JP2006182776A - ニンニク卵黄を含有する高血圧の予防及び/又は治療用組成物 - Google Patents
ニンニク卵黄を含有する高血圧の予防及び/又は治療用組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、高血圧の予防及び/又は治療に有用な組成物を提供する。
【解決手段】ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高血圧の予防及び/又は治療用組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高血圧の予防及び/又は治療用組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、α−アドレナリン受容体遮断剤、アンジオテンシン変換酵素活性阻害剤、高血圧の予防及び/又は治療用の組成物、並びにこれらの食品及び医薬としての用途に関する。
高血圧症は、心臓や血管の病変を促し、心臓病や脳卒中などにおいて最も重視すべき危険因子と考えられている。高血圧症の治療法としては、食事療法、適度な運動といった非薬物療法、及びβ遮断薬やカルシウム拮抗薬といった薬物療法が行われてきた。しかし、食事制限、運動療法では高血圧を改善できない場合も多く、降圧剤の効果も症例によって一様ではない。さらに、降圧療法は原則として長期にわたって継続する必要があるので、副作用の恐れのない、安全な療法が望まれてきた。
そのような状況下で、天然由来の血圧低下成分に注目が集まってきた。
そのような状況下で、天然由来の血圧低下成分に注目が集まってきた。
例えば、特許文献1には黒霊芝の抽出物を含有する高血圧抑制剤が、特許文献2には高血圧予防食及び高血圧症予防改善剤として有用なカフェ酸や食物繊維などを含有する飲食用組成物が、特許文献3にはコラーゲン又はコラーゲン分解物などを含有する高血圧症の予防又は治療用医薬組成物及び食品組成物が、それぞれ記載されている。
特開2003−104904号公報
特開2002−154977号公報
特開2001−26753号公報
本発明は、高血圧の予防及び/又は治療に有用な組成物を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ニンニク卵黄が、優れたα−アドレナリン受容体遮断作用及びアンジオテンシン変換酵素活性阻害作用を有し、また血圧低下作用を有して高血圧の予防又は治療に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、α−アドレナリン受容体遮断剤、アンジオテンシン変換酵素活性阻害剤、並びに高血圧の予防及び/又は治療用組成物に関する。
すなわち、本発明は、ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、α−アドレナリン受容体遮断剤、アンジオテンシン変換酵素活性阻害剤、並びに高血圧の予防及び/又は治療用組成物に関する。
本発明の組成物は、α−アドレナリン受容体遮断作用及びアンジオテンシン変換酵素活性阻害作用を有す。また、高血圧に対しては低下作用を示すが、低血圧や正常血圧に対しては低下作用を示さないといった血圧改善効果を有する。また、それらの効果は、ニンニクと卵黄との相乗効果である。
また、ニンニク卵黄は、化学物質と異なり、天然由来のものなので、本発明によれば、安全で、長期に服用しても副作用などの心配の少ない組成物を得ることができる。
また、ニンニク卵黄は、化学物質と異なり、天然由来のものなので、本発明によれば、安全で、長期に服用しても副作用などの心配の少ない組成物を得ることができる。
本発明においてニンニク卵黄とは、ニンニクと卵黄とを混合したものをいう。ニンニク卵黄は慣用の方法で製造することができ、例えば、特開平4−158759号公報、特開平2−49560号公報、特開昭61−28361号公報、及び特開昭61−199757号公報などにその製法が記載されているが、これらに限定されない。
一例として、ニンニクをミキサーなどで破砕し、そこに卵黄を添加して、低温で混合し、次いで乾燥することにより、粉状物として、又はこれを造粒して顆粒物としてニンニク卵黄を得ることができる。
本発明において、生ニンニクの破砕物と生卵黄とを、低温で、例えば、約50〜110℃で、特に約60〜100℃、とりわけ約80℃で、約8〜16時間、特に約10〜14時間、とりわけ約12時間混合して得たニンニク卵黄が、良好な血圧改善効果を得る上で好ましい。
一例として、ニンニクをミキサーなどで破砕し、そこに卵黄を添加して、低温で混合し、次いで乾燥することにより、粉状物として、又はこれを造粒して顆粒物としてニンニク卵黄を得ることができる。
本発明において、生ニンニクの破砕物と生卵黄とを、低温で、例えば、約50〜110℃で、特に約60〜100℃、とりわけ約80℃で、約8〜16時間、特に約10〜14時間、とりわけ約12時間混合して得たニンニク卵黄が、良好な血圧改善効果を得る上で好ましい。
本発明において使用されるニンニクは、ネギ属ユリ科に属する植物(Allium sativum L.)の鱗茎部である。
ニンニクにはアリイン、γ−グルタミル−S−アリルシステイン、アリチアミン、スコルジニンA、シトラール、ゲラニオール、リナロール、α−及びβ−フェランドレン、プロピオンアルデヒド、イヌリン、アルギニン、並びにクエン酸などが含有される。
また、アリインは、ニンニクに含まれる酵素のアリイナーゼの作用により刺激性成分のアリシンに変化する。その他に、生ニンニクの加工処理により、ジアリル−ジスルフィドなどのアリルスルフィド類、ビニルジチイン、アホエン、S−アリルシステイン、又はS−アリルメルカプトシステインなどが生じてくる。
