JP2006177550A - 軸受けユニット及びディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シャフト10と、該シャフト10の外周面に円弧状に窪んで形成された一対の第1の環状溝部11と、該シャフト10の軸線L1方向に向けて相対的に移動可能な第1のスリーブ部材12及び第2のスリーブ部材13と、両スリーブ部材12、13のそれぞれの内周面に、第1の環状溝部11に対向するように円弧状に窪んで形成された第2の環状溝部15と、両環状溝部11、15の間に転動可能に挟まれた複数のボール16とを備え、両スリーブ部材12、13を所定量移動させたときに、ボール16を両環状溝部11、15で囲まれた空間に外部から導く導入部18が、シャフト10又は両スリーブ部材12、13の少なくとも一方に形成されている軸受けユニット2を提供する。
【選択図】 図2
Description
また、軸受け内輪41は、シャフト40の外周面に固定されており、軸受け外輪42は、スリーブ45の内周面に固定されている。
そして、シャフト40の外周面に他方の軸受け部44が固定されたシャフト40に対して、上方から一方の軸受け部44が内周面に固定されたスリーブ45を被せる。この際、予め一方の軸受け部44の軸受け内輪41とシャフト40の外周面との間、及び他方の軸受け部44の軸受け外輪42とスリーブ45の内周面との間に接着剤等を塗布しておく。
これにより、シャフト40とスリーブ45とが、2つの軸受け部44を介して固定された状態となる。また、上述したように、予圧を与えた状態で接着を行うので、軸受け内輪41とボール43との接触箇所と、軸受け外輪42とボール43との接触箇所とを結んだ線、即ち、ボール43の接触方向が水平線に対して斜めになった状態で、各ボール43は軸受け内輪41及び軸受け外輪42に確実に接する。
特に、接触方向が、上方側に位置するボール43と下方側に位置するボール43とで異なるので、スリーブ45をより安定して転動自在に支持することができる。なお、このように予圧を与えるのは、通常、ボール43の曲率よりも軸受け内輪41及び軸受け外輪42の曲率の方がより大きいためである。
ねじ溝47を利用して該スリーブ45をアクチュエータ等に固定する。そして、ボール43を介してスリーブ45をシャフトの軸周り(Z軸回り)に回転させることで、上述したように、アクチュエータを回転させることができる。
そこで、できるだけこのような不都合をなくすために、部品点数を減少させた軸受けユニットが提供されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
即ち、図22に示すような軸受け内輪及び軸受け外輪を備えていないので、シャフトの周囲にスリーブを被せた後に、シャフトとスリーブとの間の所定位置(ボールが転動する位置)にボールを組み込む(入れる)必要がある。ところが、ボールが転動する位置以外では、シャフトとスリーブとの距離が狭いので、ボールの組み込みが難しく、製造が困難なものであった。仮に、スリーブを片側に寄せてシャフトとスリーブとの距離を大きくしたとしてもやはり困難なものであった。
また、ボールの接触方向が、図22に示すような軸受けユニットとは異なり、上方側に位置するボールと下方側に位置するボールとで異なるように予圧を与えることが難しいものであった。
本発明の軸受けユニットは、円柱状に形成されたシャフトと、該シャフトの両端側の外周面に、該シャフトの周囲に沿って円弧状に窪んで形成された一対の第1の環状溝部と、前記シャフトの周囲を囲むように筒状に形成されたスリーブと、該スリーブの内周面に、該内周面に沿い且つ前記一対の第1の環状溝部に対向するように円弧状に窪んで形成された一対の第2の環状溝部と、前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部との間に転動可能に挟まれた複数のボールとを備え、前記スリーブの内周面を前記シャフトの外周面に近接させるように、シャフトの半径方向に向けてスリーブをずらしたときに、前記ボールを前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に外部から導く導入部が、シャフト又はスリーブの少なくとも一方に形成されていることを特徴とするものである。
特に、シャフトにスリーブを被せて、シャフトの周囲を囲むようにスリーブを位置させた後に、第1の環状溝部と第2の環状溝部との間にボールを組み込む際、シャフトの半径方向に向けてスリーブをずらすと、シャフト又はスリーブの少なくとも一方に導入部が設けられているので、該導入部を利用して外部から容易にボールを挿入して、第1の環状溝部と第2の環状溝部とで囲まれた空間に確実に導入させることができる。
従って、ボールをより安定した状態で転動させることができ、信頼性の向上を図ることができる。
