JP2006177187A - 可変斜板式圧縮機 - Google Patents

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秀博 安立
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Abstract

【課題】 可変斜板式圧縮機において、吐出室とクランク室とを常時連通する絞り部を冷房効率を低下させないように最適に設定でき、高負荷時においてクランク室に戻すオイルが無くなった場合でも圧縮機を最大容量まで制御し、低負荷時においてクランク室圧を十分に上昇させる。
【解決手段】 吐出室26とクランク室6とを常時連通する絞り部41と、絞り部41をバイパスして吐出室26とクランク室6とを連通する給気通路50と、給気通路50の連通開度を調節する第1の弁部52と、クランク室6と吸入室25とを連通する抽気通路51と、抽気通路51の連通開度を調節する第2の弁部53とを備え、熱負荷の減少に応じて第1の弁部52が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、第2の弁部53を閉鎖方向に作動させる。熱負荷の増加に応じて少なくとも第1の弁部が連通開度を閉鎖したのちに第2の弁部を開放方向に作動させてもよい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、冷凍サイクルに用いられる可変斜板式圧縮機に関し、特に圧縮された作動流体中に混在するオイルをクランク室に戻す構成を備えた可変容量型圧縮機に関する。
従来より、冷媒を用いた冷凍装置において、冷凍サイクルを循環するオイルを少なくし、熱交換に有効な冷媒だけを循環させることで、冷房効率を向上できることが知られている。例えば斜板式圧縮機において、冷媒と共に吐出室へ吐出されたオイルを分離し、この分離されたオイルをクランク室に戻すことで、コンプレッサ外にオイルを吐出させない方法が考えられている。下記する特許文献1もその例であり、同文献には、吐出領域に設けたオイルセパレータでオイルを分離
し、その分離したオイルをクランク室へ戻す可変斜板式圧縮機が開示されている。
特に、同文献の請求項10に示される構成においては、図6に示されるように、オイルセパレータ30で分離したオイルを、給気通路50に設けた容量制御弁Aの弁部Bを通過させてクランク室6へ戻す構成が開示されている。
また、請求項11に示される構成においては、オイルセパレータ30で分離されたオイルを、給気通路50に設けた容量制御弁Aの弁部Bと並列に設けられた固定面積の絞り通路Cを介してクランク室6へ戻す構成が開示されている。
そして、同文献の構成においては、クランク室6に供給されるオイル及びガスによって上昇したクランク室圧は、抽気通路51の一部を構成するバルブプレートに設けられた放圧孔(図6においてDで示す)より、常時吸入室25に抽気するようにしている。
特開平10−281060号公報
しかしながら、上述した請求項10に示す圧縮機は、分離したオイルが容量制御弁Aの弁部Bを通過してクランク室6に還流する構造と成っている。そのため高い冷房能力が要求される高負荷条件等において、圧縮機の吐出容量が最大になるよう容量制御弁Aが弁部Bを閉鎖すると、オイルがクランク室6に供給されない不都合がある。
これに対して、上述した請求項11に示す圧縮機は、容量制御弁Aの弁部Bとは別に、吐出室26とクランク室6の間に絞り通路Cが設けられているため、常時安定したオイルを供給できる利点を有している。しかしながら、吐出室26とクランク室6とが常時連通されているため、吐出室とクランク室との圧力差が大きい高負荷時には、分離したオイルが貯留部から全てクランク室に流れ込んでしまう恐れがある。このため、貯留部のオイルが空になると、大量のガスが絞り通路を吹き抜けてクランク室圧を上昇させてしまい、斜板の最大容量傾斜角度を維持できなくなって吐出容量が減少してしまう不都合が生じる。
貯留部のオイル切れが生じないようにするためには、絞り通路Cを小さくすれば良いが、このような構成にすると、吐出室とクランク室との圧力差が小さい低負荷時においては、オイルの戻り量が少なくなるため、貯留部のオイルがあふれ、分離されたオイルがシステム側に流出して冷房効率を悪化させてしまう。
上述した請求項11の不都合を回避する別の方法として、放圧孔の面積を大きくすることも考えられるが、このような構成とすると、吐出容量を減少させるためにクランク室圧力を上昇させる必要がある低負荷時等において、容量制御弁Aの弁部Bを開放させてもクランク室に供給されたガスが十分にクランク室圧力を高めないうちに吸入室に逃げてしまう。このため、圧縮機内部を無駄に循環するガス量が増加し、圧縮効率が低下してしまう上に、吐出容量を最小容量まで減少させることができない不都合がある。
