JP2006178674A - 走行支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各車両の走行状態の変化を考慮して、自車両が交差点に進入した時点での他車両の走行状況を推測しこれに基づいて他車両の接近を通知する。
【解決手段】自車両及び他車両の現在の車体速度、加減速度、交差点基準の現在位置を初期値として、これら状態変数の前回値に基づき自車両及び自車両が進入する走行路の先頭車両の加減速度の今回値を予測し、これに基づきその現在位置及びその車体速度を推測する。また、先頭車両を除く車両の加減速度をそれぞれその直前に位置する車両との車間距離及び相対速度に基づいて算出する。この処理を繰り返し行い、自車両が交差点に進入し、これを認識した他車両が減速を行ったと予測されるまでの各車両の走行状況を予測し、この時点での自車両の後続車両を特定し、自車両と後続車両との車間距離と相対速度とから特定車両の自車両に対する回避操作時における減速度を推測し、これに基づき報知判断を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、交差点などにおいて、自車両に接近する接近車両の存在を乗員に通知するようにした走行支援装置に関する。
従来、走行路側に配設されたカメラやレーダ等により周囲の車両の存在や、路面状況等を検知し、同じく走行路側に配設された送信装置により、周囲の車両に収集した情報を送信することで、出会い頭の衝突や、右折或いは左折時における衝突の防止を支援したり、カーブや滑りやすい路面での走行を支援したりするようにした、いわゆる走行支援システムが提案されている。
前記出会い頭の衝突の防止を支援するようにした走行支援システムにおいては、例えば、優先道路上の他車両の位置及びその車体速度を検知し、この他車両の交差点中央までの距離を、その車体速度で割算して、他車両が交差点中央に達するまでの所要時間を算出し、この到達するまでの所要時間が予め設定したしきい値以下であるときに、非優先道路上の車両のドライバに、他車両の接近を通知するようにしている(例えば、特許文献1参照。)
特開2002−163789号公報
しかしながら、上述のように、他車両の交差点までの距離及び車体速度に基づき算出した交差点までの到達所要時間に基づいて他車両の接近を通知するようにした場合、例えば出会い頭の衝突を防止するようにした場合には、優先道路を走行する他車両が比較的高速で走行しているときには、非優先道路に位置する自車両が優先道路に進入した場合、優先道路を走行する他車両は、自車両に対する接近を防止するために比較的大きな減速度を発生させる必要がある。
これに対し、この場合と同等の到達所要時間であっても、他車両が比較的低速で走行している場合には、優先道路を走行する車両は、自車両に対する接近を防止するためにはほとんど減速する必要がない場合もあり得る。
このように、他車両が交差点に到達するまでの到達所要時間が同等であっても、車体速度によって自車両が交差点に進入した場合の他車両のドライバの運転操作量は大きく異なる。
また、前記到達所要時間を予測する際に、他車両は一定速度で交差点に進入すると仮定しているため、例えば他車両が交差点への進入に伴い減速した場合等には、自車両が交差点に進入したとしてもそれほど他車両に接近することはないにも関わらず、自車両のドライバに他車両の接近を通知することになり、不要な通知が行われることによりドライバに煩わしさ感を与える場合がある。
また、優先道路上の交差点に接近する他車両(以後、接近車両ともいう。)のさらに前方に、極低速で走行する他車両が存在する場合には、前記到達所要時間を算出したときには接近車両が減速中ではなかったとしても将来的に前方の極低速車両に対して接近しすぎないように減速する場合もある。したがって、場合によっては、自車両が交差点に進入したとしても、この時点で接近車両はすでに減速しており、それほど自車両に接近しない場合がある。しかしながら、他車両は一定車速で走行すると仮定して前記到達所要時間を算出しているため、実際には自車両に接近しないにも関わらず接近車両に関するドライバへの通知が行われることになって、ドライバが煩わしさ感を感じる場合がある。
また、自車両の位置や相対速度を考慮していないため、非優先道路上の自車両が交差点から遠い位置に存在する場合や、自車両が非常にゆっくり走行している場合等には、自車両が交差点に接近している間に、優先道路上の他車両は交差点を通り過ぎてしまう場合がある。このように、実際には自車両に接近していないような場合においても、ドライバに他車両の接近が通知されるため、やはりドライバに違和感を与えるという問題がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、他車両の走行状態の変化を考慮して他車両の接近を通知することの可能な走行支援装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る走行支援装置は、自車両が他車両の進路に進入する前に、他車両の進路に進入した時点での自車両の位置が、その進路前方に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として推測し、さらにこの特定車両が自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測する。そして、この推測した減速度に基づきドライバへの報知を行うかどうかを判断し、その判断結果に応じてこの特定車両の存在をドライバに通知する。
ここで、例えば自車両や他車両が減速中等の場合には、実際に自車両が他車両の進路に進入した時点でまだ他車両が自車両から離れた位置に存在したり或いは、自車両が進入した地点をすでに他車両が通り過ぎたりしている場合等もあるが、上述のように、自車両が他車両の進路に進入した時点で自車両がその進路に位置する他車両を特定しこれに基づき報知判断が行われるから、不要な報知が行われることが回避される。
