JP2006176381A - 板状体製造装置および板状体製造方法 - Google Patents

板状体製造装置および板状体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 凝固成長速度の均一な板状体製造装置と、その板状体の製造方法を提供する。
【解決手段】 板状シリコン製造装置1では、溶融したシリコン融液7を貯留するための坩堝2を備え、その坩堝2の周囲には、シリコン融液7の温度を維持するための加熱ヒータ3が配設されている。坩堝2は坩堝台6上に載置されて、坩堝昇降用台10によって上下方向に移動される。その坩堝台6の下方には断熱材8が配設されている。坩堝2の上方には、シリコン融液7に浸漬させて板状シリコン20を成長させるための基板12と、その基板12を搬送するための搬送部16が配設されている。坩堝2の開口部の開口端面に複数の縁上加熱ヒータ4が配設されている。縁上加熱ヒータ4と加熱ヒータ3とは制御部5に接続されて所定の温度に設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は板状体製造装置および板状体製造方法に関し、特に、基板を所定の融液に浸漬することにより板状体を製造するための板状体製造装置と、それを用いた板状体製造方法に関するものである。
従来、たとえば太陽電池などに利用される多結晶シリコンウェハは次のように製造される。まず、鋳型に入ったシリコン融液を時間をかけて徐々に冷却することによって多結晶インゴットが製造され、次に、その多結晶インゴットがブロック状に切り分けられ、その後、その切り分けられたブロック状の多結晶インゴットをさらにスライスすることによって多結晶シリコンウェハが製造される。この製造方法では、多結晶インゴットをスライスすることによる生産コストの上昇とシリコンの損失が大きいことが問題とされていた。
このような問題点を解消するために、特許文献1では板状シリコン製造方法が提案されている。この板状シリコン製造方法では、まず、凝固点近傍の低い温度に制御したシリコン融液に基板を浸漬することにより基板上に薄板状のシリコンを成長させ、次に、浸漬させた基板が装置の外部に搬送されて十分に放冷される。その後、成長した薄板状のシリコンを基板から剥離して回収することにより、スライスレスで多結晶シリコンウェハが製造される。このように、当該板状シリコン製造方法では、シリコンをスライスする工程を設ける必要がないことで、生産コストの低減とシリコン損失の低減が図られている。
特許第3463049号公報
しかしながら、従来の板状シリコン製造方法では、次のような問題点があった。上述した板状シリコン製造方法では、シリコンの凝固成長によって板状のシリコンが製造されることになる。そのシリコンの凝固成長速度はシリコン融液の温度に大きく依存し、温度が高いとシリコンの凝固成長速度は遅く、温度が低いとシリコンの凝固成長速度は速くなる傾向にある。そのため、シリコン融液内において温度差(温度分布)が生じると、温度が所定の温度よりも高い部分に位置するシリコンに浸漬された基板の部分ではシリコンの凝固成長速度が遅く、シリコンが凝固しないことがある。一方、温度が所定の温度よりも低い部分に位置するシリコンに浸漬された基板の部分ではシリコンの凝固成長速度が速く、シリコンがデンドライト状に成長してシリコンの板厚の制御が困難になることがあった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的は凝固成長速度の均一な板状体製造装置を提供することであり、他の目的は、そのような凝固成長速度の均一な板状体製造方法を提供することである。
本発明に係る板状体製造装置は、所定の融液に所定の基板を浸漬することによって、基板上に板状体を成長させるための製造装置であって、坩堝と加熱部と制御部とを備えている。坩堝は基板を浸漬するための開口部を有し、所定の融液を貯留する。複数の加熱部は坩堝の開口部の開口端部に配設されている。制御部は、複数の加熱部のそれぞれの温度を制御する。
この構造によれば、坩堝の開口部の開口端部に複数の加熱部が配設され、その加熱部のそれぞれを独立に温度制御することによって、坩堝に貯留される所定の融液の温度のばらつきが低減されて、基板に成長する板状体の凝固成長速度をより一定にすることができる。その結果、板状体の厚さをより均一にすることができる。
