素、外光反射防止用色素等の従来公知の各種色素を添加すればよい。
〔メッシュ層〕
メッシュ層2は、平面視がメッシュ形状となる様にパターン状に形成された領域(なお、この領域をメッシュ部2Aと呼ぶことにする。図3参照)を有し、該メッシュ形状により光透過性を確保した層である。本発明では、このメッシュ層2について、その面のうち少なくとも表裏両面を黒化処理等で黒色とし、且つメッシュの形状を特定形状とすることで、黒レベルを良くし、ひいては明室コントラストを向上できる様にした。なお、メッシュ層の表裏両面の黒色とは、黒以外にも黒に近い無彩色或いは有彩色の暗色の色でも良いが、より好ましくは表示画像の色再現に影響しない点で無彩色が良く、且つ黒が良い。
メッシュ層2は、平面視がメッシュ形状となる様にパターン状に形成された領域(なお、この領域をメッシュ部2Aと呼ぶことにする。図3参照)を有し、該メッシュ形状により光透過性を確保した層である。本発明では、このメッシュ層2について、その面のうち少なくとも表裏両面を黒化処理等で黒色とし、且つメッシュの形状を特定形状とすることで、黒レベルを良くし、ひいては明室コントラストを向上できる様にした。なお、メッシュ層の表裏両面の黒色とは、黒以外にも黒に近い無彩色或いは有彩色の暗色の色でも良いが、より好ましくは表示画像の色再現に影響しない点で無彩色が良く、且つ黒が良い。
〔メッシュ層:メッシュ形状〕
メッシュ層2が多数の開口部によって光透過性を確保した領域(メッシュ部)でのメッシュ形状の代表的形状を図1(B)の部分拡大平面図に例示する。同図のメッシュ形状は、そのライン幅Wが縦横で均一で、開口部AOが正方形でこれを縦横に規則配列した正方格子形状となる、代表的なメッシュ形状を示す。メッシュは複数の開口部AOを有し、開口部AO間は通常幅均一のライン状のライン部ALとなり、通常は更に図1(B)の如く、開口部AO、及び開口部AO間のライン部ALは、全面で同一形状同一サイズである。すなわち、単一形状の開口部AOが、所定幅(ライン幅W)を隔てて縦横に規則配列した形状である。
メッシュ層2が多数の開口部によって光透過性を確保した領域(メッシュ部)でのメッシュ形状の代表的形状を図1(B)の部分拡大平面図に例示する。同図のメッシュ形状は、そのライン幅Wが縦横で均一で、開口部AOが正方形でこれを縦横に規則配列した正方格子形状となる、代表的なメッシュ形状を示す。メッシュは複数の開口部AOを有し、開口部AO間は通常幅均一のライン状のライン部ALとなり、通常は更に図1(B)の如く、開口部AO、及び開口部AO間のライン部ALは、全面で同一形状同一サイズである。すなわち、単一形状の開口部AOが、所定幅(ライン幅W)を隔てて縦横に規則配列した形状である。
メッシュの平面視形状を規定する、ライン部ALのライン幅Wと、ライン部ALの繰返し周期であるラインピッチPの意味は、図1(A)の断面図、及び図1(B)の平面図に示す如くである。従って、図1(B)の様に正方形の開口部が正方格子配列したメッシュでは、ラインピッチPからライン幅Wを引いた値が、開口部を成す正方形の一辺の長さ(開口部の幅)となる。
また、メッシュの開口率K〔%〕は、(メッシュ部に於ける)全ての開口部が占める面積の(該開口部が設けられたメッシュ部の)全面積に対する割合であるので、ライン幅WとラインピッチPとから、図1(B)のメッシュ形状の場合は、{(P−W)2/P2}×100、と算出される。
また、メッシュの開口率K〔%〕は、(メッシュ部に於ける)全ての開口部が占める面積の(該開口部が設けられたメッシュ部の)全面積に対する割合であるので、ライン幅WとラインピッチPとから、図1(B)のメッシュ形状の場合は、{(P−W)2/P2}×100、と算出される。
なお、開口部の平面視形状は上記した正方形以外の形状でも良く任意で特に限定されず、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形、等の多角形、或いは、円形、楕円形などでも良い。また、開口部の配列も正方格子配列以外の規則配列或いは不規則配列でも良い。但し、本発明では、この様な正方形の正方格子配列以外のメッシュに於けるライン幅WとラインピッチPは、その対象とするメッシュと開口率Kが同一となる、正方形の正方格子配列のメッシュに於けるライン幅WとラインピッチPに、各々置き換えて、そのメッシュ形状を捉えることとする。それは、面全体としての平均的な特性は大よそ類似していると捉えるからである。
そして本発明では、メッシュの平面視形状の特定形状として、メッシュのライン幅Wが5〜35μmで、且つラインピッチPが80μm〜170μmであり、且つ、メッシュの開口率Kが30〜90%の形状とする。図2は、これら、ライン幅W、ラインピッチP及び開口率Kの各特性値について、望ましい組み合わせ領域(領域A)を示した説明図である。なお、図2は横軸がライン幅W、縦軸がラインピッチPであり、左下の原点から伸びる点線で示した複数の斜めの直線(斜線)が、該斜線に沿って記載した開口率Kとなる、ライン幅WとラインピッチPの関係を示す。また、同図には、従来は好ましいとされてきた、ライン幅W≦40μm且つラインピッチP≧200μmとなる領域(領域B)も示してある。同図で示す如く、本発明では、従来の領域Bから外れる領域Aの部分にて、本発明では総合的に好ましい結果が得られる。
ライン幅Wは35μmを超過するとメッシュのラインが目立ち易くなり(非視認性不十分)、逆に、ライン幅Wが5μm未満となるとメッシュ形成時に綺麗なラインの再現が難しく、また断線も生じ易くなり、更にメッシュ加工後も外力によってメッシュのラインの破断、変形、傾斜(倒れること)が生じ易くなる。また、メッシュの電気抵抗が増加して電磁波シールド性も低下する為、好ましくない。
ラインピッチPが、170μmを超過すると、メッシュのライン幅Wが35μm以下と細い為、製造加工時等の応力が集中し易く、メッシュのラインの破断、変形、傾斜(倒れること)を生じ易くなり、好ましくない。また、逆に、ラインピッチPが80μm未満だと、メッシュ層の厚みに対する比率が低下する結果メッシュ層の厚みが画像表示を邪魔して、視野角が狭窄し好ましくない。
ラインピッチPが、170μmを超過すると、メッシュのライン幅Wが35μm以下と細い為、製造加工時等の応力が集中し易く、メッシュのラインの破断、変形、傾斜(倒れること)を生じ易くなり、好ましくない。また、逆に、ラインピッチPが80μm未満だと、メッシュ層の厚みに対する比率が低下する結果メッシュ層の厚みが画像表示を邪魔して、視野角が狭窄し好ましくない。
