JP2006175564A - マイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造途中で電気的な検査を可能にし、これによりコストダウンを図る。
【解決手段】 マイクロアクチュエータ装置は、マイクロアクチュエータと、これを駆動する駆動回路とを有する。駆動回路は、基板に搭載される。マイクロアクチュエータは、前記基板により支持されて基板に対して移動し得る可動部を有する。この装置を製造する場合、第1に、基板上に、駆動回路を形成するとともに、駆動回路における可動部の電気要素(コンデンサCmnの可動電極22d及びコイルLmn)に対応する所定箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンRmnC,RmnLを形成する。第2に、駆動回路の動作を検査する。第3に、検査用パターンRmnC,RmnLを駆動回路に対して電気的に無効にする。第4に、基板上に可動部を形成する。
【選択図】 図11
【解決手段】 マイクロアクチュエータ装置は、マイクロアクチュエータと、これを駆動する駆動回路とを有する。駆動回路は、基板に搭載される。マイクロアクチュエータは、前記基板により支持されて基板に対して移動し得る可動部を有する。この装置を製造する場合、第1に、基板上に、駆動回路を形成するとともに、駆動回路における可動部の電気要素(コンデンサCmnの可動電極22d及びコイルLmn)に対応する所定箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンRmnC,RmnLを形成する。第2に、駆動回路の動作を検査する。第3に、検査用パターンRmnC,RmnLを駆動回路に対して電気的に無効にする。第4に、基板上に可動部を形成する。
【選択図】 図11
Description
本発明は、マイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチ装置に関するものである。
マイクロマシニング技術の進展に伴い、種々の分野においてマイクロアクチュエータの重要性が高まっている。マイクロアクチュエータが用いられている分野の一例として、例えば、光通信等に利用され光路を切り替える光スイッチを挙げることができる。このような光スイッチの例として、下記の特許文献1、2に開示された光スイッチを挙げることができる。
マイクロアクチュエータは、基板と、該基板により支持されて前記基板に対して移動し得る可動部とを備えている。このようなマイクロアクチュエータでは、駆動力として、静電力やローレンツ力などの電気信号に応答する駆動力が用いられる場合がある。この場合、可動部には、静電力用可動電極やローレンツ力用電流路などの電気要素が設けられる。特許文献1,2には、そのような例が開示されている。
このようなマイクロアクチュエータでは、基板上に駆動回路を搭載した構成を採用して、この駆動回路から前記電気要素に駆動信号を供給することで動作させる場合がある。この場合は、アクチュエータと、該アクチュエータの可動部を支持する基板に搭載された駆動回路とを備えているので、ここでは、これらの全体からなるデバイスをアクチュエータ装置と呼ぶ。
このアクチュエータ装置は、従来は、以下に説明する製造方法によって製造されていた。
まず、半導体基板上に、LSI製造プロセスなどの通常の半導体製造技術により駆動回路を形成する。このとき、駆動力として静電力を用いる場合は、静電力用固定電極も駆動回路と共に半導体基板上に形成する。駆動回路は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜で保護される。この絶縁膜によって、駆動回路と可動部の電気要素とが意図しない箇所でショートしないように、両者の間が電気的に絶縁されることになる。
次に、前記絶縁膜に、駆動回路の所定箇所に対してマイクロアクチュエータの可動部の電気要素を電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する。
引き続いて、前記コンタクトホールにおいて可動部の電気要素が駆動回路の所定箇所に対して電気的に接続されるように、マイクロアクチュエータの可動部を形成する。
その後、半導体基板の切り出しを行い、切り出されたチップをパッケージに実装してマイクロアクチュエータ装置を完成させ、動作検査を行なう。
特開2003−159698号公報
特開2004−114261号公報
前記マイクロアクチュエータ装置では、動作検査が非常に重要な課題となっている。前記マイクロアクチュエータ装置の動作検査では、外部信号に対するマイクロアクチュエータの可動部の機械的な動作が検査対象となる。前記マイクロアクチュエータ装置の動作検査では、機械的動作の検査を含むため、通常のLSI等の電気的な検査と比較して、大掛かりな装置を必要としたり多くの時間を要したりするなどの問題があり、前記マイクロアクチュエータ装置のコストアップの一因となっている。特に、前記マイクロアクチュエータ装置が複数のマイクロアクチュエータを有してこれらがアレー化されたものである場合、個々のマイクロアクチュエータが全て良好に動作しなければならないため、その傾向が著しい。
また、前記マイクロアクチュエータ装置では、前記マイクロアクチュエータ装置の動作検査はパッケージへ実装した状態でなければ実施できず、不良素子も高価なパッケージに実装するため、これもコストアップの一因となっている。
ところで、前記マイクロアクチュエータ装置の不良の原因としては、駆動回路が原因である場合と、マイクロアクチュエータの可動部が原因である場合とがある。駆動回路に不良の原因がある場合は、パッケージへの実装や可動部の機械的な動作検査を省略することができれば、大きなコストダウン効果が得られる。
しかし、前記マイクロアクチュエータ装置の前述した従来の製造方法では、基板上に駆動回路を形成した後でかつマイクロアクチュエータの可動部を形成する前の状態で、駆動回路の電気的な検査を行うことは、不可能であった。
前記マイクロアクチュエータ装置は、基板と該基板に搭載された回路とを有し前記回路が第1の回路部と第2の回路部とから構成されたデバイスの一種である。前記マイクロアクチュエータ装置では、前記駆動回路が前記第1の回路部に相当し、前記可動部の電気要素が前記第2の回路部に相当する。
前記マイクロアクチュエータ装置に関して前述した事情は、機械的な動作を行うデバイスであるか否かに拘わらず、前述したようなデバイスのうちの前記マイクロアクチュエータ装置以外の種々のデバイスについても、大なり小なり同様である。
本発明は、製造途中で電気的な検査を行うことができ、これによりコストダウンを図ることができる、マイクロアクチュエータ装置の製造方法及びデバイスの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置を利用することで、コストダウンを図ることができる光学装置及び光スイッチを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、1つ以上のマイクロアクチュエータと、前記1つ以上のマイクロアクチュエータを駆動する駆動回路とを有するマイクロアクチュエータ装置であって、前記駆動回路が基板に搭載され、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの各々が、前記基板により支持されて前記基板に対して移動し得るとともに電気要素を含む可動部を有するマイクロアクチュエータ装置を、製造する製造方法であって、(i)前記基板上に、前記駆動回路を形成するとともに、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの各々に対応して、前記駆動回路における当該マイクロアクチュエータの前記可動部の前記電気要素に対応する箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンを形成する第1の工程と、(ii)前記第1の工程の後に、前記駆動回路の動作を検査する第2の工程と、(iii)前記第2の工程の後に、前記検査用パターンを前記駆動回路に対して電気的に無効にする第3の工程と、(iv)前記第3の工程の後に、前記基板上に前記可動部を形成する第4の工程と、を備えたものである。
本発明の第2の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1の態様において、前記検査用パターンがアルミニウム又はポリシリコンで構成されたものである。