その坩堝の形状の一例として、坩堝の開口端部の平面形状が矩形である場合には、矩形の各辺に対応する開口端部のそれぞれの部分に対して、少なくとも1つの加熱部が配設されていることが好ましく、これにより、矩形の坩堝に貯留される融液の温度を均一に保持することができる。
特に、坩堝の開口端部の平面形状が長方形である場合には、長方形の長辺に対応する開口端部の部分には、短辺に対応する開口端部の部分よりも多くの加熱部が配設されることで、融液の温度をより均一に保持することができる。
また、坩堝の開口端部の平面形状が円形である場合には、複数の加熱部のそれぞれは、円周方向に等間隔に配設されていることが好ましく、これにより、矩形の坩堝に貯留される融液の温度をより均一に保持することができる。なお、この明細書でいう矩形や円形は、数学的な矩形や円形を意図するものではなく、一見して矩形や円形とわかる程度の形状をいう。
さらに、板厚の均一な板状体を得るために、所定の基板を融液に浸漬しながら移動させるための搬送部を備えていてもよい。
本発明に係る板状体の製造方法は、所定の融液に所定の基板を浸漬することによって、基板上に板状体を成長させるための板状体の製造方法であって、以下の工程を備えている。所定の融液を貯留する坩堝として、開口端部に複数の加熱部を配設した坩堝を用い、あらかじめ、所定の基板に板状体を形成して板厚分布を測定し、測定された板厚分布に基づいて板状体の膜厚が所定の板厚の範囲内に入るように、複数の加熱部の温度をそれぞれを制御する。
この製造方法によれば、あらかじめ測定された板状体の板厚の分布に基づいて、加熱部のそれぞれを独立に温度制御することによって、坩堝に貯留される融液の温度のばらつきが低減されて、基板に成長する板状体の凝固成長速度をより一定にすることができる。その結果、板状体の厚さを均一にすることができる。
また、板厚のより均一な板状体を得るために、所定の基板を融液に浸漬させながら移動させてもよい。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る板状体製造装置として、板状シリコン製造装置について説明する。図1に示すように、板状シリコン製造装置1では、シリコン融液7を貯留するための坩堝2を備えている。その坩堝2の周囲には、シリコン融液7の温度を維持するための加熱ヒータ3が配設されている。坩堝2は坩堝台6上に載置されて、坩堝昇降用台10によって上下方向に移動される。その坩堝台6の下方には断熱材8が配設されている。坩堝2の上方には、シリコン融液7に浸漬させて板状シリコン20を成長させるための基板12と、その基板12をたとえば矢印31に示すように搬送するための搬送部16が配設されている。基板12は基板固定軸14によって搬送部16と接続されている。
そして、この板状シリコン製造装置1では、坩堝2の開口部の開口端面に複数の縁上加熱ヒータ4が配設されている。縁上加熱ヒータ4と加熱ヒータ4とは制御部5に接続されて所定の温度に設定される。上述した坩堝2を含む各部材は、密閉性の良好なチャンバー(図示せず)内に配設されている。板状シリコンを製造する際には、そのチャンバー内は、真空排気された後に不活性ガスで置換される。不活性ガスとして、たとえばアルゴン、ヘリウムなどを使用することができるが、コストを考慮すると、アルゴンがより好ましい。また、酸素成分を含むガスを用いると、板状シリコン20としてシリコンの酸化物が生成したり、基板12の表面やチャンバーの壁面にシリコンの酸化物が付着するため、酸素成分はできる限り除去する必要がある。
次に、板状シリコン製造装置1における坩堝2と縁上加熱ヒータ4の配設の態様について説明する。まず、図2に示すように、開口部の形状が円形の坩堝2の場合を例に挙げて説明する。この場合、坩堝2の縁上にたとえば8つの縁上加熱ヒータ4a〜4hが、開口部の中心に対して対称になるように配設されており、特に、円周方向の等間隔に各縁上加熱ヒータ4a〜4hが配設されている。8つの縁上加熱ヒータ4a〜4hのそれぞれは制御部5に接続されて、個々に出力を調節することによって、縁上加熱ヒータ4a〜4hの表面温度が制御されることになる。
次に、図3に示すように、開口部の形状が矩形の坩堝2の場合を例に挙げて説明する。この場合、坩堝2における2つの短辺に対応する縁上の略中央付近に縁上加熱ヒータ4a,4dがそれぞれ配設されている。また、2つの長辺に対応する縁上には、それぞれ2つの縁上加熱ヒータ4b,4cと縁上加熱ヒータ4e,4fが配設されている。