また、上述の実施形態においては、容量制御弁と絞り部とが共にオイルセパレータの下流に設けられているので、容量制御弁の弁部を通過するのがオイルである時には弁のリフト量を大きくしなければクランク室圧力を十分に上昇させることができなくなり、ガスの通過量を調節する時と比べて冷房能力が大きめに制御されてしまうという不都合もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、冷房効率を低下させないように最適の絞り部を設定でき、さらに高負荷時にクランク室に戻すオイルが無くなった場合でも、クランク室圧を吸入室に十分に逃がすことで圧縮機を最大容量まで制御することが可能であり、また、低負荷時においては、圧縮機内部を無駄に循環するガス量を増やさずにクランク室圧力を十分に上昇させて、圧縮機を最小容量まで制御することが可能な可変斜板式圧縮機を提供することを主たる課題としている。さらには、吐出室とクランク室との連通開度を調節する弁部の設定をオイルに依存することなく行なうことをも課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る可変斜板式圧縮機は、熱負荷の変動下で動作する冷凍サイクル装置に用いられ、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記クランク室に配されて前記駆動軸の回転に同期して回転する斜板と、前記斜板の回転に伴いシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記クランク室と前記吸入室との圧力差に基づき、前記斜板の傾斜角を変更して吐出容量を制御する構成において、前記吐出室と前記クランク室とを常時連通する絞り部と、前記絞り部をバイパスして前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、前記熱負荷の変動に応じて前記給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路と、前記熱負荷の変動に応じて前記抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部とを備え、前記熱負荷の減少に応じて前記第1の弁部が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、前記第2の弁部を閉鎖方向に作動させることを特徴としている(請求項1)。
したがって、吐出室とクランク室とを常時連通する絞り部をバイパスする給気通路に設けられた第1の弁部が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部が閉鎖方向に作動するので、絞り部はオイルがシステム側に流出しないように最適に設定できると共に、クランク室に戻すオイルが無くなる虞がある高負荷時(第1の弁部が閉鎖方向に作動する時)には、第2の弁部を広く開放させておくことができるので、クランク室に戻すオイルが無くなって大量のガスが絞り部を吹き抜けてクランク室に供給されても、クランク室圧を吸入室に逃がして十分に低下させることが可能となる。また、低負荷時に第1の弁部を開放方向に作動させて圧縮機の容量を減少させる際には、その過程の少なくとも一部において、第2の弁部が閉鎖方向に作動して抽気通路の連通開度が小さくなるので、第1の弁部からのガス供給と絞り部からのオイル供給とによりクランク室圧を十分に上昇させることが可能となる。
また、上記課題を達成するために、本発明に係る可変斜板式圧縮機は、熱負荷の変動下で動作する冷凍サイクル装置に用いられ、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記クランク室に配されて前記駆動軸の回転に同期して回転する斜板と、前記斜板の回転に伴いシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記クランク室と前記吸入室との圧力差に基づき、前記斜板の傾斜角を変更して吐出容量を制御する構成において、前記吐出室と前記クランク室とを常時連通する絞り部と、前記絞り部をバイパスして前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、前記熱負荷の変動に応じて前記給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路と、前記熱負荷の変動に応じて前記抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部とを備え、前記熱負荷の増加に応じて少なくとも前記第1の弁部が連通開度を閉鎖したのちに前記第2の弁部が連通開度を開放方向に作動するようにしてもよい(請求項2)。
