JP2006174730A - 冷凍食品の解凍方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 店舗のバックヤードに設置された解凍装置10により、種類の異なる複数の冷凍食品を空気熱媒と接触させて解凍する方法において、前記解凍装置10が、バッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫13、15を複数備えるとともに、該複数の解凍庫の解凍機構を夫々独立制御する複数の解凍制御手段41を備え、前記冷凍食品の種類に応じて前記解凍制御手段41に組込まれた解凍温度パターンを選択するステップと、前記選択された解凍温度パターンに応じて前記複数の解凍庫が夫々独立して庫内温度をプログラム制御し、前記冷凍食品の解凍を行なうステップと、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
冷凍食品を解凍する装置には、電子レンジ等のように高周波を利用した装置、蒸気、温水を利用した装置、温風を利用した装置などが挙げられる。しかし、高周波利用の装置では、短時間で解凍可能であるが急激な温度上昇を伴うため、食品中の温度分布が不均一となり外観、味の劣化は避けられなかった。また、蒸気、温水利用の装置では、食品に水分が浸入しないように完全な密封が必要とされ、適用できる食品が限られていた。
そこで、例えば特許文献1(特開平8−214850号公報)及び特許文献2(特開平7−253265号公報)では、冷凍食品を収納する解凍庫内の温度を加熱空気により昇温させて解凍する方法が提案されている。
また、特許文献2では、マイナス温度帯を含む食品の冷蔵温度を庫内の設定温度とし、この設定温度の上下に上限温度と下限温度を設定し、解凍庫内に収容した冷凍食品の冷却作用により庫内温度が下限温度に低下したら加熱ヒータを運転し、この運転により庫内温度が上限温度に上昇したら加熱ヒータを停止するようにした解凍装置を開示している。
このように、解凍後に収納筐体内温度を制御するようにしたため、解凍品に結露及び乾燥が生じることなく解凍前の品質を再現することを可能とした。
中食の製造、販売過程は、最初にサプライヤーの工場で調理、盛り付けされ、20℃前後に管理された状態で配送センターに送られ、その後配送車で各店舗に配送されて店頭に並び、消費者の手に渡るという一連の物流システムにより成立している。従来は製品の鮮度、味を保つために、製造した製品は小口でかつ多頻度で店舗に配送されていた。
しかし、販売時間に合わせた製造を行なうと、深夜、早朝を含む24時間の生産ラインが必要となり、過酷な労働条件下でかつ人件費を含む生産コストも増大してしまう。
また、食品を20℃前後に保持した状態では食品に付着した菌が物流の過程で繁殖することがあり、防腐剤を使用しなければならなかった。
そこで、防腐剤や白蝋化防止剤等の添加剤を利用することなく、消費者の健康を重視した方法として、調理済み食品を製造直後に凍結して、凍結状態のまま各店舗に配送し、店舗で又は一般家庭で随時解凍する方法が提案されている。
冷凍食品を解凍する際には、上記したような解凍装置を用いることにより食品の味、鮮度、外観等を損なわずに解凍することが可能であるが、例えば複数種類の冷凍食品を一度に解凍する場合、何度も解凍処理を繰り返して行なわなければならず、手間、時間がかかってしまうという問題がある。
また、複数種類の冷凍食品を解凍する場合には、夫々の冷凍食品の種類に応じて解凍温度パターンが異なっているため、一様な処理を行うことは品質低下を招く原因となってしまう。
店舗のバックヤードに設置された解凍装置により、種類の異なる複数の冷凍食品を空気熱媒と接触させて解凍する方法において、
前記解凍装置が、バッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫を複数備えるとともに、該複数の解凍庫の解凍機構を夫々独立制御する複数の解凍制御手段を備え、
前記冷凍食品の種類に応じて前記解凍制御手段に組込まれた解凍温度パターンを選択するステップと、
前記選択された解凍温度パターンに応じて前記複数の解凍庫が夫々独立して庫内温度をプログラム制御し、前記冷凍食品の解凍を行なうステップと、を有することを特徴とする。
さらに、前記解凍装置をコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗のバックヤードに設置することで、防腐剤や白蝋化防止剤等の添加物を使用せずに冷凍状態にて大量に配送、保存し、必要な量だけ短時間、高品質に解凍して販売できるため、消費者にとって安全で、かつ食品製造業者にとって安定した販売が可能となる。
このように、冷凍保管機能や保冷機能を併せ持つことにより、別個に冷凍庫や冷蔵貯蔵庫を設置する必要がなく、店舗のバックヤードの省スペース化が図れる。
さらに、前記解凍温度パターン選択ステップでは、前記解凍装置の前面に配設された解凍モード選択パネルにて利用者により選択された解凍モードに応じて、前記解凍温度パターンが選択されるようにすることが好ましく、これにより、操作が簡易化され、誰でも手軽に利用することができるようになる。
店舗のバックヤードに設置され、冷凍食品を空気熱媒と接触させて解凍する解凍庫を備えた冷凍食品の解凍装置において、
前記解凍装置が、バッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫を複数備え、該複数の解凍庫が上下方向に隣接配置されるとともに、該複数の解凍庫を夫々独立して制御する解凍制御手段が設けられ、
前記解凍制御手段が、前記冷凍食品の種類毎に異なる解凍温度パターンを有し、前記解凍温度パターンに基づき前記複数の解凍庫の庫内温度を夫々独立してプログラム制御するように構成したことを特徴とする。
