JP2006179128A - 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ Download PDF

Info

Publication number
JP2006179128A
JP2006179128A JP2004372093A JP2004372093A JP2006179128A JP 2006179128 A JP2006179128 A JP 2006179128A JP 2004372093 A JP2004372093 A JP 2004372093A JP 2004372093 A JP2004372093 A JP 2004372093A JP 2006179128 A JP2006179128 A JP 2006179128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
preamble
magnetic recording
area
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004372093A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Asakura
誠 朝倉
Masatoshi Sakurai
正敏 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004372093A priority Critical patent/JP2006179128A/ja
Priority to US11/212,593 priority patent/US20060132953A1/en
Priority to CNA2005101381355A priority patent/CN1822113A/zh
Publication of JP2006179128A publication Critical patent/JP2006179128A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
    • G11B5/59688Servo signal format patterns or signal processing thereof, e.g. dual, tri, quad, burst signal patterns
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/74Record carriers characterised by the form, e.g. sheet shaped to wrap around a drum
    • G11B5/743Patterned record carriers, wherein the magnetic recording layer is patterned into magnetic isolated data islands, e.g. discrete tracks
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/86Re-recording, i.e. transcribing information from one magnetisable record carrier on to one or more similar or dissimilar record carriers
    • G11B5/865Re-recording, i.e. transcribing information from one magnetisable record carrier on to one or more similar or dissimilar record carriers by contact "printing"

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

【課題】スタンパによる安定した全面転写形成により作製することができるとともに再生信号の信号処理におけるエラー発生を防止すること。
【解決手段】磁気記録媒体において、クロック同期をとるためのサーボデータが記録されたプリアンブル領域111を有するサーボ領域110と、磁気ヘッドによってユーザデータの書き込み可能なデータ領域100とを具備し、プリアンブル領域111は、データ領域100の磁性体占有率との差が±10%以内の磁性体占有率でサーボデータを記録した磁性部121および非磁性部122が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インプリントリソグラフィー技術による全面転写形成により製造される磁気記録媒体および、このような磁気記録媒体を再生する磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパに関する。
ハードディスク(HD)などの磁気記録媒体には、データを書き込み可能なデータ領域の他に、磁気ヘッドを所望のトラックおよびセクタに位置決めするためのサーボ情報が記録されたサーボ領域が存在する。
このサーボ情報は、従来、サーボトラックライタ(STW)によって、磁気記録媒体の製造後に記録する処理を行っていたが、磁気記録媒体の高密度化により、サーボトラックライタによるサーボ情報の記録処理時間が膨大となり、その生産性が問題となっている。
また、予めデータ領域をトラックに形成しておくパターンドメディアが一般的に知られている、このようなパターンドメディアでは、メディア製造後に、STWによりサーボ情報を記録する場合、予め形成されたトラックのデータ領域以外の領域にサーボトラックライタの位置決めを行ってサーボ情報を記録しなければならずその位置決め処理が極めて困難となっている。
このため、サーボ情報を事前に磁性層の凹凸を含むパターンとして埋め込み形成するパターンドメディアの技術が提案されている。このようなパターンドメディアとして、トラック幅方向において互いに物理的に分離された磁性体でトラックを形成したディスクリートトラック媒体も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このディスクリートトラック媒体では、サーボ領域においても磁性膜を加工した磁性体パターンを形成することが好ましい。このようなパターンドメディアの製造方法としては、インプリントリソグラフィー法を利用した製造方法が一般的に知られている。
インプリントリソグラフィー法では、以下のような方法により、磁気記録媒体上の磁性体パターンと逆パターンの凸部を有するインプリントスタンパを作製する。まず、原盤上に電子線レジストを塗布し、電子線により所定のパターンを描画し、現像して電子線レジストの凹凸パターンを形成する。次いで、電子線レジストの凹凸パターンを形成した原盤に対して電鋳処理を行い、電鋳により形成された金属ディスクを剥離してインプリントスタンパを作製する。次に、たとえば以下のようなインプリントリソグラフィー法により磁気記録媒体を作製する。基板上に磁性膜を製膜し、レジストを塗布する。レジストにインプリントスタンパを押し付けて、インプリントスタンパ表面の凹凸をレジスト表面に転写する。インプリントスタンパを取り外した後、凹凸が転写されたレジストをマスクとして磁性膜を加工し、所望の磁性体パターンが形成された磁気記録媒体(パターンドメディア)を製造する。
特開昭62−256225号公報
しかしながら、最終的に形成される磁性体パターンは、インプリントスタンパの凹凸パターンの大きさより膨らみ、インプリントスタンパの大きさとは異なってしまうという問題がある。すなわち、異なるパターンの混在したインプリントスタンパを用いたインプリントリソグラフィー法でパターンドメディアを作製した場合、パターンのある部分(スタンパの凸部)とパターンの存在しない部分(スタンパの凹部)の面積比率によって、インプリントスタンパによるレジストに対するプレスの際の応力が異なってくる。
具体的には、スタンパの凸部が小さいほどインプリントスタンパによって所望の押し込み深さを得ることが容易である一方、スタンパの凸部が大きい領域では、所望の押し込み深さを得ることが困難である。このため、最も応力が小さく作用する領域にあわせてインプリントスタンパによる押し込みを行うことになり、もともと応力が大きく作用する領域に対して過剰な押し込みを行うことになってしまい、スタンパの凹凸比率の異なる領域、言い換えれば、磁性占有率の異なるデータ領域、プリアンブル領域、バースト領域、アドレス領域において磁性体パターンの大きさが異なってしまう。
このような問題を回避するため、最終的に形成される磁性体パターンの大きさを予め評価しておき、スタンパの凹凸形状や加工処理条件を調整することにより、磁性体パターンの大きさを調整しているが、試行錯誤による調整となるため、要求仕様を満足する磁性体パターンを有するパターンドメディアの作製には困難であり作製作業も繁雑となってしまう。
現状のパターンドメディアでは、データ領域の磁性体占有率が約65〜75%であるのに対し、サーボ領域内のバースト領域の磁性体占有率は75%、プリアンブル領域やアドレス領域で磁性占有率が50%であり、領域ごとに磁性体占有率が大きく異なっているため、インプリントスタンパによる安定した転写形成を行うことが困難である。特にサーボ領域で最も領域長の長いプリアンブル領域の磁性占有率が50%で、データ領域の占有率が約70%と大きく乖離している点は、安定した転写形成を難しくしている。
仮に、インプリントスタンパによる安定した転写形成を行えるようにするために、磁気記録媒体の磁性体占有率を全領域で一定にすると、一部の領域において、プリアンブル領域の再生信号の振幅が途中で小さくなってしまうという問題が生じる。すなわち、プリアンブル領域におけるサーボ処理機能、すなわち、信号振幅自動調整のAGC処理と信号同期のPLL処理からなるクロック同期引き込み処理においてエラー発生が生じ、磁気記録媒体をハードディスクとして使用した場合の歩留まりを低下させるという問題である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スタンパによる安定した全面転写形成により作製することができるとともに再生信号の信号処理におけるエラー発生を防止することができる磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、クロック同期をとるためのサーボデータを表す磁性部および非磁性部が形成されたプリアンブル領域を有するサーボ領域と、ユーザデータを書き込むためのデータ領域と、を具備し、前記プリアンブル領域の磁性部と非磁性部の占有比が異なることを特徴とする磁気記録媒体である。
また、本発明は、クロック同期をとるためのサーボデータが記録されたプリアンブル領域を有するサーボ領域と、前記磁気ヘッドによってユーザデータの書き込み可能なデータ領域と、を具備する磁気記録媒体を再生する磁気記録再生装置であって、サーボ基準クロックの発生タイミングで、前記プリアンブル領域から再生されたアナログのプリアンブル再生信号の一周期から6点においてサンプル値をサンプリングすることにより、前記アナログのプリアンブル再生信号をデジタルのプリアンブル再生信号に変換するA−D変換手段と、前記A−D変換手段によってサンプリングされた6点サンプル値に基づいて、前記プリアンブル再生信号の位相誤差を検出し、検出された位相誤差に基づいてサーボ基準クロックの位相調整を行い、前記A−D変換手段によるサンプリングタイミングを調整する位相調整手段と、前記A−D変換手段によってサンプリングされた6点サンプル値に基づいて、前記プリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された前記振幅値に基づいて前記プリアンブル再生信号の増幅率を制御する増幅率制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、磁気記録媒体を製造するためのスタンパであって、前記磁気記録媒体のクロック同期をとるためのサーボデータを表す磁性部および非磁性部を有するプリアンブル領域に対応する、凹部および凸部を有する領域を具備し、前記凹部と前記凸部の占有比が異なることを特徴とする。