ニンニクにはアリイン、γ−グルタミル−S−アリルシステイン、アリチアミン、スコルジニンA、シトラール、ゲラニオール、リナロール、α−及びβ−フェランドレン、プロピオンアルデヒド、イヌリン、アルギニン、並びにクエン酸などが含有される。
また、アリインは、ニンニクに含まれる酵素のアリイナーゼの作用により刺激性成分のアリシンに変化する。その他に、生ニンニクの加工処理により、ジアリル−ジスルフィドなどのアリルスルフィド類、ビニルジチイン、アホエン、S−アリルシステイン、又はS−アリルメルカプトシステインなどが生じてくる。
本発明ではニンニクとして、生のニンニクをそのままか、又は皮をむいたものを使用してもよく、あるいは生ニンニクを加工処理したものなどを使用してもよく、特に制限されない。ニンニクの加工処理方法としては、例えば、乾燥後粉末化したり、加熱したり、蒸したり、マイクロ波に照射させたり、酒若しくはアルコールに漬けたり、熟成させたりする方法が挙げられるが、これら方法を組み合わせて使用してもよい。あるいは、水蒸気蒸留などで得られた抽出物などを使用してもよい。また、これらのニンニクを2種以上併用してもよい。本発明では、熱を加えず自然に乾燥させたもの、例えば、収穫時よりも水分が30%程度減少したニンニクを使用してもよい。
本発明で使用される卵黄は、例えば、鳥類、特に家禽の卵黄、例えば、ニワトリ、ウズラ、アヒル、カモ、シチメンチョウ、キジ、又はダチョウなどの卵黄、好ましくはニワトリなどの卵黄があるが、これらに制限されない。また、これらを2種以上混合してもよい。
本発明では、有精卵の卵黄も無精卵の卵黄も何れも使用できるが、良好な血圧改善効果が得られるという点から、有精卵の卵黄が好ましい。
卵黄に含まれる成分としてレシチンなどが挙げられる。
本発明で卵黄は、生卵黄、卵黄粉末、加糖卵黄、及び加塩卵黄などのいずれの形態であってもよく、特に制限されない。また、これらを2種以上併用してもよい。良好な血圧改善効果が得られるという点から、生卵黄が好ましい。
本発明では、有精卵の卵黄も無精卵の卵黄も何れも使用できるが、良好な血圧改善効果が得られるという点から、有精卵の卵黄が好ましい。
卵黄に含まれる成分としてレシチンなどが挙げられる。
本発明で卵黄は、生卵黄、卵黄粉末、加糖卵黄、及び加塩卵黄などのいずれの形態であってもよく、特に制限されない。また、これらを2種以上併用してもよい。良好な血圧改善効果が得られるという点から、生卵黄が好ましい。
本発明の組成物中のニンニクと卵黄との配合比は、特に制限されないが、ニンニク100重量部に対して卵黄を5〜100重量部、特に5〜30重量部、とりわけ10〜30重量部含有するのが、良好な血圧改善効果を得る上で好ましい。
本発明の組成物は、ニンニク卵黄以外に、他の成分、例えば高血圧の予防及び/又は治療に有用な物質などを含んでいてもよい。例えば、黒酢、紅麹、ウコン、キトサン、霊芝、黒豆、及びコエンザイムQ10であり、好ましくは黒酢、紅麹、ウコン、キトサン、及びコエンザイムQ10である。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限り、添加剤、例えば、賦形剤、甘味料、酸味料、増粘剤、香料、色素、又は乳化剤などを含有してもよい。
本発明に係る組成物は、食品として、特に健康食品、機能性食品、健康補助食品、特定保健用食品として使用することができる。これら食品は、例えばお茶、ジュースといった飲料水;ゼリー、あめ、チョコレート、チューインガムなどの形態であってもよい。また、本発明に係る食品は、栄養補助食品(サプリメント)として、液剤、粉剤、粒剤、カプセル剤、錠剤の形で製造されてもよい。
また、本発明に係る組成物は、医薬としても使用することができる。これら医薬は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬若しくは軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与することができるが、例えば坐剤の形態で直腸内に;あるいは、例えば軟膏、クリーム剤、ゲル剤又は液剤の形態で局部又は経皮的に投与するなど、非経口的に投与することもできる。
本発明に係る組成物の摂取量は、特に制限されないが、ニンニクと卵黄との混合比、投与経路、疾病の種類、剤型、摂取者の年齢、体重及び症状に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の組成物を経口摂取する場合には、体重60kgの成人1日当たり有効成分量としてニンニク卵黄を100〜1000mg、好ましくは300〜800mg、より好ましくは300〜400mg摂取することが、良好な血圧改善効果を得る上で望ましい。また、摂取期間は、摂取者の年齢、症状に応じて任意に定めることができる。
以下、本発明を、実施例によってさらに詳細に説明する。本発明は、実施例によって限定されるものではない。また、実施例では%は特に規定されていない限り重量%を意味する。
1.ヒト試験
本発明の組成物のヒト血圧に対する作用を試験した。試験は二重盲検平行群間比較試験で行った。
(1)試験食の調製
