JP6610675B2 - 導光素子、接合光学素子、画像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents
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Description
本発明は、内部で光を導光するために必要な光学面を複数有する導光素子と、その導光素子を含む接合光学素子と、上記導光素子または上記接合光学素子を含む画像表示装置と、その画像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD(Head Mounted Display)とも称する)とに関するものである。
従来から、表示素子からの画像光を導光素子(例えば導光プリズム)の内部で導光し、観察瞳に導くことで、観察者に画像を観察させる画像表示装置が提案されている。例えば特許文献1〜3に開示された画像表示装置では、表示素子からの画像光を、導光素子の対向する2つの光学面で全反射させて導光した後、導光素子において上記2つの光学面と斜めに交わる光学面で反射させて観察瞳に導いている。なお、説明の便宜上、上記2つの光学面を全反射面とも称し、上記全反射面と斜めに交わる光学面を傾斜面とも称する。上記2つの全反射面のうちの一方は、傾斜面で反射された画像光を観察瞳側に透過させる透過面(出射面)も兼ねている。
ところが、特許文献1〜3のように、導光素子が2つの全反射面と傾斜面とを有しており、傾斜面が2つの全反射面と斜めに交わる構成では、一方の全反射面は、傾斜面と鋭角で交わることになる。そして、上記一方の全反射面と傾斜面とで挟まれる部分は、鋭角の先端に向かって細くなる先細り形状となる。先細り形状の部分では、厚みが一定の部分((例えば2つの全反射面が対向する部分)に比べて強度が弱いため、例えば導光素子を製品に組み込む場合の単純な押し付けなどによる外力が、鋭角で交わる全反射面と傾斜面とを貫く方向に働くと、その方向の力に対して、変形が起こりやすくなる。先細り形状の部分が変形すると、先細り形状を構成する光学面(全反射面、傾斜面)における光の透過方向または反射方向が、本来の光学設計によって規定される方向から変わってしまい、導光素子の内部で導光した光を、外部の適切な方向に導くことができなくなる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、内部で光を導光するために必要な2つの光学面が鋭角に交わるような先細り形状を有する構成であっても、外力に対する先細り形状の部分での変形を抑えることができ、これによって、内部で導光した光を外部の適切な方向に導くことができる導光素子と、その導光素子を用いた接合光学素子と、上記導光素子または上記接合光学素子を用いた画像表示装置と、その画像表示装置を用いたHMDとを提供することにある。
本発明の一側面に係る導光素子は、内部で光を導光するために必要な光学面を複数有する導光素子であって、前記複数の光学面は、鋭角で交わる2つの光学面を含んでおり、前記2つの光学面の境界となる交線は、該交線の両端を結ぶ直線とは異なる形状であり、前記直線を含む平面または前記直線に平行な平面で、前記2つの光学面を切ったとき、前記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲線が含まれており、前記曲線は、変曲点を持っている。
本発明の他の側面に係る接合光学素子は、上述した導光素子と、前記導光素子の前記2つの光学面のうち、全反射によって光を導光する光学面とは異なる光学面と面形状が略同一の対向面を持ち、前記異なる光学面と前記対向面とが対向するように、前記導光素子と接合される接合用光学部材とを含む。
本発明のさらに他の側面に係る画像表示装置は、画像を表示する表示素子と、前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、前記接眼光学系は、上述した導光素子を含んでいる。
本発明のさらに他の側面に係る画像表示装置は、画像を表示する表示素子と、前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、前記接眼光学系は、上述した接合光学素子を含んでいる。
本発明のさらに他の側面に係るヘッドマウントディスプレイは、上述した画像表示装置と、前記画像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを有している。
導光素子は、内部で光を導光するために必要な複数の光学面として、鋭角で交わる2つの光学面を含んでおり、上記2つの光学面で挟まれる部分は、先細り形状となっている。このような構成において、上記2つの光学面の交線の両端を結ぶ直線を含む平面または前記直線に平行な平面で、上記2つの光学面を切ったとき、上記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲線が含まれている。そして、上記曲線は、変曲点を持っている。つまり、上記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲率が正となる形状と、曲率が負となる形状とが両方含まれる。このため、光学面が変曲点を持たない構成(例えば断面形状が直線のみからなる構成)に比べて、光学面が変形しにくくなり、外力による上記先細り形状の部分の変形を抑えることが可能となる。その結果、導光素子の内部で導光した光を、上記先細り形状の部分を構成する2つの光学面を介して、外部の適切な方向に導くことができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
(導光素子について)
図1は、本実施形態に係る導光素子10の概略の構成を示す断面図であり、図2は、導光素子10の斜視図であり、図3は、導光素子10の正面図である。なお、図中における破線の矢印は、任意の光線の光路を示している。導光素子10は、外部から入射した光を内部で導光するとともに、導光した光を外部の所定の方向に向けて出射する光学素子であり、導光プリズム1と、光学部材2とを含んでいる。
