JP2006180899A - 生活活動解析装置、生活活動解析方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

生活活動解析装置、生活活動解析方法、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】使用者の姿勢と行動を判定し、かつ、姿勢と行動から一日の総消費カロリーをより精度良く算出する。
【解決手段】使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部と、該情報検出手段が出力する信号を保存する信号保存部と、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は使用者の生活活動情報管理に関する。
ヒトの日常生活の活動やヒトの動きを検出し、検出情報をもとに健康管理などを行う装置の提案がなされてきた。
その代表的な例として、特許文献1を挙げる。
特許文献1では、人体の一部分に取り付けられたセンサー自身の姿勢をDC成分とAC成分に分離し、DC成分に基づいて姿勢状態を解析し、AC成分に基づいて動作の状態を解析するものである。特許文献1では、腰部中央に定められた方向に装置を取り付け、使用者の行動情報を取り込む。3軸の加速度センサーが搭載された装置を腰部の定められた方向に取り付けることで、腰の向きが判り、屈んでいるのか横になっているのかが判別できる。ここでは、さらにAC成分の周波数と振幅から歩行か走行かの区別も可能としている。
また、特許文献2では人体の一部に取り付けた体動を感知するセンサーからの信号を処理し解析することで、人体の動きを把握するセンシングシステムが示されている。この解析にはウェーブレット等を用いており、特定の行動に特徴的な振動を検出することで人の体動を感知している。
また、歩行に特化して人の体の動きを検出する装置の代表的なものとしては、歩数計が広く知られている。古くから知られている歩数計は、機械的に歩行のタイミングを検出し、歩数を数えるものが多いが、近年はより精度良く歩行を検出するために、加速度センサーを用いたものが多く見られる。
たとえば、特許文献3では、x,y,zの3軸の加速度センサーを用い、複数の歩数検出閾値を設けている。そうすることで、従来であれば乗り物などの振動で歩数を数えることがあったり、ゆるい歩行では歩数を正しく検出できなかったりしたものが、精度良く歩数を検出できるようになる。
また、特許文献4では、内部に複数のセンサーを設けることで装置の姿勢を判断し、装置の姿勢に応じた処理を行うことで、歩数を検出するようにしている。
特開平7−178073号公報 特開2002−65640号公報 特開2001−143048号公報 特開2004−141669号公報
一日に消費するカロリーを手軽に算出するには、歩数をもとに算出することが通例であるが、日常生活では歩数のみならず、姿勢によっても消費カロリーは異なる。従来の歩数計では姿勢の検出はできず、姿勢の差による消費カロリーの差は考慮されなかった。
一般に、一日一万歩歩くことが健康を保つための目安と言われる。これは、日本人の食生活と日常の活動度を比較すると、一日100〜300kcal程度余剰にカロリーを摂取しており、その余剰カロリーを消費する目安が約一万歩だからである。しかし、長時間立っていると座っている状態よりカロリーを多く消費するため、一日の歩数が目安の一万歩に届かなくてもカロリーの観点からは問題ない。しかし、一般の歩数計では、歩数による換算しかできないため、姿勢の差によるカロリー消費量の差は考慮できない。
また、骨内のカルシウム密度を保つためには一日に3時間以上立つことが望ましいとされている。歩数計では、立位の姿勢をとっているかどうかは区別できず、手軽に意識せず立位の姿勢を検出する手段は現在ない。
また、過去の行動を確認するときには、人の記憶にたよると、数日経てば多くの場合忘れ去られてしまう。日記等を毎日つける習慣を持たない者にとっては、過去を思い出すことは困難である。この場合でも、小さなきっかけがあれば思い出すことは多い。例えば、普段座って仕事をしている者が、ある日、外出先で立位の姿勢でプレゼンテーションによる発表を行ったとする。そのプレゼンテーションを何時から行い、何時までかかったかを思い出すのは容易なことではない。
このように、自分の健康に気遣うときに、自分の過去の行動を思い出す必要がある状況が考えられるが、従来考えられている手法ではそれに十分に対応することができなかった。
特許文献1ではセンサーを使用者の体の一部に固定することを前提としている。そのため、たとえば携帯電話のように体の動きの検出とは別の目的でも使用するような小型情報端末に組み込む場合、その小型情報端末の使いやすさを損なう。また、腰部を前提とした装置であるため、座位と立位の区別はつけられない。座位と臥位は消費するカロリーがほとんど同じであるのに対し、座位と立位は消費するカロリーが異なるため、一日の全消費カロリーを算出したい場合、座位と臥位の区別よりも座位と立位の区別が必要となる。また、健常者の場合、日常の姿勢は立位と座位は多いが、睡眠をのぞいて臥位をとることは少なく、使用者が過去の自分の情報を知るにあたっては、臥位よりも立位か座位の情報を知る方が有益である。
また、特許文献2では体の各部の動きを把握するが、体動によって生じた波形をウェーブレット等で信号処理を行うことで体動の変化を推定するものであり、事前に複雑な解析情報や比較すべき波形などが必要となる。また、特許文献2は、体の重心に連動する部分に注目した手法であるため、センサーを体の重心に固定する必要があるという制限がつく。
また、従来の万歩計(登録商標)では歩数や歩数から推定できるカロリーまでは算出可能であるが、使用者の姿勢検出までは不可能である。
この発明は、使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部と、該情報検出手段が出力する信号を保存する信号保存部と、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部とを備える生活活動解析装置を提供するものである。
大腿部周辺に設置された2軸又は3軸の加速度センサーを用いて、歩行時に平均して得られる重力方向からの角度を考慮することにより、姿勢の検出が可能となる。姿勢の検出は、歩行時に得られる振動が無い場合、立位か座位か臥位であるとまず目安をつける。歩行時に平均して得られる重力方向と大腿部の向きが大きく変化が無ければ立位であると判断し、そうでなければ、座位か臥位で在ると判断する。
カロリーの計算には、歩行の時間と立位の時間と座位又は臥位の時間を別々に計算し、それぞれの時間に対する消費カロリーを算出する。この消費カロリーの和を取ることで、一日の全消費カロリーを算出する。
本発明は他の携帯可能な装置と組み合わせて使用することが多いと考えられる。ここで他の装置とは、日常携帯することが多い携帯電話や携帯情報端末(PDA)や小型のゲーム機などが例として挙げられる。
その装置は常に大腿部周辺に保持するとは限らないため、大腿部周辺であることを示すセンサー又はスイッチを持つ。大腿部周辺であることを示すセンサー又はスイッチは、本発明落下防止用のクリップと一体化している。
複数の、或いは大掛かりな装置を使う必要が無く、使用者のズボンのポケットに気軽に収納することで、使用者の姿勢と歩行時間を検出することができる。
判断した歩行時間や立位の時間、座位、臥位の時間を基に一日に消費するカロリーを算出することで、従来の歩数計では実現し得ないほど高い精度で一日の消費カロリーが算出できる。
使用者は、必要なときに、一日の行動として、歩行、立位、座位の時間帯を閲覧することができ、使用者は自分の過去の行動を思い出すきっかけにすることができる。大腿部周辺に配置していることを示すセンサーのおかげで、大腿部に保持したときと、保持していない時を検出し、姿勢や行動を正しく判断できた時のみを表示やカロリー計算に使うことができるため、姿勢や行動の検出精度を高めることができる。このセンサーは、落下防止用のクリップと併用することで、使用者は別段意識することなく大腿部周辺にあるときと無いときとをこの装置に伝えることができる。
