JP2006180899A - 生活活動解析装置、生活活動解析方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部と、該情報検出手段が出力する信号を保存する信号保存部と、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部とを備える。
【選択図】図4
Description
その代表的な例として、特許文献1を挙げる。
特許文献1では、人体の一部分に取り付けられたセンサー自身の姿勢をDC成分とAC成分に分離し、DC成分に基づいて姿勢状態を解析し、AC成分に基づいて動作の状態を解析するものである。特許文献1では、腰部中央に定められた方向に装置を取り付け、使用者の行動情報を取り込む。3軸の加速度センサーが搭載された装置を腰部の定められた方向に取り付けることで、腰の向きが判り、屈んでいるのか横になっているのかが判別できる。ここでは、さらにAC成分の周波数と振幅から歩行か走行かの区別も可能としている。
また、歩行に特化して人の体の動きを検出する装置の代表的なものとしては、歩数計が広く知られている。古くから知られている歩数計は、機械的に歩行のタイミングを検出し、歩数を数えるものが多いが、近年はより精度良く歩行を検出するために、加速度センサーを用いたものが多く見られる。
また、特許文献4では、内部に複数のセンサーを設けることで装置の姿勢を判断し、装置の姿勢に応じた処理を行うことで、歩数を検出するようにしている。
一般に、一日一万歩歩くことが健康を保つための目安と言われる。これは、日本人の食生活と日常の活動度を比較すると、一日100〜300kcal程度余剰にカロリーを摂取しており、その余剰カロリーを消費する目安が約一万歩だからである。しかし、長時間立っていると座っている状態よりカロリーを多く消費するため、一日の歩数が目安の一万歩に届かなくてもカロリーの観点からは問題ない。しかし、一般の歩数計では、歩数による換算しかできないため、姿勢の差によるカロリー消費量の差は考慮できない。
また、過去の行動を確認するときには、人の記憶にたよると、数日経てば多くの場合忘れ去られてしまう。日記等を毎日つける習慣を持たない者にとっては、過去を思い出すことは困難である。この場合でも、小さなきっかけがあれば思い出すことは多い。例えば、普段座って仕事をしている者が、ある日、外出先で立位の姿勢でプレゼンテーションによる発表を行ったとする。そのプレゼンテーションを何時から行い、何時までかかったかを思い出すのは容易なことではない。
このように、自分の健康に気遣うときに、自分の過去の行動を思い出す必要がある状況が考えられるが、従来考えられている手法ではそれに十分に対応することができなかった。
また、従来の万歩計(登録商標)では歩数や歩数から推定できるカロリーまでは算出可能であるが、使用者の姿勢検出までは不可能である。
カロリーの計算には、歩行の時間と立位の時間と座位又は臥位の時間を別々に計算し、それぞれの時間に対する消費カロリーを算出する。この消費カロリーの和を取ることで、一日の全消費カロリーを算出する。
その装置は常に大腿部周辺に保持するとは限らないため、大腿部周辺であることを示すセンサー又はスイッチを持つ。大腿部周辺であることを示すセンサー又はスイッチは、本発明落下防止用のクリップと一体化している。
判断した歩行時間や立位の時間、座位、臥位の時間を基に一日に消費するカロリーを算出することで、従来の歩数計では実現し得ないほど高い精度で一日の消費カロリーが算出できる。
使用者は、必要なときに、一日の行動として、歩行、立位、座位の時間帯を閲覧することができ、使用者は自分の過去の行動を思い出すきっかけにすることができる。大腿部周辺に配置していることを示すセンサーのおかげで、大腿部に保持したときと、保持していない時を検出し、姿勢や行動を正しく判断できた時のみを表示やカロリー計算に使うことができるため、姿勢や行動の検出精度を高めることができる。このセンサーは、落下防止用のクリップと併用することで、使用者は別段意識することなく大腿部周辺にあるときと無いときとをこの装置に伝えることができる。
前記情報検出手段の出力信号が時系列信号であり、解析部は、閾値を設定する閾値設定部を備え、前記時系列信号が設定閾値より低い値から高い値に変化したとき、又は設定閾値より高い値から低い値に変化したとき、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断するようにしてもよい。