本発明に係る走行支援装置によれば、自車両が他車両の進路に進入した時点での自車両の位置が、その前方に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として推測し、この特定車両が自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測しこの推測した減速度に基づきドライバへの報知を行うようにしたから、自車両や他車両の速度変化等の影響を受けることなく、自車両が他車両の進路に進入した時点で自車両にその進路を妨げられると予測される他車両の挙動に基づき報知判断を行うことができ、より的確に報知を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した走行支援装置100の一例を示す概略構成図である。
図1中、1は、自車両の車体速度を算出する車速センサ、2は、自車両の加減速度を検出する加減速度センサ、3は、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ、4は、車両に制動力を発生させるための制動流体の流体圧を検出するブレーキ液圧センサ、5は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し自車両の現在位置を検出するGPS情報提供装置である。このGPS情報提供装置5は、地図情報を有し、自車両の現在位置周辺の地図情報を提供すると共に、自車両現在位置周辺の道路勾配等といった道路情報を提供するようになっている。
そして、これら各種センサやGPS情報提供装置5の検出信号は情報提供コントローラ10に入力される。また、情報提供コントローラ10には、方向指示器6の作動情報が入力されると共に、他車両との間でいわゆる車々間通信を行う車々間通信手段としての無線機7で受信した受信情報も入力されるようになっている。
そして、情報提供コントローラ10では、車速センサ1、加減速度センサ2、アクセル開度センサ3、ブレーキ液圧センサ4、GPS情報提供装置5、及び方向指示器6からの、自車両の車体速度、加減速度、アクセル開度、制動流体圧、自車両の現在位置及びその道路勾配、さらには、予測される進行方向、また、車両のファイナルギア比、車両重量、制動流体圧と減速度との比等の車両諸元等といった、自車両の走行状況を表す情報を車両情報として無線機7を介して送信すると共に、無線機7を介して他車両から同様の車両情報を受信する(以後、他車両情報という。)
また、情報提供コントローラ10は、自車両の走行状況及び自車両の現在位置の道路勾配、また、方向指示器の作動情報と、車々間通信により獲得した他車両情報とをもとに、自車両に接近する他車両を検出し、必要に応じて情報提供装置9を作動し、自車両に接近する他車両(以後、接近車両という。)の存在をドライバに通知する。
前記情報提供装置9は、少なくとも表示装置を含んで構成され、例えば、自車両の現在位置周辺の地図を表示すると共に、この地図上に自車両の現在位置をシンボル表示し、前記接近車両が存在する場合にはこの接近車両を地図上にシンボル表示することによって、接近車両の存在及びその位置を、ドライバに提示するようになっている。なお、情報提供装置9は、音声によっても情報提供可能に構成してもよく、表示だけでなく音声によってもドライバへの通知を行うことによって、接近車両の存在をより確実にドライバに通知することができる。
次に、第1の実施の形態の動作を、情報提供コントローラ10で実行される演算処理の一例を示す、図2及び図3のフローチャートを伴って説明する。この演算処理は、予め設定した所定周期で実行されるようになっている。
なお、ここでは、図4に示すように、自車両Aが、T字路の非優先道路に存在し、優先道路に進入して左折しようとしており、優先道路には、優先道路に進入後の自車両の進行方向と同一方向に走行する車両が複数存在する走行シーンについて説明する。また、自車両Aの周囲の他車両も、図1に示す自車両Aと同一の走行支援装置100を搭載しているものとする。
各車両では、各種センサやGPS情報提供装置5で検出した自車両の走行情報を、車両情報として無線機7を介して車々間通信により送信すると共に、他車両の車両情報を受信し、予め設定した所定周期で車両情報の授受を行う。
そして、情報提供コントローラ10では、まず、ステップS1で、自車両の現在位置、車体速度、加減速度、アクセル開度、制動流体圧、現在位置の道路勾配、方向指示器の作動情報等、また、予め保持している自車両のファイナルギア比、車両重量、制動流体圧と減速度との比等の車両諸元を読み込む。また、無線機7で受信した、自車両周囲に存在する他車両から他車両情報を読み込み、同様に、他車両の現在位置、車体速度、加減速度、アクセル開度、制動流体圧、現在位置の道路勾配、進行方向、また、ファイナルギア比、車両重量、制動流体圧と減速度との比等を獲得する。
次いで、ステップS2に移行し、自車両の現在位置と、自車両周囲の地図情報とから、自車両の進路前方の交差点の位置を特定し、これをO(xc、yc)とする。なお、自車両の現在の位置座標を(xh、yh)とし、自車両の車体速度をvh、自車両の加減速度をahとする。
次いで、ステップS3に移行し、各他車両の現在位置と、自車両周囲の地図情報及び、方向指示器6の作動状況に基づき、自車両の予測される進路を推測し、この進路上に、他車両が存在するかどうかを判断する。
つまり、図4の場合、方向指示器6は左折を指示しており、自車両は、前方には交差点がありすなわち自車両は、交差点を左折しようとしていることから、自車両前方の交差点で左折した場合の左折後の走行車線を特定し、この走行車線上に存在する他車両を検出する。
そして、この検出した他車両を対象車両とし、自車両の進行方向に対して最も前方に存在する車両から順に、識別番号“1”、“2”…“N”を付与して管理し、その位置座標を(x1、y1)、(x2、y2)、……、(xN、yN)、その車体速度をv1、v2、…、vN、その加減速度をa1、a2、…、aNとする。