本発明は、他の携帯可能な装置と組み合わせて使用することで、より多くの精細な情報を使用者に提供することができる。例えば、携帯電話と組み合わせることで、使用者は一日の姿勢(座位・臥位、立位)や行動(歩行かどうか)に、その携帯可能な装置を使用した時間を組み合わせて知ることができる。これは、例えばどんな状況のときに電話を受けたかを知ることで、より効率よく自分の過去の行動を思い出すきっかけとできる。
この発明において、前記情報検出部は、加速度センサーまたは角速度センサーであってもよい。
前記情報検出手段の出力信号が時系列信号であり、解析部は、閾値を設定する閾値設定部を備え、前記時系列信号が設定閾値より低い値から高い値に変化したとき、又は設定閾値より高い値から低い値に変化したとき、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断するようにしてもよい。
設定閾値が第1、第2、および第3閾値からなり、前記時系列信号が第1閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過し、第2閾値を0から遠い値から0に近い値に向けて通過し、第3閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過したとき、解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断するようにしてもよい。
解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断したとき、使用者の体動から得られる加速度成分のうち所定時間における平均を鉛直方向成分と判断するようにしてもよい。
解析部は、前記判断した鉛直方向成分と、所定角度以内の変化により、使用者が歩行中でないと判断された時間においては、該使用者の姿勢は立位であると判断するようにしてもよい。
装置の方向が所定時間内において所定角度以上に変化したとき、解析部は、情報検出部が出力する信号に基づき、使用者が臥位もしくは座位と立位との一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断するようにしてもよい。
解析部は、使用者が歩行中であると判断した時間内に平均加速度成分の方向が所定時間内において所定角度以上に変化した場合、該使用者の姿勢は変化していないと判断するようにしてもよい。
解析部は、前記判断された立位の時間内に、前記座位と立位の一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断した場合に、該使用者の姿勢は変化していないと判断するようにしてもよい。
大腿部周辺に配置していることを示すためのセンサー又はスイッチをさらに備えてもよい。
落下防止用クリップをさらに備え、前記センサー又はスイッチが落下防止用クリップに備えてもよい。
上記の生活活動解析装置は、使用者の使用時間を姿勢変化又は歩行/立位変化の時刻で区切り、区切られた時間内の時間内消費カロリーを、前記検出した姿勢ないし歩数に対応する消費カロリーに基づいて算出する算出部をさらに備えてもよい。
算出部は、算出した時間内消費カロリーに基づき、使用者の一定期間内の期間内消費カロリーを算出するようにしてもよい。
算出した時間内又は期間内消費カロリーを表示する表示部をさらに備えてもよい。
判断した姿勢と行動を表示する表示部をさらに備えてもよい。
この発明は、別の観点から、使用者の姿勢または行動を判断する生活活動解析方法であって、使用者の大腿部周辺の体動に関する情報を検出するステップと、検出された情報を保存するステップと、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断するステップとを含むことを特徴とする生活活動解析方法を提供するものである。
この発明は、さらに別の観点から、上記の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであってもよいし、このプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
以下、図面に示す一実施例を用いて、本発明を実施する最良の形態を説明する。
発明の実施例の概要
図1は本発明の装置が搭載された携帯電話の外観の一例である。
図1に示す携帯電話101は折りたたみ式で、パーツは102と103に分かれている。携帯電話101は、本発明の装置が搭載されている以外は、一般に流布している携帯電話と大きく異なったところはない。パーツ102は携帯電話操作用のキーが並んでおり、パーツ103は携帯電話表示部分となっている。携帯電話101には大腿部装着検知センサー8(図2(b))を備えた落下防止用のストラップ104が取り付けられている。
通常、使用しないときは図1aの如く閉じた状態にし、使用者はズボンなどの大腿部のポケットに普段しまっておく。ここが携帯電話101の使い方の特徴であるが、このとき、使用者はしまう向きを気にする必要はない。図1aにおいて、x方向に沿ってポケットに入れてもよいし、x方向とは逆の方向に沿って入れてもよい。また、y方向に沿ってポケットに入れても良いし、y方向とは反対の方向に沿って入れても良い。今、仮に説明のために、使用者はx方向に沿って使用者のズボンの左大腿部のポケットに入れて携帯するものとする。
使用者が携帯電話として使用するときは、図1aの状態から図1bの状態を経て図1cの状態まで携帯電話を開き使用する。
携帯電話101のパーツ102又はパーツ103には3軸の加速度センサーが搭載されている。今、仮に、搭載される3軸の加速度センサーを、厚みがあるパーツ102の方に搭載されているものとし、加速度センサーの向きが、図1aにしたがってx,y,zの方向を向いているものとする。
携帯電話101は、平べったい形あるいは細長い形をしたほうが良い。例えば、寸法の最大長が厚さの2倍以上であることが望ましい。平べったい形あるいは細長い形にすることで、大腿部のズボンのポケットに入れても大きく膨らんで、邪魔になるということがない。また、平べったい形にすることで、ズボンのポケットにある程度固定される。後に図7、図8を用いて説明するように、携帯電話101はポケットの中である程度向きが変わっても直ちに問題とはならないが、頻繁に変わることは望ましくない。
図15は携帯電話101の構成を示すブロック図である。
図15に示すように携帯電話101は、携帯電話機能部1と、使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部2と、情報検出部2が出力する信号を保存する信号保存部3と、保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部4と、情報検出部2の出力を濾波して解析部4へ入力するローパスフィルタ7と、カロリー計算などの各種計算を行う算出部5と、解析部4や算出部5の出力や信号保存部3の内容を表示する表示部7を備える。また、大腿部装着センサー8は使用者が携帯電話101を大腿部に装着しているか否かを検出するセンサーである。携帯電話機能部1は、本来の携帯電話の機能を備える部分であり、情報検出部2には2軸又は3軸加速度センサーが好適に用いられる。信号保存部3にはRAMやROM,フラッシュメモリなどが用いられ、各種検出データや算出データおよび駆動プログラムなどが格納される。解析部4と算出部5にはCPUが用いられ、表示部7にはLCDが用いられるが、CPUやLCDは携帯電話機能部1のものを共用することができる。
加速度センサーの構成と動作
