JP2007052086A - 映像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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靖 谷尻
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Abstract

【課題】 光源からの出射光のRGBの波長幅を考慮して、ホログラム光学素子でのRGBの回折波長幅を適切に規定することにより、時分割駆動の表示素子を用いた場合でも色再現領域を広げて表示品位を向上させる。
【解決手段】 ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率半値の波長幅をそれぞれΔλ1(Δλ1R、Δλ1G、Δλ1B)とし、光源からの出射光における3原色の各色についての光強度半値の波長幅をそれぞれΔλ2(Δλ2R、Δλ2G、Δλ2B)とした場合、3原色の各色について、Δλ1<Δλ2、つまり、Δλ1R<Δλ2R、Δλ1G<Δλ2G、Δλ1B<Δλ2Bとなるようにホログラム光学素子を作製する。これにより、RGBのそれぞれについて、光源からの出射光のうちでさらに波長域を絞った光のみをホログラム光学素子にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示素子にて表示された映像を虚像として観察者の眼に表示する映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する)とに関するものである。
観察者の頭部に装着され、表示素子にて生成された映像を接眼光学系を介して観察者の瞳に虚像投影する装置は、いわゆるHMDと呼ばれ、一般に知られている。このようなHMDのうち、例えば非特許文献1に開示されたものは、反射型液晶表示素子をフィールドシーケンシャルモード(時分割駆動モード)で駆動し、RGBの各映像光を順にホログラム光学素子を介して観察者の瞳に導くことで、観察者にカラー映像(虚像)を提供している。
また、特許文献2に記載のHMDでは、反射型の液晶表示素子として、広い視野角特性を有する強誘電液晶表示素子を用い、その表示素子からの映像光を拡大光学系(プリズム)を介して観察者の瞳に導くようにしている。上記の拡大光学系に別のプリズムを貼り合わせるととともに、その貼り合わせ面をハーフミラー面とすることにより、観察者は表示素子から上記ハーフミラー面を介して提供される映像を観察することができるとともに、上記両プリズムを介して外界像を観察することができる。
H.Mukawa et al., "Novel Virtual Image Optics for Reflective Microdisplays", SID Conference Record of the International Display Research Conference, ISSN1083-1312/00/2001-0096-$1.00+.00, 2000SID(2000年9月25日から28日に開催された上記学会の予稿) 特開2000−249969号公報
ところで、観察者に提供されるカラー映像(表示素子にて表示された映像)の表示品位を高めるためには、その映像の色再現領域を広げることが必要である。例えば、特許文献2のように、映像光と外光とのコンバイナとして、ホログラム光学素子ではなくハーフミラーを用いる場合、強誘電液晶表示素子が時分割駆動であれば(カラーフィルタを有していなければ)、色再現領域は、光源からの出射光におけるRGBの波長幅のみで決定される。しかし、非特許文献1のように、映像光と外光とのコンバイナとしてホログラム光学素子を用いるとともに、時分割で駆動される表示素子を用いる場合、色再現領域は、光源からの出射光のRGBの波長幅と、ホログラム光学素子でのRGBの回折波長幅との兼ね合いで決まる。
しかし、上述した非特許文献1では、表示映像の色再現領域を広げることについては全く言及されておらず、ましてや、色再現領域を広げるべく、光源からの出射光のRGBの波長幅を考慮して、ホログラム光学素子でのRGBの回折波長幅が規定されてはいない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、光源からの出射光のRGBの波長幅を考慮して、ホログラム光学素子でのRGBの回折波長幅を適切に規定することにより、時分割駆動の表示素子を用いた場合でも色再現領域を広げて表示品位を向上させることができる映像表示装置と、その映像表示装置を備えたヘッドマウントディスプレイとを提供することにある。
本発明の映像表示装置は、3原色に対応した波長の光を出射する光源と、複数の画素を有し、上記光源からの出射光を各画素ごとに変調することによって映像を表示する表示素子と、上記表示素子からの映像光を観察者の瞳に導く接眼光学系とを有する映像表示装置であって、上記表示素子の各画素は、上記光源から時分割で順に供給される3原色の光のそれぞれに対応して時分割で駆動され、上記接眼光学系は、上記表示素子から出射される3原色に対応した波長の光をそれぞれ回折させるホログラム光学素子を有しており、上記ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率半値の波長幅をそれぞれΔλ1とし、上記光源からの出射光における3原色の各色についての光強度半値の波長幅をそれぞれΔλ2とすると、3原色の各色について、Δλ1<Δλ2であることを特徴としている。
上記の構成によれば、表示素子の各画素は、光源から時分割で順に供給される3原色(RGB)の光のそれぞれに対応して時分割で駆動される。そして、表示素子から順に出射されるRGBの映像光は、接眼光学系のホログラム光学素子にて回折されて観察者の瞳に導かれる。これにより、観察者は、カラー映像を観察することが可能となる。
ここで、3原色の各色の全てについて、ホログラム光学素子における回折効率半値の波長幅Δλ1と、光源からの出射光における光強度半値の波長幅Δλ2とは、Δλ1<Δλ2の関係となっているので、光源からのRGBの出射光のうちで、さらに波長域を絞った光のみをホログラム光学素子にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。これにより、時分割で駆動される表示素子を用いた場合でも、RGBの各色純度を高めることができ、観察映像の色再現領域を、光源からの出射光のみで決まる色再現領域よりもさらに広げることができる。
特に、3原色の各色について、Δλ1<20nmであれば、RGBの各色純度を確実に高めることができ、観察映像の色再現領域を確実に広げることができる。また、3原色の各色について、さらにΔλ1≦10nmの条件を満たせば、RGBの各色純度をより一層確実に高めることができ、観察映像の色再現領域をより一層確実に広げることができる。
また、本発明において、上記ホログラム光学素子は、基板上に塗布されるホログラム感光材料を露光することによって形成されており、上記ホログラム感光材料は、3原色の光の全てに感度を有する単層カラーフォトポリマーで構成されていてもよい。
単層カラーフォトポリマーは、3原色の光の全てに感度を有しており、感光層1層で複数の波長(RGB)のホログラムを記録することができるため、構成が簡便で、ホログラム光学素子を容易に、かつ、安定して作製することができる。また、単層カラーフォトポリマーにおいては、層内での各色の相互作用によって高い回折効率を得にくいが、その分、回折効率の半値波長幅を小さくすることが容易である。
また、本発明においては、3原色の各色について、Δλ1>3nmであることが望ましい。Δλ1が3nm以下の場合、広い色再現領域を実現することは可能であるが、ホログラム光学素子での回折波長幅が小さくなりすぎて、光源からの出射光の利用効率が低下し、映像が暗くなる。したがって、3原色の各色について、Δλ1>3nmであれば、映像の明るさの低下を回避しながら、広い色再現領域を実現することができる。