本発明の第3の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1又は第2の態様において、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、前記駆動回路は、前記1つ以上のマイクロアクチュエータに対応して設けられた選択スイッチと、当該選択スイッチのうち、外部からの入力信号に応じて当該入力信号に応じた選択スイッチを選択するデコーダと、を含むものである。
本発明の第4の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの少なくとも1つのマイクロアクチュエータに対応して設けられた前記検査用パターンの抵抗値が、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの他の少なくとも1つのマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値と異なるものである。
本発明の第5の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値が、互いに異なるものである。
本発明の第6の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの同じ列のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに同一であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの異なる列のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに異なるものである。
本発明の第7の態様によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの同じ行のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに同一であり、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの異なる行のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに異なるものである。
本発明の第8の態様による光学装置は、前記第1乃至第7のいずれかの態様による製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置と、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの可動部にそれぞれ搭載された被駆動体とを備え、前記各被駆動体が光学素子であるものである。
本発明の第9の態様による光スイッチは、前記第1乃至第7のいずれかの態様による製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置と、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの可動部にそれぞれ搭載された被駆動体とを備え、前記各被駆動体がミラーであるものである。
本発明の第10の態様によるデバイスの製造方法は、基板と該基板に搭載された回路とを有するデバイスであって、前記回路が、第1の回路部と第2の回路部とから構成されたデバイスを、製造するデバイスの製造方法であって、(i)前記基板上に、前記第1の回路部を形成するとともに、前記回路における前記第2の回路部に対応する箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンを形成する第1の工程と、(ii)前記第1の工程の後に、前記第1の回路部の動作を検査する第2の工程と、(iii)前記第2の工程の後に、前記検査用パターンを前記第1の回路部に対して電気的に無効にする第3の工程と、(iv)前記第3の工程の後に、前記基板上に前記第2の回路部を形成する第4の工程と、を備えたものである。
本発明によるマイクロアクチュエータ装置の製造方法及びデバイスの製造方法では、予め検査用パターンを形成するため、製造途中で電気的な検査を行うことができ、これによりコストダウンを図ることができる。また、本発明による光学装置及び光スイッチでは、このような製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置を利用しているので、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明によるマイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学装置としての光スイッチ装置である光スイッチアレー1を備えた光学システム(本実施の形態では、光スイッチシステム)の一例を模式的に示す概略構成図である。説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する(後述する図についても同様である。)。光スイッチアレー1の基板11の面がXY平面と平行となっている。また、Z軸方向のうち矢印の向きを+Z方向又は+Z側、その反対の向きを−Z方向又は−Z側と呼び、X軸方向及びY軸方向についても同様とする。なお、Z軸方向の+側を上側、Z軸方向の−側を下側という場合がある。また、X軸方向の並びを行、Y軸方向の並びを列という。もっとも、本発明では、列方向と行方向とは必ずしも直交している必要はない。
この光スイッチシステムは、図1に示すように、光スイッチアレー1と、m本の光入力用光ファイバ2と、m本の光出力用光ファイバ3と、n本の光出力用光ファイバ4と、光スイッチアレー1に対して後述するように磁界を発生する磁界発生部としての磁石5と、光路切替状態指令信号に応答して、当該光路切替状態指令信号が示す光路切換状態を実現するための制御信号を光スイッチアレー1に供給する制御部としての外部制御回路6と、を備えている。図1に示す例では、m=3、n=3となっているが、m及びnはそれぞれ任意の数でよい。
本実施の形態では、磁石5は、図1に示すように、光スイッチアレー1の下側に配置され、光スイッチアレー1に対して磁力線5aで示す磁界を発生している。すなわち、磁石5は、光スイッチアレー1に対して、Y軸方向に沿ってその+側へ向かう略均一な磁界を発生している。
光スイッチアレー1は、図1に示すように、基板11と、基板11上に配置されたm×n個のミラー31とを備えている。m本の光入力用光ファイバ2は、基板11に対するX軸方向の一方の側からX軸方向に入射光を導くように、XY平面と平行な面内に配置されている。m本の光出力用光ファイバ3は、m本の光入力用光ファイバ2とそれぞれ対向するように基板11に対する他方の側に配置され、光スイッチアレー1のいずれのミラー31によっても反射されずにX軸方向に進行する光が入射するように、XY平面と平行な面内に配置されている。n本の光出力用光ファイバ4は、光スイッチアレー1のいずれかのミラー31により反射されてY軸方向に進行する光が入射するように、XY平面と平行な面内に配置されている。m×n個のミラー31は、m本の光入力用光ファイバ2の出射光路と光出力用光ファイバ4の入射光路との交差点に対してそれぞれ、後述するマイクロアクチュエータにより進出及び退出可能にZ軸方向に移動し得るように、2次元マトリクス状に基板11上に配置されている。なお、本例では、ミラー31の向きは、その法線がXY平面と平行な面内においてX軸と45゜をなすように設定されている。この光スイッチシステムの光路切替原理自体は、従来の2次元光スイッチの光路切替原理と同様である。
なお、光スイッチアレー1等は実際にはパッケージに収容されるが、図1では、その図示は省略している。
図2は、図1中の光スイッチアレー1を模式的に示す概略平面図である。光スイッチアレー1は、基板11(図2では図示せず)と、該基板11上に2次元状に配置されたm×n個の可動板12と、各可動板12に搭載されたミラー31とを備えている。図1及び図2並びに後述する図では、説明を簡単にするため、9個の光スイッチを3行3列に配置しているが、光スイッチの数は何ら限定されるものではない。光スイッチアレー1のうちのミラー31以外の部分が、マイクロアクチュエータ装置であるマイクロアクチュエータアレーを構成している。
次に、図1中の光スイッチアレー1の単位素子としての1つの光スイッチの構造について、図3乃至図7を参照して説明する。
