JP2006184869A - 光学デバイスの製造方法、光学デバイス、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

光学デバイスの製造方法、光学デバイス、映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】用いる再生用光源ごとに、カラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる光学デバイスを提供する。
【解決手段】光学素子におけるRGBごとの回折効率が、再生用光源の出射光におけるRGBごとの光強度に応じた回折効率となるように、作製用光源から出射されるRGBのレーザー光の露光量を調整する。例えば、再生用光源の出射光の光強度が、大きいほうからBGRの順に小さくなっている場合には、光学素子における回折効率が小さいほうからBGRの順に大きくなるように、作製用光源から出射されるRGBのレーザー光の露光量を調整する。これにより、再生用光源から光学素子を介して得られる光(再生光)の色調を、用いる再生用光源の出射光の光量を最大限に利用しながら、用いる再生用光源ごとに所望の色調に調整することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラムからなる光学素子を透明基材上に形成する光学デバイスの製造方法と、その光学デバイスと、その光学デバイスを用いた映像表示装置と、その映像表示装置を用いたヘッドマウントディスプレイとに関するものである。
ホログラム、ハーフミラーコート、ビームスプリッタ層などの光学素子は、透明基材内に埋め込んで(2個の透明基材で挟み込んで)使用すれば、湿度や酸素などの外部環境の影響を受けることがないことから、例えばヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイなどのコンバイナとして有用である。
特に、ホログラムは、高い波長選択性および角度選択性を有しており、上記コンバイナとしては非常に有用である。このホログラムの形成材料となるホログラム感光材料としては、一般的に、フォトポリマー、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンなどがある。その中でも、フォトポリマーは、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンとは異なり、ドライプロセスで容易に製造可能であり、可視光全域に感度を有することから、ホログラム感光材料として多く用いられている。
ホログラム感光材料としてフォトポリマーを用いたカラーホログラムの作製方法としては、例えば特許文献1および2に開示された方法がある。特許文献1では、ホログラム感光材料の露光感度に応じてRGBの露光量を調整し、表示したい色調に回折効率を調整している。また、特許文献2では、ホログラムの回折効率のピークの波長、高さ(回折効率)、半値幅のいずれか1つ以上を制御することにより、白色の再現性が悪くなるのを防いでいる。
特開平7−160183号公報 特開2000−276036号公報
ところで、作製されたカラーホログラムに再生用光源からの光を照射することにより得られる光を再生光と称すると、カラーホログラムの再生光の色調(カラーバランス)の調整や上記再生光によって表現される映像の明るさの調整には、カラーホログラムの回折光の波長(回折波長)、回折効率だけでなく、再生用光源の出射光の各波長(例えばRGB)における光強度を考慮に入れる必要がある。なぜなら、再生用光源としてどのような光源を用いるかによって(再生用光源の出射光が各波長ごとにどのような光強度かによって)、再生光の色調や映像の明るさが変わるからである。したがって、例えば、再生光として白色が得られるように回折効率を調整したと言っても、再生用光源の出射光の各波長ごとの光強度が考慮されていなければ、用いる再生用光源によっては再生光として白色以外の色が得られる場合もあることから、再生光の色調を白色に調整したことにはならない。
この点、上述した特許文献1および2では、再生用光源の各波長ごとの光強度が考慮されずにホログラムの回折効率や露光量が調整されているので、用いる再生用光源によって再生光の色調や映像の明るさが変化することになる。この結果、用いる再生用光源ごとに、カラーバランスが良好で明るい映像を得ることができないという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、用いる再生用光源ごとに、カラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる光学デバイスの製造方法と、その光学デバイスと、その光学デバイスを備えた映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイとを提供することにある。
本発明の光学デバイスの製造方法は、透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つ(複数の波長域で回折ピークが存在する)ホログラム光学素子を形成する光学デバイスの製造方法であって、再生時に、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源の出射光における各回折ピーク波長での光強度に応じた回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴としている。
また、本発明の光学デバイスは、透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成した光学デバイスであって、再生時に、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源の出射光における各回折ピーク波長での光強度に応じた回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量が調整され、その調整された露光量で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ホログラム光学素子における各回折ピーク波長(例えばR111)での回折効率が、再生用光源の出射光における各回折ピーク波長(例えばR111)での光強度に応じた回折効率となるように、作製用光源から出射される各波長(例えばR222)のレーザー光の露光量が調整される。例えば、再生用光源の出射光の光強度が、大きいほうからB1、G1、R1の順に小さくなっている場合には、光学素子における回折効率が小さいほうからB1、G1、R1の順に大きくなるように、作製用光源から出射されるR222のレーザー光の露光量が調整される。
このように、用いる再生用光源の出射光の各回折ピーク波長での光強度を考慮して、その光強度に応じた回折効率が得られるようにレーザー光の露光量を各波長ごとに調整し、透明基材上に光学素子を形成するので、再生用光源から光学素子を介して得られる光(再生光)の色調を、用いる再生用光源の出射光の光量を最大限に利用しながら、用いる再生用光源ごとに所望の色調に調整することができる。これにより、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法は、透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成する光学デバイスの製造方法であって、再生時に、再生用光源として、各回折ピーク波長に対応した複数の照明光源を用い、上記複数の照明光源のうち、同じ値の電流を流したときに消費電力が最も少ない特性を有する照明光源に対応した回折ピーク波長の回折効率が、他の回折ピーク波長の回折効率よりも低くなるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴としている。
また、本発明の光学デバイスは、透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成した光学デバイスであって、再生時に、再生用光源として、各回折ピーク波長に対応した複数の照明光源を用い、上記複数の照明光源のうち、同じ値の電流を流したときに消費電力が最も少ない特性を有する照明光源に対応した回折ピーク波長の回折効率が、他の回折ピーク波長の回折効率よりも低くなるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量が調整され、その調整された露光量で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴としている。
例えば、各回折ピーク波長(R111)に対応した複数の照明光源(RGB)において、同じ値の電流を流したときの消費電力が、大きいほうからB、G、Rの順に小さくなっている場合には、消費電力が最も少ないRの照明光源に対応する回折ピーク波長R1の回折効率が、他の回折ピーク波長G11の回折効率よりも低くなるように、作製用光源から出射されるR222のレーザー光の露光量が調整される。
一般に、各照明光源から出射される光の光量(明るさ)は、各照明光源に流す電流を多くすればするほど増大するが、RGBの各照明光源の消費電力の和に上限が設けられている場合には、RGBの各照明光源に定格電流の上限を流すことができず、その結果、光量低下が起こる場合がある。
しかし、上記構成では、例えば、Rの照明光源に比べて消費電力が大きいGやBの照明光源に対応する回折ピーク波長G11の回折効率が、回折ピーク波長R1よりも高く設定されることになるので、最終的に得られるRGBの光量低下を起こすことなく、GやBの照明光源に流す電流値を下げてその消費電力を抑えることができる。つまり、省電力で同じ明るさを得ることができる。
また、消費電力が最も小さいRの照明光源に対応する回折ピーク波長R1の回折効率が、他の回折ピーク波長G11よりも低く設定されているので、規定された消費電力の総和の範囲内で、Rの照明光源に流す電流値を上げてその光量を上げることができる。なお、同じ値の電流を流したときの消費電力はRの照明光源が最も小さいため、電流値の増大に対する消費電力の増大の仕方(変化の割合)は、Rの照明光源が最も小さい。したがって、極力省電力で明るい光量を得ることができる。
しかも、上記のように各照明光源に流す電流を調整する際に、例えば再生光が白色となるように各電流を調整し、RGBの光強度を調整すれば、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。
つまり、上記の構成によれば、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができるとともに、その効果を、再生用光源の省電力で得ることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、上記再生用光源から上記光学素子を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率は、上記再生用光源から上記光学素子を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように設定されていることが望ましい。
この場合、再生用光源から光学素子に供給される各波長の光は、再生光が白色となるように光学素子にて回折されるので、その光学素子を介してカラーバランスの良好なカラー映像を確実に得ることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、上記再生用光源にて光強度が定格光量の70%以上となる光を発光させて上記光学素子に供給したときに、上記光学素子から出射される再生光が白色となる回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率は、上記再生用光源にて光強度が定格光量の70%以上となる光を発光させて上記光学素子に供給したときに、上記光学素子から出射される再生光が白色となる回折効率となるように設定されていることが望ましい。