また、本発明においては、3原色の各色について、1/10<Δλ1/Δλ2<1であってもよい。
Δλ1/Δλ2の値が下限値以下であると、色再現領域の広い映像を提供することが可能となるが、ホログラム光学素子での回折波長幅が光源からの出射光の波長幅に対して相対的に小さくなりすぎて、明るい映像を提供することが困難となる。逆に、Δλ1/Δλ2の値が上限値以上であると、明るい映像を提供することが可能となるが、色再現領域の広い映像を提供することが困難となる。したがって、Δλ1/Δλ2の範囲を上記のように規定することにより、広い色再現領域と明るさとを両方満足させる映像を提供することができる。
また、本発明においては、3原色の各色について、上記ホログラム光学素子における回折効率のピーク波長は、上記光源からの出射光の光強度半値の波長幅の波長域に含まれていることが望ましい。
この場合、3原色の各色について、ホログラム光学素子における回折効率のピーク波長と、光源からの出射光の光強度のピーク波長とは比較的近い値(同一となる場合も含む)となるので、光源からの出射光のうちで光強度が高い波長域の光を、効率よくホログラム光学素子にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。したがって、光源からの出射光の利用効率を上げて、明るい映像を観察者に提供することができる。
特に、ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率のピーク波長をそれぞれλ1とし、光源からの出射光における3原色の各色についての光強度のピーク波長をそれぞれλ2とすると、3原色の各色について、λ1は、λ2±20nmの範囲内であることが望ましい。
この場合は、3原色の各色について、ホログラム光学素子における回折効率のピーク波長と、光源からの出射光の光強度のピーク波長とが確実に近くなるので、光源からの出射光の利用効率を確実に上げることができ、明るい映像を観察者に確実に提供することができる。
また、本発明において、上記表示素子は、強誘電液晶表示素子であることが望ましい。強誘電液晶表示素子は、高速応答性に優れており、コントラストの高い映像表示が可能である。したがって、上記表示素子として強誘電液晶表示素子を用いることで、時分割駆動による高品位の映像を観察者に提供することができる。
また、例えば軸非対称な光学系では、光源からの出射光は、表示素子に対して斜め方向から入射する(入射角がついている)ので、表示素子には広い視野角特性が望まれる。この点、強誘電液晶表示素子は広い視野角特性を持っているので、表示素子を強誘電液晶表示素子で構成することは、特に軸非対称な光学系において非常に有効である。
このとき、上記強誘電液晶表示素子は、反射型であってもよい。反射型の場合は、シリコン等の半導体を基板として用いることができるため、透過型の場合よりも小型で集積度の高い表示素子を作製することができる。しかも、各画素を駆動するためのスイッチング素子や配線を含む周辺回路を、表示側とは反対側の基板に配置することができるので、画素の集積度を上げても開口率の低下が少ない。この結果、反射効率が非常に高くなり、明るい映像を表示することができる。
また、本発明の映像表示装置は、上記光源から上記反射型強誘電液晶表示素子に至る光路を折り曲げる光路折り曲げ部材(例えば反射ミラーやプリズム)をさらに有しており、上記光路折り曲げ部材は、上記光源から上記光路折り曲げ部材に向かう光と、上記反射型強誘電液晶表示素子から上記接眼光学系に向かう光とが交差するように設けられており、上記光源からの光が上記光路折り曲げ部材を介して上記反射型強誘電液晶表示素子に入射するときの入射角をθとすると、10°<θ<60°を満足することが望ましい。
入射角θが下限値を下回ると、反射型強誘電液晶表示素子と接眼光学系との距離が大きくなり、入射角θが上限値を上回ると、光源と光路折り曲げ部材との距離が大きくなるので、いずれも装置の小型化に支障をきたす。したがって、入射角θが上記範囲内であれば、装置の小型化に支障をきたすことなく、上記2つの光路を確実に分離することができる。
また、上記強誘電液晶表示素子は、透過型であってもよい。この場合、光源は、透過型の表示素子に対して接眼光学系とは反対側に位置するので、光源から上記表示素子を介さずに接眼光学系に入射するような不要光が発生しにくい。したがって、そのような不要光をカットするための部材(例えば表示素子から出射される光のみを透過させる偏光板)を接眼光学系の光入射側に設ける必要がなくなる。
また、本発明においては、上記ホログラム光学素子は、基板上に塗布されるホログラム感光材料を露光することによって形成されており、上記ホログラム感光材料は、3原色の光のそれぞれに感度を有する各層を積層した3層カラーフォトポリマーで構成されていてもよい。
3層カラーフォトポリマーは、3原色の光のそれぞれに感度を有する各層が積層されてなり、各層は1つの波長のホログラムのみを記録するので、同一層内で各色の相互作用がなく、各色について高い回折効率が得やすい。したがって、光源光量を上げなくても、明るい映像を観察者に提供することができる。また、光源光量を上げなくても済む分、装置の消費電力を抑えることができる。
また、本発明において、上記ホログラム光学素子は、軸非対称な正の光学パワーを有していることが望ましい。このようなホログラム光学素子を用いることにより、装置を構成する各光学部材の配置の自由度を高めることができ、装置を小型化することが容易となる。
また、本発明では、上記ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率は、上記光源からの出射光における3原色の各色についての光強度に応じて設定されていることが望ましい。
例えば、光源からの出射光のうちで視感度の高いG光の光強度が他のB光やR光の光強度よりも小さい場合には、ホログラム光学素子でのG光の回折効率は高めに設定される。また、ホログラム光学素子でのB光およびR光の回折効率は、B光およびR光の光強度に応じて例えばBGR全体のカラーバランスが良好となるように設定される。
このように、3原色の各色について、光源からの出射光の光強度に応じてホログラム光学素子の回折効率が設定されることにより、光源光量を上げなくても(低消費電力で)、カラーバランスの良好な明るい映像を観察者に提供することができる。
また、本発明においては、上記接眼光学系によって形成される光学瞳内での光強度のピーク位置のずれ量は、3原色の各色間で1mm以下であることが望ましい。
光学瞳内で3原色の光強度のピーク位置(照明強度分布)がずれていると、観察者の瞳がずれたときに、観察者の瞳から光強度のピーク位置が外れるような色が生じ、この場合、観察者は色ムラを認識しやすくなる。観察者の瞳が直径2mm以上であることを考慮すると、光学瞳内で各色間の光強度のピーク位置のずれ量が1mm以下であれば、観察者の瞳がずれたとしても、観察者が色ムラを認識するのを抑えることができる。
本発明において、上記ホログラム光学素子は、上記表示素子からの映像光と外光とを同時に観察者の瞳に導くコンバイナであってもよい。この場合、観察者は、ホログラム光学素子を介して、表示素子から提供される映像と外界像とを同時に観察することができる。
また、上記接眼光学系は、上記表示素子からの映像光を内部で全反射させて上記ホログラム光学素子を介して観察者の瞳に導く一方、外光を透過させて観察者の瞳に導く第1の透明基板を有していてもよい。このような第1の透明基板を用いることにより、表示素子からの映像を観察可能としながらも、外光の透過率が高くなるので、明るい外界像を観察することができる。
また、上記接眼光学系は、上記第1の透明基板での外光の屈折をキャンセルするための第2の透明基板を有していることが望ましい。この場合、観察者が接眼光学系を介して観察する外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
