JP2010271554A - ホログラム光学素子を用いた映像表示装置 - Google Patents

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卓也 岸本
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Abstract

【課題】ホログラム光学素子の特性を反映させた色バランスの調整を行い、観察者の視点から見た色バランスを、適切に調整することが容易となる映像表示装置を提供する。
【解決手段】複数色の光を発して映像を表示する表示部と、前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子で回折させて観察者に届ける光学系と、を備え、該観察者に前記映像を観察させる映像表示装置であって、前記表示部から発せられて、ホログラム光学素子で回折した光の強さを、前記複数色ごとに検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて、前記表示部の発光強度を、前記複数色ごとに調整する調整部と、を備えた構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ホログラム光学素子の特性を利用した映像表示装置に関する。
従来、ホログラム(ホログラフィック)光学素子(Holographic Optical Element:HOE)の特性を利用した映像表示装置(以下、便宜的に「HOE表示装置」と称することがある)が、例えば特許文献1等において提案されている。ここでホログラム光学素子の特性について、以下に簡潔に説明する。
ホログラム光学素子は、干渉性の高い二つの光束が感材に照射され、その干渉状態が記録されることで作製される。そしてホログラム光学素子は、作製時に与えた一方の光束が与えられると、作製時に与えた他方の光束を再生する。これは波面再現機能と呼ばれ、この波面再現機能を利用することによって、ホログラム光学素子を、高精度なレンズとして機能させることができる。
また反射型ホログラム光学素子の回折効率は、例えば図15のグラフ(横軸は波長を、縦軸は回折効率を表す)に示すように、急峻なピークをもった波長特性を有する。なお、ピークとなるときの波長は、ホログラム光学素子の作製時に用いられた光の波長に等しい。これによりホログラム光学素子は、ほぼ作製に用いられた波長の光のみを回折反射させることになる。これは波長選択機能と呼ばれ、この波長選択機能を利用することによって、ホログラム光学素子を、二つの光を効率よく重ね合わせるコンバイナとして機能させることができる。
上述したホログラム光学素子の特性、つまり波面再現機能や波長選択機能が利用されることにより、高いシースルー性と明るい映像表示を両立させるHOE表示装置(例えばHMD[Head Mounted Display])が実現される。なおHOE表示装置においては、映像光を伝送するための光学系に、所定のホログラム光学素子が設けられることになる。
ところで、一般的な(ホログラム光学素子を用いていない)映像表示装置においては、映像を適切に表示するため、色バランスの調整(色ごとの輝度の調整)が可能となっている場合がある。色バランスの調整は、例えば装置に設けられた輝度センサによって各色の光の強度が検出され、この検出結果に基づいて実行される。ここで一般的な映像表示装置における色バランスの調整機構について、図16を参照しながら簡潔に説明する。
色バランスの調整を行う一般的な映像表示装置は、通常、図16に示すように、映像表示部101、輝度検出部102、および輝度調整部103を備えている。映像表示部101は、映像光を生成して出力する機能部であり、例えばPDPやLCD(バックライト等の光源も含む)などによって形成される。映像表示部101から出力された映像光が、観察者105へ届くことにより、その映像が観察者105によって認識される。
また輝度検出部102は、映像表示部101から映像光と同等の強さをもつ光(サンプル光)を受け、その強さを所定の色ごと(例えばRGBごと)に検出する機能部であり、輝度センサなどによって形成される。また輝度調整部103は、輝度検出部102によって検出された光の強さが所定の目標値(最適な色バランスとなる値)へ近づくように、映像表示部101の発光強度を調整する。
このように一般的な映像表示装置においては、サンプル光の強さの情報がフィードバックされることによって、色バランスの調整が実行される。なお、色バランスの調整等が自動的に実行される映像表示装置については、例えば特許文献2〜5の各々に開示されている。
特開2008−122508号公報 特開平6−11713号公報 特開平5−241128号公報 特開2005−274816号公報 特開平6−70268号公報
ところで、色バランスの調整機能をもつHOE表示装置を実現させるにあたっては、HOE表示装置においても、先述したような色バランスの調整機構を採用することが考えられる。このようにして、色バランスの調整機能をもたせたHOE表示装置の構成例を、図17に示す。本図に示すように、HOE表示装置においては、映像光を観察者105に届けるための光学系には、ホログラム光学素子104が介在する。
図17に示すHOE表示装置によれば、映像表示部101から出力された映像光は、ホログラム光学素子104において回折し、この回折した映像光が、観察者105に届く。一方、輝度検出部102は、映像表示部101から出力されたサンプル光を、ホログラム光学素子を介さずに受取る。
ここで先述した通り、ホログラム光学素子は、図15に示すような回折効率の特性を有している。そのため、ホログラム光学素子で回折していないサンプル光と、ホログラム光学素子104で回折した映像光との間には、光の強さにおいて、相当な差異が生じることとなる。