解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断したとき、使用者の体動から得られる加速度成分のうち所定時間における平均を鉛直方向成分と判断するようにしてもよい。
装置の方向が所定時間内において所定角度以上に変化したとき、解析部は、情報検出部が出力する信号に基づき、使用者が臥位もしくは座位と立位との一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断するようにしてもよい。
解析部は、前記判断された立位の時間内に、前記座位と立位の一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断した場合に、該使用者の姿勢は変化していないと判断するようにしてもよい。
落下防止用クリップをさらに備え、前記センサー又はスイッチが落下防止用クリップに備えてもよい。
算出部は、算出した時間内消費カロリーに基づき、使用者の一定期間内の期間内消費カロリーを算出するようにしてもよい。
算出した時間内又は期間内消費カロリーを表示する表示部をさらに備えてもよい。
判断した姿勢と行動を表示する表示部をさらに備えてもよい。
この発明は、さらに別の観点から、上記の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであってもよいし、このプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
発明の実施例の概要
図1は本発明の装置が搭載された携帯電話の外観の一例である。
図1に示す携帯電話101は折りたたみ式で、パーツは102と103に分かれている。携帯電話101は、本発明の装置が搭載されている以外は、一般に流布している携帯電話と大きく異なったところはない。パーツ102は携帯電話操作用のキーが並んでおり、パーツ103は携帯電話表示部分となっている。携帯電話101には大腿部装着検知センサー8(図2(b))を備えた落下防止用のストラップ104が取り付けられている。
携帯電話101のパーツ102又はパーツ103には3軸の加速度センサーが搭載されている。今、仮に、搭載される3軸の加速度センサーを、厚みがあるパーツ102の方に搭載されているものとし、加速度センサーの向きが、図1aにしたがってx,y,zの方向を向いているものとする。
図15に示すように携帯電話101は、携帯電話機能部1と、使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部2と、情報検出部2が出力する信号を保存する信号保存部3と、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部4と、情報検出部2の出力を濾波して解析部4へ入力するローパスフィルタ7と、カロリー計算などの各種計算を行う算出部5と、解析部4や算出部5の出力や信号保存部3の内容を表示する表示部7を備える。また、大腿部装着センサー8は使用者が携帯電話101を大腿部に装着しているか否かを検出するセンサーである。携帯電話機能部1は、本来の携帯電話の機能を備える部分であり、情報検出部2には2軸又は3軸加速度センサーが好適に用いられる。信号保存部3にはRAMやROM,フラッシュメモリなどが用いられ、各種検出データや算出データおよび駆動プログラムなどが格納される。解析部4と算出部5にはCPUが用いられ、表示部7にはLCDが用いられるが、CPUやLCDは携帯電話機能部1のものを共用することができる。
携帯電話101に情報検出部2として搭載される加速度センサーの加速度を検出する仕組みを、図10を用いて簡単に説明する。ここでは、加速度センサー2に、ピエゾ抵抗素子式のものを用いている。本来、ピエゾ抵抗素子は、加えられた歪の大きさによって、その抵抗値が異なる性質を持っており、引っ張ると抵抗が増加し、圧縮すると逆に抵抗は減る。図13に於いて、センサー2はおもり1008が、板バネ1002と板バネ1003で左右から支持された構造をしている。板バネ1002, 1003の上面にはピエゾ抵抗素子1004, 1005, 1006, 1007が配置されている。
近年、加速度センサーの小型化が目覚しく、センサーのサイズは8×8×2[mm]程度にまで小型化できており、今後さらに小型のものが出ると予想できる。したがって、ピエゾ抵抗素子式加速度センサーであれば、サイズが小さい携帯電話や携帯情報端末(PDA)に違和感なく取り付けることができる。
(1)姿勢の分類
