JP2006176855A - 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法 - Google Patents

熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006176855A
JP2006176855A JP2004373211A JP2004373211A JP2006176855A JP 2006176855 A JP2006176855 A JP 2006176855A JP 2004373211 A JP2004373211 A JP 2004373211A JP 2004373211 A JP2004373211 A JP 2004373211A JP 2006176855 A JP2006176855 A JP 2006176855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
fluoride
treatment
fin material
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004373211A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Saikawa
正彦 斉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2004373211A priority Critical patent/JP2006176855A/ja
Publication of JP2006176855A publication Critical patent/JP2006176855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F21/00Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
    • F28F21/08Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
    • F28F21/081Heat exchange elements made from metals or metal alloys
    • F28F21/084Heat exchange elements made from metals or metal alloys from aluminium or aluminium alloys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/02Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
    • F28F19/06Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings of metal
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2245/00Coatings; Surface treatments
    • F28F2245/02Coatings; Surface treatments hydrophilic

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】本発明により耐食性及び親水性に優れた、熱交換器用アルミニウムフィン材を、簡便で且つ環境保全の面から問題のない親水化処理によって製造する方法を提供することである。
【解決手段】粗面化処理が施されたアルミニウム基材に周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を作用させることにより金属酸化物層を前記基材上に形成させることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法に関するものであり、詳細には該フィン材の親水化処理に関する。
熱交換器は、ルームエアコン、パッケージエアコン、冷凍ショーケース、冷蔵庫、オイルクーラあるいはラジエータなどを代表として種々の分野に利用されている。熱交換器には、熱交換用のフィンが取り付けられているが、このフィンに使用される材料(フィン材)は、熱伝導性及び加工性が優れるなどの理由によりアルミニウムが使用されている。通常、このアルミニウムよりなるフィン材は、腐食により熱交換特性が低下するのを防止するためと、同時に、冷房運転時にフィンに凝縮した凝縮水が、密に設けられたフィン同士の隙間に留まることを防止するために、水滴落下性を向上させたり、水滴が水膜状に落下するように、親水性を向上させる表面処理をフィン材に施している。フィン同士の隙間に凝縮水が留まると送風時の抵抗が大きくなり、フィンが腐食した場合と同様、熱交換特性が低下するからである。
アルミニウム表面を親水化する方法としてはアルミニウム表面をベーマイト化する方法、水ガラスやシリカなど親水性の物質を含有する塗料を塗布する方法、水溶性ポリマー層を形成する方法などが知られているが、これらの方法によりアルミニウム表面に直接親水化層を形成した場合に、強い腐食環境では数ヶ月でアルミニウムが腐食されてしまう。係る腐食を防止するために親水化処理の下地処理としてアルミニウム基材をクロメート処理する方法が広く行われているが、クロメート処理に用いられるクロムイオンは極めて有害な金属イオンであるために環境保全の面から問題があった。