このような構成においては、吐出室とクランク室とを常時連通する絞り部をバイパスする給気通路に設けられた第1の弁部が連通開度を閉鎖したのちに第2の弁部が連通開度を開放方向に作動するので、絞り部はオイルがシステム側に流出しないように最適に設定できると共に、クランク室に戻すオイルが無くなる虞がある高負荷時(第1の弁部が閉鎖した後)には、第2の弁部を広く開放させることができるので、クランク室に戻すオイルが無くなって大量のガスが絞り部を吹き抜けてクランク室に供給されても、クランク室圧を吸入室に逃がして十分に低下させることが可能となる。また、低負荷時に第1の弁部を開放方向に作動させて圧縮機の容量を減少させる際には、抽気通路の連通開度を小さく設定することが可能となるので、第1の弁部からのガス供給と絞り部からのオイル供給とによりクランク室圧を十分に上昇させることが可能となる。
ここで、圧縮された作動流体中に混在するオイルを効率的に分離してクランク室に戻すために、吐出室を含む高圧領域にオイル分離機構を設けるとよい(請求項3)。
また、前記第1の弁部と前記第2の弁部は一体化されたものであっても(請求項4)、別体に形成されたものであってもよい(請求項5)。
さらに、絞り部にオイルを優先的に供給し、また第1の弁部にガスのみを供給するために、オイル分離機構で分離したオイルを貯留する貯留部の上流側に前記給気通路の入口を連通させ、貯留部の下流側に絞り部を連通させるとよい(請求項6)。
以上述べたように、請求項1及びこれに従属する請求項に係る発明によれば、
吐出室とクランク室とを常時連通する絞り部と、この絞り部をバイパスして吐出室とクランク室とを連通する給気通路と、給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路と、抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部とを備え、熱負荷の減少に応じて第1の弁部が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、第2の弁部を閉鎖方向に作動させるようにしたので、また、請求項2及びこれに従属する請求項に係る発明によれば、吐出室とクランク室とを常時連通する絞り部と、この絞り部をバイパスして吐出室とクランク室とを連通する給気通路と、給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路と、抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部とを備え、熱負荷の増加に応じて少なくとも第1の弁部が連通開度を閉鎖したのちに第2の弁部を開放方向に作動させるようにしたので、冷房効率を低下させないように最適な絞り部を設定することができ、また、高負荷時にクランク室に戻すオイルが無くなった場合であっても、クランク室のガスを速やかに吸入室に逃がすことが出来るので、圧縮機を最大容量まで制御することが可能となる。
さらに、低負荷時に圧縮機の吐出容量を減少させる際には、第2の弁部の開度が小さくなるので、第1の弁部からのガス供給、絞り部からのオイル供給によりクランク室圧を十分に上昇させることができ、広範囲に亘って圧縮機の容量を制御することが可能になると共に、圧縮機内部を無駄に循環するガス量を減らして圧縮効率の低下を防止することが可能となる。
特に、オイル分離機構で分離したオイルを貯留する貯留部の上流側に第1の弁部で開度を調節する給気通路の入口を連通させ、貯留部の下流側に絞り部を連通させる構成とすれば、絞り部にオイルを優先的に供給することができ、また、第1の弁部に吐出ガスのみを供給することができるので、安定してクランク室圧力を制御することが可能となる。
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、車両に搭載される冷凍サイクルに用いられる可変斜板式の容量可変型圧縮機が示されている。この圧縮機は、シリンダブロック1と、このシリンダブロック1のリア側(図中、右側)にバルブプレート2を介して組み付けられたリアヘッド3と、シリンダブロック1のフロント側(図中、左側)を閉塞するように組み付けられたフロントヘッド4とを有して構成されている。これらフロントヘッド4、シリンダブロック1、及び、リアヘッド3は、バルブプレート2と共に締結ボルト5により軸方向に締結され、圧縮機のハウジングを構成している。