図4と図5を用いて、使用者が携帯電話101を右大腿部のポケットに入れたときの、使用者の姿勢の違いによる携帯電話101の受ける加速度の違いを説明する。使用者の考えられる姿勢と行動として、4つに分類した。すなわち、図4(a)の歩行中である状態、図4(b)の立位にある状態、図4(c)の座位にある状態、図4(d)の臥位にある状態である。携帯電話101は、歩行中は、図5(a)に示すように、歩行の振動にあわせて振動する。このとき、歩行により前後左右上下に振れるが、向きはy軸が概ね上を向いている。立位のときは、図5(b)に示すように、向きは歩行時と同じくy軸が上を向いているが、歩行による振動はない。本発明では、この振動の有無で歩行と立位を区別する。座位のときは、携帯電話101は大腿部が水平に向くため立位の状態とは異なった方向すなわちz軸が上を向いており、歩行による振動は受けない。臥位のときは、座位と同じく大腿部が水平に向くため、z軸が上を向く。座位も臥位もz軸が上を向いており区別はつかない。一方、立位は座位、臥位とは向く方向が大きく異なっているため、区別がつく。図5では、判りやすく説明するために、図5(b)の立位と図5(c)の座位とで携帯電話が90°変化するかの如く記載したが、現実には大腿部は曲面を持っており、また使用者が足を組むなどすると向きもずれる。使用者の性癖によっては、図4(e)のような臥位の姿勢も考えられ、このとき携帯電話101は図5(e)のように傾く。そのため、角度だけで使用者の姿勢を判断することはできず、携帯電話101は、歩行からくる振動の有無で立位かそうでないかを判断する。使用者のポケットに自由度があると、立位でもy軸が鉛直方向に向くとも限らない。そのため、姿勢の変化の検出は発明品の特性や使用者の置かれている状態に合わせてθ( θ= 10〜90 )度の間で決定することが好ましい。この実施形態では、θ=45°としている。大腿部は左右いずれでも問題がなく、大腿骨に連動して動けばよく、ポケットに入れる等して大腿付近にあれば、固定する必要もない。
以上のフローを実際のデータで説明する。図7に加速度の生のデータを、図8に図7の生データをローパスフィルタ6により平滑化したデータと、平滑化したデータの角度変化の例を示す。図7の(a),(b),(c)および図8の(a),(b),(c)の上6つのグラフは横軸は時間に対応し、縦軸は加速度の大きさを示す。それぞれ、図7(a)と図8(a)がx軸方向のデータであり、図7(b)と図8(b)がy軸方向のデータであり、図7(c)と図8(c)がz軸方向のデータであり、左3つが加速度センサー2の直接の波形データである。図7(d)は使用者の姿勢の変化を示し、図8(d)は角度の変化を示す図であり、横軸は時間に対応し、縦軸には平滑化されたデータにおける対応時間の3軸データと対応時間より2秒前の3軸データとのなす角度の余弦(コサイン)の値を表示している。
以上のような解析を、一日を通して行い過去数日に渡って保存することにより、使用者が以前に何をしたかを思い出す一つのきっかけとできる。そのような使い方の例を図9を用いて説明する。図9は、「歩行」「立位」「座位、臥位」「不明」の4つに分けている。図9は使用者の行動を携帯電話101で解析し、3日間、24時間表示させた例である。使用者の日常活動としては、1時ごろから6時過ぎまで寝、家を7時に出て歩いて駅まで行き、電車に乗り、駅から歩いて会社に向かい、8時半ごろに着く。12時から13時前まで食事をし、18時前に退社し、出社と逆のルートで帰るという生活をしている。
続いて、歩行の検出方法について説明する。通常の歩数計は、腰などに固定し、歩行による体の重心の振動を一歩と数えている。したがって、体の重心の振動に連動する部分であれば、装着場所は腰に限らない。多くの歩数計は腰に装着する形態をとるが、これは、腰に装着する仕様とすることで1軸方向の振動のみを検出すればよく、コスト削減のために有効である。しかし、この方法は歩数計を使用者の腰に固定するという制限を使用者に加えるものであり、使い勝手がよくない。また、1軸方向の単純な振動を検出するため、誤検出が多く、乗り物等別の原因による振動で歩数を多めに数える事もある。また、逆に階段などを登ると、重心に伝わる振動が少なくなり、歩数が検出できないこともある。
一方、前述の特許文献3では、加速度センサーの出力信号の周波数成分に応じて複数の歩数検出閾値を設けることで、歩数による振動の信号と歩数以外による振動の信号の区別をつけ、より高精度な歩数計の実現が可能となる。
la(t) = (xa(t)2 +ya(t)2 +za(t)2 )0.5
x0a(t) = xa(t) / la(t)