上述した板状シリコンの製造装置1では、坩堝2の開口部の開口端面に複数の縁上加熱ヒータ4が配設され、その縁上加熱ヒータ4のそれぞれを独立に温度制御することによって、後述するように、坩堝2に貯留されるシリコン融液7の温度のばらつきが低減されて、基板12に成長する板状シリコンの凝固成長速度をより一定にすることができる。その結果、板状シリコン20の厚さをより均一にすることができる。
なお、上述した坩堝2と縁上加熱ヒータ4の配設の態様は一例であって、これに限定されるものではなく、坩堝として用途等に応じてさまざまな開口形状の坩堝を適用することができ、その形状に応じ、シリコン融液7の温度を均一にするための縁上加熱ヒータを開口端面をはじめ、開口端部の所定の位置に配設することができる。
実施の形態2
本発明の実施の形態2として、上述した板状シリコン製造装置による板状シリコンの製造方法について説明する。まず、板状シリコンの比抵抗が所望の濃度になるようにボロンの濃度を調整したシリコンの塊が、高純度黒鉛製の坩堝2に一杯になるまで充填される。次に、チャンバー内の真空引きを行ない、チャンバー内が所定の圧力にまで減圧される。その後、チャンバー内にアルゴン(Ar)ガスが導入され、以後、たとえば流量10L/minでチャンバーの上部からアルゴンガスを常時供給する状態とされる。このようにアルゴンガスを常時供給しつづけるのは、酸素を排除して清浄なシリコン湯面(シリコン融液の液面)を得るためである。
次に、シリコンを溶融するための加熱ヒーター3の温度が1500℃に設定されて、坩堝2内のシリコンの塊が溶融され、図1に示すように、坩堝2内にシリコン融液7が貯留される。このとき、シリコンの塊が溶融することによって溶融したシリコン融液の湯面が下がるため、シリコンの湯面の位置が、たとえば坩堝2の開口端面から約1cm下の位置になるようにシリコン粉末をシリコン融液7に投入する。
その後、シリコン融液7の温度(融液温度)が1410℃に設定されて、融液温度の安定化が図られる。次に、坩堝昇降用台10を上昇させることにより、坩堝2が所定の位置に配置される。このとき、シリコン融液の温度は、1410℃以上、1500℃以下が好ましい。これは、シリコンの融点が1410℃付近であるため、1410℃以下に設定すると、坩堝2の壁面から徐々にシリコン湯面が固まってくるためであり、一方、1500℃以上に設定すると、板状シリコンの成長速度が遅くなり、生産性が阻害されて好ましくないからである。なお、シリコン融液7は熱による対流が存在するために、長時間の板状シリコンの生産が行なわれない場合には、温度を1410℃に設定することも可能である。
次に、基板1に板状シリコン20を成長させる。このとき、搬送部16によって基板12を矢印31に示す方向に移動させながら、基板12における板状シリコンを成長させる所定の成長面をシリコン融液7に接触あるいは浸漬させる。基板12の成長面がシリコン融液7に接触あるいは浸漬することで、基板12の成長面にはシリコンが凝固成長して板状シリコン20が形成される。
基板12を移動させる際に基板12が描く軌道としては、図1に示すように、基板12の成長面をシリコン融液7に浸漬しながら移動することができる軌道の他に、たとえば、図4に示すような円軌道32や、楕円軌道としてもよい。板状シリコン製造装置1としては、任意の軌道を実現できるような構造とすることが好ましいが、基板12の描く軌道によっては、基板12の成長面の各部分がシリコン融液7における特定の部分にしか浸漬されない状態となることがある。
このことについて、図4に示される円軌道と図5に示される上下軌道を例に挙げて説明する。まず、図4に示される円軌道では、基板12における成長面の各部分は、基板12を搬送しながら浸漬されるため、シリコン融液7において成長面の各部分が浸漬している位置は、基板12の搬送とともに所定の範囲内を移動することになる。これにより、成長面の各部分は、いずれもシリコン融液7における所定の範囲内に浸漬されることになる。つまり、シリコン融液7において場所によりその温度分布に違いがあったとしても、温度が平均化されて、より均一な板状シリコンの成長に寄与することができる。
一方、図5に示される上下軌道33では、基板12のシリコン融液7の湯面方向の移動がないため、シリコン融液7において基板12における成長面の各部分が浸漬する位置は成長面の各部分によって異なることになる。そのため、シリコン融液7において場所によりその温度分布に違いがあった場合には、基板12における成長面内において板状シリコンの成長速度をばらつかせる要因となる。したがって、基板12をシリコン融液7に浸漬する軌道との関係で、シリコン融液7の温度分布がより均一になるように管理する必要がある。上述した板状シリコンの製造装置1では、縁上加熱ヒータ4が配設されていることで、シリコン融液7の温度を所定の温度により均一に保持することができる。以上のようにして、基板12の成長面にシリコンが成長して板状シリコン20が形成されることになる。