フロントヘッド4とシリンダブロック1とによって画設されるクランク室6には、一端がフロントヘッド4から突出する駆動軸7が収容されている。この駆動軸7のフロントヘッド4から突出した部分には、軸方向に取り付けられた中継部材8を介してクラッチ板9が固定されている。フロントヘッド4のボス部4aには回転自在に外嵌された駆動プーリ10がクラッチ板9に対峙して設けられ、クラッチ板9は、駆動プーリ10に埋設された励磁コイル11への通電により駆動プーリ10に吸着され、駆動プーリ10に与えられる回転動力を駆動軸7に伝達するようにしている。
また、この駆動軸7の一端側は、フロントヘッド4との間に設けられたシール部材12を介してフロントヘッド4との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受13にて回転自在に支持されており、駆動軸7の他端側は、シリンダブロッ
ク1に収容されたラジアル軸受14にて回転自在に支持されている。
シリンダブロック1には、前記ラジアル軸受14が収容される支持孔15と、この支持孔15を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア16とが形成されており、それぞれのシリンダボア16には、片頭ピストン17が往復摺動可能に挿入されている。
前記駆動軸7には、クランク室6内において、該駆動軸7と一体に回転するスラストフランジ18が固定されている。このスラストフランジ18は、駆動軸7に対して略垂直に形成されたフロントヘッド4の内壁面に対してスラスト軸受19を介して回転自在に支持されている。そして、このスラストフランジ18には、
リンク部材20を介して斜板21が連結されている。
斜板21は、駆動軸7上に設けられたヒンジボール22を中心に傾動可能に取り付けられているもので、スラストフランジ18の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板21は、その周縁部分が前後に設けられた一対のシュー23を介して片頭ピストン17の係合部17aに係留されている。
したがって、駆動軸7が回転すると、これに伴って斜板21が回転し、この斜板21の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン17の往復直線動に変換され、シリンダボア16の片頭ピストン17とバルブプレート2との間に画成される圧縮室24の容積が変更されるようになっている。
リアヘッド3には、吸入室25とこの吸入室25の周囲に形成された吐出室26とが画成され、バルブプレート2には、吸入室25と各シリンダボア内の圧縮室24とを図示しない吸入弁を介して連通する吸入孔27と、吐出室26と圧縮
室24とを図示しない吐出弁を介して連通する吐出孔28とが形成されている。
また、リアヘッド3には、吐出室26に吐出した吐出ガスに混在しているオイルを分離するための遠心分離式のオイルセパレータ30が設けられている。このオイルセパレータ30は、吐出室26に対して導入孔31を介して連通するオイル分離室32に導入筒33を上方から挿入して構成されており、吐出室26から導入孔31を介してオイル分離室32に導入された吐出ガスを導入筒33の周りを旋回させながら下方へ導き、その過程において混在しているオイルを分離するようにしている。そして、オイルが分離された作動流体(ガス)は、導入筒33を介してオイルセパレータ30の上端部に形成された吐出ポート35から吐出させ、分離されたオイルは、オイル分離室32の底部に形成されたオイル流出孔36からオイル流出通路37を介してオイル分離室32の下方に設けられた貯留部38に貯められるようになっている。
リアヘッド3、バルブプレート2、及びシリンダブロック1には、貯留部38の下部からクランク室6にかけて戻し通路40が設けられている。この戻し通路40には、絞り部41が設けられており、貯留部38に溜められたオイルを絞り部41を介してクランク室6へ戻すようにしている。したがって、吐出室26とクランク室6とは、絞り部41を介して常時連通している。ここで、絞り部41の通路面積は、φ0.1mm〜φ0.4mm相当とすることが望ましい。φ0.1mm相当より小さい場合は、分離したオイルがクランク室6に十分に戻らず貯留部38からあふれ出て圧縮機外に流出する虞が大きくなり、φ0.4mm相当より大きい場合は、分離したオイルが全てクランク室に流れ込みさらに吐出ガスがクランク室に吹き抜けてしまう虞が大きくなる。