その結果、図17に示すHOE表示装置においては、輝度検出部102の検出結果に基づいて、最適な色バランスとなるように映像表示部101の発光強度が調整されたとしても、観察者105の視点から見れば、色バランスが最適に調整されたことにはならない。このように、図17に示すHOE表示装置においては、観察者105にとって最適な色バランスとなるように、映像表示部101の発光強度を調整することは、困難であるといえる。
なおHOE表示装置においては、映像表示部101を構成するデバイス等の特性が、使用環境(温度や湿度など)や経時変化、或いは個体差などによってバラつくだけでなく、ホログラム光学素子104の特性(特に、波長と回折効率の関係)も、同様にバラつく可能性がある。この点、図17に示すHOE表示装置においては、映像表示部101の発光強度の調整に、ホログラム光学素子104の特性が反映されないため、当該調整の精度を良好に維持することは困難となる。
本発明は、上述した問題点に鑑みて、ホログラム光学素子の特性を反映させた色バランスの調整を行い、観察者の視点から見た色バランスを適切に調整することが容易となる映像表示装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る映像表示装置は、複数色の光を発して映像を表示する表示部と、前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子(「第1HOE」とする)で回折させて観察者に届ける光学系と、を備え、該観察者に前記映像を観察させる映像表示装置であって、前記表示部から発せられて、ホログラム光学素子(「第2HOE」とする)で回折した光の強さを、前記複数色ごとに検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて、前記表示部の発光強度を、前記複数色ごとに調整する調整部と、を備えた構成とする。なおここでの第1HOEと第2HOEは、別個のホログラム光学素子であってもよく、共通のホログラム光学素子で兼用されていてもよい。
また上記構成において、前記調整部は、前記検出部による前記複数色ごとの検出結果が、該複数色ごとに設定された目標値に近づくように、前記表示部の発光強度を調整する構成としてもよい。
また上記構成において、前記第2HOEは、前記第1HOEとは別のホログラム光学素子として設けられているとともに、前記第1HOEと同等の特性を有している構成としてもよい。
また上記構成において、前記光学系は、前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子で形成された導光板で回折させた上で、該導光板とは別に設けられた表示用ホログラム光学素子で回折させ、観察者に届けるものであり、前記検出部は、前記表示部から発せられて該導光板で回折した光のうち、前記表示用ホログラム光学素子に入射しない光の強さを検出する構成としてもよい。
また上記構成において、前記第1HOEと第2HOEは、所定の表示用ホログラム光学素子によって兼用されており、前記検出部は、前記表示部から発せられて、該表示用ホログラム光学素子の一部で回折した光の強さを検出する構成としてもよい。
また本発明に係る別の形態の映像表示装置は、複数色の光を発して映像を表示する表示部と、前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子で回折させて観察者に届ける光学系と、を備え、該観察者に前記映像を観察させる映像表示装置であって、前記表示部から発せられた光の強さと、前記表示部から発せられて該ホログラム光学素子を透過した光の強さとの差を、前記複数色ごとに検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて、前記表示部の発光強度を、前記複数色ごとに調整する調整部と、を備えた構成とする。
また上記構成において、前記表示部は、複数色に発光する光源と、該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、を有しており、該光源は、2色または3色に発光するLEDである構成としてもよい。
また上記構成において、前記表示部は、複数色に発光する光源と、該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、を有しており、該光源は、2色または3色に発光するレーザー発生装置である構成としてもよい。
また上記構成において、前記表示部は、複数色に発光する光源と、該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、を有しており、前記調整部は、該光源の発光強度を調整する構成としてもよい。
また上記構成において、前記表示部は、複数色に発光する光源と、該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、を有しており、前記調整部は、該空間変調素子における、変調の度合を調整する構成としてもよい。
本発明に係る映像表示装置によれば、表示部から発せられてホログラム光学素子で回折した光、或いは、ホログラム光学素子を透過した光の強さに応じて、表示部の発光強度が複数色ごとに調整される。そのため、ホログラム光学素子の特性を反映させた色バランスの調整を行い、観察者の視点から見た色バランスを、適切に調整することが容易となる。
