JP5912976B2 - アーク炉の電極昇降制御方法及び装置 - Google Patents

アーク炉の電極昇降制御方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、アーク炉に昇降可能に設けられる電極に電力を供給し、被処理物を溶解するアーク炉に関し、特にアーク炉の電極の昇降を制御するアーク炉の電極昇降制御方法及び装置に関する。
従来から、アーク炉に昇降可能に設けられる電極に電力を供給し、被処理物を溶解するアーク炉が知られている。図7は特許文献1に記載のアーク炉を示す。発電所等からの送電系統には、炉用遮断器31を介して炉用変圧器32が接続される。炉用変圧器32の二次側には、導体を介してアーク炉34の電極33が接続される。電極33に電力を供給すると、電極33と被処理物との間にアーク放電が発生し、被処理物が主にジュール熱によって溶解する。なお、この図7においては、電極33及び符号35〜37の各要素が一つのみ示されているが、実際には三相交流の各相に合わせて合計三つ設けられている。
電極33はアーク炉34に昇降可能に設けられる。電極33を昇降させる電極昇降装置37は、電極を昇降させるワイヤ、電動機、電動機を駆動するインバータからなる。電極昇降装置37は電極昇降制御装置38によって制御される。計器用変流器(CT)又は整流器からなる電流検出器35は、電極33に流れる電流を検出する。計器用変圧器(PT)又は整流器からなる電圧検出器36は、電極33と接地との間の電圧を検出する。電極昇降制御装置38は、インピーダンス(すなわち、電流検出器35が検出する電流の検出値と電圧検出器36が検出する電圧の検出値との比)が一定になるように電極33を昇降させる。インピーダンス一定制御を行うことによって、炉用変圧器32からアーク炉34に供給される電力を一定に維持することができる。よって、アーク炉34の生産性を向上させることができる。
特開2001−250673号公報
ところで、アーク炉の炉体内の被処理物が溶解するとき、まず、電極近傍の被処理物が溶け、その後、炉体の炉壁近傍の被処理物が溶ける。電極近傍の被処理物が溶けても、炉壁近傍の被処理物が固体のままであるので、炉壁近傍の固体の被処理物が電極近傍の溶融した被処理物になだれ込むことがある。
固体の被処理物が電極の下方になだれ込むと、電極の先端部が被処理物に没入し、溶融した被処理物が吹き上がる現象(スプラッシュと呼ばれる)が発生する。電極のカーボンが被処理物を還元することによって発生するCOガスがスプラッシュの一因になる。スプラッシュが発生すると、投入した電力を効率よく被処理物の溶解に利用することができなくなる。
そこで、本発明は、スプラッシュが発生するのを防止できるアーク炉の電極昇降制御方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、昇降可能に設けられる電極に交流電源から電力を供給することによって被処理物を溶解するアーク炉に用いられ、前記電極の昇降を制御するアーク炉の電極昇降制御方法において、前記電極に流れる電流の検出値が所定の設定電流値より小さいとき、前記電極を下降させ、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値より大きいとき、前記電極を上昇させ、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下であり、かつ、前記電極と接地された前記アーク炉との間の電圧の検出値が所定の電圧値以上であるとき、前記電極の下降を停止するアーク炉の電極昇降制御方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアーク炉の電極昇降制御方法において、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下である時間が、所定の時間以上のとき、前記電極の下降を停止することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアーク炉の電極昇降制御方法において、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値よりも大きい所定の第一の急速巻上げ電流値以上のとき、前記電極を急速に上昇させ、前記電極に流れる電流の検出値が、前記第一の急速巻上電流値未満かつ前記設定電流値以上の所定の第二の急速巻上げ電流値以上になる時間が、所定の時間以上のとき、前記電極を急速に上昇させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