相対的に移動可能な第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を有するスリーブと、前記第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材のそれぞれの内周面に、該内周面に沿い且つ前記一対の第1の環状溝部に対向するように円弧状に窪んで形成された第2の環状溝部と、前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部との間に転動可能に挟まれた複数のボールと、前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を所定位置に位置させたときに、該位置関係を維持した状態で第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を一体的に固定する固定手段とを備え、前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を、互いが近接する方向又は離間する方向に向けて所定量移動させたときに、前記ボールを前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に外部から導く導入部が、前記シャフトの又は両スリーブの少なくとも一方に形成されていることを特徴とするものである。
特に、シャフトにスリーブを被せて、シャフトの周囲を囲むようにスリーブを位置させた後に、第1の環状溝部と第2の環状溝部との間にボールを組み込む際、第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を、互いが近接又は離間するようシャフトの軸線方向に所定量移動させたときに、シャフト又はスリーブ(第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材)の少なくとも一方に導入部が設けられているので、該導入部を利用して外部から容易にボールを挿入して、第1の環状溝部と第2の環状溝部とで囲まれた空間に確実に導入させることができる。
これにより、ボールは、第1の環状溝部と第2の環状溝部との間で確実に転動する。よって、スリーブは、シャフトの軸線回りに円滑に回転することができる。特に、ボールに予圧を確実にかけることができるので、より安定した状態でボールの転動を確保でき、信頼性の向上を図ることができる。
更には、スリーブをシャフトの軸線方向に沿って移動させた状態で、ボールの組み込みを行えるので、シャフトとスリーブとの間隔を小さくすることができ、さらなる小型化を図ることができる。
りボールを組み込み易く、さらなる製造工程の簡略化、製造時間の短縮化を図ることができる。
特に、第1のスリーブ部材又は第2のスリーブ部材をシャフトの軸線回りに回転させることで、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合状態を確保しながら第1のスリーブ部材又は第2のスリーブ部材を軸線方向に移動させることができる。よって、予圧をかけながら軸線方向への規制も同時に行えるので、所定の力で予圧をかけ易く、製造が容易である。
とするものである。
そして、第2のスリーブ部材を元の位置に戻すことで、第1の環状溝部と第2の環状溝部とでボールを転動自在に挟み込むことができる。
これにより、ボールは、第1の環状溝部と第2の環状溝部との間で確実に転動する。よって、スリーブは、シャフトの軸線回りに円滑に回転することができる。特に、ボールに予圧を確実にかけることができるので、より安定した状態でボールの転動を確保でき、信頼性の向上を図ることができる。
特に、第1のスリーブ部材又は第2のスリーブ部材をシャフトの軸線回りに回転させることで、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合状態を確保しながら第1のスリーブ部材又は第2のスリーブ部材を軸線方向に移動させることができる。よって、予圧をかけながら軸線方向への規制も同時に防止できるので、所定の力で予圧をかけ易く、製造が容易である。
のスリーブ部材と前記第2のスリーブ部材との間に設けられ、両部材を前記シャフトの軸線方向に向けて相対移動するように力を付与するバネ部材を備えていることを特徴とするものである。
このように、バネ部材により、ボールの挟み込み及びボールへの予圧を一連の動作で行えるので、さらなる製造の容易化を図ることができる。特に、バネ部材の力(バネ力)を調整することで、ボールにかける予圧力を容易に調整できることからも、製造が容易である。
また、軸受けユニットは、上述したように、製造が容易で安価に製造できるので、ディスク装置の製作コストも同様に低減することができる。また、軸受けユニットは、部品点数が少なく、製造も容易にできることから小型化がし易い、そのため、ディスク装置の小型化も図ることができる。更には、ボールに確実に予圧をかけた状態で軸受けユニットを製造できるので、スイングアームを高精度に作動させることができ、信頼性の向上も図ることができる。
また、本発明に係るディスク装置によれば、製作コストの低減化、小型化を図ることができると共に、スイングアームを高精度に作動させるので信頼性も向上することができる。
