JP2006178674A - 走行支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自車両及び他車両の現在の車体速度、加減速度、交差点基準の現在位置を初期値として、これら状態変数の前回値に基づき自車両及び自車両が進入する走行路の先頭車両の加減速度の今回値を予測し、これに基づきその現在位置及びその車体速度を推測する。また、先頭車両を除く車両の加減速度をそれぞれその直前に位置する車両との車間距離及び相対速度に基づいて算出する。この処理を繰り返し行い、自車両が交差点に進入し、これを認識した他車両が減速を行ったと予測されるまでの各車両の走行状況を予測し、この時点での自車両の後続車両を特定し、自車両と後続車両との車間距離と相対速度とから特定車両の自車両に対する回避操作時における減速度を推測し、これに基づき報知判断を行う。
【選択図】 図3
Description
このように、他車両が交差点に到達するまでの到達所要時間が同等であっても、車体速度によって自車両が交差点に進入した場合の他車両のドライバの運転操作量は大きく異なる。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、他車両の走行状態の変化を考慮して他車両の接近を通知することの可能な走行支援装置を提供することを目的としている。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した走行支援装置100の一例を示す概略構成図である。
図1中、1は、自車両の車体速度を算出する車速センサ、2は、自車両の加減速度を検出する加減速度センサ、3は、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ、4は、車両に制動力を発生させるための制動流体の流体圧を検出するブレーキ液圧センサ、5は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し自車両の現在位置を検出するGPS情報提供装置である。このGPS情報提供装置5は、地図情報を有し、自車両の現在位置周辺の地図情報を提供すると共に、自車両現在位置周辺の道路勾配等といった道路情報を提供するようになっている。
なお、ここでは、図4に示すように、自車両Aが、T字路の非優先道路に存在し、優先道路に進入して左折しようとしており、優先道路には、優先道路に進入後の自車両の進行方向と同一方向に走行する車両が複数存在する走行シーンについて説明する。また、自車両Aの周囲の他車両も、図1に示す自車両Aと同一の走行支援装置100を搭載しているものとする。
そして、情報提供コントローラ10では、まず、ステップS1で、自車両の現在位置、車体速度、加減速度、アクセル開度、制動流体圧、現在位置の道路勾配、方向指示器の作動情報等、また、予め保持している自車両のファイナルギア比、車両重量、制動流体圧と減速度との比等の車両諸元を読み込む。また、無線機7で受信した、自車両周囲に存在する他車両から他車両情報を読み込み、同様に、他車両の現在位置、車体速度、加減速度、アクセル開度、制動流体圧、現在位置の道路勾配、進行方向、また、ファイナルギア比、車両重量、制動流体圧と減速度との比等を獲得する。
次いで、ステップS3に移行し、各他車両の現在位置と、自車両周囲の地図情報及び、方向指示器6の作動状況に基づき、自車両の予測される進路を推測し、この進路上に、他車両が存在するかどうかを判断する。
そして、この検出した他車両を対象車両とし、自車両の進行方向に対して最も前方に存在する車両から順に、識別番号“1”、“2”…“N”を付与して管理し、その位置座標を(x1、y1)、(x2、y2)、……、(xN、yN)、その車体速度をv1、v2、…、vN、その加減速度をa1、a2、…、aNとする。
このようにして自車両周囲に存在する対象車両の位置を把握したならばステップS4に移行し、次に、自車両及び各対象車両の位置を、交差点位置を基点とする位置座標に変換する。つまり、図4に示すように、交差点位置O(xc、yc)よりも手前に位置する自車両の位置は負値で表し、次式(1)で算出する。また、対象車両のうち、交差点を通り過ぎた識別番号iの対象車両の位置座標は正値で表し次式(2)で算出し、交差点手前に位置する識別番号iの対象車両の位置座標は負値で表し次式(3)で算出する。
pi= {(xc−xi)2+(yc−yi)2}1/2 ……(2)
pi=−{(xc−xi)2+(yc−yi)2}1/2 ……(3)
この繰り返し演算は、図3のフローチャートに示す処理手順で行う。