ニンニク卵黄は株式会社健康家族製(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)を使用した。試験食1としてニンニク卵黄を1カプセル当たり94mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、試験食2としてニンニク卵黄を1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、それぞれ調製した。またプラセボ食としてニンニク卵黄の代わりにデキストリンを1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を調製した。
本発明の組成物のヒト血圧に対する作用を試験した。試験は二重盲検平行群間比較試験で行った。
(1)試験食の調製
ニンニク卵黄は株式会社健康家族製(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)を使用した。試験食1としてニンニク卵黄を1カプセル当たり94mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、試験食2としてニンニク卵黄を1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を、それぞれ調製した。またプラセボ食としてニンニク卵黄の代わりにデキストリンを1カプセル当たり188mg含む軟ゼラチンカプセル剤を調製した。
(2)被験者
1週間の平均収縮期血圧が135mmHg以上である成人であって、以下の除外基準に該当しない者36名を被験者とした。
除外基準:
ア)既にニンニク卵黄を常用している者
イ)ニンニク又は卵黄を主成分とする医薬品又は健康補助食品を常用している者
ウ)血圧に影響する医薬品又は健康補助食品を常用している者
エ)血栓溶解に関する医薬品(ワーファリン等)又は血液凝固に関する医薬品(ビタミンK等)を常用している者
オ)糖尿病、肝疾患、腎疾患、心疾患などの重篤な疾患を有している者
カ)本試験開始時に他の臨床試験に参加中の者
キ)授乳期、妊娠中又は試験期間中に妊娠を希望する者
ク)経口避妊薬を常用している者
ケ)食物アレルギー(特に卵又はニンニク)のある者
コ)その他、試験担当医師が不適当と判断した者
1週間の平均収縮期血圧が135mmHg以上である成人であって、以下の除外基準に該当しない者36名を被験者とした。
除外基準:
ア)既にニンニク卵黄を常用している者
イ)ニンニク又は卵黄を主成分とする医薬品又は健康補助食品を常用している者
ウ)血圧に影響する医薬品又は健康補助食品を常用している者
エ)血栓溶解に関する医薬品(ワーファリン等)又は血液凝固に関する医薬品(ビタミンK等)を常用している者
オ)糖尿病、肝疾患、腎疾患、心疾患などの重篤な疾患を有している者
カ)本試験開始時に他の臨床試験に参加中の者
キ)授乳期、妊娠中又は試験期間中に妊娠を希望する者
ク)経口避妊薬を常用している者
ケ)食物アレルギー(特に卵又はニンニク)のある者
コ)その他、試験担当医師が不適当と判断した者
(3)試験スケジュール
ア)前観察期間
先ず、上記の被験者を2週間の前観察期間に付した。前観察期間の第1日目に被験者を来院させて、問診及び血圧などの身体計測を行った(以下、来院させて測定した血圧を「病院血圧」という)。以降は毎日、自宅において血圧を測定させ(以下、自宅において測定した血圧を「家庭血圧」という)、日誌も付けさせた。
前観察期間最終日(第14日目)に、再度被験者を来院させ、問診及び血圧などの身体計測を行った。次いで、被験者を12名ずつプラセボ群、試験食1群及び試験食2群の3群に無作為に割り付けた。
イ)摂食期間
上記のとおり、前観察期間を終えて割り付けられた各群の被験者を続いて摂取期間に付した。プラセボ群の被験者にはプラセボ食を、試験食1群の被験者には試験食1を、試験食2群の被験者には試験食2を、それぞれ毎日朝食後に1回、4カプセル、コップ1杯(約100mL)の水又は微温湯とともに、4週間摂取させた。このようにして摂取されたプラセボ食、試験食1及び試験食2の組成を表1に示した。
また、摂食期間中、被験者に家庭血圧を測定させ、また日誌も付けさせた。
ア)前観察期間
先ず、上記の被験者を2週間の前観察期間に付した。前観察期間の第1日目に被験者を来院させて、問診及び血圧などの身体計測を行った(以下、来院させて測定した血圧を「病院血圧」という)。以降は毎日、自宅において血圧を測定させ(以下、自宅において測定した血圧を「家庭血圧」という)、日誌も付けさせた。
前観察期間最終日(第14日目)に、再度被験者を来院させ、問診及び血圧などの身体計測を行った。次いで、被験者を12名ずつプラセボ群、試験食1群及び試験食2群の3群に無作為に割り付けた。
イ)摂食期間
上記のとおり、前観察期間を終えて割り付けられた各群の被験者を続いて摂取期間に付した。プラセボ群の被験者にはプラセボ食を、試験食1群の被験者には試験食1を、試験食2群の被験者には試験食2を、それぞれ毎日朝食後に1回、4カプセル、コップ1杯(約100mL)の水又は微温湯とともに、4週間摂取させた。このようにして摂取されたプラセボ食、試験食1及び試験食2の組成を表1に示した。
また、摂食期間中、被験者に家庭血圧を測定させ、また日誌も付けさせた。
(3)制限事項
被験者は前観察期間中及び摂取期間中において、以下の点を制限又は指導した。
ア)期間中は、日常範囲を大きく逸脱する過度な運動、摂取及び過食を制限した。
イ)検査日前の2日間はアルコール類を飲まないよう指導した。
ウ)期間中に医薬品を使用した場合は日誌に記載するよう指導した。
エ)医薬品又は健康補助食品を使用しないこととするが、やむを得ず服用又は摂取した場合は、日誌に記載するよう指導した。
被験者は前観察期間中及び摂取期間中において、以下の点を制限又は指導した。
