JP2006184609A - 視野角制御シート及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 液晶表示装置の光源と液晶パネルとの間に設けられる視野角制御シートであって、前記視野角制御シートは、断面形状が台形のレンズ部が所定の間隔で配列されるとともに、隣り合う前記レンズ部間の楔形部は、前記レンズ部と、同一又は異なる材料が充填され、前記楔形部は光源側に先端を有するとともに観察者側に底面を有し、前記楔形部に光吸収効果があることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
一方、例えば通勤電車の中で仕事をする場合やATM等の公共の場に設置された液晶表示装置では、周りの人から画面を覗かれては困ることがあり、このような場合には液晶表示装置の観察者のみに見え、他人からは見えないようにプライバシーを保護するための覗き見防止機能が求められている。また、カーナビゲーションシステム等の車載型の液晶表示装置においては、夜間などに液晶表示装置の画面が窓ガラスに映り込み、視界を遮る現象がおこるため、映り込み防止機能が求められており、光線出光角度の制御が望まれている。このような要求に対して、例えば図8に示すようなルーバータイプの視野角制御シートが開発されて使用されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照。)。ルーバータイプの視野角制御シートは、外光を遮光してコントラストを上げる効果を示し、ルーバーにおける二重像(ゴーストと称する。)の発生を減少させた視野角制御シートが開示されており、例えば、特許文献1の第5図には、ゴーストの説明図が記載されている。
ルーバータイプの視野角制御シートの代表的な製造方法としては、特許文献1、3に記載されるように、光を吸収するために着色した樹脂と透明樹脂とを交互に積層させ、着色層と透明層とを交互に形成し、最後に積層方向と垂直に一定の厚さで切断するという製造方法が行なわれている。ルーバータイプの視野角制御シートは、例えば、液晶表示装置の光源と液晶パネルの間に設けて使用されている(例えば、特許文献4参照。)。
さらに、上述の特許文献に記載された製造方法では、所望の厚さになるまで透明部分と着色部分とを交互に積層しなければならず、生産性が悪く、製造コストが高くなるという欠点があった。また、透明部分と着色部分とを積層後、得られたブロックを均一な厚みに平削りするという極めて高度で煩雑な作業を必要とし、工程数、装置とも大がかりなものになってしまい多大なコストがかかるという問題があった。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる視野角制御シートS1の一方向の断面を示す図である。図1においては、図面右側に光源が配置されて拡散光が出射され、図面の左側に観察者が位置している。この視野角制御シートS1は、観察者側から光源方向に順に、観察者側ベースシート11、レンズ部12、映像源側ベースシート13が貼り合わされて形成されている。レンズ部12は、屈折率がN1の物質で形成されている。さらに、図1では上下方向に隣接する2つのレンズ部12の斜辺に挟まれた部分の断面形状は、観察者側に幅広の下底面17を有する楔形部をなし、レンズ部12と同一又は異なる材料物質が充填され、屈折率N2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの屈折率N2の物質で埋められている部分を「楔形部14」という。楔形部14の断面形状は、光源からの拡散光を効率良く反射するために、光源側に楔形部の先端を有する略三角形又は略台形であることが好ましい。図1においては、楔形部14は略台形をなし、観察者側に下底面17、光源側に先端となる幅の狭い上底面18を備えている。
(1) N2−N1 ≧−0.01
図2は、本発明の第二の実施形態にかかる視野角制御シートS2の断面を示している。この視野角制御シートS2は、観察者側から光源側の方向に順に、観察者側ベースシート21、レンズ部22、光源側ベースシート23が貼り合わされて配置されている。レンズ部22は屈折率N1を有する物質により形成されている。さらに、図面の上下方向に隣接する2つのレンズ部22にはさまれた断面形状台形の部分には、屈折率N2を備えた透明な物質(以下において「透明物質26」という。)中に光吸収粒子29が添加された材料で充填されている。以降の説明においては、この透明物質26が充填されている部分を「楔形部24」と呼ぶ。断面形状台形の楔形部24は、観察者側に幅広の下底面27、光源側に先端である上底面28を備えている。
すなわち、光吸収作用を持つ着色粒子と、透明物質の機能を有し、バインダーの作用を受け持つ主材料となる電離放射線硬化型樹脂と、電離放射線硬化をスムーズに行うための光開始剤からなるインキが楔形部24に充填される。製造上の容易さを向上させるため、必要に応じて、脱泡剤やレベリング剤等の添加剤を適宜少量、上記のインキに添加しても良い。
上記の着色粒子の中で、本発明においては、黒色粒子がもっとも光吸収性が高いので好ましい材料である。
また、第二の実施形態における視野角制御シートS2における光吸収粒子29は、楔形部24の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
また、本発明においては、1枚の視野角制御シートの面内の上方と下方で、楔形部の角度を変えることも可能である。
なお、本発明の視野角制御シート71は、半透過型/半反射型の液晶表示装置にも適用できるものである。
また、携帯電話やATM等の表示装置に覗き見防止用途としても用いられる。この際、覗き見防止を徹底するために、レンズ部が垂直方向に配列された視野角制御シートと、レンズ部が水平方向に配列された視野角制御シートとの2枚を積層して用いることにより、正面の観察者しか見えないようにすることもできる。