ところで、実際の板状シリコンの製造においては、あらかじめ、基板12の成長面におけるシリコンの成長速度の差が所定の範囲内に入るように、あらかじめ縁上加熱ヒータ4等の温度を制御した後に板状シリコンの製造を行なうことが望ましい。そこで、次に、この手法について説明する。シリコンの凝固成長速度の差はシリコンの板厚の差として現れる。板状シリコン20の板厚は、2つの静電容量センサを用いて、板状シリコン20の一方の面と他方の面とから同時に静電容量の変化量を測定することにより測定される。
1つの板状シリコンについて、縦方向と横方向とをそれぞれ4等分して全体で16に分割されたそれぞれの領域の板厚を測定することによって、板状シリコンの面内の板厚の分布が求められる。このようにして1つの板状シリコンについて求められた16の板厚の測定値の平均値や最大値と最小値との板厚差に基づく板厚の均一性が所定の範囲内に入っていなければ、縁上加熱ヒータ4の温度が調節され、再び板状シリコンを成長させて、板状シリコンの面内板厚の分布が求められる。このようにして板状シリコンの板厚の均一性が所定の範囲内に入るまでこの操作が繰り返して行なわれることになる。以下、実施例として、この操作についてより具体的に説明する。
まず、板状シリコンの比抵抗が2.0Ω・cmになるようにボロン濃度を調整したシリコンの原料を、たとえば図2に示される高純度黒鉛製の円形の坩堝2に充填した。坩堝2の開口部端面上には縁上加熱ヒータ4a〜4hが配設されている。この坩堝2は所定のチャンバー(図示せず)内に固定される。次に、その坩堝2を収容したチャンバ内を圧力10-5Torr程度にまで真空引きした。次に、チャンバー内を常圧のアルゴン(Ar)ガスで置換し、その後、チャンバー内にアルゴンガスを導入してチャンバー内を常圧とし、その後は、流量2L/minでチャンバーの上部からアルゴンガスを常時供給する状態とした。
次に、シリコンの原料を加熱ヒータ3により坩堝2の周辺から加熱することによって溶融させた。このとき、昇温速度約10℃/minにて温度1500℃まで昇温させ、シリコンの原料が完全に溶解したことを確認した後にシリコン融液7の融液温度を1410℃に保持して、シリコン融液の温度の安定化を図った。シリコンの原料が溶融した後、シリコン融液7の湯面の位置が坩堝2の開口端面から約10mm下に位置になるようにシリコン粉末を投入した。なお、このとき、縁上加熱ヒータ4をオフ状態とした。
次に、基板12を図4に示される円軌道を描くように搬送させ、シリコン融液7に浸漬することにより基板12の成長面に板状シリコンを成長させた。成長した板状シリコンを、所定のレーザー切断装置(図示せず)にて一定の大きさ(縦横126×126mm)に切断した。切断された10枚の板状シリコンのそれぞれについて、面内16箇所の板厚を静電容量センサーを用いて測定し、面内16箇所のそれぞれの板厚の平均値を求めた。その結果を図6に示す。
図6に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は410μmであり、最大値と最小値との差は46μmであった。特に、板状シリコンの浸漬方向に対して向かって左側の領域の板厚が右側の領域の板厚よりも相対的に厚いことがわかった。これは、坩堝2内に貯留されたシリコン溶融の温度に分布が生じており、シリコンの板厚が相対的に厚い部分に対応する融液温度が、板厚が相対的に薄い部分に対応する融液温度よりも低くなっていることが原因であると考えた。
そこで、次に、縁上加熱ヒータ4gの温度が500℃、縁上加熱ヒータ4f、4hの温度が250℃となるように、制御部5にて出力を調整した。他の縁上加熱ヒータ4a〜4eについてはオフ状態のままとした。この状態で約10分経過後に、先ほどと同様にして、基板12を図4に示される円軌道を描くように搬送させ、シリコン融液7に浸漬することにより基板12の成長面に板状シリコンを成長させた。成長した板状シリコンを一定の大きさに切断した後、切断された10枚の板状シリコンの板厚を静電容量センサーを用いて測定した。その結果を図7に示す。図7に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は404μmであり、最大値と最小値との差は縁上加熱ヒータ4a〜4hのすべてをオフ状態とした場合と比べて縮まり、その差は20μmになっていることがわかった。