ア)期間中は、日常範囲を大きく逸脱する過度な運動、摂取及び過食を制限した。
イ)検査日前の2日間はアルコール類を飲まないよう指導した。
ウ)期間中に医薬品を使用した場合は日誌に記載するよう指導した。
エ)医薬品又は健康補助食品を使用しないこととするが、やむを得ず服用又は摂取した場合は、日誌に記載するよう指導した。
また、被験者が以下の場合に該当するときは、データから除外した。
ア)摂取期間中の試験食の摂取率が低い場合(80%未満)
イ)日誌の記録の欠損など、検査結果の信頼性を損なう行為が見られる場合
ウ)ニンニク又は卵黄を主成分とする試験食以外の医薬品又は健康補助食品を摂取した場合
エ)血圧に影響する医薬品又は健康補助食品を使用した場合
オ)被験者の都合により試験の続行又は来院が困難となった場合(長期の出張、来院忘れ、不慮の事故、試験食品と明らかな因果関係のない病気入院など)
カ)その他、試験責任医師の判断において脱落扱いすることが適当と考えられる明らかな理由がある場合
ア)摂取期間中の試験食の摂取率が低い場合(80%未満)
イ)日誌の記録の欠損など、検査結果の信頼性を損なう行為が見られる場合
ウ)ニンニク又は卵黄を主成分とする試験食以外の医薬品又は健康補助食品を摂取した場合
エ)血圧に影響する医薬品又は健康補助食品を使用した場合
オ)被験者の都合により試験の続行又は来院が困難となった場合(長期の出張、来院忘れ、不慮の事故、試験食品と明らかな因果関係のない病気入院など)
カ)その他、試験責任医師の判断において脱落扱いすることが適当と考えられる明らかな理由がある場合
(4)検査項目
本試験では、身体計測、及び血圧測定を行った。計測又は測定方法は以下のとおりであった。また、各計測又は測定で得られた値は、各群ごとに平均値±標準誤差で表した。
ア)身体計測
被験者を来院させて、身体計測として身長、体重、血圧(病院血圧)及び脈拍を計測した。但し、身長は前観察期間のみ計測した。
イ)家庭血圧の測定
被験者に自宅で毎日起床後1時間以内で、排尿後、朝食前、座位にて1〜2分間の安静後に血圧を1回のみ測定させた。但し、朝食を摂らない場合や朝食時に摂取し忘れた場合には、昼食又は夕食後に摂取させた。なお、摂取期間中は、プラセボ食又は試験食1若しくは2の摂食前に血圧を測定させた。
ウ)日誌
プラセボ食又は試験食1若しくは2の摂取状況(摂取期間のみ)、体調(自覚症状)、及び他の医薬品の摂取状況を記載させた。
本試験では、身体計測、及び血圧測定を行った。計測又は測定方法は以下のとおりであった。また、各計測又は測定で得られた値は、各群ごとに平均値±標準誤差で表した。
ア)身体計測
被験者を来院させて、身体計測として身長、体重、血圧(病院血圧)及び脈拍を計測した。但し、身長は前観察期間のみ計測した。
イ)家庭血圧の測定
被験者に自宅で毎日起床後1時間以内で、排尿後、朝食前、座位にて1〜2分間の安静後に血圧を1回のみ測定させた。但し、朝食を摂らない場合や朝食時に摂取し忘れた場合には、昼食又は夕食後に摂取させた。なお、摂取期間中は、プラセボ食又は試験食1若しくは2の摂食前に血圧を測定させた。
ウ)日誌
プラセボ食又は試験食1若しくは2の摂取状況(摂取期間のみ)、体調(自覚症状)、及び他の医薬品の摂取状況を記載させた。
(5)評価方法
有効性は、前観察期間の最終日と摂取期間の最終日にそれぞれ測定された血圧及びそれらの血圧差で評価した。また、安全性は、前観察期間最終日と摂取期間最終日にそれぞれ測定された体重及び脈拍、並びに前観察期間及び摂取期間中の日誌の記載事項及び有害事象の有無で評価した。
有効性は、前観察期間の最終日と摂取期間の最終日にそれぞれ測定された血圧及びそれらの血圧差で評価した。また、安全性は、前観察期間最終日と摂取期間最終日にそれぞれ測定された体重及び脈拍、並びに前観察期間及び摂取期間中の日誌の記載事項及び有害事象の有無で評価した。
(6)試験結果
ア)被験者の背景
プラセボ群、試験食1群、及び試験食2群で、それぞれ12名の被験者(計36名)が試験に参加したが、中途で脱落・中止した者はいなかった。試験に参加した被験者の背景を表2に示した。年齢、性別、及び身長において群間に不均衡はみられなかった。また、表には示さなかったが、家庭血圧及び病院血圧においても群間に不均衡は認められなかった。なお、統計解析は一元配置分散分析で行った。
ア)被験者の背景
プラセボ群、試験食1群、及び試験食2群で、それぞれ12名の被験者(計36名)が試験に参加したが、中途で脱落・中止した者はいなかった。試験に参加した被験者の背景を表2に示した。年齢、性別、及び身長において群間に不均衡はみられなかった。また、表には示さなかったが、家庭血圧及び病院血圧においても群間に不均衡は認められなかった。なお、統計解析は一元配置分散分析で行った。
イ)有効性
前観察期間最終日及び摂取期間最終日における血圧の平均値を比較して、血圧降下作用を評価した。
統計解析は、同一群内で前観察期間最終日と摂取期間最終日とを比較する場合は群内の対応のあるt検定により、プラセボ群と試験食1群又は2群とを比較する場合は2標本t検定により、それぞれ検定した。有意水準は両側5%とした。
結果を表3に示した。
前観察期間最終日及び摂取期間最終日における血圧の平均値を比較して、血圧降下作用を評価した。
統計解析は、同一群内で前観察期間最終日と摂取期間最終日とを比較する場合は群内の対応のあるt検定により、プラセボ群と試験食1群又は2群とを比較する場合は2標本t検定により、それぞれ検定した。有意水準は両側5%とした。
結果を表3に示した。