図1は、本実施形態に係る導光素子10の概略の構成を示す断面図であり、図2は、導光素子10の斜視図であり、図3は、導光素子10の正面図である。なお、図中における破線の矢印は、任意の光線の光路を示している。導光素子10は、外部から入射した光を内部で導光するとともに、導光した光を外部の所定の方向に向けて出射する光学素子であり、導光プリズム1と、光学部材2とを含んでいる。
導光プリズム1は、例えば透明なアクリル樹脂で構成されている。この導光プリズム1は、内部で光を導光するために必要な光学面、すなわち、入射光を透過または反射させる光学有効領域を有する面(光学有効面)を複数有している。具体的には、導光プリズム1は、上記光学面として、第1光学面1a、第2光学面1b、第3光学面1c、第4光学面1dを有している。第1光学面1a、第2光学面1bおよび第3光学面1cにおいては、光学面全体が光学有効領域となっているが、光学面の一部(必要な箇所のみ)が光学有効領域となっていてもよい。第4光学面1dにおいては、図3に示すように、光学面の一部が光学有効領域Rとなっており、この光学有効領域R内に光学部材2が配置されている。つまり、第4光学面1dの光学有効領域Rと光学部材2の配置領域とは一致している。
第1光学面1aは、外部から入射する光を透過させて、導光プリズム1の内部に導く面であり、例えば平面で構成されている。第2光学面1bおよび第3光学面1cは、例えば平面で構成されており、互いに平行に配置されるとともに、第1光学面1aと垂直となるように配置されている。第2光学面1bおよび第3光学面1cは、第1光学面1aを介して内部に入射した光を少なくも1回ずつ交互に全反射させて、第4光学面1dに導く。なお、第3光学面1cは、入射光を全反射させる全反射面として機能する以外に、第4光学面4d(または光学部材2)にて反射された光を外部に透過させる透過面としても機能する。第3光学面1cは、曲面を含んでいてもよいが(図7、図9参照)、この点については後述する。
第4光学面1dは、例えば曲面を含む形状で構成され、第2光学面1bおよび第3光学面1cと斜めに交わるように配置された傾斜面である。特に、第4光学面1dは、第3光学面1cと鋭角で交わるように配置されている。この結果、第3光学面1cと第4光学面1dとで挟まれる部分の形状は、鋭角の先端に向かって細くなる先細り形状となっている。一方、第4光学面1dは、第2光学面1bとは鈍角で交わるように配置されている。なお、第4光学面1dの面形状や傾斜配置の詳細については後述する。
光学部材2は、例えば、所定の波長域の光のみを透過させ、他の波長域の光を回折反射させる、体積位相型で反射型のホログラム光学素子で構成されており、上述のように導光プリズム1の第4光学面1dに配置されている。例えば、第1光学面1aを介して導光プリズム1の内部に入射する光が、光学部材2で回折反射される波長域の光である場合、上記光は、導光プリズム1の内部で、第2光学面1bおよび第3光学面1cで全反射された後、光学部材2に入射し、そこで回折反射されて、再度第3光学面1cに導かれ、第3光学面1cを透過して外部の所望の方向に出射される。
なお、光学部材2は、ホログラム光学素子以外に、蒸着等によって成膜されるアルミニウム膜や多層膜からなる反射部材(ハーフミラーを含む)で構成されてもよい。この場合、第1光学面1aを介して導光プリズム1の内部に入射した光の少なくとも一部が、光学部材2で反射され、第3光学面1cを介して外部に導かれる。また、第4光学面1dに光学部材2を配置せず、単純にプリズムと空気との屈折率差によって第4光学面1dで光を反射させ、第3光学面1cに導いてもよい。
(第4光学面の面形状および傾斜配置の詳細について)
次に、第4光学面1dの面形状および傾斜配置の詳細について説明する。
次に、第4光学面1dの面形状および傾斜配置の詳細について説明する。
なお、以下での説明の便宜上、導光素子10における各方向を、次のように定義しておく。まず、図2に示すように、第3光学面1cと第4光学面1dとが交わることによってできる線、つまり、第3光学面1cと第4光学面1dとの境界となる稜線を、交線Lとする。ここでは、図2で示すように、第4光学面1dがうねった形状であるため、交線Lは直線とは異なる形状(例えば2次元的または3次元的に曲がる曲線を含む形状)となっている。
そして、交線Lの両端を結ぶ直線、すなわち、交線Lの一方の端部L1と他方の端部L2とを結ぶ直線aに沿った方向を、X方向とし、X方向に垂直な面内で、互いに垂直な2方向を、それぞれY方向およびZ方向とする。このうち、Z方向は、第2光学面1bおよび第3光学面1cが対向する方向に等しいものとする。また、X方向に垂直な平面、すなわち、直線aに垂直なYZ面のことを、第1の面P1とも称し、直線aを含む平面、または直線aに平行な平面のことを、第2の面P2とも称する。
上記の定義を用いると、「第4光学面1dが第3光学面1cと鋭角で交わる」とは、以下のように言い換えることができる。すなわち、第3光学面1cと第4光学面1dとを第1の面P1で切ったとき、第3光学面1cの断面上の任意の2点(例えば第3光学面1cの上記断面内での両端の2点E1・E2)を通る直線1c1と、第4光学面1dの断面上の任意の2点(例えば第4光学面1dの上記断面内での両端の2点E1・E3)を通る直線1d1とが、鋭角α(0°<α<90°)で交わっている。また、「第4光学面1dが第2光学面1bと鈍角で交わる」についても、上記と同様に言い換えることができる。すなわち、第2光学面1bと第4光学面1dとを第1の面P1で切ったとき、第2光学面1bの断面上の任意の2点(例えば第2光学面1bの上記断面内での両端の2点E3・E4)を通る直線1b1と、第4光学面1dの断面上の任意の2点(例えば第4光学面1dの上記断面内での両端の2点E1・E3)を通る直線1d1とが、鈍角β(90°<β<180°)で交わっている。
図4は、第3光学面1cおよび第4光学面1dを同時に第2の面P2で切ったときの、第4光学面1dの断面形状を模式的に示している。なお、図4で示した断面形状は、図3におけるA−A’線での断面形状に対応している。図4のように、第4光学面1dを第2の面P2で切ったときの断面には、曲線Cが含まれている。この曲線Cは、2個の変曲点M1・M2を持っている。