図4の場合には自車両は左折するから、図4において最も左側に位置する先頭車両から順に“1”、“2”、…、“N”として識別番号が付与されることになる。
このようにして自車両周囲に存在する対象車両の位置を把握したならばステップS4に移行し、次に、自車両及び各対象車両の位置を、交差点位置を基点とする位置座標に変換する。つまり、図4に示すように、交差点位置O(xc、yc)よりも手前に位置する自車両の位置は負値で表し、次式(1)で算出する。また、対象車両のうち、交差点を通り過ぎた識別番号iの対象車両の位置座標は正値で表し次式(2)で算出し、交差点手前に位置する識別番号iの対象車両の位置座標は負値で表し次式(3)で算出する。
ph=−{(xc−xh)2+(yc−yh)21/2 ……(1)
pi= {(xc−xi)2+(yc−yi)21/2 ……(2)
pi=−{(xc−xi)2+(yc−yi)21/2 ……(3)
次いで、ステップS5に移行し、後述の繰り返し演算を行い、現在時刻を“0”とし、自車両が交差点に進入したと仮定した場合に、これを周囲の対象車両のドライバが反応し減速開始するまでの挙動をサンプル周期dt毎に予測する。
この繰り返し演算は、図3のフローチャートに示す処理手順で行う。
まず、ステップS11で、自車両及び他車両の状態変数の初期値を設定する。具体的には、各種センサで検出した自車両の車両情報及び車々間通信により獲得した対象車両の車両情報をもとに、自車両及び他車両の、加減速度、車体速度、交差点基準の現在位置の初期値を設定する。
そして、自車両の加減速度の初期値ah(0)として、加減速度センサ2で検出した加減速度ah(ah(0)=ah)、車体速度の初期値vh(0)として車速センサ1で検出した車体速度vh(vh(0)=vh)、交差点基準の現在位置の初期値ph(0)として、現在位置に基づき前記(1)式から算出したphを設定する(ph(0)=ph)。
また、各対象車両の加減速度の初期値a1(0)〜aN(0)として、他車両情報として獲得した各対象車両の加減速度a1からaNを設定する(a1(0)=a1、a2(0)=a2、…、aN(0)=aN)。また、車体速度の初期値v1(0)〜vN(0)として、他車両情報として獲得した各対象車両の相対速度v1〜vNを設定する(v1(0)=v1、v2(0)=v2、…、vN(0)=vN)。また、交差点基準の現在位置の初期値p1(0)〜pN(0)として、他車両情報として獲得した各対象車両の現在位置に基づき前記(2)及び(3)式から算出した値を設定する(p1(0)=p1、p2(0)=p2、…、pN(0)=pN)。また、繰り返し演算の時間カウンタtをt=0に設定する。
次いで、ステップS12に移行し、各車両の状態変数の前回値を保存し、また、繰り返し演算の時間カウンタtをインクリメントする。
次いで、ステップS13に移行し、時点tにおける、自車両の加減速度をドライバ操作量、車両状態、及び道路勾配に基づいて推定する。
具体的には、次式(4)に基づいて算出する。なお、(4)式中の、各変数或いは定数は、自車両に関する各種諸元であって、apo(0)は、時点t0におけるアクセル開度、pbrk(0)は、時点t0における制動流体圧であって、ここでは、時点t0におけるアクセル開度及び制動流体圧をドライバが維持すると仮定して繰り返し演算を行う。また、ηfはファイナルギア比、kbrkは制動流体圧とこの制動流体圧により発生する減速度との比、Mhは自車両重量、feng{Neng(t)、apo(0)}は後述の時点tにおけるエンジン回転数と時点t0におけるアクセル開度とから算出されるエンジントルク、ar{vh(t)}は、時点tにおける車体速度から算出される自車両の走行抵抗、ηg{vh(t)、apo(0)}は、時点tにおける車体速度と時点t0におけるアクセル開度とから算出される変速機のギア比、Neng(t)は時点tにおける車体速度とギア比とから算出されるエンジン回転数、φ{ph(t−1)}は、交差点基準の時点t−1における現在位置と自車両周囲の地図情報とから特定される、交差点基準の現在位置における道路勾配である。
ah(t)
=feng{Neng(t-1)、apo(0)}*ηg{vh(t-1)、apo(0)}*ηf
−ar{vh(t-1)}−kbrk*pbrk(0)−Mh*g*sinφ{ph(t-1)} ……(4)
なお、ここでは、前記(4)式から時点tにおける自車両の加減速度を推定するようにした場合について説明したが、加減速度は変化しないものと仮定し、時点t0における推測開始時点での加減速度センサ2で検出した加減速度ahをah(t)として設定してもよい。
また、例えば、後述のステップS16で推定される車体速度の差分を算出しこれを加減速度ah(t)として設定するようにしてもよい。
次いで、ステップS14に移行し、対象車両のうち先頭に位置する車両、つまり識別番号“1”が付与された対象車両について、その加減速度を、ドライバ操作量、車両状態、道路勾配に基づいて推定する。
具体的には、次式(5)に基づいて算出する。なお、(5)式中の、各種変数及び定数は、識別番号“1”が付与された対象車両に関する各種諸元であってこれら情報は、他車両情報として獲得するようになっている。そして、apo1(0)は時点t0におけるアクセル開度、pbrk1(0)は、時点t0における制動流体圧であって、ここでは、時点t0、つまり、推測開始時点におけるアクセル開度及び制動流体圧を対象車両のドライバが維持すると仮定して繰り返し演算を行うものとする。
また、ηf1はファイナルギア比、kbrk1は制動流体圧とこの制動流体圧により発生する減速度との比、M1は車両重量、feng1{Neng1(t)、apo1(0)}は時点tにおけるエンジン回転数と時点t0におけるアクセル開度とから算出されるエンジントルク、ar1{v1(t)}は、時点tにおける車体速度から算出される車両の走行抵抗、ηg1{v1(t)、apo1(0)}は、時点tにおける車体速度と時点t0におけるアクセル開度とから算出されるギア比、Neng1(t)は時点tにおける車体速度と前述のギア比とから算出されるエンジン回転数、φ1{p1(t−1)}は、時点t−1における交差点基準の現在位置と対象車両周囲の地図情報とから特定される、交差点基準の現在位置における道路勾配である。