本発明の実施形態に係るHOE表示装置の概略的な構成図である。 本発明の実施形態に係る、第1態様のHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例1に係るHOE表示装置の構成図である。 LCDから出力される光に関する説明図である。 本発明の実施形態に係るHMDの外観図である。 本発明の実施例1に係る、HMDに適用された場合のHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例2に係るHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例2に係る、HMDに適用された場合のHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例3に係るHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例3に係る、HMDに適用された場合のHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例4に係るHOE表示装置の構成図である。 本発明の実施例4に係る、HMDに適用された場合のHOE表示装置の構成図である。 レーザー発生装置が適用された場合の、HOE表示装置の構成図である。 LCDにおける光の透過率が調整されるようにした場合の、HOE表示装置の構成図である。 ホログラム光学素子の波長選択機能に関する説明図である。 一般的な映像表示装置の色バランス調整機構に関する説明図である。 HOE表示装置の色バランス調整機構に関する説明図である。
まず、本発明の実施形態に係るHOE表示装置に採用される、色バランス調整機構の概要について説明する。当該HOE表示装置9は、図1に示すように、映像表示部1、ホログラム光学素子2、輝度検出部3、および輝度調整部4などを備える。
映像表示部1は、複数色の光を発して、映像を表示する(ホログラム光学素子2等に向けて、光を出力する)機能部である。なお映像表示部1は後述するように、例えば、LED[Light Emitting Diode]等の光源や、LCD[Liquid Crystal Display]等の空間変調素子などによって形成される。
また映像表示部1から出力される光には、ホログラム光学素子2で回折して観察者5に届けられる映像光と、映像表示部1の発光強度の調整に用いられる光(本願では便宜的に、「サンプル光」と称する)が含まれる。サンプル光としては、映像表示部1から出力される光のうちの、映像光に属さない部分が用いられるが、映像光と同等の強さ(LCDにおける透過率などを考慮しない場合)を有することになる。
ホログラム光学素子2は、映像表示部1から出力された映像光を観察者5へ届ける光学系に設けられている。これにより、観察者5には、ホログラム光学素子2において回折した映像光が届けられることになる。その結果、HOE表示装置9は、高いシースルー性と明るい映像表示を両立させることが可能となっている。
輝度検出部3は、サンプル光の強さの測定結果を利用して、映像表示部1の輝度を複数色(波長帯)ごとに検出し、この検出結果を輝度調整部4に伝送する機能部である。なお輝度検出部3が検出する輝度は、観察者5の視点から見た場合の輝度、つまり、ホログラム光学素子2で回折した映像光に基づく輝度と、同等のものである。輝度検出部3が、どのようにして輝度を検出するかについては、後の説明で明らかになる。
また輝度調整部4は、輝度検出部3によって検出された輝度が、予め設定されている所定の目標値(最適な色バランスとなる値)へ近づくように、映像表示部101の発光強度を調整する機能部である。なお輝度調整部4は、複数色ごとに発光強度を調整するものであり、後述するように、DSPやLEDドライバなどによって形成される。
このようにHOE表示装置9によれば、観察者5の視点から見た場合の輝度に基づいて、色バランスの調整が自動的に実行される。そのため、観察者5の視点から見て最適な色バランスとなるように映像表示部1の発光輝度を調整することが、図17に示したHOE表示装置などに比べて容易となっている。
なお、色バランスの調整が、HOE表示装置9の内部で自動的に実行されることにより、当該装置の製造時に実施される調整工程を、極力簡潔なものとすることが可能となる。また更に、当該装置の使用中において、温度や湿度の変化等の環境変化が生じた場合であっても、最適な色バランスを保つことが容易となり、性能の劣化を防止することが可能となる。
輝度検出部3の具体的な態様としては、後述する2種類の態様(以下、「第1態様」および「第2態様」とする)が挙げられる。第1態様の輝度検出部3は、図2に示すように、第1HOE2a、第2HOE2b、および輝度センサ16を備えるものである。
第1HOE2aは、映像表示部1から出力された映像光を、観察者5へ届けるための光学系に設けられた、ホログラム光学素子である。第1HOE2aが設けられることにより、観察者5には、第1HOE2aにおいて回折した映像光が届けられることになる。
第2HOE2bは、映像表示部1から出力されたサンプル光を、輝度検出部3へ届けるための光学系に設けられた、ホログラム光学素子である。第2検出用HOE2bが設けられることにより、輝度検出部3には、第2HOE2bにおいて回折した映像光が届けられることになる。
なお、第1HOE2aと第2HOE2bは、映像光もしくはサンプル光についての波長ごとの回折効率が、同等となるように設定されている。より具体的には、第1HOE2aと第2HOE2bは、同等の条件(感材の材質や、作製時における光束の照射条件等が同等)で作成されることにより、同等の特性を有するようになっている。そして更に、第1HOE2aへの映像光の入射角と、第2HOE2bへのサンプル光の入射角が、同等となるように、第1HOE2aおよび第2HOE2bが配置されている。これにより、輝度センサ16には、観察者5に届く映像光と同等の強さのサンプル光(つまり、同等の効率で回折した光)が、届けられるようになっている。第2HOE2bの作製条件が第1HOE2aと異なり、更に第2HOE2bへのサンプル光の入射角が第1HOE2aへの映像光の入射角と異なる場合は、輝度センサ16に届くサンプル光の回折光強度および回折光の波長は、観察者5に届く映像光とは異なるものになる。
輝度センサ16は、第2HOE2bで回折したサンプル光の強さを測定して、この測定結果を、輝度調整部4に伝送する。これにより、輝度検出部3によって検出される輝度は、観察者5に観察される輝度と同等のものになる。