本実施形態のディスク装置1は、図1に示すように、軸受けユニット2と、該軸受けユニット2の後述するシャフト10の軸線L1と平行な回転軸L2回りに回転可能に配されたディスク3と、軸受けユニット2の後述するスリーブ14に基端側が固定され、上記ディスク3に信号を記録再生する磁気ヘッド4aが先端に設けられたスイングアーム4と、該スイングアーム4を上記軸線L1回りに回転させるボイスコイルモータ(回転駆動部)5とを備えている。
また、円筒部6の外周面には、スイングアーム4の基端側の反対側において、図示しないマグネット部と共に上記ボイスコイルモータ5を構成するコイル部5aが固定されている。このコイル部5aを動かすことで、スイングアーム4を軸線L1回りに回転させて、スイングアーム4の先端に設けられた上記磁気ヘッド4aをディスク3の所定位置に位置させることができるようになっている。
5と、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15との間に転動可能に挟まれた複数のボール16と、上記内側スリーブ12及び外側スリーブ13を所定位置に位置させたときに、該位置関係を維持した状態で内側スリーブ12及び外側スリーブ13を一体的に固定する固定手段17とを備えている。
また、シャフト10の一端側は、円柱部10aより径が小さい縮径部10bとなっており、他端側は該縮径部10bよりもさらに径が小さい小径部10cとなっている。そして、円柱部10aの両端側(縮径部10b及び小径部10cの近傍)に、上記一対の第1の環状溝部11が形成されている。
この第2の環状溝部15は、大径部12aの開口側が最も径が大きく、縮径部12bに向かうに従って漸次径が小さくなるように形成されている。つまり、第2の環状溝部15の表面積は、第1の環状溝部11の表面積の略半分となるように形成されている。
なお、本実施形態においては、第2の環状溝部15の曲率は、第1の環状溝部と略同
一の曲率となるように形成されている。
また、縮径部12bの内周面12b’の径(内径)D3は、上記第2の環状溝部15の最小径よりもさらに小さな径となるように形成されている。なお、この縮径部12bの内周面12b’は、シャフト10の円柱部10aの外径より若干大きな径となるように形成され、円柱部10aの外周面に近接するようになっている。
ス鋼等の鋼により円筒状に形成され、大径部13aと、該大径部よりさらに“内径”が小さい縮径部13bとで一体的に構成されている。また、外側スリーブ13の外周面、即ち、大径部13a及び縮径部13bの外径は、上記内側スリーブ12の大径部12aの外径と略同一の径となるように形成されている。
そして、この縮径部13bの内周面に、他方の上記第2の環状溝部15が形成されている。また、この第2の環状溝部15は、縮径部13bの開口側が最も径が大きく、大径部13aに向かうに従って漸次径が小さくなるように形成されている。つまり、上記一方の第2の環状溝部15と同様に、他方の第2の環状溝部15の表面積は、第1の環状溝部11の表面積の略半分となるように形成されている。なお、一方の第2の環状溝部15と他方の第2の環状溝部15とは、共に最大径、最小径及び曲率が同一になるように形成されている。
これにより、図2に示すように、4つの貫通孔23を介して4つのねじ溝21のそれぞれにスクリュ(ねじ部材)25を螺合して、内側スリーブ12及び外側スリーブ13を一体的に固定できるようになっている。
また、上記外部取付用貫通孔24及び外部取付ねじ溝22を利用して、図1に示す円筒部6をスリーブ14に固定できるようになっている。
そして、これら内側スリーブ12の縮径部12bの端面S1と外側スリーブ13の縮径
部13bの側面S2との間、及び、内側スリーブ12の大径部12aの側面S3と外側スリーブ13の大径部13bの端面S4との間は、内側スリーブ12及び外側スリーブ13を軸線L1方向に所定量動かすことができるように、設定されている。具体的には、導入部18を介して外部から同時にボール16を導入することができるまで、両スリーブ14を軸線L1方向に動かせる距離とされている。
なお、本実施形態では、上記端面S1と側面S2、及び、側面S3と端面S4とが、それぞれ当接するように構成したが、どちらかが当接するように構成されていれば構わない。
なお、本実施形態においては、ボール16の曲率が、第1の環状溝部11及び第2の環状溝部15よりも小さくなるように設定されている。
そして、シャフト10の縮径部10bには、外部からボール16への接触を防止したり、塵埃等が混入することを防止する板状のリング27が嵌められている。また、同様に、シャフト10の小径部10cにも、外部からボール16への接触及び塵埃等の混入を防止すると共に、ケーシング等の上面に固定するときに設置面積を増加させるフランジ状のつば部28が嵌められている。
まず、シャフト10の縮径部10b側に大径部12aが位置するように、シャフト10に内側スリーブ12を被せて、シャフト10の周囲を内側スリーブ12で囲む。
次いで、シャフト10の小径部10c側に縮径部13bが位置するように、シャフト10に内側スリーブ12を被せた反対側から外側スリーブ13を被せて、シャフト10及び内側スリーブ12の縮径部12bの周囲を囲む。この際、図2に示すように、外側スリーブ13の大径部13aは、その内周面13a’が内側スリーブ12の縮径部12bの外周面12b”に面接触した状態となる。