ここで、変曲点とは、平面上の曲線で曲がる方向が変わる点、すなわち、曲線上で曲率の符号が正から負、または負から正に変化する点(凹凸が変化する点)を指す。この変曲点は、上記曲線を関数y=f(x)として表した場合、2次導関数f''(x)の符号が変化する点でもある。図3における線分V1−V2、および線分W1−W2は、第4光学面1dにおいて、第2の面P2による切断位置を、第3光学面1c側から第2光学面1b側に変化させた場合の、上記変曲点M1・M2の集合(変曲点M1・M2の移動軌跡)をそれぞれ示している。なお、変曲点M1・M2を特に区別する必要がないときは、これらをまとめて変曲点Mと称する。
このように、第4光学面1dは、第2の面P2で切ったときの断面に、変曲点Mを持つ曲線Cが含まれるような、うねった面形状で構成されている。つまり、第4光学面1dの断面形状は、曲率が正となる形状(例えば変曲点Mに対して片側の曲線形状)と、曲率が負となる形状(例えば変曲点Mに対して上記片側とは反対側の曲線形状)とを両方含む。これにより、上記断面形状が変曲点Mを持たない形状である場合に比べて、第4光学面1dを貫通する方向の外力に対して第4光学面1dの強度が強くなり、上記外力に対して第4光学面1d自体が曲がりにくくなる。なお、上記断面形状が変曲点Mを持たない形状としては、例えば、上記断面形状が直線のみで構成される場合(第4光学面1d全体が平面で構成される場合)や、上記断面形状が正負のどちらか一方の曲率しか持たない形状である場合を想定することができる。
このため、例えば導光素子10を製品(例えば後述する画像表示装置)に組み込む場合において、単純な押し付けや締め付けなどによる外力が、第3光学面1cと第4光学面1dとを貫く方向に働いても、第3光学面1cと第4光学面1dとで挟まれる先細り形状の部分が、その外力によって変形するのを抑えることができる。また、例えば熱によるプリズム自体の膨張収縮によって応力(熱応力)が発生したとしても、第4光学面1dの強度が強いため、熱応力による上記の先細り形状の部分の変形を抑えることができる。その結果、導光素子10の内部で導光した光を、第4光学面1d(または光学部材2)および第3光学面1cを介して、外部の適切な方向(本来の光学設計によって規定される方向)に導くことができる。
また、導光プリズム1の複数の光学面(第1光学面1a〜第4光学面1d)は、入射光を透過または反射させる光学有効領域を有する面であるため、これらの光学面の光学有効領域において、入射光を確実に透過または反射させて、プリズム内部で導光し、外部に出射させることができる。
また、第4光学面1d(特に光学有効領域R内)には、導光素子10(導光プリズム1)の内部で導光されて入射する光を反射させて、第3光学面1cに導く光学部材2が配置されている。光学部材2を用いることにより、導光素子10の内部で導光された光を、光学部材2にて第3光学面1cの方向に確実に反射させ、第3光学面1cを介して外部に取り出すことができる。
特に、光学部材2は、ホログラム光学素子で構成されている。この場合、ホログラム光学素子の光学パワーや回折角度などの設定により、導光素子10の内部で導光された光を、ホログラム光学素子にて所望の方向に反射させ、第3光学面1cを介して外部に取り出すことができる。つまり、ホログラム光学素子の光学設計により、所望の方向に光を取り出す導光素子10を容易に実現することができる。
また、光学部材2がホログラム光学素子で構成されていることにより、例えば、光学部材2に対して導光プリズム1とは反対側から入射する光(外光)に含まれる、光学部材2で回折反射される波長域以外の光を透過させて、第3光学面1cに導くことができる。したがって、導光プリズム1の内部を導光される光(ホログラム光学素子にて回折反射される光)と、外光(ホログラム光学素子を透過する光)とを同時に、第3光学面1cを介して外部に取り出す構成が可能となる。このような構成は、後述する実施の形態3の画像表示装置のように、表示素子に表示された画像と、外界像とを同時に観察する用途において非常に有効となる。
ところで、本実施形態では、図4に示すように、第4光学面1d、すなわち、第2の面P2で切ったときの断面に、変曲点Mを持つ曲線Cが含まれるような光学面において、変曲点Mは、光学有効領域Rの外側にある。この場合、第4光学面1dにおいて、光学設計が必要な領域、つまり、光学部材2を配置する領域の面形状は、変曲点Mのない単純な形状となるため、光学部材2の光学設計が簡単となる点で好ましい。なお、第4光学面1dにおいて、変曲点Mが光学有効領域Mの内側にある場合でも、光学部材2の光学設計は可能であることから、このような構成であっても勿論構わない。
図5および図6は、第4光学面1dを第2の面P2で切ったときの断面形状のバリエーションを示している。第4光学面1dの上記断面形状は、曲線以外に直線を含む形状であってもよい。例えば、図5に示すように、第4光学面1dの上記断面形状は、2つの直線Fと、変曲点Mを持つ1個の曲線Cとを交互につなげた形状であってもよいし、図6に示すように、3つの直線Fと、変曲点Mをそれぞれ持つ2個の曲線Cとを交互につなげた形状であってもよい。また、第4光学面1dの上記断面形状における変曲点Mの数は、図5のように、1個であってもよいし、図4および図6のように、2個であってもよいし、図示はしないが3個以上であってもよい(上記断面形状が、変曲点Mを持つ曲線Cを3個以上有する形状であってもよい)。
図7は、導光素子10の他の構成を示す斜視図である。同図に示すように、導光プリズム1において、第4光学面1dに加えて、第3光学面1cも、うねった形状であってもよい。図8は、図7の導光素子10の第3光学面1cおよび第4光学面1dを同時に第2の面P2で切ったときの、第3光学面1cの断面形状を模式的に示している。なお、第4光学面1dの面形状は、図4等で示した形状と同じとする。