図3は、図1中の光スイッチアレー1の単位素子としての1つの光スイッチを模式的に示す概略平面図である。図4は、図3中のA−A’線に沿った概略断面図である。ただし、図4は可動板12の断面のみを示している。図5は、図3中の可動板12を上から見たときのAl膜22のパターン形状を示す図である。理解を容易にするため、図5において、Al膜22の部分にハッチングで示している。図6及び図7はそれぞれ、図3及び図5中のB−B’線に沿った断面を+X側から−X軸方向に見た概略断面図である。ただし、図6及び図7には、−X軸方向に見たミラー31も併せて示している。図6はミラー31が上側に保持されて光路に進出した状態、図7はミラー31が下側に保持されて光路から退出した状態を示している。なお、図6及び図7では、図面表記の便宜上、後述する凸部24の図示を省略してそれによる段差がないものとして示している。
光スイッチアレー1の単位素子としての1つの光スイッチは、図2及び図3に示すように、シリコン基板等の基板11上に設けられ基板11と共に1つのマイクロアクチュエータを構成する可動部としての1つの可動板12と、可動板12に搭載された被駆動体である光学素子としてのミラー31とを有している。
可動板12は、薄膜で構成され、図3乃至図7に示すように、可動板12の平面形状の全体に渡る下側の窒化ケイ素膜(SiN膜)21及び上側のSiN膜23と、これらの膜21,23の間において部分的に形成された中間のAl膜22とから構成されている。すなわち、可動板12は、下から順にSiN膜21,23を積層した2層膜からなる部分と、下から順にSiN膜21、Al膜22及びSiN膜23を積層した3層膜からなる部分とを、併有している。Al膜22のパターン形状は図5に示す通りであるが、これについては後述する。可動板12は、SiN膜21,23とAl膜22との熱膨張係数の差によって生じる内部応力、並びに、成膜時に生じた内部応力により、図6に示すように基板11に対して上向き(+Z方向)に湾曲するように、予め定められた膜厚及び成膜条件によって形成されている。
可動板12は、図3に示すように、ミラー31を搭載するための搭載部(すなわち、ミラー31用の支持基体)としての長方形状のミラー搭載板12aと、ミラー搭載板12aの端部に接続された2本の帯状の支持板12bとを含む。本実施の形態では、これらの2本の支持板12bが、互いに機械的に並列接続された2本の梁部となっている。支持板12bは、それぞれの端部に脚部12c及び脚部12dを有している。脚部12c及び12dはいずれも基板11に固定されており、可動板12は、脚部12c及び12dを固定端として、図6に示すように、ミラー搭載板12a側が持ち上がるようになっている。このように、本実施の形態では、可動板12は、脚部12c及び12dを固定端とする片持ち梁構造を持つ可動部となっている。本実施の形態では、基板11及びこれに積層された後述する絶縁膜13,14,15等が、固定部を構成している。
可動板12には、図3に示すように、可動板12のミラー31を搭載している部分を含む領域を取り囲むように、凸部24が設けられている。凸部24は、図4に示すように、可動板12を構成する複層膜を凸型にすることにより形成されている。このように凸部24を設けることにより、段差が生じるため、可動板12のうち、凸部24で囲まれた領域及び凸部24が設けられた領域は、内部応力による湾曲が抑制され、平面性を維持することができる。このため、可動板12は、図6のように内部応力による湾曲によりミラー31を上側の位置に持ち上げた状態であっても、ミラー31を搭載している部分は平面であるため、搭載されているミラー31の形状を一定に保つことができる。
このように、可動板12は、凸部24で囲まれた領域及び凸部24が設けられた領域は湾曲が抑制されるが、支持板12bの脚部12dに近い領域は、凸部24が設けられていない。これにより、凸部24が設けられていない支持板12bの領域の湾曲によって、可動板12は、脚部12c,12dを固定端として、図6のように、ミラー搭載板12a側が持ち上がるようになっている。また、支持板12bの脚部12dに近い領域は、凸部24が設けられていないことにより、弾性部としての板ばね部となっている。
ここで、可動板12のAl膜22の形状について、図5を参照して説明する。本実施の形態では、駆動力としてローレンツ力と静電力の両方を用いて可動板12を駆動するために、図5に示すような形状に、Al膜22をパターニングしている。Al膜22のうちパターン22aは、2つの脚部12dのそれぞれから、可動板12の外周の縁に沿って延びて可動板12の先端側(+Y側)まで延び、可動板12の先端の一辺12eに沿ってX軸方向に延びた直線状のパターン22cに接続されている。パターン22cは、磁界内に配置されて通電により駆動力としてのローレンツ力を生じる電流経路(ローレンツ力用電流経路)である。以下、パターン22cをローレンツ力電流経路22cと呼ぶ場合がある。パターン22cもAl膜22のうちのパターンである。パターン22aは、ローレンツ力電流経路22cに電流を供給するための配線パターンである。パターン22aは、図6及び図7に示すように、+X側の脚部12dにおいて絶縁膜15及びSiN膜21のコンタクトホールを介してAl膜等からなるローレンツ力用配線パターン42aに接続されるとともに、−X側の脚部12dにおいて同様に別のローレンツ力用配線パターン42a(図6及び図7では図示せず)と接続され、脚部12dを介してローレンツ力用配線パターンからローレンツ力用駆動信号としての電流が供給される。図1に示す磁石5によって、ローレンツ力用電流経路22cがY軸方向の磁界内に置かれている。したがって、パターン22aを介してローレンツ力電流経路22cに電流を供給すると、ローレンツ力用電流経路22cに、その電流の向きに応じて、+Z方向又は−Z方向のローレンツ力が生ずる。
なお、図6及び図7に示すように、基板11上には、基板11側から順にシリコン酸化膜等の絶縁膜13,14,15が積層され、ローレンツ力用配線パターン42aは、絶縁膜14,15間に形成されている。
また、Al膜22のうちパターン22bは、2つの脚部12cのそれぞれから、可動板12の内側の縁に沿って可動板12の先端側(+Y側)まで延び、先端側に配置された長方形状のパターン22dに接続されている。パターン22dは、駆動力としての静電力を発生するための可動電極である。以下、パターン22dを可動電極22dと呼ぶ場合がある。パターン22dもAl膜22のうちのパターンである。パターン22bは、可動電極22dの配線パターンである。パターン22bは、脚部12cにおいて、絶縁膜15及びSiN膜21のコンタクトホールを介して可動電極用配線パターン(図示せず)に接続され、Al膜からなる固定電極41aとの間に電圧(静電力用電圧、静電力用駆動信号)が印加される。固定電極41aは、基板11上の絶縁膜13,14間に形成され、可動電極22dと対向する位置に配置されている。可動電極22dと固定電極35との間に電圧が印加されると、両者の間に駆動力としての静電力が生じ、この静電力により可動板12は基板11に引き寄せられる。
本実施の形態では、可動電極22dと固定電極41aとの間の静電力用電圧及びローレンツ力用電流経路22cに流す電流を制御することで、ミラー31が上側(基板11と反対側)に保持された状態(図6)及びミラー31が下側(基板11側)に保持された状態(図7)にすることができる。本実施の形態では、後述するように、図1中の外部制御回路6及び当該マイクロアクチュエータアレーに搭載された後述の図9に示す駆動回路によってこのような制御が行われるようになっている。図6及び図7において、Kは、ミラー31の進出位置に対する入射光の光路の断面を示している。
次に、1つの光スイッチに着目して、その制御方法の一例とこれによる光スイッチの動作について、図8を参照して説明する。図8は、1つの光スイッチのローレンツ力電流経路22cに流れてローレンツ力を起こす電流(以下、「ローレンツ力用電流」という)と、当該光スイッチの可動電極22dと固定電極41aとの間に静電力を起こす両者間の電圧(以下、「静電力用電圧」という。)と、当該光スイッチのミラー31の位置(したがって、可動板12の位置)との、時間変化による関係を示す、タイミングチャートである。
最初に、ローレンツ力用電流がゼロであるとともに静電力用電圧がゼロであり、凸部24が設けられていない支持板12bの領域の膜の応力(バネ力)によって+Z方向に湾曲した状態に復帰し、ミラー31が図6に示すように上側位置に保持されていたとする。この状態では、ミラー31が光路Kに進出して、当該光路Kに入射した光を反射させる。
