JPH11295705A - 高分子分散型液晶表示素子 - Google Patents

高分子分散型液晶表示素子

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JPH11295705A
JPH11295705A JP10104473A JP10447398A JPH11295705A JP H11295705 A JPH11295705 A JP H11295705A JP 10104473 A JP10104473 A JP 10104473A JP 10447398 A JP10447398 A JP 10447398A JP H11295705 A JPH11295705 A JP H11295705A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
polymer
crystal display
dispersed liquid
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Application number
JP10104473A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Kenji Nakao
健次 中尾
Tsutomu Kamimura
強 上村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視角が広く表示品位に優れた直視型の高分子
分散型液晶表示素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 高分子302中に液晶滴303が分散配
置され、背後に導光板307、光吸収板308、及び光
源309等を有する直視型の高分子分散型液晶表示素子
において、高分子分散型パネル305と導光板307間
に光の入射角度により透過光を吸収する効果を有する異
方性光吸収フィルム306を積層する。これにより、黒
表示時の斜め方向に発生する残留散乱光が低減され視角
が拡大し表示品位が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度、広視野な
直視型ディスプレイに関するもので、特に、高分子と液
晶から成る高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子と液晶を非相溶状態に分散させた
高分子分散型液晶パネルは、偏光板が不要で高輝度の表
示が容易に得られるディスプレイとして盛んに開発が進
められている。高分子分散型液晶パネルは、従来は液晶
プロジェクターや背面投写型液晶テレビ等に用いる投写
型パネルとして開発されることが多かった(例えば、M.
Kunigita et.al, Conference record of the 1997 Inte
rnational Display Research Conference,L-54-57)。
【0003】一方、小型テレビ、携帯端末等に用いるこ
とが可能な直視型ディスプレイに高分子分散型液晶を応
用する手法もいくつか提案されている。高分子分散型液
晶は散乱モードを利用したものであるため、基本的に
は、透明状態と白表示のスイッチングで表示を行う。従
って、直視型に高分子分散液晶を用いるには、黒表示を
行う手法が必須となる。そのための手法としては、例え
ばマイクロレンズと遮光層を形成する手法(特開平7-
128663号公報)、遮光層を対向する基板上に交互
に形成する手法(特開平6-273724号公報)、及
び背後に光吸収層を用いて黒表示を行う手法(特開平6
-347764号公報)等が提案されている。
【0004】また、高分子分散型パネルを調光ガラスと
して用いる場合、室内に差し込む太陽光エネルギー量を
調整する目的のために、微少なルーバーを透明体に形成
した異方性光吸収フィルムを、室内側の基板面上に積層
する手法が提案されている(特開平8−21990号公
報)。
【0005】さらに、一般的に液晶ディスプレイの視角
を改善する手法として、微少な空壁を多数有する第1の
光学シートをパネル前面に積層し、パネル後面に微少な
ルーバーを組み込んだ第2の光学シートとプリズムシー
トを積層する手法が提案されている(特開平9−179
107号公報)。このとき、第1の光学シートが視角拡
大の効果を有し、第2の光学シートは光源の光をパネル
に垂直に入射する効果を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