a1(t)
=feng1{Neng1(t-1)、apo1(0)}*ηg1{v1(t-1)、apo1(0)}*ηf1
−ar1{v1(t-1)}−kbrk1*pbrk1(0)−M1*g*sinφ1{p1(t-1)} ……(5)
なお、ここでは、前記(5)式から時点tにおける先頭の対象車両の加減速度を推定するようにした場合について説明したが、先頭の対象車両の加減速度は変化しないものと仮定し、他車両情報として獲得した時点t0の推測開始時点における加減速度a1(0)をa1(t)として設定するようにしてもよい。
また、例えば、後述のステップS16で推定される車体速度の差分を算出しこれを加減速度a1(t)として設定するようにしてもよい。
次いで、ステップS15に移行し、識別番号“2”以降の対象車両の加減速度を、それぞれの対象車両の直前に位置する対象車両との間の車間距離と、相対速度とに基づいて算出する。具体的には、次式(6)に基づいて算出する。
a2(t)=kd*{Th*v2(t-1)−p2(t-1)+p1(t-1)}
+kv{−v2(t-1)+v1(t-1)}
……
aN(t)=kd*{Th*vN(t-1)−pN(t-1)+p(N-1)(t-1)}
+kv{−vN(t-1)+v(N-1)(t-1)}
……(6)
なお、式(6)は、前車に追従するときの運転車の加減速操作のモデルであり、Thは一定速走行時の車間時間、kdは車間時間のずれに対するドライバの加減速操作のゲイン、kvは前車との速度差に対するドライバの加減速操作のゲインである。
次いで、ステップS16に移行し、自車両及び対象車両について、それぞれの時点tにおける車体速度及び交差点基準の現在位置を推定する。
各車両の車体速度の今回値vh(t)、v1(t)〜vN(t)は、次式(7)にしたがって、加減速度の前回値ah(t−1)、a1(t−1)〜aN(t−1)を積分して算出する。また、各車両の交差点基準の現在位置の今回値ph(t)、p1(t)〜pN(t)は、次式(8)にしたがって、車体速度の前回値vh(t−1)、v1(t−1)〜vN(t−1)を積分して算出する。
vh(t)=vh(t−1)+dt*ah(t−1)
v1(t)=v1(t−1)+dt*a1(t−1)
v2(t)=v2(t−1)+dt*a2(t−1)
……
vN(t)=vN(t−1)+dt*aN(t−1) ……(7)
ph(t)=ph(t−1)+dt*vh(t−1)
p1(t)=p1(t−1)+dt*v1(t−1)
p2(t)=p2(t−1)+dt*v2(t−1)
……
pN(t)=pN(t−1)+dt*vN(t−1) ……(8)
次いで、ステップS17に移行し、自車両が交差点に進入してからの経過時間が所定時間を超えたかどうかを判断する。具体的には、自車両の交差点基準の現在位置ph(t)が、ph(t)>0となった時点からの経過時間thを計測し、この経過時間thがしきい値を超えたかどうかを判断する。なお、経過時間thのしきい値は、自車両が交差点に進入した時点から、周囲車両のドライバがこの自車両の進入を認識し減速を開始するまでの反応時間に応じて設定する。
そして、経過時間thがしきい値を上回らないときにはステップS12に戻り、繰り返し演算を実行する。すなわち、前回値に基づいて各車両の加減速度を推定し、これに基づいて車体速度、交差点基準の現在位置を推定し、この処理を繰り返し行ってサンプル時間毎の各車両の走行状態を推定する。
そして、繰り返し演算を行うことによって自車両が交差点に進入した時点からの経過時間thがしきい値を超えたとき、つまり、自車両周囲の他車両のドライバが自車両を認識し減速を開始したと予測されるとき、ステップS17からステップS18に移行し、次に、自車両の真後ろに存在する対象車両を特定する。また、この時点におけるカウンタ値tを減速開始時点Mとして記憶する。
なお、前述の真後ろに存在する車両の特定は、各車両の交差点基準の現在位置に基づいて行い、自車両の現在位置ph(M)と、対象車両の現在位置p1(M)、p2(M)、……、pN(M)との大小関係に基づき特定する。
そして、自車両の真後ろに対象車両が存在するときにはステップS19に移行し、自車両が交差点に進入することによりこれに反応して後続する車両が減速した場合の減速度を演算する。例えば、自車両の真後ろに存在する対象車両、つまり後続車両がk番目の車両であるとした場合、後続車両が自車両に反応する前の加減速度はak(M)となる。また、後続車両の自車両に対する反応後の加減速度は自車両と後続車両との間の距離と速度差とから次式(9)から算出することができる。
ak(M+1)
={vh(M)−vk(M)}*{|vh(M)−vk(M)|}/{2〔ph(M)−pk(M)〕}
……(9)
一方、自車両の後に対象車両が存在しない場合には、ステップS18からステップS20に移行し、対象車両が自車両に反応する前の加減速度及び反応後の加減速度は共に零とする。
そして、このようにして、他車両が自車両に反応するときのその前後の加減速度を算出したならば、図2に戻りステップS6に移行する。
このステップS6では、対象車両の予測される挙動と自車両の予測される挙動との予測結果に基づき、報知を行うかどうかの判断を行う。
具体的には、ステップS5の処理で算出された自車両の後続車両の、自車両に対する反応後の加減速度ak(M+1)から対象車両の自車両に対する反応前の加減速度ak(M)を減算した値が、予め設定した第1のしきい値α1よりも小さいとき(ak(M+1)−ak(M)<α1)、又は、前記反応後の加減速度ak(M+1)が予め設定した第2のしきい値α2よりも小さいとき(ak(M+1)<α2)、対象車両はその存在を報知する必要のある接近車両であると判断し、ステップS7に移行する。そして、情報提供装置9を作動し、ドライバに対し接近車両の存在を、音声或いは表示等によって報知する。そして処理を終了する。