その後、時刻T1において、ミラー31の位置を図7に示す下側位置に切り替えるべく制御を開始する。すなわち、時刻T1において、ローレンツ力用電流を+Iとする。ここで、+Iは、ローレンツ力電流経路22cに、前記バネ力より強くかつ下向きのローレンツ力を発生させる電流である。
ミラー31は、このローレンツ力により徐々に下降し、可動板12が基板11に当接した時刻T2で停止し、図6に示す下側位置に保持される。次に、時刻T3で静電力用電圧をVとした後に、時刻T4でローレンツ力用電流をゼロにする。ここで、Vは、少なくとも、ミラー31が下側位置に位置しているときに前記バネ力より強い静電力を発生させる電圧である。期間T2−T3ではローレンツ力のみによりミラー31が下側位置に保持され、期間T3−T4ではローレンツ力及び静電力によりミラー31が下側位置に保持され、時刻T4以降では静電力のみによりミラー31が下側位置に保持される。期間T2−T4は、ミラー31の下側位置への保持をローレンツ力から静電力に切り替えるいわば下側保持の過渡期間であり、期間T4以降がいわば下側保持の定常期間である。
ミラー31が下側位置に保持された期間では、図7に示すように、入射光はミラー31で反射されることなく、そのまま通過して出射光となる。
その後、時刻T5において、ミラー31の位置を図7に示す上側位置に切り替えるべく制御を開始する。すなわち、時刻T5において、静電力用電圧をゼロにする。その結果、ミラー31は、前記バネ力により比較的急激に上側位置に戻り、当該バネ力により上側位置に保持され続ける。
なお、前述した例では、時刻T2と時刻T4との間の時刻T3で静電力用電圧をVにしているが、期間T1−T4のいずれの時点で静電力用電圧をVにしてもよいし、時刻T1の前に静電力用電圧をVにしてもよい。また、可動板12が上側位置に位置しているときに静電力用電圧をVにした際に生ずる静電力が、凸部24が設けられていない支持板12bの領域のバネ力より小さいものであれば、時刻T7の後に可動板12が上側位置に移動した後には、上側保持期間においても静電力用電圧をVにしておいてもよい。後述する図10の例における右側の電圧リフレッシュ期間は、このような場合に相当する。
本実施の形態では、ミラー31は、前記特許文献1,2に開示されているミラーと同様に、Au、Ni又はその他の金属で構成され、可動板12のミラー搭載板12aの上面に直立して固定されている。ミラー31をその支持基体となるミラー搭載板12aにより支持する支持構造は、これに限定されるものではない。
図9は、本実施の形態による光スイッチアレー1を示す電気回路図である。図3乃至図7に示す単一の光スイッチは、電気回路的には、1個のコンデンサ(固定電極41aと可動電極22dとがなすコンデンサに相当)と、1個のコイル(ローレンツ力用電流路22cに相当)と見なせる。図9では、m行n列の光スイッチのコンデンサ及びコイルをそれぞれCmn及びLmnと表記している。例えば、図2中の左上の(1行1列の)光スイッチのコンデンサ及びコイルをそれぞれC11,L11と表記している。図9では、説明を簡単にするため、既に説明したように、9個の光スイッチを3行3列に配置している。もっとも、光スイッチの数は何ら限定されるものではなく、例えば100行100列の光スイッチを有する場合も、原理は同一である。
制御線の本数を減らすために、図9に示す回路では、コンデンサCmn及びコイルLmnに対してそれぞれ、Xアドレス用選択スイッチ(列選択スイッチ)MCmnx,MLmnxとYアドレス用選択スイッチ(行選択スイッチ)MCmny,MLmnyが設けられている。コンデンサCmnの可動電極22d側がYアドレス用選択スイッチMCmnyの一端に接続され、Yアドレス用選択スイッチMCmnyの他端がXアドレス用選択スイッチMCmnxの一端に接続され、Xアドレス用選択スイッチMCmnxの他端は静電力用端子101に接続されている。コンデンサCmnの固定電極41aは、静電力用端子102に接続されている。静電力用端子101,102は図1中の外部制御回路6に接続され、外部制御回路6の制御動作によって、両端子101,102間にクランプ電圧VCが印加された状態と、両端子101,102間に0Vが印加された状態とに、切り換えられるようになっている。
また、コイルLmnの一端がYアドレス用選択スイッチ(行選択スイッチ)MLmnyの一端に接続され、Yアドレス用選択スイッチMLmnyの他端がXアドレス用選択スイッチ(列選択スイッチ)MLmnxの一端に接続され、Xアドレス用選択スイッチMLmnxの他端はローレンツ力用端子103に接続されている。コイルLmnの他端はローレンツ力用端子104に接続されている。ローレンツ力用端子103,104は外部制御回路6に接続され、外部制御回路6の制御動作によって、外部制御回路6が保有するローレンツ力用電流を供給するための電流源をローレンツ力用端子103,104に接続した状態と、当該電流源をローレンツ力用端子103,104間から切り離した状態とに、切り換えられるようになっている。なお、コイルLmnと電流源との接続は、実際にはXアドレス用選択スイッチMLmnx及びYアドレス用選択スイッチMLmnyにて行っている。したがって、電流源は、必ずしもローレンツ力用端子103,104と切り離される必要はなく、常にローレンツ力用端子103,104と接続された状態にしておいても良い。
スイッチング素子としてのYアドレス用選択スイッチMCmny,MLmny、Xアドレス用選択スイッチMCmnx,MLmnxは、例えば、基板11としてP型シリコン基板を用いた場合、基板11に形成したN型MOSトランジスタで構成することができる。
また、本実施の形態では、外部制御回路6と接続される制御線の本数を減らすために、MOS論理回路等で構成されたYアドレスデコーダ51及びXアドレスデコーダ52が設けられている。
Yアドレスデコーダ51の入力部には、外部制御回路6から制御信号の一部としてのYアドレス選択信号が入力される入力端子105,106が接続されている。Yアドレスデコーダ51の出力部には、各Yアドレス(各行)に対応したYアドレス選択線Y1〜Y3が接続されている。Yアドレスデコーダ51は、端子105,106に入力される信号に応じて、Yアドレス選択線Y1〜Y3に選択信号を出力する。
同様に、Xアドレスデコーダ52の入力部には、外部制御回路6から制御信号の一部としてのXアドレス選択信号が入力される入力端子107,108が接続されている。Xアドレスデコーダ52の出力部には、各Xアドレス(各列)に対応したXアドレス選択線X1〜X3が接続されている。Xアドレスデコーダ52は、端子107,108に入力される信号に応じて、Xアドレス選択線X1〜X3に選択信号を出力する。
1行目のYアドレス用選択スイッチMC11y,ML11y,MC12y,ML12y,MC13y,ML13yのゲートは、Yアドレス選択線Y1に接続されている。同様に、2行目のYアドレス用選択スイッチのゲートはYアドレス選択線Y2に、3行目のYアドレス用選択スイッチのゲートはYアドレス選択線Y3にそれぞれ接続されている。
1列目のXアドレス用選択スイッチMC11x,ML11x,MC21x,ML21x,MC31x,ML31xのゲートは、Xアドレス選択線X1に接続されている。同様に、2列目のXアドレス用選択スイッチのゲートはXアドレス選択線X2に、3列目のXアドレス用選択スイッチのゲートはXアドレス選択線X3にそれぞれ接続されている。
そして、図9に示す回路では、コンデンサCmn及びコイルLmnに対応してそれぞれ、検査用パターンRmnC,RmnLが設けられているが、これらは、その両側の切断点200で切断されているため、電気的には無効となっている。検査用パターンRmnC,RmnLについては、後述する第2の実施の形態の説明において詳述する。
なお、外部からアドレスデコーダ51,52に作動電源を供給するための電源端子も設けられているが、図9ではその図示は省略している。
本実施の形態では、図9に示す回路のうち、コンデンサCmn及びコイルLmnと検査用パターンRmnC,RmnLとを除いた部分が、m×n個のマイクロアクチュエータを駆動する駆動回路を構成している。コンデンサCmnの可動電極22d及びコイルLmnが、対応するマイクロアクチュエータの可動板12の電気要素となっている。図9では、これらの電気要素を破線で囲んでいる。また、可動板12の電気要素と駆動回路との電気的な接続関係を理解し易くするため、図9には、脚部12d,12cにおける両者の配線間のコンタクト12d’,12c’も記載している。なお、コンデンサCmnの固定電極41aは、基板側に設けられている。