また第1態様の輝度検出部3においては、第1HOE2aおよび第2HOE2bの一方、若しくは双方が、複数のホログラム光学素子によって形成されていても構わない。また、第1HOE2aと第2HOE2bの双方の役割を兼ねる、共通のホログラム光学素子が設けられるようにしても構わない。なお、第1態様の輝度検出部3が採用されたHOE表示装置のより詳細な構成等については、実施例1から実施例3の各々として、改めて説明する。
一方、第2態様の輝度検出部3は、ホログラム光学素子を透過する映像光の強さと、サンプル光の強さの双方を測定し、これらの測定結果を利用して、輝度を検出するものである。なお、第2態様の輝度検出部3が採用されたHOE表示装置のより詳細な構成等については、実施例4として改めて説明する。
以下、実施例1から実施例4の各々について、順に説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係るHOE表示装置について、以下に説明する。当該HOE表示装置9は、図3に示すように、LED11、LCDドライバ12、LCD13、表示用HOE14、検出用HOE15、輝度センサ16、DSP17、およびLEDドライバ18などを備えている。
LED11は、中心波長が例えば465nm、520nm、635nmとなる3つの波長帯域の光を発するRGB一体型のLEDで構成されており、LEDドライバ18からの供給電力に応じた強さで発光する光源である。LED11は、LCD13のバックライトとしての役割を果たす。
LCDドライバ12は、前段側から映像信号が供給されるようになっており、この映像信号に基づいてLCD13を制御するための制御信号を生成し、LCD13に出力する。
LCD13は、LCDドライバ12から伝送される制御信号に基づいて、LED11からの光を変調することにより、映像を表示する映像表示素子(空間変調素子)である。なお、本実施形態では、LCD15は、透過型であるが、反射型で構成されていてもよい。また、LCD以外の変調素子(例えばDMD(Digital Micromirror Device;米国テキサスインスツルメント社製))を映像表示素子として用いてもよい。このようにLED11、LCDドライバ12、およびLCD13等によって、先述した映像表示部1が実現されている。
なおLCD13から出力される光には、映像光とサンプル光が含まれ、後述する通り、これらの光がHOE表示装置9において利用されることとなる。ここでサンプル光の伝送や検出に用いられる光学系(検出用HOE15を含む)は、映像光の伝送が阻害されないように設定されている。より具体的には、LCD13から出力される光には、図4に示すように、映像光の他に、表示用HOE14に伝送されない光(映像光を伝送する光学系から外れている光)が存在する。そこで、サンプル光の伝送や検出するための光学系は、映像光に干渉せず、表示用HOE14に伝送されない光の一部(つまりこれが、サンプル光となる)を伝送するように設定されている。
表示用HOE14は、特定の入射角で入射する例えば465±10nm、520±10nm、635±10nm、つまりRGBの各色に対応する3つの波長帯域の光を回折させる、体積位相型の反射型ホログラム光学素子(HOE)で構成されている。表示用HOE14は、LCD13から出力された映像光を受け、これを観察者5に向けて回折反射させるとともに、外界光(観察者5側と逆の側から受ける光)を、観察者5に向けて透過させる。これにより、外界光に映像光が重畳された光が、観察者5に届けられる。このように表示用HOE14によって、先述した第1HOE2aが実現されている。
検出用HOE15は、表示用HOE14と同等の特性(特に、波長と回折効率の関係)を有しており、LCD13から出力されたサンプル光を受け、これを輝度センサ16に向けて回折反射させる。このように検出用HOE15によって、先述した第2HOE2bが実現されている。
輝度センサ16は、受ける光(検出用HOE15によって回折されたサンプル光)の強さを、RGBの色ごとに別個に検出する。これにより輝度センサ16は、LED11の輝度を、RGBの色ごとに検出することが可能となっている。また輝度センサ16によって得られた検出結果(検出値)を表す信号は、DSP17に伝送される。
DSP17は、輝度センサ16によって得られた検出値を用いて、色バランスの調整を実行する。より具体的には、DSP17は先ず、LCD13の光の透過率を所定状態(例えば、最大の状態)とした上で、LED11を、RGBの各々に順に発光させる。そしてDSP17は、このときの輝度センサ16の検出結果(RGBごとの、サンプル光の強さの検出値)を取得する。
その後DSP17は、当該検出値と、予め登録された目標値(最適な色バランスとなる値)との差を算出し、この差が小さくなるように、LEDドライバ18を制御する。つまりDSP17は、RGBの各色について、検出値が目標値より大きいときは、LED11の輝度が小さくなるようにLEDドライバ18を制御し、検出値が目標値より小さいときは、LED11の輝度が大きくなるようにLEDドライバ18を制御する。当該制御は、例えば、検出値と目標値との差が所定の許容範囲内に収まるまで、繰り返される。
このようなフィードバック制御が実行されることにより、色バランスの調整が実現されることになる。なお色バランスの調整は、映像の表示中に、定期的に実行されるようにしてもよく、映像が表示されていない時期に(例えばテストモードにおいて)実行されるようにしてもよい。
またLEDドライバ18は、DSP17の制御に応じて、LED11に供給される電力を調整する。これによりLED11は、DSP17の制御に従った輝度で発光することになる。このようにDSP17やLEDドライバ18等によって、先述した輝度調整部4が実現されている。上述した構成により、HOE表示装置9においては、DSP17によって検出される映像処理部1の輝度は、観察者5が観察する映像処理部1の輝度と同等になる。
またHOE表示装置9は、HMD[Head Mounted Display]や、車載用のHUD[Head-UP Display]などに適用することが可能である。ここでHOE表示装置9が適用されたHMDの構成について、以下に説明する。