図8のように、第3光学面1cを第2の面P2で切ったときの断面には、曲線Dが含まれている。この曲線Dは、2個の変曲点N(N1・N2)を持っている。なお、第3光学面1cの断面形状において、変曲点Nの数は、第4光学面1dと同様に、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。また、第3光学面1cの断面形状において、変曲点Nを持つ曲線Dの数は、少なくとも1個あればよい。
このように、第4光学面1dに加えて、第3光学面1cについても、第2の面P2で切ったときの断面に、変曲点Nを持つ曲線Dが含まれるような、うねった形状とすることにより、第3光学面1c全体が平面で構成される場合に比べて、第3光学面1c自体が外力に対して曲がりにくくなる。このため、第3光学面1cと第4光学面1dとを貫く方向に外力が働いても、導光プリズム1の先細り形状の部分がその外力によって変形するのをさらに抑えることができる。したがって、導光素子10の内部で導光した光を、第4光学面1d(または光学部材2)および第3光学面1cを介して、外部の適切な方向に確実に導くことが可能となる。
なお、第3光学面1cのみを図8に示すようにうねった形状とし、第4光学面1dを平面で形成しても、第3光学面1cが外力に対して曲がりにくくなるため、導光プリズム1の先細り形状の部分が、外力によって変形するのを抑えることができる。
以上のことから、本実施形態の導光素子10は、導光プリズム1の第3光学面1cおよび第4光学面1dを第2の面P2で同時に切ったときに、第3光学面1cおよび第4光学面1dの断面の少なくとも一方に曲線(曲線C、曲線D)が含まれており、その曲線が変曲点(変曲点M、変曲点N)を持つ構成であればよいと言える。
ところで、図9は、導光素子10のさらに他の構成を示す水平断面図(ZX面内での断面図)である。同図に示すように、導光素子10の第3光学面1cは、第2光学面1b側に凹んだ形状であってもよい。このような導光素子10において、第2の面P2として、直線a(交線Lの一方の端部L1と他方の端部L2とを結ぶ直線)を含む平面を考えると、第3光学面1cが第2光学面1b側に凹んでいるために、第3光学面1cと第4光学面1dとを上記平面で同時に切ることができない。この場合は、第2の面P2として、直線aに平行な平面を考えることで、第3光学面1cと第4光学面1dとを上記平面で同時に切ることができる。
逆に、図7で示したように、第3光学面1cが第2光学面1bとは反対側に突出した形状である場合、第2の面P2として、直線aを含む平面を考えても、直線aに平行な平面を考えても、第3光学面1cと第4光学面1dとを第2の面P2で同時に切ることができる。したがって、第2の面P2として、直線aを含む平面を考えるか、直線aに平行な平面を考えるかは、第3光学面1cと第4光学面1dとを同時に切ることができるように、導光素子10の各光学面の面形状に応じて適宜決定すればよい。
以上では、第3光学面1cおよび第4光学面1dを第1の面P1で切ったときに、第3光学面1cおよび第4光学面1dの断面形状が両方とも直線(図1参照)である場合について説明したが、上記断面形状は、直線には限定されない。例えば、第3光学面1cおよび第4光学面1dを第1の面P1で切ったときに、第3光学面1cおよび第4光学面1dの少なくとも一方の断面形状は、曲線を含んでいてもよい。この場合でも、第3光学面1cおよび第4光学面1dが鋭角で交わるとは、本実施形態で述べた定義を用いて表現することができる。つまり、第3光学面1cと第4光学面1dとを第1の面P1で切ったとき、第3光学面1cの断面上の任意の2点を通る直線と、第4光学面1dの断面上の任意の2点を通る直線とが、鋭角α(0°<α<90°)で交わっている。なお、第3光学面1cおよび第4光学面1dの各断面形状における「任意の2点」は、0°<α<90°を成り立たせることができる2点であれば、どのように選択してもよい。
以上のことから、本実施形態の導光素子10は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の導光素子10は、内部で光を導光するために必要な光学面を複数有している。上記複数の光学面は、互いに交わる2つの光学面(例えば第3光学面1c、第4光学面1d)を含んでいる。上記2つの光学面の境界となる交線Lは、該交線Lの両端を結ぶ直線aとは異なる形状である。直線aに垂直な平面を、第1の面P1とし、直線aを含む平面または直線aに平行な平面を、第2の面P2とする。上記2つの光学面を第1の面P1で切ったとき、一方の光学面(例えば第3光学面1c)の断面上の任意の2点(例えば両端2点)を通る直線と、他方の光学面(例えば第4光学面1d)の断面上の任意の2点(例えば両端2点)を通る直線とは、鋭角で交わっている。上記2つの光学面を第2の面P2で切ったとき、上記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲線Cが含まれている。上記曲線Cは、変曲点を持っている。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態1で示した導光素子を用いて構成される接合光学素子について説明する。
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態1で示した導光素子を用いて構成される接合光学素子について説明する。
図10は、本実施形態の接合光学素子11の概略の構成を示す断面図であり、図11は、接合光学素子11の斜視図であり、図12は、接合光学素子11の正面図である。接合光学素子11は、実施の形態1の導光素子10に、接合用光学部材3を接合することによって構成されている。なお、ここでは、図1等で示した導光素子10を用いて接合光学素子11を構成した例について説明するが、実施の形態1で示した他の導光素子10を用いて接合光学素子11を構成してもよい。