分散型パネルを直視型ディスプレイに用いると、高輝度
なパネルが得られる利点がある反面、視角が狭いという
欠点がある。
【0007】そこで以下では上記の問題点について説明
する。高分子分散型液晶パネルは、散乱モードを利用し
て表示を行うため、通常は電圧無印加が散乱状態、電圧
印加で透明状態となる。これは電圧無印加時は液晶がラ
ンダムに配置し、さらに液晶と高分子の屈折率がミスマ
ッチングのため散乱状態となり、電圧印加時は液晶が電
界方向に配列するため液晶と高分子の屈折率マッチング
が起こり、散乱が解消されるためである。しかしながら
通常、電圧印加で透明状態が得られるのは、パネル正面
付近のみで、視角を傾けると散乱状態が若干残っている
ため薄く白濁して見える。これは、液晶は屈折率異方性
を有するため、電圧印加時に斜めから見たときの屈折率
が正面と異なり周囲の高分子との間で屈折率のミスマッ
チングが発生するためである。
【0008】従って、例えばパネル背後に光吸収板を配
置した場合、電圧印加時にパネル正面は黒表示が得られ
るが、斜め方向は白濁のため黒が浮いた状態となり、コ
ントラストが大きく低下し、これにより高分子分散型パ
ネルを直視型パネルに用いると視角が狭くなるのが通例
であった。
【0009】本発明は上記課題に鑑み、電圧印加時の斜
め視角方向の白濁に起因するコントラストの低下を劇的
に低減し、広い視野角を実現できる高分子分散型液晶表
示素子を提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は一対の基板間に高分子分散型液晶が挟持さ
れ、パネル背後に導光板と光吸収層を有する直視型の高
分子分散型液晶表示素子に対して、次のような解決手段
を講じた。
【0011】すなわち、本発明の第一の解決手段は、裏
面側の基板に、基板に入射する光が基板と成す角度に応
じて透過光強度を減衰することで、視角を拡大する作用
を有する異方性光吸収フィルムを積層したことを特徴と
する。このとき、異方性光吸収フィルムは、基板にほぼ
垂直に入射する入射光はほぼ透過し、基板と入射光が成
す角度が小さくなるほど、前記入射光の強度を減衰する
効果が大きくなる作用を有する。具体的には、本発明に
おける異方性光吸収フィルムは、透明部と不透明部から
成り、さらに前記不透明部が前記フィルムの厚さ方向に
透明部を囲んだ柱状に形成されていることを特徴とす
る。このとき、不透明部は、透明部を囲んだ円柱状、も
しくは多角形柱が多数形成されていることで、電圧印加
時において、視角を傾けるほど透過光強度が減衰し、黒
表示が得られて視角が拡大する。また、不透明部がスリ
ット状に形成された2枚のフィルムを互いのスリットが
ほぼ直交するように積層しても同様の効果が得られる。
このとき、光吸収層に面する側の異方性光吸収フィルム
の不透明部の表面に光反射層を形成することで、不透明
部に吸収される光量が低減し輝度が増加する。
【0012】本発明の第二の解決手段は、高分子分散型
液晶表示素子が、カラーフィルタを構成要素に含み、さ
らにカラーフィルタが、RGBの個々のカラーモザイク
に不透明部を有することで視角拡大の効果を有すること
を特徴とする。このとき、RGBの個々のカラーモザイ
クに、不透明部が多角形柱、もしくは円柱の形状に多数
形成されている。また、カラーフィルタが、光吸収層に
面する側の基板に形成され、さらに光吸収層に対面する
側の不透明部の表面に光反射層を形成することで、背後
から垂直に入射する光が不透明部に吸収される率が減少
し、光利用効率が向上してパネル輝度が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る高分子分散型液晶表示素子について図面を参照しなが
ら説明する。
【0014】(実施の形態1)本発明の特徴は、高分子
分散型パネルの後側基板に異方性光吸収フィルムを積層
することにある。この異方性光吸収フィルムの存在によ
り、パネルに垂直に入射する光はほぼ透過し、斜め方向
から入射する光は入射角に応じて透過光強度が減衰する
ことができ、結果として直視型高分子分散型パネルの視
角を拡大することができる。
【0015】図1は、本発明の異方性光吸収フィルムの
模式図を示したものであり、図1(a)は断面図、図1
(b)は上面図である。本例の異方性光吸収フィルム
は、透明部101と不透明部102から成り、不透明部
102は正6角形が細密充填された構造となっている。
このとき、フィルムに垂直に入射する入射光A103
は、フィルムをほぼ透過するが、斜めに入射する入射光