クロムイオンを用いない下地処理法として、例えば特開平9−20984号公報(特許文献1)等にはリン酸イオン、チタン化合物、フッ化物及び促進剤を含むアルミニウム表面処理組成物を用いる方法が、提案されている。しかし、上記文献には係るアルミニウム表面処理組成物を粗面化処理が施されたアルミニウム基材に対して適用することについては開示されておらず、単にアルミニウム基材を脱脂、水洗した後に上記表面処理液で表面処理を行っても、熱交換器用アルミニウムフィン材として用いるには十分な耐食性も、親水性も得られなかった。
特開2000−283695号公報(特許文献2)には、所定間隔の凹凸を有する無機酸化物の下地を形成した上や粗面化したアルミニウム基板の上に酸化チタンゾル液を塗布する方法が提案されている。同公報中で凹凸を有する無機酸化物をアルミニウム表面に形成する方法としては特許1769978号公報に記載の珪酸ソーダを用いる方法やベーマイト処理をする方法が記載されており、また、粗面化の方法として表面に凹凸を有する型材などを押しつけることにより凹凸を形成する方法が記載されている。同公報は、酸化チタンが紫外線の照射により表面が親水化されるという、酸化チタンの光触媒作用を利用している。しかし、上記方法は、アルミニウム基材表面に凹凸を形成することによって単に、酸化チタン塗膜表面の凹凸を増やして表面の濡れ性を向上させること及び、上記光触媒作用とにより親水性を向上させることを意図したものである。しかし、ケイ酸ソーダ処理やベーマイト処理により形成される酸化物層は脆弱な構造でありアルミニウム基材と酸化チタンゾル液を塗布することによって形成された酸化チタン皮膜の間に強い接着性が得られない。また、表面に凹凸を有する型材などを押しつけることにより形成された粗面は、基材の表面と垂直な方向に加わる引っ張り応力に対して弱く、上記のケイ酸ソーダ処理やベーマイト処理チタンゾル液場合と同様に酸化チタン皮膜は容易に剥がれてしまうものであった。また、上記方法により凹凸を形成したアルミニウム基材に、周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を作用させることにより金属酸化物層を形成することにより作製されたアルミニウムフィン材は何れも、親水性と耐食性の点で本発明のアルミニウムフィン材に劣るものであった。
特開2002−241963号公報(特許文献3)にはアルミニウムまたはアルミニウム合金製のフィン材表面に、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマー及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と反応させて得られるチタンを含む水性液と特定のチタンのハロゲン化物及びその塩、ジルコニウムのハロゲン化物及びその塩から選ばれる少なくとも1種の金属ハロゲン化物とを含有する下地処理剤の皮膜を形成し、さらにその上に親水性皮膜形成性有機樹脂とチタンのハロゲン化物及びその塩、ジルコニウムのハロゲン化物及びその塩から選ばれる少なくとも1種の金属ハロゲン化物とを含有する親水化処理剤の皮膜を形成する方法が提案されている。しかし、上記文献には粗面化処理が施されたアルミニウム基材に対して上記方法を適用することについては開示されておらず、フィン材の加工時に、折り曲げ等の機械的な負荷が加わると、耐食性が低下するという問題があった。また、下地処理剤の製造過程で過酸化水素水が用いられている為に、活性酸素等の人体に有害なガスが発生するという問題があった。
特開平9−20984号公報、第1頁〜第5頁 特開2000−283695号公報、第1頁〜第5頁 特開2002−241963号公報
本発明の目的は耐食性及び親水性に優れた、熱交換器用アルミニウムフィン材を、簡便で且つ環境保全の面から問題のない親水化処理によって製造する方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の発明により達成された。
1)粗面化処理が施されたアルミニウム基材に周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を作用させることにより金属酸化物層を前記基材上に形成させることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法。
2)前記粗面化処理が電解粗面化処理工程を含む処理である請求項1に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法。
本発明により耐食性及び親水性に優れた、熱交換器用アルミニウムフィン材を、簡便で且つ環境保全の面から問題のない親水化処理によって製造する方法が得られた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミニウムフィン材は、粗面化処理が施されたアルミニウム基材を周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を含有する処理液でフッ化物を捕捉する物質(フッ素捕捉剤)と共に処理して金属酸化物が該基板表面に形成させることにより該金属酸化物の光触媒活性による親水性の向上と金属酸化物層自身のアルミニウム表面への強固な隠蔽力とを利用して上記課題を解決したものである。本発明においては、アルミニウム基材自体が、フッ素捕捉剤として作用し、IIa及びIIb族金属のフッ化物を作用させる場合には下記反応式(1−1)と(2)により、またIVa族金属のフッ化物を作用させる場合には下記反応式(1−2)と(2)により金属酸化物層が形成される。
MF+HO → MO+2H+2F (1−1)
MF 2−+2HO → MO+4HF+2F (1−2)
Al+12F+12H → 2HAlF+3HO (2)