この場合、再生用光源にて発光される光の光強度が定格光量の70%以上であり、このような光が光学素子に供給されたときに、各波長の光は、光学素子からの再生光が白色となるように光学素子にて回折されるので、その光学素子を介してカラーバランスが良好でかつ明るいカラー映像を確実に得ることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいては、上記再生光は、XYZ表色系におけるXY色度座標で、(X,Y)=(0.32±0.05,0.33±0.05)の範囲内にある白色であることが望ましい。この場合、再生光を見る観察者に実質的に白色を感じさせることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記再生用光源として、発光ダイオード(LED)を用いることが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記再生用光源は、発光ダイオードであることが望ましい。この場合、再生用光源として、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)ごとに独立に光を発光させることが容易となり、上記各回折ピーク波長での光強度を考慮して光学デバイスを製造することが容易となる。
本発明の光学デバイスの製造方法および光学デバイスにおいては、上記発光ダイオードは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の光を発光するものであることが望ましい。なお、発光ダイオードは、1チップでRGBの各色の光を発光するものであってもよいし、別々のチップでRGBの各色を個別に発光するものであってもよい。このようなRGBの3色発光の発光ダイオードを用いることにより、光学素子を介して得られるカラー映像における色再現性を良好にすることができる。また、ホログラム感光材料との波長のマッチングも良い。
特に、上記発光ダイオードが、異なる発光波長の発光チップが複数個、1つのパッケージに実装されてなる場合には、本発明の効果がより大きなものとなる。なお、複数の発光チップは、RGBの光を発光するものであってもよいし、その他の波長の光を発光するものであってもよい。複数の発光チップが1つのパッケージに実装されている場合、各発光チップを同時に発光させたときの放熱の都合上、複数の発光チップのそれぞれが消費する消費電力の和に上限が設けられている。このため、上述したように各発光チップの消費電力を考慮して、対応する回折ピーク波長の回折効率を設定してホログラムを作製することにより、省電力でかつカラーバランスが良好で最大限明るい映像を得ることができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記ホログラム感光材料の露光面上のどの位置においても、上記作製用光源から照射されるレーザー光の強度の各波長ごとの比が略一定となるように、上記各波長のレーザー光を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記ホログラム感光材料の露光面上のどの位置においても、上記作製用光源から照射されるレーザー光の強度の各波長ごとの比が略一定となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることが望ましい。
この場合、ホログラム感光材料の露光面に対応する光学素子の面上のどの位置においても、各波長間での回折効率の比が略一定となるので、光学素子を介して得られるカラー映像における全体の色むらを低減することができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記作製用光源から出射される複数の波長のレーザー光は、赤、緑、青の各色の光であり、上記作製用光源から上記ホログラム感光材料の露光面上の第1の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR1、G1、B1とし、上記露光面上の上記第1の位置とは異なる第2の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR2、G2、B2とすると、上記第1の位置および上記第2の位置として、上記露光面上のどの位置を選択しても、
|(R1/G1)−(R2/G2)|≦0.3×(R1/G1)、かつ、
|(B1/G1)−(B2/G2)|≦0.3×(B1/G1)
が成り立つように、上記赤、緑、青の各レーザー光を調整することが望ましい。
また、本発明の光学デバイスにおいては、上記作製用光源から出射される複数の波長のレーザー光は、赤、緑、青の各色の光であり、上記作製用光源から上記ホログラム感光材料の露光面上の第1の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR1、G1、B1とし、上記露光面上の上記第1の位置とは異なる第2の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR2、G2、B2とすると、上記第1の位置および上記第2の位置として、上記露光面上のどの位置を選択しても、
|(R1/G1)−(R2/G2)|≦0.3×(R1/G1)、かつ、
|(B1/G1)−(B2/G2)|≦0.3×(B1/G1)
が成り立つように、上記赤、緑、青の各レーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることが望ましい。
この場合、ホログラム感光材料の露光面に対応する光学素子の面上のどの位置においても、各波長間での回折効率の差を約20%以内に収めることができる。これにより、光学素子を介して得られるカラー映像における全体の色むらを、実質的に問題にならない程度まで低減することができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が最大となる各位置についての各波長間での位置ずれ量が、上記露光面における長軸方向の長さの1/2以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が最大となる各位置についての各波長間での位置ずれ量が、上記露光面における長軸方向の長さの1/2以下となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることが望ましい。
この場合、ホログラム感光材料の露光面に対応する光学素子の面上のどの位置においても、各波長間での回折効率の差を約20%以内に容易にかつ効率的に収めることができる。これにより、光学素子を介して得られるカラー映像における全体の色むらを、実質的に問題にならない程度まで容易にかつ効率的に低減することができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記ホログラム感光材料の露光面の長軸方向の両端の2点における、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が、各波長ごとに略同一となるように、上記各波長のレーザー光を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記ホログラム感光材料の露光面の長軸方向の両端の2点における、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が、各波長ごとに略同一となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることが望ましい。
ホログラム感光材料の露光面の長軸方向の両端の2点における、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が、各波長ごとに略同一であれば、上記露光面に対応する光学素子の面上のどの位置においても、各波長間での回折効率の差が約20%以内に収まると簡易的に判断することができる。これにより、光学素子を介して得られるカラー映像における全体の色むらを、実質的に問題にならない程度まで簡易的に低減することができる。
本発明の光学デバイスの製造方法においては、上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の絶対強度が最大となる位置と、上記絶対強度が最小となる位置との間での絶対強度の差が、各波長ごとに最大絶対強度の50%以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整することが望ましい。また、本発明の光学デバイスにおいては、上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の絶対強度が最大となる位置と、上記絶対強度が最小となる位置との間での絶対強度の差が、各波長ごとに最大絶対強度の50%以下となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることが望ましい。
ホログラム感光材料の露光面に対応する光学素子の面上の任意の2点において、各波長についてのレーザー光の絶対強度の差があまりにも大きければ、それは光学素子を介して得られるカラー映像の中では明るさの差として観察者に認識されてしまう。そこで、上記露光面上での各波長ごとのレーザー光の絶対強度の最大の差が、各波長ごとに最大絶対強度の50%以下となるように、上記レーザー光を調整すれば、上記カラー映像の中での明るさの差を小さくすることができる。これにより、上記カラー映像における輝度むらを低減することができる。
本発明の映像表示装置は、上述した本発明の光学デバイスと、映像を表示して上記光学デバイスに提供する映像表示素子とを備えていることを特徴としている。この構成により、観察者は、映像表示素子から提供される映像を光学デバイスを介して観察することができるのと同時に、光学デバイスを介してシースルーで外界像を観察することもできる。
本発明の映像表示装置において、上記映像表示素子は、光を出射する再生用光源と、上記再生用光源から出射される光を映像信号に応じて変調する光変調素子とを備えていることが望ましい。再生用光源から出射される光が光変調素子にて変調されることで、光変調素子にて映像を表示することができる。
このとき、上記再生用光源は、発光ダイオードであることが望ましい。この場合、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)ごとに独立して光を発光させることが可能となるので、光変調素子として、例えばフィールドシーケンシャル方式で駆動されるLCDや、カラーフィルタを有するLCDを用いることができ、これらの両方に容易に対応することができる。
また、上記発光ダイオードは、赤、緑、青の3色の光を発光するものであることが望ましい。このようなRGBの3色発光の発光ダイオードを用いることにより、光学素子を介して得られるカラー映像における色再現性を良好にすることができる。
特に、上記発光ダイオードが、異なる発光波長の発光チップが複数個、1つのパッケージに実装されてなるものであることが望ましい。なお、複数の発光チップは、RGBの光を発光するものであってもよいし、その他の波長の光を発光するものであってもよい。複数の発光チップが1つのパッケージに実装された1チップタイプの場合、各発光チップを同時に発光させたときの放熱の都合上、複数の発光チップのそれぞれが消費する消費電力の和に上限が設けられている。そこで、このような発光ダイオードを用いる場合には、各発光チップの消費電力を考慮して、対応する回折ピーク波長の回折効率を設定してホログラムを作製することで、省電力でかつカラーバランスが良好で最大限明るい映像を得ることができる。その結果、性能の良好な映像表示装置を実現することができる。
また、上記光変調素子は、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるものであってもよい。上記光変調素子は、光量ロスを招くカラーフィルタを有していないので、再生用光源から出射される光の利用効率を上げることができ、明るい映像を得ることができる。
また、上記光変調素子は、カラーフィルタを有するものであってもよい。この場合は、再生用光源として、RGBの光を時分割で順次に発光するものや、RGBの光を同時に発光するものを用いることができ、これらの両者に容易に対応することができる。