携帯電話101に情報検出部2として搭載される加速度センサーの加速度を検出する仕組みを、図10を用いて簡単に説明する。ここでは、加速度センサー2に、ピエゾ抵抗素子式のものを用いている。本来、ピエゾ抵抗素子は、加えられた歪の大きさによって、その抵抗値が異なる性質を持っており、引っ張ると抵抗が増加し、圧縮すると逆に抵抗は減る。図13に於いて、センサー2はおもり1008が、板バネ1002と板バネ1003で左右から支持された構造をしている。板バネ1002, 1003の上面にはピエゾ抵抗素子1004, 1005, 1006, 1007が配置されている。
図13(a)の状態では、zと逆の方向に加速度を受けており、おもり1008はそれにしたがい、zと逆の方向に引っ張られる。それに従い、板バネ1002,板バネ1003は歪み、ピエゾ抵抗素子1004, 1007は引っ張られるため抵抗値が上昇し、1005, 1006は圧縮されるため抵抗値が減少する。向きが逆の場合は、ピエゾ抵抗素子はすべて図13(a)とは逆の方向に歪む。
一方、図13(b)の状態では、右方向に加速度を受けており、おもり1008はそれにしたがい、右方向に引っ張られる。それに従い、板バネ1002,板バネ1003は歪み、ピエゾ抵抗素子はそれぞれ、1004, 1006は引っ張られるため抵抗値が上昇し、1005, 1007は圧縮されるため抵抗値が減少する。向きが逆の場合は、ピエゾ抵抗素子はすべて図13(b)とは逆の方向に歪む。
各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を見ることで、受けている加速度の方向が検出可能となる。図13では簡単に2軸の加速度センサーの原理を示したが、板バネがさらに1002, 1003と垂直な方向に配置させることで3軸の加速度センサーも実現可能である。加速度センサー2は、上記のように伸張、圧縮時の抵抗の変化を検出することで、素子がどの方向に加速度を受けているかを知ることができる。
近年、加速度センサーの小型化が目覚しく、センサーのサイズは8×8×2[mm]程度にまで小型化できており、今後さらに小型のものが出ると予想できる。したがって、ピエゾ抵抗素子式加速度センサーであれば、サイズが小さい携帯電話や携帯情報端末(PDA)に違和感なく取り付けることができる。
加速度センサーによる使用者の行動の検出
(1)姿勢の分類
図4と図5を用いて、使用者が携帯電話101を右大腿部のポケットに入れたときの、使用者の姿勢の違いによる携帯電話101の受ける加速度の違いを説明する。使用者の考えられる姿勢と行動として、4つに分類した。すなわち、図4(a)の歩行中である状態、図4(b)の立位にある状態、図4(c)の座位にある状態、図4(d)の臥位にある状態である。携帯電話101は、歩行中は、図5(a)に示すように、歩行の振動にあわせて振動する。このとき、歩行により前後左右上下に振れるが、向きはy軸が概ね上を向いている。立位のときは、図5(b)に示すように、向きは歩行時と同じくy軸が上を向いているが、歩行による振動はない。本発明では、この振動の有無で歩行と立位を区別する。座位のときは、携帯電話101は大腿部が水平に向くため立位の状態とは異なった方向すなわちz軸が上を向いており、歩行による振動は受けない。臥位のときは、座位と同じく大腿部が水平に向くため、z軸が上を向く。座位も臥位もz軸が上を向いており区別はつかない。一方、立位は座位、臥位とは向く方向が大きく異なっているため、区別がつく。図5では、判りやすく説明するために、図5(b)の立位と図5(c)の座位とで携帯電話が90°変化するかの如く記載したが、現実には大腿部は曲面を持っており、また使用者が足を組むなどすると向きもずれる。使用者の性癖によっては、図4(e)のような臥位の姿勢も考えられ、このとき携帯電話101は図5(e)のように傾く。そのため、角度だけで使用者の姿勢を判断することはできず、携帯電話101は、歩行からくる振動の有無で立位かそうでないかを判断する。使用者のポケットに自由度があると、立位でもy軸が鉛直方向に向くとも限らない。そのため、姿勢の変化の検出は発明品の特性や使用者の置かれている状態に合わせてθ( θ= 10〜90 )度の間で決定することが好ましい。この実施形態では、θ=45°としている。大腿部は左右いずれでも問題がなく、大腿骨に連動して動けばよく、ポケットに入れる等して大腿付近にあれば、固定する必要もない。
3軸の波形データが、臥位又は座位、立位、歩行のいずれの状態であるかを判別する方法を、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、加速度センサー2の3軸のデータを得る(ステップS401)。3軸データをそれぞれローパスフィルタ6を用いて平滑化する。たとえば、ローパスフィルタ6の設定として1秒間の平均を取るようにする。すると、得られた加速度センサー2のデータから歩行や乗り物による振動が除外され、平滑化されたデータが得られる。平滑化された3軸のデータから加速度の向きを調べ、たとえば2秒以内で45度以上変化した時点を区切る(ステップS402)。区切ったそれぞれの時間帯に歩行に起因する振動が含まれているかどうかを調べる。含まれている場合は、その時間帯は立位又は歩行と判断する。立位又は歩行の時間帯のうち、歩行に起因する振動が継続している間は、歩行時間と判断する(ステップS403、S405)。一方、区切った時間帯の中に歩行に起因する振動が含まれない場合は(ステップS404)、その時間帯は、座位又は臥位であると判断する(ステップS407)。区切った時間帯に連続して歩行の振動が無い場合も考えられるが、その場合は、区切った時間に足を組みなおした、あるいは携帯電話101を取り出したなどが考えられる。歩行中に区切りが生じる場合もある。これは、歩行による振動で携帯電話101の向きが回転したことが原因と考えられる。したがって、区切る前後とも使用者は立っており、区切る前後の時間帯歩行による振動が無ければ、いずれも立位と判断する(ステップS406)。
(2)加速度データによる行動と姿勢のチェック
以上のフローを実際のデータで説明する。図7に加速度の生のデータを、図8に図7の生データをローパスフィルタ6により平滑化したデータと、平滑化したデータの角度変化の例を示す。図7の(a),(b),(c)および図8の(a),(b),(c)の上6つのグラフは横軸は時間に対応し、縦軸は加速度の大きさを示す。それぞれ、図7(a)と図8(a)がx軸方向のデータであり、図7(b)と図8(b)がy軸方向のデータであり、図7(c)と図8(c)がz軸方向のデータであり、左3つが加速度センサー2の直接の波形データである。図7(d)は使用者の姿勢の変化を示し、図8(d)は角度の変化を示す図であり、横軸は時間に対応し、縦軸には平滑化されたデータにおける対応時間の3軸データと対応時間より2秒前の3軸データとのなす角度の余弦(コサイン)の値を表示している。
このデータを採取した使用者は、携帯電話101をズボンのポケットにx方向に沿って納め、座った姿勢から立ち上がり、しばらく歩き、立ち止まり、また歩いてもとの席にもどり、最後に再び立ち上がり、しばらくして携帯電話101を取り出した。使用者は、大腿部装着検知センサーのついたストラップ101(図1)のクリップをはずし、電話の機能を使用するために取り出したのである。
加速度センサー2の直接の波形を詳細に見ると、まず座位の状態から立位の状態に移るときに、振動が発生している。これは、拘束が低いズボンに途中までポケットに収めたため、立ち上がったときに、ポケット真ん中付近からポケットの底部の落下したときの衝撃であると考えられる。立位の状態からしばらくして、歩行特有の波形が見られる。しばらく歩行が続いた後、振動のほとんどない状態が続いているが、これは歩行後立ち止まったことを示している。立ち止まった後、再び、歩行特有の波形が始まり、再び姿勢が変化しているが、これは着席したことを示している。このときの姿勢の変化では大きな振動は生じていない。これは、立位から座位に移るときに携帯電話101にそれほど大きな衝撃が加わらないことから理解できる。使用者は再び立ち上がり、携帯電話101を取り出した。再び立ち上がったときにも、衝撃が少ないが、一度立位の姿勢をとると、携帯電話101はポケットの底部に落ち込んでしまうため、最初の姿勢の変化のような衝撃は生じない。