B104は不透明部102に一部を遮られて強度が減衰
する。このときのフィルム透過光強度の視角依存性の模
式図を図2に示す。透過光強度は、パネル正面(φ=0
゜、φは図1(a)中で定義)で最も大きい。また、視角
を傾けるほど減衰が大きくなり、あるφ以上は完全に遮
蔽される。
【0016】図3は、本発明の高分子分散型液晶表示素
子の模式的断面図である。本液晶表示素子は、透明な一
対の基板300、301間に調光層を構成する高分子3
02、及び液晶滴303が分散配置された高分子分散型
液晶パネル305と、異方性光吸収フィルム306、異
方性光吸収フィルム306と光学的に接続された導光板
307、パネル背後に配置された光吸収板308、及び
導光板の側面に配置された光源309とを備えている。
図3において異方性光吸収フィルム306を含まない従
来の構成で、パネルの透過光強度を測定した場合の視角
特性を図4に示す。図4は、電圧無印加時と、完全に液
晶が立ち上がる電圧を印加した電圧印加時における透過
光強度である。従来の構成では、電圧印加時において、
正面方向は光吸収板により黒表示が得られているが、斜
め視角では散乱が残留しており、黒が浮いている。この
ため、コントラストが急激に低下し視角が狭くなってい
た。
【0017】従来の構成に異方性光吸収フィルムを積層
した場合、電圧印加時のパネルの透過光強度は、図4の
透過光強度に図2のフィルムの透過光強度を積算した値
になる。このとき、斜め視角で残留する散乱に起因する
白濁は、異方性光吸収フィルムにより透過光強度自体が
減衰されることで輝度が低下する。このため、結果的に
黒浮きが抑制され視角が拡大する。
【0018】図5は、電圧無印加時におけるパネル内で
の散乱光の状態を示す模式図である。異方性光吸収フィ
ルムを導光板側の基板に積層した場合、電圧無印加時に
おいてもパネルに斜めから入射する入射光A511は、
フィルムに吸収されるため強度が減衰する。しかし、パ
ネルが散乱状態であるためにパネルにほぼ垂直方向から
入射してもパネルから斜め方向に出射する散乱光B51
3が発生し、結果的に斜め方向の輝度低下は少ない。ま
た、パネルが散乱状態のためフィルムの不透明部は散乱
時の白濁と平均化され結果的に均一な表示が得られる。
また、光吸収層側に面する不透明部の表面に光反射層を
形成すると、不透明部での吸収光が低減し輝度向上の効
果がある。
【0019】なお、異方性光吸収フィルムを後面ではな
く、前面の基板に積層しても視角拡大の効果が得られ
る。しかし、前面に積層すると、パネル散乱時にパネル
を斜め方向に出射する光はフィルムの不透明部で完全に
吸収されるため斜め方向のパネル輝度が低下する。ま
た、不透明部が目で直接認識されるため、表示の不均一
が発生する。従って、異方性光吸収フィルムは後面側の
基板に積層することが好ましい。
【0020】以上から明らかなように、視角により透過
光強度を減衰する効果を有する異方性光吸収フィルムを
積層することで、散乱状態の輝度の低下を最小限に抑え
ながら、斜め方向のコントラストを大きく向上させ、視
角を拡大することが可能となる。
【0021】視角により透過光強度を減衰させる手段と
しては、透明フィルムの断面方向に光吸収壁からなる不
透明部を多数形成することで実現できる。不透明部は面
内に多数形成されていれば良く、不透明部の形状として
は、円柱、多角形柱等を用いることができる。なお、不
透明部をフィルム面内で細密充填構造に作成すれば視角
拡大効果がより大きくなる。
【0022】上記の透明部の円柱形状、もしくは多角形
柱形状の最大内径をL、前記異方性光吸収フィルムの厚
みをdとしたときに、比L/dが√3であれば入射角3
0゜以上の光が遮光され、1/√3以上であれば60゜
以上の光が遮光される効果がある。比L/dが小さくな
ると、フィルム面内で不透明部が占める面積が大きくな
るため散乱時の輝度が下がる。一方、比d/Lが大きい
と斜め方向の光が十分に遮蔽されないため視角拡大の効
果が低減する。このため比d/Lには最適範囲が存在
し、1/√3<d/L<√3であれば、輝度と視角が両
立できる。
【0023】また、図6に示したように、比d/Lが、
フィルム面内で異なるフィルムを用いると、視角拡大の
効果に加えて、視差を補正することで表示の均一性の効
果が得られる。特に表示領域が10インチ以上と大画面
になった場合には、パネルを見込む視差による輝度、コ
ントラスト分布が発生する。このような場合に、比d/
Lを表示領域の中央で小さく、端部で大きくすること
で、斜めから見た場合の輝度やコントラストを制御する