また、本発明の映像表示装置において、上記再生用光源は、異なる発光波長の発光チップを時分割で順次発光させる構成であってもよい。この場合、再生用光源では、異なる波長の照明光源が同時に点灯しないので、各発光波長の照明光源のそれぞれに定格電流上限値を流すことが可能となる。これにより、用いる再生用光源の出射光の光量を最大限に利用して、明るい映像を得ることができる。
また、本発明の映像表示装置において、上記再生用光源は、異なる発光波長の発光チップを同時に発光させる構成であってもよい。例えば、複数の発光チップが1つのパッケージに実装された1チップタイプの場合、各発光チップを同時に発光させたときの放熱の都合上、複数の発光チップのそれぞれが消費する消費電力の和に上限が設けられている。そこで、各発光チップの消費電力を考慮して、対応する回折ピーク波長の回折効率を設定してホログラムを作製すれば、省電力でかつカラーバランスが良好で最大限明るい映像を得ることができる。したがって、光変調素子がカラーフィルタを有するもので構成されている場合でも、性能の良好な映像表示装置を実現することができる。
本発明の映像表示装置において、光学デバイスの光学素子は、体積位相型の反射型ホログラムであることが望ましい。この場合、映像表示素子から提供される映像光を上記ホログラムにて観察者の方向に反射させることにより、観察者に虚像を観察させることができる。しかも、体積位相型の反射型ホログラムは、外界像の光の透過率が高いので、観察者は外界像を明瞭に観察することができる。
また、上記光学デバイスの光学素子は、上記映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナであってもよい。この場合、観察者は、上記光学素子を介して、映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察することができる。
また、上記光学デバイスは、上記映像表示素子に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く接眼光学系を構成していてもよい。この場合、観察者は、映像表示素子に表示される映像を虚像として十分に視認することができる。また、接眼光学系は、映像表示素子の表示映像を拡大虚像として観察者に提供するので、接眼光学系を構成する光学デバイスの小型化、軽量化が可能となり、映像表示装置の小型化、軽量化が可能となる。
また、上記接眼光学系は、非軸対称な(正の)光学パワーを有していることが望ましい。この場合、接眼光学系を小型にしても、良好に収差補正された映像を観察者に提供することができる。
また、上記光学デバイスの透明基材は、上記映像表示素子から提供される映像の光を内部で全反射させて上記光学素子に導く構成が望ましい。この構成によれば、映像表示素子から提供される映像光を無駄なく利用して、観察者に明るい映像を提供することができる。また、映像表示素子を光学デバイスから離れた位置に配置することも可能となり、観察者の外界に対する視野を広く確保することができる。
また、上記光学デバイスの光学素子の透過率は、10%以上であることが望ましい。この場合、観察者は、光学素子を介しても外界像をシースルーで十分に観察することができる。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、上述した映像表示装置と、上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴としている。この構成によれば、映像表示装置が支持手段によって観察者の眼前で支持されるので、観察者は、ハンズフリーとなり、外界像および映像表示素子での表示映像を虚像として観察しながら、空いた手で所望の作業を行うことができる。また、観察者の観察方向が一方向に定まるので、観察者は暗環境でも表示映像を探しやすいという利点もある。
本発明によれば、用いる再生用光源の出射光の各回折ピーク波長での光強度を考慮して、その光強度に応じた回折効率が得られるようにレーザー光の露光量を各波長ごとに調整し、透明基材上に光学素子を形成するので、再生用光源から光学素子を介して得られる光(再生光)の色調を、用いる再生用光源の出射光の光量を最大限に利用しながら、用いる再生用光源ごとに所望の色調に調整することができる。これにより、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。
また、消費電力が最も小さい照明光源に対応する回折ピーク波長の回折効率が、他の回折ピーク波長よりも低く設定されているので、規定された消費電力の総和の範囲内で、上記照明光源に流す電流値を上げてその光量を上げることができる。つまり、極力省電力で明るい光量を得ることができる。しかも、各照明光源に流す電流を調整する際に、例えば再生光が白色となるように各電流を調整し、RGBの光強度を調整すれば、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。したがって、本発明によれば、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる効果を、再生用光源の省電力で得ることができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.ヘッドマウントディスプレイについて〕
図2(a)は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと略称する)の概略の構成を示す平面図であり、図2(b)は、HMDの側面図であり、図2(c)は、HMDの正面図である。HMDは、映像表示装置1と、それを支持する支持手段2とを有しており、全体として、一般の眼鏡から一方(例えば左目用)のレンズを取り除いたような外観となっている。
映像表示装置1は、観察者に外界像をシースルーで観察させるとともに、映像を表示して観察者にそれを虚像として提供するものである。図2(c)で示す映像表示装置1において、眼鏡の右目用レンズに相当する部分は、後述する2つの透明基材22・23(図4参照)の貼り合わせによって構成されている。なお、映像表示装置1の詳細な構成については後述する。
支持手段2は、映像表示装置1を観察者の眼前(例えば右目の前)で支持するものであり、ブリッジ3と、フレーム4と、テンプル5と、鼻当て6と、ケーブル7とを有している。なお、フレーム4、テンプル5および鼻当て6は、左右一対設けられているが、これらを左右で区別する場合は、右フレーム4R、左フレーム4L、右テンプル5R、左テンプル5L、右鼻当て6R、左鼻当て6Lのように表現するものとする。
映像表示装置1の一端は、ブリッジ3に支持されている。このブリッジ3は、映像表示装置1のほかにも左フレーム4Lおよび鼻当て6を支持している。左フレーム4Lは、左テンプル5Lを回動可能に支持している。一方、映像表示装置1の他端は、右フレーム4Rに支持されている。右フレーム4Rにおいて映像表示装置1の支持側とは反対側端部は、右テンプル5Rを回動可能に支持している。ケーブル7は、外部信号(例えば映像信号、制御信号)や電力を映像表示装置1に供給するための配線であり、右フレーム4Rおよび右テンプル5Rに沿って設けられている。
観察者がHMDを使用するときは、右テンプル5Rおよび左テンプル5Lを観察者の右側頭部および左側頭部に接触させるとともに、鼻当て6を観察者の鼻に当て、一般の眼鏡をかけるようにHMDを観察者の頭部に装着する。この状態で、映像表示装置1にて映像を表示すると、観察者は、映像表示装置1の映像を虚像として観察することができるとともに、この映像表示装置1を介して外界像をシースルーで観察することができる。
なお、HMDは、映像表示装置1を1個だけ備えたものには限られない。例えば、図3(a)は、HMDの他の構成を示す平面図であり、図3(b)は、上記HMDの側面図であり、図3(c)は、上記HMDの正面図である。これらの図に示すように、HMDは、観察者の両目の前に配置される2個の映像表示装置1を備えた構成であってもよい。この場合、左目の前に配置される映像表示装置1は、ブリッジ3と左フレーム4Lとによってその間で支持される。また、ケーブル7は、両方の映像表示装置1と接続され、ケーブル7を介して外部信号等が両方の映像表示装置1に供給される。
〔2.映像表示装置について〕
次に、上述した映像表示装置1の詳細について説明する。
図4は、映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。映像表示装置1は、映像表示素子11と、接眼光学系21とで構成されている。
映像表示素子11は、光源12と、一方向拡散板13と、集光レンズ14と、LCD15とを有している。なお、光源12と、一方向拡散板13と、集光レンズ14とで、LCD15を照明する照明光学系が構成されている。
光源12は、中心波長が例えば465nm、520nm、635nmとなる3つの波長帯域の光を発するLED(発光ダイオード)で構成されている。LEDは、小型、軽量、安価、省電力という特徴があるので、本実施形態のようなHMDの用途には特に有効である。
また、カラー表示に用いるLEDとしては、「青色LED+黄色蛍光体」あるいは「紫外LED+RGB蛍光体」からなる白色LED、あるいはRGBの3色独立のLED(3色1チップタイプ含む)を用いることができるが、中でも上記後者のLEDを用いることが望ましい。接眼光学系21における後述する光学素子24としての反射型ホログラムは、波長選択性が高く、再生に必要な光の波長幅が小さいので、RGBの3色独立のLEDの方が、ホログラムと波長とのマッチングがよく、光の利用効率が高い。なお、「再生」とは、後述の方法により作製された光学素子24を種々のデバイスに利用することを言い、光学素子24自体を製造する「作製」とは異なる概念である。また、再生に必要としない波長の光が少ないので、ゴースト、フレアなどのノイズ光が少なく、映像品位がよい。さらには、光学素子24からのRGBそれぞれの回折光の半値幅も小さくなるので、表示映像の色再現性がよい(再現可能な色領域が広い)。
一方向拡散板13は、光源12からの照明光を拡散させるものであるが、その拡散度は、方向によって異なっている。より詳細には、一方向拡散板13は、HMDを観察者が装着したときの左右方向に対応する方向(図4の紙面に垂直な方向)には、入射光を約40゜拡散させ、HMDを観察者が装着したときの上下方向(図4の紙面に平行な方向)には、入射光を約2゜拡散させる。
集光レンズ14は、一方向拡散板13にて拡散された光を集光するものである。集光レンズ14は、上記拡散光が効率よく光学瞳Eを形成するように配置されている。LCD15は、映像信号に基づいて入射光を変調することにより、映像を表示する表示手段である。なお、LCD15の詳細については後述する。
一方、接眼光学系21は、2つの透明基材22・23と、光学素子24とを有している。この接眼光学系21は、透明基材22・23の接合面を介して外界像がシースルーで観察される光学デバイスを構成しているとともに、映像表示素子11に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く光学デバイスを構成している。また、接眼光学系21は、非軸対称な正の光学パワーを有しており、内部に入射した映像光が良好に収差補正される。
透明基材22・23は、例えばアクリル系樹脂で構成されており、これらは接着剤で接合されている。このときの透明基材22は、平行平板の下端部を下端に近くなるほど薄くして楔状にし、その上端部を上端に近くなるほど厚くした形状で構成されている。透明基材23は、平行平板の上端部を透明基材22の下端部に沿った形状とすることによって、透明基材22と一体となって略平行平板となるように構成されている。
例えば、透明基材22に透明基材23を接合させない場合、外界像の光が透明基材22の楔状の下端部を透過するときに屈折するので、透明基材22を介して観察される外界像に歪みが生じる。しかし、透明基材22に透明基材23を接合させて一体的な略平行平板を形成することで、外界像の光が透明基材22の楔状の下端部を透過するときの屈折を透明基材23でキャンセルすることができる。その結果、シースルーで観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