開口率Kは、90%を超過すると、黒色としたメッシュ層裏面での外光吸収が不足し、黒レベルが低下し(画像の黒色部が白っぽくなる)ひいては明室コントラスト向上効果が低下する。逆に、開口率Kが30%未満だと、光透過性が低下しディスプレイの表示画像が暗くなる。また、視野角が狭窄する(不十分となる)。この様に、開口率Kはメッシュ裏面での外光吸収、従って黒レベルという点では小さい方が良いが、小さすぎるとディスプレイからの表示光の利用効率が低下し画像が暗くなるので、要求される画質(黒レベルや明室コントラスト等)、ディスプレイの輝度等から、上記範囲内で適宜な値とする。例えば、上記外光吸収を多くしてこの分で黒レベルをより向上させるのであれば、開口率Kは90%以下の範囲で設定するよりは、80%以下、より好ましくは70%以下とするのが好ましい。ただ、小さくなるほど透過率が低下しディスプレイからの表示光の利用効率が低下するので、この点では、好ましくは開口率Kは50以上の範囲で設定するのがより好ましい。開口率を小さくして画像暗くなる分を、ディスプレイ自体に高輝度のものを採用することで補っても良い。
以上の様に、本発明では、従来ならば不適当と考えられてしたメッシュ形状領域に於いて、性能良好となる範囲を見出し、その結果、品質を確保しつつ、黒レベル向上、明室コントラスト向上が図れた。
ここで、具体的サイズを例示すれば、ライン幅W=25μm及びラインピッチP=150μmで開口率K=69%とした、正方形の開口部を正方格子配列したメッシュ形状である。なお、メッシュのラインの伸びる方向は、通常モアレ防止の為に、適用時の垂直方向(或いは水平方向)から傾ける。その際のバイアス角度(メッシュのラインとディスプレイ用電磁波シールドフィルタの外周辺との成す角度)は、ディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
ここで、具体的サイズを例示すれば、ライン幅W=25μm及びラインピッチP=150μmで開口率K=69%とした、正方形の開口部を正方格子配列したメッシュ形状である。なお、メッシュのラインの伸びる方向は、通常モアレ防止の為に、適用時の垂直方向(或いは水平方向)から傾ける。その際のバイアス角度(メッシュのラインとディスプレイ用電磁波シールドフィルタの外周辺との成す角度)は、ディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
なお、メッシュ層2に於いて、上記の様にして、メッシュ状の多数の開口部により光透過性を電磁波シールド性と共に確保した部分がメッシュ部2Aである〔図3参照〕。メッシュ部2Aは、面として少なくとも光透過性が必要な領域(面)に設ければ良い。メッシュ層にはメッシュ部が必須であるが、当該部分と共に非メッシュ部2Bがあっても良い。非メッシュ部2Bは、前記メッシュ部2A以外の部分であり、光透過性が面として必要でない領域となる。通常、メッシュ部2Aの外周部に非メッシュ部2Bを設ける。また、非メッシュ部2Bは通常アースを取るのに利用される。その一例が、図3の平面図で例示の、四角形状のディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10であり、同図では、メッシュ部2Aの4辺周囲の画像表示に影響しない部分を額縁状の非メッシュ部2Bとしてある。この様な額縁状の非メッシュ部2Bは、アースを取るのに利用できる。アースに利用する非メッシュ部は通常、四辺全周囲に額縁状とする。また、額縁状の非メッシュ部は、メッシュ部を透して見るディスプレイ画像に対して、その周囲を(例えば黒枠等として)額縁状に囲って該画像を引き立たせ見栄えを良くする外枠としても利用できる。なお、非メッシュ部はアースを取る場合は少なくともその一部を露出させるのが好ましい。
なお、非メッシュ部2Bはその目的に応じた任意の形とすれば良く、従って、非メッシュ部は全周囲でなくても、対向する二辺或いは一辺のみ等でも良い。
また、非メッシュ部2Bは、通常、開口部が全く無い面部分となるが、多少の開口部が在る面部分の場合もある。例えば、額縁状等の形状の非メッシュ部に対して、その領域内部に品番の文字情報等の情報を、複数の開口部の集合で表現する場合等である。例えば、その部分は、スクリーン印刷用のスクリーン版に於ける文字印刷部分の様な感じである。但し、この場合、その部分が面積的にも小さく且つ面として光透過性を確保するのが目的ではないので、集合を構成する複数の開口部をメッシュ状に設けた部分が在ったとしても、それは非メッシュ部となる。
なお、非メッシュ部2Bの具体的大きさは使われ方によるが、額縁状でアース部や外枠とする場合、額縁の幅は15〜100mm程度で、なかでも30〜40mmとするのが一般的である。
また、非メッシュ部2Bは、通常、開口部が全く無い面部分となるが、多少の開口部が在る面部分の場合もある。例えば、額縁状等の形状の非メッシュ部に対して、その領域内部に品番の文字情報等の情報を、複数の開口部の集合で表現する場合等である。例えば、その部分は、スクリーン印刷用のスクリーン版に於ける文字印刷部分の様な感じである。但し、この場合、その部分が面積的にも小さく且つ面として光透過性を確保するのが目的ではないので、集合を構成する複数の開口部をメッシュ状に設けた部分が在ったとしても、それは非メッシュ部となる。
なお、非メッシュ部2Bの具体的大きさは使われ方によるが、額縁状でアース部や外枠とする場合、額縁の幅は15〜100mm程度で、なかでも30〜40mmとするのが一般的である。
〔メッシュ層:その構成層〕
メッシュ層2の内容を更に詳しく述べれば、その導電性によって電磁波シールド機能を主体的に担うメッシュ状導電体層21を少なくとも有し、このメッシュ状導電体層21自体の表裏裏面が黒い場合には、メッシュ状導電体層のみで構成しても良い。ただ、通常は、導電性、黒さ、錆び等に対する耐久性等がメッシュ状導電体層のみからでは十分な性能が得られない場合には該不十分な性能に応じて、これ以外に、黒化層22、防錆層23等もその構成層として設ける。これら、黒化層や防錆層等の追加的な層は、それがメッシュ層の形状的特徴であるメッシュ形状を維持する限り、これらの層はメッシュ層に含まれるメッシュ層の構成層として本発明では捉える(図4参照)。
従って、層構成の内訳は明示せずただ単に単層的にメッシュ層2として描いてある図面の場合、それは層構成的には、必要に応じ設ける防錆層や黒化層を有する場合のメッシュ層も含めた概念的な図面である。
