JP2006179425A - アーク炉の電極昇降制御装置 - Google Patents

アーク炉の電極昇降制御装置 Download PDF

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頼忠 菰田
Katsuyoshi Ito
勝芳 伊藤
Hiroichi Ebata
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Abstract

【課題】定インピーダンス制御によって電極が自動的に昇降するアーク炉において、不導電体が早期に検知され、電極が不導電体に衝突して折損事故が起きることのないようにする。
【解決手段】炉用変圧器13の二次側の電圧と電流とを検知し、その比が一定となるように電極昇降装置7が電極3を自動的に昇降させる定インピーダンス制御のアーク炉において、操業中に二次側の電流が下限設定値以下となり、かつ電極3を支持する電極昇降装置のモータ10の負荷トルクが通常運転時の40%以下となり、その状況が0.5秒間前後続いた場合に直ちに自動昇降を停止させ電極3を上昇させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明はアーク炉の操業中に電極が自動昇降する過程で電極が折損することを防止する電極昇降制御装置に関するものである。
金属スクラップ等を溶解するアーク炉は、一般に下記特許文献1,2等に示されているように、炉用変圧器の二次側の電圧と電流とを検知し、その比が一定となるように電極昇降装置が電極を自動的に昇降させるようにした定インピーダンス制御がなされ、これによって炉内の電極高さが溶解材料の溶解状況に追従しアーク長が一定に保たれるようにしている。
この定インピーダンス制御では、操業中に造滓材等の不導電体材料が投入された場合、或いは投入された溶解材料中に樹脂やセラミック等の不導電体が混在していた場合等に導通が妨げられことから、定インピーダンスとなるまで電極が下降し続け、電極を折損させるおそれが生じる。このような場合、従来では、炉蓋を旋回し、炉内に炭材等の易通電材を投入することで導電性を回復させ、電極を折損させないようにしている。
また、下記特許文献3に示された電極折損防止装置は、炉内に装入された溶解材料の高さをレベル計によって予め測定することにより電極折損を防止しようとするものであった。
特許第3198593号公報 特開2003−279269号公報 特開平6−260281号公報
ところで、従来では電極を昇降動させる電極昇降装置のワイヤの弛みを検知することにより不導電体の有無を検出していたが、ワイヤが弛んだときにはすでに電極が不導電体上に突き当たっている場合が多いため、折損事故を防止できないことがあった。
また、上記特許文献3に示された電極折損防止装置は、操業中の高温度である炉内の溶解材料の高さを的確に測定できるようなレベル計を想定できないという問題があった。
このため、操業中に不導電体を早期に検知し、電極折損を確実に防止し得る技術が望まれていた。
そのために本発明に係るアーク炉の電極昇降制御装置は、炉用変圧器の二次側の電圧と電流とを検知し、その比が一定となるように電極昇降装置が電極を自動的に昇降させる定インピーダンス制御のアーク炉において、操業中に二次側の電流が下限設定値以下となり、かつ電極を支持する電極昇降装置のモータの負荷トルクが通常運転時の40%以下となり、その状況が0.5秒間前後続いた場合に直ちに自動昇降を停止させ電極を上昇させるようにしたことを特徴とする。
定インピーダンス制御によって電極を自動的に昇降させるアーク炉において、不導電体が早期に検知されることから、電極が不導電体に衝突して折損するような事態が確実に防止される。
次に本発明の実施例を図面とともに説明する。図1において、1はアーク炉の炉体、2は該炉体内に装入された金属スクラップ等の溶解材料、3は電極把持器4と支腕5,支柱6により支持されることにより、炉体1の上部開口から該炉体内に垂下状なるように支持された棒状の黒鉛炭素電極、7は支柱6の下端部に設けられた滑車8にワイヤ9を巻掛け、該ワイヤをインバータモータ10によって回転駆動されるドラム11に巻回し、該モータ10を回転駆動することにより電極3が昇降動するように構成された電極昇降装置である。なお、該電極昇降装置には電極上昇時に上限を検知する上限リミットスイッチ、および下降時に下限を検知する下限リミットスイッチが夫々設けられている。