本発明によれば、サーボ領域の中でも広範な範囲を有するプリアンブル領域の磁性部と非磁性部の占有比が異なるので、磁性体占有率をデータ領域の磁性体占有率との差が±10%以内の比率とすることができる。このため、磁気記録媒体の製造工程において磁性面を形成する際に使用するスタンパの凹凸の比率が全面でほぼ均一とすることができる。従って、スタンパによる磁性面の転写時に磁気記録媒体に作用する応力の差が生じること低減し、スタンパによる安定した全面転写形成により磁気記録媒体を作製することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、安定した全面転写形成が行われるので、ドライブに磁気記録媒体を組込んだ際のサーボデータの読み込みエラーの頻度を低減することができ、歩留まりを大幅に向上できるという効果を奏する。
また、本発明の磁気記録再生装置では、磁気記録媒体の再生処理において、プリアンブル再生信号の一周期から6点サンプリングを行っているので、通常の4点サンプリングよりもサンプリング点が1.5倍となる。このため、サーボ領域のプリアンブル領域以外の領域における再生信号の周期長の1.5倍以上の周期長となるように磁性部と非磁性部が形成されたプリアンブル領域を有する磁気記録媒体の再生処理において、プリアンブル再生信号の振幅が安定し、AGC処理やPLL処理からなるクロック同期引き込み処理を支障をきたすことなく実行することができる。従って、本発明の磁気記録再生装置によれば、磁気記録媒体をハードディスクとして使用した場合の歩留まりの低下を防止できるという効果を奏する。
また、本発明の磁気記録媒体を製造するためのスタンパによれば、磁気記録媒体のクロック同期をとるためのサーボデータを表す磁性部および非磁性部を有するプリアンブル領域に対応する、凹部および凸部を有する領域を具備し、凹部と凸部の占有比が異なるので、このスタンパを使用して、磁性体占有率をデータ領域の磁性体占有率との差が±10%以内の比率として磁気記録媒体を製造することができる。このため、スタンパの凹凸の比率が全面でほぼ均一とすることができる。従って、スタンパによる磁性面の転写時に磁気記録媒体に作用する応力の差が生じること低減し、スタンパによる安定した全面転写形成により磁気記録媒体を作製することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、安定した全面転写形成が行われるので、ドライブに組込んだ際のサーボデータの読み込みエラーの頻度を低減することができ、歩留まりを大幅に向上できる磁気記録媒体を製造することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態にかかる磁気記録媒体の概略構造を示す模式図である。図1では、磁気記録媒体を上面からみた図を示している。図1に示すように、磁気記録媒体には、複数のトラック120が同心円上に設けられている。各トラックは、略放射状に形成された複数のサーボ領域110により、複数のデータ領域100に分断されている。
データ領域100は、磁気記録再生装置の磁気ヘッドによってユーザデータを書き込み可能な領域である。サーボ領域110は、磁気記録再生装置の磁気ヘッドを磁気記録媒体上の位置検出を行うためのサーボデータが事前に記録された領域である。
ここで、磁気記録媒体のトラック方向とは、1トラックにおいてセクタのアドレスが増減するセクタの配列方向であり、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では図1に示す矢印A方向である。
各データ領域には、トラック方向に順に物理セクタ0〜Nとして、アドレスが割り付けられている。尚、図1では、説明の都合上N=7の8セクタ構成で示しているが、実際にはN>100以上で構成される。
また、磁気記録媒体の径方向は磁気記録媒体の半径に沿う方向であり、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、トラックの幅方向に相当し、図1に示す矢印B方向である。
図2は、実施の形態1にかかる磁気記録媒体のデータ領域100とサーボ領域110の拡大図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる磁気記録媒体は、各サーボ領域110のトラック方向にデータ領域100が並列配置された構造となっている。
データ領域100は、磁気ヘッドによってユーザデータの書き込み可能な磁性帯101を有する複数のトラックが設けられ、隣接するトラック間にはユーザデータの書き込み不能な非磁性帯102が設けられている。すなわち、本実施の形態にかかる磁気記録媒体は、磁性帯101が非磁性帯102によって物理的に分離されたディスクリートトラック型の記録媒体となっている。
サーボ領域110は、磁気記録媒体製造時においてスタンパによる全面転写により磁性部121,131と非磁性部122、132が形成されており、非磁性部122,132は非磁性体を充填した構造となっている。磁気記録再生装置の磁気ヘッドによりサーボ領域110のサーボデータを再生する場合、磁性部121,131は2進値「1」、各非磁性部122,132は2進値「0」として再生される。
サーボ領域110は、図2に示すように、プリアンブル領域111とアドレス領域112とバースト領域113とから構成されている。
なお、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、磁性部及び磁性帯において磁性膜を垂直方向(媒体厚さ方向)に磁化した垂直磁気記録方式を採用している。また、本実施の形態にかかる磁気記録媒体において、非磁性帯102及び非磁性部122、132は非磁性体を充填した構成しているが、非磁性体を充填する代わりに非磁性帯102及び非磁性部122,132を空隙とした構造としてもよい。
プリアンブル領域111は、クロック同期を行うためのサーボデータが記録された領域であり、かかるサーボデータのコード「1」に対応した磁性部121とコード「0」に対応した非磁性部122が形成されている。プリアンブル領域111は、アドレス領域112およびバースト領域113よりも先に磁気ヘッドによって読み出され、磁気記録媒体の回転偏芯等により生ずる時間ズレに対してサーボデータの再生信号のクロックを同期させるPLL(Phase Lock Loop)処理や再生信号の振幅を適正に維持するAGC(Auto Gain Control)処理を行うために使用される。
プリアンブル領域111では、磁気記録再生装置の磁気ヘッドがどのトラック位置にあってもサーボデータから同様の再生信号が得られるように、複数の磁性部121をトラック方向に垂直なトラック幅方向(図1における矢印B方向、図2における垂直方向)に延在する直線状で形成し、複数の磁性部121は、磁性部201を介在してトラック方向に配置したプリアンブル記録パターンで記録されている。
アドレス領域112は、サーボ領域110の開始を示すサーボマークというコードや、セクタ情報、シリンダ情報等を、2進値「0」をコード「01」で、2進値「1」をコード「01」で表すマンチェスタ符号化方式でサーボデータが記録された領域である。アドレス領域112には、かかるサーボデータのマンチェスタ符号化方式のコード「1」に対応した磁性部131とコード「0」に対応した非磁性部132が形成されている。アドレス領域112は、シーク中であっても磁気ヘッド50が読み取ることができるように、グレイコードでサーボデータが記録されている。
バースト領域113は、トラック中心位置に対する磁気ヘッドの相対位置である位置偏差情報を求めるためのサーボデータが記録された領域であり、かかるサーボデータのコード(「1」、「0」)に対応して磁性部121および非磁性部122が形成されている。
バースト領域113は、図2に示すように、配置位相の異なる4種類のバーストA、バーストB、バーストCおよびバーストDの区域から構成されている。バーストA〜Dのそれぞれは、磁性部141を非磁性部142を介して配列されている。バーストAとバーストBは、トラック中心に対して交互に配置されている、バーストCとバーストDは、偶数トラックと奇数トラックに、すなわちトラック境界に対して交互に配置されている。磁気ヘッドがバースト領域113をトレースしたとき、バーストC、バーストDから再生されるバースト再生信号は、バーストAおよびバーストBから再生されるバースト再生信号と90度位相がずれて再生されるようになっている。
本実施の形態にかかるディスクリートトラック型の磁気記録媒体では、データ領域100の磁性帯101と非磁性帯102の磁気記録媒体半径方向の幅の比が2:1となっており、このためデータ領域100の磁性体占有率は、約66.7%となっている。なお、本実施の形態では、データ領域100の磁性帯101と非磁性帯102の幅の比を2:1で構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、磁性帯101と非磁性帯102の磁気記録媒体半径方向の幅の比5:2(磁性占有率約71.4%)で構成してもよく、2:1〜3:2の範囲であることが好ましい。また、製造誤差によって多少の誤差が生じることがあり、厳密に上記比率となるとは限らない。
また、サーボ領域110のアドレス領域112は、上述したようにサーボデータをマンチェスタ符号方式で表して磁性部112および非磁性部112を形成しているため、トラック方向の磁性体占有率は50%となっている。また、サーボ領域110のバースト領域113は、トラック方向の磁性占有率が75%となっており、ネガマーク(非磁性マーク)による反転バーストを採用している。
サーボ領域110のプリアンブル領域111は、コード「1」を示す磁性部121とコード「0」を示す非磁性部122の比が2:1、すなわち磁性部121と非磁性部122の占有比が異なっており、トラック方向の磁性体占有率は66.7%としている。
従来の磁気記録媒体におけるサーボ領域では、アドレス領域とともにプリアンブル領域も、サーボデータをマンチェスタ符号方式によって表して磁性部および非磁性部を形成しているため、磁性部および非磁性部の占有比は等しく、トラック方向の磁性体占有率は50%となっている。
しかしながら、プリアンブル領域の機能は、磁気記録媒体を再生する際に回転ムラ等が生じたてもトラックやセクタのアドレス情報等を正確に再生するために、磁気記録再生装置の再生クロックを磁気記録媒体の回転速度に同期させるPLL(Phase Lock Loop)処理用の基準信号発生と、サーボデータのコード「1」および「0」に相当する再生振幅レベルを調整する処理であるAGC(Auto Gain Control)処理の実行である。これらPLL処理とAGC処理とを共に実行することができるのであれば、トラック方向の磁性体占有率を必ずしも50%とする必要はない。
このため、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域111のトラック方向の磁性体占有率を、データ領域100の磁気記録媒体半径方向の磁性体占有率と等しくした。これによって、磁気記録媒体の全面(全トラック/全セクタ)において、安定なプリアンブル信号の記録が可能となる。その結果、磁気記録媒体製造の歩留まりが大幅に向上する。
なお、プリアンブル領域111とデータ領域100の磁性体占有率の差が約10%以内であれば安定なプリアンブル信号の記録が可能となる。すなわち、例えば、プリアンブル領域111の磁性部幅と非磁性部幅の比を5:2すなわち磁性体占有率を約71.4%としてもデータ領域100との磁性体占有率の差は約4.7%程度であり、3:2すなわち60%としてもデータ領域100との磁性体占有率の差は約6.7%程度である。
次に、本実施の形態にかかる磁気記録媒体の製造方法について説明する。図3は、実施の形態1にかかる磁気記録媒体の製造工程図である。まず、次のように、インプリントスタンパを製造する。
本実施の形態の磁気記録媒体をインプリントリソグラフィー法により製造する場合、媒体の磁性体部分に対応する凹部と非磁性体部分に対応する凸部とが形成されたインプリントスタンパを使用する。
まず、図2の(a)に示すように、原盤21上に電子線レジスト22を塗布する。原盤21にはシリコンまたはガラスを用いることが好ましい。そして、図2の(b)に示すように、電子線レジスト22に電子線で直接描画した後、現像して電子線レジスト22に凹凸パターンを形成する。次いで、図2の(c)に示すように、電子線レジスト22の凹凸パターンを形成した原盤21に対して電鋳処理を行い、電鋳により形成された金属ディスクを剥離してインプリントスタンパ20を作製する。スタンパの材料としてはNiが好ましいが、これに限定されない。
インプリントスタンパ20の表面には、図1に示した磁気記録媒体の磁性体パターンと逆のパターンをなす凸部パターンを形成する。