一方、前記ak(M+1)−ak(M)<α1、又は、前記ak(M+1)<α2の何れも満足しないときには、報知の必要な接近車両は存在しないと判断し、ステップS6からステップS8に移行し、情報提供装置9による接近車両は存在しないとして接近車両の存在の報知は行わない。そして処理を終了する。
なお、前記第1のしきい値α1及び第2のしきい値α2は、α1<0、α2<0、|α1|<|α2|を満足する値である。
そして、前記第1のしきい値α1は、ドライバが軽くブレーキペダルを踏み込んだときの減速度相当の値に設定される。また、前記第2のしきい値α2は、例えばドライバが通常のブレーキ踏力でブレーキペダルを操作したときの減速度相当の値に設定される。
図5は、繰り返し処理によって算出した、他車両の車体速度の推定値及び加減速度の推定値の変化状況を表したものである。
時点t0での推測開始時点における、車体速度vk(0)及び加減速度ak(0)を初期値としてサンプル時間dt毎に逐次車体速度、加減速度、交差点基準の現在位置が推測され、先頭車両でない車両については、それぞれその直前の車両との距離及び相対速度に応じて算出される。
そして、例えば、自車両と同じ走行車線を走行する対象車両であるとして特定された他車両“k”の前方車両が減速傾向にあり、且つ他車両“k”が前方車両よりも高速で走行している場合等において、時点t1で他車両“k”とその前方車両とが比較的接近する傾向となると予測されるときには、他車両“k”とその前方車両との距離及び相対速度の関係から、他車両“k”の減速度は減速度方向に比較的大きな値に算出されることから、自車両の車体速度はより小さくなると推定される。そして、時点t2で、自車両が交差点に進入し、この時点t2から所定時間が経過した時点t3で、他車両“k”は、自車両を認識し減速を開始すると予測される。
そして、例えば、この他車両“k”が自車両の直後に後続する後続車両である場合には、この時点t3における減速度a(t3)が、他車両“k”のドライバが自車両を認識し減速を開始する直前の加減速度であるとしてak(M)として設定され、また、この時点t3における他車両“k”の車体速度及び交差点基準の現在位置と、自車両の走行速度及び交差点基準の現在位置とに基づいて、他車両“k”の自車両に対する減速を行った時点における加減速度ak(M+1)が予測される。
例えば、図4において、自車両が左に向かう走行車線を走行する状態となり、対象車両のドライバが自車両を認識して減速を開始した時点で、先頭車“1”、2番目の車両“2”、自車両、i番目の車両“i”の順で車両が走行する状態にあるとすると、自車両のすぐ後に続く車両は、識別番号が“i”の車両であることから、このi番目の車両が後続車両として特定される。そして、この識別番号“i”の車両について、そのドライバが自車両を認識した時点におけるその前後の加減速度が検出されることになる。
このとき、自車両の進入に伴い自車両と車両“i”とが比較的接近する状態にあると予測されるときには、自車両及び車両“i”の車体速度の差と、自車両及び車両“i”との間の距離とから予測される加減速度ak(M+1)は減速方向に大きいと予測される。このため、時点“M”及び時点“M+1”における車両“i”の加減速度ak(M)とak(M+1)との差が大きくなり、この差が第1のしきい値を超えると、ステップS6からステップS7に移行し、情報提供装置9を作動し、車両“i”を接近車両として、ドライバに報知する。つまり、自車両の進入に伴い、車両“i”は比較的大きく減速する必要があって、すなわち車両“i”は、自車両に比較的近い位置に存在するか或いは比較的高速で走行する状態にあって注意が必要と予測されることから、この車両“i”が接近車両として報知される。したがってドライバは、情報提供装置9を参照することにより、接近車両の存在を認識することができる。
このとき、例えば、車両“i”が交差点に進入するにあたり、自車両の進入を認識する以前に徐行をしている場合等には、自車両と車両“i”との間の距離が比較的短い場合であっても、車体速度の差が大きいことから、自車両認識後の加減速度として予測される加減速度は比較的小さな値となる。このため、加減速度の変化量は比較的小さくなりこれがしきい値よりも小さいと、報知は行われない。
つまり、すでに車両“i”が減速を開始しており、交差点において自車両の進入を認識したとしても車両“i”のドライバは自車両に対してそれほど大きく減速させる必要はないと予測されるときには、車両“i”は接近車両として報知されない。したがって、車両“i”のドライバが、自車両の進入を回避するための回避動作をそれほど行う必要はなく、自車両との接触の可能性は小さいと予測される車両“i”が、接近車両としてドライバに不必要に通知されることはない。
また、例えば、車両“i”が、交差点通過に伴って減速走行をしている場合等には、自車両が進入すると予測される時点における車両“i”の車体速度及び自車両との車間距離とに基づいて、加減速度が算出され、この加減速度の変化に基づいて、接近車両としての報知を行うかどうかの判断が行われることになる。
したがって、例えば、現時点における車両“i”の車体速度を一定に維持して走行すると仮定して報知判断を行うようにした場合には、車体速度が比較的大きい場合には接触する可能性が高いと判断されて報知される場合があるが、例えば、交差点を通過するに当たり車両“i”のドライバ減速走行している場合には徐々に車体速度が低下するため実際に交差点に進入した時点では、自車両との車間距離がまだ十分ある場合もあり、自車両と車両“i”とが接触する可能性が低い場合等にも関わらず報知が行われる場合がある。
しかしながら、自車両が交差点に進入する時点前後における、車両“i”の走行位置や走行状況を予測し、これに基づいて報知判断を行うことによって、不必要に報知を行うことを回避することができる。
また、推測開始時点で対象車両が存在している場合であっても自車両が交差点に進入した時点で後続車両が存在しないときにはステップS18からステップS20に移行するため情報提供は行われない。したがって、すでに交差点を通過してしまった対象車両に関して報知が行われることはない。