ここで、Mは周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素を表し、具体的にはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛である。これらの金属元素のフッ化物の例として、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化チタンカリウム(KTiF)、フッ化チタンナトリウム(NaTiF)、フッ化チタンアンモニウム((NHTiF)、フッ化ジルコニウムカリウム(KZrF)、フッ化ハフニウム(HfF)、フッ化亜鉛4水和物(ZnF・4HO)などである。特に好ましい金属元素はチタン、ジルコニウムであり、これらのフッ化物としてはフッ化チタンのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、フッ化ジルコニウムのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が好ましい。本発明の金属元素のフッ化物は単独で用いることも組み合わせて用いる事も出来る。
また、前記したように、本発明はアルミニウム基材自身がフッ素捕捉剤として作用して金属酸化物層が形成されるので、それ以外のフッ素捕捉剤を格別に用いる必要はないが、再公表特許WO98/11020号公報に記載の均一捕捉剤、例えば、ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素などのホウ素化合物、塩化アルミニウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水等が、また、不均一捕捉剤、例えば、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、マグネシウム、銅、亜鉛、ゲルマニウムなどの金属、ガラスなどのセラミックス、ケイ素、オルソホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素などのホウ素化合物、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどを金属フッ化物の溶液中に更に加えることもできる。
本発明のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物は水溶液として浸漬方式、塗布方式等の様々な方式によりアルミニウム基材に作用させることが出来る。また、例えば上記特開2002−241963号公報中の下地処理剤と親水化処理剤の如く、本発明の同一あるいは異なる組成のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物水溶液を連続または断続的に複数回にわたってアルミニウム基材に作用させることも出来る。
本発明のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物の好ましい使用量はフッ化物の種類や、フッ化物を作用させる時間、温度等や、アルミニウム基材の表面積等により変化するが、1×10―5モル/L〜2×10−1モル/Lの範囲、より好ましくは5×10−4〜5×10−2モル/Lの範囲である。
本発明のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を作用させることにより形成される金属酸化物層の好ましい付着量は、アルミニウム基材の粗面化の程度や金属元素の種類により異なるが、好ましくは50mg/m〜5g/mの範囲であり、より好ましくは100mg/m〜2.5g/mの範囲である。
本発明のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物溶液は、該金属フッ化物や液中に生成した金属酸化物の凝集、沈殿等を防止する為に水溶性ポリマー、リン酸化合物、あるいは界面活性剤等を用いることができる。
本発明に適した水溶性ポリマーとしてカルボン酸、アミド、スルホン酸などの親水基を有するポリマーが好ましい。具体的として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニールマイレイン酸コポリマー類、スチレン−マイレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N―メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
水溶性ポリマーは該水溶性ポリマーの分子量などにより様々に変化するが、0.01g/L〜100g/Lの範囲、好ましくは0.1g〜50g/Lの範囲で用いる事が好ましい。
本発明のリン酸化合物とはリン酸HPO、リン酸二水素ナトリウムNaHPO・2HO、リン酸二水素アンモニウムNHPO、リン酸水素二ナトリウムNaHPO・12HO、リン酸一水素カルシウムCaHPO・2HO、リン酸三ナトリウムNaPO・12HO、ピロリン酸ナトリウムNa・10HO、ピロリン酸二水素二ナトリウムNa、ホスフィン酸ナトリウムNaHPO・HO、ヘキサメタリン酸ナトリウム(NaPO、メタリン酸水素ナトリウム(酸性メタリン酸ソーダ)NaxHy(PO)x+y NaO/P(モル比)<1、等が挙げられる。特に好ましいリン酸の使用形態はヘキサメタリン酸水素ナトリウムやメタリン酸水素ナトリウムの様な高分子縮合リン酸塩とリン酸二水素ナトリウムNaHPO・2HO、リン酸水素二ナトリウムNaHPO・12HO、等の未縮合のリン酸塩と共に用いる場合である。
リン酸化合物の使用量は、0.1g/L〜50g/Lの範囲、好ましくは0.5g/L〜20g/Lの範囲である。また本発明のフッ化物溶液のpHは2〜10の範囲、好ましくは3〜8の範囲である。