なお、図2の(b)に示す工程の後に、形成されたレジストパターンをマスクとして原盤21をエッチングし、レジストの凹凸パターンを原盤21に転写することによってインプリントスタンパを作製してもよい。
次に、このインプリントリソグラフィー法を用いて磁気記録媒体を作製する。図2の(d)に示すように、基板31上に垂直記録に適した材料からなる磁性膜32を製膜する。この場合、磁性膜32として軟磁性下地膜と強磁性記録膜とを形成し、垂直二層膜媒体とすることが好ましい。この磁性膜32上にインプリント用のレジスト33を塗布する。
そして、図2の(e)に示すように、基板31上のレジスト33にスタンパ20を対向させ、レジスト33にスタンパ20を押圧してスタンパ20表面の凸部パターンをレジスト33表面に転写する。その後、スタンパ20を取り外す。そして、図2の(f)に示すように、凹凸パターンが形成されたレジスト33をマスクとして磁性膜32をエッチングすることにより、磁性膜32を加工する。この結果、図1に示すような磁性体パターンが形成される。
次いで、図2の(g)に示すように、磁性膜32上にカーボン保護膜34を設け、さらに潤滑剤を塗布することにより、磁気記録媒体を作製する。
上記のインプリントスタンパ20のように部位間での凸部パターンの面積比率の差が小さいものを用いた場合、インプリント後にレジスト残渣の厚みの差を抑えることができ、このレジストをマスクとして磁性膜をエッチングすることにより、ほぼ均一な厚みの磁性体パターンを形成することができる。
図17は、プリアンブル領域の磁性占有率を50%で形成した従来の磁気記録媒体よる微分等化処理後の再生信号を示す説明図である。図17(a)は、良好に転写形成できている個所の再生信号で、下段がエラーが発生した部分における再生信号の一例を示している。
従来の磁気記録媒体では、プリアンブル領域とアドレス領域の両方が磁性占有率50%となるマンチェスタ符号方式で記録されていたのに対し、データ領域やバースト領域は磁性占有率がより大きく形成されていた。すなわち、プリアンブル領域およびアドレス領域と、データ領域およびバースト領域とでは、スタンパ凸部面積が大きく異なってしまっていた。その結果、アドレス領域やプリアンブル領域の近傍で、スタンパへの応力集中が発生して転写異常が生じやすく、例えばマンチェスタ符号の中央付近を仕様通りに磁性パターンを形成することができなかったり、バースト領域を安定に形成することができないという問題が生じやすかった。
この問題の解決のために磁気記録媒体の製造条件を試行錯誤して、ほとんどの領域でサーボ機能の障害を防ぐことができた。しかしそれでも一部の領域において磁性パターンの転写形成が磁気記録媒体全面としてみた場合には安定性不足であり、図17(b)に示すようなプリアンブル領域内の振幅減少が生じてしまった。
図4は、実施の形態1にかかる磁気記録媒体による微分等化処理後の再生信号を示す説明図である。図4(a)が再生信号の全体を示し、図4(b)が図4(a)において時間領域を拡大した図である。
ここで、微分等化処理とは、磁気記録媒体において磁性部が垂直磁気記録方式で記録されているため、プリアンブル領域111から再生されたアナログ再生信号をLPF(Low Pass Filter)等によりアナログフィルタ処理を行って長手記録再生信号に相当する等化信号に変換する処理をいい、後述する等化器によって行われる。
アドレス領域112では、サーボデータはマンチェスタ符号方式で記録されているため、磁性体占有率が50%と他の領域に比べて小さくなるが、アドレス領域112は、磁気記録媒体全体でみた面積としては極めて小さい。このため、アドレス情報読み取り誤差を生ずる程の影響は生じない。従って、本実施の形態にかかるプリアンブル領域112の再生信号は、図4(a)に示すように、プリアンブル領域間で、ほぼ同一振幅の再生信号が得られる。
本実施の形態において、プリアンブル領域111の磁性帯幅と非磁性帯幅の比が約2:1であるため、図4(b)に示すように、プリアンブル領域112の再生信号は磁性帯幅と非磁性帯幅の比が約1:1の場合すなわち図13の場合に比べて歪む。この歪みの影響について以下説明する。
磁気ヘッドは、ヘッド直下にあるディスク上の磁化パターンからの漏れ磁界を電気信号として検出し、ヘッドアンプIC(HIC)を介して、再生信号処理IC(チャネル)に送出する。再生信号処理ICでは、プリアンブル領域111、アドレス領域112、バースト領域113の各領域から磁気ヘッドが読み出した信号の再生処理が行われる。本実施の形態では、プリアンブル領域111からの信号を再生するプリアンブル領域再生回路ついて説明する。図5は、実施の形態1にかかる磁気記録再生装置のプリアンブル領域再生回路の構成を示すブロック図である。
プリアンブル領域再生回路500は、図5に示すように、等化器501と、VGA(Variable Gain Amplifier)回路502と、A−D(Analog-Digital)コンバータ503と、AGC(Auto Gain Control)回路504と、SFG(Servo Frequency Generator)回路505と、PLL(Phase Lock Loop)回路506とを備えた構成となっている。
等化器401は、本実施の形態の磁気記録媒体の磁性部が垂直磁気記録方式で記録されているため、プリアンブル領域111から再生されたアナログ再生信号をLPF(Low Pass Filter)等によりアナログフィルタ処理を行って長手記録再生信号に相当する等化信号に変換する。
VGA回路502は、等化器501から出力された長手等化信号を増幅する増幅率可変の回路である。このVGA回路502によって長手等化信号の振幅が一定振幅となるように調整される。
A−Dコンバータ503は、後述するPLL回路506が出力する再生クロックに従ったサンプルタイミングで、VGA回路502で増幅されたアナログの長手等化信号をデジタル信号に変換する。A−Dコンバータ503はアナログの長手等化信号を一周期4点においてサンプリングしている。
AGC回路504は、VGA回路502による増幅率を、プリアンブル領域111の再生信号であるプリアンブル再生信号の1周期分のサンプル値からプリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された振幅値に基づいてVGA回路1102による増幅率を制御する。なお、振幅値の検出処理の詳細については後述する。SFG回路505は、サーボ基準クロックを生成する。
PLL回路506は、プリアンブル領域111の再生信号であるプリアンブル再生信号の1周期分の4点のサンプル値からプリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された振幅値に基づいてSFG回路505により生成されるサーボ基準クロックを位相調整する。そして、A−Dコンバータ503で検出されたプリアンブル再生信号に対してN倍周期かつ位相が一致する再生クロックを生成して、A−Dコンバータ503による適切なA−D変換のサンプルタイミングを実現する。なお、位相誤差の検出処理の詳細については後述する。
本実施の形態では、サーボ領域110の磁性部、非磁性部の周期をサーボ基準クロックの4倍(4T幅)、すなわちプリアンブル再生信号の1周期分のサンプル数NをN=4としている。
本実施の形態のAGC回路504およびPLL回路506が行う処理について、プリアンブル領域の磁性体占有率が従来のように50%である場合と、本実施の形態のように約66.7%である場合で比較して説明する。
まず、プリアンブル領域111の磁性体占有率が従来のように50%である場合について説明する。
AGC回路504では、VGA回路502の増幅率を制御するため、現時点でのプリアンブル再生信号の振幅値を検出する必要がある。この振幅値検出処理について説明する。図6は、プリアンブル再生信号の振幅値検出の原理を示す説明図であり、長手等化信号のプリアンブル再生信号の1周期分を4点サンプリングし、PLL処理による位相同期がほぼ完了している状態を示している。なお、PLL処理による位相同期については後述する。
図6において、実線が等化後のプリアンブル再生信号であり、一周期4点サンプリングした各サンプル値を○印で示している。また、現在時刻kにおけるサンプル値y(k)を●で示している。
本実施の形態のようにプリアンブル再生信号一周期に対するサンプル数Nが4の場合、プリアンブル再生信号一周期分のサンプル値は、常にy(k−3),y(k−2),y(k−1),y(k)の4点で表記することができる。図6に示すようなサンプルタイミングで、k時点でのサンプル値を取ると、サンプル値に各係数として[1,1,−1,−1]を乗算した内積値は、等化信号の破線で表記した絶対値の4点を加算したものとなる。すなわち、振幅値に比例した内積値G(k)が得られる。サンプルタイミング毎に係数[1,1,−1,−1]を[1,−1,−1,1]、[−1,−1,1,1]、[−1,1,1,−1]、[1,1,−1,−1]のようにループ遅延させてタイミング毎に変化させれば、常に長手等化信号の4点における絶対値の総和となる。すなわち、[y(k−2),y(k−1),y(k),y(k+1)]に係数[1,−1,−1,1]を、[y(k−1),y(k),y(k+1),y(k+2)]に[−1,−1,1,1]を、[y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3)]に係数[−1,1,1,−1]を、[y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4)]に係数[1,1,−1,−1]をそれぞれ乗算すれば、常に長手等化信号の4点における絶対値の総和となる。AGC回路404では、この総和と基準値とを逐次比較し、その大小関係により、VGA回路402の増幅率を増減させて、プリアンブル信号振幅を所定の振幅値となる様に調整できることになる。
次に、PLL回路506によるPLL処理について説明する。PLL処理では、サンプルタイミングを調整するため、長手等化信号の位相ズレ量(位相誤差)を検出する必要がある。図7は、PLL処理における位相誤差検出原理を示す説明図である。図7における破線は、完全に位相同期がなされた場合の長手等化信号を示し、実線はわずかに位相遅れがある長手等化信号を示している。
図7からわかるように、位相誤差が0で完全に同期が取れた場合には(破線)、各サンプル値は次の(1)式の関係がある。
Figure 2006179128
すなわち、プリアンブル再生信号の一周期4点[y(k−3),y(k−2),y(kー1),y(k)]に対する係数を[1,−1,−1,1]として、その内積値H(k)を算出するとH(k)=0となる。また、AGC処理と同様に係数のループ遅延を行うことにより、サンプル値ごとにH(k)=0が出力される。すなわち、[y(k−2),y(k−1),y(k),y(k+1)]に係数[−1,−1,1,1]を、[y(k−1),y(k),y(k+1),y(k+2)]に[−1,1,1,−1]を、[y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3)]に係数[1,1,−1,−1]を、[y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4)]に係数[1,−1,−1,1]をそれぞれ乗算することにより、サンプル値ごとにH(k)=0が出力される。
一方、図7に示すようにわずかな位相遅れがある場合(実線)には、各サンプル値は次の(2)式の関係がある。
Figure 2006179128
このため、プリアンブル再生信号の一周期4点に対する係数を[1,−1,−1,1]とした場合の内積値H(k)は、H(k)<0となり、位相が遅れていることがH(k)の値から判断することができる。
k時点が順番に変化した場合でも、係数のループ遅延を取った係数との内積値H(k)は常に一定である。また、位相が進んでいる場合は、各サンプリング値は次の(3)式の関係がある。
Figure 2006179128
このため、プリアンブル再生信号の一周期4点に対する係数を[1,−1,−1,1]とした場合の内積値H(k)は常に、H(k)>0となり、位相が進んでいると判断できる。
PLL回路506では、このように、内積値H(k)から位相誤差を検出し、PLL回路506内部のVCO(Voltage Controlled Oscillator)を利用してサーボ基準クロックの遅延調整を行うことにより、再生信号クロック同期を行っている。
上記の検出処理は、直交検波に基づく位相/振幅分離方法に基づくものあり、位相誤差(位相ズレ量)が小さいと仮定した場合の簡易な処理である。次に、位相誤差が小さいと仮定した場合に上記処理が適用できる理由について説明する。