また、本発明のヘッドマウントディスプレイは、上述した映像表示装置と、上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを有していることを特徴としている。この構成によれば、映像表示装置が支持手段にて支持されるので、観察者は映像表示装置から提供される映像をハンズフリーで観察することができる。
本発明によれば、3原色の各色の全てについて、ホログラム光学素子における回折効率半値の波長幅Δλ1と、光源からの出射光における光強度半値の波長幅Δλ2とは、Δλ1<Δλ2の関係となっているので、光源からのRGBの出射光のうちで、さらに波長域を絞った光のみをホログラム光学素子にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。これにより、時分割で駆動される表示素子を用いた場合でも、RGBの各色純度を高めることができ、観察映像の色再現領域を、光源からの出射光のみで決まる色再現領域よりもさらに広げることができる。
〔実施の形態1〕
(1.HMDの構成)
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図2は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと略称する)の概略の構成を示す斜視図である。HMDは、映像表示装置1と、映像表示装置1を観察者の眼前で支持する支持手段2とで構成されている。
映像表示装置1は、観察者に外界像をシースルーで観察させるとともに、映像を表示して観察者にそれを虚像として提供するものである。この映像表示装置1は、後述する照明光学系10(図3参照)および表示素子20(図3参照)を収容する筐体3に接眼光学系30を一体化させて構成されている。接眼光学系30は、全体として眼鏡の一方のレンズ(図2では右眼用レンズ)のような形状をなしている。以下、映像表示装置1の詳細について説明する。
(2.映像表示装置の構成)
図3は、映像表示装置1の概略の構成を示す断面図である。映像表示装置1は、照明光学系10と、表示素子20と、接眼光学系30とを有して構成されている。なお、観察者がHMDをかけたときの左右方向(図2において左眼用レンズおよび右眼用レンズが並ぶ方向)は、図3においては表示素子20の長辺方向(図3の紙面に垂直な方向)に対応しており、後述するホログラム光学素子33への光軸の入射面に垂直な方向にも対応している。
なお、上記光軸とは、ここでは、表示素子20の表示領域の中心と接眼光学系30によって形成される光学瞳EPの中心とを光学的に結ぶ軸を指す。また、上記入射面とは、ホログラム光学素子33における入射光の光軸と反射光の光軸とを含む平面を指す。
(2−1.照明光学系)
照明光学系10は、表示素子20を照明するものであり、光源11と、光路折り曲げ部材12と、第1の偏光板13と、拡散板14とを有している。後述するように、本実施形態では、表示素子20は反射型の表示素子で構成されているので、照明光学系10は表示素子20を表側(接眼光学系30が配置されている側)から照明する。
光源11は、表示素子20に向けて光(例えばP偏光)を出射するものであり、3原色に対応する光、すなわち、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応する光を出射するRGB一体型のLEDで構成されている。RGBの各発光部は、表示素子20の矩形の表示領域の長辺方向に略直線状に配置されている。また、光源11と光学瞳EPとは、略共役な位置関係となっている。
本実施形態では、後述するように、表示素子20として時分割駆動が可能な強誘電液晶表示素子を用いているため、光源11は3原色に対応する光を時分割で順に出射する。なお、光源11の分光強度特性については後述する。
光路折り曲げ部材12は、光源11から表示素子20に至る光路を折り曲げるものであり、例えば凹面ミラーで構成されている。これにより、光源11から出射された光は、光路折り曲げ部材12にてその光路を折り曲げられて、表示素子20の表示領域上に集光される。なお、上記の凹面ミラーは、球面ミラーであってもよいし、表示素子20の短辺に平行な面内でのみ集光作用を持つシリンドリカル凹面ミラーであってもよい。また、光路折り曲げ部材12は、プリズムで構成されてもよい。
本実施形態では、光路折り曲げ部材12は、表示素子20から接眼光学系30に向かう光の光路に対して光源11とは反対側に配置されている。これにより、光源11から光路折り曲げ部材12に向かう光の光路と、表示素子20から接眼光学系30に向かう光の光路とが交差するレイアウトとなり、照明光学系10ひいては装置自体をコンパクトに構成することができる。
第1の偏光板13は、光源11から出射された光のうち、所定の偏光方向の光(ここではP偏光)を透過させて光路折り曲げ部材12に導くとともに、光路折り曲げ部材12にて光路を折り曲げられた光であって上記所定の偏光方向と同じ偏光方向の光(ここではP偏光)を透過させて表示素子20に導く。
第1の偏光板13の配置によって表示素子20に入射させる光をP偏光とすることにより、入射光をS偏光とする場合に比べて、表示素子20での表面反射(フレネルロス)を抑えることができる。つまり、P偏光の場合は、S偏光と違って、表面での反射率がゼロとなるような入射角(ブリュースター角)が存在するため、光量損失を抑えることができる。その結果、光量損失に起因する映像品位の低下を回避することができる。
また、第1の偏光板13の表面には、例えば反射防止フィルムが貼り付けられるなど、反射防止処理が施されている。これにより、光源11からの光が第1の偏光板13の表面で反射されて不要光として表示素子20に入射し、さらにはこの不要光が表示素子20の表面で反射されて接眼光学系30に入射するのを抑えることができ、不要光による映像品位の低下を抑えることができる。
拡散板14は、光路折り曲げ部材12にて光路を折り曲げられた光を拡散させるものである。本実施形態では、光源11のRGBの各発光部が表示素子20の長辺方向に配置されているので、拡散板14は、入射光を上記長辺方向に拡散する一方向拡散板で構成されている。拡散板14は、表面が凹凸状のもので構成されてもよいし、表面が平坦であるホログラム光学素子で構成されてもよい。
拡散板14は、光路折り曲げ部材12にて反射された光が表示素子20の表示面を照明するのに十分な面積に広がった位置、すなわち光路折り曲げ部材12の表面付近に配置されている。このように拡散板14が配置されることにより、あたかも面積の大きな光源を配置したのと等価な効果があり、色ムラのない均一な照明を実現できるとともに、観察可能な光学瞳EPの大きさを大きくすることができる。なお、拡散板14を光源11の直後に配置しても、光学瞳EPを拡大することはできるが、必要以上に光束径が広がり、無駄にする光が多く、光の利用効率が低下するので望ましくはない。
また、拡散板14および第1の偏光板13は、光路折り曲げ部材12と表示素子20との間の光路中に、光路折り曲げ部材12側からこの順で配置されている。このような配置により、光路折り曲げ部材12にて反射された光が拡散板14にて拡散されたときに、偏光の乱れた光を第1の偏光板13でカットすることができる。その結果、表示素子20に入射する偏光の純度を上げることができる。
(2−2.表示素子)
表示素子20は、複数の画素をマトリクス状に有し、光源11からの出射光を画像データに応じて各画素ごとに変調することによって映像を表示する光変調素子で構成されている。より具体的には、表示素子20は、強誘電液晶を2枚の基板で挟持してなり、一方の基板側に反射膜(反射電極、画素電極)が形成された反射型強誘電液晶表示素子で構成されている。そして、表示素子20は、矩形の表示領域の長辺方向が観察者の左右方向、つまり、図3の紙面に垂直な方向となり、その短辺方向が図3の紙面に平行となるように配置されている。反射型強誘電液晶表示素子はカラーフィルタを有してはおらず、それゆえ、表示素子20の各画素は、光源11から時分割で順に供給される3原色の光のそれぞれに対応して時分割でON/OFF駆動される。