そして、自車両が交差点に接近し、所定時間が経過するまでに、自車両が交差点に進入しこの自車両を対象車両が認識してから減速すると予測される時点までの対象車両の走行軌跡を予測することができた時点でステップS17からステップS18に移行し、報知判断が可能な状態となって、判断結果に応じて必要に応じてこの対象車両に関する報知が行われることになる。
したがって、自車両が交差点よりも手前に存在する場合等、自車両と交差点の位置関係から、接近車両の報知を行う必要のない状態にも関わらず接近車両に関する報知が行われることを回避することができ、不要な報知が行われることによって、乗員に違和感を与えることを回避することができる。
このように、自車両が交差点に進入する時点まで各車両の位置や走行状態等を車体速度の変化を考慮して逐次推測し、自車両が交差点に進入した時点の自車両に後続する車両の加減速度の変化に基づいて、この後続車両を接近車両として報知するかどうかを判断するようにしたから、自車両が交差点に進入した時点での、自車両と他車両との相対関係をより的確に推測することができ、すなわち、報知判断をより実際に則して判断することができる。したがって、不要な報知を行うことを回避し、ドライバに与える違和感を低減することができる。
また、上述のように、前記第2のしきい値α2は、通常ブレーキをかけるときのドライバのブレーキ踏力に応じて設定しているから、自車両が交差点に進入したとしても問題はないとして報知が行われなかったため自車両が交差点に進入した場合には、接近車両は、通常のブレーキ踏力でブレーキペダルを踏み込むことによって、自車両との接触を回避することができる。したがって、自車両が進入することにより接近車両に与える負荷を通常と同等とすることができ、自車両の進入により接近車両に与える影響を抑制することができる。
また、上述のように、前記第1のしきい値α1は、軽くブレーキを踏み込んだ値に設定するようにし、自車両が交差点に進入した際に、自車両に後続する接近車両が、そのドライバが軽くブレーキを踏み込む程度では対処することができないときに報知を行うようにしているから、後続車両のドライバが軽くブレーキを踏込む程度で対処することができる程度の接近車両であって、自車両が十分交差点に進入することが可能な状況にあるにも関わらず接近車両として報知が行われることを回避することができ、不要な報知を行うことによりドライバに違和感を与えることを回避することができる。
また、前述のように前記ステップS5の処理で、各車両の挙動を推定する際に、自車両及び接近車両だけでなく、自車両が交差点進入後に走行する走行路を走行している自車両周辺の車両全てについてその挙動を推定し、且つその先頭車両の動向に基づいてこれに後続する車両の挙動を推定するようにしているから、走行路上に位置する自車両周辺の全ての車両の走行状況を互いの走行状況を考慮して推測することができ、自車両が交差点に進入した時点にその後続車両となる対象車両をより的確に予測することができる。これにより実際に則した車両挙動を推測することができる。
また、このとき、車両挙動を各車両の現時点における加減速度に基づいて推定するようにしているから、路面勾配変化や、車両重量変化等の外乱によって変化する車両の加減速特性に関わらず正確に予測することができる。
また、例えば、アクセルペダルをオフした場合等のように、ドライバが現在の操作量を維持して走行したとしても、発生する加減速度はエンジン回転数やギア比、或いは車体速度に応じて変化することから、車両挙動を推測する際に、現時点におけるアクセルペダルの操作量といったドライバ操作量だけでなく、エンジン回転数やギア比等、現時点における車両状況にも基づいて、車両挙動を推測することによって、より高精度に推測することができる。
また、各車両の走行状態は、ドライバの運転操作だけでなく、互いに周囲の車両の走行状態に影響されて逐次変化するが、現時点の走行状態に基づいて所定のサンプル時間後の各車両の走行状態を予測し、さらに、この予測した走行状態に基づいて次のサンプル時間後の各車両の走行状態を予測する、というように、一つ前のサンプル時点の走行状態に基づいて順次繰り返し予測を行うようにしているから、逐次変化するお互いの走行状態を考慮して将来の走行状態を予測することができ、より高精度に走行状態を予測することができる。
特に、各車両の車両挙動を推測する時点では、自車両の後続車両となる対象車両が実際に減速を行っていなかったとしても、この後続車両となる対象車両の前方に遅い車両が存在する場合には、この後続車両となる対象車両は、将来減速するということを予測することができ、逆に前方に遅い車両が存在しなければ、将来減速することなく走行するということを予測することができる。そして、このとき、各車両について各サンプル時点における交差点からの位置を推測し、それぞれの車両についてその直前を走行する車両との間の車間距離と相対速度とをもとに、各サンプル時点における加減速度を推測するようにしているから、将来、自車両に後続すると予測される対象車両の加減速操作をより実際に近く推測することができ、予測精度を向上させることができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、報知を行うかどうかを判断するための第1のしきい値α1及び第2のしきい値α2を、固定値とした場合について説明したが、これに限らず、例えば、対象車両の車種或いは車両特性に応じて、前記第1及び第2のしきい値α1、α2を変更するようにしてもよい。
つまり、車両の種類によって減速特性は異なるため、同じ減速度であっても、ある車両は余裕を持って減速することができるがある車両はさほど余裕がない場合もある。したがって、対象車両の車種や、或いは減速特性に応じてしきい値を変更することによって、減速特性を考慮してより的確に報知判断を行うことができる。なお、この対象車両の車種や車両特性は、例えば、他車両情報として対象車両側を送信するようにし、これを車々間通信により獲得するようにすればよい。