メッシュ層2の内容を更に詳しく述べれば、その導電性によって電磁波シールド機能を主体的に担うメッシュ状導電体層21を少なくとも有し、このメッシュ状導電体層21自体の表裏裏面が黒い場合には、メッシュ状導電体層のみで構成しても良い。ただ、通常は、導電性、黒さ、錆び等に対する耐久性等がメッシュ状導電体層のみからでは十分な性能が得られない場合には該不十分な性能に応じて、これ以外に、黒化層22、防錆層23等もその構成層として設ける。これら、黒化層や防錆層等の追加的な層は、それがメッシュ層の形状的特徴であるメッシュ形状を維持する限り、これらの層はメッシュ層に含まれるメッシュ層の構成層として本発明では捉える(図4参照)。
従って、層構成の内訳は明示せずただ単に単層的にメッシュ層2として描いてある図面の場合、それは層構成的には、必要に応じ設ける防錆層や黒化層を有する場合のメッシュ層も含めた概念的な図面である。
〔メッシュ層:メッシュ状導電体層〕
メッシュ状導電体層21は、一般的には金属箔のエッチングで形成した物が代表的であるが、これ以外のものでも、電磁波シールド性能に於いては意義を有する。従って、本発明では、メッシュ状導電体層の材料及び形成方法は特に限定されるものでは無く、従来公知の光透過性の電磁波シールドフィルタに於ける各種メッシュ状導電体層を適宜採用できるものである。例えば、印刷法やめっき法等を利用して透明基材上に最初からメッシュ状の形状でメッシュ状導電体層を形成したもの、或いは、最初は透明基材上に全面に、めっき法で導電体層を形成後、エッチング等でメッシュ状の形状にしてメッシュ状導電体層としたもの等でも構わない。
メッシュ状導電体層21は、一般的には金属箔のエッチングで形成した物が代表的であるが、これ以外のものでも、電磁波シールド性能に於いては意義を有する。従って、本発明では、メッシュ状導電体層の材料及び形成方法は特に限定されるものでは無く、従来公知の光透過性の電磁波シールドフィルタに於ける各種メッシュ状導電体層を適宜採用できるものである。例えば、印刷法やめっき法等を利用して透明基材上に最初からメッシュ状の形状でメッシュ状導電体層を形成したもの、或いは、最初は透明基材上に全面に、めっき法で導電体層を形成後、エッチング等でメッシュ状の形状にしてメッシュ状導電体層としたもの等でも構わない。
例えば、メッシュ状導電体層のメッシュ形状をエッチングで形成する場合は、透明基材に積層した金属層をエッチングでパターンニングして開口部を空けてメッシュ状にすることで形成できる。透明基材に金属層を積層するには、金属箔として用意した金属層を接着剤で透明基材にラミネートしたり、或いはラミネート用接着剤は用いずに、金属層を蒸着、スパッタ、めっき等の1或いは2以上の物理的或いは化学的形成手法を用いて透明基材上に積層したりすることもできる。なお、エッチングによるメッシュ状導電体層は、透明基材に積層前の金属箔単体をエッチングでパターンニングしてメッシュ状のメッシュ状導電体層とすることも可能である。この層単体のメッシュ状導電体層は、接着剤等で透明基材に積層する。これらのなかでも、機械的強度が弱いメッシュ状導電体層の取扱が容易で且つ生産性にも優れる等の点で、金属箔を接着剤で透明基材に積層した後、エッチングでメッシュ状に加工して、透明基材上に接着剤を介して積層された形態となる、メッシュ状導電体層が望ましい。
メッシュ状導電体層は、電磁波シールド性能を発現するに足る導電性を有する物質であれば、特に制限は無いが、通常は、導電性が良い点で金属層が好ましく、金属層は上記の如く、蒸着、めっき、金属箔ラミネート等により形成することができる。金属層乃至は金属箔の金属材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等が挙げられる。また金属層の金属は合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。例えば、鉄の場合には、低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金、等が好ましい。一方、金属が銅の場合は、銅や銅合金となるが、銅箔としては圧延銅箔や電解銅箔があるが、薄さ及びその均一性、黒化層との密着性等の点からは、電解銅箔が好ましい。
なお、金属層による導電体層の厚さは、1〜100μm程度、好ましくは5〜20μmである。厚さがこれより薄くなり過ぎると電気抵抗上昇により十分な電磁波シールド性能を得難くなり、厚さがこれより厚くなり過ぎると高精細なメッシュ形状が得難くなり、メッシュ形状の均一性が低下する。
また、メッシュ状導電体層となる金属層の表面は、透明基材と接着積層させる為の透明接着剤層等の隣接層との密着性向上が必要な場合は粗面である事が好ましい。例えば、銅箔の場合、黒化処理による黒化層の形成と同時にその表面(黒化層の表面)に粗面が得られる。なお、その粗面の程度は、10点平均粗さRz〔JIS−B0601準拠(1994年版)〕で、0.1〜10μm程度が良く、より好ましくは1.5μm以下、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。粗さがこれ未満では、粗面化の効果が十分に得られず、またこれより大きくなると、接着剤やレジスト等の塗布時に気泡を抱き込んだりし易くなる。
〔メッシュ層:黒化層〕
黒化層22により、外光反射による黒レベル低下を防いで黒レベルを向上し、また明室コントラストを向上できる。なお、黒化層の中には、上述した如く該層表面が粗面となり密着強化を図れるものもある。黒化層は黒レベル向上、明室コントラスト向上の点では、観察者から見えるメッシュ層(メッシュ状導電体層自体、或いは防錆層等形成済みのメッシュ状導電体層)の全ての面と共に更に本発明ではディスプレイ側となる面に設けることが好ましく、少なくとも本発明では表裏両面のメッシュ層は黒くするので、それを黒化層で行う場合には該表裏両面に黒化層を設ける。
ここで、図4(A)の断面図は、黒化層22を表裏両面の2面に設け、メッシュ状導電体層21の表裏両面に黒化層22を有する構成のメッシュ層2としたディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の一形態を例示したものである。また、図4(B)は更に両側の側面も設けた構成のメッシュ層2としたディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の一形態を例示したものである。