y0a(t) =ya(t) / la(t)
z0a(t) =za(t) / la(t)
ここで、xa(t),ya(t),za(t), x0a(t), y0a(t), z0a(t), la(t)は、それぞれx(t),y(t),z(t), x0(t), y0(t), z0(t), l(t)の平均を表す。
r(t) ={(x(t)×x0a(t))2 +(y(t)×y0a(t))2 + (z(t)×z0a(t))2}0.5
今回、説明を容易にするため、携帯電話101の向きはx軸方向が正確に下を向いており、
r(t) = x(t)
となるとして、図10と図11を用いて説明する。まず、重力加速度Th1( = 1.1G )の閾値701と、重力加速度Th2( = 0.3G )の閾値702とを設定する。r(t)を初期値t=t0から、本発明品付き携帯電話の出力信号のサンプリング周波数(δt)でサンプリングする。ここで、t0は測定開始時間又は、姿勢を変更した時間とする。サンプリング周波数(δt)とは別に、閾値検出用の時間間隔dtを設ける。dtをサンプリング周波数(δt)と同じとすることも可能だが、そうすると信号からのノイズによってたまたま閾値を超えたのか、現実のデータが超えたのかの区別がつかなくなるので、δtより大きな値を選ぶのが良い。大きすぎると歩行による振動も検出できなくなるため、本実施例では、δt=0.01[s]、dt = 0.05[s]とする。
一例目は向きを気にしない方法である。
r(t) = x(t)2 + y(t)2 + z(t)2
として、図11で示した例のように順に判定していくことでほぼ同じ効果が得られる。図10右に、ここで得たr(t)を示すが、波形の特徴的なところは、x(t)と大きく異ならない。ただし、r(t)は二乗の値になっているため、図11とほぼ同じ効果を考えるならば、Th1=1.21[G2]、Th2=0.09[G2]として単位に気をつけなくてはならない。
ここでは、3軸の加速度センサーを用いた例を示したが、2軸の場合は次のようにすることで同じく歩行を検出することは可能である。
2軸の場合は、鉛直方向が明確に得られないため、まず時間t周辺で受けている平均の加速度の信号で規格化する。
l a(t) = (xa(t)2 + y a(t)2 )0.5
r(t) = ( x(t)2 + y(t)2 )0.5 / la(t)
r(t)を図11で示したような手順を踏むことで歩行が検出できる。
歩行と立位との違いは、歩行による振動があるかないかで判別するが、歩行は検出した時間前後数秒に渡っていると考えるのが良い。これは、携帯電話101が、一方の足が地面を離れてから再びその足が地面に着地した瞬間を歩行と認識しているため、歩行を瞬間としてしか認識できない。また、携帯電話101を保持していない側の足から歩き始めることも考えられる。また、駅の改札や歩行中に興味を引くものがあって一瞬立ち止まることがあっても、その間は歩行中であると考えるのが自然であるからである。方法としては、例えば、図11ではt=twで示した歩行の振動であると検出した場合、振動がなくてもtw±tc[s]の間は歩行が行われていると判断する。ここで、tc[s]は例えば3[s]程度が適当である。
また、携帯電話101で歩数を数えるときは、図11で示した一連の検出で2歩と数える。これは、携帯電話101が検出する一連の脚の動きの間に左右両方の足が一回づつ地面を離れるためである。
携帯電話101の算出部5(図15)は、以上の情報から一日の行動が把握できる以外に一日を通して消費したカロリーが算出できる。なお、各行動に対して消費するエネルギー(代謝エネルギー)は、以下の式で計算できる。
代謝エネルギー量(kcal) = (エネルギー代謝率:RMR + 1.2 ) × 基礎代謝量
基礎代謝量とは、肉体的、精神的な安静状態において算出される最小のエネルギー代謝のことであり、現在さまざまな近似計算方法がある。一例として、比較的良く使われるHarris-Benedict 方程式を以下に示す。
男性: 66.5+(体重[kg]×13.8) + (身長[cm]×5.0) − (年齢×6.8)
女性: 655.1+(体重[kg]× 9.6)+ (身長[cm]×1.9) − (年齢×4.7)