振幅G0,位相誤差H0の等化信号は、理想的には次の(4)式で表現される。
Figure 2006179128
一周期ごとにの4点のサンプル値y(0)、y(1)、y(2)、y(3)は、(4)式から算出すると、(5)〜(8)式のようになる。
Figure 2006179128
また、(4)式において、hk=(2k+1)π/Nとおくと、(4)式は次の(9)式で示される。
Figure 2006179128
ここで、上述した振幅値に比例した内積値G(k)を得るための係数[1,1,−1,−1]として、(11)、(12)式に示す直交検波の係数A(k)=sin(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(10)式のようになる。
Figure 2006179128
このA(k)y(k)を一周期4Tで積分すると、積分値G(k)は(13)式で示される。
Figure 2006179128
(13)式で示すように、sin(hk)cos(hk)の一周期4T分の積分値は0となることから、積分値G(k)は、結局、sin2(hk)の積分値の項のみとなる。また、一周期4T分の積分値G(k)は、4点のサンプル値y(k)と係数A(k)との内積値と等価である(ここで、k=0,1,2,3)。また、A(k)y(k)の一周期4T分の積分値G(k)は、(13)式のように、sin2(hk)の積分値の項のみとなり、係数A(k)は(11)式と等価な(12)式で示されるため、A(k)y(k)の一周期4Tの積分値G(k)は、(14)式のように算出される。
Figure 2006179128
この(13)式はN=4の場合であるが、これをNで一般化すると、A(k)y(k)の一周期4Tの積分値G(k)は(15)式で示される。
Figure 2006179128
また、(10)式と同様に、上述した内積値H(k)を求めるための係数[1,−1,−1,1]として、(17)、(18)式に示す直交検波の係数B(k)=cos(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(16)式のようになる。
Figure 2006179128
このB(k)y(k)を一周期4Tで積分すると、積分値H(k)は(19)式で示される。
Figure 2006179128
(19)式で示すように、sin(hk)cos(hk)の一周期4T分の積分値は0となることから、積分値H(k)は、結局、cos2(hk)の積分値の項のみとなる。また、一周期4T分の積分値H(k)は、4点のサンプル値y(k)と係数B(k)との内積値と等価である(ここで、k=0,1,2,3)。また、B(k)y(k)を一周期4Tで積分値H(k)は、(19)式のように、cos2(hk)の積分値の項のみとなり、係数B(k)は(17)式と等価な(18)式で示されるため、B(k)y(k)の一周期4Tの積分値H(k)は、(20)式のように算出される。
Figure 2006179128
この(20)式はN=4の場合であるが、これをNで一般化すると、B(k)y(k)の一周期4Tの積分値H(k)は(21)式で示される。
Figure 2006179128
本来の直交検波の手法によれば、(15)式と(21)式とから(22)式により振幅G0を、(23)式により位相を検出することができる。しかしながら、位相ズレが小さいと仮定した場合、すなわち位相誤差H0=0の近傍においては、cos(H0)=1,sin(H0)=H0と近似することができるため、上述したようにG(k)に基づいてAGC処理を実行し、H(k)に基づいてPLL処理を実行しても、問題はないと判断することができる。一方、(22)式および(23)式の演算処理が不要となり、処理回路を単純化することができる。
Figure 2006179128
次に、プリアンブル領域の磁性体占有率が本実施の形態のように約66.7%である場合について説明する。この場合に得られるアナログのプリアンブル再生信号は、図4に示すように、擬似正弦波とはいえない歪んだ波形となる。
図8は、位相同期が取れたプリアンブル再生信号のサンプル点を示す説明図である。図8に示すように、サンプル値は、図6に示したサンプル値とは異なる。このアナログのプリアンブル再生信号は、次の(24)式に示すように高調波成分を含んだ波形で近似することができる。
Figure 2006179128
この(24)式において、hk=(2k+1)π/Nとおいて変形すると、(24)式は次の(25)式で示される。
Figure 2006179128
ここで、(26)式に示す直交検波の係数A(k)=sin(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(27)式のようになる。
Figure 2006179128
このA(k)y(k)を一周期4Tで積分すると、積分値G(k)は(28)〜(30)式で示される。
Figure 2006179128
(28)式の第1項は、上述した(13)式と同様に、(29)式の第1項および第2項のように変形することができ、(28)式の第2項及び第3項は、(29)式の第3項及び第4項のように変形することができる。ここで、(29)式の第2項において、sin(hk)cos(hk)の一周期4T分の積分値は、(13)式と同様に0となる。また、(29)式の第3項及び第4項において、cos(hk),cos3(hk)は奇数次の余弦関数であるため、cos(hk),cos3(hk)の一周期の積分値はいずれも0となる。このため、(29)式の第3項及び第4項も0となり、G(k)は(30)式で表される。この(30)式は、(13)式と同一式であり、このためA(k)y(k)の一周期4Tの積分値G(k)は、(15)式と同様に、(31)式で示されることになる。
Figure 2006179128
一方、(32)式に示す直交検波の係数B(k)= cos(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(33)式のようになる。
Figure 2006179128
このB(k)y(k)を一周期4Tで積分すると、積分値H(k)は(34)〜(36)式で示される。
Figure 2006179128
(34)式の第1項は、上述した(19)式と同様に、(35)式の第1項および第2項のように変形することができ、(34)式の第2項及び第3項は、(35)式の第3項及び第4項のように変形することができる。ここで、(35)式の第1項において、cos(hk)sin(hk)の一周期4T分の積分値は、(19)式と同様に0となる。また、(35)式の第3項及び第4項において、sin(hk),sin3(hk)は奇数次の正弦関数であるため、sin(hk),sin3(hk)の一周期の積分値はいずれも0となる。このため、(29)式の第3項及び第4項も0となり、H(k)は(36)式のように(35)式の第2項のみで表される。この(36)式は、(19)式と同一式であり、このためB(k)y(k)の一周期4Tの積分値H(k)は、(21)式と同様に、(37)式で示されることになる。
Figure 2006179128
このようにG(k)の(31)式は(15)式と同一式で、およびH(k)の(37)式は(21)式と同一式でそれぞれ表されることになるため、(15)式および(21)式と同様に、位相ズレ量が小さいと仮定した場合、すなわち位相誤差H0=0の近傍においては、cos(H0)=1,sin(H0)=H0の近似が成立し、G(k)に基づいてAGC処理を実行し、H(k)に基づいてPLL処理を実行しても問題はないと判断することができる。すなわち、本実施の形態にかかる磁気記録媒体に対して従来と同一のAGC処理およびPLL処理を実行した場合でも、振幅G0および位相誤差H0を検出することができ、問題は生じないことがわかる。
ただし、信号振幅G0は、疑似正弦波に対する振幅ではなく、高調波成分影響を受けた歪み波形の振幅であるため、AGC調整ゲインに関しては、この点を考慮してゲイン調整する必要がある。
なお、プリアンブル領域111の磁性体占有率がデータ領域100の磁性体占有率と10%程度以内の差で形成されていれば、等化器501の孔露部フィルタ処理によって変換した等化信号を長手記録再生信号に相当するものとして、大きな支障がないレベルで扱うことができる。
このように実施の形態1にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域111の磁性体占有率がデータ領域100の磁性体占有率と等しい、あるいは10%程度以内の差で形成されているので、磁性面を形成する際に使用するスタンパの凹凸の比率が全面でほぼ均一とすることができる。このため、転写時に磁気記録媒体に作用する応力の差が生じず、スタンパによる安定した全面転写形成により磁気記録媒体を作製することができる。
また、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では安定した全面転写形成が行われるので、ドライブに磁気記録媒体を組込んだ際のサーボ情報の読み込みエラーの頻度を低減することができ、歩留まりを大幅に向上させることができる。
なお、本実施の形態では、プリアンブル領域の磁性体占有率として具体的な数値を示したが、データ領域の磁性体占有率にほぼ同等な磁性体占有率であればかかる値に限定されるものではない。データ領域の磁性体占有率にほぼ同等な磁性体占有率としては、例えば上記のように、データ領域の磁性体占有率±10%程度が考えられるが、磁気記録媒体では安定した全面転写形成が行われる程度に近似した磁性体占有率であれば、かかる範囲を超えていてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1は、プリアンブル領域の磁性部と非磁性部の比が2:1である態様の磁気記録媒体であったが、この実施の形態2は、プリアンブル領域の磁性部と非磁性部の比が1:2の態様の磁気記録媒体場合である。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体は、図1に示した実施の形態1の磁気記録媒体と同様に、一周が複数のセクタに分割されており、セクタごとにサーボ領域を有している。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、データ領域の磁性部を非磁性部で規則正しく切断し、孤立磁区がデータ領域に規則正しく配置されている。データ領域は、孤立磁区を転写形成しているため、磁性体占有率は約35%となっている。
図9は、実施の形態2にかかる磁気記録媒体のサーボ領域の構造を示す模式図である。本実施の形態にかかる磁気記録媒体のサーボ領域910は、実施の形態1の磁気記録媒体と同様に、プリアンブル領域911と、アドレス領域912と、バースト領域913とから構成されている。
本実施の形態におけるサーボ領域910のプリアンブル領域911では、磁性部921と非磁性部922とのトラック方向の幅の比が1:2となっている。このため、プリアンブル領域911の磁性体占有率は約33.3%となり、データ領域の磁性体占有率35%の差が10%以内となっている。また、アドレス領域912の磁性体占有率は約50%、バースト領域913の磁性体占有率は約25%となっている。
実施の形態2にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域911における磁性部921と非磁性部922との比が実施の形態1の磁気記録媒体におけるプリアンブル領域の磁性部と非磁性部との比と反転しているが、プリアンブル再生信号の極性を反転することにより、サーボ領域910の再生信号と基本的に同一とみなすことができる。このため、プリアンブル再生信号のAGC処理およびPLL処理は、実施の形態1と同様の処理で行われる。
なお、本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、磁性体占有率がデータ領域で約35%、プリアンブル領域911で約33.3%、アドレス領域912で約50%、バースト領域913で約25%となっているため、アドレス領域912の転写形成時の膨らみ率に他の領域に比べ相違が生ずると危惧される。しかしながら、アドレス領域912は、他の領域に比べて、狭い範囲にしか存在しないため、このような相違が生じても大きな問題は生じない。
このように本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域911の磁性部と非磁性部の比が1:2で構成されているので、磁性面を形成する際に使用するスタンパの凹凸の比率が全面でほぼ均一となり、転写時に磁気記録媒体に作用する応力の差が生じることスタンパによる安定した全面転写形成により磁気記録媒体を作製することができる。