反射型の表示素子においては、シリコン等の半導体を基板として用いることができるため、小型で集積度の高い表示素子20を作製することができる。しかも、各画素をON/OFFするためのスイッチング素子(例えばTFT)や配線を含む周辺回路を、表示側とは反対側の基板に配置することができるので、開口率を容易に向上させることができ、明るい映像を表示することができる。
また、強誘電液晶表示素子は、駆動速度が速いことがメリットであるので、それゆえ、表示素子20を強誘電液晶表示素子で構成することにより、上記の時分割駆動方式を採用することができる。
ここで、カラーフィルタを透過するRGB光によってカラー映像を表示する従来のカラーフィルタ方式は、白色光源を常時点灯させ、1つの画素にRGBのいずれかのカラーフィルタを配置させてカラー表示を行う空間分割駆動方式であるため、モノクロ表示の場合よりも画素が3倍必要である。また、不要な色の映像光を遮光する場合には、光源は点灯させたままで、各画素で遮光しなければならない。各画素で完全に遮光することは難しいため、カラーフィルタ方式では、単色の色純度が低い。
これに対して、時分割駆動方式では、光源にてRGBの各発光部を順次点灯させるため、例えば単色を表示する場合は、残りの2色の発光部は消灯されている。これにより、色純度の高い、コントラストの高い映像を表示することができる。
また、強誘電液晶表示素子は、TN(Twisted Nematic)液晶表示素子よりも広い視野角特性を有している点で優れており、光路折り曲げ部材12を介して表示素子に入射する光の入射角が大きくても、コントラストが高く、色再現性が高く(色再現領域が広く)、表示品位の高い映像を提供することができる。また、照明光学系10を構成する各光学素子の配置自由度が高くなり、コンパクトで高性能の照明光学系10を構成することができる。
また、光源11からの光が光路折り曲げ部材12を介して表示素子20に入射するときの入射角をθとする。入射角θが10°以下であると、光源11から光路折り曲げ部材12を介して表示素子20に至る光路と、表示素子20から接眼光学系30に至る光路とを分離するために、表示素子20と接眼光学系30との間隔を大きくとる必要がある。これは、装置の小型化に支障をきたす。一方、入射角θが60°以上であると、光源11と光路折り曲げ部材12との間隔が大きくなり、これも装置の小型化に支障をきたす。また、表示素子20での表面反射も大きくなり、映像品位の低下を招く。
したがって、以上のことを考慮して、本実施形態では、入射角θが、10°<θ<60°の範囲内に収まるように、表示素子20が配置されている。これにより、装置の小型化に支障をきたすことなく、光源11から光路折り曲げ部材12を介して表示素子20に至る光路と、表示素子20から接眼光学系30に至る光路とを確実に分離することができる。
なお、表示素子20は、強誘電液晶表示素子に限定されるわけではない。時分割駆動が可能なものであれば、例えばDMD(Digital Micromirror Device;米国テキサスインスツルメント社製)で表示素子20を構成することも勿論可能である。ただし、表示素子20をDMDで構成すると、DMDの構造上、その入射角が大きくなるようなレイアウトとなり、照明光学系10が大型化することが予想される。したがって、照明光学系10の小型化を考えた場合は、表示素子20を強誘電液晶表示素子で構成するほうが望ましい。
(2−3.接眼光学系)
接眼光学系30は、表示素子20からの映像光を観察者の瞳(光学瞳EP)に導くための光学系である。接眼光学系30は、軸非対称(回転非対称、非軸対称)な正の光学パワーを有しており、内部に入射した映像光が良好に収差補正される。この接眼光学系30は、接眼プリズム31(第1の透明基板)と、偏向プリズム32(第2の透明基板)と、ホログラム光学素子33と、第2の偏光板34とを有している。
接眼プリズム31は、入射光すなわち表示素子20からの映像光を内部で全反射させてホログラム光学素子33を介して観察者の瞳に導く一方、外光を透過させて観察者の瞳に導くものであり、偏向プリズム32とともに、例えばアクリル系樹脂で構成されている。この接眼プリズム31は、平行平板の下端部を下端に近くなるほど薄くして楔状にし、その上端部を上端に近くなるほど厚くした形状で構成されている。また、接眼プリズム31は、その下端部に配置されるホログラム光学素子33を挟むように偏向プリズム32と接着剤で接合されている。
偏向プリズム32は、平面視で略U字型の平行平板で構成されており、接眼プリズム31の下端部および両側面部(左右の各端面)と貼り合わされたときに、接眼プリズム31と一体となって略平行平板となるものである。この偏向プリズム32を接眼プリズム31に接合することにより、観察者が接眼光学系30を介して観察する外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
つまり、例えば、接眼プリズム31に偏向プリズム32を接合させない場合、外界像の光は接眼プリズム31の楔状の下端部を透過するときに屈折するので、接眼プリズム31を介して観察される外界像に歪みが生じる。しかし、接眼プリズム31に偏向プリズム32を接合させて一体的な略平行平板を形成することで、外界像の光が接眼プリズム31の楔状の下端部を透過するときの屈折を偏向プリズム32でキャンセルすることができる。その結果、シースルーで観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
ホログラム光学素子33は、表示素子20から出射される3原色に対応した波長の光をそれぞれ回折させる体積位相型の反射型ホログラムで構成されており、軸非対称な正の光学パワーを持つ非球面凹面ミラーと同様の機能を持っている。なお、ホログラム光学素子33の特性である回折効率の波長依存性については後述する。
ホログラム光学素子33は、基板上に塗布されるホログラム感光材料を露光することによって形成されているが、このホログラム感光材料は、RGBの光の全てに感度を有する単層カラーフォトポリマーで構成されている。つまり、このホログラム感光材料をRGBに対応したレーザー光で3色同時に露光してホログラム感光材料に干渉縞を記録し、UV(紫外線)照射による定着を行った後、ベイク処理を行って増感することにより、ホログラム光学素子33が作製される。
単層カラーフォトポリマーは、感光層1層でRGB3色のホログラムを記録することができるため、構成が簡便である。その結果、ホログラム光学素子33を容易に、かつ、安定して作製することができる。また、3層カラーフォトポリマーを用いる後述の実施の形態2のように、最適な回折効率および回折波長幅を得るための露光条件(例えば露光量)の特別な調整が不要なため、取り扱いやすいというメリットもある。
第2の偏光板34は、入射光のうちで第1の偏光板13を透過する光とは偏光方向が直交する光(ここではS偏光)を透過させるものであり、接眼プリズム31において、表示素子20からの光が入射する面に貼り付けられている。
(3.映像表示装置の動作)
次に、上記構成の映像表示装置1の動作について説明する。照明光学系10の光源11からはRGBの各色光が時分割で出射される。各色光(例えばP偏光)は、光路折り曲げ部材12にて反射され、拡散板14にて拡散された後、第1の偏光板13を透過して表示素子20に入射する。
表示素子20では、入射光が反射されるが、その際にRGBごとの画像データに応じて変調され、入射光とは異なる偏光(S偏光)となって表示素子20から出射される。このとき、表示素子20には、画像データに応じた映像が時分割でRGBごとに表示される。表示素子20からの出射光(RGBごとの映像光)は、光源11から光路折り曲げ部材12に至る光路を横切って接眼光学系30に到達し、接眼光学系30の第2の偏光板34を透過して、接眼プリズム31に入射する。