RMR(エネルギー代謝率)とは、基礎代謝に対する作業時のエネルギー代謝の比率のことであり、詳細な値は「人間工学基準数値数式便覧」(技報堂)に記載されている。代表的な行動に対するRMRを図12に示したが、このように行動や姿勢によって値が異なる。表では座位がRMR0.0〜0.2であり、臥位のRMRが0.0とあるが、本発明では、座位と臥位は区別がつかないため、RMR=0.0で算出する。また、図12に示したように、歩行速度によってRMRが異なっているが、これらから直接歩行速度を求めることは困難である。方法としては、例えば、単位時間当たりの歩数と身長から概算することが可能との報告があり(計測自動制御学会東北支部 第202回研究集会(2002.7.2))、この資料から歩行速度を算出する方法が考えられる。
以上をふまえて、例えば、身長170cm、体重65kgの30歳男性の場合、基礎代謝量は、
66.5 + 65 × 13.8 + 170 × 5.0 − 30 × 6.8 = 1610[kcal/日]
と計算できる。
この男性が1時間立ち続けると、
( 1.2 + 0.4 ) × 1610 ÷ 24 = 107[kcal]
消費することになる。また、この男性が100m/分で30分あるきつづけると、
( 1.2 + 5.0 ) × 1610 ÷ 24 × 0.5 = 208[kcal]
と計算できる。
充電中は本発明品を携帯していないため、姿勢や行動は不明であるが、睡眠中に充電する機会が最も多く、充電中は睡眠時であると認識させて、より精度の高いカロリー計算を実現することもできる。
服装によっては、大腿部にポケットがないものが存在する。また、携帯電話は普段カバンに入れて携帯することが多いという使用者もいる。また、本発明の機能を常に使うと電池の減りが早くなるなどの弊害が生じる可能性もあるため、必要なときにのみ本発明の機能を使いたいという使用者もいる。
本発明では、3軸の加速度センサー2を用いて説明した。これは、手ごろに精度よくヒトの活動を取りこめるためである。2軸の加速度センサーでも本発明をある程度実現できるが工夫が必要となる。すなわち、日常生活ではヒトが受ける加速度は平均的に1[G]であると仮定して、姿勢の変化の検出には計算から残りの軸が受ける加速度を大体算出することができる。例えば、2軸の加速度をそれぞれ、gx[G], gy[G]とした場合、残りの軸の加速度gz[G]は、以下の式で算出できる。
gz = ( 1 − gx 2 − gy 2 )0.5
ただし、この場合gzの符号は不明となる。xの+方向とzの+方向を下に斜め45°に向いていた状態からxの+方向とzの−方向を下に斜め45°に向く状態に移り変わっても検出ができない。また、使用者が歩行や走行を行うと、一瞬浮くこともあり、また足を着地したときには衝撃が加わるため、仮定したように必ずしも1[G]とはならず、やはり精度を欠くことになる。この程度の精度で十分な場合は、2軸でも問題がない。また、2軸や3軸の加速度センサーに加えて、ジャイロを取り付けるとより情報が多く得られる。本発明では、大腿部の動きを精度良く取れれば取れるほど、歩行や姿勢が精度良く検出できる。
あるいは、例えば、レジなど立ち仕事のアルバイトをしている者同士で、長時間立位の姿勢をとっていれば、相手が何時アルバイトをしていたかの情報を知ることができ、姿勢の情報を追加して送りあうことで、見ず知らずの他人であっても会話を始めるきっかけとできる。
上記のような詳細なデータでなくても、体動データの振動やゼロクロス値(単位時間当たりに変動する加速度の回数)などを用いることで、使用者が夜型の人間なのか、朝型の人間なのか、活動的な人間なのか、非活動的な人間なのかの判断が出来る。こういった活動情報から、より相性が合うと判断できると考えられる。
総カロリーや各時刻におけるカロリーの分布、各時刻における歩行の分布なども、相性の判断に使える。
2 情報検出部
3 信号保存部
4 解析部
5 算出部
6 ローパスフィルタ
8 大腿部装着検出センサー
101 携帯電話
102 パーツ
103 パーツ
104 落下防止用ストラップ
201 大腿部装着検知センサー
202 くぼみ
203,204 センサーの出力信号線
Claims (18)
- 使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部と、
該情報検出手段が出力する信号を保存する信号保存部と、
保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部とを備える生活活動解析装置。 - 前記情報検出部は、加速度センサーまたは角速度センサーであることを特徴とする請求項1記載の生活活動解析装置。