また、例えば、車両重量に応じて、第1及び第2のしきい値α1、α2を変更するようにしてもよい。つまり、車両重量が異なる場合も、同様に減速特性が異なることから、車両重量を考慮して報知判断を行うことによって、より的確に報知判断を行うことができる。
また、例えば、他車両側でドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じてしきい値α1、α2を設定し、この情報を保持するようにしておき、このしきい値に関する情報を他車両情報に含めて送信するようにし、自車両側で、他車両情報として通知されたしきい値α1、α2を用いて報知判断を行うようにしてもよい。このようにすることによって、他車両のドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じて報知判断を行うことができるから、自車両が他車両の進路に進入したときには、他車両のドライバは、自車両を回避するためにはその特定に応じたブレーキペダルの踏力で対処することができ、他車両のドライバに与える影響をより的確に低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、図2に示す第1の実施の形態における演算処理において、ステップS6の処理手順が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様である。
すなわち、この第2の実施の形態では、ステップS5で各車両の挙動を予測したならばステップS6に移行して報知判断を行う。
この報知判断は、上記第1の実施の形態と同様に、各車両の現在位置に基づいて自車両が交差点に進入したときに自車両に後続すると予測される対象車両を特定し、この識別番号“k”の対象車両が自車両の進入に対して反応したときの反応後の加減速度ak(M+1)が、しきい値αthより小さいとき、この後続する対象車両は報知すべき接近車両であると判断する。そして、前記しきい値αthは、後続車両として特定された対象車両のアクセル開度が“0”であり、且つドライバが所定踏力でブレーキ操作をしたときの減速度推定値に設定される。この減速度推定値は、具体的には、後続車両“k”の車両特性とその車両重量とから、次式(10)にしたがって算出する。
αth
=fengk{Nengk(M)、0}*ηgk{vk(M)、0}*ηfk−ark{vk(M)}
−kbrkk*fbrk−Mk*g*sinφk{pk(M)} ……(10)
なお、(10)式中のfengk{Nengk(M)、0}は識別番号“k”の対象車両の時点Mにおけるエンジン回転数とアクセル開度(=0)とから求まるエンジントルク、ηgk{vk(M)、0}は、識別番号“k”の対象車両の時点Mにおける車体速度とアクセル開度(=0)とから求まる変速比のギア比、ηfkは識別番号“k”の対象車両のファイナルギア比、ark{vk(M)}は、識別番号“k”の対象車両の時点Mおける車体速度から決定される自車両の走行抵抗、kbrkkは、識別番号“k”の対象車両のブレーキ踏力と減速度との比、fbrkは予め設定した所定のブレーキ踏力、Mkは識別番号“k”の対象車両の車両重量、φk{pk(M)}は識別番号“k”の対象車両の時点Mにおける交差点基準の現在位置と地図情報とから特定される時点Mにおける、道路勾配である。
したがって、前記ブレーキ踏力fbrkとして、後続車両のドライバが軽くブレーキペダルを踏み込む程度に設定すれば、後続車両の走行特性を考慮した減速度推定値が算出されることになり、この減速度推定値よりも反応後の加減速度ak(M+1)が小さく、すなわち、軽くブレーキペダルを踏み込む場合よりも大きな加減速度が生じると予測されるときに接近車両として報知が行われることになる。
したがって、軽くブレーキペダルを踏み込むことで後続車両が自車両との接触を回避することのできるような状態にある場合には、接近車両として報知されることはないから不必要に報知が行われることを回避することができると共に、このとき、減速度推定値を後続車両の走行特性を考慮して算出するようにしているから、より実際の走行状況に則して高精度に減速度推定値を算出することができる。したがって、車両によって減速特性が異なるため、同じように走行したとしても車両によって走行状況が異なるが、後続車両の減速特性に則したしきい値を設定しこれに基づき報知判断を行うようにしているからより高精度に報知判断を行うことができる。
なお、上記各実施の形態においては、T字路において非優先道路に存在する自車両が、優先道路に進入する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば信号のない交差点で右折或いは左折する場合等であっても適用することができ、要は、自車両が他車両の進路に進入するような場合であれば適用することができる。
なお、上記各実施の形態において、車速センサ1、加減速度センサ2、アクセル開度センサ3、ブレーキ液圧センサ4、GPS情報提供装置5、方向指示器6が自車両走行状況検出手段に対応し、無線機7が他車両情報獲得手段に対応し、図2のステップS5の処理が車両状態予測手段に対応し、図3のステップS18の処理が対象車両特定手段に対応し、図3のステップS19の処理が減速度推定手段に対応し、図2のステップS6からS8の処理及び情報提供装置9が報知手段に対応し、無線機7で他車両情報として車両重量、ファイナルギア比、制動流体圧と減速度との比等の車両諸元を獲得する処理が特定車両特性検出手段に対応している。
本発明における走行支援装置100の一例を示す概略構成図である。 図1の情報提供コントローラで実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図2のステップS5で実行される車両挙動の繰り返し演算の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の動作説明に供する説明図である。 本発明の動作説明に供する説明図である。