つづいて、図8に示すローパスフィルタ6の波形を見る。歩行その他からくる振動は平滑化され、加速度の向きが変わるたびにグラフが変化しているのがわかる。その角度の変化が明確にわかる図が図8(d)である。多くの時間帯で1に近い値を示しているのは、角度の変化が0°に近く、5つのピークの時点で、角度が変化したことを示す。45度変化すると、値はcos(45°)≒0.71となる。5つのピークのうち、一つは歩行中に見られる。これは、歩行中に使用者の姿勢が変わったのではなく、ポケットの中に納められた携帯電話101の向きが変化したと考えるのが妥当である。携帯電話101はx軸方向に長いため、たとえx軸方向に向けてポケットに入れたとしても、歩行中にバランスのよさそうなy軸方向が上下に向くように方向が変わることが考えられる。歩行中でなくても、姿勢が変わらず携帯電話101の方向が変わることはよくあることである。例えば、座っている途中に足を組み替えることにより変化することが多い。そういった場合は、姿勢が変化したと考えるよりは、携帯電話101の向きが変わったと考えるのが妥当である。
図5では、ローパスフィルタ6として、過去1秒間の平均値を取得している。これは、歩調が一般にだいたい1秒程度あり、歩行による振動を除外するのに適していると考えたからであり、平均を取る方法が最適とは限らない。必要に応じて、ローパスフィルタ6として、さまざまな窓関数を用いたデジタルフィルタ、又はアナログフィルタを使用することが考えられる。
上記は行動からグラフの結果を評価したが、携帯電話101はグラフの結果のみから次のようにして使用者の行動を推定する。まず、ここで得られた角度のデータから、各ピーク毎に時間を分割し、それぞれのピークが現れた時間を左から時刻501, 時刻502,時刻503,時刻504,時刻505とし、図7と図8で縦の実線で表示した。このそれぞれの時間の区切りで姿勢が変化したとまず予測をつける。続いて、各時間帯毎に、歩行によって生じたと思える波形が含まれるかどうかを考える。時刻501以前や時刻505以降にも小さな振動が見られるが、これは歩行による振動ではない。時刻501と503の間の時間帯に歩行による波形を見つけることができ、この間は立位又は歩行と考える。歩行による振動が見当たらない時間帯すなわち時刻501以前や時刻503以降は、使用者は座位又は臥位と考える。時刻501から時刻503は、歩行による振動が継続している間は歩行と考え、歩行による振動が見られない間は立位と考える。ここで、時刻502で時間帯を区切っているが、歩行中であるため、時刻502で姿勢は変化していないとする。なお、時刻505以降はデータとして記録されてはいるが、大腿部装着検知センサー8により、大腿部からはずされたことを示す信号が発せられるため、携帯電話101は時刻505以降の姿勢は不明とする。
大腿部装着検知センサー8が無い場合は、時刻505以降で姿勢が変化せずに歩行に起因する振動が現れれば、時刻505以降は立位と判断する。歩行に起因する振動が表れずに姿勢の変化が再び見られれば、時刻505以降姿勢の変化が見られるまでの間は、座位又は臥位と判断される。実際に使用者が時刻505で立ち上がっていても、本発明品はその判定はできない。大腿部周辺を示すセンサー又はスイッチが無い場合の対応としては以下で再び詳しく述べる。
(3)行動の経時的記録
以上のような解析を、一日を通して行い過去数日に渡って保存することにより、使用者が以前に何をしたかを思い出す一つのきっかけとできる。そのような使い方の例を図9を用いて説明する。図9は、「歩行」「立位」「座位、臥位」「不明」の4つに分けている。図9は使用者の行動を携帯電話101で解析し、3日間、24時間表示させた例である。使用者の日常活動としては、1時ごろから6時過ぎまで寝、家を7時に出て歩いて駅まで行き、電車に乗り、駅から歩いて会社に向かい、8時半ごろに着く。12時から13時前まで食事をし、18時前に退社し、出社と逆のルートで帰るという生活をしている。
携帯電話101の表示では、1時から6時ごろまで不明と表示されているが、使用者はこの間携帯電話101を充電していたため、使用者の行動が推察できないことを示している。21時から24時までの間にも、日によって異なる時間に、不明な時間が表示されているが、これは使用者が入浴中であるためである。入浴中も大腿部周辺を示すセンサー8により、携帯電話101は使用者の行動を不明であるとした。
この3日間のデータを見て、使用者は次のようなことを思い出すことができる。まず、通勤時間はほとんど座っているが、7月29日(7/29)の出勤途中は立って通勤していたことが思い出せる。また、7月28日(7/28)は15時頃に立位の時間があるが、使用者が見れば、これは会議などのプレゼンテーションで立って発表していたことを思い出せる。また、ランダムに、短時間に「不明」の時間があるが、これは携帯電話の機能を使用したため、本発明品付き携帯電話は使用者の行動を不明とした。この時間を通話時間であると類推することで、使用者は一日の何時ごろにどれくらい電話をかけていたかが一目でわかる。ランダムに短時間に、歩行があるのは、所用があって移動したことを示す。また、7月30日(7/30)は帰宅途中は歩行が散見されるが、使用者が見れば、この日の帰りに寄り道したことを思い出すことができる。
図9で示したデータは模式的なものであるため、行動や姿勢のデータの数が少ないが、現実には用を足すなど一日に何度も歩きまわったりするため、もっと複雑な形になる。また、使用者が丸一日の行動履歴を見たいわけではない場合、例えば使用者の操作に従って、表示時間を適当な時間に限って表示させて、どの日にプレゼンテーションをしたかを思い出すといった用途が考えられる。
(4)歩行の検出
続いて、歩行の検出方法について説明する。通常の歩数計は、腰などに固定し、歩行による体の重心の振動を一歩と数えている。したがって、体の重心の振動に連動する部分であれば、装着場所は腰に限らない。多くの歩数計は腰に装着する形態をとるが、これは、腰に装着する仕様とすることで1軸方向の振動のみを検出すればよく、コスト削減のために有効である。しかし、この方法は歩数計を使用者の腰に固定するという制限を使用者に加えるものであり、使い勝手がよくない。また、1軸方向の単純な振動を検出するため、誤検出が多く、乗り物等別の原因による振動で歩数を多めに数える事もある。また、逆に階段などを登ると、重心に伝わる振動が少なくなり、歩数が検出できないこともある。
自由に装着携帯可能なものは、前述の特許文献4に開示されている。これは、まず装置の姿勢を判定し、その姿勢に応じて最適な方法で体動を検出する。
一方、前述の特許文献3では、加速度センサーの出力信号の周波数成分に応じて複数の歩数検出閾値を設けることで、歩数による振動の信号と歩数以外による振動の信号の区別をつけ、より高精度な歩数計の実現が可能となる。
特許文献3の原理を図14を用いて説明する。図14 (a)は走ったときなどに見られる強い波形であり、図14 (b)は歩行などで見られるゆっくりとした弱い波形である。まず、3軸の加速度センサーの出力信号のうち、最適な信号を選び出す。その出力信号を20[ms]間隔で検出し、図14 (a)の(bの信号) - (aの信号)のように差分が一定値以上であるとき一歩と判断し、歩数が検出されてから300[ms]のインターバル(非検出時間)を取る。一方、図14 (b)のようにゆっくりした歩行の波形に対しては、上記判断による歩行の検出ができない。歩行の検出ができなかった場合は、続いて20[ms]毎のデータ列の5個の平均値で歩行であるか否かを判断する。図14 (b)のA、Bはいずれも5個ずつデータであり、(Bの平均) − (Aの平均)の値がある一定以上であるとき一歩と判断し、歩数が検出されてから300[ms]のインターバル(非検出時間)を取る。以上のように歩行検出前サンプリング周期と歩行検出後サンプリング周期が異なることで、歩数の検出精度を向上している。