次に、静電力用端子101,102間の状態、ローレンツ力用端子103,104間に対するローレンツ力用電流源の接続状態、及び、各アドレス選択線Y1〜Y3,X1〜X3の電圧のタイミングチャートの一例を、図10に示す。図10において、時刻t1以前は、全ての光スイッチのコンデンサCmnをクランプ電圧VCにバイアスする電圧リフレッシュ期間である。したがって、この期間では、アドレス選択線Y1〜Y3,X1〜X3は全てハイレベルとされて、全てのYアドレス用選択スイッチMCmny,MLmny及びXアドレス用選択スイッチMCmnx,MLmnxが導通状態になっている。また、この期間では、静電力用端子101,102間にはクランプ電圧VCが印加されている。さらに、ローレンツ力用端子103,104間からローレンツ力用電流源が切り離された状態にされている。電圧リフレッシュ期間では、ミラー31は上側位置及び下側位置のいずれかに保持されている。図10の例では、時刻t1以前の電圧リフレッシュ期間では、ミラー31が下側位置に保持されている。
ところで、本実施の形態では、アドレス選択線Y1〜Y3,X1〜X3の電圧は、図1中の外部制御回路6から制御信号として端子105〜108に供給される信号によって定まる。また、静電力用端子101,102間の状態、及び、ローレンツ力用端子103,104間に対するローレンツ力用電流源の接続状態は、端子101〜104に対する外部制御回路6からの制御信号として定まる。外部制御回路6は、例えば、光路切換状態指令信号に基づいて、現在の位置状態から変更すべき光スイッチを調べて、当該変更すべき光スイッチの1つずつについて、状態変更期間を1つずつ順次設定していく。現在の位置状態から変更すべき光スイッチがない場合には、前記電圧リフレッシュ期間を設定する。また、状態変更期間を複数設定する場合(つまり、現在の位置状態から変更すべき光スイッチの数が2つ以上の場合)には、各状態変更期間の間に電圧リフレッシュ期間を設定してもよいし、設定しなくてもよい。そして、外部制御回路6は、設定した各状態変更期間においては、対応する光スイッチについて、指令された光路切換状態に応じて前述した図8に示すような制御が実現されるように、端子105〜108に信号を供給するとともに、静電力用端子101,102間の状態、及び、ローレンツ力用端子103,104間に対するローレンツ力用電流源の接続状態を定める。
図10は、外部制御回路6により、電圧リフレッシュ期間→1行1列の光スイッチについての状態変更期間→電圧リフレッシュ期間が、設定された例である。図10の例では、時刻t1以前の電圧リフレッシュ期間では、ミラー31が下側位置に保持されている。時刻t1で、1行1列の光スイッチについての状態変更期間が開始され、アドレス選択線Y2,Y3,X2,X3がローレベルにされてコンデンサC11以外のコンデンサ及びコイルL11以外のコイルが切り離される。次に、時刻t2で、静電力用端子101,102間が短絡されて静電力用電圧がゼロにされ、コンデンサC11に充電されていた電荷が放電される。この時刻t2は図8中の時刻T5に対応している。これによって、静電力が無くなり、ミラー31は、図6に示す上側位置まで移動して、その状態が保持される。次に、時刻t3で静電力用端子101,102間にクランプ電圧VCが印加された後に、時刻t4で、当該状態変更期間を終了し、電圧リフレッシュ期間とされる。
本実施の形態による光スイッチアレー1は、以下に説明する本発明の第2の実施の形態による製造方法によって製造されたものである。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態によるマイクロアクチュエータ装置製造方法を含む光スイッチ装置製造方法として、前記第1の実施の形態による光スイッチアレー1の製造方法について説明する。
まず、シリコン基板11(図6及び図7参照)上に、LSI製造プロセスなどの通常の半導体製造技術により、図9に示す駆動回路及びコンデンサCmnの固定電極41aを形成する。このとき、後に形成されるべき各コンデンサCmn及びコイルLmnにそれぞれ対応して、前記駆動回路におけるコンデンサCmn及びコイルLmnに対応する箇所間をそれぞれ電気的にバイパスするように、所定の抵抗値を持つ検査用パターンRmnC,RmnLも形成する。そして、これらの駆動回路、コンデンサCmnの固定電極41a及び検査用パターンRmnC,RmnLを、絶縁膜15(図6及び図7参照)で覆う。検査用パターンRmnC,RmnLの抵抗値は、十分に小さくて実質的にゼロでもよいし、他の任意の値でもよい。
このように駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態での、基板11上に形成された回路を、図11に示す。図11において、12c”,12d”は、図9中のコンタクト12c’,12d’に対応する配線パターン部分を示している。また、図11に示す回路のうちのローレンツ力用回路に関連する部分の配線パターンを、図12に模式的に示す。図11に示す回路の大部分の配線パターンとして、アルミ配線パターンが用いられている。
図12では検査用パターンRmnLを模式的に示しているが、検査用パターンRmnC,RmnLは、実際には、例えば、図13(a)に示すように両側のアルミ配線パターン60をそのまま延ばして構成したり、図13(b)や図13(c)に示すように両側のアルミ配線パターン60間を接続するように形成したポリシリコン配線パターン61で構成したりすることができる。図13(b)及び図13(c)において、62は、コンタクトホールによるアルミ配線パターン60とポリシリコン配線パターン61とのコンタクトを示す。ポリシリコンはアルミに比べてその比抵抗を比較的大きくすることができるので、検査用パターンRmnC,RmnLにある程度大きい抵抗値を持たせようとする場合には、ポリシリコンで構成することが好ましい。
図13(b)に示す例では、ポリシリコン配線パターン61が直線状に延びていてその長さが比較的短いのに対し、図13(c)に示す例では、ポリシリコン配線パターン61が蛇行状に延びていてその長さが長いので、図13(c)の方がその抵抗値が高くなる。このようにパターン長さを変えたり、あるいはパターンの幅を変えることで、その抵抗値を変えることができる。
全ての検査用パターンRmnC,RmnLの抵抗値を同一にする場合には、全ての検査用パターンRmnC,RmnLを図13(a)に示すように構成すると、その構造が最も簡単になるので、好ましい。検査用パターンRmnC毎に抵抗値を変えたり,RmnL毎に抵抗値を変えるような場合には、その抵抗値に応じて、図13(a)〜図13(c)のうちの任意の構成を採用し、必要に応じてパターンの長さや幅を変えればよい。
次に、駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態で、駆動回路の動作検査を行う。この動作検査について、図11を参照して説明する。
この動作検査は、入力端子105〜108に各アドレスを指定するための信号を順次供給し、各アドレスが指定された各状態で、静電力用端子101,102間の抵抗値、及び、ローレンツ力用端子103,104間の抵抗値を、抵抗計等で測定することによって、行うことができる。このとき、アドレスデコーダ51,52が作動するように、図示しない電源端子に電源を供給する。
例えば、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えた状態にすると、正常であれば、選択スイッチMC11x,MC11y,ML11x,ML11yがオンする。したがって、この状態で、端子101,102に抵抗計を接続すると、正常であれば、端子101→スイッチMC11x→スイッチMC11y→検査用パターンR11C→端子102の経路で電流が流れて、抵抗計で測定された抵抗値は所定の抵抗値を示すことになる。一方、アドレスデコーダ51,52、選択スイッチMC11x,MC11y又はこれらに関する配線に異常があって前記経路に電流が流れなければ、抵抗計で測定された抵抗値は解放状態に相当する著しい大きい抵抗値を示す。このため、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えた状態で測定した端子101,102間の抵抗値に基づいて、アドレスデコーダ51,52の第1行第1列の選択動作、選択スイッチMC11x,MC11yの動作及びこれらに関する配線のいずれかに、異常があるか否かを判定することができる。