まず、小径部10cを下にした状態でシャフト10を立てた後、図3に示すように、内側スリーブ12を外側スリーブ13に向けて軸線L1方向に所定量移動(ずらす)させる。即ち、内側スリーブ12の縮径部12bの端面S1が、外側スリーブ13の大径部13bの端面S2に当接するまで、内側スリーブ12を移動させる。これにより、内側スリーブ12の大径部12aの開口側内周面12a’がシャフト10の第1の環状溝部11に近づいて、導入部18が形成された形となる。そして、この状態で、導入部18を利用して、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15とで囲まれた空間Sに外部からボール16を連続して7個導入する。
また、外側スリーブ13とシャフト10との間のボール16は、その接触方向Rが逆向き、即ち、シャフト10から見て下向きとなり、やはり同様に確実な転動状態を確保することができる。
特に、互いの接触方向が逆向きであるので、スリーブ14に作用する荷重方向に関係なく、該スリーブ14を安定して回転自在に支持することができる。
貫通孔23とねじ溝21との位置が一致した時点で、スクリュ25を貫通孔23を介してねじ溝21に螺合する。こうすることで、内側スリーブ12と外側スリーブ13とを一定的に固定することができ、上述したボール16への予圧状態を維持することができる。特に、軸線L1を中心として、90度毎に4方向からスクリュ25で固定するので、確実な固定を行える。また、ねじ溝21に対して、貫通孔23の方が径が大きく形成されているので、多少の誤差があったとしてもスクリュ25の取付を容易に行える。
そして、最後にシャフト10の縮径部10bに板状のリング27を嵌めると共に、小径部10cにつば部28を嵌める。
特に、導入部18が設けられているので、容易且つ確実にボール16の組み込みを行うことができる。従って、製造が容易で、製造時間の短縮化、製造コストの低減化を図ることができる。さらに、部品点数が少なく、製造も容易であるので、小型化しやすい。更には、内側スリーブ12及び外側スリーブ13を軸線L1方向に沿って移動させた状態でボール16の組み込みが行えるので、シャフト10とスリーブ14との間隔、即ち、シャフト10と内側スリーブ12の縮径部12bとの間隔をできるだけ小さくでき、より小型化し易い。
これにより、軸受けユニット2が、スイングアーム4をシャフト10の軸線L1回り、即ち、ディスク3の回転軸L2回りに回転可能に支持する。
また、軸受けユニット2は、上述したように製造が容易で安価に製造できるので、ディスク装置1の製作コストも同様に低減することができる。また、軸受けユニット2は、部品点数が少なく、小型化し易いので、ディスク装置1も同様に小型化がし易い。更には、ボール16に確実に予圧をかけた状態で軸受けユニット2を製造できるので、スイングアーム4を高精度に作動させることができ、信頼性の向上も図ることができる。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、ボール16を組み込む際に、内側スリーブ12及び外側スリーブ13を共に軸線L1方向に移動させ、内側スリーブ12及び外側スリーブ13の端部に形成された導入部18を利用してそれぞれボール16を導入したのに対し、第2実施形態の軸受けユニット2は、内側スリーブ12のみを軸線L1方向に移動させ、該内側スリーブ12の端部に形成された導入部18を利用してボール16を導入する点である。
部10aから半径方向外方に向けて延びたつば部(大径部)10dとなっている。そして、円柱部10aの両端側(縮径部10b及びつば部10dの近傍)に、上記一対の第1の環状溝部11が形成されている。
また、本実施形態の外側スリーブ13は、縮径部13bの開口側に、上記つば部10dが当接して嵌るように内径が大きく形成されたつば受部13cが設けられている。なお、つば部10dの外周面とつば受部13cの内周面との間隔は、所定距離空けて形成されている。
まず、つば部10dを下にした状態でシャフト10を立てた後、図10に示すように、外側スリーブ13をシャフト10の縮径部10b側から被せると共につば受部13cとつば部10dとを当接させて、シャフト10の周囲を囲む。
そして、図11に示すように、外側スリーブ13の内周面、即ち、つば受部13cの内周面をつば部10dの外周面に近接させるように、シャフト10の半径方向に向けて外側スリーブ13をずらす。具体的には、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15との間の距離が、ボール16の直径よりも大きくなるまで、外側スリーブ13をずらす。なお、この際、つば部10dの外周面と、つば受部13cの内周面とが接触することがないように上記所定距離が設定されている。
このように、つば部10dを有しているので、ボール16を第1の環状溝部11と第2の環状溝部15との間に、確実且つ容易に導入させることができる。
2は、シャフト10の半径方向にずれることはない。