まず、HMDの全体的な構成について、図5(a)〜(c)を参照しながら説明する。図2(a)は、本実施形態に係るHMDの概略の構成を示す平面図であり、図2(b)は、HMDの側面図であり、図2(c)は、HMDの正面図である。HMDは、先述したHOE表示装置9と、それを支持する支持手段30とを有しており、全体として、一般の眼鏡から一方(例えば左目用)のレンズを取り除いたような外観となっている。
HOE表示装置9は、観察者に外界像をシースルーで観察させるとともに、映像を表示して観察者にそれを虚像として提供することになる。図5(c)で示すHOE表示装置9において、眼鏡の右目用レンズに相当する部分は、後述する接眼プリズム62および偏向プリズム63(ともに図6を参照)の貼り合わせによって構成されている。
支持手段30は、HOE表示装置9を観察者の眼前(例えば右目の前)で支持するものであり、ブリッジ33と、フレーム34と、テンプル35と、鼻当て36と、ケーブル37とを有している。なお、フレーム34、テンプル35および鼻当て36は、左右にそれぞれ設けられている。
HOE表示装置9の一端は、ブリッジ33に支持されている。このブリッジ33は、HOE表示装置9のほかにも左側のフレーム34および鼻当て36を支持している。左側のフレーム34は、左側のテンプル35を回動可能に支持している。一方、HOE表示装置9の他端は、右側のフレーム34に支持されている。右側のフレーム34において、HOE表示装置9の支持側とは反対側の端部は、右側のテンプル35を回動可能に支持している。ケーブル37は、外部信号(例えば映像信号、制御信号)や電力をHOE表示装置9に供給するための配線であり、右側のフレーム34および右側のテンプル35に沿って設けられている。
観察者がHMDを使用するときは、右側および左側のテンプル35を観察者の右側頭部および左側頭部に接触させるとともに、鼻当て36を観察者の鼻に当て、一般の眼鏡をかけるようにHMDを観察者の頭部に装着する。この状態で、HOE表示装置9にて映像を表示すると、観察者は、HOE表示装置9の映像を虚像として観察することができるとともに、このHOE表示装置9を介して、外界像をシースルーで観察することができる。
次に、HMDに適用されたHOE表示装置9の構成について説明する。図6は、HOE表示装置9の構成を示す断面図である。HOE表示装置9は、映像表示部1(LED11およびLCD13を含む)、検出用HOE15、輝度センサ16、および接眼光学系60(表示用HOE14を含む)等によって構成されている。なお先述したLCDドライバ12、DSP17、およびLEDドライバ18については図示していないが、映像光やサンプル光の伝送を妨げない所定の位置に設置されている。
映像表示部1は、先述したLED11とLCD13の他、一方向拡散板51および集光レンズ52をも有している。一方向拡散板51は、LED11からの照明光を拡散させるものであるが、その拡散度は方向によって異なっている。
より詳細には、一方向拡散板51は、HMDを観察者が装着したときの左右方向に対応する方向(図6の紙面に垂直な方向)には、入射光を約40゜拡散させ、HMDを観察者が装着したときの上下方向(図6の紙面に平行な方向)には、入射光を約0.2゜拡散させる。集光レンズ52は、一方向拡散板51にて拡散された光を集光するものである。集光レンズ52は、上記拡散光が効率よく光学瞳Eを形成するように配置されている。
検出用HOE15は、LCD13と接眼プリズム62との間であって、サンプル光が照射される位置に設置されている。なお検出用HOE15は、接眼プリズム62に介在するように設置されても構わない。また輝度センサ16は、検出用HOE15によって回折反射されたサンプル光が照射される位置に設置されている。
一方、接眼光学系60は、接合プリズムで構成されている。この接合プリズムは、表示用HOE14を挟むように、接眼プリズム62と偏向プリズム63とが接合されて、形成されている。
接眼プリズム62および偏向プリズム63は、例えばアクリル系樹脂で構成されており、これらは接着剤で接合されている。接眼プリズム62は、平行平板の下端部を楔状にし、その上端部を厚くした形状で構成されており、図6に示すように、面62a・62b・62cを有している。面62aは、映像表示部1からの映像光が入射する入射面であり、面62b・62cは互いに対向する面である。このうち、面62bは、全反射面兼射出面となっている。
偏向プリズム63は、平行平板の上端部を接眼プリズム62の下端部に沿った形状とすることによって、接眼プリズム62と一体となって略平行平板となるように構成されている。また表示用HOE14は、接眼プリズム62の下端部の傾斜面に貼り付けられており、この結果、接眼プリズム62と偏向プリズム63とで挟まれている。体積位相型の反射型ホログラムは、例えば、フォトポリマーからなる感光層を含む光学フィルムを接眼プリズム62上に貼り付け、これをレーザー光で露光することによって作製される。
このような光学系の構成により、映像表示部1のLED11から出射された光は、一方向拡散板51にて拡散され、集光レンズ52にて集光されてLCD13に入射する。LCD13に入射した光は、映像信号に基づいて変調され、映像光として出射される。このとき、LCD13には、その映像自体が表示される。
LCD13からの映像光は、接眼光学系60の接眼プリズム62の内部にその上端面(面62a)から入射し、対向する2つの面62b・62cで複数回全反射されて、表示用HOE14に入射する。表示用HOE14に入射した光はそこで回折反射され、面62bを介して射出され、光学瞳Eに達する。光学瞳Eの位置では、観察者は、LCD13に表示された映像の拡大虚像を観察することができる。光学瞳Eから虚像までの距離は数m程度であり、また、虚像の大きさはLCD13に表示された映像の10倍以上である。