なお、本実施の形態では、プリアンブル領域の磁性体占有率として具体的な数値を示したが、データ領域の磁性体占有率にほぼ同等な磁性体占有率であればかかる値に限定されるものではない。データ領域の磁性体占有率にほぼ同等な磁性体占有率としては、例えば、データ領域の磁性体占有率±10%程度が考えられるが、磁気記録媒体では安定した全面転写形成が行われる程度に近似した磁性体占有率であれば、かかる範囲を超えていてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域111の磁性部と非磁性部のトラック方向の幅の比を2:1に形成することにより、プリアンブル領域111の磁性体占有率を約66.7%としてデータ領域100の磁性体占有率と同等としていた。しかし、この実施の形態3にかかる磁気記録媒体では、磁性部と非磁性部のトラック方向の幅の比は1:1のままで、プリアンブル再生信号が一周期「1,1,0」と再生されるように、「1」を示す磁性部と「0」を示す非磁性部を、一周期「磁性部、磁性部、非磁性部」の順に配列することによりプリアンブル領域の磁性体占有率を約66.7%としている。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体は、図1に示した実施の形態1の磁気記録媒体と同様に、一周が複数のセクタに分割されており、セクタごとにサーボ領域を有している。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体は、実施の形態1と同様にディスクリートトラック型の媒体であり、各領域における磁性体占有率も実施の形態1と同様に、データ領域で約66.7%、プリアンブル領域で約66.7%、アドレス領域で約50%、バースト領域で約75%となっている。
図10は、実施の形態3にかかる磁気記録媒体のサーボ領域内のプリアンブル領域1101の構造を示す模式図である。本実施の形態にかかる磁気記録媒体のプリアンブル領域1101は、2進値「1」を示す磁性部1021と2進値「0」を示す非磁性部1022がトラック方向の幅が同一に形成されており、「1,1,0」でプリアンブル再生信号の一周期となるように、一周期が磁性部1021、磁性部1021、非磁性部1022の順に配列された構造となっている。
このような本実施の形態にかかる磁気記録媒体を製造するには、スタンパ製造時において、プリアンブル信号記録用の信号源を、「1」(磁性部),「1」(磁性部),「0」(非磁性部)の繰返しとする。これにより、原盤の記録工程での加工処理を大幅に簡素化することができる。
次に、本実施の形態にかかる磁気記録媒体を再生する磁気記録再生装置について説明する。
実施の形態1では、プリアンブル領域の磁性体占有率が従来の磁気記録媒体と異なる場合にも、従来と同様のAGC処理およびPLL処理により原理上は同等の検出性能が得られることを説明した。しかし、実際には同期引き込みまでの時間が、従来の磁気記録媒体を使用した場合よりも劣化する問題が生じる。この理由は、プリアンブル領域の磁性体占有率はが66.7%である場合には、ヘッド・アンプIC(HIC)の出力振幅が、従来のプリアンブル領域の磁性体占有率50%である場合の出力振幅より小さくなり、等化信号の信号雑音比が異なってくることに起因していた。また、振幅が小さくなる理由は、プリアンブル再生信号の周期を4Tとすると、非磁性部の信号長が1.3Tと極めて短時間となり、信号を十分に下げるだけの時間が得られず、応答追従しないためであると解釈される。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域1011の信号周期長がアドレス領域1012およびバースト領域1013における再生信号周期長の1.5倍である。具体的には、アドレス領域1012およびバースト領域1013における再生信号の周期長を4Tとすると、プリアンブル領域1011の再生信号の周期長は6Tであって、非磁性部1022も2T長を確保できる。実施の形態1では、非磁性部において2T以下の信号となり振幅減少が生じて信号雑音比の劣化が生じたが、本実施の形態では、非磁性部1022において2T長を確保することができるので、信号雑音比の劣化も生じない。
ただし、アドレス部領域1012の再生信号の周期長と、プリアンブル領域1011の再生信号の周期長が異なるため、チャネルでのプリアンブル領域の再生信号処理が問題となる。アドレス領域1012を4点サンプリングして復号再生を行うためには、プリアンブル領域1011から再生されるプリアンブル再生信号の一周期から6点サンプリングとする必要があるためである。
図11は、実施の形態3にかかる磁気記録再生装置のプリアンブル領域再生回路の構成を示すブロック図である。
プリアンブル領域再生回路1100は、図5に示すように、等化器1101と、VGA(Variable Gain Amplifier)回路1102と、A−D(Analog-Digital)コンバータ1103と、AGC(Auto Gain Control)回路1104と、SFG(Servo Frequency Generator)回路1105と、PLL(Phase Lock Loop)回路1106とを備えた構成となっている。
等化器1101は、実施の形態1と同様に、プリアンブル領域1011から再生されたアナログ再生信号をLPF(Low Pass Filter)等によりアナログフィルタ処理を行って長手記録再生信号に相当する等化信号に変換する。
VGA回路1102は、実施の形態1と同様に、等化器1101から出力された長手等化信号を増幅する増幅率可変の回路である。このVGA回路502によって長手等化信号の振幅が一定振幅となるように調整される。
A−Dコンバータ1103(A−D変換手段)は、PLL回路1106が出力する再生クロックに従ったサンプルタイミングで、VGA回路502で増幅されたアナログの長手等化信号をデジタル信号に変換する。本実施の形態では、A−Dコンバータ1103は、アナログの長手等化信号を一周期6点においてサンプリングする。
本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル再生信号の周期と、アドレス領域1012とバースト領域部1013の各再生信号の周期とが異なってくる。具体的には、サーボ領域の磁性反転時間を一定として、従来の磁気記録媒体の磁性体占有率50%の記録のプリアンブル領域では、プリアンブル再生信号が2進値「1」と「0」の繰り返しとなるように磁性部と非磁性部が形成されていたのに対し、本実施の形態の磁気記録媒体では、プリアンブル再生信号が「1」,「1」,「0」の繰り返しとなるように磁性部1021、磁性部1021、非磁性部1022の順に配列されているため、プリアンブル再生信号の周期はサーボ領域の他の領域における信号周期の1.5倍以上となる。
このため、本実施の形態のプリアンブル領域再生回路1100では、プリアンブル再生信号のAGC処理およびPLL処理において、プリアンブル再生信号のサンプリングを6点において行っており、かかる点が実施の形態1と異なっている。
AGC回路1104(増幅率制御手段)は、プリアンブル領域1011の再生信号であるプリアンブル再生信号の1周期分の6点のサンプル値からプリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された振幅値に基づいてVGA回路1102による増幅率を制御する。なお、振幅値の検出処理の詳細については後述する。SFG回路1105は、サーボ基準クロックを生成する。
PLL回路1106(位相調整手段)は、プリアンブル再生信号の6点のサンプル値からプリアンブル再生信号の位相誤差を検出し、SFG回路1105により生成されるサーボ基準クロックを位相調整する。そして、A−Dコンバータ1103で検出されたプリアンブル再生信号に対してN倍周期かつ位相が一致する再生クロックを生成して、A−Dコンバータ1101による適切なA−D変換のサンプルタイミングを実現する。なお、位相誤差の検出処理の詳細については後述する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるプリアンブル領域再生回路1100によるプリアンブル信号再生処理について説明する。
AGC回路1104では、VGA回路1102の増幅率を制御するため、現時点でのプリアンブル再生信号の振幅値を検出する必要がある。この振幅値検出処理について説明する。図12は、プリアンブル再生信号の振幅値検出の原理を示す説明図であり、長手等化信号のプリアンブル再生信号の1周期分を6点サンプリングし、PLL処理による位相同期がほぼ完了している状態を示している。
図12において、実線が等化後のプリアンブル再生信号であり、一周期6点サンプリングした各サンプル値を○印で示している。また、現在時刻kにおけるサンプル値y(k)を●で示している。
本実施の形態では、A−Dコンバータ1103によってプリアンブル再生信号一周期から6点をサンプリングしている。プリアンブル再生信号一周期に対するサンプル数Nが6の場合、プリアンブル再生信号一周期分のサンプル値は、y(k−5),y(k−4),y(k−3),y(k−2),y(k−1),y(k)の6点で表記することができる。図12に示すようなサンプルタイミングで、k時点でのサンプル値を取ると、サンプル値に各係数として[1,2,1,−1,−2,−1]を乗算した内積値は、等化信号の破線で表記した絶対値の6点を加算したものとなる。
すなわち、振幅値に比例した内積値G(k)が得られる。サンプルタイミング毎に係数[1,2,1,−1,−2,−1]を、[2,1,−1,−2,−1,1]、[1,−1,−2,−1,1,2]、[−1,−2,−1,1,2,1]、[−2,−1,1,2,1,−1]、[−1,1,2,1,−1,−2],[1,2,1,−1,−2,−1]のようにループ遅延させてタイミング毎に変化させれば、常に長手等化信号の4点における絶対値の総和となる。すなわち、[y(k−4),y(k−3),y(k−2),y(k−1),y(k),y(k+1)]に係数[2,1,−1,−2,−1,1]を、[y(k−3),y(k−2),y(k−1),y(k),y(k+1),y(k+2)]に係数[1,−1,−2,−1,1,2]を、[y(k−2),y(k−1),y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3)]に係数[−1,−2,−1,1,2,1]を、[y(k−1),y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4)]に係数[−2,−1,1,2,1,−1]を、[y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4),y(k+5)]に係数[−1,1,2,1,−1,−2]をそれぞれ乗算すれば、常に長手等化信号の4点における絶対値の総和となる。AGC回路1104では、この総和と基準値とを逐次比較し、その大小関係により、VGA回路1102の増幅率を増減させて、プリアンブル信号振幅を所定の振幅値となる様に調整できることになる。
次に、PLL回路1106によるPLL処理について説明する。PLL処理では、サンプルタイミングを調整するため、長手等化信号の位相ズレ量(位相誤差)を検出する必要がある。図13は、実施の形態3にかかるプリアンブル領域再生回路1100によるPLL処理における位相誤差検出原理を示す説明図である。図13における破線は、完全に位相同期がなされた場合の長手等化信号を示し、実線はわずかに位相遅れがある長手等化信号を示している。
図13からわかるように、位相誤差が0で完全に同期が取れた場合には(破線)、各サンプル値は次の(38)式の関係がある。
Figure 2006179128
すなわち、プリアンブル再生信号の一周期6点[y(k−5),y(k−4),y(k−3),y(k−2),y(kー1),y(k)]に対する係数を[1,0,−1,−1,0,1]として、その内積値H(k)を算出するとH(k)=0となる。また、AGC処理と同様に係数のループ遅延を行うことにより、サンプル値ごとにH(k)=0が出力される。すなわち、[y(k−4),y(k−3),y(k−2),y(kー1),y(k),y(k+1)]に係数[0,−1,−1,0,1,1]を、[y(k−3),y(k−2),y(kー1),y(k),y(k+1),y(k+2)]に[−1,−1,0,1,1,0]を、