本発明のフッ化物溶液に用いるのに適した界面活性剤として、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、あるいはアニオン系界面活性剤が挙げられ、これら各種の活性剤を単独または併用で使用できる。アニオン系界面活性剤としてはアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩などが挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、C〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C〜C25アルキルナフトール、C〜C25アルコキシリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/またはプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加重合させたものなどが挙げられる。
本発明に用いられる基材は、粗面化されたアルミニウム基材である。アルミニウム基材表面の粗面化の程度は、中心線平均粗さRaで0.1μm以上であるのが好ましい。ここで、中心線平均粗さRaは、以下の方法で測定されたものである。
即ち、触針式粗さ計(例えば、サーフコム1400D、株式会社東京精密製)で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均粗さを6回測定し、その平均値を中心線平均粗さとした。2次元粗さ測定の条件は、カットオフ値0.8mm、側定長さ4mm、触針先端径2μmである。
本発明において、より高い親水性を得るためには、粗面化されたアルミニウム表面のRaは、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。また、Raを大きくすることによって、比較的高濃度の金属フッ化物溶液を作用させても、金属酸化物粒子の粗大化が抑制されるので、金属酸化物微粒子を速い生成速度で形成することができる。アルミニウム表面のRaの上限は5μm程度であり、好ましくは3μm以下であり、より好ましくは2μm以下である。
本発明において、アルミニウム表面は0.1μm以上というRaに加え、更に、開口径が0.01μm〜0.30μmの微細ピットが形成されるように粗面化するのが好ましい。上記微細ピットは、100μm当たり50個以上有することが好ましく、更に好ましくは100個以上であり、上限は15,000個までが好ましい。また該微細ピットの平均開口径が0.03μm〜0.2μmであることが好ましく、更には微細ピットの深さは開口径の1/3以上であることがより好ましい。微細ピットの中心深さは、ピットの開口径に対して1/2〜3倍程度が好ましい。これらの微細ピットの形状、開口径、深さについては走査型電子顕微鏡やトンネル顕微鏡を用いて50,000倍位の倍率の拡大写真により容易に確認することが出来る。
図1に、本発明に好適に用いられる粗面化されたアルミニウム表面の形状を模式的に示す。図1aは断面図であり、図1bは平面図である。このアルミニウム表面の形状は、大波構造1と微細ピット2とが重畳した構造となっている。大波構造は、その平均波長が3〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましい。この平均波長は、前述のRaと同様の方法で測定することができ、ISO4287で規定されている平均山間隔Smを6回測定し、その平均値を平均波長とする。
微細ピットの開口径等については前述した通りである。
本発明のアルミニウムとはアルミニウム含有率が99.0%以上のJIS規格1000番台の純アルミニウム及び銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛等の添加物や不純物を含むアルミニウム含有率が99.0%以下であるJIS規格2000〜7000番台等の種々のアルミニウム合金等を意味する。
本発明のアルミニウム表面の粗面化(いわゆるグレイニング)方法としてボールグレイニング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング、などの機械的粗面化処理、酸処理やアルカリ処理、塩化物やフッ化物などによる化学的にアルミニウム表面を溶解する化学的粗面化処理、酸を電解液として交流電場を通じることによるアルミを電気化学的に溶解する電解粗面化処理などの方法、及びこれらの方法を併用した粗面化方法を用いることが出来る。例えば特開昭48−28123号、同53−123204号、同54−146234号、同55−25381、同55−132294号、同56−55291号、同56−150593号、同56−28893号、同58−167196号、米国特許第2,344,510号、同第3,861,917号、同第4,301,229号、米国特許第2,344,510号、米国特許第4,301,229号、米国特許第3,861,917号、カナダ特許第955449号は、西ドイツ特許第1,813,443号、特開平7−56344号公報などに記載されている様な粗面化の方法等を参考にすることが出来るが、特に好ましい方法は電解粗面化処理であるが、電解粗面化処理と他の粗面化処理、例えば機械的粗面化処理や化学的粗面化処理と組み合わせる方法も好ましい。
電解粗面化処理の好ましい方法として、例えば、塩酸または硝酸の電解液中で電解粗面化する方法が挙げられ、電気量は、100〜400C/dm2の範囲が好ましい。具体的には、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜10質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜100℃、好ましくは30〜70℃、時間1秒〜30分、好ましくは2秒〜1分、 電流密度100〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好ましい。