一方、接眼プリズム62、偏向プリズム63および表示用HOE14は、外界からの光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像を観察することができる。したがって、LCD13に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。以上のことから、表示用HOE14は、映像表示部1から提供される映像(映像光)と外界像(外光)とを同時に観察者の目に導く、コンバイナとして機能していると言える。上述した構成により、図3に示す構成が実現されることとなる。
なお、本実施例に係るHOE表示装置9においては、検出用HOE15(第2HOE2b)は、表示用HOE14(第1HOE2a)とは別のホログラム光学素子として設けられているとともに、表示用HOE14と同等の特性を有している。また本実施例に係るHOE表示装置9によれば、輝度センサ16等を、観察者5の視界に入らない位置に配置させることが容易である。そのため、ホログラムディスプレイの特徴であるシースルー性を、良好に維持させることが容易となる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係るHOE表示装置について、以下に説明する。なお本実施例の構成は、映像光およびサンプル光を伝送する光学系などに関わる部分を除いて、実施例1の構成と同等であり、重複した説明を省略する。当該HOE表示装置9は、図7に示すように、ホログラム導光板19を備えているが、検出用HOE15を備えていない。
ホログラム導光板19は、特定の入射角で入射する例えば465±10nm、520±10nm、635±10nm、つまりRGBの各色に対応する3つの波長帯域の光を回折させる、体積位相型の反射型ホログラム光学素子で形成されており、LCD13から出力された光を回折反射させる。すなわちホログラム導光板19の特性(特に、波長と回折効率の関係)は、表示用HOE14の特性と同等である。
またホログラム導光板19は、LCD13から出力される光のうち、映像光については、表示用HOE14に向けて回折反射させ、サンプル光については、輝度センサ16に向けて回折反射させるようになっている。
このような構成により、映像光は、ホログラム導光板19において回折反射した後、さらに表示用HOE14で回折反射して、観察者5に届くことになる。一方、サンプル光は、ホログラム導光板19において回折反射して、輝度センサ16に届くことになる。
なお、ホログラム導光板19および表示用HOE14は、特定の波長帯域の光に対して、非常に高い回折効率を有しており、それ以外の波長帯域に対しては、非常に低い回折効率を有している。そのため、ホログラム導光板19で回折反射する映像光(表示用HOE14に入射する光)の強さと、表示用HOE14で回折反射する映像光の強さとの差異は、比較的小さいものとなる。その結果、DSP17によって検出される映像処理部1の輝度は、観察者5が観察する映像処理部1の輝度と、ほぼ同等と見ることができる。
また本実施例に係るHOE表示装置9も、HMDや、車載用のHUDなどに適用することが可能である。ここで図8に、HMDに適用されたHOE表示装置9の構成を示す。図8に示すように、ホログラム導光板19は、接眼プリズム62の面62bに密着するように、かつ、映像光とサンプル光の双方が照射される位置に、配置されている。また輝度センサ16は、接眼プリズム62の面62cに密着するように、かつ、ホログラム導光板19で回折したサンプル光が照射される位置(映像光には照射されない位置)に、配置されている。このような構成により、図7で示す構成が実現されることとなる。
なお本実施例に係るHOE表示装置9は、映像表示部1から発せられた光を、ホログラム導光板19で回折させた上で、ホログラム導光板19とは別に設けられた表示用HOE14で回折させ、観察者5に届ける光学系を有しているといえる。また本実施例の輝度センサ16(輝度検出部3の一部)は、映像表示部1から発せられてホログラム導光板19で回折した光のうち、表示用HOE14に入射しない光の強さを検出するようになっている。このような構成により、検出用のホログラム光学素子を新たに追加することなく、実施例1とほぼ同等の効果が得られるものとなっている。
また本実施例に係るHOE表示装置9によれば、実施例1に係るHOE表示装置9と同様に、輝度センサ16等を、観察者5の視界に入らない位置に配置させることが容易である。そのため、ホログラムディスプレイの特徴であるシースルー性を、良好に維持させることが容易となる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3に係るHOE表示装置について、以下に説明する。なお本実施例の構成は、サンプル光を伝送する光学系などに関わる部分を除いて、実施例1の構成と同等であり、重複した説明を省略する。
当該HOE表示装置9は、図9に示すように、検出用HOE15を備えていない。その一方で、表示用HOE14は、映像光だけでなく、サンプル光も入射される位置に配置されている。そして表示用HOE14は、映像光を観察者5に向けて回折反射させるだけでなく、サンプル光を輝度センサ16に向けて回折反射させる役割をも果たしている。その結果、DSP17によって検出される映像処理部1の輝度は、観察者5が観察する映像処理部1の輝度と同等になる。
また本実施例に係るHOE表示装置9も、HMDや、車載用のHUDなどに適用することが可能である。ここで図10に、HMDに適用されたHOE表示装置9の構成を示す。図10に示すように、表示用HOE14は、接眼プリズム62と偏向プリズム63の間に、映像光とサンプル光の双方が照射されるように、配置されている。そして輝度センサ16は、接眼プリズム62の面62bに密着するように、かつ、表示用HOE14で回折したサンプル光が照射される位置(映像光には干渉しない位置)に、配置されている。このような構成により、図9で示す構成が実現されることとなる。
また、本実施例に係るHOE表示装置9においては、第1HOE2aと第2HOE2bに相当するホログラム光学素子は、表示用HOE14によって兼用されており、輝度センサ16(輝度検出部3の一部)は、映像表示部1から発せられて、表示用HOE14の一部で回折した光の強さを検出するものとなっている。