光学素子24は、特定の入射角で入射する例えば465±10nm、520±10nm、635±10nmの3つの波長帯域の光を回折させる体積位相型の反射型ホログラムで構成されている。光学素子24は、透明基材22の下端部の傾斜面に貼り付けられており、この結果、透明基材22・23で挟まれている。この光学素子24の透過率は、10%以上に設定されている。
光学素子24の材料となるホログラム感光材料24a(図6参照)としては、フォトポリマー、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンなどが挙げられるが、中でもドライプロセスで製造できるフォトポリマーが望ましい。
このような映像表示装置1の構成により、映像表示素子11の光源12から出射された光は、一方向拡散板13にて拡散され、集光レンズ14にて集光されてLCD15に入射する。LCD15に入射した光は、映像信号に基づいて変調され、映像光として出射される。このとき、LCD15には、その映像自体が表示される。
LCD15からの映像光は、接眼光学系21の透明基材22の内部にその上端面から入射し、対向する2つの面で複数回全反射されて、光学素子24に入射する。光学素子24に入射した光は、反射されて光学瞳Eに達する。光学瞳Eの位置では、観察者は、LCD15に表示された映像の拡大虚像を観察することができる。光学瞳Eから虚像までの距離は数m程度であり、また、虚像の大きさはLCD15に表示された映像の10倍以上である。
一方、透明基材22・23および光学素子24は、外界からの光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像を観察することができる。したがって、LCD15に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。以上のことから、光学素子24は、映像表示素子11から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナとして機能していると言える。
以上のように、映像表示装置1では、LCD15から出射される映像光を、透明基材22内での全反射によって光学素子24に導く構成としている。これにより、映像表示素子11を観察者の眼の直前から大きく離れた位置に配置することができ、観察者の外界に対する視野を広く確保することができる。また、通常の眼鏡レンズと同様に透明基材22・23の厚さを3mm程度にすることができ、映像表示装置1を小型化、軽量化することができる。
また、光学素子24は、上述したように特定入射角の特定波長の光のみを回折させるので、透明基材22・23および光学素子24を透過する外界像の光に影響を与えることがない。それゆえ、観察者は、透明基材22・23および光学素子24を介して外界像を通常通り観察することができる。また、光学素子24の透過率は、10%以上に設定されているので、観察者は透明基材22・23および光学素子24を介して外界像を十分に観察することができる。
〔3.透明基材について〕
次に、透明基材22・23の詳細について説明する。
図5(a)は、透明基材22(第1の透明基材)の平面図を示し、図5(b)は、透明基材22の正面図を示している。また、図5(c)は、透明基材23(第2の透明基材)の平面図を示し、図5(d)は、透明基材23の正面図を示している。さらに、図5(e)は、透明基材22・23を接合させた接眼光学系21の平面図を示している。
透明基材22は、全体として略四角錐台の形状をしており、その上面および下面は、4つの側面で連結されている。この4つの側面は、図5(a)の平面図において、上面を中心として反時計回りに配置される面22a・22b・22c・22dで構成されている。これらの面22a・22b・22c・22dは、その法線方向が互いに異なっている。また、これらのうちの一側面(例えば面22d)には、上記上面よりも上方に突出する突出部22eが形成されている。また、光学素子24は、透明基材22の例えば面22bに貼り付けられている。
一方、透明基材23は、透明基材22が接合することで平行平板が形成されるような形状となっている。つまり、透明基材23は、平行平板から透明基材22の形状をくり抜いた形状をしている。ここで、透明基材23において、透明基材22と接合したときに、透明基材22の面22a・22b・22cと対向する面を、それぞれ23a・23b・23cと称することにする。これらの面23a・23b・23cは、その法線方向が互いに異なっている。
このように光学素子24を貼り付けた一方の透明基材22に他方の透明基材23を、光学素子24を挟むように接着剤を介して接合することにより、図5(e)に示すように、接眼光学系21が形成される。この接眼光学系21は、平面視で眼鏡のレンズのような形状をしている。この接眼光学系21を用いることにより、透明基材22・23の接合面(面22a・22b・22c、面23a・23b・23c)を介して、シースルーで外界像を観察することが可能となる。
〔4.接眼光学系の製造方法について〕
次に、光学デバイスとしての接眼光学系21の製造方法について説明する。
接眼光学系21の製造工程は、貼付工程、露光工程、定着工程、ベイク(熱処理)工程、接合工程の5つの工程からなっている。なお、これらの工程による接眼光学系21の製造(光学素子24の製造)を「作製」と称するとき、作製された光学素子24を種々のデバイスに利用する場合を「再生」と称し、これら両者を区別する。以下、上記製造工程の詳細について、図6に基づいて説明する。
まず、再生時に使用する一方の透明基材22上に、例えばフォトポリマーからなるホログラム感光材料24aを貼り付ける(貼付工程)。そして、レーザー光の2光束干渉により、透明基材22上のホログラム感光材料24aを露光する(露光工程)。なお、貼付工程および露光工程では、透明基材22に傷をつけないようにするため、透明基材22をホルダーに保持し、そのホルダーをハンドリングして製造光学系46(図7参照)にセットする。また、製造光学系46では、上記のホルダーをエア吸着するとともに、ホルダーに保持したプリズムも同時にエア吸着するとよい。
続いて、ホログラム感光材料24aに紫外線を照射することによって、ホログラム感光材料24aを定着させる(定着工程)。その後、透明基材22上に貼り付けられたホログラム感光材料24aをベイクし、回折効率の高いホログラム(光学素子24)を形成する(ベイク工程)。そして、最後に、一方の透明基材22と他方の透明基材23との接合面に光硬化型接着剤である紫外線硬化型接着剤を塗布し、上記紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射してこれを硬化させることにより、両透明基材22・23をホログラム感光材料24a(光学素子24)を挟むように接合する(接合工程)。これにより、接眼光学系21が完成する。
なお、上記のベイク処理により、ホログラムの回折効率が上がる理由は、以下の通りである。ホログラム感光材料24aを露光すると、干渉縞ができて、ホログラムに屈折率の高い部分と低い部分とが形成される。しかし、ホログラム感光材料24aとしてのフォトポリマーは重合性材料であり、このような露光だけでは屈折率の高い部分と低い部分とにおける屈折率の差が小さい。そこで、ベイク処理によりホログラム感光材料24aに熱を加えると、ホログラム感光材料24aにおける未反応のモノマーなどが熱で拡散され、疎密の差が激しくなる。これにより、ホログラムにおける屈折率の差が広がり、回折効率が上がるようになる。
なお、ベイク工程は、接合工程の後に行うことも可能であるが、この場合、接合後の未硬化の接着剤がベイクによりホログラム層に悪影響を与えることが懸念される。そのため、本実施形態のように、接合前にベイクを完了させる方が望ましい。
また、ホログラム感光材料24aとしては、複数の波長に感度を有する感光層が1層のものを用いてもよいし、単独の波長に感度を有する層を複数有するものを用いてもよい。さらに、露光工程での露光は、複数の波長(RGB)のレーザ光の照射開始時間を同時に揃えて行ってもよいし、それぞれの波長における照射開始時間に時間差を設けて行ってもよい。用いるホログラム感光材料24aの種類と露光方法との組み合わせとしては、例えば以下のようなものがあるが、これ以外の組み合わせも勿論可能である。
「RGB感光層1層」+「照射開始時間を同時で露光」
「RGB感光層1層」+「照射開始時間をずらして露光」
「R感光層+G感光層+B感光層の3層」+「照射開始時間を同時で露光」
「R感光層+G感光層+B感光層の3層」+「照射開始時間をずらして露光」
「R感光層+GB感光層の2層」+「照射開始時間を同時で露光」
「R感光層+GB感光層の2層」+「照射開始時間をずらして露光」
「RGB感光層+R感光層の2層」+「照射開始時間を同時で露光」
「RGB感光層+R感光層の2層」+「照射開始時間をずらして露光」
ここで、「RGB感光層1層」を用いた場合は、感光層1層で複数の波長のホログラムを記録することができるため、構成が簡便で、ホログラムの作製が容易である。また、「R感光層+G感光層+B感光層の3層」を用いた場合は、各層は1つの波長のホログラムのみを記録するので、層内での各色の相互作用がなく、高い回折効率が得やすい。
また、「R感光層+GB感光層の2層(B感光層+RG感光層,G感光層+RB感光層などの組み合わせも含む)」は、各波長別の層を用いる場合よりも簡便であり、かつ、1つの層に記録するホログラム干渉縞が少ないので、回折効率を高くしやすい。さらには、「RGB感光層+R感光層の2層」(RGB+G,RGB+Bなどの組み合わせも含む)のように、複数の波長のホログラムを記録できる層にさらに重複した色の感光層1層を加えることにより、追加した層の波長のみ、その回折効率を高めることができる。
〔5.露光光学系について〕
次に、上記露光工程における露光光学系について、図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態における露光光学系の概略の構成を示す説明図である。
上記露光光学系は、光源31と、ビームステアラー32と、シャッター33と、ビームエキスパンダー34と、ミラー35と、ダイクロイックミラー36・37と、ミラー38と、ビームスプリッター39と、ミラー40・41・42・43と、スペイシャルフィルター44・45と、製造光学系46とで構成されている。なお、露光光学系におけるミラーの枚数は、上記に限定されるわけではなく、必要に応じた枚数だけミラーを設ければよい。
光源31は、透明基材22上に光学素子24を形成すべく、透明基材22上のホログラム感光材料24aを露光するためのレーザー光を出射する作製用光源であり、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色のレーザー光を出射する光源31R・31G・31Bで構成されている。
ここで、RGBの3本のレーザー光としては、以下のものを用いることができる。例えば、Rのレーザー光としては、クリプトンイオンレーザーやヘリウムネオンレーザーを用いることができ、Gのレーザー光としては、Nd:YAG(SHG)、Nd:YVO4(SHG)などの固体レーザーや色素レーザーを用いることができ、Bのレーザー光としては、アルゴンイオンレーザーやサファイアなどの固体レーザーを用いることができる。
ビームステアラー32は、RGBに対応するビームステアラー32R・32G・32Bで構成されている。ビームステアラー32R・32G・32Bは、それぞれミラー2枚の組み合わせからなり、光源31R・31G・31Bから出射される各色のレーザー光を2枚のミラーで反射させ、それらの高さを揃えて出射する。
シャッター33は、RGBに対応するシャッター33R・33G・33Bで構成されている。シャッター33R・33G・33Bは、それぞれ、ビームステアラー32R・32G・32Bを介して得られるRGBのレーザー光の透過をON/OFF制御することにより、RGBのレーザー光のホログラム感光材料24aへの露光量を調整する露光量調整手段として機能する。