そして、図13に示すように、内側スリーブ12を外側スリーブ13に向けて軸線L1方向に所定量移動(ずらす)させる。即ち、内側スリーブ12の縮径部12bの端面S1が、外側スリーブ13の大径部13bの端面S2に当接するまで、内側スリーブ12を移動させる。これにより、内側スリーブ12の大径部12aの開口側内周面12a’がシャフト10の第1の環状溝部11に近づいて、導入部18が形成された形となる。
そして、内側スリーブ12を軸線L1回りに回転させて、7個の各ボール16を軸線L1回りに均等配置させ、該位置を維持するようにリテーナ26を嵌める。
特に、つば部10dを有しているので、シャフト10を180度反転させる必要がなく、シャフト10を立てた状態で片側からボール16の組み込みが行えるので、さらに製造が容易であり、製造時間の短縮化を図ることができる。
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、固定手段17が、内側スリーブ12に形成されたねじ溝21と、外側スリーブ13に形成された貫通孔23と、ねじ溝21に螺合可能なスクリュ25とで構成されていたのに対し、第3実施形態の固定手段30は、内側スリーブ12及び外側スリーブ13にそれぞれ直接形成された雌ねじ部31及び雄ねじ部32により構成されている点である。
このように構成された固定手段30の場合には、雄ねじ部32及び雌ねじ部31が螺合することで、軸線L1方向への移動が規制されて内側スリーブ12及び外側スリーブ13が一体的に固定される。
特に、内側スリーブ12又は外側スリーブ13を軸線L1回りに回転させることで、雄ねじ部32と雌ねじ部31との螺合状態を確保しながら、内側スリーブ12及び外側スリーブ13を軸線L1方向に移動させることができる。よって、ボール16に予圧をかけながら軸線L1方向への規制も同時に行うことができ、所定の力でボール16に予圧をかけ易く、製造がより容易である。
また、図16に示すように、最後に内側スリーブ12と外側スリーブ13との間に、板バネ33を挟み込んでも構わない。こうすることで、より確実に内側スリーブ12及び外側スリーブ13の軸線L1方向への移動を規制することができ、固定が確実になる。
第4実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、内側スリーブ12とシャフト10との間に導入部18を利用してボール16を導入する際に、内側スリーブ12と外側スリーブ13とが互いに近接するように、内側スリーブ12を軸線L1方向に移動させて導入部18を形成したが、第4実施形態では、内側スリーブ41と外側スリーブ42とが互いに離間するように、外側スリーブ42を軸線L1方向に向けて移動させた時に、導入部18が形成される点である。
また、本実施形態のつば部10dも第2実施形態と同様に、内側スリーブ41の内周面をつば部10dの外周面に近接させるように、シャフト10の半径方向に向けて内側スリーブ41をずらしたときに、ボール16を第1の環状溝部11と第2の環状溝部15とで囲まれた空間Sに位置決めさせるものである。
なお、本実施形態においては、内側スリーブ41とつば部10dとを互いに近接させることができるように、それぞれが端部に斜めにカットされた傾斜面10e、41aを有している。また、本実施形態においては、内側スリーブ41全体が、後述する外側スリーブ42の大径部42bと面接触する接触部として機能するようになっている。
また、本実施形態では、第2の環状溝部15は、大径部42b側、即ち、内側スリーブ41側が最も径が大きく、縮径部42aの開口側に向かうに従って漸次径が小さくなるように形成されている。よって、外側スリーブ42を内側スリーブ41から離間させるように、軸線L1方向に移動(紙面に対して上向き)させたときに、第2の環状溝部15の最大径がシャフト10の縮径部10aに近づくようになっている。
まず、図17に示すように、つば部10dを下にした状態でシャフト10を立てた後、内側スリーブ41をシャフト10に被せる。そして、第2実施形態と同様に、内側スリーブ41の内周面をつば部10dの外周面に近接させるように、シャフト10の半径方向に向けて内側スリーブ41をずらす。この際、つば部10d及び内側スリーブ41の端部には、それぞれ傾斜面10e、41aが形成されているので、内側スリーブ41をできるだけ半径方向にずらすことができる。
その後、内側スリーブ41とシャフト10との間から、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15とで囲まれた空間Sにボール16を連続して7個導入する。そして、内側スリーブ41を元の位置に戻し、ボール16を軸線L1回りに均等配置させた後、リテーナ26を嵌める。
そして、外側スリーブ42を内側スリーブ41から離間するよう(紙面に対して上向き)に、軸線L1方向に所定量移動(ずらす)させる。これにより、縮径部42aの大径部側内周面42a’が、シャフト10の縮径部10bに近づいて、導入部18が形成された形となる。なお、この導入部18が形成された位置で外側スリーブ42が維持されるように、該外側スリーブ42を図示しない治具等で固定する。