黒化層22により、外光反射による黒レベル低下を防いで黒レベルを向上し、また明室コントラストを向上できる。なお、黒化層の中には、上述した如く該層表面が粗面となり密着強化を図れるものもある。黒化層は黒レベル向上、明室コントラスト向上の点では、観察者から見えるメッシュ層(メッシュ状導電体層自体、或いは防錆層等形成済みのメッシュ状導電体層)の全ての面と共に更に本発明ではディスプレイ側となる面に設けることが好ましく、少なくとも本発明では表裏両面のメッシュ層は黒くするので、それを黒化層で行う場合には該表裏両面に黒化層を設ける。
ここで、図4(A)の断面図は、黒化層22を表裏両面の2面に設け、メッシュ状導電体層21の表裏両面に黒化層22を有する構成のメッシュ層2としたディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の一形態を例示したものである。また、図4(B)は更に両側の側面も設けた構成のメッシュ層2としたディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の一形態を例示したものである。
いずれにしても、黒化層としては、黒等の暗色を呈する層であれば良く、密着性等の基本的物性を満足するものであれば良く、公知の黒化層を適宜採用し得る。
従って、黒化層としては、金属等の無機材料、黒着色樹脂等の有機材料等を用いることができ、例えば無機材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物の金属化合物等の金属系の層として形成する。金属系の層の形成法としては、従来公知の各種黒化処理法を適宜採用できる。なかでも、めっき法による黒化処理は密着性、均一性、容易性等で好ましい。めっき法の材料は、例えば、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、モリブデン、スズ、クロム等の金属や金属化合物等を用いる。これらは、密着性、黒さ等の点でカドミウム等による場合よりも優れている。
従って、黒化層としては、金属等の無機材料、黒着色樹脂等の有機材料等を用いることができ、例えば無機材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物の金属化合物等の金属系の層として形成する。金属系の層の形成法としては、従来公知の各種黒化処理法を適宜採用できる。なかでも、めっき法による黒化処理は密着性、均一性、容易性等で好ましい。めっき法の材料は、例えば、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、モリブデン、スズ、クロム等の金属や金属化合物等を用いる。これらは、密着性、黒さ等の点でカドミウム等による場合よりも優れている。
なお、メッシュ状導電体層が銅箔等、銅による場合、黒化層形成の為の黒化処理として好ましいめっき法には、銅からなるメッシュ状導電体層(メッシュ状とする前に行うのであればその前の導電体層)を、硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルト等からなる電解液中で、陰極電解処理を行いカチオン性粒子を付着させるカソーディック電着めっき法がある。この方法によれば、カチオン性粒子の付着で黒色と同時に粗面も得られる。カチオン性粒子としては、銅粒子、銅合金粒子を採用できる。銅合金粒子としては、銅−コバルト合金粒子が好ましく、更にその平均粒子径は0.1〜1μmが好ましい。銅−コバルト合金粒子により、銅−コバルト合金粒子層からなる黒化層が得られる。カソーディック電着法では、付着させるカチオン性粒子の平均粒子径0.1〜1μmに揃えられる点でも好ましい。平均粒子径が上記範囲超過では、付着粒子の緻密さが低下し黒さの低下やムラが起こり、粒子脱落(粉落ち)が発生し易くなる。一方、平均粒子径が上記範囲未満でも、黒さが低下する。なお、カソーディック電着法は処理を高電流密度で行うことで、処理面がカソーディックとなり、還元性水素発生で活性化し、銅面とカチオン性粒子との密着性が著しく向上する。
また、黒化層として、黒色クロム、黒色ニッケル、ニッケル合金等も好ましく、該ニッケル合金としては、ニッケル−亜鉛合金、ニッケル−スズ合金、ニッケル−スズ−銅合金である。特に、ニッケル合金は黒色度合いと導電性が良い上、黒化層に防錆機能も付与でき(黒化層兼防錆層となる)、防錆層を省略することもできる。しかも、通常、黒化層の粒子は針状のために、外力で変形して外観が変化しやすいが、ニッケル合金による黒化層では粒子が変形し難く、後加工工程で外観が変化し難くい利点も得られる。なお、黒化層として、ニッケル合金の形成方法は、公知の電解または無電解メッキ法でよく、ニッケルメッキを行った後に、ニッケル合金を形成してもよい。
〔メッシュ層:防錆層〕
メッシュ層2として、金属層からなるメッシュ状導電体層は製造時、取扱時等に錆びて変質し電磁波シールド性能の低下を来す懸念があり、錆びを防ぐ必要がある場合には、防錆層23でメッシュ状導電体層の露出する面を被覆すると良い。また、前述した黒化層が錆び易い場合には、黒化層も含めて被覆するのが好ましい。防錆層の被覆は、メッシュ状導電体層の表面、裏面、側面の各面のうち必要な1以上の面の中から製造コスト等を勘案して選んだ面について行えば良い。従って、防錆層の被覆は、表面だけ、裏面だけ、表裏両面〔例えば黒化層も含めて被覆した図4(C)参照〕、側面(両側或いは片側)だけ、表面と両側面、裏面と両側面、表裏両面と両側面等である。
メッシュ層2として、金属層からなるメッシュ状導電体層は製造時、取扱時等に錆びて変質し電磁波シールド性能の低下を来す懸念があり、錆びを防ぐ必要がある場合には、防錆層23でメッシュ状導電体層の露出する面を被覆すると良い。また、前述した黒化層が錆び易い場合には、黒化層も含めて被覆するのが好ましい。防錆層の被覆は、メッシュ状導電体層の表面、裏面、側面の各面のうち必要な1以上の面の中から製造コスト等を勘案して選んだ面について行えば良い。従って、防錆層の被覆は、表面だけ、裏面だけ、表裏両面〔例えば黒化層も含めて被覆した図4(C)参照〕、側面(両側或いは片側)だけ、表面と両側面、裏面と両側面、表裏両面と両側面等である。