ビームエキスパンダー34は、RGBに対応するビームエキスパンダー34R・34G・34Bで構成されており、RGBの各レーザー光の光束径を広げる機能と、NA(開口率)を変化させる機能とを持っている。このようなビームエキスパンダー34でのRGBのレーザー光の調整により、RGBの各レーザー光のガウシアン的な強度分布をほぼ一致させることができる。ビームエキスパンダー34は、光源31から出射されるRGBの各レーザー光のビームウエストの位置と製造光学系46との間に設けられている。
ミラー35は、ビームエキスパンダー34Bから出射されるBのレーザー光をダイクロイックミラー36の方向へ反射させる。ダイクロイックミラー36は、ビームエキスパンダー34Gから出射されるGのレーザー光をダイクロイックミラー37の方向へ反射させる一方、ミラー35にて反射されたBのレーザー光をダイクロイックミラー37の方向へ透過させる。したがって、ダイクロイックミラー36では、GとBのレーザー光が色合成されて出射される。
ダイクロイックミラー37は、ビームエキスパンダー34Rから出射されるRのレーザー光をミラー38の方向へ反射させる一方、ダイクロイックミラー36を介して得られるGおよびBのレーザー光をミラー38の方向に透過させる。したがって、ダイクロイックミラー37では、RとGとBのレーザー光が色合成されて出射される。ミラー38は、ダイクロイックミラー37を介して得られるRGBのレーザー光をビームスプリッター39の方向へ反射させる。
ビームスプリッター39は、入射するRGBのレーザー光を2つの光路に分ける。ビームスプリッター39としては、例えばクロムや多層膜がコートされた透過反射ミラー(ハーフミラー)や偏光ビームスプリッターなどを用いることができる。ビームスプリッター39での2光束の分岐比は、製造光学系46内に配置されるホログラム感光材料24aの露光面での2光束の光量がほぼ等しくなるように設定される。
なお、ビームスプリッター39では、複数の波長のレーザー光をほぼ同じ分岐比で分岐するのが望ましい。所望の反射・透過比のクロムや多層膜がコートされた透過反射ミラーを用いれば、複数の波長のレーザー光をほぼ同じ分岐比で分岐するビームスプリッター39を容易に得ることができる。
ミラー40・41は、ビームスプリッター39と製造光学系46との間の2つの光路の一方に設けられ、ビームスプリッター39から供給されるRGBのレーザー光を順に反射させてスペイシャルフィルタ44に導く。また、ミラー42・43は、ビームスプリッター39と製造光学系46との間の2つの光路の他方に設けられ、ビームスプリッター39から供給されるRGBのレーザー光を順に反射させてスペイシャルフィルタ45に導く。
スペイシャルフィルタ44・45は、それぞれ(対物)レンズとピンホールとの組み合わせからなり、入射するレーザー光を上記レンズで集光し、ピンホールを介して製造光学系46に出射する。製造光学系46は、作製される光学デバイスに応じた露光光路が形成されるようなレンズ、プリズム、ミラー等の組み合わせからなり、この製造光学系46から最終的に透明基材22上のホログラム感光材料24aにRGBのレーザー光が照射される。
上記の構成において、光源31Bから出射されるBのレーザー光は、ビームステアラー32B、シャッター33B、ビームエキスパンダー34Bを順に透過した後、ミラー35を介してダイクロイックミラー36に入射する。また、光源31Gから出射されるGのレーザー光は、ビームステアラー32G、シャッター33G、ビームエキスパンダー34Gを順に透過した後、ダイクロイックミラー36にて、Bのレーザー光と色合成され、その後ダイクロイックミラー37に入射する。また、光源31Rから出射されるRのレーザー光は、ビームステアラー32R、シャッター33R、ビームエキスパンダー34Rを順に透過した後、ダイクロイックミラー37にて、GおよびBのレーザー光と色合成され、その後ミラー38に入射する。
ミラー38に入射したRGBのレーザー光は、そこで反射されてビームスプリッター39に入射し、2つの光路に分離される。一方の光路では、ビームスプリッター39から出射されるRGBのレーザー光は、ミラー40・41にて順に反射された後、スペイシャルフィルタ44を介して製造光学系46に出射される。他方の光路では、ビームスプリッター39から出射されるRGBのレーザー光は、ミラー42・43にて順に反射された後、スペイシャルフィルタ45を介して製造光学系46に出射される。製造光学系46では、RGBの2光路のレーザー光で所望の露光光線を作製し、得られた2光束を透明基材22上のホログラム感光材料24a内で干渉させ、ホログラムからなる光学素子24を作製する。
なお、図7では、シャッター33およびビームエキスパンダー34は、RGB3本のレーザ光路上に独立して配置されているが、ダイクロイックミラー36・37でRGBのレーザー光を1本に束ねた後に、RGBに共通で1組だけ設けられてもよい。また、RGBのレーザー光の偏光方向を光学台に対して水平(p偏光)または垂直(s偏光)にすれば、ミラーによる反射などでレーザー光の偏光方向が回転しないのでよい。
〔6.露光方法について〕
次に、上記露光光学系におけるホログラム感光材料24aの露光方法について、以下に説明する。
再生時に光学素子24から出射される光(再生光)の波長(再生波長)は、作製時にホログラム感光材料24aを露光するレーザー光の波長により決定される。したがって、再生時に単色の再生光を得るためには、作製時に最低1色以上のレーザー光でホログラム感光材料24aを露光する必要がある。また、再生時にカラーの再生光を得るためには、作製時にカラーに対応した複数波長のレーザー光でホログラム感光材料24aを露光する必要がある。映像鑑賞という観点では、カラーが望ましく、それゆえ、本実施形態では、作製時に赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応した3つの波長のレーザー光でホログラム感光材料24aを露光することにより、再生時にカラーの映像(再生像)が得られるようにしている。
ここで、良好なカラー表示を得るには、各色(例えばRGB)の明るさのカラーバランスを取る必要がある。仮に、RGB3色の回折効率が最大となる回折ピークを持つ光学素子24において、RGB3色の回折ピークでの回折効率が全てほぼ100%の光学素子24を作製できれば、カラーバランスは各色の光源強度を調整することで、明るいカラー表示が得られる。なお、回折効率とは、入射光のエネルギーのうち、回折光としてどの程度のエネルギーを取り出せるかを示す値であり、一般的には、入射光の強度とある次数の回折光の強度との比を百分率で示したものがこれにあたる。このとき、単色の回折ピークを持つ光学素子では、回折効率が100%に近いホログラムを作製するのは比較的容易である。
しかし、複数の波長について回折ピークを持つカラーホログラムとしての光学素子24では、一般にホログラム感光材料24aが複数の波長の光に感度を有しているため、互いに影響しあい、全ての波長の回折効率を100%に近づけることは実際上難しい。複数の波長についての回折効率は、それぞれ概ねトレードオフの関係があり、ある波長の回折効率が高くなるよう露光すると、別の波長の回折効率は低くなりやすい。
一方、映像の明るさは、単純には、各色の「回折効率×回折光の波長(回折波長)での照明光強度」の和で表され、映像のカラーバランスは、この各色の「回折効率×回折波長での照明光強度」の値を、良好な白表示となるようある一定の比率に調整することにより達成される。この比率は回折波長により異なるある一定値を取る。
上述のように、複数の回折波長を持つカラーホログラムでは、全ての波長についての回折効率を100%に近づけることは難しく、トレードオフの関係がある。したがって、最も明るくかつカラーバランスの取れたカラー表示を得るためには、光学素子24における各回折ピーク波長(R111)での回折効率が、再生用光源(光源12)の出射光における各回折ピーク波長(R111)での光強度に応じた回折効率となるように、作製用光源(光源31)から出射される各波長(R222)のレーザー光の露光量を調整すればよい。
例えば、図1(a)に示すように、RGBの3色についての回折効率がほぼ等しい光学素子24が作製されているとすると、この光学素子24を図1(b)の照明光源(再生用光源である光源12)でほぼ最大光量で照明すると、白色表示を得るにはGおよびRの光の強度が足りなくなる。そこで、本実施形態では、再生用光源のGおよびRの光強度を考慮して、図1(c)のように、光学素子24でのGおよびRの光の回折効率がBの光の回折効率よりも高くなるように(Rの光の回折効率については、Gの光の回折効率よりもさらに高くなるように)、ホログラム感光材料24aを露光するRGBのレーザー光の露光量をシャッター33にて調整し、調整した露光量でホログラム感光材料24aを露光し、光学素子24を作製する。
なお、図1(b)における曲線rgbは、それぞれRGBの各光強度を示し、曲線Lは、RGBの各光強度を総合した結果を示しているが、これらの光強度は、例えばBの光強度に対する相対値としている。
このように、本実施形態では、再生用光源ではほぼ最大光量で照明し、その照明光の各RGBの回折ピーク波長での光強度を考慮して、それぞれの回折ピーク波長での回折効率を決定し、その設定した回折効率になるよう各色のレーザー光の露光量を調整している。これにより、再生用光源の光強度が大きいほうからBGRの順になっていても(図1(b)参照)、光学素子24での回折効率が小さいほうからBGRの順に大きくなるように光学素子24を作製することができる(図1(c)参照)。つまり、再生用光源において光強度の足りない分を、光学素子24での他の波長よりも高い回折効率で補うことができる。したがって、再生用光源から光学素子24を介して得られる光(再生光)の色調を、用いる再生用光源の出射光の光量を最大限に利用しながら、用いる再生用光源ごとに所望の色調に調整することができる。その結果、用いる再生用光源ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。
特に、光学素子24における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源から光学素子24を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように、作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整すれば、光学素子24を介してカラーバランスの良好なカラー映像を確実に得ることができる。
このとき、光学素子24における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源にて光強度が定格光量の70%以上となる光を発光させて光学素子24に供給したときに、光学素子24から出射される再生光が白色となる回折効率となるように、作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することが望ましい。この場合、再生用光源では、定格光量の70%以上の光強度となる光を発光させているので、光学素子24を介して得られるカラー映像として、カラーバランスが良好でかつ明るいカラー映像を実現することができる。
なお、このような映像の明るさおよび再生用光源の光の効率的な利用を考えると、図1(c)に示すように、回折効率がピークとなる各波長(RGB)の回折効率のうち、最大の回折効率が70%以上となるように、光学素子24を作製すればよい。
なお、以上のことから、本実施形態では、光学素子24における各回折ピーク波長(RGB)での回折効率が、再生用光源の出射光における光強度が降順となる波長の順番(図1(b)ではBGRの順)で増大するように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整しているとも言うことができる。
また、図8は、XYZ表色系におけるXY色度座標を示している。上述のように、明るいカラー表示を得るためには、再生用光源をほぼ最大光量(定格光量の70%以上)で照明したときに、光学素子24での再生光が白色になるように露光量を調整すればよく、再生用光源の照明光は肉眼で見て白色でなくてもよい。このとき、再生光の色が、図8のXY色度座標で、(X,Y)=(0.32±0.05,0.33±0.05)の範囲内にあるような色(図8のW点付近の色)であれば、人間がその再生光を見たときに実質的に白色と感じる。したがって、XY色度座標でX、Yが上記範囲内となるような色の再生光が得られるように、RGBの各露光量を調整し、光学素子24を作製すれば、作製された光学素子24を用いて、カラーバランスが良好でかつ明るいカラー映像を確実に得ることができる。