そのため、本実施例に係るHOE表示装置9によれば、先述した各実施例のものに比べて、輝度センサ16が観察者5の視界に入り易く、ホログラムディスプレイの特徴であるシースルー性を、良好に維持させることがやや難しくなる。しかしながら、先述した検出用HOE15の設置を省略して簡潔な構成とすることが可能であり、製品の低廉化を図ることが容易となる。
なお本実施例に係るHOE表示装置9によれば、観察者5に届く映像光と輝度センサ16に届くサンプル光は、殆ど同じ条件(同一の表示用HOE14が介在する経路)で伝送されるため、これら光の強さの差異を、より一層小さくすることが容易となる。そのため、輝度センサ16における検出精度がより向上させ、精度の高い色バランスの調整が可能となる。
[実施例4]
次に、本発明の実施例4に係るHOE表示装置について、以下に説明する。なお本実施例の構成は、サンプル光を伝送する光学系や、LED11における輝度の検出手法などに関わる部分を除いて、実施例1の構成と同等であり、重複した説明を省略する。
当該HOE表示装置9は、図11に示すように、検出用HOE15を備えていないが、サンプル光(ホログラム光学素子で回折していないもの)が照射される第1輝度センサ16aと、表示用HOE14を透過した映像光が照射される第2輝度センサ16bと、減算器21と、を備えている。減算器21は、第1輝度センサ16aの検出結果(検出値)から、第2輝度センサ16bの検出結果(検出値)を差し引いた値を算出し、この算出結果をDSP17に伝送する。
ここで、表示用HOE14に入射する映像光は、殆どが回折もしくは透過することになるから、表示用HOE14に入射する映像光の強さと、表示用HOE14を透過する映像光の強さとの差は、表示用HOE14で回折反射する(観察者5に届く)映像光の強さとみなすことができる。また、表示用HOE14に入射する映像光の強さは、第1輝度センサ16aに入射するサンプル光の強さと同等である。そのため、DSP17によって検出される映像処理部1の輝度は、観察者5が観察する映像処理部1の輝度と同等になる。
また本実施例に係るHOE表示装置9も、HMDや、車載用のHUDなどに適用することが可能である。ここで図12に、HMDに適用されたHOE表示装置9の構成を示す。図12に示すように、第1輝度センサ16aは、例えばLCD13と接眼プリズム62との間であって、反射板70によって全反射されたサンプル光が照射される位置に配置されている。また第2輝度センサ16bは、例えば偏向プリズム63の底面に密着するように、かつ、表示用HOE14を透過した映像光が照射される位置に、配置されている。このような構成により、図11で示す構成が実現されることとなる。なお減算器21については図示していないが、映像光やサンプル光の伝送を妨げない所定の位置に設置されている。
本実施例に係るHOE表示装置9によれば、輝度センサ16等を、観察者5の視界に入らない位置に配置させることが容易である。そのため、ホログラムディスプレイの特徴であるシースルー性を、良好に維持させることが容易となる。また、先述した検出用HOE15の設置を省略して簡潔な構成とすることが可能であり、製品の低廉化を図ることが容易となる。ただし、サンプル光の強さを測定するための輝度センサに加えて、映像光の強さを測定するための輝度センサも必要となる。
[まとめ]
以上、各実施例について説明したが、それぞれにおいて、種々の改変を加えることも可能である。例えば、各実施例では、3色の光を発するLEDが光源として適用されていたが、その代わりに、2色或いは4色以上の光を発するLEDが適用されてもよい。なおLEDは、低価格で取り扱いが容易である点で、比較的優れている。また本実施形態のHOE表示装置は、色バランスを調整する機能を有していることにより、LEDの固体ごとの特性(発せられる光の波長など)のバラツキを、吸収することが可能となっている。
また、図13に示すように、複数色のレーザー光を発するレーザー装置(例えば、2色または3色に発光するレーザー装置など)11aが、光源として適用されてもよい。このようにすれば、高輝度の映像が必要な場合であっても、より容易に対応可能となる。またデバイスの温度変化による性能の変動を、極力抑えることが可能となる。なおこの場合、LEDドライバ18の代わりに、DSP17の制御に応じてレーザー装置11aに供給される電力を調整する、レーザードライバ18aを設けるようにすればよい。
また各実施例では、DSP17の制御に応じて、LED11の発光強度が調整されるようになっているが、その代わりに図14に示すように、DSPの制御に応じて、LCD13(空間変調素子)における光の透過率(変調の度合)が調整されるようになっていてもよい。この手法によれば、輝度を抑えるべき色に対応する光の透過率が、小さくなるように制御される。当該手法によっても、色バランスを調整することが可能であるが、光源の輝度を調整する手法に比べて、温度や経時変化による輝度の変動を抑えることは難しく、色バランスを適切に調整するための処理も複雑になりやすい。
また実施例1から実施例3の各HOE表示装置9は、複数色(RGB)の光を発して映像を表示する映像表示部1(表示部)と、映像表示部1から発せられた光を、第1HOE2aを回折させて観察者5に届ける光学系と、を備え、観察者5に映像を観察させるものとなっている。そして更に当該HOE表示装置9は、映像表示部1から発せられて、第2HOE2bで回折した光の強さを、複数色ごとに検出する輝度検出部3(検出部)と、輝度検出部3の検出結果に基づいて、映像表示部1の発光強度を、複数色ごとに調整する輝度調整部4と、を備えている。
また実施例4のHOE表示装置9においては、輝度検出部3(検出部)は、映像表示部1(表示部)から発せられた光の強さと、映像表示部1から発せられて表示用HOE14を透過した光の強さとの差を、複数色ごとに検出するものとなっている。