試験食1群及び試験食2群において、前観察期間最終日と比較して家庭血圧及び病院血圧の低下が認められた(表3)。特に試験食1群は、前観察期間最終日と比較してもプラセボ群と比較しても有意に血圧が低下した。
以上の結果から、試験食1及び2に血圧低下作用があることが認められた。
以上の結果から、試験食1及び2に血圧低下作用があることが認められた。
ウ)安全性
体重や脈拍は異常を示さなかった。日誌にも特に異常を示す所見は認められなかった。また、本試験期間中に試験食品と関連のある有害事象は見られなかった。
以上から、試験食1及び2は安全性であることが認められた。
体重や脈拍は異常を示さなかった。日誌にも特に異常を示す所見は認められなかった。また、本試験期間中に試験食品と関連のある有害事象は見られなかった。
以上から、試験食1及び2は安全性であることが認められた。
上記の方法と同様にして、試験食1摂取群と、ニンニク及び卵黄をそれぞれ単独で摂取させた群とを比較したところ、試験食1はニンニク単独の効果と卵黄単独の効果とを合わせたものよりも優れた血圧低下効果を示し、相乗効果を発揮することが確認できた。
また、本発明の組成物を正常範囲の血圧の健常人に投与したところ、血圧の低下は見られなかった。
また、本発明の組成物を正常範囲の血圧の健常人に投与したところ、血圧の低下は見られなかった。
2.薬理試験
ニンニク卵黄の降圧機序を解明するため、摘出ラット胸部大動脈標本を用いて実験を行った。
(1)被験物質の調製
株式会社健康家族より提供されたニンニク卵黄(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)20gを使用した。ニンニク卵黄は調製時まで冷暗所に保存した。
被験物質を適当量秤り、生理食塩液に溶解又は懸濁させた。オルガンバス(容量10ml)中の添加量は1.0ml以下とした。ニンニク卵黄の濃度は予備検討試験により、10−5g/ml〜3×10−3g/mlとした。
ニンニク卵黄の降圧機序を解明するため、摘出ラット胸部大動脈標本を用いて実験を行った。
(1)被験物質の調製
株式会社健康家族より提供されたニンニク卵黄(ニンニク100重量部に卵黄を25重量部含む)20gを使用した。ニンニク卵黄は調製時まで冷暗所に保存した。
被験物質を適当量秤り、生理食塩液に溶解又は懸濁させた。オルガンバス(容量10ml)中の添加量は1.0ml以下とした。ニンニク卵黄の濃度は予備検討試験により、10−5g/ml〜3×10−3g/mlとした。
(2)実験動物
日本エスエルシー(株)より11週齢で購入した雄性Wistar系ラットを7日間以上予備飼育して実験に供した。ラットは胸部大動脈摘出時まで室温24±3℃、相対湿度55±15%のSPFバリア飼育室(照明時間7時〜19時、換気回数18回/時)で飼育した。試験時のラットの体重は、約300〜400gであった。
日本エスエルシー(株)より11週齢で購入した雄性Wistar系ラットを7日間以上予備飼育して実験に供した。ラットは胸部大動脈摘出時まで室温24±3℃、相対湿度55±15%のSPFバリア飼育室(照明時間7時〜19時、換気回数18回/時)で飼育した。試験時のラットの体重は、約300〜400gであった。
(3)栄養液の組成
栄養液の組成は、NaCl 118.3mM、KCl 4.7mM、CaCl2 2.0mM、MgSO4・H2O 1.2mM、NaHCO3 25.0mM、KH2PO4 1.2mM、カルシウムEDTA 0.026mM、及びグルコース 11.1mMとした。この栄養液は、37℃に保温して95%O2、5%CO2の混合ガスを通気した(pH7.4)。
栄養液の組成は、NaCl 118.3mM、KCl 4.7mM、CaCl2 2.0mM、MgSO4・H2O 1.2mM、NaHCO3 25.0mM、KH2PO4 1.2mM、カルシウムEDTA 0.026mM、及びグルコース 11.1mMとした。この栄養液は、37℃に保温して95%O2、5%CO2の混合ガスを通気した(pH7.4)。
(4)大動脈標本の作製方法
前記ラットを頭部強打により失神させ放血致死させた後、胸部大動脈を摘出した。摘出した胸部大動脈は周囲の脂肪及び結合織を注意深く取り除いた後、幅2〜4mm、長さ8〜13mmのらせん状標本を作製した。
血管内皮を保存した標本を用いる場合は、あらかじめノルエピネフリン(NE,Calbiochem社、最終濃度:10−7M)溶液で収縮させた標本にカルバミルコリン(和光純薬、最終濃度:10−6M)溶液を適用し、80%以上の弛緩作用を示した標本を内皮細胞が保存された標本とした。80%以上の弛緩作用が見られなかった標本は作製過程で内皮に損傷ができた標本と考え実験に使用しなかった。また、血管内皮を剥離させた標本を用いる場合は、栄養液で濡らした指で血管内面をゆっくりとこすることにより内皮剥離標本を作製した。
胸部大動脈標本を、容量10mlのオノレガンバス内に0.5gの負荷をかけて懸垂し、約1時間安定化するまで放置した。収縮力はFDピックアップ(TB−611T、日本光電)及びひずみ圧力用アンプ(AP−621G、日本光電)を介してポリグラフ(RM6000、日本光電)上に等尺性に記録した。
前記ラットを頭部強打により失神させ放血致死させた後、胸部大動脈を摘出した。摘出した胸部大動脈は周囲の脂肪及び結合織を注意深く取り除いた後、幅2〜4mm、長さ8〜13mmのらせん状標本を作製した。
血管内皮を保存した標本を用いる場合は、あらかじめノルエピネフリン(NE,Calbiochem社、最終濃度:10−7M)溶液で収縮させた標本にカルバミルコリン(和光純薬、最終濃度:10−6M)溶液を適用し、80%以上の弛緩作用を示した標本を内皮細胞が保存された標本とした。80%以上の弛緩作用が見られなかった標本は作製過程で内皮に損傷ができた標本と考え実験に使用しなかった。また、血管内皮を剥離させた標本を用いる場合は、栄養液で濡らした指で血管内面をゆっくりとこすることにより内皮剥離標本を作製した。