図3に示すような、断面形状等脚台形の楔形部を有し、台形部の下底面にブラックストライプ(BS)を設けた視野角制御シートを下記仕様にて作製した。BS率は視野角制御シートの楔形部下底面に形成されたBSの面積比率を示し、台形テーパー角度は台形楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度(θ)である。シートの評価方法は透過率と視野角で行なった。
透過率は、視野角制御シートを(株)中村色彩技術研究所製の微小偏角輝度計GP−500に設置し、リファレンスに、角度−80°〜+80°でほぼ均一な拡散光が得られる基準片を用いて計測し、基準片のみの透過率を100%とした時の計算値より求めた。
BS率:25%
レンズ間ピッチ:0.1mm
レンズ部材料(樹脂)屈折率:1.56
楔形部材料屈折率:1.56
楔形部上底面幅:7μm
台形テーパー角度:5°
黒色光吸収粒子粒径:5μm
黒色光吸収粒子濃度:25%
BS率を50%とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製して評価した。
視野角は略20°であり、有効部に入射した映像光は反射して集束され、映像光からの拡散光は有効に利用され、コントラストが高く、楔形部斜面への入射角度の小さい光は楔形部で吸収され、ゴーストが抑えられた視野角制御シートが得られた。
断面形状台形の楔形部を有し、図4に示すように、台形の上側斜面のテーパーを10°、下側斜面のテーパーを0°とし、それ以外の条件は実施例1と同じである視野角制御シートを作製した。
11、21、31、51、61 観察者側ベースシート
12、22、32、52、62 レンズ部
13、23、33、53、63 光源側ベースシート
14、24、34、54、64 楔形部
17、27、37、57、67 下底面
18、28、38、58、68 上底面
26 透明物質
29 光吸収粒子
70 表示装置
71 視野角制御シート
72 液晶パネル
72a 液晶パネルの表面
72b 液晶パネルの表示領域
73 表面保護板
74 光源
74a 発光面
L11、L12、L13、L21、L22、L23、L31、L32、L33、L5 光線
L14、L24、L34 光源側から小さな角度で入射する光
L15、L25、L35 外光
Claims (14)
- 液晶表示装置の光源と液晶パネルとの間に設けられる視野角制御シートであって、前記視野角制御シートは、断面形状が台形のレンズ部が所定の間隔で配列されるとともに、隣り合う前記レンズ部間の楔形部は、前記レンズ部と、同一又は異なる材料が充填され、前記楔形部は光源側に先端を有するとともに観察者側に底面を有し、前記楔形部に光吸収効果があることを特徴とする視野角制御シート。
- 前記楔形部の断面形状が観察者側に幅広の下底面を有する略台形であることを特徴とする請求項1に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度をθとしたとき、θが0度〜15度の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部の少なくとも斜面部分を構成する材料の屈折率N2と、前記レンズ部を構成する材料の屈折率N1との間に N2−N1≧−0.01 なる関係を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部に光吸収粒子が添加されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 請求項5において、前記楔形部が観察者側に幅広の下底面を有する略台形であって、前記光吸収粒子の平均粒径が1μm以上で、前記台形の下底面の幅の半分以下であることを特徴とする視野角制御シート。
- 前記光吸収粒子の添加量が10〜50体積%であることを特徴とする請求項5又は6に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部にブラックストライプが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の視野角制御シートの少なくとも一面側に、AR、ASのうちのいずれか、又は両方の付加機能が付与されていることを特徴とする視野角制御シート。
- 前記楔形部の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が異なっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の視野角制御シートを横ストライプで用いることを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の視野角制御シートが1枚、又は略直交して2枚積層して用いることを特徴とする表示装置。
- 透過型液晶パネルと、この液晶パネルの裏面側に配置されて当該液晶パネルに光を面状に入射させる面状光源とを備えた液晶表示装置において、前記光源からの光が前記液晶パネルを通り、所定角度範囲に前記液晶パネルへの入射角範囲を制御するように前記液晶パネルと前記光源との間に、請求項1〜10に記載の視野角制御シートを備えることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項11〜13に記載の表示装置に用いる視野角制御シートにおいて、前記楔形部の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度は、上側の角度が下側の角度より大きいことを特徴とする表示装置。
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