ことができる。このとき、透明部と不透明部の面積比が
個々の領域で同じであれば、パネル正面から観察した場
合に面内で均一な輝度が得られる。
【0024】(実施の形態2)本実施の形態の特徴は、
上記の実施の形態1の構成において、不透明部がスリッ
ト状に形成された2枚の異方性光吸収フィルムを、スリ
ットが互いに直交するように積層したことにある。本構
成のフィルムは、4角形の形状に不透明部が形成された
1枚の異方性光吸収フィルムと、ほぼ同様の視角拡大の
効果がある。
【0025】(実施の形態3)図7は本発明の実施の形
態3に係わる液晶表示素子の構成を示す断面図である。
【0026】高分子分散型液晶パネル705は、ガラス
基板700、701の間に高分子702と液晶704を
含有する液晶滴703が分散配置され、液晶滴703は
高分子702内に島状に存在している。高分子分散型液
晶パネル705の背後には、導光板707、光吸収板7
08、及び光源709が配置されている。また、導光板
707側のガラス基板700にはカラーフィルタ711
と透明電極712が形成されている。また、ガラス基板
701には、画素電極713、ソースライン714、T
FT素子等が形成されている。
【0027】本発明の特徴は、カラーフィルタ711
が、パネルの視角を拡大する効果を有することにある。
このとき、パネルに垂直に入射する光はほぼ透過し、斜
め方向から入射する光は入射角に応じて透過光強度が減
衰する作用を有するカラーフィルタを用いることで直視
型高分子分散型パネルの視角を拡大することができる。
【0028】カラーフィルタが視角拡大の効果を有する
ことで、低コスト化、及びコンパクト化が図れる。この
とき、カラーフィルタは上述したのと同様に、RGBの
カラーモザイクの内部に不透明部を含み、不透明部が多
角形柱、もしくは円柱の形状に形成されていれば良い。
また、光吸収層に対面する側の不透明部の表面に光反射
層が形成されていれば、光源から不透明部に吸収される
光が減少し光利用効率の向上、及び輝度向上が図れる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0030】(実施例1)図3に示す本発明の実施の形
態1に対応する液晶表示素子を以下のようにして作成し
た。
【0031】重合性モノマー(2エチルヘキシルアクリ
レート)88%とオリゴマー(ビスコート828 大阪
有機化学工業製)9%と重合開始剤(ベンジルメチルケ
タール 日本化薬製)1%を混合し、この混合物20%
に液晶材料TL205(メルク社製)80%を混合した
組成物を形成した。
【0032】TFT素子が形成されたガラス基板300
と、透明電極とカラーフィルタが形成されたガラス基板
301を、シール樹脂とスペーサを介してパネルギャッ
プ13μmで貼り合わせ、上記の組成物をパネルに真空
中で注入した。次に、パネルに紫外線を照射し、モノマ
ーと液晶を相分離させることで高分子分散型液晶パネル
305を作成した。このとき、紫外線の強度は200m
W/cm2、重合時の温度は18℃とした。
【0033】ガラス基板300に異方性光吸収フィルム
306として、図1に示すような正六角柱のルーバが密
集した構造のハニカム型ライトコントロールフィルム
(旭化成工業(株)製)を貼り合わせた。本フィルムの
厚さをd(μm)、正六角柱の最大内径をL(μm)と
したときに、比L/dは、フィルム全面で1であった。
これは、45゜以上の入射光を完全に遮蔽する効果を有
する。また、本フィルムの片側には、不透明部に対応し
た部分にアルミを用いて反射層が形成されている。
【0034】さらに上記フィルムの反射層が形成された
側を、アクリル導光板307と光学的に接続するように
エチレングリコールを介して貼り合わせた。次にアクリ
ル導光板307の側面に光源309を配置した。さら
に、アクリル導光板307の背後に光吸収板308とし
て黒色板を配置し、直視型高分子分散型液晶表示素子と
した。
【0035】上記構成の液晶表示素子の視角特性とパネ
ル輝度の測定結果を以下に示した。このとき、比較例と
して異方性光吸収フィルム306を含まない従来の構成
を比較例1、異方性光吸収フィルム306を、光源側で
はなく観察者側のガラス基板301上にのみ積層した場
合を比較例2、及びフィルム片面に反射層を形成してい
ない同フィルムを用いた場合を比較例3とし、視角特性
と輝度を測定した。
【0036】従来はコントラスト比5対1で15゜(比
較例1)の視角が、本発明では36゜(実施例1)に拡
大した。一方、基板法線方向から角度30゜における電