まず、ステップS11で、自車両及び他車両の状態変数の初期値を設定する。具体的には、各種センサで検出した自車両の車両情報及び車々間通信により獲得した対象車両の車両情報をもとに、自車両及び他車両の、加減速度、車体速度、交差点基準の現在位置の初期値を設定する。
次いで、ステップS12に移行し、各車両の状態変数の前回値を保存し、また、繰り返し演算の時間カウンタtをインクリメントする。
次いで、ステップS13に移行し、時点tにおける、自車両の加減速度をドライバ操作量、車両状態、及び道路勾配に基づいて推定する。
=feng{Neng(t-1)、apo(0)}*ηg{vh(t-1)、apo(0)}*ηf
−ar{vh(t-1)}−kbrk*pbrk(0)−Mh*g*sinφ{ph(t-1)} ……(4)
また、例えば、後述のステップS16で推定される車体速度の差分を算出しこれを加減速度ah(t)として設定するようにしてもよい。
次いで、ステップS14に移行し、対象車両のうち先頭に位置する車両、つまり識別番号“1”が付与された対象車両について、その加減速度を、ドライバ操作量、車両状態、道路勾配に基づいて推定する。
=feng1{Neng1(t-1)、apo1(0)}*ηg1{v1(t-1)、apo1(0)}*ηf1
−ar1{v1(t-1)}−kbrk1*pbrk1(0)−M1*g*sinφ1{p1(t-1)} ……(5)
次いで、ステップS15に移行し、識別番号“2”以降の対象車両の加減速度を、それぞれの対象車両の直前に位置する対象車両との間の車間距離と、相対速度とに基づいて算出する。具体的には、次式(6)に基づいて算出する。
+kv{−v2(t-1)+v1(t-1)}
……
aN(t)=kd*{Th*vN(t-1)−pN(t-1)+p(N-1)(t-1)}
+kv{−vN(t-1)+v(N-1)(t-1)}
……(6)
次いで、ステップS16に移行し、自車両及び対象車両について、それぞれの時点tにおける車体速度及び交差点基準の現在位置を推定する。
各車両の車体速度の今回値vh(t)、v1(t)〜vN(t)は、次式(7)にしたがって、加減速度の前回値ah(t−1)、a1(t−1)〜aN(t−1)を積分して算出する。また、各車両の交差点基準の現在位置の今回値ph(t)、p1(t)〜pN(t)は、次式(8)にしたがって、車体速度の前回値vh(t−1)、v1(t−1)〜vN(t−1)を積分して算出する。
v1(t)=v1(t−1)+dt*a1(t−1)
v2(t)=v2(t−1)+dt*a2(t−1)
……
vN(t)=vN(t−1)+dt*aN(t−1) ……(7)
ph(t)=ph(t−1)+dt*vh(t−1)
p1(t)=p1(t−1)+dt*v1(t−1)
p2(t)=p2(t−1)+dt*v2(t−1)
……
pN(t)=pN(t−1)+dt*vN(t−1) ……(8)
そして、繰り返し演算を行うことによって自車両が交差点に進入した時点からの経過時間thがしきい値を超えたとき、つまり、自車両周囲の他車両のドライバが自車両を認識し減速を開始したと予測されるとき、ステップS17からステップS18に移行し、次に、自車両の真後ろに存在する対象車両を特定する。また、この時点におけるカウンタ値tを減速開始時点Mとして記憶する。
そして、自車両の真後ろに対象車両が存在するときにはステップS19に移行し、自車両が交差点に進入することによりこれに反応して後続する車両が減速した場合の減速度を演算する。例えば、自車両の真後ろに存在する対象車両、つまり後続車両がk番目の車両であるとした場合、後続車両が自車両に反応する前の加減速度はak(M)となる。また、後続車両の自車両に対する反応後の加減速度は自車両と後続車両との間の距離と速度差とから次式(9)から算出することができる。
={vh(M)−vk(M)}*{|vh(M)−vk(M)|}/{2〔ph(M)−pk(M)〕}
……(9)
そして、このようにして、他車両が自車両に反応するときのその前後の加減速度を算出したならば、図2に戻りステップS6に移行する。
このステップS6では、対象車両の予測される挙動と自車両の予測される挙動との予測結果に基づき、報知を行うかどうかの判断を行う。
なお、前記第1のしきい値α1及び第2のしきい値α2は、α1<0、α2<0、|α1|<|α2|を満足する値である。
図5は、繰り返し処理によって算出した、他車両の車体速度の推定値及び加減速度の推定値の変化状況を表したものである。
時点t0での推測開始時点における、車体速度vk(0)及び加減速度ak(0)を初期値としてサンプル時間dt毎に逐次車体速度、加減速度、交差点基準の現在位置が推測され、先頭車両でない車両については、それぞれその直前の車両との距離及び相対速度に応じて算出される。