接合用光学部材3は、例えば透明なアクリル樹脂で形成されており、導光素子10と接合されたときに、略平行平板となるような形状で形成されている。接合用光学部材3は、第1光学面3aと、第2光学面3bと、第3光学面3cとを含んでいる。第1光学面3aは、導光素子10の第4光学面1dと面形状が略同一で、第4光学面1dと対向して位置する対向面である。なお、第4光学面1dは、導光素子10において、先細り形状を形成する第3光学面1cおよび第4光学面1dのうち、全反射によって光を導光する光学面(第3光学面1c)とは異なる光学面である。接合用光学部材3の第2光学面3bは、導光素子10の第3光学面1cと同一面上に位置する面であり、第3光学面3cは、導光素子10の第2光学面1bと同一面上に位置する面である。第2光学面3bおよび第3光学面3cは、例えば平行に配置されている。
このような構成の接合用光学部材3は、導光素子10の第4光学面1dと、接合用光学部材3の第1光学面3aとが対向するように、導光素子10と接着剤4を介して接合されている。接着剤4としては、例えば紫外線の照射によって硬化する接着剤(光硬化性接着剤)を用いることができるが、他の接着剤を用いてもよい。
導光素子10の第4光学面1dと、接合用光学部材3の第1光学面3aとは、面形状が略同一であるため、これらの光学面の間に大きな隙間を作ることなく、導光素子10と接合用光学部材3とを接合することができる。
また、導光素子10において、第3光学面1cと第4光学面1dとは鋭角で交わっており、先端が先細る形状となっているが、第4光学面1dと面形状が略同一の、第1光学面3aを持つ接合用光学部材3を、導光素子10に接合することにより、導光素子10の先細り形状の厚みに接合用光学部材3の厚みを付加して、先細り形状を実質的になくすことができる。これにより、上記先細り形状を構成していた部分に対して外力が加わった場合でも、その外力による上記部分の形状変化を、接合用光学部材3を接合しない実施の形態1の構成に比べてさらに抑制することができる。
また、接着剤4を用いて、導光素子10と接合用光学部材3とを接合する場合、接着剤4の硬化収縮による応力が、導光素子10の先細り形状の部分に加わることになる。しかし、実施の形態1で述べたような、第3光学面1cまたは第4光学面1dの面形状の設定により、導光素子10においては、先細り形状の部分での応力による変形を抑えることができる。したがって、接合用光学部材3が接着剤4を介して導光素子10と接合される構成であっても、接着剤4の硬化収縮に起因して、導光素子10の先細り形状の部分が変形するのを抑えることができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態2の接合光学素子11を、画像表示装置に適用した例について説明する。
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態2の接合光学素子11を、画像表示装置に適用した例について説明する。
なお、実施の形態1および2で示したXYZの各方向は、本実施形態では、左右方向(眼幅方向)、上下方向、前後方向に対応している(各方向の正逆は特に問わない)。ここで、左右、上下、前後の各方向は、観察者の画像観察時の位置(視線方向)を基準にして、左右、上下、前後の各方向を指すものとする。また、以下で示す図面では、光路が煩雑になるのを避けるため、代表的な光路についてのみ破線で示している。
図13は、本実施形態の画像表示装置20の概略の構成を示す断面図であり、図14は、画像表示装置20の斜視図であり、図15は、画像表示装置20を観察者側から見たときの正面図である。画像表示装置20は、光源21と、照明ミラー22と、拡散板23と、偏光ビームスプリッタ(PBS)24と、表示素子25と、接眼光学系26とを備えている。光源21と、照明ミラー22とで、表示素子25を照明する照明光学系30が構成されている。
光源21は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する光を出射するRGB一体型のLEDで構成されている。複数の発光点(RGBの各発光点)は、水平方向に略直線状に並んでいる。光源21から出射される光の波長は、例えば、光強度のピーク波長および光強度半値の波長幅で、462±12nm(B光)、525±17nm(G光)、635±11nm(R光)である。なお、光源21は、レーザー光源であってもよい。
本実施形態では、光源21は、RGB一体型のLEDを2対備えている。そして、RGBのそれぞれについて、光学部材2を構成するホログラム光学素子の光軸入射面に対して各発光点が対称に位置するように、各発光点が略直線状に並んでいる(例えばX方向においてBGRRGBの順に発光点が並んでいる)。これにより、RGBの光強度の分布をX方向で対称にすることができる。なお、ホログラム光学素子の光軸入射面とは、表示素子25の表示面の中心と観察瞳OPの中心とを光学的に結ぶ軸を光軸としたとき、ホログラム光学素子に対する入射光の光軸と出射光(反射光)の光軸とを含む面を指す。この光軸入射面は、YZ面と平行である。
照明ミラー22は、光源21から出射された光(照明光)を拡散板23に向けて反射させるとともに、YZ面内で、光学瞳(射出瞳)である観察瞳OPと光源21とが略共役となるように、照明光を曲げる光学素子である。
拡散板23は、入射光を全方向に拡散する拡散板である。拡散板23の配置を省略することも可能であるが、入射光の配光角を拡げて、光源21の光強度をより均一化できる観点では、拡散板23を配置することが望ましい。なお、拡散板23は、入射光を一方向(例えばX方向)にのみ拡散する拡散板(一方向拡散板)であってもよい。
PBS24は、入射光のうち、S偏光のみを表示素子25の方向に反射させる一方、表示素子25にて反射された光のうち、画像信号オンに対応する光、すなわち、P偏光を透過させる平板状の偏光分離素子であり、接眼光学系26の導光プリズム1の光入射面(第1光学面1a)に貼り付けられている。
表示素子25は、光源21からの光を変調して画像を表示する表示素子であり、本実施形態では、反射型の液晶表示素子で構成されている。表示素子25はカラーフィルタを有する構成であってもよいし、光源21のRGBごとの時分割発光に同期して、発光色に対応するRGBの画像が表示されるように、時分割で駆動される構成であってもよい。