圧無印加時(散乱時)の輝度は、フィルムを光源側に配
置すると法線方向輝度の65%(実施例1)が得られた
が、観察者側に配置すると53%(比較例2)に大きく
低下した。また、フィルム片面に反射層を形成した場合
(実施例1)、正面でのパネル透過率は、パネルを配置
しない場合の80%が得られたが、反射層が形成されな
い場合(比較例3)、不透明部に光が吸収されるため、
視角は同等だが透過率は67%に低下した。
【0037】このように、上記の異方性光吸収フィルム
を光源側の基板に積層することで、広視角と高輝度のパ
ネルが得られる。また、片面に反射層を形成すること
で、更なる高輝度化が図れる。
【0038】上記例では、不透明部の形状は正六角柱で
あったが、これは正四角柱、正三角柱等の多角形柱、若
しくは円柱、楕円柱であっても同様の効果がある。
【0039】また、上記の比L/dは1以外でも良い。
例えば、比L/dが√3であれば入射角30゜以上の光
が遮光され、1/√3以上であれば60゜以上の光が遮
光される効果がある。このとき、比L/dが小さくなる
と、フィルム面内で不透明部が占める面積が大きくなる
ため散乱時の輝度が下がる。一方、比d/Lが大きいと
斜め方向の光が十分に遮蔽されないため視角拡大の効果
が低減する。
【0040】このため比d/Lには最適範囲が存在し、
1/√3<d/L<√3であれば、輝度と視角が両立で
きる。
【0041】上記例では、高分子中に液晶滴が互いに独
立して分散しているが、これは、屈折率マッチングを用
いて散乱/透明状態を用いて表示を行う構成であれば良
い。従って液晶滴が互いの一部が連結した構成や、網目
状の高分子中に液晶が分散したポリマーマトリクス型、
及びリバースモードのパネルでも良い。また、液晶材
料、紫外線の照射条件等の作成条件も上記例に限らな
い。反射層は上記以外にも金属薄膜、及び無機の多層薄
膜層等を用いることができる。
【0042】(実施例2)図8に示す本発明の実施の形
態2に対応する液晶表示素子を以下のようにして作成し
た。
【0043】実施例1と同様の構成で、比d/Lが表示
領域の中央と端部で異なる異方性光吸収フィルム806
を積層した。このとき表示領域の中央部の比d/Lを
1、端部の比を√3とし、中央と端部間の比は連続的に
変化させた。このとき、フィルムの透明部と不透明部の
面積比は個々の領域で同一とした。具体的には、フィル
ム面内における不透明部の幅を、中央と端部で変えて作
成した。本例では、中央部の不透明部の幅を1としたと
きに、端部の幅を1/√3とすることで面積比を同一に
することができる。
【0044】上記フィルムは、パネル中央部は入射角4
5゜以上の光が遮光され、端部は30゜以上の光が遮光
される効果を有する。
【0045】パネルを斜め45゜方向から観察したとこ
ろ、パネル中央部と観察者側に近い端部の見込み角がほ
ぼ一致した。このため観察者側と反対側のパネル端部付
近を除き、パネル全面でほぼ均一なコントラストが得ら
れた。このとき、実施例1と同様に視角が大きく拡大し
良好な表示が得られた。また、不透明部の幅を変えたこ
とで、比d/Lが面内で異なってもパネル正面は均一な
輝度が得られた。
【0046】フィルム面内の比d/Lは、上記以外にも
パネルのサイズ、及び見込み角等を考慮して任意に設定
することができる。
【0047】(実施例3)実施例1と同様の構成で、比
d/Lが表示領域の中央、観察者側端部、及び観察者と
反対側の端部で異なる異方性光吸収フィルムを積層し
た。このとき表示領域の中央部の比d/Lを1、観察者
側端部の比を√3、及び観察者と反対側の端部の比を1
/√3とし、中央と端部間の比は連続的に変化させた。
このとき、フィルムの透明部と不透明部の面積比は個々
の領域で同一とした。具体的には、フィルム面内におけ
る不透明部の幅を、中央と端部で変えて作成した。本例
では、中央部の不透明部の幅を1としたときに、観察者
側端部の幅を1/√3、観察者と反対側の端部の幅を√
3とすることで面積比を同一にすることができる。
【0048】上記フィルムは、パネル中央部は入射角4
5゜以上の光が遮光され、観察者側の端部は30゜以
上、観察者と反対側の端部は60゜以上の光が遮光され
る効果を有する。
【0049】パネルを斜め45゜方向から観察したとこ
ろ、パネル中央部と観察者側に近い端部、及び観察者と
反対側の端部の見込み角がほぼ一致した。このため、パ
ネル全面でほぼ均一なコントラストが得られた。このと
き、実施例1と同様に視角が大きく拡大し良好な表示が
得られた。また、不透明部の幅を変えたことで、比d/