[y(k−2),y(kー1),y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3)]に係数[−1,0,1,1,0,ー1]を、[y(kー1),y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4)]に係数[0,1,1,0,ー1,−1]を[y(k),y(k+1),y(k+2),y(k+3),y(k+4),y(k+5)]に係数[1,1,0,ー1,−1,0]をそれぞれ乗算することにより、サンプル値ごとにH(k)=0が出力される。
一方、図13に示すようにわずかな位相遅れがある場合(実線)には、各サンプル値は次の(39)式の関係がある。
Figure 2006179128
このため、プリアンブル再生信号の一周期6点に対する係数を[1,0,−1,−1,0,1]とした場合の内積値H(k)は、H(k)<0となり、位相が遅れていることがH(k)の値から判断することができる。
k時点が順番に変化した場合でも、係数のループ遅延を取った係数との内積値H(k)は常に一定である。また、位相が進んでいる場合は、各サンプリング値は次の(40)式の関係がある。
Figure 2006179128
このため、プリアンブル再生信号の一周期6点に対する係数を[1,0,−1,−1,0,1]とした場合の内積値H(k)は常に、H(k)>0となり、位相が進んでいると判断できる。
PLL回路1106では、このように内積値H(k)を算出して、内積値H(k)の値から位相誤差を検出し、PLL回路1106内部のVCO(Voltage Controlled Oscillator)を利用してサーボ基準クロックの遅延調整を行うことにより、再生信号クロック同期を行っている。
プリアンブル領域の磁性体占有率が本実施の形態のように約66.7%である場合に得られるアナログのプリアンブル再生信号は、実際には擬似正弦波とはいえない歪んだ波形となる。図14は、位相同期が取れたプリアンブル再生信号のサンプル点を示す説明図である。このアナログのプリアンブル再生信号は、次の(41)式に示すように高調波成分を含んだ波形で近似することができる。
Figure 2006179128
一周期ごとにの6点のサンプル値y(0)、y(1)、y(2)、y(3)、y(4)、y(5)は、(41)式から算出すると、(42)〜(47)式のようになる。
Figure 2006179128
また、(4)式において、hk=(2k+1)π/6とおくと、(41)式は次の(48)式で示される。
Figure 2006179128
ここで、上述した振幅値に比例した内積値G(k)を得るための係数[1,2,1,−1,−2,−1]として、(49)式に示す直交検波の係数A(k)=sin(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(50)式のようになる。
Figure 2006179128
このA(k)y(k)を一周期6Tで積分すると、積分値G(k)は(51)〜(53)式で示される。
Figure 2006179128
(51)〜(53)式で示すように、sin(hk)cos(hk)の一周期6T分の積分値、およびcos(hk)、cos3(hk)、sin3(hk)の一周期6T分の各積分値は0となることから、積分値G(k)は、結局、sin2(hk)の積分値の項のみとなる。また、一周期6T分の積分値G(k)は、6点のサンプル値y(k)と係数A(k)との内積値と等価である(ここで、k=0,1,2,3,4,5)。また、A(k)y(k)の一周期6T分の積分値G(k)は、(53)式のように、sin2(hk)の積分値の項のみとなり、係数A(k)は(49)式で示されるため、A(k)y(k)の一周期6Tの積分値G(k)は、(54)式のように算出される。
Figure 2006179128
また、(50)式と同様に、上述した内積値H(k)を求めるための係数[1,0,1,−1,0,−1]として、(55)式に示す直交検波の係数B(k)=cos(hk)をサンプル値y(k)に乗じると、(56)式のようになる。
Figure 2006179128
このB(k)y(k)を一周期6Tで積分すると、積分値H(k)は(57)〜(59)式で示される。
Figure 2006179128
(57)〜(59)式で示すように、cos(hk)sin(hk)の一周期6T分の積分値、sin(hk)、sin3(hk)、cos(hk)、cos3(hk)の一周期6T分の各積分値は0となることから、積分値H(k)は、結局、cos2(hk)の積分値の項のみとなる。また、一周期6T分の積分値H(k)は、6点のサンプル値y(k)と係数B(k)との内積値と等価である(ここで、k=0,1,2,3,4,5)。また、B(k)y(k)を一周期6Tで積分値H(k)は、(59)式のように、cos2(hk)の積分値の項のみとなり、係数B(k)は(55)式で示されるため、B(k)y(k)の一周期6Tの積分値H(k)は、(60)式のように算出される。
Figure 2006179128
本実施の形態のプリアンブル領域再生回路1100においても、実施の形態1と同様に、位相ズレが小さいと仮定した場合、すなわち位相誤差H0=0の近傍においては、cos(H0)=1,sin(H0)=H0と近似することができる。このため、AGC回路1104によって、(54)式からG(k)を求め、このG(k)を振幅値G0とみなして、G(k)基づいてAGC処理を実行している。また、PLL回路1106によって、(60)式によりH(k)を求め、このH(k)を位相誤差H0とみなして、H(k)に基づいてPLL処理を実行している。
このように本実施の形態にかかる磁気記録媒体では、プリアンブル領域1011の磁性部と非磁性部のトラック方向の幅の比は1:1のままで、プリアンブル再生信号が一周期「1,1,0」と再生されるように、「1」を示す磁性部と「0」を示す非磁性部を、一周期「磁性部、磁性部、非磁性部」の順に配列することによりプリアンブル領域の磁性体占有率を約66.7%としているので、磁性面を形成する際に使用するスタンパの凹凸の比率が全面でほぼ均一とすることができる。このため、転写時に磁気記録媒体に作用する応力の差が生じず、スタンパによる安定した全面転写形成により磁気記録媒体を作製することができる。
また、磁気記録媒体の製造時におけるスタンパ製造時にプリアンブル信号記録用の信号源を、「1」,「1」,「0」の繰返しとすることで、信号源を従来の「1」,「0」の繰り返しとした従来の磁気記録媒体に比べて記録工程での加工処理を大幅に簡素化することができる。
また、本実施の形態の磁気記録媒体では、プリアンブル再生信号が一周期「1,1,0」と再生されるように、プリアンブル領域1011において「1」を示す磁性部と「0」を示す非磁性部を、一周期「磁性部、磁性部、非磁性部」の順に配列することによりAGC処理及びPLL処理でプリアンブル再生信号の周期を6点サンプリングしなければならがいが、この場合でも、信号雑音比の劣化を生じない長手等化信号を得ることができる。このため、本実施の形態にかかる磁気記録媒体をハードディスクとして使用した場合の歩留まり低下を防止することができるという効果を奏する。
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる磁気記録再生装置におけるプリアンブル領域再生回路は、AGC回路やPLL回路で実行していたサンプル値とループ係数との内積算出処理を、位相振幅検出器として別処理部として、より直交検波に近い処理を行うものである。なお、本実施の形態にかかる磁気記録再生装置では、実施の形態3にかかる磁気記録媒体を再生するものとする。
図15は、実施の形態4にかかるプリアンブル領域再生回路1500の構成を示すブロック図である。実施の形態4にかかるプリアンブル領域再生回路1500は、図15に示すように、等化器1501と、VGA回路1502と、A−Dコンバータ1503と、AGC回路1504と、SFG回路1505と、PLL回路1506と、位相振幅検出器1507とを備えた構成となっている。ここで、等化器1501、VGA回路1502、A−Dコンバータ1503、SFG回路1505は実施の形態3のプリアンブル領域再生回路1100と同様の機能を有する。
位相振幅検出器1507は、プリアンブル再生信号の6点のサンプル値と後述するループ係数A(k)、B(k)との内積算出処理を行い、算出された内積値からプリアンブル信号の再生振幅値と位相誤差を検出するものである。なお、位相振幅検出器1507の詳細については後述する。
PLL回路1506(位相調整手段)は、位相振幅検出器1507によって検出された位相誤差に基づいて、SFG回路1105により生成されるサーボ基準クロックを位相調整する。そして、A−Dコンバータ1503で検出されたプリアンブル再生信号に対してN倍周期かつ位相が一致する再生クロックを生成して、A−Dコンバータ1501による適切なA−D変換のサンプルタイミングを実現する。
AGC回路1504(増幅率制御手段)は、位相振幅検出器1507によって検出された振幅値に基づいてVGA回路1102による増幅率を制御する。
次に、位相振幅検出器1507の詳細について説明する。図16は、位相振幅検出器1507の構成を示すブロック図である。位相振幅検出器1507は、図16に示すように、FIR1601,1603と、演算器1605,1606とを備えている。
FIR1601,1603は、A−Dコンバータ1503でデジタル信号に変換されたプリアンブル再生信号を更に等化する6タップのフィルタである。
演算器1605は、二乗和(A2+B2)を計算する演算器であり,演算器1606は、除算(A/B)を行う演算器である。
A−Dコンバータ1503から出力されるサンプル値は、2つのFIR1601,1603にそれぞれ送出される。FIR1601,1603では、入力されたサンプル値が内部の遅延素子を介して保持され、6点分のサンプル値を保持しているのと等価で、(61)式のように算出される。
Figure 2006179128
一般的なFIRフィルタでは、係数g0〜g5は固定値であるが、本実施の形態のFIR1601では、かかる係数g0〜g5としてループゲイン1602を参照し、k時点のサンプル値を取得する度に係数A(k)をループ遅延させて逐次変更し、(61)式による内積演算処理を行っている。このループゲイン1602は、実施の形態3と同様に、(62)式で示される。

また、FIR1603では、係数g0〜g5としてループゲイン1604を参照し、k時点のサンプル値を取得する度に係数をループ遅延させて逐次変更し、(61)式による内積演算処理を行っている。逐次変更することにより、内積演算処理を行っている。このループゲイン1604は、実施の形態3と同様に、(63)式で示される。
Figure 2006179128
なお、ループゲイン1602における係数A(k)のループ遅延は、サンプル点kの更新により、実施の形態3と同様に、係数A(k)が、[1,2,1,−1,−2,−1]、[2,1,−1,−2,−1,1]、[1,−1,−2,−1,1,2]、[−1,−2,−1,1,2,1]、[−2,−1,1,2,1,−1]、[−1,1,2,1,−1,−2]、[1,2,1,−1,−2,−1]のように順次変化していくようになっている。
また、ループゲイン1604における係数B(k)のループ遅延は、サンプル点kの更新により、実施の形態3と同様に、係数A(k)が、[1,0,−1,−1,0,1]、[0,−1,−1,0,1,1]、[−1,−1,0,1,1,0]、[−1,0,1,1,0,−1]、(1/2)*[0,1,1,0,−1,−1]、[1,1,0,−1,−1,0]、[1,0,−1,−1,0,0]のように順次変化していくようになっている。
係数A(k)とサンプル値y(k)の(61)式の演算により出力C(k)が得られ、係数B(k)とサンプル値y(k)の(61)式の演算により出力S(k)が得られる。ここで、従来のプリアンブル領域再生回路では、かかる出力C(k)を振幅、S(k)を位相誤差とみなしていた。しかし、本実施の形態では、C(k)、S(k)が、(54)、(60)式で導出したように、次の(64)、(65)式で示される。
Figure 2006179128
このため、両式の検出値から(66)に示すように、演算器1605によりC(k)とS(k)の2乗和を演算して振幅G(k)を求め、(67)式に示すように演算器1606によりS(k)をC(k)で除算して位相誤差H(k)を求める。
Figure 2006179128
なお、(66)式により演算される振幅G(k)は、振幅G0の2乗値であるが、本来AGC処理を実行したい所望の振幅をG0の2乗値*9としておく。