胸部大動脈標本を、容量10mlのオノレガンバス内に0.5gの負荷をかけて懸垂し、約1時間安定化するまで放置した。収縮力はFDピックアップ(TB−611T、日本光電)及びひずみ圧力用アンプ(AP−621G、日本光電)を介してポリグラフ(RM6000、日本光電)上に等尺性に記録した。
(5)血管弛緩作用の検討方法
血管平滑筋に対する直接作用を検討するため、内皮剥離標本を用いて以下の試験を行った。
ア)NE収縮に対する作用
血管収縮薬としてNE(和光純薬、最終濃度:10−7M)を用い、NEを3〜4回添加し収縮高が一定になった後で、前記調製したニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。
NEによる最大収縮を100%、ベースラインを0%とした収縮率(%)を算出し、各ニンニク卵黄の濃度毎に平均値±標準誤差を求めた。
血管平滑筋に対する直接作用を検討するため、内皮剥離標本を用いて以下の試験を行った。
ア)NE収縮に対する作用
血管収縮薬としてNE(和光純薬、最終濃度:10−7M)を用い、NEを3〜4回添加し収縮高が一定になった後で、前記調製したニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。
NEによる最大収縮を100%、ベースラインを0%とした収縮率(%)を算出し、各ニンニク卵黄の濃度毎に平均値±標準誤差を求めた。
イ)高張性KCl収縮に対する作用
血管収縮薬としてKCl(和光純薬、最終濃度:55.9mM)を用い、KClを2〜3回添加し収縮高が一定になった後で、ニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。
前項と同様にKClによる最大収縮を100%、ベースラインを0%とした収縮率(%)を算出し、各ニンニク卵黄の濃度毎に平均値±標準誤差を求めた。
血管収縮薬としてKCl(和光純薬、最終濃度:55.9mM)を用い、KClを2〜3回添加し収縮高が一定になった後で、ニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。
前項と同様にKClによる最大収縮を100%、ベースラインを0%とした収縮率(%)を算出し、各ニンニク卵黄の濃度毎に平均値±標準誤差を求めた。
ウ)血管内皮に対する作用
内皮依存性血管弛緩作用の有無を検討するため、内皮保存標本を用いてNE収縮に対する作用を検討した。すなわち、前項の試験と同様にNE(10−7M)を3回添加し収縮高が一定になった後で、あらかじめNEで収縮させた標本にニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。収縮率(%)の算出は前項の場合と同様にした。
内皮依存性血管弛緩作用の有無を検討するため、内皮保存標本を用いてNE収縮に対する作用を検討した。すなわち、前項の試験と同様にNE(10−7M)を3回添加し収縮高が一定になった後で、あらかじめNEで収縮させた標本にニンニク卵黄の10−5g/ml、3×10−5g/ml、10−4g/ml、3×10−4g/ml、10−3g/ml及び3×10−3g/ml(最終濃度)を累積的に添加し血管弛緩作用の有無を調べた(n=6)。収縮率(%)の算出は前項の場合と同様にした。
エ)ATI収縮に対する作用
NE(最終濃度:10−7M)を3回添加して血管標本の反応性を調べた。その後、ニンニク卵黄(最終濃度:10−3g/ml又は3×10−3g/ml)を10分間処置した後、アンジオテンシンI(ATI、和光純薬、Humanタイプ;最終濃度:10−7M)を添加し、被験物質の拮抗作用を検討した(n=6)。なお、ラットの血管標本に対するATIの反復添加はタヒフィラキシーを起し反応性が低下する可能性があるので、ATIの添加は1回限りとし、添加毎に新しい標本と交換した。
被験物質無処置の場合の収縮高と被験物質を前処置した場合の収縮高を比較し、ATI収縮に対する抑制作用を検討した。すなわち、データはNE(最終濃度:10−7M)を添加した場合の収縮高を100%とした相対収縮高で表し、被験物質の濃度毎に平均値±標準誤差を算出した。
NE(最終濃度:10−7M)を3回添加して血管標本の反応性を調べた。その後、ニンニク卵黄(最終濃度:10−3g/ml又は3×10−3g/ml)を10分間処置した後、アンジオテンシンI(ATI、和光純薬、Humanタイプ;最終濃度:10−7M)を添加し、被験物質の拮抗作用を検討した(n=6)。なお、ラットの血管標本に対するATIの反復添加はタヒフィラキシーを起し反応性が低下する可能性があるので、ATIの添加は1回限りとし、添加毎に新しい標本と交換した。
被験物質無処置の場合の収縮高と被験物質を前処置した場合の収縮高を比較し、ATI収縮に対する抑制作用を検討した。すなわち、データはNE(最終濃度:10−7M)を添加した場合の収縮高を100%とした相対収縮高で表し、被験物質の濃度毎に平均値±標準誤差を算出した。
(6)統計処理
統計的有意差を検定するため、解析ソフト(Stat View, Abacus Inc., USA)を用いて分散分析(ANOVA)を行い等分散であることを確認した後、Fisher's PLSD法である多重比較検定を行い群間の比較を行った。統計的有意差はp<0.05の場合を有意であるとした。