防錆層は、それで被覆するメッシュ状導電体層よりも錆び難いものであれば、金属等の無機材料、樹脂等の有機材料、或いはこれらの組合せ等、特に限定されるものではない。また場合によっては、黒化層をも防錆層で被覆することで、黒化層の粒子の脱落や変形を防止し、黒化層の黒さを高めることもできる。この点では、メッシュ状導電体層を金属箔で形成する場合、透明基材上の金属箔に黒化処理で黒化層を設けておく場合には、該黒化層の脱落や変質防止の意味で、透明基材と金属箔との積層前に設けておくのが好ましい。
防錆層23は、従来公知のものを適宜採用すれば良く、例えば、クロム、亜鉛、ニッケル、スズ、銅等の金属乃至は合金、或いは金属酸化物の金属化合物の層等である。これらは、公知のめっき法等で形成できる。ここで、防錆効果及び密着性等の点で好ましい防錆層の一例を示せば、亜鉛めっきした後、クロメート処理して得られるクロム化合物層が、挙げられる。また、このクロム化合物層による防錆層は、後述する銅−コバルト合金粒子層からなる黒化層、及び、透明基材1とメッシュ層2とを接着積層する際の透明接着剤層3(特に2液硬化型ウレタン樹脂系の接着剤)との密着性にも優れる。
なお、クロムの場合はクロメート(クロム酸塩)処理等でもよい。なお、クロメート処理は、処理面にクロメート処理液を接触させて行うが、該接触は、ロールコート、カーテンコート、スクイズコート、かけ流し法(以上片面接触)等の塗布法の他、静電霧化法、浸漬法等によれば両面接触も可能である。また、接触後は水洗せずに乾燥すればよい。なお、クロメート処理液にはクロム酸を含む水溶液を通常使用し、具体的には、「アルサーフ(登録商標)1000」(日本ペイント株式会社製)、「PM−284」(日本パ−カライジング株式会社製)等の処理液を利用できる。
また、クロメート処理は、該処理前に亜鉛めっきするのが、密着性、防錆効果の点で好ましい。また、防錆層中には、エッチングや酸洗浄時の耐酸性向上の為に、シランカップリング剤等のケイ素化合物を含有させることもできる。
なお、防錆層の厚さは通常0.001〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μmである。
また、クロメート処理は、該処理前に亜鉛めっきするのが、密着性、防錆効果の点で好ましい。また、防錆層中には、エッチングや酸洗浄時の耐酸性向上の為に、シランカップリング剤等のケイ素化合物を含有させることもできる。
なお、防錆層の厚さは通常0.001〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μmである。
〔その他の層〕
本発明によるディスプレイ用電磁波シールドフィルタは、更に上述した層以外の層を、適宜必要に応じて積層した構成としても良い。例えば、透明接着剤層、平坦化樹脂層、光学フィルタ層、表面保護層、粘着剤層、被着体等である。なおこれらは、従来の電磁波シールドフィルタに於いて公知のものでも良い。
本発明によるディスプレイ用電磁波シールドフィルタは、更に上述した層以外の層を、適宜必要に応じて積層した構成としても良い。例えば、透明接着剤層、平坦化樹脂層、光学フィルタ層、表面保護層、粘着剤層、被着体等である。なおこれらは、従来の電磁波シールドフィルタに於いて公知のものでも良い。
〔その他の層:透明接着剤層〕
透明接着剤層は、図5(A)の断面図で例示の透明接着剤層3の如く、透明基材1とメッシュ層2間に介在させ、これら両層を接着積層させるのに利用される。同図は、メッシュ層2を銅箔等の金属箔から形成した場合のものであり、その結果、メッシュ層2の開口部も含めて透明基材1の全面に透明接着剤層3が存在する形態である。透明接着剤層に用いる透明な接着剤は、特に限定されるものでは無く公知の接着剤を適宜採用すれば良い。例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。
透明接着剤層は、図5(A)の断面図で例示の透明接着剤層3の如く、透明基材1とメッシュ層2間に介在させ、これら両層を接着積層させるのに利用される。同図は、メッシュ層2を銅箔等の金属箔から形成した場合のものであり、その結果、メッシュ層2の開口部も含めて透明基材1の全面に透明接着剤層3が存在する形態である。透明接着剤層に用いる透明な接着剤は、特に限定されるものでは無く公知の接着剤を適宜採用すれば良い。例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。
〔その他の層:平坦化樹脂層〕
平坦化樹脂層は、図5(B)の断面図で例示の平坦化樹脂層4の如く、メッシュ層による表面凹凸を埋めて平坦化し、メッシュ層側で被着体と接着剤等で積層する場合に気泡抱き込み等を防いだり、メッシュ層を外力から保護したりする層である。なお、該保護の点では、この平坦化樹脂層は表面保護層でもある。この様な平坦化樹脂層4は、透明基材1上に積層したメッシュ層2により凹凸表面に対して、樹脂を含む液状組成物を塗布等で施すことで形成できる。該液状組成物としては、透明な樹脂を含むものであれば特に限定は無く、公知の樹脂を適宜採用すれば良い。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等である。例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等であり、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、硬化性アクリル樹脂等であり、電離放射線硬化性樹脂としては紫外線や電子線で硬化するアクリレート系樹脂等である。なかでも、メッシュ層による凹凸を埋め易い点では、無溶剤或いは無溶剤に近い状態で塗工形成したりできる、電離放射線硬化性樹脂は好ましい樹脂である。
平坦化樹脂層は、図5(B)の断面図で例示の平坦化樹脂層4の如く、メッシュ層による表面凹凸を埋めて平坦化し、メッシュ層側で被着体と接着剤等で積層する場合に気泡抱き込み等を防いだり、メッシュ層を外力から保護したりする層である。なお、該保護の点では、この平坦化樹脂層は表面保護層でもある。この様な平坦化樹脂層4は、透明基材1上に積層したメッシュ層2により凹凸表面に対して、樹脂を含む液状組成物を塗布等で施すことで形成できる。該液状組成物としては、透明な樹脂を含むものであれば特に限定は無く、公知の樹脂を適宜採用すれば良い。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等である。例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等であり、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、硬化性アクリル樹脂等であり、電離放射線硬化性樹脂としては紫外線や電子線で硬化するアクリレート系樹脂等である。なかでも、メッシュ層による凹凸を埋め易い点では、無溶剤或いは無溶剤に近い状態で塗工形成したりできる、電離放射線硬化性樹脂は好ましい樹脂である。