また、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えた状態で、端子103,104に抵抗計を接続すると、正常であれば、端子103→スイッチML11x→スイッチML11y→検査用パターンR11L→端子104の経路で電流が流れて、抵抗計で測定された抵抗値は所定の抵抗値を示すことになる。一方、アドレスデコーダ51,52、選択スイッチML11x,ML11y又はこれらに関する配線に異常があって前記経路に電流が流れなければ、抵抗計で測定された抵抗値は解放状態に相当する著しい大きい抵抗値を示す。このため、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えた状態で測定した端子103,104間の抵抗値に基づいて、アドレスデコーダ51,52の第1行第1列の選択動作、選択スイッチML11x,ML11yの動作及びこれらに関する配線のいずれかに、異常があるか否かを判定することができる。
したがって、入力端子105〜108に各アドレスを指定するための信号を順次供給し、各アドレスが指定された各状態で、静電力用端子101,102間の抵抗値、及び、ローレンツ力用端子103,104間の抵抗値を、抵抗計等で測定することによって、駆動回路の動作検査を行うことができるのである。
ところで、全ての検査用パターンRmnC,RmnLの抵抗値は、同一にしておいてもよい。ただし、この場合には、例えば、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えたにも拘わらずに、Yアドレスデコーダ51が誤動作して第2行を選択してしまうと、端子101,102間に抵抗計を接続した場合、端子101→スイッチMC21x→スイッチMC21y→検査用パターンR21C→端子102の経路で電流が流れるため、この場合に抵抗計で測定された抵抗値は、前述した正常な経路で電流が流れる場合に測定される抵抗値と実質的に同一となってしまう。このため、Yアドレスデコーダ51にこのような異常がある場合にも、正常であると判定してしまう。
これに対して、検査用パターンRmnCのうちの少なくとも1つの検査用パターンの抵抗値を、検査用パターンRmnCのうちの他の少なくとも1つの検査用パターンの抵抗値と異なる値にしておけば、全ての検査用パターンRmnCの抵抗値が同一である場合に比べて、静電力用回路に関する検査精度を高めることができる。例えば、検査用パターンR11Cの抵抗値と検査用パターンR21Cとが異なれば、入力端子105〜108に第1行第1列を指定する信号を与えたにも拘わらずに、Yアドレスデコーダ51が誤動作して第2行を選択してしまう場合には、測定された抵抗値から異常であると判定することができる。
例えば、検査用パターンRmnCに関して、同じ列の検査用パターンの抵抗値を互いに同一にし、異なる列の検査用パターンの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。例えば、R11C,R21C,R31Cの抵抗値を1Ω、R12C,R22C,R32Cの抵抗値を2Ω、R13C,R23C,R33Cの抵抗値を3Ωにしてもよい。この場合、全ての検査用パターンRmnCの抵抗値が同一である場合に比べて、静電力用回路に関する検査精度を高めることができる。
また、例えば、検査用パターンRmnCに関して、同じ行の検査用パターンの抵抗値を互いに同一にし、異なる行の検査用パターンの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。例えば、R11C,R12C,R13Cの抵抗値を1Ω、R21C,R22C,R23Cの抵抗値を2Ω、R31C,R32C,R33Cの抵抗値を3Ωにしてもよい。この場合にも、全ての検査用パターンRmnCの抵抗値が同一である場合に比べて、静電力用回路に関する検査精度を高めることができる。
静電力用回路に関する検査精度をより高めるためには、全ての検査用パターンRmnCの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。
同様に、検査用パターンRmnLのうちの少なくとも1つの検査用パターンの抵抗値を、検査用パターンRmnLのうちの他の少なくとも1つの検査用パターンの抵抗値と異なる値にしておけば、全ての検査用パターンRmnLの抵抗値が同一である場合に比べて、ローレンツ力用回路に関する検査精度を高めることができる。例えば、検査用パターンRmnLに関して、同じ列の検査用パターンの抵抗値を互いに同一にし、異なる列の検査用パターンの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。また、例えば、検査用パターンRmnLに関して、同じ行の検査用パターンの抵抗値を互いに同一にし、異なる行の検査用パターンの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。ローレンツ力用回路に関する検査精度をより高めるためには、全ての検査用パターンRmnLの抵抗値を互いに異なるようにしてもよい。
本実施の形態では、前述した駆動回路の動作検査が終了した後に、検査用パターンRmnC,RmnLの両側の切断点200で切断することで、検査用パターンRmnC,RmnLを駆動回路に対して電気的に無効にする。この状態の基板11上の回路を図14に示す。また、図14に示す回路のうちのローレンツ力用回路に関連する部分の配線パターンを、図15に模式的に示す。
検査用パターンRmnC,RmnLの両側の切断点200での切断は、例えば、検査用パターンRmnC,RmnLの両側のアルミ配線パターンにおける切断点200の箇所をエッチングで除去することによって、行うことができる。本実施の形態では、前述した絶縁膜15が既に形成されているので、アルミ配線パターンのエッチングの前に、絶縁膜15の対応箇所をエッチングで除去しておく。もっとも、絶縁膜15の形成を切断点200での切断終了後に行ってもよい。
検査用パターンRmnC,RmnLの両側の2箇所で切断する代わりに、一方側の1箇所のみで切断してもよいし、検査用パターンRmnC,RmnLの途中の1箇所のみで切断してもよいし、あるいは、検査用パターンRmnC,RmnLの全体をエッチングにより除去してもよい。これらによっても、検査用パターンRmnC,RmnLを駆動回路に対して電気的に無効にすることができる。
その後、絶縁膜15における配線パターン部分12c”,12d”に対応する箇所に、可動板12の電気要素を接続するためのコンタクトホールを形成する。引き続いて、膜の形成及びパターニング、エッチング、犠牲層の形成などの半導体製造技術を利用して、可動板12を形成する。これにより、基板11上の回路は、図11に示す通りとなる。図11に示す回路のうちのローレンツ力用回路に関連する部分の配線パターンを、図16に模式的に示す。
さらに、特許文献1,2に開示されているように、可動板12上にレジストを形成し、このレジストにミラー31に対応する凹所を形成した後、電解メッキによりミラー31となるべきAu、Niその他の金属を成長させることで、ミラー31を形成する。
その後、前記犠牲層及び前記レジストを除去し、基板11の切り出しを行い、切り出されたチップをパッケージ(図示せず)に実装して、前記第1の実施の形態による光スイッチアレー1が完成する。このとき、前述した駆動回路の動作検査で異常と判定されたものに相当するチップは、パッケージに実装せずに破棄する。
そして、このようにして完成した光スイッチアレー1について、最終検査を行う。この最終検査では、端子101〜108に順次所定の信号を与えることで、可動板12の機械的な動作を検査する。
本実施の形態によれば、予め検査用パターンRmnC,RmnLを形成しておくので、駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態で、駆動回路の動作検査が可能となっている。そして、この状態で駆動回路の動作検査が行われ、その検査の結果として駆動回路が異常であると判定されたチップは、パッケージに実装されないため、そのような不良チップをパッケージに実装してしまう場合に比べて、無駄なパッケージ費用やパッケージへの実装費用の削減を図ることができ、大幅にコストダウンを図ることができる。また、駆動回路の動作検査で不良であると判定されたものについては、機械的な動作検査が省略されるので、無駄な機械的動作検査の省略による検査時間の短縮ができるため、この点からも、大幅にコストダウンを図ることができる。