、昇降可能に設けられる電極に交流電源から電力を供給することによって被処理物を溶解するアーク炉に用いられ、前記電極の昇降を制御するアーク炉の電極昇降制御装置において、前記電極に流れる電流の検出値が所定の設定電流値より小さいとき、前記電極を下降させ、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値より大きいとき、前記電極を上昇させる電極昇降制御回路と、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下であり、かつ、前記電極と接地された前記アーク炉との間の電圧の検出値が所定の電圧値以上であるとき、前記電極の下降を停止する電極突込み防止回路と、を備えるアーク炉の電極昇降制御装置である。
固体の被処理物が溶融した被処理物になだれ込むと、なだれ込んだ部分の電極と被処理物との間のインピーダンスが急激に上がる。このため、なだれ込んだ部分の電極に流れる電流が急激に下がり、当該電極と接地されたアーク炉との間の電圧が急激に上がる。請求項1に記載の発明によれば、電極に流れる電流の検出値が所定の電流値以下であり、かつ電圧の検出値が所定の電圧値以上のとき、電極の下降を停止するので、なだれ込んだ被処理物に電極が没入する直前を察知することが可能になり、電極を下げ過ぎないように制御することが可能になる。よって、スプラッシュが発生するのを防止できる。
一方、なだれ込んだ部分以外の電極では、なだれ込んだ部分の電極に流れる電流が下がることに伴って、電極に流れる電流が下がる。なだれ込んだ部分以外の電極では、インピーダンスが低い状態を維持するので、電流が下がることに伴って電圧も下がる。請求項2に記載の発明によれば、電極に流れる電流の検出値が所定の電流値以下である時間が所定の時間以上のとき、電極の下降を停止するので、なだれ込んだ部分以外の電極が溶融した被処理物に没入する直前を察知することが可能になり、電極を下げ過ぎないように制御することが可能になる。よって、スプラッシュが発生するのを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、第一及び第二の急速巻上電流値を設定し、二段階で急速巻上げを行うので、遮断器が落ちたり、炉用変圧器等の交流電源に過大な負荷がかかったりするのを防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏する。
本実施形態のアーク炉の構成図である。 本実施形態の電極昇降制御装置の回路図である。 本実施形態の電極制御装置が実行するプログラムのフローチャートである。 図4(a)はアーク炉のスプラッシュを説明する模式図であり、図4(b)は電極の電流及び電圧の実測値のタイムチャートである。 図5(a)はアーク炉のスプラッシュを説明する模式図であり、図5(b)は電極の電流及び電圧の実測値のタイムチャートである。 本実施形態のアーク炉の回路図である。 従来のアーク炉の構成図である。
図1は、本発明の一実施形態のアーク炉の構成を示す。図1において、1は炉用遮断器、2は交流電源としての炉用変圧器、3a,3b,3cは黒鉛などからなる電極、4は炉体、5は電極に流れる電流を検出する計器用変流器(CT)又は整流器からなる電流検出器、6は電極と接地との間の電圧を検出する計器用変圧器(PT)又は整流器などからなる電圧検出器、7は電極を昇降させる電極昇降装置、8は電極昇降装置7のインバータ9に電極を昇降させるための指令を作成する電極昇降制御装置である。
この実施形態のアーク炉は、例えば低炭素フェロクロムの製造方法に用いられる。アーク炉には、原料として、クロム鉱石、焼石灰、及びカーボンが投入される。アーク炉はこれらの原料を溶解して一次スラグを生成する。一次スラグに還元剤としてのシリコクロムを添加すれば、クロム鉱石が還元され、低炭素フェロクロムと二次スラグが生成する。
炉用変圧器2は、手動によりタップ電圧を切替可能な負荷タップ切替器を備える。三本の電極3a,3b,3cには炉用変圧器2からタップ電圧が印加される。三本の電極3a,3b,3cには三相交流が流れる。
電極を昇降させる電極昇降装置7は、電極3a,3b,3cを昇降させるワイヤ10、ワイヤ10を巻上げる巻上装置11、巻上装置11を駆動させる電動機12、電動機12に必要な電力を供給するインバータ9からなる。電極昇降装置7は、電極昇降制御装置8によって制御される。なお、この図1には、電極昇降装置7は一組のみ示されているが、実際には三本の電極3a,3b,3cに合わせて三組存在する。電極3a,3b,3cの昇降は一本毎に制御される。