表示素子25は、PBS24からほぼ垂直に入射する光がほぼ垂直に反射されてPBS24に向かうように配置されている。これにより、反射型の表示素子に対して大きな入射角で光を入射させる構成に比べて、解像度を増大させるような光学設計が容易となる。表示素子25の表示面は長方形となっており、表示面の長手方向がX方向となり、短手方向がX方向に垂直となるように配置されている。
接眼光学系26は、表示素子25からの画像光を観察瞳OPに導くための光学系であり、非軸対称(非回転対称)な正の光学パワーを有している。この接眼光学系26は、接合光学素子11で構成されている。接合光学素子11は、実施の形態2で示したように、導光プリズム1と、光学部材2と、接合用光学部材3とを備えている。導光プリズム1と、光学部材2とで、導光素子10が構成されている。したがって、接眼光学系26は、導光素子10を含んだ構成であるとも言える。
導光プリズム1は、表示素子25からPBS24を介して入射する画像光を内部で導光する一方、外界像の光(外光)を透過させる光学素子であり、接眼プリズムとも呼ばれる。この導光プリズム1は、平行平板の上端部を上端に向かうほど厚くし、下端部を下端に向かうほど薄くした形状で構成されている。
導光プリズム1は、実施の形態1で述べたように、第1光学面1a〜第4光学面1dを有している。これらの複数の光学面について、画像表示装置20での機能に着目して説明すると、以下の通りである。第1光学面1aは、表示素子25からPBS24を介して画像光が入射する光入射面である。第2光学面1bおよび第3光学面1cは、観察瞳OPとほぼ平行に位置し、互いに対向する2つの平行な平面であり、画像光を全反射させて導光する全反射面となっている。そのうち、観察瞳OP側の第3光学面1cは、光学部材2で回折反射される画像光の出射面(透過面)を兼ねている。第4光学面1dは、第2光学面1bおよび第3光学面1cを連結し、光学部材2が貼り付けられる貼付面であり、第2光学面1bおよび第3光学面1cに対して傾いている。第4光学面1dの面形状は、実施の形態1で述べた通りである。
導光プリズム1は、その下端部に配置される光学部材2を挟むように接合用光学部材3と接着剤4で接合されている。接合用光学部材3は、偏向プリズムとも呼ばれ、導光プリズム1と光学部材2を介して貼り合わされて略平行平板を形成している。接合用光学部材3を導光プリズム1と貼り合わせることで、外光が導光プリズム1の楔状の下端部(先細り形状の部分)を透過するときの屈折を接合用光学部材3でキャンセルすることができ、観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
光学部材2は、導光プリズム1に接して設けられ、導光プリズム1の内部で導光された画像光を回折させて観察瞳OPに導く光学素子であり、上述したように体積位相型で反射型のホログラム光学素子で構成されている。体積位相型のホログラム光学素子は、ホログラム感光材料に対してレーザー光を2光束で照射し、2光束の干渉による縞(干渉縞)を形成したものである。ホログラム感光材料として、例えばフォトポリマーを用いると、フォトポリマーの光重合によって上記の干渉縞を容易に形成することができる。上記干渉縞は、屈折率の異なる複数の樹脂層が交互に積層されたものであるため、体積位相型の光学部材2は、屈折率が異なり、かつ、交互に並んで位置する複数の樹脂層を含んだ構成と言える。
光学部材2を構成するホログラム光学素子は、回折効率のピーク波長および回折効率半値の波長幅で、例えば465±5nm(B光)、521±5nm(G光)、634±5nm(R光)の3つの波長域の光を回折(反射)させる。すなわち、ホログラム光学素子におけるRGBの回折波長は、RGBの画像光の波長(光源21の発光波長)とほぼ対応している。
上記の構成において、光源21から出射された光は、照明ミラー22で反射され、拡散板23にて拡散された後、PBS24に入射し、そこでS偏光のみが表示素子25の方向に反射される。表示素子25では、入射光が画像信号に応じて変調される。このとき、画像信号オンに対応する画像光は、表示素子25にて入射光とは偏光方向が直交する光(P偏光)に変換されて出射されるため、PBS24を透過して導光プリズム1の内部に第1光学面1aから入射する。一方、画像信号オフに対応する画像光は、表示素子25にて偏光方向が変換されずにS偏光のまま出射されるため、PBS24で遮断され、導光プリズム1の内部に入射しない。
導光プリズム1では、入射した画像光が導光プリズム1の対向する2つの光学面(第2光学面1b、第3光学面1c)で少なくとも1回ずつ全反射された後、光学部材2に入射し、そこでRGBの各色について選択的に回折反射されて第3光学面1cから出射され、観察瞳OPに達する。したがって、この観察瞳OPの位置では、観察者は、表示素子25に表示された画像を虚像として観察することができる。
一方、導光プリズム1、接合用光学部材3および光学部材2は、外光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像(外の景色)をシースルーで観察することができる。したがって、表示素子25に表示された画像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。
接眼光学系26に含まれる導光素子10では、上述した光学面(第3光学面1c、第4光学面1d)の面形状の設定により、外力による先細り形状の部分の変形を抑え、これによって、導光素子10の内部で導光した光を、第4光学面1dおよび第3光学面1cを介して、外部の適切な方向に導くことができる。したがって、上記導光素子10を用いた画像表示装置20においては、表示素子25からの画像光を導光素子10によって観察瞳OPの方向に適切に導くことができる。その結果、観察瞳OPで得られる画像に歪みやにじみ等の劣化(画像劣化)が生じるのを低減することができ、観察される画像の品位を向上させることができる。