このように、坩堝2の開口端面に縁上加熱ヒータ4を設けて、これを温度制御することにより、坩堝2内のシリコン融液7の温度分布をより均一にすることができ、板状シリコンの凝固成長速度のばらつきが抑制されて、板状シリコンの板厚をより均一にできることが実証された。
次に、板状シリコン製造装置として、図3に示される開口部の形状が矩形の坩堝を用い、他の条件を実施例1と同じ条件として同様の評価を行なった。まず、縁上加熱ヒータ4をオフ状態とした場合の板状シリコンの板厚の測定結果を図8に示す。図8に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は414μmであり、最大値と最小値との差は58μmであった。特に、板状シリコンの浸漬方向に対して向かって左側の領域の板厚が、右側の領域の板厚よりも相対的に厚いことがわかった。これは、シリコンの板厚が相対的に厚い部分に対応する融液温度が、板厚が相対的に薄い部分に対応する融液温度よりも低くなっていることが原因であると考えた。
そこで、次に、縁上加熱ヒータ4e,4fの温度が250℃となるように、制御部5にて出力を調整した。他の縁上加熱ヒータ4a〜4dについてはオフ状態のままとした。この状態で約10分経過後に、先ほどと同様にして板状シリコンを成長させて板厚を測定した。その結果を図9に示す。図9に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は405μmであり、最大値と最小値との差は縁上加熱ヒータ4a〜4fのすべてをオフ状態とした場合と比べて縮まり、その差は25μmになっていることがわかった。
この場合も、坩堝2の開口端面に縁上加熱ヒータ4を設けて、これを温度制御することにより、坩堝2内のシリコン融液7の温度分布をより均一にすることができ、板状シリコンの凝固成長速度のばらつきが抑制されて、板状シリコンの板厚をより均一にできることが実証された。
次に、板状シリコン製造装置として、図5に示されるように基板12を上下に搬送させる搬送部を備えたものを用い、他の条件を実施例2と同じ条件として同様の評価を行なった。まず、縁上加熱ヒータ4をオフ状態とした場合の板状シリコンの板厚の測定結果を図10に示す。図10に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は423μmであり、最大値と最小値との差は64μmであった。特に、板状シリコンの前側(紙面上側)の領域の板厚が、後側(紙面下側)の領域の板厚よりも相対的に厚いことがわかった。これは、シリコンの板厚が相対的に厚い部分に対応する融液温度が、板厚が相対的に薄い部分に対応する融液温度よりも低くなっていることが原因であると考えた。
そこで、次に、縁上加熱ヒータ4a,4eの温度が250℃、縁上加熱ヒータ4fの温度が350℃となるように、制御部5にて出力をそれぞれ調整した。他の縁上加熱ヒータ4b〜4dについてはオフ状態のままとした。この状態で約10分経過後に、先ほどと同様にして板状シリコンを成長させて板厚を測定した。その結果を図11に示す。図11に示すように、板状シリコンの16箇所について測定された板厚の平均値は409μmであり、最大値と最小値との差は縁上加熱ヒータ4a〜4fのすべてをオフ状態とした場合と比べて縮まり、その差は21μmになっていることがわかった。
すでに述べたように、基板が上下軌道を描く場合には、円軌道を描く場合と比べると、基板がシリコン融液7の湯面に沿って搬送されないので、シリコン融液7の温度分布の影響を受けやすくなる。しかしながら、このような態様の製造装置であっても、坩堝2の開口端面に縁上加熱ヒータ4を設けて、これを温度制御することにより、坩堝2内のシリコン融液7の温度分布をより均一にすることができ、板状シリコンの凝固成長速度のばらつきが抑制されて、板状シリコンの板厚をより均一にできることが実証された。