Lが面内で異なってもパネル正面は均一な輝度が得られ
た。
【0050】フィルム面内の比d/Lは、上記以外にも
パネルのサイズ、見込み角、及びパネルの主たる観察方
向を考慮して任意に設定することができる。
【0051】(実施例4)実施例1と同様の構成で、不
透明部がスリット状に形成された異方性光吸収フィルム
(ライトコントロールフィルム、3M社製)2枚を、ス
リットが互いに直交するように積層して直視型高分子分
散型液晶表示素子とした。
【0052】本構成の素子の視角を測定したところコン
トラスト比で5:1の領域が30゜に拡大し良好な表示
が得られた。
【0053】(実施例5)図7に示す本発明の実施の形
態3に対応する液晶表示素子を以下のようにして作成し
た。
【0054】高分子分散型液晶パネル705は、実施例
1と同様の構成とした。高分子分散型液晶パネル705
の背後には、アクリル製導光板707、光吸収板70
8、及び光源709が配置されている。また、導光板7
07側のガラス基板701にはカラーフィルタ711が
形成されている。このとき、カラーフィルタ711を形
成する際に、RGBのカラーモザイク内に正6角形状の
ルーバ715を多数形成した。ルーバ715は、対応す
る部位にアルミ反射膜を形成した上にカーボン系樹脂を
用いて内径8μm、高さ5μmで作成した。また、カラ
ーモザイクは、顔料を分散した感光性レジスト材を基板
に塗布した後、露光と現像を3回繰り返して作成した。
このとき、着色層の厚みは5μmとした。次にカラーモ
ザイク上にアクリル樹脂を用いてオーバーコート層を1
μmの厚みで形成し、最後に透明電極712としてイン
ジウムチタンオキサイド膜を形成した。
【0055】本構成の素子の視角を測定したところコン
トラスト比で5:1の領域が、33゜に拡大し良好な表
示が得られた。
【0056】このとき、カラーフィルタは上述したのと
同様に、RGBのカラーモザイクの内部に不透明部を含
み、不透明部が多角形柱、もしくは円柱の形状に形成さ
れていれば良い。また、光反射層はアルミ以外でも良
い。例えば誘電体多層膜等を用いることができる。
【0057】ルーバーの比d/Lは上記以外にも、視角
の設計を考慮して1/√3<d/L<√3の範囲で形成
すれば良い。また、ルーバー形状も円形、楕円形、多角
形状等であれば良い。視角が上下左右の一方向のみ拡大
する場合であれば、ルーバはスリット状でも良い。
【0058】ルーバーの比d/Lは、カラーフィルタの
全面で同一でも異なっても良い。比d/Lが異なれば、
上述した実施例1から3と同様に視差を補正する効果が
ある。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直視型の高分子分散型液晶パネルにおいて、入射角度に
より透過光を減衰する効果を有する異方性光吸収フィル
ム、若しくはカラーフィルターを積層することで、視角
を拡大し良好な視認性能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における高分子分散型液
晶表示素子の異方性光吸収フィルムの模式図
【図2】本発明の実施の形態1における高分子分散型液
晶表示素子の異方性光吸収フィルムの透過光強度の入射
角依存性を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における高分子分散型液
晶表示素子の構成を示す断面図
【図4】従来の直視型高分子分散型液晶表示素子の透過
光強度を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における高分子分散型液
晶表示素子の構成を示す断面図
【図6】本発明の実施の形態1における高分子分散型液
晶表示素子の異方性光吸収フィルムの模式図
【図7】本発明の実施の形態3における高分子分散型液
晶表示素子の構成を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態2における高分子分散型液
晶表示素子の構成を示す断面図
【符号の説明】
300 ガラス基板 301 ガラス基板 302 高分子 303 液晶滴 304 液晶 305 高分子分散型液晶パネル 306 異方性光吸収フィルム 307 導光板 308 光吸収板 309 光源 310 光源カバー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも透明な一対の基板と、前記基板
    間に挟持された調光層と、前記基板の裏面基板の背後に