接眼プリズム31では、入射した映像光が接眼プリズム31の対向する2つの平面で複数回全反射され、接眼プリズム31の下端に配置されたホログラム光学素子33まで導かれ、そこで反射されて光学瞳EPに達する。表示素子20が上記のように時分割で駆動されているので、この光学瞳EPの位置に観察者の瞳を位置させることで、観察者は、表示素子20に表示されたRGBごとの映像の拡大虚像をカラー映像として観察することができる。
一方、接眼プリズム31、偏向プリズム32およびホログラム光学素子33は、外界からの光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像をシースルーで観察することができる。表示素子20に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。
このように、本実施形態の映像表示装置1では、接眼光学系30のホログラム光学素子33は、表示素子20からの映像光と外光とを同時に観察者の瞳に導くコンバイナとして用いられているので、観察者は、ホログラム光学素子33を介して、表示素子20から提供される映像と外界像とを同時に観察することができる。
また、ホログラム光学素子33は、軸非対称な正の光学パワーを有しているので、このようなホログラム光学素子33を用いることにより、装置を構成する各光学部材の配置の自由度を高めることができ、装置を容易に小型化することができる。
また、接眼光学系30の光入射側には、第2の偏光板34が設けられているので、光源11から接眼プリズム31の方向に進行する不要光(P偏光)があっても、その不要光を第2の偏光板34にて確実にカットすることができ、その不要光に起因してゴーストやフレアが生じるのを確実に防止することができる。
(4.色再現領域の拡大について)
次に、本発明の最も大きな特徴である色再現領域の拡大について説明する。本実施形態では、以下に示す特性を有するホログラム光学素子33および光源11を用いることにより、映像表示装置1によって提供される映像の色再現領域の拡大を図っている。
(4−1.ホログラム光学素子の特性)
図1は、ホログラム光学素子33における回折効率の波長依存性を示す説明図である。なお、図1の回折効率は、BGRの各色について、最大回折効率を1としたときの相対値で示している。同図に示すように、ホログラム光学素子33は、例えば、回折効率のピーク波長および回折効率半値の波長幅で465±5nm(B光)、521±5nm(G光)、634±5nm(R光)の3つの波長域の光を回折(反射)させるように作製されている。すなわち、B光の回折効率のピーク波長λ1Bは465nmであり、G光の回折効率のピーク波長λ1Gは521nmであり、R光の回折効率のピーク波長λ1Rは634nmである。また、B光の回折効率半値の波長幅Δλ1Bは10nmであり、G光の回折効率半値の波長幅Δλ1Gは10nmであり、R光の回折効率半値の波長幅Δλ1Rは10nmである。
なお、上記した回折効率のピーク波長とは、回折効率がピークとなるときの波長のことであり、回折効率半値の波長幅とは、回折効率が回折効率ピークの半値となるときの波長幅のことである。また、ホログラム光学素子33は、BGRの各色光の回折効率が最大になるような条件でホログラム感光材料を露光して作製されているものとし、その厚さは例えば20μmである。
上記のように、ホログラム光学素子33は、特定入射角の特定波長の光のみを回折するように作製されているので、外光の透過にはほとんど影響しない。したがって、観察者は、偏向プリズム32、ホログラム光学素子33および接眼プリズム31を介して外界像を通常通り見ることができる。
(4−2.光源の特性)
一方、図4は、光源11の分光強度特性、すなわち、出射光の波長と発光強度との関係を示す説明図である。なお、図4の光強度は、B光の最大光強度を基準としたときの相対値で示している。光源11は、例えば、光強度のピーク波長および光強度半値の波長幅で462±12nm、525±17nm、635±11nmとなる3つの波長帯域の光を発するRGB一体型のLEDである。すなわち、光源11におけるBGRの光強度のピーク波長をそれぞれλ2B、λ2G、λ2Rとすると、λ2B=462nmであり、λ2G=525nmであり、λ2R=635nmである。また、光源11におけるBGRの光強度半値の波長幅をそれぞれΔλ2B、Δλ2G、Δλ2Rとすると、Δλ2B=24nmであり、Δλ2G=34nmであり、Δλ2R=22nmである。
なお、光強度のピーク波長とは、光強度がピークとなるときの波長のことであり、光強度半値の波長幅とは、光強度が光強度ピークの半値となるときの波長幅のことである。
(4−3.Δλ1とΔλ2との関係について)
上記のように、本実施形態では、ホログラム光学素子33におけるBGRの各色についての回折効率半値の波長幅Δλ1(Δλ1B、Δλ1G、Δλ1R)と、光源11からの出射光におけるBGRの各色についての光強度半値の波長幅Δλ2(Δλ2B、Δλ2G、Δλ2R)との関係が、BGRの各色について、
Δλ1<Δλ2
となるように設定されている。つまり、
Δλ1B<Δλ2B、Δλ1G<Δλ2G、Δλ1R<Δλ2R
を同時に満たすものとなっている。
このような特性の光源11およびホログラム光学素子33を用いることにより、光源11からのBGRの出射光のうちで、さらに波長域を絞った光のみをホログラム光学素子33にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。これにより、本実施形態のように時分割で駆動される表示素子20(強誘電液晶表示素子)を用いた場合でも、BGRの各色純度を高めることができ、観察映像の色再現領域を、光源11からのBGRの出射光のみで決まる色再現領域よりもさらに広げることができる。
ここで、図5は、XYZ表色系におけるXY色度座標を用いて表される色再現領域を示している。実線Aで示される色再現領域は、本実施形態の映像表示装置1による色再現領域を示しており、破線Bで示される色再現領域は、後述する実施の形態2の映像表示装置1(ホログラム光学素子33がRGB3層カラーフォトポリマーで構成されているもの)による色再現領域を示している。また、一点鎖線Cは、反射型強誘電液晶表示素子単独の色再現領域を示しており、二点差線Dは、カラーフィルタを有する液晶表示素子で表示素子20を構成した映像表示装置による色再現領域を示している。ちなみに、破線Eは、非特許文献1の装置の色再現領域を示している。
同図より、本実施形態の映像表示装置1の色再現領域が一番広く、従来の装置よりもさらに色再現領域を拡大できていることがわかる。したがって、本実施形態の映像表示装置1の構成によれば、表示品位の高い映像を観察者に提供することができる。
また、本実施形態では、上述したように、ホログラム光学素子33は、単層カラーフォトポリマーで構成されるホログラム感光材料を露光することによって作製されている。単層カラーフォトポリマーにおいては、感光層内でのBGRの各色の相互作用によって高い回折効率を得にくいが、その分、BGRの回折効率半値の波長幅Δλ1(Δλ1B、Δλ1G、Δλ1R)を小さくすることが容易である。
ここで、例えば、非特許文献1のように、ホログラム光学素子を作製するためのホログラム感光材料が、3原色の光のそれぞれに感度を有する各層を積層した3層カラーフォトポリマーで構成されている場合、各層は1つの波長のホログラムのみを記録するので、同一層内で各色の相互作用がなく、各色について高い回折効率が得やすい。したがって、一般的なホログラム光学素子の作製方法、すなわち、最大の回折効率を得るために上記ホログラム感光材料を十分に露光し、ベイクを行う方法では、BGRの回折効率が頭打ちになり、広い波長域で回折効率が最大となりやすい。つまり、このことは、回折効率半値の波長幅が、BGRの全てについて広くなりやすいことを意味する。