12は炉用変圧器13の二次側の電圧と電流を検知し、その比が一定となるようにモータ10の回転を制御し電極3を自動的に昇降させ定インピーダンス制御をする電極昇降制御装置である。なお、図1は三相交流式アーク炉における電源の一相だけを表示したものであるが、他の二相も同様である。該電極昇降制御装置12は、電極の昇降動を「自動」に設定する押釦スイッチ、アーク炉電源スイッチ、投入電力設定スイッチ、運転状況表示用モニター等を備え、図2に示した論理回路に従い不導体を検出し電極折損防止制御がなされる。即ち、ANDゲート14は、アーク放電用電源が「ON」され、かつ電極昇降が「自動」に選択されているときに起動し、その出力はANDゲート15およびANDゲート16に与えられる。ANDゲート15は、ANDゲート14からの出力があり前記下限リミットスイッチからの出力があったときに起動し、ORゲート17に出力を与える。また、ANDゲート16は、ANDゲート14からの出力があり、炉用変圧器13の二次側の電流が予め決められた下限設定値(例えば、通常運転時の二次側電流が40KAであった場合はその20%である8KAを下限設定値とする。)以下となり、かつ、前記モータ10の負荷トルクが通常運転時の40%以下となったときに起動し、その出力がタイマー18によって計時され、該ANDゲート16の起動状態が0.5秒間続いた場合にORゲート17に出力を与える。
そしてORゲート17の出力があると不導電体が検出されたこととなり、直ちに自動昇降制御をOFFし、自動設定用の押釦スイッチのランプを点滅させるとともに、モータ10を駆動し電極3を高速(6m/分で5秒)で上昇させ、同時に運転状況表示用モニターに「不導電体検出」の警報表示をする。このようにこの電極昇降制御装置では、電極昇降が「自動」に設定されており、二次側の電流が予め決められた下限設定値以下となり、かつ、モータ10の負荷トルクが通常運転時の40%以下となり、その状況が0.5秒間前後続いた場合をもって不導電体が検出されたものとし、直ちに自動昇降を停止させ電極を上昇させるものであるので、電極3が不導電体に衝突し折損することを事前に防ぐことができる。
なお、負荷トルクが通常運転時の40%以下となることを「不導電体検出」の要件としたのは、負荷トルクが通常運転時の40%以上ある場合は未だ何物かに当たることなくその負荷トルクによって電極3が支持されていると判断できるからである。また、ANDゲート16の起動状況が0.5秒間前後続くことを「不導電体検出」の要件としたのは、操業中における二次側電流およびモータ負荷トルクの一時的な変動により誤作動することのないようにするためである。
このように運転状況表示用モニターに「不導電体検出」の警報表示がされた場合は、炉内の該当する電極付近に炭材等の易通電材を投入し導通性を回復させることにより通常の操業に戻ることができる。なお、他の二相の電源によるアーク溶解で炉内材料が崩れ不導電体が移動することにより導電性が自然に回復する場合もある。
本発明によれば、自動昇降によって電極を折損させるおそれが排除されるので、金属スクラップや焼却灰等を溶融するための交流または直流を電源とするアーク炉の電極昇降制御装置に広くその技術を適用することができる。
本発明に係るアーク炉の電極昇降装置の概略図。 本発明に係るアーク炉の電極昇降制御装置の論理回路図。
符号の説明
1 炉体
2 溶解材料
3 電極
7 電極昇降装置
10 モータ
12 電極昇降制御装置
13 炉用変圧器

Claims (1)

  1. 炉用変圧器の二次側の電圧と電流とを検知し、その比が一定となるように電極昇降装置が電極を自動的に昇降させる定インピーダンス制御のアーク炉において、操業中に二次側の電流が下限設定値以下となり、かつ電極を支持する電極昇降装置のモータの負荷トルクが通常運転時の40%以下となり、その状況が0.5秒間前後続いた場合に直ちに自動昇降を停止させ電極を上昇させるようにしたことを特徴とするアーク炉の電極昇降制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6002823B1 (ja) * 2015-07-30 2016-10-05 ダニエリ オートメーション ソシエタ ペル アチオニ 電気アーク炉に給電する装置及び方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5322239U (ja) * 1976-08-04 1978-02-24

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