    積層された異方性光吸収フィルムと、前記異方性光吸収
    フィルムと光学的に接続された導光板と、前記導光板の
    側面に配置された光源と、前記導光板の背後に配置され
    た光吸収層を有する液晶表示素子であって、前記調光層
    が高分子と液晶とを有する高分子分散型液晶層であり、
    前記異方性光吸収フィルムが基板に入射する光が基板と
    成す角度に応じて透過光強度を減衰することを特徴とす
    る高分子分散型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】異方性光吸収フィルムが、透明部と不透明
    部から成り、かつ、前記不透明部が前記異方性光吸収フ
    ィルムの厚さ方向に透明部を囲んだ円柱状、もしくは多
    角形柱状に形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の高分子分散型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】不透明部が、異方性光吸収フィルムの全面
    に細密充填構造に形成されていることを特徴とする請求
    項2に記載の高分子分散型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】透明部の円柱形状、または多角形柱形状の
    最大内径をL、異方性光吸収フィルムの厚みをdとした
    ときに、比d/Lが1/√3<d/L<√3であること
    を特徴とする請求項2または3に記載の高分子分散型液
    晶表示素子。
  5. 【請求項5】透明部の円柱形状、または多角形柱形状の
    最大内径をL、異方性光吸収フィルムの厚みをdとした
    ときに、比d/Lが、表示領域の中央付近と端部付近で
    異なることを特徴とする請求項2または3に記載の高分
    子分散型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】表示領域の中央付近における比d/Lが、
    端部付近の前記比d/Lよりも小さく、かつ中央から端
    部にかけて前記比d/Lが連続的に変化していることを
    特徴とする請求項5に記載の高分子分散型液晶表示素
    子。
  7. 【請求項7】不透明部と透明部の面積比が、表示領域の
    個々の領域でほぼ等しいことを特徴とする請求項5また
    は6に記載の高分子分散型液晶表示素子。
  8. 【請求項8】異方性光吸収フィルムが、透明部と不透明
    部から成り、かつ前記不透明部が前記異方性光吸収フィ
    ルム内にスリット状に形成されており、前記異方性光吸
    収フィルムを前記スリット状の不透明部が互いに直交す
    るように積層したことを特徴とする請求項1に記載の高
    分子分散型液晶表示素子。
  9. 【請求項9】光吸収層側に面する不透明部の表面に光反
    射層が形成されていることを特徴とする請求項2、3ま
    たは8に記載の高分子分散型液晶表示素子。
  10. 【請求項10】少なくとも透明な一対の基板と、前記基
    板間に挟持された調光層と、前記基板の裏面基板に形成
    されたカラーフィルタと、前記裏面基板と光学的に接続
    された導光板と、前記導光板の側面に配置された光源
    と、前記導光板の背後に配置された光吸収層を有する高
    分子分散型液晶表示素子であって、前記調光層が高分子
    と液晶とを有する高分子分散型液晶層であり、前記カラ
    ーフィルタが基板に入射する光が基板と成す角度に応じ
    て透過光強度を減衰することを特徴とする高分子分散型
    液晶表示素子。
  11. 【請求項11】カラーフィルタが、RGBの個々のカラ
    ーモザイクに不透明部を有することを特徴とする請求項
    10に記載の高分子分散型液晶表示素子。
  12. 【請求項12】カラーフィルタのRGBの個々のカラー
    モザイクに、不透明部が多角形柱、または円柱の形状に
    多数形成されていることを特徴とする請求項11に記載
    の高分子分散型液晶表示素子。
  13. 【請求項13】カラーフィルターが、光吸収層に面する
    側の基板に形成され、かつ前記光吸収層に対面する側の
    不透明部の表面に光反射層が形成されていることを特徴
    とする請求項11に記載の高分子分散型液晶表示素子。
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