本発明において、アルミニウム表面を粗面化するための好ましい粗面化方法は、電解粗面化処理工程を含む粗面化処理であり、電解粗面化処理工程のみの粗面化処理を行うことも出来るが、電解粗面化処理と機械的粗面化処理を併用することが最も好ましい。これによって、大波構造と微細ピットが重畳した複合構造を低コストで安定的に形成することができる。
上述したような粗面化処理の後に、表面に残留する汚れを除去するために酸またはアルカリによりアルミニウム表面を洗浄した後、水洗、乾燥される。また、水洗後に陽極酸化処理を施すことも出来る。陽極酸化処理には、硫酸、リン酸、シュウ酸、等の水溶液が主に電解浴として用いられる。陽極酸化後、水洗、乾燥される。
上述したような、粗面化されたアルミニウム基材を金属フッ化物で処理することによって、アルミニウム表面に金属酸化物の微粒子(微結晶)が途切れなく重なりあった金属酸化物層が形成される。図2は、金属酸化物層の生成状態を模式的に示した図である。図2aは断面図であり、図2bは平面図である。アルミニウム表面に金属酸化物の微粒子(微結晶)3が密に生成し、金属酸化物層4を形成する。
図3は、本発明の方法によってアルミニウム表面に形成された酸化チタン微粒子(微結晶)の走査電子顕微鏡写真である。倍率は30,000倍である。写真からも分かるように、0.01〜0.3μm程度の大きさのアナターゼ構造の酸化チタン微結晶が隙間無く緻密に重なりあって層を形成している。酸化チタンの微結晶が微細ピットの内部に形成されて投錨的効果を有し、しかもその微結晶が連続した緻密な親水性の層を形成してアルミニウム基板に接着しているため、優れた親水性と共に、高い耐食性、接着性を示すものと考えられる。
以下に本発明を実施例により説明する。尚、%は質量%を表す。
(実施例1)
幅300mm、厚み0.2mmのJIS―A1100のアルミニウムコイル(A)をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いて機械粗面化し、60℃4%の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬、水洗した後、表1に示す電解液中に40A・dm、60Hzの単層交流電流を30秒間流して電解粗面化し、水洗し、50℃10%リン酸を含む溶液に20秒浸漬してデスマットし、水洗、乾燥して本発明のアルミニウムコイル(1)、(2)を作製した。コイルの搬送速度は3m/分である。また、アルミコイル(A)を機械粗面化を行わずに表1に示す電解液中で電解粗面化のみを行い本発明のアルミニウムコイル(3)を作製した。また、アルミニウムコイル(A)をそのまま用いたものを比較のアルミコイル(1)とした。
また、アルミニウムコイル(A)を60℃4%の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬、水洗した後、80℃の純水に10分間浸漬してベーマイト処理により、平均間隔0.05μmの微細な凹凸を有する厚み0.12μmのベーマイト層を形成し、比較のアルミニウムコイル(2)とした。
また、アルミニウムコイル(A)を60℃の水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬、水洗した後、下記のケイ酸塩処理液で30℃で30秒間処理した後、純水で水洗し、平均間隔0.8μmの微細な凹凸を有する厚み0.08μmのシリカ(SiO)の層を形成し、比較のアルミニウムコイル(3)とした。
(ケイ酸塩処理液)
ケイ酸ソーダ4号 300g
ポリアクリル酸(重合度400) 100g
純水を加えて全量10Lとする。
上記本発明のアルミニウムコイル(1)〜(3)及び比較例(1)〜(3)を、100mm×100mmに切断して試験シートとした。このシートを25℃で下記のフッ化物溶液(i)に5分から60分間浸漬して0.5g/mの酸化チタンをアルミニウムシート表面に形成した後、水洗、乾燥し、本発明の試験シート(1)〜(3)及び比較の試験シート(1)〜(3)を作製した。
フッ化物溶液(i)
フッ化チタンカリウム 0.05モル
アラビアゴム2g
リン酸二水素ナトリウム 2g
メタリン酸水素ナトリウム 10g
全量1,000mlとし、水酸化ナトリウムを加えてpH5.0に調整した。
(比較例4〜6)
本発明のアルミニウムコイル(2)、前記のベーマイト処理した比較のアルミニウムコイル(2)及びケイ酸塩処理した比較のアルミニウムコイル(3)に石原産業株式会社製酸化チタンゾル液(ST−K03)を酸化チタンの塗布量が0.5g/mとなる様に塗布、乾燥後100mm×100mmに切断して比較の試験シート(4)〜(6)とした。
上記本発明の試験シート(1)〜(3)及び比較の試験シート(1)〜(6)の耐食性、親水性は下記の方法で実施した。結果を表1に示す。
(耐食性)
耐食性はJIS−Z−2371塩水噴霧試験法に順じた、試験時間240時間での表面の外観で評価した。外観は次の3段階で評価した。
○:表面にサビなどの故障の発生が見られない。
△:僅かにサビなどの故障が生じる。
×:故障が著しく、サビや変色が見られる。
(親水性)
親水性は、各シートを80℃で5分間乾燥した後、注射器で0.03mlの純水を各シートの表面に滴下して水滴を形成し、水滴の接触角を協和界面科学製全自動接触角計CA−W型を用いて接触角を測定することにより評価した。
Figure 2006176855