なお、平坦化樹脂層はその平坦化目的の点では、メッシュ層の開口部のみを埋めれば足りるが、図5(B)の如くメッシュ層のライン部直上も含めて形成しても良い。ライン部直上も含めて形成した平坦化樹脂層を設けた場合、該ライン部直上ではメッシュ層の表面(平坦化樹脂層との界面)と平坦化樹脂層の表面間は、平坦化樹脂層による中実な空間であり、メッシュ層の表面(ライン部の表面)に達する光路を該中実部分に確保できる。従って、この場合、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタの表面をディスプレイ側露出面として、ディスプレイ側に向けて配置する利用法でも、黒レベル向上効果が得られる。つまり、平坦化樹脂層の表面での外光反射をメッシュ層表面で吸収できる。
なお、これと同様のことが、平坦化樹脂層を接着層として更に該平坦化樹脂層上に被着体を積層し被着体表面をディスプレイ側露出面とした利用法で言える。その場合、もちろん、中実の空間には被着体も含む。
なお、これと同様のことが、平坦化樹脂層を接着層として更に該平坦化樹脂層上に被着体を積層し被着体表面をディスプレイ側露出面とした利用法で言える。その場合、もちろん、中実の空間には被着体も含む。
〔その他の層:被着体、光学フィルタ層、表面保護層等〕
上記被着体とは、例えば光学フィルタ層(フィルム、シート、板)、表面保護層(フィルム、シート、板)等であり、図5(C)の断面図で例示の被着体5は、上記平坦化樹脂層4を接着層と兼用させる形態で、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の表面側に組み込んだ例を示す。なお、光学フィルタ層の光学フィルタ機能としては、近赤外線吸収、反射防止(含む防眩)、色調調整(ネオン光吸収、色再現性向上)、外光反射防止等である。また、表面保護層の機能としては、防汚染、ハードコート等である。これらは、従来公知のものを適宜採用すれば良い。また、光学フィルタ層、表面保護層は被着体としてではなく、塗布等によってメッシュ層上、平坦化樹脂層上、光学フィルタ層の場合は別の光学フィルタ層上、等に同じ様な機能の層を形成することもできる。
上記被着体とは、例えば光学フィルタ層(フィルム、シート、板)、表面保護層(フィルム、シート、板)等であり、図5(C)の断面図で例示の被着体5は、上記平坦化樹脂層4を接着層と兼用させる形態で、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10の表面側に組み込んだ例を示す。なお、光学フィルタ層の光学フィルタ機能としては、近赤外線吸収、反射防止(含む防眩)、色調調整(ネオン光吸収、色再現性向上)、外光反射防止等である。また、表面保護層の機能としては、防汚染、ハードコート等である。これらは、従来公知のものを適宜採用すれば良い。また、光学フィルタ層、表面保護層は被着体としてではなく、塗布等によってメッシュ層上、平坦化樹脂層上、光学フィルタ層の場合は別の光学フィルタ層上、等に同じ様な機能の層を形成することもできる。
また、被着体5は、逆に、図5(D)の断面図に例示の如く、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタの裏側に積層しても良い。同図では、該被着体5の裏面をディスプレイ側露出面となる。また、同図では、透明基材1と被着体5間には特に明示は無いが、これら同士に接着性がない場合には適宜透明な接着層を間に介して積層する。なお、上記平坦化樹脂層を接着層と兼用する場合も含めて、接着層としては、粘着性の無い接着剤、或いは粘着剤(粘着剤層)等の公知の接着剤を採用すれば良い。また、被着体はディスプレイ用電磁波シールドフィルタの表裏裏面に積層しても良い。その場合、表裏で被着体の種類(機能)を使い分けることができる。
〔その他〕
なお、透明基材、平坦化樹脂層、透明接着剤層、表面保護層、接着層、粘着剤層、被着体等を構成する樹脂中には、外光反射防止用色素、ネオン光吸収剤、色調整用色素、等の電磁波シールドフィルタに於いて公知の色素を適宜添加しても良い。
なお、透明基材、平坦化樹脂層、透明接着剤層、表面保護層、接着層、粘着剤層、被着体等を構成する樹脂中には、外光反射防止用色素、ネオン光吸収剤、色調整用色素、等の電磁波シールドフィルタに於いて公知の色素を適宜添加しても良い。
また、メッシュ層詳細を説明する図4、その他の層を説明する図5等は、各一例ずつを例示したものであるが、これらは適宜組み合わせた構成としても良いことは、もちろんである。また、本発明は、これら図面、乃至は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例にて、本発明を更に具体的に説明する。
〔実施例1〕
図1(B)の平面図、及び図5(A)の断面図に示す〔メッシュ層部分詳細は図4(C)の断面図〕、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10を次の様にして作製した。
先ず、メッシュ状導電体層21とする金属箔として、表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層22が形成された厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材1として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
図1(B)の平面図、及び図5(A)の断面図に示す〔メッシュ層部分詳細は図4(C)の断面図〕、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ10を次の様にして作製した。