また、本実施形態では、再生用光源である光源12としてLEDを用いており、光源12にて赤(R)、緑(G)、青(B)ごとに独立して光を発光させているので、光源12での各色ごとの光強度を考慮して光学デバイスを製造することが容易となる。
〔7.露光面上での回折効率の分布について〕
次に、ホログラム感光材料24aの露光面上での回折効率の分布について、以下に説明する。
光学素子24を介してカラー表示を得るためには、ホログラム感光材料24aの同一露光面上に複数の波長(RGB)の干渉縞を記録すればよいことは上述の通りである。このとき、再生時に、観察者が瞳位置によらず、画面全体に色むらのない表示を常に得るためには、上述のように、再生用光源の光源強度を考慮して各色(RGB)の回折効率を設定することに加えて、ホログラム感光材料24aの露光面上において、どの1点をとっても、記録された複数の干渉縞の各色(RGB)の回折効率の比が一定となるように露光すればよい。
ここで、図9(a)は、ホログラム感光材料24aの露光面の平面図を示し、図9(b)(c)(d)は、それぞれ、上記露光面上の長軸方向の位置とその位置におけるRGBの各波長の回折効率との関係を示している。なお、上記露光面上の長軸方向とは、露光面が長方形であれば、その長辺方向を指し、露光面が円であれば、任意の直径に沿った方向を指し、露光面が楕円であれば、その長軸方向を指す。
理想的には、図9(b)のように、各色(RGB)のそれぞれが、ホログラム感光材料24aの露光面全面において同一の回折効率を示せば、必然的に露光面上のどの点においても各色の回折効率の比(R:G:B)は一定となり、画面内および瞳位置による色むらは発生しない。
しかし、実際には、ホログラム露光に用いるRGBのレーザー光は、レーザー出射部周辺ではほぼガウシアン的な強度分布になっているため、露光面上においてもそれに起因する強度分布を持つ。つまり、RGBの各色のレーザー光がガウシアン的な強度分布を有していることにより、ホログラム感光材料24aの露光面上の各点における回折効率も、レーザー光の強度分布とは全く同じではないが上記強度分布を反映した同傾向の分布を持つ。
このため、露光されたホログラム感光材料24aの露光面上では、図9(c)(d)のように回折効率の変化の仕方がRGB間で異なるような回折効率の分布が得られる。このとき、図9(c)のように、露光面上の異なる2点(例えば位置PとQ)のそれぞれにおけるRGBの回折効率の比(R:G:B)が異なっていると、画面内および瞳位置による色むらが発生する。図9(c)の例では、露光面上の中央の位置Qを介して得られる再生光が白色であったとすると、左側の位置Pでは位置QよりもRの回折効率が高いため、赤っぽい映像が得られる。
したがって、この場合、図9(d)に示すように、画面全体での各点において、RGBの回折効率の絶対値は異なっても構わないが、各色の回折効率の比がほぼ一定になるように(RGBごとの露光強度比がほぼ一定となるように)、RGBのレーザー光を調整して露光すればよい。これは、人間は色の違いはわずかな量であっても容易に識別可能であるが、明るさのわずかな違いは識別しにくいという特性を利用している。なお、RGBのレーザー光の調整は、例えばシャッター33での露光量の調整や、ビームエキスパンダー34でのビーム径およびNAの調整により行うことが可能である。
このように、ホログラム感光材料24aの露光面上のどの位置においても、作製用光源である光源31から照射されるレーザー光の強度の各波長(RGB)ごとの比が略一定となるように、上記各波長のレーザー光を調整することにより、作製された光学素子24においては、RGBの回折効率の比がどの位置でも略一定となる。これにより、光学素子24を介して得られるカラー映像における全体の色むらを低減することができる。
このとき、実用上、ホログラム感光材料24aの露光面全領域において、回折効率比を完全に一定にすることは難しいか、本発明で目的とした色むらをなくす効果を得るためには、露光面上の各位置における各色のレーザー強度比の差は、露光面上全ての位置で30%以内にすればよい。つまり、光源31からホログラム感光材料24aの露光面上の第1の位置(例えば位置P)に照射されるRGBのレーザー光の強度をそれぞれR1、G1、B1とし、上記露光面上の第2の位置(例えば位置Q)に照射されるRGBのレーザー光の強度をそれぞれR2、G2、B2とすると、位置PおよびQとして上記露光面上のどの位置を選択しても、
|(R1/G1)−(R2/G2)|≦0.3×(R1/G1)、かつ、
|(B1/G1)−(B2/G2)|≦0.3×(B1/G1)
が成り立つように、RGBの各レーザー光を調整すればよい。これにより、RGBの各色とも、作製される光学素子24の場所による回折効率の差を約20%以下に抑えることができ、実質上、光学素子24における場所ごとの色の違いを問題にならない程度に抑えることができる。
ところで、RGBのレーザー光のホログラム感光材料24aへの実際の露光時には、ホログラム感光材料24aの露光面の全領域でRGBのレーザー強度比の差が30%以内に収まっているかを測定するには手間がかかる。そこで、図10に示すように、上記露光面上でのRGBの各色の最もレーザー強度の強い点Rm、Gm、Bmを測定し、これらの点Rm、Gm、Bm間の位置ずれ量が、上記露光面の長軸方向の長さの1/2以下になるように、RGBのレーザー光を調整してもよい。
つまり、ホログラム感光材料24aの露光面上で、作製用光源としての光源31から照射される各波長(RGB)のレーザー光の強度が最大となる各位置(Rm、Gm、Bm)についての各波長間での位置ずれ量(Δ1=|Rm−Gm|、Δ2=|Gm−Bm|、Δ3=|Bm−Rm|の値)が、上記露光面における長軸方向の長さの1/2以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整してもよい。これにより、作製された光学素子24の面上のどの位置においても、各波長間での回折効率の差を約20%以内に容易にかつ効率的に収めることができる。これにより、光学素子24を介して得られるカラー映像における全体の色むらを、実質的に問題にならない程度まで容易にかつ効率的に低減することができる。
また、図11(a)は、ホログラム感光材料24aの露光面の平面図を示し、図11(b)は、上記露光面上の長軸方向の位置とその位置におけるRGBの各波長のレーザー光の強度との関係を示している。ホログラム感光材料24aの露光面の長軸方向の両端の2点の位置をPおよびQとすると、作製用光源としての光源31から照射される各波長(RGB)のレーザー光の強度が、位置PおよびQにおいて各波長ごとに略同一となるように、各波長のレーザー光を調整してもよい。つまり、位置PにおけるRGBのレーザー光の強度をRp、Gp、Bpとし、位置QにおけるRGBのレーザー光の強度をRq、Gq、Bqとすると、Rp≒Rq、Gp≒Gq、Bp≒Bqとなるように、RGBのレーザー光を調整してもよい。この場合は、さらに簡易的に色むらをなくすことができる。
ところで、人間は、色の違いを識別する場合に比べて、明るさの違いを識別しにくいが、ホログラム感光材料24aの露光面上の各位置にて、RGBごとにレーザー光の絶対強度の差があまりにも大きいと、それは、観察瞳位置にて明るさの差として識別されてしまう場合がある。
そこで、ホログラム感光材料24aの露光面上で、作製用光源としての光源31から照射される各波長(RGB)のレーザー光の絶対強度が最大となる位置と、上記絶対強度が最小となる位置との間での絶対強度の差が、各波長ごとにその最大絶対強度の50%以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整するようにしてもよい。この場合、光学素子24でのRGBごとの回折効率の差、すなわち実際の明るさの差が小さくなるので、色むらだけでなく輝度むらをも改善することができる。
〔8.光源の消費電力を考慮した回折効率の設定について〕
ところで、光源12の消費電力を考慮して光学素子24の回折効率を設定することによっても、用いる光源12ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができ、さらには、その効果を光源12の省電力で得ることができる。以下、光源12の消費電力を考慮した光学素子24の回折効率の設定について説明する。
なお、ここでは、光源12として、図12に示すように、各発光チップ12R・12G・12Bを基板12a上に実装した1パッケージの発光ダイオードで構成されたものを用いるものとする。なお、発光チップ12R・12G・12Bは、各回折ピーク波長(R111)に対応した照明光源である。
例えば、図13(a)に示すように、RGBの3色の各回折ピーク波長(R111)での回折効率がほぼ等しい光学素子24が作製されているとし、この光学素子24が図12の光源12で照明されるものとする。光源12の強度分布は、例えば図13(b)のようになっており、RGBの各発光チップ12R・12G・12Bからの光が、それぞれ対応するRGBのホログラムで回折され、映像光となる。
一般に、RGBの各発光チップを有する光源では、それぞれに対して流すことができる電流の上限値(定格電流値)が設定されている。しかし、図12の光源12ような、複数の発光チップ12R・12G・12Bが1つのパッケージに実装された1チップタイプを用い、これらに同時に電流を流す場合、各発光チップ12R・12G・12Bの発光時の放熱の都合上、全ての発光チップ12R・12G・12Bに定格電流上限の電流を流すことができず、各発光チップ12R・12G・12Bのそれぞれが消費する消費電力の和に上限が設けられている。
このため、実際に使用する際には、各発光チップ12R・12G・12Bの消費電力の和が上限を超えないように、各発光チップ12R・12G・12Bに同時に流す電流値を抑える必要がある。各発光チップ12R・12G・12Bに多くの電流を流せばより明るい映像を得ることができるので、限られた消費電力内で多くの電流を流すには、同じ電流値を流した時の消費電力の小さい色の発光チップに多くの電流を流すのがよい。
そこで、本実施形態では、図13(c)に示すように、各発光チップ12R・12G・12Bに同じ電流値を流したときの消費電力が、大きいほうから12B、12G、12Rの順に小さくなっている場合には、図13(d)に示すように、消費電力が最も少ない発光チップ12Rに対応する回折ピーク波長R1の回折効率が、他の回折ピーク波長G11の回折効率よりも低くなるように、ホログラム感光材料24aを露光する作製用光源(光源31(図7参照))からのRGBのレーザー光の露光量をシャッター33にて調整し、調整した露光量でホログラム感光材料24aを露光し、光学素子24を作製する。
このようにして光学素子24を作製することにより、規定された消費電力の総和の範囲内で、発光チップ12Rに流す電流値を上げてその光量を上げることができる。したがって、極力省電力で明るい光量を得ることができる。一方、回折ピーク波長G11の回折効率が、回折ピーク波長R1よりも高く設定されることになるので、発光チップ12G・12Bに流す電流値を下げても、最終的に得られるGやBの光量が低下することがなくなる。したがって、最終的に得られるRGBの光量低下を起こすことなく、光源12の消費電力を抑えることができる。つまり、省電力で同じ明るさを得ることができる。
しかも、各発光チップ12R・12G・12Bに同時に流す電流を調整する際には、例えば再生光が白色となるように各電流を調整し、RGBの光強度を調整することができる。したがって、この場合には、用いる光源12ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができる。
つまり、光源12の消費電力を考慮して光学素子24を作製することにより、用いる光源12ごとにカラーバランスが良好で明るい映像を得ることができるとともに、その効果を、光源12の省電力で得ることができる。