表1から、粗面化処理、特に電解粗面化処理が施されたアルミニウム基材を用いて作製された本発明の試験シート(1)〜(3)は高い耐食性と親水性を示していることが分かる。一方、粗面化されておらずRaが0.1μmに満たないアルミニウムコイル(A)を用いて作製された比較の試験シート(1)では低い耐食性と親水性しか得られなかった。また、本発明の(1)〜(3)のアルミコイルはいずれもその表面には100μm当たり500〜6,000個の微細ピット(直径0.01μm〜0.3μm)があったが、比較のアルミニウムコイル(1)には微細ピットは見られなかった。また、ベーマイト処理により微細な凹凸を形成した比較のアルミニウムコイル(2)のRaは0.05μmであり、これにフッ化物処理を施して酸化チタンを形成した比較シート(2)は、比較的高い親水性を示すものの耐食性が劣るものであった。また、ケイ酸塩処理により微細な凹凸を形成した比較のアルミニウムコイル(3)のRaは0.01μmであり、これににフッ化物処理を施して酸化チタンを形成した比較シート(3)は良好な親水性を示すものの耐食性に劣るものであった。本発明のアルミニウムコイル(2)、比較のアルミニウムコイル(2)及び(3)に酸化チタンゾルをコートして酸化チタン層を形成した比較シート(4)〜(6)は、いずれも親水性、耐食性とも劣るものであった。
(実施例2)
実施例1のアルミニウムコイル(1)を100mm×100mmに切断した後、25℃で下記のフッ化物水溶液(ii)〜(iv)に浸漬して0.5g/mの金属酸化物を表面に形成した後、水洗、乾燥し、本発明の試験シート(ii)〜(iv)とした。
フッ化物溶液(ii)
フッ化ジルコニウムカリウム 0.05モル
アラビアゴム 2g
リン酸二水素ナトリウム 2g
メタリン酸水素ナトリウム 10g
全量1,000mlとし、水酸化ナトリウムを加えてpH5.0に調整した。
フッ化物溶液(iii)
フッ化チタンカリウム 0.04モル
フッ化マグネシウム 0.01モル
アラビアゴム 2g
リン酸二水素ナトリウム 2g
メタリン酸水素ナトリウム 10g
全量1,000mlとし、水酸化ナトリウムを加えてpH5.0に調整した。
フッ化物溶液(iv)
フッ化チタンカリウム 0.04モル
フッ化カルシウム 0.01モル
カルボキシメチルセルロース 0.5g
リン酸二水素ナトリウム 2g
メタリン酸水素ナトリウム 10g
全量1,000mlとし、水酸化ナトリウムを加えてpH5.0に調整した。
本発明の試験シート(ii)〜(iv)の耐食性及び親水性を、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006176855
表2から分かるように、本発明の各種フッ化物溶液で処理された試験シート(ii)〜(iv)はいずれも高い耐食性及び親水性を有していることが分かる。
粗面化されたアルミニウム表面の形状の模式図。 アルミニウム表面に形成された金属酸化物層の生成状態の模式図。 本発明の方法によりアルミニウム表面に形成された酸化チタン微粒子(微結晶)の走査電子顕微鏡写真。
符号の説明
1 大波構造
2 微細ピット
3 金属酸化物の微粒子
4 金属酸化物層

Claims (2)

  1. 粗面化処理が施されたアルミニウム基材に周期律表のIIa、IIb、IVa族の金属元素のフッ化物を作用させることにより金属酸化物層を前記基材上に形成させることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法。
  2. 前記粗面化処理が電解粗面化処理工程を含む粗面化処理である請求項1に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法。
JP2004373211A 2004-12-24 2004-12-24 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法 Pending JP2006176855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004373211A JP2006176855A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004373211A JP2006176855A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006176855A true JP2006176855A (ja) 2006-07-06

Family

ID=36731220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004373211A Pending JP2006176855A (ja) 2004-12-24 2004-12-24 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006176855A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063281A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Panasonic Corp フィンアンドチューブ型熱交換器およびその製造方法
JP2013249535A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Benteler Automobiltechnik Gmbh 排ガス熱交換器の製造方法
WO2019102915A1 (ja) * 2017-11-24 2019-05-31 三菱アルミニウム株式会社 ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法
US10668500B2 (en) 2014-09-11 2020-06-02 Agency For Science, Technology And Research Amorphous metal oxide films