符号の説明
1 車速センサ
2 加減速度センサ
3 アクセル開度センサ
4 ブレーキ液圧センサ
5 GPS情報提供装置
6 方向指示器
7 無線機
9 情報提供装置
10 情報提供コントローラ
100 走行支援装置

Claims (15)

  1. 自車両が他車両の進路に進入する前に、自車両が他車両の進路に進入した場合にこの時点で自車両がその進路に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として推測すると共に、当該特定車両が自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測し、
    この推測した減速度に基づき、必要に応じて前記特定車両の存在をドライバに報知するようになっていることを特徴とする走行支援装置。
  2. 自車両の位置及びその走行状況を検出する自車両走行状況検出手段と、
    自車両周囲に存在する他車両の位置及びその走行状況からなる他車両情報を獲得する他車両情報獲得手段と、
    前記自車両走行状況検出手段で検出した自車両の走行情報及び前記他車両情報獲得手段で検出した他車両情報に基づき、自車両が他車両の進路に進入した時点での自車両及び他車両の位置及びその走行状況を前もって推測する車両状態予測手段と、
    当該車両状態予測手段での予測結果に基づき、自車両が他車両の進路に進入した時点での自車両の位置がその進路に位置する関係にあると予測される他車両を特定車両として特定する対象車両特定手段と、
    当該対象車両特定手段で特定した特定車両が、自車両が他車両の進路に進入したときに自車両への接近を回避するために必要な減速度を推測する減速度推定手段と、
    当該減速度推定手段で推定した減速度に基づき必要に応じて前記特定車両の存在をドライバに報知する報知手段と、を備えることを特徴とする走行支援装置。
  3. 前記報知手段は、前記減速度推定手段で推定された減速度が予め設定したしきい値よりも大きいとき前記特定車両の存在を報知するようになっていることを特徴とする請求項2記載の走行支援装置。
  4. 前記減速度推定手段は、前記特定車両が自車両への接近を回避するために必要な必要減速度と、前記特定車両が自車両への接近を回避するための減速を開始する直前の開始前減速度とを推定し、
    前記報知手段は、前記減速度推定手段で推定した必要減速度が前記開始前減速度よりも大きく且つその差が予め設定したしきい値よりも大きいとき前記特定車両の存在を報知するようになっていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の走行支援装置。
  5. 前記しきい値は、前記特定車両のドライバのブレーキペダルの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の走行支援装置。
  6. 前記しきい値は、前記特定車両のドライバがブレーキペダルを通常踏み込むときの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の走行支援装置。
  7. 前記しきい値は、前記特定車両のドライバがブレーキペダルを軽く踏み込むときの踏力特性に応じて設定されることを特徴とする請求項4記載の走行支援装置。
  8. 前記特定車両の車種を検出する特定車両特性検出手段を備え、
    前記報知手段は、前記特定車両特性検出手段で検出した特定車両の車種に応じて前記しきい値を設定するようになっていることを特徴とする請求項3から請求項7の何れか1項に記載の走行支援装置。
  9. 前記特定車両の重量を検出する特定車両特性検出手段を備え、
    前記報知手段は、前記特定車両特性検出手段で検出した特定車両の重量に応じて前記しきい値を設定するようになっていることを特徴とする請求項3から請求項8の何れか1項に記載の走行支援装置。
  10. 前記車両状態予測手段は、自車両及び他車両の現時点での走行状況に基づいて、現時点から自車両が前記特定車両の進路に進入するまでの自車両及び他車両の走行状態の変化状況を予測するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項9の何れか1項に記載の走行支援装置。
  11. 前記車両状態予測手段は、少なくとも自車両及び他車両の現時点での加減速度、又は各車両のドライバの運転操作量及び車両の動作状況に基づいて推測するようになっていることを特徴とする請求項10記載の走行支援装置。
  12. 前記車両状態予測手段は、自車両及び他車両の現時点での走行状況に基づいて、これら各車両のサンプル時間後の相対関係を予測してこれに基づき各車両の走行状況を予測し、以後、1サンプル時間前に予測した相対関係に基づき、各サンプル時間における各車両の相対関係及び走行状況を推測するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項11の何れか1項に記載の走行支援装置。
  13. 前記車両状態予測手段は、前記各車両の相対関係として、車両毎にその直前に位置する車両との車間距離を算出するようになっていることを特徴とする請求項12記載の走行支援装置。
  14. 前記他車両情報獲得手段は、将来自車両が交差点に進入したときに自車両とは異なる方向から自車両に接近する車両であり且つその進路が自車両と同一方向となる車両に関する他車両情報を獲得するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項13の何れか1項に記載の走行支援装置。
  15. 前記他車両情報獲得手段は、前記他車両との間で車々間通信を行って前記他車両情報を獲得するようになっていることを特徴とする請求項2から請求項14の何れか1項に記載の走行支援装置。
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