電極昇降制御装置8は、PLC(Programmable Logic Controller)等からなる。電極昇降制御装置8は、電極3a,3b,3cの昇降動作を制御するための信号を生成し、この信号をインバータ9に送信する。電極昇降制御装置8は、インピーダンス一定制御を行う。電流の検出値が演算した設定電流値より小さいとき(すなわち、インピーダンスが大きいとき)、電極3a,3b,3cを下降させ、電流の検出値が演算した設定電流値より大きいとき(すなわちインピーダンスが小さいとき)、電極3a,3b,3cを上昇させる。設定電流値は電流設定部15で演算される。電極3a,3b,3cが上昇又は下降するときの速度は、比例制御によって制御される。電流の検出値と設定電流値との偏差が大きいとき、偏差に比例した速い速度で電極3a,3b,3cを上昇又は下降させ、偏差が小さいとき、偏差に比例した緩やかな速度で電極3a,3b,3cを上昇又は下降させる。比例制御のゲインは感度調整部14で調整される。
図2は電極昇降制御装置の回路図を示す。電極昇降制御装置8は、電極3a,3b,3cの昇降を制御する電極昇降制御回路21と、電極3a,3b,3cが溶融した原料に突っ込むのを防止する電極突込み防止回路22と、電極3a,3b,3cに過大な電流が流れるのを防止する急速巻上回路23と、を備える。電極昇降制御回路21は、上述のようにインピーダンス一定制御を行い、設定電流値と電流の検出値の偏差に比例した信号をインバータ9に出力する。比例制御のゲインは感度調整部14で調整される。急速巻上回路23は、電極3a,3b,3cを急速に巻上げるための回路であり、電極昇降制御回路21が電極3a,3b,3cを上昇させる速度よりも速い速度で電極3a,3b,3cを上昇させる。急速巻上回路23が電極を上昇させる速度は、感度調整部25で調整される。
図3は、電極昇降制御装置8が実行するプログラムのフローチャートを示す。電極昇降制御装置8は、S1〜S4において、インピーダンス一定制御を行い、S6〜S8において、突込み防止制御を行い、S9〜S11において、急速巻上制御を行う。
電極昇降制御装置8は、まず炉用変圧器2のタップ電圧VPV(n)を取り込む(S1)。タップ電圧は負荷タップ切替器によってn段階に設定可能となっている。
次に、設定電流値ASV(i)を演算する(S2)。設定電流CCS%(0〜100%の範囲内の値)は予め設定されている。S2では、電圧検出器6の電圧の検出値EPV(i)、タップ電圧VPV(n)、設定電流CCS(%)に基づいて、下記の計算式から設定電流値ASV(i)を演算する。
[数1]
ASV(i)=EPV(i)/E(i)×CCS(%)
(i)=VPV(n)/√3
次に、電極昇降制御装置8は、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)と設定電流値ASV(i)との偏差IPV(i)−ASV(i)を演算する(S3)。偏差は例えば0±5Vの電圧信号に変換され、電極昇降装置7のインバータ9に出力される(S4)。上記S1からS4を繰り返すことによって、電極3a,3b,3cに流れる電流が設定電流値ASV(i)に近づくように、電極3a,3b,3cの昇降が制御される。
次に、電極昇降制御装置8は、スプラッシュが発生するのを防止するために、突込み防止1(S6)及び突込み防止2(S7)を実行する。突込み防止1(S6)では、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以下であるかどうかを判断し、電圧検出器6の電圧の検出値EPV(i)が所定の電圧値K1以上であるかどうかを判断する。所定の電圧値K1は、タップ電圧に基づいて、例えばタップ電圧の70%〜85%の範囲に予め設定されている。そして、電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以下であり、電圧の検出値EPV(i)が電圧値K1以上であるとき、電極3a,3b,3cの下降を停止する(S8)。
突込み防止2(S7)では、電極3a,3b,3cが下降動作を継続する時間が所定の時間T1以上のとき、電極3a,3b,3cの下降を停止する。具体的には、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が設定された下降出力値K以下であるかどうか判断し、下降出力値K以下である時間t1が設定された時間T1以上であるかどうかを判断する。下降出力値Kは設定電流値ASV(i)以下に設定される。時間T1は例えば2秒に設定される。そして、電流の検出値IPV(i)が設定された下降出力値K以下である時間t1が設定された時間T1以上であるとき、電極3a,3b,3cの下降を停止する(S8)。