全てのボール16を導入した後、図18に示すように、外側スリーブ41を内側スリーブ42に近接させるように、軸線L1方向に向けて移動(紙面に対して下向き)させて元の位置に戻す。この移動に伴って、縮径部42aの大径部側内周面42a’がシャフト10の縮径部10bから離れると共に、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15とが近づくので、ボール16は、第1の環状溝部11に押し付けられた状態となる。
そして、最後にボール16は、図19に示すように、第1の環状溝部11と第2の環状溝部15との間で挟み込まれた状態となる。その後、ボール16を軸線L1回りに均等配置させ、該位置を維持するようにリテーナ26を嵌める。
このように、内側スリーブ41と外側スリーブ42とを互いに離間させるように所定量移動させたときに、導入部18が形成されるように構成したとしても、同様の作用効果を得ることができる。
第5実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、全てのボール16を組み込んだ後に、内側スリーブ12と外側スリーブ13とを治具等の別個の手段により軸線L1方向に移動させてボール16に予圧をかけていたのに対し、第5実施形態の軸受け
ユニット50は、バネ力を利用して内側スリーブ12及び外側スリーブ13を軸線L1方向に移動させてボール16に予圧をかける点である。
即ち、本実施形態の軸受けユニット50は、内側スリーブ12と外側スリーブ13との間に設けられ、両スリーブ12、13をシャフト10の軸線L1方向に向けて相対移動するよう力(バネ力)を付与するスプリング(バネ部材)51を備えている。
このように、スプリング51により、ボール16の挟み込み及びボール16への予圧を一連の動作で行えるので、さらなる製造の容易化を図ることができる。特に、スプリング51のバネ力を調整することで、ボール16にかける予圧力を容易に調整できることからも、製造が容易である。
次に、本発明に係る軸受けユニットの第6実施形態について、図23を参照して説明する。なお、第6実施形態において第4実施形態と同一の構成については、その説明を省略する。
第6実施形態と第4実施形態との異なる点は、図23の右半分に示されているように、第4実施形態では、単一の部材であった外側スリーブ(第2のスリーブ部材)42を、内側スリーブ(第2の内側スリーブ部材)141と外側スリーブ(第2のスリーブ部材)142の2部品構成とした点である。
製造の最後にかける与圧についても、第4実施形態と同じように、内側スリーブ41及び外側スリーブ142を、軸線L1方向に沿ってそれぞれ反対方向に移動させてボール16に与圧をかける。第6実施形態における外側スリーブ142には縮径部42aはなく、大径部42bのみであるため、その内周部の径には段差がない。このため、製造及び加工が容易である。
第7実施形態と第6実施形態との異なる点は、図23の左半分に示されているように、第7実施形態の軸受けユニット70は、バネ力を利用して内側スリーブ41及び141を軸線L1方向に移動させてボールに与圧をかける点である。即ち、本実施形態の軸受けユニット70は、内側スリーブ41と141との間に設けられ、両スリーブ41、141をシャフト10の軸線L1方向に向けて相対移動するよう力(バネ力)を付与するスプリング(バネ部材)71を備えている。
このように、スプリング71により、ボール16の挟み込み及びボール16への予圧を一連の動作で行えるので、さらなる製造の容易化を図ることができる。特に、スプリング71のバネ力を調整することで、ボール16にかける予圧力を容易に調整できることからも、製造が容易である。
第8実施形態と第6実施形態との異なる点は、第6実施形態における、内側スリーブ(第2の内側スリーブ部材)141と外側スリーブ(第2のスリーブ部材)142の2部品構成を、シャフト側スリーブ241と外側スリーブ(第2のスリーブ部材)242の2部品構成をした点である。即ち、第6実施形態では、上下二つの軸受け部は、いずれも軸受けの外輪に相当するスリーブ(図中下側の内側スリーブ41と、図中上側の内側スリーブ141)を有していたが、第8実施形態では、上側の軸受け部は軸受けの内輪に相当するシャフト側スリーブ241を、下側の軸受け部では軸受けの外輪に相当する内側スリーブ41を有する点が相違する。
次に、シャフト側スリーブ241を立てた後、外側スリーブ242をこれに被せる。そして、シャフト側スリーブ241の半径方向に向けて外側スリーブ242をずらす。その後、外側スリーブ242とシャフト側スリーブ241との間から、ボール16を導入する、そして、外側スリーブ241を元の位置に戻し、ボール16を軸線回りに均等配置させた後、リテーナを嵌める。
上記のように別々に組み立てられた部材を、シャフト10の外部にシャフト側スリーブ241の内周部を挿入することで組付ける。
その後、外側スリーブ242を軸線方向に沿って逆の方向に移動させた後、内側スリーブ41と外側スリーブ242とを固定する。
また、第1実施形態及び第2実施形態において、内側スリーブと外側スリーブとを、貫通孔、ねじ溝及びスクリュを利用した固定手段で一体的に固定したが、この構成に限らず、内側スリーブと外側スリーブとを一体的に固定できれば構わない。また、第1実施形態に、第3実施形態の固定手段を適用しても構わない。