特に、光学素子24における各回折ピーク波長(R111)での回折効率が、光源12から光学素子24を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように、作製用光源(光源31)から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整すれば、光学素子24を介してカラーバランスの良好なカラー映像を確実に得ることができる。
なお、このような映像の明るさおよび光源12の光の効率的な利用を考えると、図13(d)に示すように、各回折ピーク波長(R111)の回折効率のうち、最大の回折効率が70%以上となるように、光学素子24を作製すればよい。
なお、光源12の消費電力を考慮して回折効率を設定し、光学素子24を作製する場合でも、先に説明したホログラム感光材料24aの露光方法等、本明細書で説明した事項を適用することは勿論可能である。
〔9.LCDについて〕
次に、本実施形態で使用するLCD15の詳細について説明する。
図14(a)(b)は、LCD15の構成例を示すものであって、図14(a)は、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるLCD15の1画素の構成を示す断面図であり、図14(b)は、カラーフィルタを有するLCD15の1画素の構成を示す断面図である。本実施形態では、図14(a)(b)のいずれのLCD15を用いることができる。
まず、図14(a)のLCD15について説明する。図14(a)のLCD15は、光源12から出射される光を映像信号に応じて変調する光変調素子であり、一対の透明基板51・52で液晶層53を挟持して構成されている。一方の透明基板51の液晶層53側には、透明電極(画素電極)54および配向膜55がこの順で積層されており、他方の透明基板52の液晶層53側には、対向電極56および配向膜57がこの順で積層されている。つまり、図14(a)のLCD15は、カラーフィルタを有してはいない。なお、図示はしないが、各画素に対応してTFT(Thin Film Transistor)が設けられており、TFTのゲート電極は走査線と接続され、ソース電極は信号線と接続され、ドレイン電極は透明電極54と接続されている。
図14(a)のLCD15を用いる場合、光源12として異なる発光波長(RGB)の発光チップを時分割で順次発光させるものを用いることができる。このような光源12は、図12で示したような、RGBの発光チップを共通の基板上に有する1チップタイプのものであってもよいし、RGBの発光チップを異なる基板上に独立して有するものであってもよい。
図14(a)のLCD15では、各画素が時分割で駆動される、つまり、各画素における光の透過が、RGBの画像データに応じて時分割で制御されるので、光源12からRGBの光が時分割で順次にLCD15に供給されることにより、LCD15ではRGBの映像が時分割で表示される。これにより、LCD15からのRGBの映像光を光学素子24を介して光学瞳Eに導いたときには、観察者は、カラー映像を観察することができる。
フィールドシーケンシャル方式のLCD15は、光量ロスを招くカラーフィルタを有していないので、このLCD15を用いた場合は、再生用光源である光源12から出射される光の利用効率を上げることができ、明るい映像を得ることができる。また、上記LCD15を用いた場合は、光源12において、RGBの照明光源(発光チップ)が同時に点灯しないので、各照明光源のそれぞれに定格電流の上限値を流すことが可能となる。したがって、この点からも、用いる光源12の出射光の光量を最大限に利用して、明るい映像を得ることができる。
次に、図14(b)のLCD15について説明する。図14(b)のLCD15は、図14(a)のLCD15にさらにカラーフィルタ58を設けたものである。カラーフィルタ58は、RGBの各フィルタ58R・58G・58Bからなり、透明基板52の液晶層53側に形成されている。対向電極56および配向膜57は、カラーフィルタ58上にこの順で積層されている。なお、図14(b)では、1画素内に各フィルタ58R・58G・58Bを形成しているが、各画素ごとに各フィルタ58R・58G・58Bを形成してもよい。
図14(b)のLCD15を用いる場合、光源12として異なる発光波長(RGB)の発光チップを同時に発光させるものを用いることができる。このような光源12は、図12で示したような、RGBの発光チップを共通の基板上に有する1チップタイプのものであってもよいし、RGBの発光チップを異なる基板上に独立して有するものであってもよいし、白色光を出射するものであってもよい。
図14(b)のLCD15では、各画素がRGBの画像データに応じて同時に駆動されるので、光源12からRGBの光(または白色光)が同時にLCD15に供給されることにより、LCD15ではカラー映像が表示される。したがって、LCD15からの映像光を光学素子24を介して光学瞳Eに導いたときには、観察者は、カラー映像を観察することができる。
また、図14(b)のLCD15を用いるときは、光源12として、RGBの光を時分割で順次に発光するものを用いてもよい。この場合は、フィールドシーケンシャル方式の場合と同様に、光源12のRGBの照明光源(発光チップ)のそれぞれに定格電流の上限値を流すことが可能となるので、明るい映像を得ることができる。
このように、カラーフィルタ方式のLCD15を用いるときは、光源12として、RGBの光を同時に発光するものや、RGBの光を時分割で順次に発光するものを用いることができ、これらの両者に対応することができる。
特に、光源12として、RGBの発光チップが1つのパッケージに実装されたものを用いたとき、各発光チップを同時に発光させたときの放熱の都合上、各発光チップのそれぞれが消費する消費電力の和に上限が設けられている。そこで、上述したように、各発光チップの消費電力を考慮して、対応する回折ピーク波長の回折効率を設定してホログラムを作製すれば、省電力でかつカラーバランスが良好で最大限明るい映像を得ることができるので、光変調素子として、カラーフィルタ58を有するLCD15を用いたときでも、性能の良好なHMDを実現することができる。
なお、本実施形態では、接眼光学系21として光学素子24が透明基材22・23で挟持された構成について説明したが、本実施形態で説明した構成は、光学素子24が単に透明基材22上に貼り付けられて光学デバイスが構成される場合にも勿論適用することができる。この場合、本実施形態のような、透明基材22・23同士を接合するための接着剤が不要なので、接着剤の光学素子24への悪影響を無くすことができる。
なお、本実施形態では、透明基材22・23の接合面は、平面である場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば曲面であってもよい。
なお、本実施形態では、映像表示装置1をHMDに適用した例について説明したが、例えばヘッドアップディスプレイに適用することも可能である。
なお、本実施形態では、透明基材22・23として、平板上のものを用いているが、曲率を有するものであってもよい。この場合、接眼光学系21に矯正眼鏡レンズとしての機能を持たせることもできる。
(a)は、本発明の実施の一形態に係るヘッドマウントディスプレイに用いられる映像表示装置の接眼光学系の光学素子における異なる波長ごとの回折効率の一例を示すグラフであり、(b)は、再生時に上記光学素子に光を供給する光源の波長と光強度との関係を示すグラフであり、(c)は、上記光学素子における異なる波長ごとの回折効率の他の例を示すグラフである。 (a)は、上記ヘッドマウントディスプレイの概略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記ヘッドマウントディスプレイの側面図であり、(c)は、上記ヘッドマウントディスプレイの正面図である。 (a)は、上記ヘッドマウントディスプレイの他の構成を示す平面図であり、(b)は、上記ヘッドマウントディスプレイの側面図であり、(c)は、上記ヘッドマウントディスプレイの正面図である。 上記映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 (a)は、上記接眼光学系を構成する2種の透明基材のうちの一方の概略の構成を示す平面図であり、(b)は、上記透明基材の正面図であり、(c)は、他方の透明基材の概略の構成を示す平面図であり、(d)は、上記透明基材の正面図であり、(e)は、上記接眼光学系の平面図である。 上記接眼光学系の製造工程を模式的に示す説明図である。 上記接眼光学系の製造に用いる露光光学系の概略の構成を示す説明図である。 XYZ表色系におけるXY色度座標を示す説明図である。 (a)は、ホログラム感光材料の露光面の平面図であり、(b)(c)(d)は、それぞれ、上記露光面上の長軸方向の位置とその位置におけるRGBの各波長の回折効率との関係のバリエーションを示すグラフである。 上記ホログラム感光材料の露光面上の長軸方向の位置とその位置におけるRGBの各波長のレーザー強度との関係の一例を示すグラフである。 (a)は、上記ホログラム感光材料の露光面の平面図であり、(b)は、上記露光面上の長軸方向の位置とその位置におけるRGBの各波長のレーザー強度との関係の他の例を示すグラフである。 上記映像表示装置に用いられる光源の一構成例を示す説明図である。 (a)は、上記光源の消費電力を考慮せずに回折効率が設定された光学素子における、異なる波長ごとの回折効率の一例を示すグラフである。(b)は、上記光源から出射される光の波長と光強度との関係を示すグラフである。(c)は、上記光源の各発光チップにおける電流と消費電力との関係を示すグラフである。(d)は、上記光源の消費電力を考慮して回折効率が設定された光学素子における、異なる波長ごとの回折効率の一例を示すグラフである。 (a)は、上記映像表示装置に用いられるLCDの一構成例を示す断面図である。(b)は、上記映像表示装置に用いられるLCDの他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1 映像表示装置
2 支持手段
11 映像表示素子
12 光源(再生用光源、発光ダイオード)
12R 発光チップ(照明光源)
12G 発光チップ(照明光源)
12B 発光チップ(照明光源)
15 LCD(光変調素子)
21 接眼光学系(光学デバイス)
22 透明基材
23 透明基材
24 光学素子
24a ホログラム感光材料
31 光源(作製用光源)
31R 光源(作製用光源)
31G 光源(作製用光源)
31B 光源(作製用光源)

Claims (42)

  1. 透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成する光学デバイスの製造方法であって、
    再生時に、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源の出射光における各回折ピーク波長での光強度に応じた回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  2. 透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成する光学デバイスの製造方法であって、
    再生時に、再生用光源として、各回折ピーク波長に対応した複数の照明光源を用い、上記複数の照明光源のうち、同じ値の電流を流したときに消費電力が最も少ない特性を有する照明光源に対応した回折ピーク波長の回折効率が、他の回折ピーク波長の回折効率よりも低くなるように、
    上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
  3. 上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、上記再生用光源から上記光学素子を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の光学デバイスの製造方法。
  4. 上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、上記再生用光源にて光強度が定格光量の70%以上となる光を発光させて上記光学素子に供給したときに、上記光学素子から出射される再生光が白色となる回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の光学デバイスの製造方法。