したがって、例えば、現時点における車両“i”の車体速度を一定に維持して走行すると仮定して報知判断を行うようにした場合には、車体速度が比較的大きい場合には接触する可能性が高いと判断されて報知される場合があるが、例えば、交差点を通過するに当たり車両“i”のドライバ減速走行している場合には徐々に車体速度が低下するため実際に交差点に進入した時点では、自車両との車間距離がまだ十分ある場合もあり、自車両と車両“i”とが接触する可能性が低い場合等にも関わらず報知が行われる場合がある。
また、推測開始時点で対象車両が存在している場合であっても自車両が交差点に進入した時点で後続車両が存在しないときにはステップS18からステップS20に移行するため情報提供は行われない。したがって、すでに交差点を通過してしまった対象車両に関して報知が行われることはない。
したがって、自車両が交差点よりも手前に存在する場合等、自車両と交差点の位置関係から、接近車両の報知を行う必要のない状態にも関わらず接近車両に関する報知が行われることを回避することができ、不要な報知が行われることによって、乗員に違和感を与えることを回避することができる。
また、例えば、アクセルペダルをオフした場合等のように、ドライバが現在の操作量を維持して走行したとしても、発生する加減速度はエンジン回転数やギア比、或いは車体速度に応じて変化することから、車両挙動を推測する際に、現時点におけるアクセルペダルの操作量といったドライバ操作量だけでなく、エンジン回転数やギア比等、現時点における車両状況にも基づいて、車両挙動を推測することによって、より高精度に推測することができる。
つまり、車両の種類によって減速特性は異なるため、同じ減速度であっても、ある車両は余裕を持って減速することができるがある車両はさほど余裕がない場合もある。したがって、対象車両の車種や、或いは減速特性に応じてしきい値を変更することによって、減速特性を考慮してより的確に報知判断を行うことができる。なお、この対象車両の車種や車両特性は、例えば、他車両情報として対象車両側を送信するようにし、これを車々間通信により獲得するようにすればよい。
また、例えば、他車両側でドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じてしきい値α1、α2を設定し、この情報を保持するようにしておき、このしきい値に関する情報を他車両情報に含めて送信するようにし、自車両側で、他車両情報として通知されたしきい値α1、α2を用いて報知判断を行うようにしてもよい。このようにすることによって、他車両のドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じて報知判断を行うことができるから、自車両が他車両の進路に進入したときには、他車両のドライバは、自車両を回避するためにはその特定に応じたブレーキペダルの踏力で対処することができ、他車両のドライバに与える影響をより的確に低減することができる。
この第2の実施の形態は、図2に示す第1の実施の形態における演算処理において、ステップS6の処理手順が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様である。
すなわち、この第2の実施の形態では、ステップS5で各車両の挙動を予測したならばステップS6に移行して報知判断を行う。
=fengk{Nengk(M)、0}*ηgk{vk(M)、0}*ηfk−ark{vk(M)}
−kbrkk*fbrk−Mk*g*sinφk{pk(M)} ……(10)
2 加減速度センサ
3 アクセル開度センサ
4 ブレーキ液圧センサ
5 GPS情報提供装置
6 方向指示器
7 無線機
9 情報提供装置
10 情報提供コントローラ
100 走行支援装置
Claims (15)
- 自車両が他車両の進路に進入する前に、自車両が他車両の進路に進入した場合にこの時点で自車両がその進路に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として推測すると共に、当該特定車両が自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測し、
この推測した減速度に基づき、必要に応じて前記特定車両の存在をドライバに報知するようになっていることを特徴とする走行支援装置。 - 自車両の位置及びその走行状況を検出する自車両走行状況検出手段と、
自車両周囲に存在する他車両の位置及びその走行状況からなる他車両情報を獲得する他車両情報獲得手段と、
前記自車両走行状況検出手段で検出した自車両の走行情報及び前記他車両情報獲得手段で検出した他車両情報に基づき、自車両が他車両の進路に進入した時点での自車両及び他車両の位置及びその走行状況を前もって推測する車両状態予測手段と、