また、(67)式により演算される位相誤差H(k)は、tan(H0)の式で表されるので、H0が0近傍においては、sin(H0)の式で表現される場合よりもより正確に位相誤差を求めることができる。
このように本実施の形態にかかるプリアンブル領域再生回路1500では、プリアンブル再生信号のサンプル値とループゲインの1602,1604の係数との内積算出処理を位相振幅検出器1507により実行しているので、より直交検波に近い処理を行うことができ、より正確に振幅と位相誤差を求めることができる。
実施の形態1にかかる磁気記録媒体の概略構造を示す模式図である。 実施の形態1にかかる磁気記録媒体のデータ領域100とサーボ領域110の拡大図である。 実施の形態1にかかる磁気記録媒体の製造工程図である。 実施の形態1にかかる磁気記録媒体による微分等化処理後の再生信号を示す説明図である。 実施の形態1にかかる磁気記録再生装置のプリアンブル領域再生回路の構成を示すブロック図である。 プリアンブル再生信号の振幅値検出の原理を示す説明図である。 PLL処理における位相誤差検出原理を示す説明図である。 位相同期が取れたプリアンブル再生信号のサンプル点を示す説明図である。 実施の形態2にかかる磁気記録媒体のサーボ領域の構造を示す模式図である。 実施の形態3にかかる磁気記録媒体のサーボ領域内のプリアンブル領域1101の構造を示す模式図である。 実施の形態3にかかる磁気記録再生装置のプリアンブル領域再生回路の構成を示すブロック図である。 プリアンブル再生信号の振幅値検出の原理を示す説明図である。 実施の形態3にかかるプリアンブル領域再生回路1100によるPLL処理における位相誤差検出原理を示す説明図である。 位相同期が取れたプリアンブル再生信号のサンプル点を示す説明図である。 実施の形態4にかかるプリアンブル領域再生回路1500の構成を示すブロック図である。 位相振幅検出器1507の構成を示すブロック図である。 プリアンブル領域の磁性占有率を50%で形成した従来の磁気記録媒体よる微分等化処理後の再生信号を示す説明図である。
符号の説明
21 原盤
31 基板
33 レジスト
500,1100,1500 磁気記録再生回路
100 データ領域
110,910 サーボ領域
101,921 磁性帯
102,922 非磁性帯
111,911,1011 プリアンブル領域
112,912 アドレス領域
113,913 バースト領域
121,131,921,1021 磁性部
122,132,922,1022 非磁性部
501,1101,1501 等化器
502,1102,1502 VGA回路
503,1103,1503 A−Dコンバータ
504,1104,1504 AGC回路
505,1105,1505 SFG回路
506,1106,1506 PLL回路
1507 位相振幅検出器
1602,1604 ループゲイン
1606,1606 演算器
1601,1603 FIR回路

Claims (13)

  1. クロック同期をとるためのサーボデータを表す磁性部および非磁性部が形成されたプリアンブル領域を有するサーボ領域と、
    ユーザデータを書き込むためのデータ領域と、を具備し、
    前記プリアンブル領域の磁性部と非磁性部の占有比が異なることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記データ領域は、ユーザデータを書き込み可能な磁性部およびユーザデータを書き込み不能な非磁性部を具備し、
    前記プリアンブル領域は、前記データ領域の磁性体占有率との差が10%以内の磁性体占有率で前記サーボデータを記録した磁性部および非磁性部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記データ領域は、前記磁性部と前記非磁性部の比が2:1であり、
    前記プリアンブル領域は、前記磁性部と前記非磁性部のトラック方向の幅の比が2:1であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記データ領域は、前記磁性部と前記非磁性部の比が1:2であり、
    前記プリアンブル領域は、前記磁性部と前記非磁性部のトラック方向の幅の比が1:2であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記プリアンブル領域は、前記プリアンブル領域以外の前記サーボ領域からのサーボデータ再生信号の周期長の1.5倍以上の周期長となるように前記磁性部と前記非磁性部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記プリアンブル領域は、前記磁性部と前記非磁性部が、前記サーボデータの再生信号の一周期として「前記磁性部、前記磁性部、前記非磁性部」の順で反復して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
  7. クロック同期をとるためのサーボデータが記録されたプリアンブル領域を有するサーボ領域と、前記磁気ヘッドによってユーザデータの書き込み可能なデータ領域と、を具備する磁気記録媒体を再生する磁気記録再生装置であって、
    サーボ基準クロックの発生タイミングで、前記プリアンブル領域から再生されたアナログのプリアンブル再生信号の一周期から6点においてサンプル値をサンプリングすることにより、前記アナログのプリアンブル再生信号をデジタルのプリアンブル再生信号に変換するA−D変換手段と、
    前記A−D変換手段によってサンプリングされた6点サンプル値に基づいて、前記プリアンブル再生信号の位相誤差を検出し、検出された位相誤差に基づいてサーボ基準クロックの位相調整を行い、前記A−D変換手段によるサンプリングタイミングを調整する位相調整手段と、
    前記A−D変換手段によってサンプリングされた6点サンプル値に基づいて、前記プリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された前記振幅値に基づいて前記プリアンブル再生信号の増幅率を制御する増幅率制御手段と、
    を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  8. 前記磁気記録媒体の前記プリアンブル領域は、前記データ領域の磁性体占有率との差が10%以内の磁性体占有率で前記サーボデータを記録し、前記プリアンブル領域以外の前記サーボ領域からのサーボデータ再生信号の周期長の1.5倍以上の周期長となるように前記磁性部と前記非磁性部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録再生装置。
  9. 前記位相調整手段は、前記6点サンプル値と各サンプル点ごとに予め定められた6個の第1の係数とを乗じた内積値を算出し、該内積値から前記プリアンブル再生信号の位相誤差を検出し、検出された位相誤差に基づいてサーボ基準クロックの位相調整を行い、前記A−D変換手段によるサンプリングタイミングを調整し、
    前記増幅率制御手段は、前記6点サンプル値と各サンプル点ごとに予め定められた6個の第2の係数とを乗じた内積値を算出し、該内積値から前記プリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された前記振幅値に基づいて前記プリアンブル再生信号の増幅率を制御することを特徴とする請求項7または8に記載の磁気記録再生装置。
  10. 前記位相調整手段は、各サンプル点でサンプル値を取得するごとに、前記6個の第1の係数を順次ループ遅延させ、取得したサンプル値を含む6点サンプル値とループ遅延した前記6個の第1の係数とを乗じた内積値を算出し、該内積値から前記プリアンブル再生信号の位相誤差を検出し、検出された位相誤差に基づいてサーボ基準クロックの位相調整を行い、前記A−D変換手段によるサンプリングタイミングを調整し、
    前記増幅率制御手段は、各サンプル点でサンプル値を取得するごとに、前記6個の第2の係数を順次ループ遅延させ、取得したサンプル値を含む6点サンプル値とループ遅延した前記6個の第2の係数とを乗じた内積値を算出し、該内積値から前記プリアンブル再生信号の振幅値を検出し、検出された前記振幅値に基づいて前記プリアンブル再生信号の増幅率を制御することを特徴とする請求項9に記載の磁気記録再生装置。
  11. 各サンプル点でサンプル値を取得するごとに、前記6個の第1の係数を順次ループ遅延させ、取得したサンプル値を含む6点サンプル値とループ遅延した前記6個の第1の係数とを乗じた第1の内積値を算出し、該第1の内積値から前記プリアンブル再生信号の位相誤差を検出するとともに、各サンプル点でサンプル値を取得するごとに、前記6個の第2の係数を順次ループ遅延させ、取得したサンプル値を含む6点サンプル値とループ遅延した前記6個の第2の係数とを乗じた第2の内積値を算出し、該第2の内積値から前記プリアンブル再生信号の振幅値を検出する位相振幅検出手段をさらに備え、
    前記位相調整手段は、前記位相振幅検出手段によって検出された前記位相誤差に基づいてサーボ基準クロックの位相調整を行い、前記A−D変換手段によるサンプリングタイミングを調整し、
    前記増幅率制御手段は、前記位相振幅検出手段によって検出された前記振幅値に基づいて前記プリアンブル再生信号の増幅率を制御することを特徴とする請求項9に記載の磁気記録再生装置。
  12. 磁気記録媒体を製造するためのスタンパであって、
    前記磁気記録媒体のクロック同期をとるためのサーボデータを表す磁性部および非磁性部を有するプリアンブル領域に対応する、凹部および凸部を有する領域を具備し、
    前記凹部と前記凸部の占有比が異なることを特徴とする、磁気記録媒体を製造するためのスタンパ。
  13. 前記磁気記録媒体のユーザデータを書き込み可能な磁性部およびユーザデータを書き込み不能な非磁性部を有するデータ領域に対応する、凹部および凸部を有する領域を具備し、
    前記プリアンブル領域に対応する凹部および凸部を有する領域における前記凹部と前記凸部の占有比は、前記データ領域に対応する凹部および凸部を有する領域の前記凹部と前記凸部の占有比の10%以内の差で形成されていることを特徴とする請求項12に記載の磁気記録媒体を製造するためのスタンパ。
JP2004372093A 2004-12-22 2004-12-22 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ Withdrawn JP2006179128A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004372093A JP2006179128A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ
US11/212,593 US20060132953A1 (en) 2004-12-22 2005-08-29 Magnetic recording medium, magnetic recording/reproducing apparatus, and stamper for manufacturing magnetic recording medium
CNA2005101381355A CN1822113A (zh) 2004-12-22 2005-12-22 磁记录介质,磁记录/再现设备,以及制作磁记录介质的压模

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004372093A JP2006179128A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006179128A true JP2006179128A (ja) 2006-07-06

Family

ID=36595388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004372093A Withdrawn JP2006179128A (ja) 2004-12-22 2004-12-22 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20060132953A1 (ja)
JP (1) JP2006179128A (ja)
CN (1) CN1822113A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103070A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv パターン化媒体ディスク