統計的有意差を検定するため、解析ソフト(Stat View, Abacus Inc., USA)を用いて分散分析(ANOVA)を行い等分散であることを確認した後、Fisher's PLSD法である多重比較検定を行い群間の比較を行った。統計的有意差はp<0.05の場合を有意であるとした。
(7)実験結果
ア)NE収縮に対する作用
試験結果を表4、表5、図1及び図3に示した。
内皮保存標本及び内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲で強い血管弛緩作用を示し、最高濃度(3×10−3g/ml)における収縮率はそれぞれ19.5±6.1%及び19.0±5.3%を示した。ニンニク卵黄の低濃度(10−5〜3×10−4g/ml)は内皮剥離標本より内皮保存標本を強く弛緩させた。
ア)NE収縮に対する作用
試験結果を表4、表5、図1及び図3に示した。
内皮保存標本及び内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲で強い血管弛緩作用を示し、最高濃度(3×10−3g/ml)における収縮率はそれぞれ19.5±6.1%及び19.0±5.3%を示した。ニンニク卵黄の低濃度(10−5〜3×10−4g/ml)は内皮剥離標本より内皮保存標本を強く弛緩させた。
イ)高張性KCl収縮に対する作用
試験結果を表6、図1及び図3に示した。
内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲でKCl収縮に影響を与えなかった。最高濃度(3×10−3g/ml)における収縮率は、97.0±3.2%であった。
試験結果を表6、図1及び図3に示した。
内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲でKCl収縮に影響を与えなかった。最高濃度(3×10−3g/ml)における収縮率は、97.0±3.2%であった。
ウ)ATI収縮に対する作用
試験結果を表7、図2及び図4に示した。
ニンニク卵黄(10−3g/ml及び3×10−3g/ml)はATI収縮を強く抑制させ、10−3g/ml及び3×10−3g/mlにおける相対収縮率はそれぞれ26.8±6.7%及び20.1±3.7%で、いずれも有意な抑制(p<0.001)であった。
試験結果を表7、図2及び図4に示した。
ニンニク卵黄(10−3g/ml及び3×10−3g/ml)はATI収縮を強く抑制させ、10−3g/ml及び3×10−3g/mlにおける相対収縮率はそれぞれ26.8±6.7%及び20.1±3.7%で、いずれも有意な抑制(p<0.001)であった。
(8)総括及び考察
ニンニク卵黄の降圧機序解明のため、摘出ラット大動脈標本を用いた実験を行った。血管平滑筋に対する直接作用を調べる目的で内皮剥離標本を用い、NE収縮及びKCl収縮に対するニンニク卵黄の作用を検討した。また、内皮依存性血管弛緩作用を調べる目的で内皮保存標本を用いてNE収縮に対する作用を検討した。さらに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用を調べるため、ATI収縮に対する作用を検討した。
ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲で内皮剥離標本及び内皮保存標本におけるNE収縮を強く弛緩させたが、内皮剥離標本におけるKCl収縮に有意な影響を与えなかった。ニンニク卵黄の弛緩作用は内皮剥離により低濃度範囲(10−5〜3×10−4g/ml)では減弱されたが、高濃度範囲(10−3g/ml及び3×10−3g/ml)では両標本間の差が認められなかった。また、内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は用量依存性(10−3g/ml〜3×10−3g/ml)にATI収縮を抑制した。
血管作動薬の中でNEは血管平滑筋の膜表面にあるα−アドレナリン受容体を介した刺激により、またKClは電位依存性カルシウムチャネルを開口して、それぞれ細胞内にCa2+を流入させ平滑筋を収縮させると考えられている。一方、ATIは同様に血管平滑筋の膜表面にあるATI受容体を介して細胞内に取り込まれ、細胞内でACEによりATIからアンジオテンシンII(ATIII)が合成され、このATIIにより細胞内Ca2+流入が起こり結果的に平滑筋を収縮させると考えられている。従って、内皮剥離標本において、ニンニク卵黄がNE収縮及びATI収縮を強く抑制した実験結果から、ニンニク卵黄はα−アドレナリン受容体を介した平滑筋収縮を抑制することとACE阻害活性を示すことが示唆された。一方、ニンニク卵黄がKCl収縮を抑制しなかった実験結果から、ニンニク卵黄による弛緩作用に電位依存性カルシウムチャネルは関与しないと考えられた。
内皮細胞は内皮由来弛緩因子を産生することによって血管緊張度を調節し、組織血流量及び血圧の維持に重要な役割を果たしている。ニンニク卵黄の内皮細胞に対する作用を調べた結果、ニンニク卵黄は高濃度範囲では内皮の有無に関わらず同程度でNE収縮を抑制させたが、低濃度範囲では内皮保存標本が内皮剥離標本よりやや弛緩作用を増強させた。
外因性血管収縮物質による収縮反応は内皮剥離により著明に増強されることが知られているが、この現象は内皮由来弛緩因子を介しての血管収縮への調節機構が消失したことにより過度の収縮反応が惹起されたために起こるものと考えられる。従って、内皮保存標本におけるNE収縮が減弱したのはニンニク卵黄が内皮依存性弛緩作用を示したのではなくて、内皮剥離によってNE収縮が増強されたものではないかと考えられる。