しかし、本実施形態のように、ホログラム感光材料として単層カラーフォトポリマーを用い、ホログラム光学素子33を作製することで、BGRの全てについて、回折効率半値の波長幅Δλ1(Δλ1B、Δλ1G、Δλ1R)を容易に小さくすることができるので、BGRの各色についてΔλ1<Δλ2を満足するホログラム光学素子33を容易に作製することができる。特に、光源としては、Rの分光強度分布がシャープなもの(Rの光強度半値の波長幅が狭い光源)が一般的に多く出回っているが、このような光源を用いた場合でも、BGRの全ての色について、Δλ1<Δλ2を確実に実現することができる。その結果、時分割駆動の表示素子20を用いた場合でも、色再現領域を容易にかつ確実に広げることができる。
また、ホログラム光学素子33のΔλ1がΔλ2よりも小さく設定されることで、ホログラム光学素子33を透過する外光の透過波長幅は広くなり、シースルー性が向上する。したがって、本実施形態の構成によれば、色再現領域の拡大およびシースルー性の向上により、高品位な映像および外界像を観察者に提供することができ、高品位なシースルーディスプレイを実現することができる。
(4−4.Δλ1の範囲およびΔλ1/Δλ2の範囲について)
本実施形態では、BGRの各色について、Δλ1B=Δλ1G=Δλ1R=10nmとなっている。このように、3原色の各色について、Δλ1<20nmであるので、BGRの各色純度を確実に高めることができ、観察映像の色再現領域を確実に広げることができる。特に、本実施形態のように、BGRの各色について、Δλ1≦10nmの条件を満たしていれば、BGRの各色純度をより一層確実に高めることができ、図5のように、観察映像の色再現領域をより一層確実に広げることができる。
ここで、Δλ1が3nm以下の場合、広い色再現領域を実現することは可能であるが、ホログラム光学素子33での回折波長幅が小さくなりすぎて、光源11からの出射光の利用効率が低下し、映像が暗くなる。したがって、映像の明るさの低下を回避しつつ、広い色再現領域を実現するためには、3原色の各色についてΔλ1>3nmである、すなわち、Δλ1B>3nm、Δλ1G>3nm、Δλ1R>3nmであることが望ましい。
また、上記のようにΔλ1<Δλ2を満たす範囲内でΔλ1(絶対値)を規定すること以外にも、Δλ1とΔλ2との比の範囲を規定することで、Δλ2(絶対値)との兼ね合いで、映像の明るさと色再現領域の広さとのバランスをより的確にとることができる。
例えば、BGRの各色について、Δλ1/Δλ2の値が1/10以下であると、色再現領域の広い映像を提供することが可能となるが、ホログラム光学素子33での回折波長幅が光源11からの出射光の波長幅に対して相対的に小さくなりすぎて、明るい映像を提供することが困難となる。逆に、BGRの各色について、Δλ1/Δλ2の値が1以上であると、明るい映像を提供することが可能となるが、色再現領域の広い映像を提供することが困難となる。
したがって、BGRの各色について、1/10<Δλ1/Δλ2<1を満足する、すなわち、
1/10<Δλ1B/Δλ2B<1、
1/10<Δλ1G/Δλ2G<1、
1/10<Δλ1R/Δλ2R<1
を満足することにより、Δλ2も考慮して、映像の明るさと色再現領域の広さとを両方満足させることができる。
(5.λ1とΔλ2およびλ2との関係について)
本実施形態では、BGRの各色について、ホログラム光学素子33における回折効率のピーク波長λ1(λ1B、λ1G、λ1R)は、光源11からの出射光の光強度半値の波長幅Δλ2(Δλ2B、Δλ2G、Δλ2R)の波長域に含まれている。すなわち、λ1B(465nm)は、Δλ2Bの波長域(450〜474nm)に含まれており、λ1G(521nm)は、Δλ2Gの波長域(508〜542nm)に含まれており、λ1R(634nm)は、Δλ2Rの波長域(624〜646nm)に含まれている。
この場合、BGRの各色について、ホログラム光学素子33における回折効率のピーク波長λ1(λ1B、λ1G、λ1R)と、光源11からの出射光の光強度のピーク波長λ2(λ2B、λ2G、λ2R)とは比較的近い値となる。このことは、λ2B=462nmであり、λ2G=525nmであり、λ2R=635nmであることからも明らかである。これにより、光源11からの出射光のうちで光強度が高い波長域の光を、効率よくホログラム光学素子33にて回折させて観察者の瞳に導くことができる。したがって、光源11からの出射光の利用効率を上げて、明るい映像を観察者に提供することができる。
特に、本実施形態では、BGRの各色について、λ1は、λ2±20nmの範囲内である、すなわち、
λ1B(465nm)=λ2B(462nm)±20nm、
λ1G(521nm)=λ2G(525nm)±20nm、
λ1R(634nm)=λ2R(635nm)±20nm
である。これにより、BGRの各色について、ホログラム光学素子33における回折効率のピーク波長λ1(λ1B、λ1G、λ1R)と、光源11からの出射光の光強度のピーク波長λ2(λ2B、λ2G、λ2R)とが確実に近くなるので、光源11からの出射光の利用効率を確実に上げることができ、明るい映像を観察者に確実に提供することができる。
(6.光強度に応じた回折効率の調整について)
ところで、図5の中央の破線Fで示される領域は、RGBのカラーバランスを調整するときの白色目標エリアを示している。この目標エリアは、XY色度座標において(X,Y)=(0.32±0.05,0.33±0.05)を中心とするほぼ楕円領域である。そこで、光源11のRGBの各発光部を全て最大パワーで発光したときに表示する白色が上記目標エリアに入るように、露光条件(例えば露光量)および後処理条件(例えばベイク温度、ベイク時間)を最適化することによってホログラム光学素子33のRGBの各波長の最大回折効率を調整すれば、光の利用効率が高く、さらに高品位な映像表示装置1を実現することができる。具体的には以下の通りである。
光源11からの出射光の光強度(ピーク値)の比は、図4から、B:G:Rでおよそ10:5:8である。この場合、ホログラム光学素子33での回折効率(ピーク値)の比がB:G:Rで例えば95:85:50となるように露光条件および後処理条件を最適化し、ホログラム光学素子33を作製する。つまり、視感度の高いG光については、光源11からの出射光の光強度が他のB光やR光よりも小さいので、ホログラム光学素子33でのG光の回折効率を高めに設定している。一方、他のB光やR光については、光源11からの出射光の光強度を考慮して、BGR全体のカラーバランスが良好となるようにホログラム光学素子33でのB光およびR光の回折効率を設定している。
このように、ホログラム光学素子33におけるBGRの回折効率を、光源11からのBGRの出射光の光強度に応じて設定することにより、光源光量を増大させることなく明るい映像を観察者に提供することができるとともに、BGRのカラーバランスを良好にすることができる。つまり、光源11の消費電力の増大を回避しながら、良好な品位の映像を観察者に提供することができる。
なお、上述した回折効率比のホログラム光学素子33を用いた場合、Bについては、光源11からの出射光の光強度と回折効率との積が、他のGやRについてのものよりも高い値となるが、これはBの視感度が低いことを考慮したことによる。カラーバランスは、瞳に到達する光の波長について光強度を足し合わせたもの(積分したもの)にその光の視感度を掛け合わせたもので評価されるので、回折効率比を上記のように設定することによって、BGRの視感度も考慮してカラーバランスを良好にすることができる。
(7.光学瞳内での光強度ピークのずれ量について)
図6は、BGRの各色について、光学瞳EP内での瞳位置による光強度の変化を示す説明図である。なお、図6の横軸の瞳位置は、例えば図2のHMDの上下方向(図3の映像表示装置1の縦方向)の瞳位置を示している。
光学瞳内でBGRの光強度のピーク位置が互いにずれていると、光学瞳EPに対して観察者の瞳が例えば上下方向にずれたときに、観察者の瞳から光強度のピーク位置が外れるような色が生じる場合がある。例えば、図6において、観察者の瞳が横軸右方向に対応する方向にずれると、そのずれ量によっては、R光の光強度のピーク位置が観察者の瞳から外れる。この場合、観察者は映像の色ムラを認識しやすくなる。