  5. 上記再生光は、XYZ表色系におけるXY色度座標で、
    (X,Y)=(0.32±0.05,0.33±0.05)
    の範囲内にある白色であることを特徴とする請求項3または4に記載の光学デバイスの製造方法。
  6. 上記再生用光源として、発光ダイオードを用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  7. 上記発光ダイオードは、赤、緑、青の3色の光を発光するものであることを特徴とする請求項6に記載の光学デバイスの製造方法。
  8. 上記発光ダイオードは、異なる発光波長の発光チップが複数個、1つのパッケージに実装されてなることを特徴とする請求項6または7に記載の光学デバイスの製造方法。
  9. 上記ホログラム感光材料の露光面上のどの位置においても、上記作製用光源から照射されるレーザー光の強度の各波長ごとの比が略一定となるように、上記各波長のレーザー光を調整することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  10. 上記作製用光源から出射される複数の波長のレーザー光は、赤、緑、青の各色の光であり、
    上記作製用光源から上記ホログラム感光材料の露光面上の第1の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR1、G1、B1とし、上記露光面上の上記第1の位置とは異なる第2の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR2、G2、B2とすると、
    上記第1の位置および上記第2の位置として、上記露光面上のどの位置を選択しても、
    |(R1/G1)−(R2/G2)|≦0.3×(R1/G1)、かつ、
    |(B1/G1)−(B2/G2)|≦0.3×(B1/G1)
    が成り立つように、上記赤、緑、青の各レーザー光を調整することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  11. 上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が最大となる各位置についての各波長間での位置ずれ量が、上記露光面における長軸方向の長さの1/2以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  12. 上記ホログラム感光材料の露光面の長軸方向の両端の2点における、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が、各波長ごとに略同一となるように、上記各波長のレーザー光を調整することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  13. 上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の絶対強度が最大となる位置と、上記絶対強度が最小となる位置との間での絶対強度の差が、各波長ごとにその最大絶対強度の50%以下となるように、上記各波長のレーザー光を調整することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の光学デバイスの製造方法。
  14. 透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成した光学デバイスであって、
    再生時に、上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率が、再生用光源の出射光における各回折ピーク波長での光強度に応じた回折効率となるように、上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量が調整され、その調整された露光量で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする光学デバイス。
  15. 透明基材上に貼り付けられたホログラム感光材料を作製用光源からの複数の波長のレーザー光で露光し、上記透明基材上に対応する複数の回折ピーク波長を持つホログラム光学素子を形成した光学デバイスであって、
    再生時に、再生用光源として、各回折ピーク波長に対応した複数の照明光源を用い、上記複数の照明光源のうち、同じ値の電流を流したときに消費電力が最も少ない特性を有する照明光源に対応した回折ピーク波長の回折効率が、他の回折ピーク波長の回折効率よりも低くなるように、
    上記作製用光源から出射される各波長のレーザー光の露光量が調整され、その調整された露光量で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする光学デバイス。
  16. 上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率は、上記再生用光源から上記光学素子を介して得られる再生光が白色となる回折効率となるように設定されていることを特徴とする請求項14または15に記載の光学デバイス。
  17. 上記光学素子における各回折ピーク波長での回折効率は、上記再生用光源にて光強度が定格光量の70%以上となる光を発光させて上記光学素子に供給したときに、上記光学素子から出射される再生光が白色となる回折効率となるように設定されていることを特徴とする請求項14または15に記載の光学デバイス。
  18. 上記再生光は、XYZ表色系におけるXY色度座標で、
    (X,Y)=(0.32±0.05,0.33±0.05)
    の範囲内にある白色であることを特徴とする請求項16または17に記載の光学デバイス。
  19. 上記再生用光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の光学デバイス。
  20. 上記発光ダイオードは、赤、緑、青の3色の光を発光するものであることを特徴とする請求項19に記載の光学デバイス。
  21. 上記発光ダイオードは、異なる発光波長の発光チップが複数個、1つのパッケージに実装されてなることを特徴とする請求項19または20に記載の光学デバイス。
  22. 上記ホログラム感光材料の露光面上のどの位置においても、上記作製用光源から照射されるレーザー光の強度の各波長ごとの比が略一定となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする請求項14から21のいずれかに記載の光学デバイス。
  23. 上記作製用光源から出射される複数の波長のレーザー光は、赤、緑、青の各色の光であり、
    上記作製用光源から上記ホログラム感光材料の露光面上の第1の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR1、G1、B1とし、上記露光面上の上記第1の位置とは異なる第2の位置に照射される赤、緑、青のレーザー光の強度をそれぞれR2、G2、B2とすると、
    上記第1の位置および上記第2の位置として、上記露光面上のどの位置を選択しても、
    |(R1/G1)−(R2/G2)|≦0.3×(R1/G1)、かつ、
    |(B1/G1)−(B2/G2)|≦0.3×(B1/G1)
    が成り立つように、上記赤、緑、青の各レーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする請求項14から22のいずれかに記載の光学デバイス。
  24. 上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が最大となる各位置についての各波長間での位置ずれ量が、上記露光面における長軸方向の長さの1/2以下となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする請求項14から23のいずれかに記載の光学デバイス。
  25. 上記ホログラム感光材料の露光面の長軸方向の両端の2点における、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の強度が、各波長ごとに略同一となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする請求項14から24のいずれかに記載の光学デバイス。
  26. 上記ホログラム感光材料の露光面上で、上記作製用光源から照射される各波長のレーザー光の絶対強度が最大となる位置と、上記絶対強度が最小となる位置との間での絶対強度の差が、各波長ごとにその最大絶対強度の50%以下となるように、上記各波長のレーザー光が調整され、その調整されたレーザー光で上記ホログラム感光材料が露光されて上記光学素子が形成されていることを特徴とする請求項14から25のいずれかに記載の光学デバイス。
  27. 請求項14から26のいずれかに記載の光学デバイスと、
    映像を表示して上記光学デバイスに提供する映像表示素子とを備えていることを特徴とする映像表示装置。
  28. 上記映像表示素子は、
    光を出射する再生用光源と、
    上記再生用光源から出射される光を映像信号に応じて変調する光変調素子とを備えていることを特徴とする請求項27に記載の映像表示装置。
  29. 上記再生用光源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項28に記載の映像表示装置。
  30. 上記発光ダイオードは、赤、緑、青の3色の光を発光するものであることを特徴とする請求項29に記載の映像表示装置。
  31. 上記発光ダイオードは、異なる発光波長の発光チップが複数個、1つのパッケージに実装されてなることを特徴とする請求項29または30に記載の映像表示装置。
  32. 上記光変調素子は、フィールドシーケンシャル方式で駆動されるものであることを特徴とする請求項28に記載の映像表示装置。
  33. 上記光変調素子は、カラーフィルタを有するものであることを特徴とする請求項28に記載の映像表示装置。
  34. 上記再生用光源は、異なる発光波長の発光チップを時分割で順次発光させることを特徴とする請求項32または33に記載の映像表示装置。
  35. 上記再生用光源は、異なる発光波長の発光チップを同時に発光させることを特徴とする請求項33に記載の映像表示装置。
  36. 上記光学デバイスの光学素子は、体積位相型の反射型ホログラムであることを特徴とする請求項27から35のいずれかに記載の映像表示装置。
  37. 上記光学デバイスの光学素子は、上記映像表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察者の目に導くコンバイナであることを特徴とする請求項27から36のいずれかに記載の映像表示装置。
  38. 上記光学デバイスは、上記映像表示素子に表示される映像を拡大して観察者の目に虚像として導く接眼光学系を構成していることを特徴とする請求項27から37のいずれかに記載の映像表示装置。
  39. 上記接眼光学系は、非軸対称な光学パワーを有していることを特徴とする請求項38に記載の映像表示装置。
  40. 上記光学デバイスの透明基材は、上記映像表示素子から提供される映像の光を内部で全反射させて上記光学素子に導くことを特徴とする請求項27から39のいずれかに記載の映像表示装置。
  41. 上記光学デバイスの光学素子の透過率は、10%以上であることを特徴とする請求項27から40のいずれかに記載の映像表示装置。
  42. 請求項27から41のいずれかに記載の映像表示装置と、
    上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを備えていることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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