ここで、本実施の形態による製造方法と比較される比較例による製造方法について、図17乃至図19を参照して説明する。この比較例は従来技術に準じたものである。
図17乃至図19は、図11、図12及び図16にそれぞれ対応している。図17乃至図19において、図11、図12及び図16中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例による製造方法により製造される光スイッチアレーが前記第1の実施の形態による光スイッチアレー1と異なる所は、検査用パターンRmnC,RmnLがない点のみであり、両者は実質的に同一である。
この比較例では、まず、シリコン基板11(図6及び図7参照)上に、LSI製造プロセスなどの通常の半導体製造技術により、図9に示す駆動回路及びコンデンサCmnの固定電極41aを形成する。このとき、この比較例では、本実施の形態と異なり、検査用パターンRmnC,RmnLは形成しない。そして、これらの駆動回路及びコンデンサCmnの固定電極41aを、絶縁膜15(図6及び図7参照)で覆う。
このように駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態での、基板11上に形成された回路を、図17に示す。また、図17に示す回路のうちのローレンツ力用回路に関連する部分の配線パターンを、図18に模式的に示す。
本実施の形態では、駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態において、図11に示すように検査用パターンRmnC,RmnLによって閉じた回路が形成されるため、前述したような方法で駆動回路の動作検査が可能であった。これに対し、この比較例では、駆動回路及び固定電極41aの形成が終了しかつ各マイクロアクチュエータの可動板12が未だ形成されていない状態において、図17に示すように検査用パターンRmnC,RmnLがないことから回路が開放されて閉じていないので、駆動回路の動作検査は全く不可能である。
次に、この比較例では、駆動回路の動作検査を行うことなく、絶縁膜15における配線パターン部分12c”,12d”に対応する箇所に、可動板12の電気要素を接続するためのコンタクトホールを形成する。引き続いて、膜の形成及びパターニング、エッチング、犠牲層の形成などの半導体製造技術を利用して、可動板12を形成する。これにより、基板11上の回路は、図11において検査用パターンRmnC,RmnLをなくした回路となる。この回路のうちのローレンツ力用回路に関連する部分の配線パターンを、図18に模式的に示す。
さらに、この比較例においても、本実施の形態と同様に、可動板12上にレジストを形成し、このレジストにミラー31に対応する凹所を形成した後、電解メッキによりミラー31となるべきAu、Niその他の金属を成長させることで、ミラー31を形成する。
その後、この比較例においても、本実施の形態と同様に、前記犠牲層及び前記レジストを除去し、基板11の切り出しを行い、切り出されたチップをパッケージ(図示せず)に実装して、前記第1の実施の形態による光スイッチアレー1が完成する。このとき、この比較例では、本実施の形態と異なり、実際には駆動回路が不良であるチップも含めて全てのチップが、パッケージに実装される。
そして、この比較例では、このようにして完成した光スイッチアレー1について、最終検査を行う。したがって、この比較例では、本実施の形態と異なり、実際には駆動回路が不良であるものも含めて、全ての光スイッチアレー1について、最終検査が行われる。この最終検査では、端子101〜108に順次所定の信号を与えることで、可動板12の機械的な動作を検査する。この最終検査によって、比較例では、可動板12が不良であるために可動板12の機械的な動作が不良であるものの他、駆動回路が不良であるために可動板12の機械的な動作が不良であるものが、不良品として判別される。
この比較例によれば、途中段階での駆動回路の動作検査が不可能であり、その検査が行われないため、駆動回路が不良であるチップもパッケージに実装されてしまい、それの機械的な動作検査も行われるので、本実施の形態に比べると大幅なコストアップを免れない。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明では、駆動回路の構成は、前述したような構成に限定されるものではない。例えば、駆動回路の構成として、前記駆動回路からアドレスデコーダ51,52を除去して、アドレス選択線X1〜X3,Y1〜Y3にそれぞれ端子を接続した構成を採用してもよい。また、例えば、前記駆動回路において、前記ローレンツ力用電流源回路を追加したり、外部から供給される電圧のレベル変換して静電力用電圧を生成する電圧変換回路を追加したりしてもよい。
また、前記実施の形態では、駆動力として静電力及びローレンツ力の両方が用いられるようになっていたが、本発明では、駆動力として静電力及びローレンツ力のいずれか一方のみ、あるいは、他の駆動力を用いるように構成してもよい。
さらに、前記実施の形態では、可動板12が片持ち梁構造を有しているが、本発明では、例えば、可動部は両持ち梁構造を有していてもよい。
さらにまた、前記実施の形態は、光スイッチ装置としての光スイッチアレー1に適用した例であるが、本発明は、単一の光スイッチのみを有する光スイッチ装置に適用してもよい。
また、本発明によるマイクロアクチュエータ装置の用途は、光スイッチ装置に限定されるものではなく、他の光学装置やその他の種々の用途に用いることができる。
前記光スイッチアレー1で用いられているマイクロアクチュエータ装置は、基板11と該基板11に搭載された回路とを有し前記回路が第1の回路部と第2の回路部とから構成されたデバイスの一種である。前記光スイッチアレー1で用いられているマイクロアクチュエータ装置では、前記駆動回路が前記第1の回路部に相当し、前記可動板12の電気要素(コンデンサCmnの可動電極22d及びコイルLmn)が前記第2の回路部に相当している。本発明は、前記マイクロアクチュエータ装置以外のデバイスの製造方法にも適用することができる。
1 光スイッチアレー
11 基板
12 可動板
22c,Lmn コイル(ローレンツ力電流経路)
22d 可動電極
31 ミラー
41a 固定電極
Cmn コンデンサ(可動電極及び固定電極)
RmnC,RmnL 検査用パターン
200 切断点
51,52 アドレスデコーダ
MCmny,MCmnx,MLmny,MLmnx 選択スイッチ
11 基板
12 可動板
22c,Lmn コイル(ローレンツ力電流経路)
22d 可動電極
31 ミラー
41a 固定電極
Cmn コンデンサ(可動電極及び固定電極)
RmnC,RmnL 検査用パターン
200 切断点
51,52 アドレスデコーダ
MCmny,MCmnx,MLmny,MLmnx 選択スイッチ
Claims (10)
- 1つ以上のマイクロアクチュエータと、前記1つ以上のマイクロアクチュエータを駆動する駆動回路とを有するマイクロアクチュエータ装置であって、前記駆動回路が基板に搭載され、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの各々が、前記基板により支持されて前記基板に対して移動し得るとともに電気要素を含む可動部を有するマイクロアクチュエータ装置を、製造するマイクロアクチュエータ装置の製造方法であって、
前記基板上に、前記駆動回路を形成するとともに、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの各々に対応して、前記駆動回路における当該マイクロアクチュエータの前記可動部の前記電気要素に対応する箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンを形成する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記駆動回路の動作を検査する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記検査用パターンを前記駆動回路に対して電気的に無効にする第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記基板上に前記可動部を形成する第4の工程と、