一方、この発明の装置では体の重心ではなく、大腿部の変動に起因する信号を取る。その変動によって得られた出力信号は図10のとおりである。図10の(a),(b),(c)は、携帯電話101(図1)を使用者が左大腿部のポケットに入れて、普通に歩行した5秒間の3軸のx方向,y方向,z方向データを示したものであり、10秒間に5回地面に左足をついている。通常の歩数計のように、腰部に装置を取り付けると、右足による振動と左足による振動はほぼ同じ波形をするが、本発明の使用方法のように一方の大腿部の変動の波形をとると、右足が地面についたときの振動と左足が地面についたときの振動は大きく異なる。片方の大腿部の変動から来る波形であることを考えると、左右の足による振動が非対称であることは容易に想像がつくが、その波形の特徴を以下で述べる。
本実施例では、図10(a)のx方向がほぼ鉛直方向であるため、図10(a)のx方向の波形でその特徴を示すと次のとおりである。なお、携帯電話101を左大腿部に保持していることを前提に説明するが、右大腿部に保持した場合も、左右が入れ替わるだけで、本質的な特徴に差は無い。まず、最も大きな鋭い上向きのピーク703は、左足を浮かした状態から地面についたときの衝撃を示すものである。次に見える緩めの上向きのピーク704は、使用者が左足で地面を蹴ったことにより生じる加速の振動を示すものである。次に見える逆方向のピーク705は使用者の左足が浮いた状態から地面に向かうことにより、本発明品付き携帯電話が受ける重力加速度が減少していることを示すものである。通常の歩行時には、上向きのピーク703と上向きのピーク704の間に、右足は、地面を蹴り、宙に浮かした状態から再び地面につく動作を行う。携帯電話101を大腿部のポケットに入れて歩行したときに検出される波形の特徴は上記で示した3つのピークであり、携帯電話101の置かれている状況や歩行の癖によって、ピークが上下したり、途中に振動が現れたりする。例えば、ピーク703とピーク704に鋭い振動が数回見えるが、これは使用者のポケットの中で携帯電話101が振動したことを示しており、使用者の大腿部に固定されていないことを示す。
携帯電話101が検知する信号に対して、使用者の歩行を検出する過程を以下に説明する。まず、3軸のデータで、現在下を向いている方向を検知する。歩行による振動が多いため、例えば5秒間のx軸,y軸,z軸それぞれの平均値を取る。仮に時刻t[s]における各軸の出力信号をx(t),y(t),z(t)とし、時間t±2.5[s]の平均出力信号をxa(t),ya(t),za(t)とする。各平均出力信号は加速度1G以上の数字を含んでいる可能性もあるので、規格化した平均出力信号x0a(t),y0a(t),z0a(t)を次のようにして算出する。
la(t) = (xa(t)2 +ya(t)2 +za(t)2 )0.5
x0a(t) = xa(t) / la(t)
y0a(t) =ya(t) / la(t)
z0a(t) =za(t) / la(t)
ここで、xa(t),ya(t),za(t), x0a(t), y0a(t), z0a(t), la(t)は、それぞれx(t),y(t),z(t), x0(t), y0(t), z0(t), l(t)の平均を表す。
この規格化した平均出力信号x0a(t),y0a(t),z0a(t)が、すなわち携帯電話101が向いている方向に対応する。そこで、 以下の方法により下向きの加速度の信号r(t)を算出する。
r(t) ={(x(t)×x0a(t))2 +(y(t)×y0a(t))2 + (z(t)×z0a(t))20.5
今回、説明を容易にするため、携帯電話101の向きはx軸方向が正確に下を向いており、
r(t) = x(t)
となるとして、図10と図11を用いて説明する。まず、重力加速度Th1( = 1.1G )の閾値701と、重力加速度Th2( = 0.3G )の閾値702とを設定する。r(t)を初期値t=t0から、本発明品付き携帯電話の出力信号のサンプリング周波数(δt)でサンプリングする。ここで、t0は測定開始時間又は、姿勢を変更した時間とする。サンプリング周波数(δt)とは別に、閾値検出用の時間間隔dtを設ける。dtをサンプリング周波数(δt)と同じとすることも可能だが、そうすると信号からのノイズによってたまたま閾値を超えたのか、現実のデータが超えたのかの区別がつかなくなるので、δtより大きな値を選ぶのが良い。大きすぎると歩行による振動も検出できなくなるため、本実施例では、δt=0.01[s]、dt = 0.05[s]とする。
また、歩行とそれ以外の振動とを区別するため、歩行検出用時間閾値t1,t2を設ける。t1は歩行と同じ形状の波形でも、振動が速すぎて明らかに歩行に起因するものではないと判断する基準であり、t1=0.2[s]と仮におく。t2はt1と同じく、歩行と同じ形状の波形でも、振動が遅すぎて明らかに歩行に起因するものではないと判断する基準であり、t2=3[s]と仮におく。歩行の検出に当たっては、合計3回の閾値を設けるので、それぞれの閾値を満たしたことを示すフラグf1を準備し、最初はf1=0とする(ステップS801〜S803)。また、前回の一歩に起因するピークを検出した時間をtsとして常に覚えておく。
まず、時刻tに於いて、f1=0かつr(t) < Th1 かつr(t+dt) ≧ Th1であるかどうかを判定する(ステップS804)。ここの判定は、地面を蹴ったかどうかを判定する項目に当たり、ピーク704を探すことになる。満たしていれば、f1=1、ts=t、t=t+δtとして(ステップS805)次の閾値を探す。判定(ステップS804)で満たしていなければ、f1=1かつr(t) ≧Th2 かつr(t+dt) <Th2であるかどうかを判定する(ステップS806)。ここの判定は、足が宙にあるかどうかを判定する項目に当たり、ピーク705を探すことになる。満たしていれば、f1=2、t=t+δtとして(ステップS807)、次の閾値を探す。このとき、t-tsがt2(=3[s])よりも小さいかどうかを判定し(ステップS814)、もし小さくなければ、f1=0として歩行検出フラグをリセットする。これは、閾値を超えた時間間隔が大きすぎて明らかに歩行によるものでないと判断するためである。
判定(ステップS806)で満たしていなければ、f1=2 かつr(t) < Th1 かつr(t+dt) ≧ Th1であるかどうかを判定する(ステップS808)。ここの判定は、宙を浮いた足が再び地面に着地したかどうかを判定する項目に当たり、ピーク703を探すことになる。満たしていなければ、同様にt-tsがt2よりも小さいかどうかを判定し(ステップS814)、もし大きければ、f1=0 、t=t+δt、として歩行検出フラグをリセットして最初から閾値を探す。判定(ステップS808)で満たしていれば、t1 < t-ts < t2を満たすかどうかを判定する(ステップS810)。ここの判定は、歩行振動に要する時間が適正かどうかを判定する項目に当たる。満たしていれば、時間t前後は使用者が歩行をしていたとし、f1=0 、t=t+δt、として歩行検出フラグをリセットして最初から閾値を探す。判定(ステップS810)を満たしていない場合、f1=0 、t=t+δt、として歩行検出フラグをリセットして最初から閾値を探す。携帯電話101では、以上のように閾値を3つ設け、検出する順序に従ってそれぞれの閾値を満たして初めて歩行中であると認識する。
本発明では、最初に判定(ステップS804)を行い、判定(ステップS806)、判定(ステップS808)の順で歩行を検出している。判定の順番を入れ替えても歩行の検出はある程度可能ではあるが、歩行の検出においては、一方の足で地面を蹴り、再び一方の足が着地するまでの工程を検出するのが最も自然な歩行であるため、図11の順とした。この一連の流れを図10(a)を用いて説明する。まず、左足を持ち上げるときにピーク704が生まれるが、そのとき閾値701を低い値から高い値に向けて通過し、その瞬間(707)を判定ステップS804で検出する。このとき、δtの値のとり方によっては、それ以前に生じた振動により、707aなどを検出することもある。本発明では閾値を3回設定して歩行と判断するため、707aのような誤検出があっても、その他のゆれによる振動のみであれば、次の閾値検出時に歩行でないと判断されるため直ちに問題は生じない。続いて、左足が宙に浮くが、そのときに生じる下向きのピーク705は、閾値702を高い値から低い値に向けて通過し、その瞬間(708)を判定ステップS806で検出する。そして、浮いた左足が地面につくが、そのときに生じる上向きのピーク703は、閾値701を低い値から高い値に向けて通過し、その瞬間(706)を判定ステップS808で検出する。