先ず、メッシュ状導電体層21とする金属箔として、表裏両面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層22が形成された厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。また、透明基材1として厚さ100μmで連続帯状のウェブである無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
そして、前記銅箔の両面に対して、亜鉛めっき後、ディッピング法にて公知のクロメート処理を行い、表裏両面に防錆層23を形成した。次いで、この銅箔を上記透明基材に、透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤でドライラミネートした後、50℃3日間養生して、銅箔(防錆層)と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層3を有する連続帯状のウェブとして銅貼積層シートを得た。
次いで、上記銅貼積層シートに対して、その銅箔(全面の、導電体層、黒化層及び防錆層)をフォトリソグラフィ法を利用したエッチングにより、防錆層23、メッシュ状導電体層21及び黒化層22からなるメッシュ層2が透明基材1上に形成された、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタメッシュ10を得た。
次いで、上記銅貼積層シートに対して、その銅箔(全面の、導電体層、黒化層及び防錆層)をフォトリソグラフィ法を利用したエッチングにより、防錆層23、メッシュ状導電体層21及び黒化層22からなるメッシュ層2が透明基材1上に形成された、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタメッシュ10を得た。
なお、エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、連続帯状の上記銅貼積層シートに対してマスキングからエッチングまでを行った。すなわち、上記銅貼積層シートの導電体層面全面にエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキング後、塩化第二鉄溶液で黒化層、防錆層を含めて銅箔をエッチングしてメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。メッシュ層のメッシュ形状は、その開口部が正方形でライン部のライン幅Wは25μm、そのラインピッチPは150μm、開口率Kは69.4%で、メッシュ部2Aの長方形領域の長辺〔図3参照〕に対する劣角として定義されるバイアス角度49度である。また、メッシュ層のメッシュは、連続帯状のウェブを所望の大きさの枚葉の四角形のシートに切断した時に、その四辺外周に開口部が無い幅40mmの額縁状の非メッシュ部2Bを残す様にエッチングした。
〔実施例2〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを16.7μm、ラインピッチPを125μm、開口率Kを75.1%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを16.7μm、ラインピッチPを125μm、開口率Kを75.1%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例1〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを33.3μm、ラインピッチPを200μm、(開口率Kは69.4%で同一)に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを33.3μm、ラインピッチPを200μm、(開口率Kは69.4%で同一)に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例2〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを10μm、ラインピッチPを300μm、開口率Kを93.4%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを10μm、ラインピッチPを300μm、開口率Kを93.4%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例3〕
実施例1において、電解銅箔を、表側とする面の片面のみ黒化層を形成した電解銅箔に変更し、裏側の黒化層は省略したメッシュ層を形成した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、電解銅箔を、表側とする面の片面のみ黒化層を形成した電解銅箔に変更し、裏側の黒化層は省略したメッシュ層を形成した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例4〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを4.5μm(開口率Kは94.1%となる)に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを4.5μm(開口率Kは94.1%となる)に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例5〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを40μm、開口率Kを53.8%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを40μm、開口率Kを53.8%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例6〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを35μm、ラインピッチPを70μm、開口率Kを25.0%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを35μm、ラインピッチPを70μm、開口率Kを25.0%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔比較例7〕