そこで、観察者の瞳が直径2mm以上であることを考慮すれば、光学瞳EP内での光強度のピーク位置のずれ量(方向は問わない)は、BGRの各色間で1mm以下であることが望ましい。この場合、光学瞳EPに対して観察者の瞳が多少ずれたとしても、色によってはその光強度のピーク位置が観察者の瞳から外れるような事態を極力回避することができ、観察者が映像の色ムラを認識するのを抑えることができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態の映像表示装置1’の概略の構成を示す断面図である。本実施形態の映像表示装置1’は、図2のHMDに適用可能なものであり、照明光学系10’と、表示素子20’と、接眼光学系30’とで構成されている。
照明光学系10’は、後述する透過型の表示素子で構成される表示素子20’をその裏側(表示面とは反対側)から照明するものであり、光源11と、拡散板14と、集光レンズ15とを有している。集光レンズ15は、光源11から出射されて拡散板14にて拡散された光を表示素子20’に集光する。
表示素子20’は、実施の形態1の表示素子20と同様に、複数の画素をマトリクス状に有し、光源11からの出射光を画像データに応じて各画素ごとに変調することによって映像を表示する光変調素子であるが、本実施形態では、透過型の強誘電液晶表示素子で構成されている。つまり、表示素子20’は、強誘電液晶を2枚の基板で挟持してなり、一方の基板に透明電極(画素電極)が形成され、他方の基板に対向電極が形成されたものである。表示素子20’の各画素は、光源11から時分割で順に供給されるRGBの光のそれぞれに対応して時分割で駆動される。
接眼光学系30’は、実施の形態1のホログラム光学素子33をホログラム光学素子33’に置き換え、第2の偏光板34を省いた以外は、実施の形態1の接眼光学系30と同様の構成である。ホログラム光学素子33’は、表示素子20’から出射されるBGRの光をそれぞれ回折させるなど、基本的な機能はホログラム光学素子33と同様である。ただし、ホログラム光学素子33’を作製するためのホログラム感光材料は、3層カラーフォトポリマーで構成されている。3層カラーフォトポリマーは、BGRの光のそれぞれに感度を有する各層を積層して構成されたものである。なお、ホログラム光学素子33’の特性については後述する。
上記の構成において、照明光学系10’の光源11からはBGRの各色光が時分割で出射される。各色光は、拡散板14にて拡散された後、集光レンズ15を介して表示素子20’に入射する。
表示素子20’では、入射光がRGBごとに画像データに応じて変調され、画像データに応じた映像が時分割でRGBごとに表示される。表示素子20’からの出射光(RGBごとの映像光)は、接眼光学系30’の接眼プリズム31に入射し、そこで複数回全反射された後、ホログラム光学素子33’にて回折されて光学瞳EPに達する。表示素子20’が上記のように時分割で駆動されているので、この光学瞳EPの位置に観察者の瞳を位置させることで、観察者は、表示素子20’に表示されたRGBごとの映像の拡大虚像をカラー映像として観察することができる。
一方、接眼プリズム31、偏向プリズム32およびホログラム光学素子33’は、外界からの光をほとんど全て透過させるので、観察者は外界像をシースルーで観察することができる。表示素子20’に表示された映像の虚像は、外界像の一部に重なって観察されることになる。
本実施形態のように表示素子20’を透過型で構成した場合、光源11が表示素子20’に対して接眼光学系30’とは反対側に位置するレイアウトとなるので、光源11から表示素子20’を介さずに接眼光学系30’に入射するような不要光が発生しにくい。したがって、そのような不要光をカットするための部材(例えば実施の形態1の第2の偏光板34のような部材)を接眼光学系30’の光入射側に設ける必要がなくなる。その結果、接眼光学系30’の構成を簡素化することができる。
次に、ホログラム光学素子33’の特性について説明する。
図8は、ホログラム光学素子33’における回折効率の波長依存性を示す説明図である。なお、図8の回折効率は、BGRの各色について、最大回折効率を1としたときの相対値で示している。また、図8の実線Pは、一般的な露光条件および後処理条件、すなわち、露光量(mJ/cm2)がR:G:Bで15:7:7であり、ベイク温度;120℃、ベイク時間;2時間で作製されたホログラム光学素子33’における回折効率の波長依存性を示している。一方、図8の破線Qは、所定の露光条件および後処理条件、具体的には、露光量(mJ/cm2)がR:G:Bで60:25:25であり、ベイク温度;120℃、ベイク時間;3時間で作製されたホログラム光学素子33’における回折効率の波長依存性を示している。
ホログラム光学素子33’を作製するためのホログラム感光材料として3層カラーフォトポリマーを用いた場合、一般的な露光条件および後処理条件でホログラム光学素子33’を作製すると、図8の実線Pで示すように、各色の回折効率を大きくすることが可能である。したがって、本実施形態のように、表示素子20’を透過型の表示素子で構成する場合、透過型の表示素子は反射型の表示素子と比べて開口率が低いので、光の利用効率を上げるためには、単層カラーフォトポリマーを用いるよりも、回折効率の高いRGB3層のカラーフォトポリマーを用いてホログラム光学素子33’を作製するほうが望ましい。
しかし、一般的な露光条件および後処理条件、すなわち、回折効率を最大にするような条件でホログラム光学素子33’を作製すると、実線Pのように回折効率半値の波長幅が20nmを越え、広くなりすぎる。その結果、実施の形態1で示したΔλ1<Δλ2などの種々の条件を満足することが困難となる。
そこで、本実施形態では、露光条件および後処理条件を上記所定の条件に最適化して破線Qで示す特性のホログラム光学素子33’を作製している。上記所定の条件でホログラム光学素子33’を作製することにより、ホログラム光学素子33’における回折効率半値の波長幅(Δλ1)をRGBの全てについて20nm以下にすることができ、Δλ1<Δλ2などの条件を満足させるようにすることができる。
ちなみに、上記所定の条件でホログラム光学素子33’を作製した結果、ホログラム光学素子33’は、回折効率のピーク波長および回折効率半値の波長幅で465±7nm(B光)、521±7nm(G光)、634±7nm(R光)の3つの波長域の光を回折(反射)させる特性となった。すなわち、B光の回折効率のピーク波長λ1Bは465nmであり、G光の回折効率のピーク波長λ1Gは521nmであり、R光の回折効率のピーク波長λ1Rは634nmであった。また、B光の回折効率半値の波長幅Δλ1Bは14nmであり、G光の回折効率半値の波長幅Δλ1Gは14nmであり、R光の回折効率半値の波長幅Δλ1Rは14nmであった。
このような破線Qで示す特性のホログラム光学素子33’を用いて映像表示装置1’を構成したときの色再現領域は、図5の破線Bで示される領域となる。この破線Bで示す色再現領域は、反射型強誘電液晶素子単独の色再現領域(一点鎖線C)よりも広いことがわかる。したがって、3層カラーフォトポリマーを用いてホログラム光学素子33’を作製した場合には、露光条件および後処理条件を最適化することによって色再現領域を拡大できるという実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、一般的に、ホログラム光学素子の回折効率半値の波長幅を狭くする(回折効率を下げる)方法には、露光量を下げる方法とベイク温度を下げる方法(またはベイク時間を短くする方法)との2通りが考えられるが、回折効率半値の波長幅や回折効率を安定してコントロールできるのは前者の方法である。このような理由から、本実施形態では、露光量を主に最適化することにより、回折効率半値の波長幅のコントロールを行っている。