携帯電話101は、3回の判定のうち2回すなわち判定ステップS804と判定ステップS808で閾値をTh1として共通とした。しかし、走行などによる振動では、図10(a)においてピーク703とピーク704が時間的に近づき、2つのピークを検出できない可能性が高い。これは、走行などにより、片足が地面に設置している時間が短くなるためである。また、登りの階段などでは、ピーク703はピーク704よりも小さく出ることがある。そういった状況に対しては、判定ステップS804と判定ステップS808の閾値を別々の値とし、もう一つ閾値を設けることで対処可能である。すなわちピーク703を検出するために判定ステップS804の閾値を1.3[G]とし、判定ステップS808の閾値はそのまま(1.1[G])とする。ここで注意すべきは、判定ステップS808後に閾値(1.1[G])を高い値から低い値の方向に横切る検出を再びしなくてはならない。この検出を怠ると、判定ステップS808の後に判定ステップS804が続くため、一つのピークを判定ステップS808と判定ステップS804の両方で検出する恐れがあるからである。
本発明では、3軸の加速度センサーの出力信号から、下向きの最適な1軸データr(t)を算出したが、機器の計算処理能力によっては計算に時間がかかってしまうため適さない場合もある。そういった場合の回避策として2例挙げる。
一例目は向きを気にしない方法である。
r(t) = x(t)2 + y(t)2 + z(t)2
として、図11で示した例のように順に判定していくことでほぼ同じ効果が得られる。図10右に、ここで得たr(t)を示すが、波形の特徴的なところは、x(t)と大きく異ならない。ただし、r(t)は二乗の値になっているため、図11とほぼ同じ効果を考えるならば、Th1=1.21[G2]、Th2=0.09[G2]として単位に気をつけなくてはならない。
二例目は、最も振幅の大きい向きをr(t)とすることである。例えば、図10を例に取れば、x方向の振幅が他の方向の振幅に比べて明らかに大きいため、r(t) = x(t)又はr(t) = −x(t)とする。
ここでは、3軸の加速度センサーを用いた例を示したが、2軸の場合は次のようにすることで同じく歩行を検出することは可能である。
2軸の場合は、鉛直方向が明確に得られないため、まず時間t周辺で受けている平均の加速度の信号で規格化する。
l a(t) = (xa(t)2 + y a(t)2 )0.5
r(t) = ( x(t)2 + y(t)2 )0.5 / la(t)
r(t)を図11で示したような手順を踏むことで歩行が検出できる。
以上で示したように、複数軸の出力信号を処理した信号に対して複数の閾値を設けることで、振動が歩行による振動であるかどうかが検出できる。
歩行と立位との違いは、歩行による振動があるかないかで判別するが、歩行は検出した時間前後数秒に渡っていると考えるのが良い。これは、携帯電話101が、一方の足が地面を離れてから再びその足が地面に着地した瞬間を歩行と認識しているため、歩行を瞬間としてしか認識できない。また、携帯電話101を保持していない側の足から歩き始めることも考えられる。また、駅の改札や歩行中に興味を引くものがあって一瞬立ち止まることがあっても、その間は歩行中であると考えるのが自然であるからである。方法としては、例えば、図11ではt=twで示した歩行の振動であると検出した場合、振動がなくてもtw±tc[s]の間は歩行が行われていると判断する。ここで、tc[s]は例えば3[s]程度が適当である。
また、携帯電話101で歩数を数えるときは、図11で示した一連の検出で2歩と数える。これは、携帯電話101が検出する一連の脚の動きの間に左右両方の足が一回づつ地面を離れるためである。
消費エネルギーの算出
携帯電話101の算出部5(図15)は、以上の情報から一日の行動が把握できる以外に一日を通して消費したカロリーが算出できる。なお、各行動に対して消費するエネルギー(代謝エネルギー)は、以下の式で計算できる。
代謝エネルギー量(kcal) = (エネルギー代謝率:RMR + 1.2 ) × 基礎代謝量
基礎代謝量とは、肉体的、精神的な安静状態において算出される最小のエネルギー代謝のことであり、現在さまざまな近似計算方法がある。一例として、比較的良く使われるHarris-Benedict 方程式を以下に示す。
男性: 66.5+(体重[kg]×13.8) + (身長[cm]×5.0) − (年齢×6.8)
女性: 655.1+(体重[kg]× 9.6)+ (身長[cm]×1.9) − (年齢×4.7)
RMR(エネルギー代謝率)とは、基礎代謝に対する作業時のエネルギー代謝の比率のことであり、詳細な値は「人間工学基準数値数式便覧」(技報堂)に記載されている。代表的な行動に対するRMRを図12に示したが、このように行動や姿勢によって値が異なる。表では座位がRMR0.0〜0.2であり、臥位のRMRが0.0とあるが、本発明では、座位と臥位は区別がつかないため、RMR=0.0で算出する。また、図12に示したように、歩行速度によってRMRが異なっているが、これらから直接歩行速度を求めることは困難である。方法としては、例えば、単位時間当たりの歩数と身長から概算することが可能との報告があり(計測自動制御学会東北支部 第202回研究集会(2002.7.2))、この資料から歩行速度を算出する方法が考えられる。
また、使用者が事前に歩行速度と歩調の関係を測定しておき、その測定値を使用することも考えられる。
以上をふまえて、例えば、身長170cm、体重65kgの30歳男性の場合、基礎代謝量は、
66.5 + 65 × 13.8 + 170 × 5.0 − 30 × 6.8 = 1610[kcal/日]
と計算できる。
この男性が1時間立ち続けると、
( 1.2 + 0.4 ) × 1610 ÷ 24 = 107[kcal]
消費することになる。また、この男性が100m/分で30分あるきつづけると、
( 1.2 + 5.0 ) × 1610 ÷ 24 × 0.5 = 208[kcal]
と計算できる。
以上の計算方法を一日を通して行うことにより、一日に消費したカロリーが算出できる。こういった算出は、歩数を数えるだけ通常の歩数計程度では算出できないが、本発明では静止時の姿勢の変化と歩行を計算に入れているため、可能となった。
充電中は本発明品を携帯していないため、姿勢や行動は不明であるが、睡眠中に充電する機会が最も多く、充電中は睡眠時であると認識させて、より精度の高いカロリー計算を実現することもできる。
付属部品について
服装によっては、大腿部にポケットがないものが存在する。また、携帯電話は普段カバンに入れて携帯することが多いという使用者もいる。また、本発明の機能を常に使うと電池の減りが早くなるなどの弊害が生じる可能性もあるため、必要なときにのみ本発明の機能を使いたいという使用者もいる。