次に、電極昇降制御装置8は、急速巻上1(S9)及び急速巻上2(S10)を実行する。急速巻上1(S9)では、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が、電流値Q以上であるかどうかを判断する。電流値Qは予め例えば20KAに設定されている。そして、電流の検出値IPV(i)が電流値Q以上であり、かつ電流値Q以上である時間t2が時間T2以上のとき、電極3a,3b,3cを急速に巻上げる(S11)。時間T2は例えば0.5秒に設定される。
急速巻上2(S10)では、電極3a,3b,3cが上昇動作を継続する時間t3が所定の時間T3以上のとき、電極3a,3b,3cを急速に巻上げる。具体的には、電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以上であるかどうかを判断する。そして、電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以上であり、かつ設定電流値ASV(i)以上である時間t3が時間T3以上のとき、電極3a,3b,3cを急速に巻上げる(S11)。時間T3は時間T2よりも長く、例えば2.5秒に設定される。
以下に、突込み防止1の条件を上記のように設定した理由を説明する。図4(a)に示すように、炉体4の炉壁4a近傍の固体の原料がなだれ込むと、なだれ込んだ部分の電極3aの下に固体の原料が入り込む。すると、なだれ込んだ部分の電極3aと原料との間のインピーダンスが急激に上がり、電極3aに流れる電流が急激に下がり、電極3aと接地された炉体4との間の電圧が急激に上がる。
図4(b)は、電極3aの電流及び電圧の実測値を示すタイムチャートである。炉壁4a近傍の固体の原料がなだれ込むと、なだれ込んだ部分の電極3aの電流が下がり、電圧が上がる(図4(b)領域C1参照)。その後、スプラッシュが発生する。突込み防止1では、なだれ込んだ原料に電極3aが没入する直前を察知することが可能になる。なお、電極3aの電流が下がり、電圧が上がる現象は、原料を投入した直後の原料投入期にも、原料投入期の後の溶解期にも発生する。原料投入期では、固体の原料、スラグ、COガスが混在するので、インピーダンスの変動が激しい。溶解期では、原料投入期ほどインピーダンスの変動は激しくないものの、原料のなだれ込みによりインピーダンスが変動する。
図6を参照しつつ、電極3aと原料との間のインピーダンスが上がると、電極3aに流れる電流が下がり、電圧が上がる理由を説明する。アーク炉全体の抵抗は、炉体4の抵抗と原料26の抵抗とに分けることができる。図6(a)に示すように、炉用変圧器からアーク炉に印加される直流電圧が100V、炉体4の抵抗が1Ω、原料26の抵抗が8Ωと仮定すると、電極3aに流れる電流は11.1Aとなり、炉体4に印加される電圧は11.1V、原料26に印加される電圧は88.9Vとなる。図6(b)に示すように、原料26の抵抗が8Ωから9Ωに上昇したと仮定すると、電極3aに流れる電流は10Aに減少し、炉体4に印加される電圧は10Vに減少し、原料26に印加される電圧は90Vに上昇する。炉体4の抵抗と原料26の抵抗との差が少ない場合、原料26の抵抗の変動の影響が大きい。原料26に印加される電圧は、電極3aと接地との間の電圧に相当する。原料26の抵抗が大きくなると、電極3aに流れる電流が下がり、電極3aと接地されたアーク炉との間の電圧が上がる。
以下に、突込み防止2の条件を上記のように設定した理由を説明する。図5(a)に示すように、固体の原料がなだれ込んだ部分以外の電極3bでは、なだれ込んだ部分の電極3aに流れる電流が下がることに伴って、電極3bに流れる電流が下がる。電極3aと電極3bとは電気的に接続されているからである。しかし、電極3bの下方に固体の原料がなだれ込むことはないので、電極3bと原料との間のインピーダンスは低いままである。このため、電極3bに流れる電流が下がることに伴って電圧も下がる。
図5(b)は、電極3bの電流及び電圧の実測値を示すタイムチャートである。電極3bにおいては、電流値が下がり、電圧値が下がった(図5(b)領域C2参照)後、スプラッシュが発生する。突込み防止2では、なだれ込んだ部分以外の電極3bが溶融した原料に没入する直前を察知することが可能になる。