また、上記各実施形態において、第1の環状溝部と第2の環状溝部との間に、ボールを7個毎配したが、この数に限定されるものではない。
L2 ディスクの回転軸
1 ディスク装置
2、40、50 軸受けユニット
10 シャフト
10a 円柱部
10d つば部(大径部)
11 第1の環状溝部
12、41 内側スリーブ(第1のスリーブ部材)
141 内側スリーブ(第2のスリーブ部材)
12b 内側スリーブの小径部(接触部)
13、42、142、242 外側スリーブ(第2のスリーブ部材)
13a 外側スリーブの大径部(接触部)
14、43 スリーブ
15 第2の環状溝部
16 ボール
17 固定手段
18 導入部
21 ねじ溝
23 貫通孔
241 シャフト側スリーブ
25 スクリュ(ねじ部材)
31 雌ねじ部
32 雄ねじ部
51 スプリング(バネ部材)
Claims (13)
- 円柱状に形成されたシャフトと、
該シャフトの両端側の外周面に、該シャフトの周囲に沿って円弧状に窪んで形成された一対の第1の環状溝部と、
前記シャフトの周囲を囲むように筒状に形成されたスリーブと、
該スリーブの内周面に、該内周面に沿い且つ前記一対の第1の環状溝部に対向するように円弧状に窪んで形成された一対の第2の環状溝部と、
前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部との間に転動可能に挟まれた複数のボールとを備え、
前記スリーブの内周面を前記シャフトの外周面に近接させるように、シャフトの半径方向に向けてスリーブをずらしたときに、前記ボールを前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に外部から導く導入部が、シャフト又はスリーブの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項1記載の軸受けユニットにおいて、
前記導入部は、前記シャフトの軸線回りに環状に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項1又は2記載の軸受けユニットにおいて、
前記スリーブは、前記シャフトの軸線方向に相対的に移動可能とされ、前記一対の第2の環状溝部のうち一方の第2の環状溝部を有する第1のスリーブ部材と、他方の第2の環状溝部を有する第2のスリーブ部材とを有し、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を所定位置に位置させたときに、該位置関係を維持した状態で第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を一体的に固定する固定手段を備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 円柱状に形成されたシャフトと、
該シャフトの両端側の外周面に、該シャフトの周囲に沿って円弧状に窪んで形成された一対の第1の環状溝部と、
前記シャフトの周囲を囲むように筒状に形成され、該シャフトの軸線方向に向けて相対的に移動可能な第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を有するスリーブと、
前記第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材のそれぞれの内周面に、該内周面に沿い且つ前記一対の第1の環状溝部に対向するように円弧状に窪んで形成された第2の環状溝部と、
前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部との間に転動可能に挟まれた複数のボールと、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を所定位置に位置させたときに、該位置関係を維持した状態で第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を一体的に固定する固定手段とを備え、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を、互いが近接する方向又は離間する方向に向けて所定量移動させたときに、前記ボールを前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に外部から導く導入部が、前記シャフト又は両スリーブの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項4記載の軸受けユニットにおいて、
前記導入部は、前記シャフトの軸線回りに環状に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項3から5のいずれか1項に記載の軸受けユニットにおいて、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材は、前記シャフトの半径方向に面同士が重なり合う接触部をそれぞれ有し、