そういった使用者に対応するため、前述のように大腿部周辺に配置していることを示すセンサー8(図15)が携帯電話101に取り付けられている。図2と図3を用いて、携帯電話101に付属しているセンサーを兼ねた落下防止用ストラップ104について説明する。図2aは、図1のストラップ104を拡大した図である。ストラップ104のクリップを開いて見ると、大腿部装着検知センサー8と、センサー8を受入れるためのくぼみ202が見える。クリップで布等を挟んだときに、布によりこのセンサー8が押圧され、布の存在を感知する。図3(a)と図3(b)にはその仕組みの一例を示す。布が存在しない場合は、クリップを閉じた状態でも、センサー8はくぼみ202に嵌り込むため、押圧されることが無く、信号線203と信号線204は絶縁されている。一方、布をクリップではさむと、センサー8はくぼみ202に入ることができず、押圧され、接点205が信号線203に触れることにより、信号線203と信号線204がつながる。このセンサー付きのクリップは、一般に衣服に使用されている布をはさむとすべて反応してしまうが、使用者はこのクリップを大腿部付近に保持するときにのみ挟むよう心がければ、大腿部周辺を感知するセンサーとしての役割を果たす。また、このセンサーの信号を、誤動作防止の信号と兼ねさせることにより、使用者は誤動作防止のスイッチかどうかを意識せずに使用できる。
携帯電話101の付属するセンサー8は通電と絶縁を判断するメカニカルなスイッチの機構を採っているが、ここで使用するセンサー201は、何もメカニカルなスイッチである必要は無い。隙間に物があるかどうかを判定するのに一般に良く知られているフォトインタラプタを応用すると、機械的な部分が減るため、破損しにくいセンサー付きのクリップが実現できる。ただし、フォトインタラプタを使用した場合、光源を点灯させなくてはならないため、電力的にはメカニカルなスイッチよりも不利となる。携帯電話101は、センサーのついたストラップで、大腿部周辺に保持されていることを判定したが、外部のどこかに切り替えスイッチを設けるのも可能である。使用者の必要に応じて、スイッチをオンにすることにより本発明の機能、すなわち使用者の体動情報を取得し計算する機能を有効にする。
ここでは、センサーを兼ねた落下防止用ストラップ104を用いたが、携帯電話101に直接クリップが付いていて、そのクリップにセンサーが付く形状も考えられる。一般に流通している歩数計は、体の腰部の振動を精度良くとるために、歩数計本体に腰部に固定できるクリップが付いている。この形状をまねることも考えられ、さらにクリップにセンサーが付くことも考えられる。この場合、携帯電話101は腰部につけるものではないため、大腿部周辺のポケットのふちにこのクリップをはめることになる。腰部の振動で歩行を観測する場合は、歩数計付き携帯電話でこの形態は有効であろうが、本発明は大腿部の動きをセンサーで読み取るため、腰部に固定するクリップの形状にあえて従う必要はない。
本発明は大腿部周辺を示すセンサーやスイッチを利用することで、大腿部周辺に保持されていることを検出している。しかし、大腿部周辺を示すセンサーやスイッチを利用する以外にも、次のような機能を含めることが望ましい。携帯電話操作中や、電源を入れたばかりのときや切る時、充電時等や、その時間の周辺の数分は姿勢を不明とする方法をとる。これは、その時間帯は、大腿部付近に納められていない可能性の方が高いからである。また、人はじっとしているつもりでも微動するため、加速度の変化が非常に少ない場合も、置き忘れと判断してその時間帯の姿勢は不明とする方法が考えられる。例えば、加速度の角度変化が1分以内で1°以下であるとか、重力加速度の変動が10分以内で0.05G以下は置き忘れと判断し、その時間帯の姿勢は不明と判断できる。この数字は、加速度センサーや機器内部のノイズにより生じる誤差の値をもとに値を決定するのが好ましい。
他の実施態様
本発明では、3軸の加速度センサー2を用いて説明した。これは、手ごろに精度よくヒトの活動を取りこめるためである。2軸の加速度センサーでも本発明をある程度実現できるが工夫が必要となる。すなわち、日常生活ではヒトが受ける加速度は平均的に1[G]であると仮定して、姿勢の変化の検出には計算から残りの軸が受ける加速度を大体算出することができる。例えば、2軸の加速度をそれぞれ、gx[G], gy[G]とした場合、残りの軸の加速度gz[G]は、以下の式で算出できる。
gz = ( 1 − gx 2 − gy 2 )0.5
ただし、この場合gzの符号は不明となる。xの+方向とzの+方向を下に斜め45°に向いていた状態からxの+方向とzの−方向を下に斜め45°に向く状態に移り変わっても検出ができない。また、使用者が歩行や走行を行うと、一瞬浮くこともあり、また足を着地したときには衝撃が加わるため、仮定したように必ずしも1[G]とはならず、やはり精度を欠くことになる。この程度の精度で十分な場合は、2軸でも問題がない。また、2軸や3軸の加速度センサーに加えて、ジャイロを取り付けるとより情報が多く得られる。本発明では、大腿部の動きを精度良く取れれば取れるほど、歩行や姿勢が精度良く検出できる。
携帯電話101は、一日の生活情報をとりこみ、何をしていたか使用者が思い出せる程度に表示ができるが、使用者が任意の時間にマーカーをつける機能があると、より効果的に生活情報を得ることができる。これは、ある思い立った時間に特定のスイッチを押すことで、生活情報にマーカーをつけるものである。例えば、食事や間食をした時間に常にマーカーをつけることで日々の食生活の管理ができる。マーカーをつけるだけでも、大概使用者は思い出すことができるが、「食事」や「会議」といった短い言葉を関連付けて登録するとわかりやすくてさらによい。
本発明では歩行までは判別できても、坂や階段を上り下りしていることまでは判別できない。生活情報を表示させる場合には特に問題は生じないが、一日のカロリーを計算させる場合は、坂を上っているか平地を歩行しているかは重要な要素である。そんな場合には、坂道歩行の開始と終了時間を手動で入力し、より精度よくカロリーを計算することができる。この場合、後から階段を登ったかどうかを思い出して入力するのが難しければ、上記のマーカーを利用すると良い。坂や階段の開始時にマーカー用のスイッチを押し、坂や階段終了時に再びマーカー用スイッチを押すとより正確に坂や階段を上り下りした時間が把握でき、精度よくカロリーが計算できる。
この実施例では、信号をすべて携帯電話101の解析部4で解析し、その結果を表示部7で表示させる例を示した。また、この実施例は本発明の機能単独の装置ではなく、携帯電話を兼ね備えている。これは、携帯電話が一般に広く普及しており、また情報処理能力として近年非常に高性能になってきたため、本発明を携帯電話の一機能とするのが適していると考えたからである。今回は、説明のために日本で一般に良く目にする折りたたみ式の携帯電話に取り付けた例を示したが、携帯電話の形状は特に折り畳みである必要はない。図1の説明の際にも述べたが、ズボンのポケットに入る程度の形状であればなんでもよい。
さらに、本発明は携帯電話に限る必要は無い。携帯電話の解析能力は限られたものであり、より解析能力が高い携帯情報端末(PDA)や小型のゲーム機と兼ねるのも良い。また、携帯電話やPDAでは表示画面が小さすぎる、あるいは解析能力が十分でない場合は、情報収集のみを行い、そのデータをより強力な解析能力をもつ情報端末に転送して、上記で示したような解析や表示をするのも良い。PDAやゲーム機と兼ねる場合も、該当機器を操作していたことを付加情報として追加すると、使用者にとって過去の行動を確認する材料となりえる。
また、活動情報のデータは単独で一機器に留めず、複数の人の情報をやり取りすることで、より高度な使い方ができる。例えば、活動情報のデータを医療機関に送り、送られたデータを閲覧することで、医者は患者の日常活動がある程度把握でき、運動療法などに活用できる。そういった日常の活動度を常に医者が把握することで、患者は医者に行く負担を減らすことができ、生活に自由な時間を持てるメリットがある。
活動情報のデータは何も医療機関に限る必要は無い。親しい間柄の者同士が活動情報を交換し合い、互いの生活習慣を見て楽しむといった遊びもできる。また、全く見ず知らずの他人に送りあって遊ぶという方法もある。Bluetoothなどの通信手段を備えた携帯電話には、他人と個人情報の一部を送受信し、個人情報を基に互いの相性を診断し、相性が合うと思われた場合は双方に連絡するといった機能を持たせた物がある。この携帯電話は、手で入力した情報をやり取りするが、本発明で得られた活動情報も相性診断の判断基準に加えることが考えられる。例えば、夜型の人間同士、朝型の人間同士、活動的な人間同士、非活動的な人間同士の方がより相性が合うと判断できると考えられる。