なお、以上の各実施の形態では、映像表示装置をHMDに適用した例について説明したが、例えば、デジタルカメラの電子ファインダーや、携帯電話機のモニターにも適用することが可能である。また、各実施の形態で説明した構成を適宜組み合わせて映像表示装置を実現することも勿論可能である。
本発明の実施の一形態に係るヘッドマウントディスプレイに用いられる映像表示装置の接眼光学系のホログラム光学素子における回折効率の波長依存性を示す説明図である。 上記ヘッドマウントディスプレイの概略の構成を示す斜視図である。 上記映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記映像表示装置の光源の分光強度特性を示す説明図である。 XYZ表色系におけるXY色度座標を用いて表される色再現領域を示す説明図である。 3原色の各色について、光学瞳内での瞳位置による光強度の変化を示す説明図である。 本発明の他の実施の形態に係る映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 上記映像表示装置の接眼光学系のホログラム光学素子における回折効率の波長依存性を示す説明図である。
符号の説明
1 映像表示装置
1’ 映像表示装置
2 支持手段
11 光源
12 光路折り曲げ部材
20 表示素子(強誘電液晶表示素子、反射型強誘電液晶表示素子)
20’ 表示素子(強誘電液晶表示素子、透過型強誘電液晶表示素子)
30 接眼光学系
30’ 接眼光学系
31 接眼プリズム(第1の透明基板)
32 偏向プリズム(第2の透明基板)
33 ホログラム光学素子
33’ ホログラム光学素子

Claims (20)

  1. 3原色に対応した波長の光を出射する光源と、
    複数の画素を有し、上記光源からの出射光を各画素ごとに変調することによって映像を表示する表示素子と、
    上記表示素子からの映像光を観察者の瞳に導く接眼光学系とを有する映像表示装置であって、
    上記表示素子の各画素は、上記光源から時分割で順に供給される3原色の光のそれぞれに対応して時分割で駆動され、
    上記接眼光学系は、上記表示素子から出射される3原色に対応した波長の光をそれぞれ回折させるホログラム光学素子を有しており、
    上記ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率半値の波長幅をそれぞれΔλ1とし、上記光源からの出射光における3原色の各色についての光強度半値の波長幅をそれぞれΔλ2とすると、3原色の各色について、
    Δλ1<Δλ2
    であることを特徴とする映像表示装置。
  2. 3原色の各色について、
    Δλ1<20nm
    であることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 3原色の各色について、
    Δλ1≦10nm
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の映像表示装置。
  4. 上記ホログラム光学素子は、基板上に塗布されるホログラム感光材料を露光することによって形成されており、
    上記ホログラム感光材料は、3原色の光の全てに感度を有する単層カラーフォトポリマーで構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の映像表示装置。
  5. 3原色の各色について、
    Δλ1>3nm
    であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の映像表示装置。
  6. 3原色の各色について、
    1/10<Δλ1/Δλ2<1
    であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の映像表示装置。
  7. 3原色の各色について、上記ホログラム光学素子における回折効率のピーク波長は、上記光源からの出射光の光強度半値の波長幅の波長域に含まれていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の映像表示装置。
  8. 上記ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率のピーク波長をそれぞれλ1とし、上記光源からの出射光における3原色の各色についての光強度のピーク波長をそれぞれλ2とすると、
    3原色の各色について、λ1は、λ2±20nmの範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
  9. 上記表示素子は、強誘電液晶表示素子であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の映像表示装置。
  10. 上記強誘電液晶表示素子は、反射型であることを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
  11. 上記光源から上記反射型強誘電液晶表示素子に至る光路を折り曲げる光路折り曲げ部材をさらに有しており、
    上記光路折り曲げ部材は、上記光源から上記光路折り曲げ部材に向かう光と、上記反射型強誘電液晶表示素子から上記接眼光学系に向かう光とが交差するように設けられており、
    上記光源からの光が上記光路折り曲げ部材を介して上記反射型強誘電液晶表示素子に入射するときの入射角をθとすると、
    10°<θ<60°
    を満足することを特徴とする請求項10に記載の映像表示装置。
  12. 上記強誘電液晶表示素子は、透過型であることを特徴とする請求項9に記載の映像表示装置。
  13. 上記ホログラム光学素子は、基板上に塗布されるホログラム感光材料を露光することによって形成されており、
    上記ホログラム感光材料は、3原色の光のそれぞれに感度を有する各層を積層した3層カラーフォトポリマーで構成されていることを特徴とする請求項12に記載の映像表示装置。
  14. 上記ホログラム光学素子は、軸非対称な正の光学パワーを有していることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の映像表示装置。
  15. 上記ホログラム光学素子における3原色の各色についての回折効率は、上記光源からの出射光における3原色の各色についての光強度に応じて設定されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の映像表示装置。
  16. 上記接眼光学系によって形成される光学瞳内での光強度のピーク位置のずれ量は、3原色の各色間で1mm以下であることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の映像表示装置。
  17. 上記ホログラム光学素子は、上記表示素子からの映像光と外光とを同時に観察者の瞳に導くコンバイナであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の映像表示装置。
  18. 上記接眼光学系は、上記表示素子からの映像光を内部で全反射させて上記ホログラム光学素子を介して観察者の瞳に導く一方、外光を透過させて観察者の瞳に導く第1の透明基板を有していることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の映像表示装置。
  19. 上記接眼光学系は、上記第1の透明基板での外光の屈折をキャンセルするための第2の透明基板を有していることを特徴とする請求項18に記載の映像表示装置。
  20. 請求項1から19のいずれかに記載の映像表示装置と、
    上記映像表示装置を観察者の眼前で支持する支持手段とを有していることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
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