また、上記のように、照明光学系30(光源21、照明ミラー22)からの照明光のうち、所定の偏光方向の光(例えばS偏光)をPBS24にて反射させて表示素子25に導く一方、表示素子25にて反射され、表示素子25への入射光とは偏光方向が直交する光(例えばP偏光)を透過させて導光プリズム1に導く構成では、導光プリズム1に対して光入射側の光路が折り曲げられるため、光源21から導光プリズム1まで所望の光路長を確保したまま、導光プリズム1に対して光入射側に配置される光学部材をコンパクトにまとめて配置することができる。これにより、画像表示装置20の小型化が容易となる。
また、光学部材2として、屈折率が異なり、かつ、交互に並んで位置する複数の樹脂層を含む体積位相型のホログラム光学素子を用いることにより、レーザー光の2光束干渉によって、所望の回折特性を持つ光学部材2を容易に実現することができる。なお、光学部材2は、体積位相型のホログラム光学素子には限定されず、例えばブレーズ型(断面鋸歯状)の光学素子であってもよい。
なお、本実施形態では、接合用光学部材3を配置して、歪みの無い外界像を観察できる良好なシースルー性を実現しているが、良好なシースルー性を求める必要がなければ、接合用光学部材3の配置を省略してもよい。つまり、接眼光学系26は、実施の形態1で示した導光素子10のみで構成されてもよい。
なお、本実施形態では、表示素子25として、反射型の液晶表示素子を用いているが、透過型の液晶表示素子を用いてもよい。この場合、透過型の液晶表示素子から所望の偏光方向の光(例えばホログラム光学素子の光軸入射面に対して偏光方向が平行な光)が出射されるように、上記液晶表示素子を配置することにより(液晶セルに対して光出射側の偏光板(偏光子)の透過軸の向きを設定することにより)、PBS24の配置を不要とすることができる。
なお、図7および図9で示したような導光素子10、つまり、第3光学面1cがうねった形状の導光素子10を画像表示装置20に適用することも可能である。この場合、表示素子25からの画像光が第3光学面1cを透過して観察瞳OPに導かれることで、観察画像に歪みが生じるおそれがある。しかし、この場合は、観察画像の歪みをキャンセルできるような光学設計や、表示素子25の表示画像の補正を行うことにより、歪みを低減した画像を観察者に観察させることができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態3の画像表示装置の応用例であるHMDについて説明する。図16A、図16Bおよび図16Cは、本実施形態のHMD40の上面図、正面図、下面図であり、図17は、HMD40の正面側からの斜視図である。
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、実施の形態3の画像表示装置の応用例であるHMDについて説明する。図16A、図16Bおよび図16Cは、本実施形態のHMD40の上面図、正面図、下面図であり、図17は、HMD40の正面側からの斜視図である。
HMD40は、上述した画像表示装置20と、フレーム42と、レンズ43と、鼻当て44と、位置調整機構45とを有している。
画像表示装置20は、筐体20a内に、上述した照明光学系30(光源21、照明ミラー22)、拡散板23、PBS24および表示素子25を有しており、接眼光学系26の上端部も筐体20a内に位置している。接眼光学系26は、右眼用レンズ43Rの前方(観察者とは反対側の外界側)に位置している。筐体20a内の光源21および表示素子25は、筐体20aを貫通して設けられるケーブル(図示せず)を介して、図示しない回路基板と接続されており、回路基板から駆動電力や画像信号などが供給される。
なお、画像表示装置20は、静止画や動画を撮影する撮像装置、マイク、スピーカー、イヤホンなどをさらに備え、外部のサーバーや端末とインターネット等の通信回線を介して、撮像画像および表示画像の情報や音声情報をやりとり(送受信)する構成であってもよい。
フレーム42は、眼鏡のフレームに相当するものであり、観察者の頭部に装着され、画像表示装置20を支持する支持部材である。このフレーム42は、観察者の左右の側頭部に当接するテンプルを含んでいる。
レンズ43は、観察者の右眼および左眼の眼前に配置される右眼用レンズ43Rおよび左眼用レンズ43Lを含んでいる。右眼用レンズ43Rおよび左眼用レンズ43Lは、右連結部46Rおよび左連結部46Lを介して、位置調整機構45と連結されている。右眼用レンズ43Rおよび左眼用レンズ43Lは、視力矯正用のレンズであってもよいし、視力矯正を行わない単なるダミーレンズであってもよい。
鼻当て44は、観察者の鼻と当接する右鼻当て44Rおよび左鼻当て44Lを含んでいる。右鼻当て44Rおよび左鼻当て44Lは、右連結部47Rおよび左連結部47Lを介して、位置調整機構45と連結されている。
位置調整機構45は、フレーム42に対して鼻当て44を観察者の眼幅方向に垂直な上下方向に相対的に移動させることにより、フレーム42で支持された画像表示装置20の上下方向の位置を調整する機構である。なお、位置調整機構45を設けることなく、レンズ43および鼻当て44をフレーム42に直接固定した構成としてもよい。
HMD40を観察者の頭部に装着し、表示素子25に画像を表示すると、その画像光が接眼光学系26を介して観察瞳OP(図10参照)に導かれる。したがって、観察瞳OPの位置に観察者の瞳を合わせることにより、観察者は、画像表示装置20の表示画像の拡大虚像を観察することができる。また、これと同時に、観察者は接眼光学系26を介して、外界像をシースルーで観察することができる。
このように、画像表示装置20が支持部材としてのフレーム42で支持されることにより、観察者は画像表示装置20によって提供される画像をハンズフリーで長時間安定して観察することができる。
なお、図16A等では、画像表示装置20の接眼光学系26と、レンズ43とを別体で構成しているが、接眼光学系26をレンズ43と一体化した構成とすることも可能である。また、画像表示装置20を2つ用いて両眼で画像を観察できるようにしてもよい。
(その他)
以上で説明した導光素子、接合光学素子、画像表示装置およびヘッドマウントディスプレイは、以下のように表現されてもよい。
以上で説明した導光素子、接合光学素子、画像表示装置およびヘッドマウントディスプレイは、以下のように表現されてもよい。