突込み防止の制御を行う前と後とで、原料の溶解電力原単位(kwh/原料t)及び1バッチ当たりのスプラッシュ回数を測定した。以下の表1に示すように、突込み防止の制御を行うことで、溶解電力原単位は1250(kwh/原料t)から1150(kwh/原料t)に低減し、バッチ(出湯から出湯までの間)当たりのスプラッシュ回数は10回から2回に低減した。
Figure 0005912976
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな実施形態に変更可能である。例えば、本実施形態のアーク炉は低炭素フェロクロムの原料を溶解するのに限られることはなく、他の原料例えばスクラップを溶解するのに用いることができる。
上記実施形態では、突込み防止1の条件を、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以下であることとしているが、突込み防止1の条件を、電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以下の所定の電流値以下であることとすることができる。
上記実施形態では、突込み防止2の条件を、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が設定された下降出力値K以下であることとしているが、突込み防止2の条件を、電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以下であることとすることもできる。
上記実施形態では、急速巻上2の条件を、電流検出器5の電流の検出値IPV(i)が設定電流値ASV(i)以上であることとしているが、急速巻上2の条件を、設定電流値ASV(i)以上の所定の電流値以上とすることもできる。
上記実施形態では、PLCに電極昇降制御方法のプログラムを書き込んでいるが、基板上に実装されたアナログ回路によりプログラムを実行してもよい。
2…炉用変圧器
3a,3b,3c…電極
4…炉体
4a…炉壁
5…電流検出器
6…電圧検出器
7…電極昇降装置
8…電極昇降制御装置
21…電極昇降制御回路
22…電極突込み防止回路
23…急速巻上回路

Claims (4)

  1. 昇降可能に設けられる電極に交流電源から電力を供給することによって被処理物を溶解するアーク炉に用いられ、前記電極の昇降を制御するアーク炉の電極昇降制御方法において、
    前記電極に流れる電流の検出値が所定の設定電流値より小さいとき、前記電極を下降させ、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値より大きいとき、前記電極を上昇させ、
    前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下であり、かつ、前記電極と接地された前記アーク炉との間の電圧の検出値が所定の電圧値以上であるとき、前記電極の下降を停止するアーク炉の電極昇降制御方法。
  2. 前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下である時間が、所定の時間以上のとき、前記電極の下降を停止することを特徴とする請求項1に記載のアーク炉の電極昇降制御方法。
  3. 前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値よりも大きい所定の第一の急速巻上電流値以上のとき、前記電極を急速に上昇させ、
    前記電極に流れる電流の検出値が、前記第一の急速巻上電流値未満かつ前記設定電流値以上の所定の第二の急速巻上電流値以上になる時間が、所定の時間以上のとき、前記電極を急速に上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク炉の電極昇降制御方法。
  4. 昇降可能に設けられる電極に交流電源から電力を供給することによって被処理物を溶解するアーク炉に用いられ、前記電極の昇降を制御するアーク炉の電極昇降制御装置において、
    前記電極に流れる電流の検出値が所定の設定電流値より小さいとき、前記電極を下降させ、前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値より大きいとき、前記電極を上昇させる電極昇降制御回路と、
    前記電極に流れる電流の検出値が前記設定電流値以下の所定の電流値以下であり、かつ、前記電極と接地された前記アーク炉との間の電圧の検出値が所定の電圧値以上であるとき、前記電極の下降を停止する電極突っ込み防止回路と、
    を備えるアーク炉の電極昇降制御装置。
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