前記固定手段は、前記接触部のうち、前記シャフトの半径方向内側に位置する接触部に形成されたねじ溝と、該ねじ溝に対向するようにシャフトの半径方向外側に位置する接触部に形成された貫通孔と、該貫通孔を介してねじ溝に螺合可能なねじ部材とを備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項3から5のいずれか1項に記載の軸受けユニットにおいて、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材は、前記シャフトの半径方向に重なり合う接触部をそれぞれ有し、
前記固定手段は、前記接触部のうち、前記シャフトの半径方向内側に位置する接触部の外周面に形成された雄ねじ部と、シャフトの半径方向外側に位置する接触部の内周面に形成されて雄ねじ部に螺合可能な雌ねじ部とを備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 円柱状に形成された円柱部と、該円柱部の一端側から半径方向外方に向けて延びた大径部とを有するシャフトと、
前記円柱部の両端側の外周面に、該円柱部の周囲に沿って円弧状に窪んで形成された一対の第1の環状溝部と、
前記円柱部の周囲を囲むように筒状に形成され、前記シャフトの軸線方向に向けて移動可能な第1のスリーブ部材と、該第1のスリーブ部材及び前記大径部の周囲を囲むように筒状に形成され、前記シャフトの軸線方向に向けて移動可能な第2のスリーブ部材とを有するスリーブと、
前記第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材のそれぞれの内周面に、該内周面に沿い且つ前記一対の第1の環状溝部に対向するように窪んで形成された第2の環状溝部と、
前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部との間に転動可能に挟まれた複数のボールと、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材を所定位置に位置させたときに、該位置関係を維持した状態で第1のスリーブ部材及び第2のスリーブ部材を一体的に固定する固定手段とを備え、
前記大径部は、前記第2のスリーブ部材の内周面を大径部の外周面に近接させるように、シャフトの半径方向に向けて第2のスリーブ部材をずらしたときに、前記ボールを一方の前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に位置決めさせるものであり、
前記第1のスリーブ部材を、前記第2のスリーブ部材に近接する方向又は離間する方向に向けて所定量移動させたときに、前記ボールを他方の前記第1の環状溝部と前記第2の環状溝部とで囲まれた空間に外部から導く導入部が、前記シャフト又は第1のスリーブ部材の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項8記載の軸受けユニットにおいて、
前記導入部は、前記シャフトの軸線回りに環状に形成されていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項8又は9記載の軸受けユニットにおいて、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材は、前記シャフトの半径方向に面同士が重なり合う接触部をそれぞれ有し、
前記固定手段は、前記第1のスリーブ部材の接触部に形成されたねじ溝と、該ねじ溝に対向するように前記第2のスリーブ部材の接触部に形成された貫通孔と、該貫通孔を介してねじ溝に螺合可能なねじ部材とを備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項8又は9記載の軸受けユニットにおいて、
前記第1のスリーブ部材及び前記第2のスリーブ部材は、前記シャフトの半径方向に面同士が重なり合う接触部をそれぞれ有し、
前記固定手段は、前記第1のスリーブ部材の接触部の外周面に形成された雄ねじ部と、前記第2のスリーブ部材の接触部の内周面に形成されて雄ねじ部に螺合可能な雌ねじ部とを備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項4又は8記載の軸受けユニットにおいて、
前記第1のスリーブ部材と前記第2のスリーブ部材との間に設けられ、両部材を前記
シャフトの軸線方向に向けて相対移動するよう力を付与するバネ部材を備えていることを特徴とする軸受けユニット。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の軸受けユニットと、
前記シャフトの軸線と平行な回転軸回りに回転可能に配されたディスクと、
前記スリーブに基端側が固定され、前記ディスクに信号を記録再生する磁気ヘッドが先端に設けられたスイングアームと、
該スイングアームを前記軸線回りに回転させる回転駆動部とを有することを特徴とするディスク装置。
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