当該車両状態予測手段での予測結果に基づき、自車両が他車両の進路に進入した時点での自車両の位置がその進路に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として特定する対象車両特定手段と、
当該対象車両特定手段で特定した特定車両が、自車両が他車両の進路に進入したときに自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測する減速度推定手段と、
当該減速度推定手段で推定した減速度に基づき必要に応じて前記特定車両の存在をドライバに報知する報知手段と、を備えることを特徴とする走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記減速度推定手段で推定された減速度が予め設定したしきい値よりも大きいとき前記特定車両の存在を報知するようになっていることを特徴とする請求項2記載の走行支援装置。
- 前記減速度推定手段は、前記特定車両が自車両への接近を回避するために必要な必要減速度と、前記特定車両が自車両への接近を回避するための減速を開始する直前の開始前減速度とを推定し、
前記報知手段は、前記減速度推定手段で推定した必要減速度が前記開始前減速度よりも大きく且つその差が予め設定したしきい値よりも大きいとき前記特定車両の存在を報知するようになっていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の走行支援装置。 - 前記しきい値は、前記特定車両のドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の走行支援装置。
- 前記しきい値は、前記特定車両のドライバがブレーキペダルを通常踏み込むときの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の走行支援装置。
- 前記しきい値は、前記特定車両のドライバがブレーキペダルを軽く踏み込むときの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項4記載の走行支援装置。
- 前記特定車両の車種を検出する特定車両特性検出手段を備え、
前記報知手段は、前記特定車両特性検出手段で検出した特定車両の車種に応じて前記しきい値を設定するようになっていることを特徴とする請求項3から請求項7の何れか1項に記載の走行支援装置。 - 前記特定車両の重量を検出する特定車両特性検出手段を備え、
前記報知手段は、前記特定車両特性検出手段で検出した特定車両の重量に応じて前記しきい値を設定するようになっていることを特徴とする請求項3から請求項8の何れか1項に記載の走行支援装置。 - 前記車両状態予測手段は、自車両及び他車両の現時点での走行状況に基づいて、現時点から自車両が前記特定車両の進路に進入するまでの自車両及び他車両の走行状態の変化状況を予測するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項9の何れか1項に記載の走行支援装置。
- 前記車両状態予測手段は、少なくとも自車両及び他車両の現時点での加減速度、又は各車両のドライバの運転操作量及び車両の動作状況に基づいて推測するようになっていることを特徴とする請求項10記載の走行支援装置。
- 前記車両状態予測手段は、自車両及び他車両の現時点での走行状況に基づいて、これら各車両のサンプル時間後の相対関係を予測してこれに基づき各車両の走行状況を予測し、以後、1サンプル時間前に予測した相対関係に基づき、各サンプル時間における各車両の相対関係及び走行状況を推測するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項11の何れか1項に記載の走行支援装置。
- 前記車両状態予測手段は、前記各車両の相対関係として、車両毎にその直前に位置する車両との車間距離を算出するようになっていることを特徴とする請求項12記載の走行支援装置。
- 前記他車両情報獲得手段は、将来自車両が交差点に進入したときに自車両とは異なる方向から自車両に接近する車両であり且つその進路が自車両と同一方向となる車両に関する他車両情報を獲得するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項13の何れか1項に記載の走行支援装置。
- 前記他車両情報獲得手段は、前記他車両との間で車々間通信を行って前記他車両情報を獲得するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項14の何れか1項に記載の走行支援装置。
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