さらに、圧縮機には、図2にも示されるように、吐出室26とクランク室6とを連通する給気通路50と、クランク室6と吸入室25とを連通する抽気通路51とが形成され、給気通路50上には、この通路の連通開度を調節する第1の弁部52が設けられ、また、抽気通路上には、この通路の連通開度を調節する第2の弁部53が設けられている。
この例において第1の弁部52と第2の弁部53とは、一体化された制御弁54として構成されており、例えば、特開2002−70731号公報に示されるような構成とすることが可能である。このような一体化された制御弁54は、リアヘッド3に設けられた制御弁装着孔55に取り付けられている。
第1の弁部52と第2の弁部53は、熱負荷の変動に基づいて作動する。熱負荷の変動を弁部の開度に変換する方法として、圧縮機の吸入圧力を制御弁54内部に内蔵したベローズ等の感圧部材により検出して弁部に伝えても良いし、蒸発器の温度を検出し、コンピュータで演算した電流値に基づきソレノイドにより弁部を電気的に駆動してもよい。ここで、熱負荷は、例えば冷凍サイクルの蒸発器の温度または圧力で代用しても、圧縮機の吸入圧力または吐出圧力と吸入圧力の圧力差、車室内温度などで代用してもよい。
給気通路50は、リアヘッド3に形成された吐出室26と第1の弁部52とを連通する第1通路50aと、第1の弁部52と前記戻し通路40の絞り部41より下流側とを連通する第2通路50bと、前記戻し通路40とによって構成されている。また、抽気通路51は、フロントヘッド4に形成されて前記シール部材12とラジアル軸受13との間に画成されたシャフトシール室56とクランク室6とを連通する第3通路51aと、駆動軸7に穿設されてシャフトシール室56とシリンダブロック1の支持孔15とを連通する第4通路51bと、バルブプレート2に形成された貫通孔51cと、リアヘッド3に形成されて前記貫通孔51cと第2の弁部53とを連通する第5通路51dと、第2の弁部53と吸入室25とを連通する第6通路51eとによって構成されている。したがって、給気通路50は絞り部41をバイパスして吐出室26とクランク室6とを連通するように設けられ、また、給気通路50の入口は、貯留部38及びオイルセパレータ30の上流側に連通されており、第1の弁部52は、オイルセパレータ30及び貯留部38の上流側に連通し、絞り部42は、オイルセパレータ30及び貯留部38の下流側に連通している。
そして、第1及び第2の弁部52,53の開度を調節することで、クランク室圧を制御して斜板21の傾動角度を調節し、ピストンストロークを変化させて吐出容量を制御するようにしている。即ち、ピストンストロークは、ピストンの背面にかかる圧力、即ちクランク室24内の圧力(クランク室圧Pc)と、ピストン31の前面にかかる吸入冷媒圧力、即ち吸入室25の圧力(吸入室圧Ps)との差に基づき、斜板30の傾斜角度(揺動角度)を調節することで決定されるもので、クランク室24内の圧力を高くすれば、クランク室6と吸入室25との差圧が大きくなるため、斜板30の傾斜角度(揺動角度)が小さくなり、ピストントロークが小さくなって吐出容量が少なくなる。逆に、クランク室24の圧力を低くすれば、クランク室24と吸入室25との差圧が小さくなるため、斜板30の傾斜角度(揺動角度)が大きくなり、ピストンストロークが大きくなって吐出容量が多くなる。
また、上述のような構成において、第1の弁部52が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、前記第2の弁部53を閉鎖方向に作動させるようにしている。
このような構成としては、第1の弁部52が開方向に作動するのに伴い、その全範囲に亘って、図3(a)に示されるように第2の弁部53を閉鎖方向に連動して作動させるようにしても、図3(b)に示されるように第1の弁部52が開方向に作動する一部の区間において第2の弁部53を閉鎖方向に作動させ、残りの区間においては、第2の弁部53の開度を固定するものであってもよい。
したがって、給気通路50の連通開度を調節する第1の弁部52が開放方向に作動する過程の少なくとも一部において、抽気通路51の連通開度を調節する第2の弁部53を閉鎖方向に作動させるようにしたので、低負荷時において第1の弁部52を開放方向に作動させて圧縮機の吐出容量を減少させようとする場合には、抽気通路51の連通開度が小さくなって第1の弁部52からのガス供給と絞り部41からのオイル供給とによりクランク室圧を十分に上昇させることが可能となる。また、このような低負荷時においては、吐出室とクランク室の圧力差が小さいためにオイルの戻り量が少なくなるが、給気通路50とは別に吐出室26とクランク室6とを常時連通する絞り部41が設けられているので、絞り部41は、貯留部38内のオイルがあふれ、システム側に流出しない最適な大きさに設定することが可能となる。このため、分離したオイルがシステム側に流出して冷房効率を悪化させる不都合がなくなる。