以上で説明した導光素子は、内部で光を導光するために必要な光学面を複数有する導光素子であって、前記複数の光学面は、鋭角で交わる2つの光学面を含んでおり、前記2つの光学面の境界となる交線は、該交線の両端を結ぶ直線とは異なる形状であり、前記直線を含む平面または前記直線に平行な平面で、前記2つの光学面を切ったとき、前記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲線が含まれており、前記曲線は、変曲点を持っている。
前記複数の光学面は、入射光を透過または反射させる光学有効領域を有する面であってもよい。
前記いずれかの平面で切ったときの断面に前記曲線が含まれる光学面において、前記曲線の変曲点は、前記光学有効領域の外側にあることが望ましい。
前記2つの光学面のうち、一方の光学面には、該導光素子の内部で導光されて入射する光を反射させて他方の光学面に導く光学部材が配置されていてもよい。
前記2つの光学面のうち、一方の光学面の前記光学有効領域内には、該導光素子の内部で導光されて入射する光を反射させて他方の光学面に導く光学部材が配置されていてもよい。
前記光学部材は、ホログラム光学素子であってもよい。
以上で説明した接合光学素子は、上述した導光素子と、前記導光素子の前記2つの光学面のうち、全反射によって光を導光する光学面とは異なる光学面と面形状が略同一の対向面を持ち、前記異なる光学面と前記対向面とが対向するように、前記導光素子と接合される接合用光学部材とを含む。
前記接合用光学部材は、接着剤を介して、前記導光素子と接合されていてもよい。
以上で説明した画像表示装置は、画像を表示する表示素子と、前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、前記接眼光学系は、上述した導光素子を含んでいる。
以上で説明した画像表示装置は、画像を表示する表示素子と、前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、前記接眼光学系は、上述した接合光学素子を含んでいる。
以上で説明したヘッドマウントディスプレイは、上述した画像表示装置と、前記画像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを有している。
本発明の導光素子は、例えば接合光学素子、画像表示装置およびHMDに利用可能である。
1c 第3光学面(光学面)
1c1 直線
1d 第4光学面(光学面)
1d1 直線
2 光学部材
3 接合用光学部材
3a 対向面
4 接着剤
10 導光素子
11 接合光学素子
20 画像表示装置
40 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
42 フレーム(支持部材)
a 直線
C 曲線
D 曲線
L 交線
M、M1、M2 変曲点
N、N1、N2 変曲点
OP 観察瞳
P1 第1の面
P2 第2の面
R 光学有効領域
1c1 直線
1d 第4光学面(光学面)
1d1 直線
2 光学部材
3 接合用光学部材
3a 対向面
4 接着剤
10 導光素子
11 接合光学素子
20 画像表示装置
40 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
42 フレーム(支持部材)
a 直線
C 曲線
D 曲線
L 交線
M、M1、M2 変曲点
N、N1、N2 変曲点
OP 観察瞳
P1 第1の面
P2 第2の面
R 光学有効領域
Claims (11)
- 内部で光を導光するために必要な光学面を複数有する導光素子であって、
前記複数の光学面は、鋭角で交わる2つの光学面を含んでおり、
前記2つの光学面の境界となる交線は、該交線の両端を結ぶ直線とは異なる形状であり、
前記直線を含む平面または前記直線に平行な平面で、前記2つの光学面を切ったとき、前記2つの光学面の断面の少なくとも一方には、曲線が含まれており、
前記曲線は、変曲点を持っている、導光素子。 - 前記複数の光学面は、入射光を透過または反射させる光学有効領域を有する面である、請求項1に記載の導光素子。
- 前記いずれかの平面で切ったときの断面に前記曲線が含まれる光学面において、前記曲線の変曲点は、前記光学有効領域の外側にある、請求項2に記載の導光素子。
- 前記2つの光学面のうち、一方の光学面には、該導光素子の内部で導光されて入射する光を反射させて他方の光学面に導く光学部材が配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の導光素子。
- 前記2つの光学面のうち、一方の光学面の前記光学有効領域内には、該導光素子の内部で導光されて入射する光を反射させて他方の光学面に導く光学部材が配置されている、請求項2または3に記載の導光素子。
- 前記光学部材は、ホログラム光学素子である、請求項4または5に記載の導光素子。
- 請求項1から6のいずれかに記載の導光素子と、
前記導光素子の前記2つの光学面のうち、全反射によって光を導光する光学面とは異なる光学面と面形状が略同一の対向面を持ち、前記異なる光学面と前記対向面とが対向するように、前記導光素子と接合される接合用光学部材とを含む、接合光学素子。 - 前記接合用光学部材は、接着剤を介して、前記導光素子と接合されている、請求項7に記載の接合光学素子。
- 画像を表示する表示素子と、
前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、
前記接眼光学系は、請求項1から6のいずれかに記載の導光素子を含んでいる、画像表示装置。 - 画像を表示する表示素子と、
前記表示素子からの画像光を内部で導光して観察瞳に導く接眼光学系とを備え、
前記接眼光学系は、請求項7または8に記載の接合光学素子を含んでいる、画像表示装置。 - 請求項9または10に記載の画像表示装置と、
前記画像表示装置を観察者の眼前で支持する支持部材とを有している、ヘッドマウントディスプレイ。
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