例えば、映画が趣味の者同士で数日前の休日にほぼ同じ時間に長時間座っていれば、両者ともその時間に映画を観ていた可能性が高い。時間までほぼ同じだと、同じ映画館で同じ映画を見ていた可能性もあり、姿勢の情報を追加して送りあうことで、見ず知らずの他人であっても会話を始めるきっかけとできる。
あるいは、例えば、レジなど立ち仕事のアルバイトをしている者同士で、長時間立位の姿勢をとっていれば、相手が何時アルバイトをしていたかの情報を知ることができ、姿勢の情報を追加して送りあうことで、見ず知らずの他人であっても会話を始めるきっかけとできる。
本発明を用いれば、歩行速度、歩調(単位時間当たりの歩数)も算出することが、これらの情報も、見ず知らずの他人同士で、会話を始めるきっかけとできる。例えば、歩く速度が近いもの同士のほうがより相性が合うと判断できると考えられる。
上記のような詳細なデータでなくても、体動データの振動やゼロクロス値(単位時間当たりに変動する加速度の回数)などを用いることで、使用者が夜型の人間なのか、朝型の人間なのか、活動的な人間なのか、非活動的な人間なのかの判断が出来る。こういった活動情報から、より相性が合うと判断できると考えられる。
総カロリーや各時刻におけるカロリーの分布、各時刻における歩行の分布なども、相性の判断に使える。
本発明の一実施例の携帯電話を示す斜視図である。 本発明の落下防止用のストラップを示す斜視図である。 図2のストラップの機能説明図である。 実施例を使用する使用者の姿勢の例を示す説明図である。 図4の使用者の姿勢に対応する実施例の向きを示す説明図である。 実施例が、加速度データから歩行、立位、座位・臥位を判別する手順を示すフローチャートである。 使用者が実施例の携帯電話を携帯して行動したときに、加速度センサーが出力する信号波形と使用者の姿勢とを示す説明図である。 図7の信号波形をローパスフィルタにより平滑化した波形図と角度変化説明図である。 使用者が実施例の携帯電話を3日間携帯したときの行動履歴の表示例を示す説明図である。 使用者が本発明の携帯電話を携帯して歩行したときに、その携帯電話の加速度センサーが出力する信号の波形例を示す波形図である。 実施例が加速度センサーからの出力波形が歩行による波形であるか別の振動による波形かを判別する手順を示すフローチャートである。 日常生活・運動のエネルギー代謝率(RMR)を示す説明図である。 代表的な3軸加速度センサーの構造と動作を示す説明図である。 特許文献3の内容を示す説明図である。 実施例の携帯電話の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 携帯電話機能部
2 情報検出部
3 信号保存部
4 解析部
5 算出部
6 ローパスフィルタ
8 大腿部装着検出センサー
101 携帯電話
102 パーツ
103 パーツ
104 落下防止用ストラップ
201 大腿部装着検知センサー
202 くぼみ
203,204 センサーの出力信号線

Claims (18)

  1. 使用者の大腿部周辺の体動を検出して信号を出力する情報検出部と、
    該情報検出手段が出力する信号を保存する信号保存部と、
    保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断する解析部とを備える生活活動解析装置。
  2. 前記情報検出部は、加速度センサーまたは角速度センサーであることを特徴とする請求項1記載の生活活動解析装置。
  3. 前記情報検出手段の出力信号が時系列信号であり、解析部は、閾値を設定する閾値設定部を備え、前記時系列信号が設定閾値より低い値から高い値に変化したとき、又は設定閾値より高い値から低い値に変化したとき、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断することを特徴とする請求項1もしくは2記載の生活活動解析装置。
  4. 設定閾値が第1、第2、および第3閾値からなり、前記時系列信号が第1閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過し、第2閾値を0から遠い値から0に近い値に向けて通過し、第3閾値を0に近い値から0から遠い値に向けて通過したとき、解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断することを特徴とする請求項3記載の生活活動解析装置。
  5. ローパスフィルタをさらに備え、解析部は、使用者の行動が歩行に起因する行動であると判断したとき、使用者の体動から得られる加速度成分のローパスフィルタ出力を鉛直方向成分と判断することを特徴する請求項3もしくは4記載の生活活動解析装置。
  6. 解析部は、前記判断した鉛直方向成分と、所定角度以内の変化により、使用者が歩行中でないと判断された時間においては、該使用者の姿勢は立位であると判断することを特徴とする請求項5記載の生活活動解析装置。
  7. 装置の方向が所定時間内において所定角度以上に変化したとき、解析部は、情報検出部が出力する信号に基づき、使用者が臥位もしくは座位と立位との一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生活活動解析装置。
  8. 解析部は、使用者が歩行中であると判断した時間内に平均加速度成分の方向が所定時間内において所定角度以上に変化した場合、該使用者の姿勢は変化していないと判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の生活活動解析装置。
  9. 解析部は、前記判断された立位の時間内に、前記座位と立位の一方の姿勢から別の姿勢に移ったと判断した場合に、
    該使用者の姿勢は変化していないと判断することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の生活活動解析装置。
  10. 大腿部周辺に配置していることを示すためのセンサー又はスイッチをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の生活活動解析装置。
  11. 落下防止用クリップをさらに備え、前記センサー又はスイッチが落下防止用クリップに備えられていることを特徴とする請求項10記載の生活活動解析装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の生活活動解析装置であって、使用者の使用時間を姿勢変化又は歩行/立位変化の時刻で区切り、区切られた時間内の時間内消費カロリーを、前記検出した姿勢ないし歩数に対応する消費カロリーに基づいて算出する算出部をさらに備えたことを特徴とする生活活動解析装置。
  13. 算出部は、算出した時間内消費カロリーに基づき、使用者の一定期間内の期間内消費カロリーを算出することを特徴とする請求項12記載の生活活動解析装置。
  14. 算出した時間内又は期間内消費カロリーを表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項12又は13記載の生活活動解析装置。
  15. 判断した姿勢と行動を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の生活活動解析装置。
  16. 使用者の姿勢または行動を判断する生活活動解析方法であって、
    使用者の大腿部周辺の体動に関する情報を検出するステップと、
    検出された情報を保存するステップと、
    保存された信号を処理して使用者の姿勢又は行動を判断するステップとを含むことを特徴とする生活活動解析方法。
  17. 請求項16に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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