- 前記情報検出手段の出力信号が時系列信号であり、解析部は、閾値を設定する閾値設定部を備え、前記時系列信号が設定閾値より低い値から高い値に変化したとき、又は設定閾値より高い値から低い値に変化したとき、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断することを特徴とする請求項1もしくは2記載の生活活動解析装置。
- 設定閾値が第1、第2、および第3閾値からなり、前記時系列信号が第1閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過し、第2閾値を0から遠い値から0に近い値に向けて通過し、第3閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過したとき、解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断することを特徴とする請求項3記載の生活活動解析装置。
- ローパスフィルタをさらに備え、解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断したとき、使用者の体動から得られる加速度成分のローパスフィルタ出力を鉛直方向成分と判断することを特徴する請求項3もしくは4記載の生活活動解析装置。
- 解析部は、前記判断した鉛直方向成分と、所定角度以内の変化により、使用者が歩行中でないと判断された時間においては、該使用者の姿勢は立位であると判断することを特徴とする請求項5記載の生活活動解析装置。
- 装置の方向が所定時間内において所定角度以上に変化したとき、解析部は、情報検出部が出力する信号に基づき、使用者が臥位もしくは座位と立位との一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生活活動解析装置。
- 解析部は、使用者が歩行中であると判断した時間内に平均加速度成分の方向が所定時間内において所定角度以上に変化した場合、該使用者の姿勢は変化していないと判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生活活動解析装置。
- 解析部は、前記判断された立位の時間内に、前記座位と立位の一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断した場合に、
該使用者の姿勢は変化していないと判断することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の生活活動解析装置。 - 大腿部周辺に配置していることを示すためのセンサー又はスイッチをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の生活活動解析装置。
- 落下防止用クリップをさらに備え、前記センサー又はスイッチが落下防止用クリップに備えられていることを特徴とする請求項10記載の生活活動解析装置。
- 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の生活活動解析装置であって、使用者の使用時間を姿勢変化又は歩行/立位変化の時刻で区切り、区切られた時間内の時間内消費カロリーを、前記検出した姿勢ないし歩数に対応する消費カロリーに基づいて算出する算出部をさらに備えたことを特徴とする生活活動解析装置。
- 算出部は、算出した時間内消費カロリーに基づき、使用者の一定期間内の期間内消費カロリーを算出することを特徴とする請求項12記載の生活活動解析装置。
- 算出した時間内又は期間内消費カロリーを表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項12又は13記載の生活活動解析装置。
- 判断した姿勢と行動を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の生活活動解析装置。
- 使用者の姿勢または行動を判断する生活活動解析方法であって、
使用者の大腿部周辺の体動に関する情報を検出するステップと、
検出された情報を保存するステップと、
保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断するステップとを含むことを特徴とする生活活動解析方法。 - 請求項16に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項17に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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