JP2009110621A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Hitachi Maxell Ltd 磁気テープ
WO2009091030A1 (ja) * 2008-01-17 2009-07-23 Showa Denko K.K. 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2020144965A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 株式会社東芝 磁気ディスク装置、サーボセクタのライト方法、及びサーボ復調位置の補正方法

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4148951B2 (ja) * 2005-01-12 2008-09-10 株式会社東芝 磁気記録再生装置
JP4218896B2 (ja) * 2005-03-02 2009-02-04 Tdk株式会社 磁気記録媒体、記録再生装置およびスタンパー
JP4649262B2 (ja) * 2005-04-19 2011-03-09 株式会社東芝 磁気記録媒体の製造方法
JP4585476B2 (ja) * 2006-03-16 2010-11-24 株式会社東芝 パターンド媒体および磁気記録装置
JP4675812B2 (ja) * 2006-03-30 2011-04-27 株式会社東芝 磁気記録媒体、磁気記録装置および磁気記録媒体の製造方法
US7817366B1 (en) * 2006-05-09 2010-10-19 Marvell International Ltd. Gain adjustment before zero phase start
JP2008010028A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Fujifilm Corp 垂直磁気記録媒体の磁気転写方法、垂直磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2008077795A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Fujitsu Ltd パターンドメディアのクロック抽出方法、パターンドメディアのクロック抽出回路及びパターンドメディア
JP2008282512A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Toshiba Corp 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4382843B2 (ja) * 2007-09-26 2009-12-16 株式会社東芝 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2009116944A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Fujitsu Ltd クロック生成装置、磁気ディスク装置およびライト同期方法
US7785666B1 (en) * 2007-12-12 2010-08-31 Western Digital (Fremont), Llc Methods for fabricating a magnetic recording device
US8331050B1 (en) * 2009-09-25 2012-12-11 Marvell International Ltd. Patterned magnetic media synchronization systems
US8508878B1 (en) 2010-01-21 2013-08-13 Marvell International Ltd. Write clock phase tracking for magnetic recording device
US8508879B1 (en) 2010-01-21 2013-08-13 Marvell International Ltd. Write clock rephase for magnetic recording device
US8199422B2 (en) * 2010-07-30 2012-06-12 Lsi Corporation Methods and apparatus for gain estimation using servo data with improved bias correction
DE102011007846A1 (de) * 2011-04-21 2012-10-25 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum Bearbeiten von Signalen
US8773811B2 (en) * 2011-12-12 2014-07-08 Lsi Corporation Systems and methods for zone servo timing gain recovery
US9196297B2 (en) 2013-03-14 2015-11-24 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Systems and methods for enhanced sync mark mis-detection protection
US9323625B2 (en) 2013-11-12 2016-04-26 Avago Technologies General Ip (Singapore) Pte. Ltd. Systems and methods for lost synchronization data set reprocessing

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003022625A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Hitachi Ltd 磁気記録用プリアンブルパターン及び磁気記録装置
JP4218886B2 (ja) * 2003-12-01 2009-02-04 Tdk株式会社 磁気記録媒体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103070A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands Bv パターン化媒体ディスク
JP2009110621A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Hitachi Maxell Ltd 磁気テープ
WO2009091030A1 (ja) * 2008-01-17 2009-07-23 Showa Denko K.K. 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2009170040A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Showa Denko Kk 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
US8120869B2 (en) 2008-01-17 2012-02-21 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus
CN102089818B (zh) * 2008-01-17 2012-10-17 昭和电工株式会社 磁记录介质以及磁记录/再现装置
JP2020144965A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 株式会社東芝 磁気ディスク装置、サーボセクタのライト方法、及びサーボ復調位置の補正方法
JP7170561B2 (ja) 2019-03-08 2022-11-14 株式会社東芝 磁気ディスク装置、サーボセクタのライト方法、及びサーボ復調位置の補正方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1822113A (zh) 2006-08-23
US20060132953A1 (en) 2006-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006179128A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体を製造するためのスタンパ
US7262931B2 (en) Disk drive using magnetic disk medium of discrete track recording
US6738205B1 (en) Self-writing of servo patterns in disk drives
KR101481202B1 (ko) 서보 데이터를 사용하는 플라이―하이트 제어를 위한 시스템들 및 방법들
US7525755B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing apparatus
CN100373448C (zh) 磁盘和具有磁盘的磁盘设备
US7307808B2 (en) Magnetic recording and reproducing apparatus and control method thereof, magnetic recording medium, and stamper for manufacturing of magnetic recording medium
JP2002519807A (ja) 一体化読出しサーボチャンネルを備えた同期デジタル復調器
JP2003203441A (ja) 磁気記録再生装置及び磁気記録媒体
US20090097160A1 (en) Magnetic recording disk and disk drive with amplitude-type servo fields having patterned servo islands for read/write head positioning
US20060280974A1 (en) Magnetic disk medium, reticle and magnetic recording and reproducing apparatus
JP2005004917A (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気ディスク装置
US8873181B1 (en) Method and apparatuses for synchronizing writing of data with a pattern of bit islands of media
JP4358067B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録装置
JP2007272962A (ja) 磁気記録媒体、記録再生装置、および磁気記録媒体の製造方法
JP2010040099A (ja) 磁気記憶媒体及び磁気記録装置
JP4339871B2 (ja) サーボ復調回路および方法
US20090207523A1 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
JP2009146543A (ja) 記憶媒体再生装置および方法
JP3979468B2 (ja) 磁気記録媒体のプリフォーマット方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置
JP4331236B2 (ja) ディスク記憶装置
JP2006147112A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP4804268B2 (ja) デジタルpll回路およびデータ再生装置
JP2006260631A (ja) 磁気記録再生装置及びその制御方法
JP2008065935A (ja) ディスク記録媒体および情報記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20061128