WO2021199876A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
WO2021199875A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063281A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Panasonic Corp フィンアンドチューブ型熱交換器およびその製造方法
JP2013249535A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Benteler Automobiltechnik Gmbh 排ガス熱交換器の製造方法
US10668500B2 (en) 2014-09-11 2020-06-02 Agency For Science, Technology And Research Amorphous metal oxide films
WO2019102915A1 (ja) * 2017-11-24 2019-05-31 三菱アルミニウム株式会社 ろう付け処理後の親水性に優れるアルミニウムフィン及び熱交換器とその製造方法
WO2021199876A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
WO2021199875A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
JP2021162165A (ja) * 2020-03-30 2021-10-11 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
JP2021162164A (ja) * 2020-03-30 2021-10-11 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
JP7485533B2 (ja) 2020-03-30 2024-05-16 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材
JP7491715B2 (ja) 2020-03-30 2024-05-28 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム製フィン材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05239692A (ja) 隔離層を生成する金属上に、必要に応じて改質した酸化物セラミックス層を作りだす方法と、これから作られる物体
JP2014136832A (ja) 陽極酸化皮膜及びその製造方法
JP5537233B2 (ja) アルミニウム材熱交換器の耐食処理方法
CA1297613C (en) Composition for forming hydrophilic film on aluminum
JP2006176855A (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン材の製造方法
JP4975378B2 (ja) 金属の表面処理液、表面処理方法、表面処理材料
JP2016183390A (ja) 金属多孔質体
HU181155B (en) Method for producing lithographic plates made of aluminium alloy
JP2005097703A (ja) 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム材および該アルミニウム材を用いた熱交換器
JP3383914B2 (ja) 熱交換器用アルミニウムフィン材
CN101008083A (zh) 一种节能式热水器冷凝器的防腐蚀膜层的制备方法
JPH0559591A (ja) アルミニウム合金高温加工体の表面処理方法
JP2019167622A (ja) 金属製部材、熱交換器、空気調和機及び冷蔵庫
CN104999027B (zh) 一种含碳化硅的铝合金铸渗用涂料及利用其制备铸渗涂层的方法
JP2003239085A (ja) 無機皮膜被覆銅又は銅合金部材、銅又は銅合金部材表面への無機皮膜形成方法、給湯器用熱交換器及びその製造方法
CN105014049B (zh) 一种含有三氧化二铝的铝合金铸渗用涂料及利用其制备铸渗涂层的方法
JP2019073749A (ja) 親水化表面処理アルミニウム含有金属材及び熱交換器
JP2008190771A (ja) 耐食性に優れたプレートフィン
JP2006150210A (ja) 光触媒シートの製造方法
JPS5922789B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の化成処理液
Meng et al. Fabrication and performance of composite coating doped with CeO2 nanoparticles by plasma electrolytic oxidation on Cu–Zn alloy surface
CN105014006A (zh) 一种含有二氧化钛的铝合金铸渗用涂料及利用其制备铸渗涂层的方法
JPH10153395A (ja) 親水性が優れた熱交換器用フィン材
JPS6013428B2 (ja) アルミニウム製熱交換器の凝宿面における親水性付与方法
JPS61202772A (ja) 犠性陽極効果およびZn被覆効果を併せもつアルミニウム合金製熱交換器の製造方法