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを7μm、ラインピッチPを300μm、開口率Kを95.4%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
実施例1において、メッシュ形状を、ライン幅Wを7μm、ラインピッチPを300μm、開口率Kを95.4%に変更した他は、実施例1と同様にして、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタを作製した。
〔性能評価〕
実施例及び比較例の各ディスプレイ用電磁波シールドフィルタについて、透明基材裏面をディスプレイ側に向けてPDPの前面に空気層を介在させて配置して、黒レベルの向上の具合を目視で観察し認められるものは良好と評価した。また、製造時に於けるメッシュ層のライン部の断線発生頻度、目視でのメッシュ非視認性と画面の明るさも評価した。断線発生頻度は少ないものは良好とし、目視官能評価によるメッシュ非視認性と明るさは、非視認性は目立たないものを良好、明るさは明るいものを良好と評価した。結果は表1に示す。
実施例及び比較例の各ディスプレイ用電磁波シールドフィルタについて、透明基材裏面をディスプレイ側に向けてPDPの前面に空気層を介在させて配置して、黒レベルの向上の具合を目視で観察し認められるものは良好と評価した。また、製造時に於けるメッシュ層のライン部の断線発生頻度、目視でのメッシュ非視認性と画面の明るさも評価した。断線発生頻度は少ないものは良好とし、目視官能評価によるメッシュ非視認性と明るさは、非視認性は目立たないものを良好、明るさは明るいものを良好と評価した。結果は表1に示す。
表1の如く、実施例1及び2は、比較例2に対して黒レベルが向上し、またメッシュのラインの断線も生じ難く、黒レベル及びライン断線ともに良好(○)であった。また、これら各実施例は、メッシュの非視認性及び画面明るさ共に良好(○)であった。
一方、比較例2はラインの断線も生じ易く黒レベル向上と共に不可(×)であった。また、比較例1は、黒レベル向上は良好(○)だが、ラインピッチが大きい関係上、ライン断線で不可(×)であった。また、比較例3は黒レベル向上が不可(×)で、比較例4は黒レベル向上及びライン断線が不可(×)で、比較例5は非視認性が(×)で、比較例6は明るさが不可(×)で、比較例7は黒レベル向上及びライン断線が不可(×)で、各比較例はいずれかの性能が不可(×)であった。
一方、比較例2はラインの断線も生じ易く黒レベル向上と共に不可(×)であった。また、比較例1は、黒レベル向上は良好(○)だが、ラインピッチが大きい関係上、ライン断線で不可(×)であった。また、比較例3は黒レベル向上が不可(×)で、比較例4は黒レベル向上及びライン断線が不可(×)で、比較例5は非視認性が(×)で、比較例6は明るさが不可(×)で、比較例7は黒レベル向上及びライン断線が不可(×)で、各比較例はいずれかの性能が不可(×)であった。
1 透明基材
2 メッシュ層
2A メッシュ部
2B 非メッシュ部
21 メッシュ状導電体層
22 黒化層
23 防錆層
3 透明接着剤層
4 平坦化樹脂層
5 被着体
10 ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ
AL ライン部(非開口部)
AO 開口部
K 開口率
La 外光
Lb 外光
P ラインピッチ
W ライン幅
2 メッシュ層
2A メッシュ部
2B 非メッシュ部
21 メッシュ状導電体層
22 黒化層
23 防錆層
3 透明接着剤層
4 平坦化樹脂層
5 被着体
10 ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ
AL ライン部(非開口部)
AO 開口部
K 開口率
La 外光
Lb 外光
P ラインピッチ
W ライン幅
Claims (2)
- 透明基材上に、少なくとも、導電性で平面視形状がメッシュ状のメッシュ層が形成されたディスプレイ用の電磁波シールドフィルタにおいて、
該メッシュ層は、少なくとも、その透明基材から遠い方の表面と、透明基材に近い側の裏面との表裏両面が共に黒く、
該メッシュ層のメッシュ形状が、ライン幅Wが5〜35μmでラインピッチPが80μm〜170μmであり、且つ、メッシュの開口率Kが30〜90%である、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ。 - 透明基材上に、少なくとも、導電性で平面視形状がメッシュ状のメッシュ層が形成されたディスプレイ用の電磁波シールドフィルタにおいて、
該メッシュ層は、少なくとも、その透明基材から遠い方の表面と透明基材に近い側の裏面のいずれか片面が黒く、
該メッシュ層のメッシュ形状が、ライン幅Wが5〜35μmでラインピッチPが80μm〜170μmであり、且つ、メッシュの開口率Kが30〜90%である、ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ。
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JP2004376248A JP2006186021A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | ディスプレイ用電磁波シールドフィルタ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009251101A (ja) * | 2008-04-02 | 2009-10-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 表示装置用電極フィルムおよび表示装置用電極フィルムの製造方法 |
JP2011146836A (ja) * | 2010-01-13 | 2011-07-28 | Alps Electric Co Ltd | アンテナ付き入力装置、及び該装置を備える電子機器 |
WO2014141867A1 (ja) * | 2013-03-11 | 2014-09-18 | 富士フイルム株式会社 | 導電性フィルム、これを備える表示装置及び配線の視認性の評価方法 |
-
2004
- 2004-12-27 JP JP2004376248A patent/JP2006186021A/ja not_active Withdrawn
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