また、上述した各板状シリコン製造装置では、坩堝2の開口端面に縁上加熱ヒータ4を配設することにより、坩堝2の開口端付近においてシリコンが凝固し、シリコン融液7に基板12を浸漬する際に、基板12がその凝固したシリコンに衝突するようなこともなくなる。さらに、坩堝2が大型化した場合、特に、開口形状が矩形の坩堝2では角部や辺の中央付近では、加熱ヒータによる加熱ムラや放熱のムラの影響を受けやすく、シリコン融液7の温度を一定に保つことが難しくなるが、縁上加熱ヒータ4を設けることよってシリコンの温度をほぼ一定に保持することができる。
また、消耗品である坩堝を交換した場合には、交換された坩堝のセッティングの状態、断熱材の品質、断熱材の劣化の程度、坩堝と断熱材との隙間等の状態によって、坩堝内のシリコン融液の放熱の仕方が交換前と後とで変化することがあるが、上述した製造方法によれば、あらかじめ、板状シリコンの板厚を測定し、その板厚分布に基づいて縁上加熱ヒータ4を所定の温度に設定することで、シリコン融液の温度をほぼ一定に保持することができて、板状シリコンの板厚を均一にすることができる。
さらに、上述した板状体製造装置としては板状シリコン製造装置を例に挙げて説明したが、所定の融液として、たとえばシリコン以外の金属や半導体材料等を溶融させたものを適用することによって、板厚の均一な金属基板や半導体基板などを製造することが可能である。
なお、今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る板状シリコン製造装置の断面図である。 同実施の形態において、図1に示す坩堝の形状の一例を示す平面図である。 同実施の形態において、図1に示す坩堝の形状の他の例を示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る板状シリコン製造方法における基板の描く軌道の一例を示す図である。 同実施の形態において、基板の描く軌道の他の例を示す図である。 本発明の実施例1に係る板状シリコンの板厚の測定結果を示す第1の図である。 同実施例において、板状シリコンの板厚の測定結果を示す第2の図である。 本発明の実施例2に係る板状シリコンの板厚の測定結果を示す第1の図である。 同実施例において、板状シリコンの板厚の測定結果を示す第2の図である。 本発明の実施例3に係る板状シリコンの板厚の測定結果を示す第1の図である。 同実施例において、板状シリコンの板厚の測定結果を示す第2の図である。
符号の説明
1 板状シリコン製造装置、2 坩堝、3 加熱ヒータ、4,4a〜4h 縁上加熱ヒータ、5 制御部、6 坩堝台、7 シリコン融液、8 断熱材、10 坩堝昇降台、12 基板、14 基板固定軸、16 搬送部、20 板状シリコン。

Claims (7)

  1. 所定の融液に所定の基板を浸漬することによって、基板上に板状体を成長させるための板状体製造装置であって、
    基板を浸漬するための開口部を有し、前記融液を貯留する坩堝と、
    前記坩堝の前記開口部の開口端部に配設された複数の加熱部と、
    複数の前記加熱部のそれぞれの温度を制御するための制御部と
    を備えた、板状体製造装置。
  2. 前記坩堝の前記開口端部の平面形状は矩形であり、
    矩形の各辺に対応する前記開口端部のそれぞれの部分に対して、少なくとも1つの前記加熱部が配設された、請求項1記載の板状体製造装置。
  3. 前記坩堝の前記開口端部の平面形状は長方形であり、
    長方形の長辺に対応する前記開口端部の部分には、短辺に対応する前記開口端部の部分よりも多くの前記加熱部が配設された、請求項2記載の板状体製造装置。
  4. 前記坩堝の前記開口端部の平面形状は円形であり、
    複数の前記加熱部のそれぞれは、円周方向に等間隔に配設された、請求項1記載の板状体製造装置。
  5. 所定の前記基板を前記融液に浸漬しながら移動させるための搬送部を備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の板状体製造装置。
  6. 所定の融液に所定の基板を浸漬することによって、基板上に板状体を成長させるための板状体の製造方法であって、
    所定の融液を貯留する坩堝として、開口端部に複数の加熱部を配設した坩堝を用い、あらかじめ、所定の基板に板状体を形成して板厚分布を測定し、測定された前記板厚分布に基づいて板状体の板厚が所定の板厚の範囲内に入るように、前記複数の加熱部の温度をそれぞれを制御する工程を備えた、板状体の製造方法。
  7. 所定の前記基板を前記融液に浸漬させながら移動させる、請求項6記載の板状体の製造方法。
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