また、図3(c)に示すように、第1の弁部52が開放している全範囲に亘って第2の弁部53を一定の開度に固定し、第1の弁部52が閉鎖したのちに第2の弁部53を開放方向に作動させるようにしてもよい。
特にこの作動特性を採用した場合は、吐出室とクランク室の圧力差が大きい高負荷時において、分離したオイルが貯留部38から全てクランク室6に流れ込み、さらに大量のガスが絞り部41を吹き抜けてクランク室6に供給されたとしても、第2の弁部53により抽気通路51の連通開度が大きく開放されるので、クランク室のガスを速やかに吸入室25に逃がして、クランク室圧を十分に低下させることが可能となる。このため、圧縮機を最大容量まで制御することが可能となり、広範囲に亘って圧縮機の容量を制御することが可能となる。
さらに、上述の構成においては、低負荷時において、第2の弁部の連通開度を小さく設定できるので、抽気量を従来よりも少なくすることが可能となり、圧縮機内部を循環する無駄なガス量を減らすことが可能となる。
また、上述の例においては、オイルセパレータ30や貯留部38の上流側に給気通路50の入口を連通させ、オイルセパレータ30や貯留部38の下流側に絞り部41を連通させるようにしたので、絞り部41にオイルを優先的に供給し、第1の弁部52に吐出ガスのみを供給することができ、安定してクランク室圧力を制御することが可能となる。
尚、上述の構成においては、給気通路50の連通状態を調節する第1の弁部52と、抽気通路51の連通状態を調節する第2の弁部53とを1つの制御弁54として一体化したので、既存の容量制御弁の構成を利用することが可能となり、また、装着スペースを大きくとる必要もなくなる。
図4及び図5に本発明に係る可変斜板式圧縮機の他の構成例が示されており、以下、上述の構成と異なる点を中心に説明すると、この例においては、第1の弁部52と第2の弁部53とは別体をなしており、第1の弁部52は給気通路制御弁60としてリアヘッド3に設けられた第1の制御弁装着孔57に収容され、第2の弁部53は抽気通路制御弁61としてリアヘッド3に設けられた第2の制御弁装着孔58に収容されている。
そして、第1の弁部52は、給気通路50を構成する前述した第1通路50aと第2通路50bとに接続され、第2の弁部53は、抽気通路51を構成する前述した第5通路51dと第6通路51eとに接続されている。
また、この例においても、前記構成例と同様に、図3(a)や図3(b)に示されるように、第1の弁部52が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、前記第2の弁部53を閉鎖方向に作動させるようにしても、図3(c)に示されるように、第1の弁部52が開放している全範囲に亘って第2の弁部53を一定の開度に固定し、第1の弁部52が閉鎖したのちに第2の弁部53を開放方向に作動させるようにしてもよい。
尚、他の構成は前記構成例と同様であるので、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
このような構成においても、前記構成例と同様に、絞り部41をオイルがシステム側に流出しない最適な大きさに設定することが可能となり、高負荷時において圧縮機を最大容量まで制御することが可能になると共に、低負荷時においてクランク圧を十分に上昇させることが可能となり、広範囲に亘って圧縮機の容量を制御することが可能となる。また、抽気量を従来よりも少なくすることができるので、圧縮機内部を無駄に循環するガス量を減らすことが可能となり、さらには、第1の弁部52の設定をオイルに依存することなく行なうことが可能となるので、安定してクランク室圧力を制御することが可能となる。
尚、この例においては、給気通路50の連通状態を調節する第1の弁部52と、抽気通路51の連通状態を調節する第2の弁部53とを別々の制御弁として構成したので、互いの開度特性のチューニングを容易に行なうことが可能となる。