を備えたことを特徴とするマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 前記検査用パターンがアルミニウム又はポリシリコンで構成されたことを特徴とする請求項1記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。
- 前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、
前記駆動回路は、前記1つ以上のマイクロアクチュエータに対応して設けられた選択スイッチと、当該選択スイッチのうち、外部からの入力信号に応じて当該入力信号に応じた選択スイッチを選択するデコーダと、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの少なくとも1つのマイクロアクチュエータに対応して設けられた前記検査用パターンの抵抗値が、前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの他の少なくとも1つのマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値と異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値が、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの同じ列のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに同一であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの異なる列のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 前記1つ以上のマイクロアクチュエータの数が2つ以上であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの同じ行のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに同一であり、
前記1つ以上のマイクロアクチュエータのうちの異なる行のマイクロアクチュエータに対応して形成された前記検査用パターンの抵抗値は、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロアクチュエータ装置の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれかによる製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置と、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの可動部にそれぞれ搭載された被駆動体とを備え、前記各被駆動体が光学素子であることを特徴とする光学装置。
- 請求項1乃至7のいずれかによる製造方法により製造されたマイクロアクチュエータ装置と、前記1つ以上のマイクロアクチュエータの可動部にそれぞれ搭載された被駆動体とを備え、前記各被駆動体がミラーであることを特徴とする光スイッチ装置。
- 基板と該基板に搭載された回路とを有するデバイスであって、前記回路が、第1の回路部と第2の回路部とから構成されたデバイスを、製造するデバイスの製造方法であって、
前記基板上に、前記第1の回路部を形成するとともに、前記回路における前記第2の回路部に対応する箇所間を電気的にバイパスしかつ所定の抵抗値を持つ検査用パターンを形成する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記第1の回路部の動作を検査する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記検査用パターンを前記第1の回路部に対して電気的に無効にする第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記基板上に前記第2の回路部を形成する第4の工程と、
を備えたことを特徴とするデバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004372412A JP2006175564A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | マイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004372412A JP2006175564A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | マイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチ装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2004372412A Pending JP2006175564A (ja) | 2004-12-24 | 2004-12-24 | マイクロアクチュエータ装置等のデバイスの製造方法、並びに、光学装置及び光スイッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006175564A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016067154A1 (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-06 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 表示素子、表示装置、または電子機器 |
US9891873B2 (en) | 2015-10-30 | 2018-02-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Print system, display control device, display control method, and non-transitory computer readable medium that specifies a storage medium to be replaced |
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2004
- 2004-12-24 JP JP2004372412A patent/JP2006175564A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016067154A1 (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-06 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 表示素子、表示装置、または電子機器 |
JPWO2016067154A1 (ja) * | 2014-10-29 | 2017-09-21 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 表示素子、表示装置、または電子機器 |
US10199592B2 (en) | 2014-10-29 | 2019-02-05 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Display element, display device, or electronic device |
US9891873B2 (en) | 2015-10-30 | 2018-02-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Print system, display control device, display control method, and non-transitory computer readable medium that specifies a storage medium to be replaced |
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