以上の結果から、ニンニク卵黄の血圧降下作用のメカニズムはα−アドレナリン受容体刺激に関連した平滑筋収縮の抑制作用とACE阻害作用によるものと考えられた。
ニンニク卵黄の降圧機序解明のため、摘出ラット大動脈標本を用いた実験を行った。血管平滑筋に対する直接作用を調べる目的で内皮剥離標本を用い、NE収縮及びKCl収縮に対するニンニク卵黄の作用を検討した。また、内皮依存性血管弛緩作用を調べる目的で内皮保存標本を用いてNE収縮に対する作用を検討した。さらに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用を調べるため、ATI収縮に対する作用を検討した。
ニンニク卵黄は10−5〜3×10−3g/mlの濃度範囲で内皮剥離標本及び内皮保存標本におけるNE収縮を強く弛緩させたが、内皮剥離標本におけるKCl収縮に有意な影響を与えなかった。ニンニク卵黄の弛緩作用は内皮剥離により低濃度範囲(10−5〜3×10−4g/ml)では減弱されたが、高濃度範囲(10−3g/ml及び3×10−3g/ml)では両標本間の差が認められなかった。また、内皮剥離標本において、ニンニク卵黄は用量依存性(10−3g/ml〜3×10−3g/ml)にATI収縮を抑制した。
血管作動薬の中でNEは血管平滑筋の膜表面にあるα−アドレナリン受容体を介した刺激により、またKClは電位依存性カルシウムチャネルを開口して、それぞれ細胞内にCa2+を流入させ平滑筋を収縮させると考えられている。一方、ATIは同様に血管平滑筋の膜表面にあるATI受容体を介して細胞内に取り込まれ、細胞内でACEによりATIからアンジオテンシンII(ATIII)が合成され、このATIIにより細胞内Ca2+流入が起こり結果的に平滑筋を収縮させると考えられている。従って、内皮剥離標本において、ニンニク卵黄がNE収縮及びATI収縮を強く抑制した実験結果から、ニンニク卵黄はα−アドレナリン受容体を介した平滑筋収縮を抑制することとACE阻害活性を示すことが示唆された。一方、ニンニク卵黄がKCl収縮を抑制しなかった実験結果から、ニンニク卵黄による弛緩作用に電位依存性カルシウムチャネルは関与しないと考えられた。
内皮細胞は内皮由来弛緩因子を産生することによって血管緊張度を調節し、組織血流量及び血圧の維持に重要な役割を果たしている。ニンニク卵黄の内皮細胞に対する作用を調べた結果、ニンニク卵黄は高濃度範囲では内皮の有無に関わらず同程度でNE収縮を抑制させたが、低濃度範囲では内皮保存標本が内皮剥離標本よりやや弛緩作用を増強させた。
外因性血管収縮物質による収縮反応は内皮剥離により著明に増強されることが知られているが、この現象は内皮由来弛緩因子を介しての血管収縮への調節機構が消失したことにより過度の収縮反応が惹起されたために起こるものと考えられる。従って、内皮保存標本におけるNE収縮が減弱したのはニンニク卵黄が内皮依存性弛緩作用を示したのではなくて、内皮剥離によってNE収縮が増強されたものではないかと考えられる。
以上の結果から、ニンニク卵黄の血圧降下作用のメカニズムはα−アドレナリン受容体刺激に関連した平滑筋収縮の抑制作用とACE阻害作用によるものと考えられた。
本発明によれば、α−アドレナリン受容体遮断剤及びアンジオテンシン変換酵素活性阻害剤を得ることができ、また高血圧の予防及び/又は治療用組成物を得ることもできる。
これら組成物は、医薬品、あるいは健康食品、健康補助食品、特定保健用食品又は栄養補助食品などの食品に利用できる。
これら組成物は、医薬品、あるいは健康食品、健康補助食品、特定保健用食品又は栄養補助食品などの食品に利用できる。
Claims (7)
- ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、α−アドレナリン受容体遮断剤。
- ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、アンジオテンシン変換酵素活性阻害剤。
- ニンニク卵黄を含有することを特徴とする、高血圧の予防及び/又は治療用組成物。
- ニンニク卵黄が、ニンニク100重量部に対して卵黄を5〜100重量部含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 食品である、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- 医薬である、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- ニンニク卵黄の経口摂取量が、体重60kgの成人1日当たり100〜1000mgである、請求項5又は6記載の組成物。
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---|---|---|---|---|
JP2008056629A (ja) * | 2006-09-01 | 2008-03-13 | Kenko Kazoku:Kk | ニンニク卵黄を含有する花粉症及び/又はハウスダストアレルギーの予防及び/又は治療用組成物 |
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-
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- 2005-12-02 JP JP2005348786A patent/JP2006182776A/ja active Pending
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