このように各実施例に係るHOE表示装置9によれば、映像表示部1から発せられてホログラム光学素子で回折した光、或いは、ホログラム光学素子を透過した光の強さに応じて、映像表示部1の発光強度が複数色ごとに調整される。そのため、ホログラム光学素子の特性を反映させた色バランスの調整を行い、観察者の視点から見た色バランスを、適切に調整することが容易となっている。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。当該実施形態としては、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改変を加えることが可能である。
本発明は、ホログラム光学素子を用いた映像表示装置に利用することができる。
1 映像表示部(表示部)
2 ホログラム光学素子
2a 第1HOE
2b 第2HOE
3 輝度検出部(検出部)
4 輝度調整部(調整部)
5 観察者
9 HOE表示装置(映像表示装置)
11 LED(光源)
11a レーザー発生装置(光源)
12 LCDドライバ
13 LCD(空間変調素子)
14 表示用HOE
15 検出用HOE
16 輝度センサ
16a 第1輝度センサ
16b 第2輝度センサ
17 DSP
18 LEDドライバ
18a レーザードライバ
21 減算器
30 支持手段
60 接眼光学系

Claims (10)

  1. 複数色の光を発して映像を表示する表示部と、
    前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子(「第1HOE」とする)で回折させて観察者に届ける光学系と、を備え、
    該観察者に前記映像を観察させる映像表示装置であって、
    前記表示部から発せられて、ホログラム光学素子(「第2HOE」とする)で回折した光の強さを、前記複数色ごとに検出する検出部と、
    該検出部の検出結果に基づいて、前記表示部の発光強度を、前記複数色ごとに調整する調整部と、
    を備えたことを特徴とする映像表示装置。
  2. 前記調整部は、
    前記検出部による前記複数色ごとの検出結果が、該複数色ごとに設定された目標値に近づくように、前記表示部の発光強度を調整することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記第2HOEは、
    前記第1HOEとは別のホログラム光学素子として設けられているとともに、
    前記第1HOEと同等の特性を有していることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  4. 前記光学系は、
    前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子で形成された導光板で回折させた上で、該導光板とは別に設けられた表示用ホログラム光学素子で回折させ、観察者に届けるものであり、
    前記検出部は、
    前記表示部から発せられて該導光板で回折した光のうち、前記表示用ホログラム光学素子に入射しない光の強さを検出することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  5. 前記第1HOEと第2HOEは、所定の表示用ホログラム光学素子によって兼用されており、
    前記検出部は、
    前記表示部から発せられて、該表示用ホログラム光学素子の一部で回折した光の強さを検出することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  6. 複数色の光を発して映像を表示する表示部と、
    前記表示部から発せられた光を、ホログラム光学素子で回折させて観察者に届ける光学系と、を備え、
    該観察者に前記映像を観察させる映像表示装置であって、
    前記表示部から発せられた光の強さと、前記表示部から発せられて該ホログラム光学素子を透過した光の強さとの差を、前記複数色ごとに検出する検出部と、
    該検出部の検出結果に基づいて、前記表示部の発光強度を、前記複数色ごとに調整する調整部と、
    を備えたことを特徴とする映像表示装置。
  7. 前記表示部は、
    複数色に発光する光源と、
    該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、
    を有しており、
    該光源は、
    2色または3色に発光するLEDであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の映像表示装置。
  8. 前記表示部は、
    複数色に発光する光源と、
    該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、
    を有しており、
    該光源は、
    2色または3色に発光するレーザー発生装置であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の映像表示装置。
  9. 前記表示部は、
    複数色に発光する光源と、
    該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、
    を有しており、
    前記調整部は、
    該光源の発光強度を調整することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の映像表示装置。
  10. 前記表示部は、
    複数色に発光する光源と、
    該光源が発した光を、与えられた映像情報に応じて変調する空間変調素子と、
    を有しており、
    前記調整部は、
    該空間変調素子における、変調の度合を調整することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の映像表示装置。
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