図1は、本発明に係る可変斜板式圧縮機の実施形態を示す断面図であり、第1の弁部と第2の弁部とを一体化した構成例を示す。 図2は、図1に示す圧縮機の構成を模式的に表した図である。 図3は、第1の弁部の開度と第2の弁部の開度との関係を示す特性線図であり、(a)は第1の弁部52が開方向に作動する全範囲に亘って第2の弁部53を閉鎖方向に連動して作動させるようにした場合であり、(b)は第1の弁部52が開方向に作動する一部の区間において第2の弁部53を閉鎖方向に作動させ、残りの区間においては、第2の弁部53の開度を固定するようにした場合であり、(c)は第1の弁部52が開放している全範囲に亘って第2の弁部53を一定の開度に固定し、第1の弁部52が閉鎖したのちに第2の弁部53を開放方向に作動させるようにした場合である。 図4は、本発明に係る可変斜板式圧縮機の他の実施形態を示す断面図であり、第1の弁部と第2の弁部とを別体にした構成例を示す。 図5は、図4に示す圧縮機の構成を模式的に表した図である。 図6は、従来の圧縮機の構成を模式的に表した図である。
符号の説明
6 クランク室
7 駆動軸
16 シリンダボア
17 ピストン
21 斜板
25 吸入室
26 吐出室
30 オイルセパレータ
38 貯留部
41 絞り部
50 給気通路
51 抽気通路
52 第1の弁部
53 第2の弁部
54 制御弁

Claims (6)

  1. 熱負荷の変動下で動作する冷凍サイクル装置に用いられ、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記クランク室に配されて前記駆動軸の回転に同期して回転する斜板と、前記斜板の回転に伴いシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記クランク室と前記吸入室との圧力差に基づき前記斜板の傾斜角を変更して吐出容量を制御する可変容量型圧縮機において、
    前記吐出室と前記クランク室とを常時連通する絞り部と、
    前記絞り部をバイパスして前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、
    前記熱負荷の変動に応じて前記給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、
    前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路と、
    前記熱負荷の変動に応じて前記抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部と
    を備え、
    前記熱負荷の減少に応じて前記第1の弁部が開放方向に作動する少なくとも一部の過程において、前記第2の弁部を閉鎖方向に作動させることを特徴とする可変斜板式圧縮機。
  2. 熱負荷の変動下で動作する冷凍サイクル装置に用いられ、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持された駆動軸と、前記クランク室に配されて前記駆動軸の回転に同期して回転する斜板と、前記斜板の回転に伴いシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記クランク室と前記吸入室との圧力差に基づき前記斜板の傾斜角を変更して吐出容量を制御する可変容量型圧縮機において、
    前記吐出室と前記クランク室とを常時連通する絞り部と、
    前記絞り部をバイパスして前記吐出室と前記クランク室とを連通する給気通路と、
    前記熱負荷の変動に応じて前記給気通路の連通開度を調節する第1の弁部と、
    前記クランク室と前記吸入室とを連通する抽気通路と、
    前記熱負荷の変動に応じて前記抽気通路の連通開度を調節する第2の弁部と
    を備え、
    前記熱負荷の増加に応じて少なくとも前記第1の弁部が連通開度を閉鎖したのちに前記第2の弁部が連通開度を開放方向に作動することを特徴とする可変斜板圧縮機。
  3. 前記吐出室を含む高圧領域にオイル分離機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の可変斜板式圧縮機。
  4. 前記第1の弁部と前記第2の弁部は一体化されていることを特徴とする請求項1又は2記載の可変斜板式圧縮機。
  5. 前記第1の弁部と前記第2の弁部は別体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の可変斜板式圧縮機。
  6. 前記オイル分離機構で分離したオイルを貯留する貯留部を備え、前記貯留部の上流側に前記給気通路の入口を連通させ、前記貯留部の下流側に前記絞り部を連通させたことを特徴とする請求項3記載の可変斜板式圧縮機。
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