さらにまた、前記解凍装置の前面に、前記解凍温度パターンを選択するための解凍モード選択パネルを配設することが好ましい。
さらに、前記解凍装置をコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗のバックヤードに設置することで、防腐剤や白蝋化防止剤等の添加物を使用せずに冷凍状態にて大量に配送、保存し、必要な量だけ短時間、高品質に解凍して販売できるため、消費者にとって安全で、かつ食品製造業者にとって安定した販売が可能となる。
本実施例に係る解凍装置は、例えばコンビニエンスストア、スーパーマーケット等の調理済み食品を販売する店舗のバックヤードに設置され、製造工場から冷凍状態で配送される複数種類の冷凍食品を解凍する装置である。処理対象である冷凍食品には、弁当、おにぎり、惣菜、寿司等の調理済み食品が挙げられる。
図1及び図2に示すように、本実施例に係る解凍装置10はバッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫13、15が上下方向に複数隣接配置された構成となっており、各解凍庫13、15は前面が開閉可能な扉13a、15aで形成され、夫々の扉には開閉用の把持部13b、15bが備えられている。前記解凍庫の好適な構成としては、図示のように一の筐体からなる本体11を上下方向に仕切り、上段解凍庫13と下段解凍庫15の二の密閉性断熱空間を有する構成が挙げられる。またこれらの解凍庫上方には各種制御機構が収納される制御装置収納部12が設けられている。さらに、前記本体11の前面には、解凍する冷凍食品に応じた解凍モードを選択する解凍モード選択パネルが配設されている。
また、前記上段解凍庫13の一側面には吸気孔が設けられ、該吸気孔に吸気ダクト26が接続されている。前記吸気ダクト26の上流側には空気熱媒を加熱するヒータ28と、加熱された空気熱媒を庫内に循環させる循環ファン27と、からなる加熱装置が設けられる。さらに、前記上段解凍庫13の背面には排気孔が設けられ、該排気孔に排気ダクト29が接続されている。
また、前記下段解凍庫15は、上記した上段解凍庫13と略同様の構成をしており、収納棚体30、吸気ダクト31、循環ファン32、ヒータ33、排気ダクト34を具備した構成となっている。
前記冷凍装置16、20は、圧縮機17、21、冷却ファン18、22、凝縮器19、23、及び不図示の膨張弁、電磁弁、キャピラリチューブ等からなる周知の冷凍サイクルを構成する部品からなる。前記冷凍装置16は不図示のダクトにより前記上段解凍庫13に接続され、一方前記冷凍装置20は不図示のダクトにより前記下段解凍庫15に接続される。
本実施例では、前記冷凍装置16、20と前記加熱装置(ヒータ、循環ファンを含む)により解凍機構が形成され、該解凍機構は各解凍庫13、15に対応するように設けられ、夫々の庫内温度を独立制御可能に構成されている。
尚、前記冷凍装置若しくは前記加熱装置を複数の解凍庫にて共有する構成としても良く、この場合、前記冷凍装置若しくは前記加熱装置により温度調節した空気熱媒を夫々の解凍庫13、15へ導入する際に、吸気ダクト26、31に設けた開閉制御可能なダンパにて前記空気熱媒を流量制御して、複数の解凍庫の庫内温度を独立制御する。
前記解凍温度パターンは前記解凍モード選択パネル40にて選択できるようになっている。該解凍モード選択パネルの一例を図3に示す。該解凍モード選択パネル40には、解凍処理する冷凍食品の種類を選択する解凍モード選択キー42と、解凍プログラム制御の実行を開始するスタートキー43と、解凍プログラム制御を終了させるストップキー44と、解凍時間や庫内温度等を表示する液晶画面45と、回転操作により自在にモードを選択可能な回転選択キー46と、を備えている。
また、前記下段解凍庫15では、前記上段解凍庫13とは別の解凍モードを選択して、異なる解凍処理を行うことができる。
これによれば、例えば上段解凍庫13にて前記解凍モード選択パネル40のうち米飯(大)の解凍モード選択キー42が選択された場合、上段解凍庫13の庫内温度は該米飯(大)の解凍温度パターンに沿った温度にプログラム制御される。
解凍開始までは冷凍保管モードにより庫内温度は冷凍状態を形成する温度に制御され、スタートキー43により解凍モードに移行する。該解凍モードでは、まず大幅な温度上昇が行なわれる。このとき、前記ヒータ28及び前記循環ファン27が起動し、前記吸気ダクト26から庫内に高温の空気熱媒が供給され、前記排気ダクト29から排気される。そして、解凍モードが終了すると、前記制御装置41は冷凍装置16を起動させて低温の空気熱媒を庫内に循環させ、庫内温度を低下させる。さらに、前記冷凍食品を解凍庫13から取り出すまでの間は保冷モードに設定することが好ましい。
さらには、前記解凍装置10をコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗のバックヤードに設置することで、防腐剤や白蝋化防止剤等の添加物を使用せずに冷凍状態にて大量に配送、保存し、必要な量だけ短時間、高品質に解凍して販売できるため、消費者にとって安全で、かつ食品製造業者にとって安定した販売が可能となる。
13 上段解凍庫
15 下段解凍庫
16、20 冷凍装置
17、21 圧縮機
18、22 冷却ファン
19、23 凝縮器
25、30 収納棚体
26、31 吸気ダクト
27、32 循環ファン
28、33 ヒータ
29、34 排気ダクト
40 解凍モード選択パネル
41 制御装置
Claims (6)
- 店舗のバックヤードに設置された解凍装置により、種類の異なる複数の冷凍食品を空気熱媒と接触させて解凍する方法において、
前記解凍装置が、バッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫を複数備えるとともに、該複数の解凍庫の解凍機構を夫々独立制御する複数の解凍制御手段を備え、
前記冷凍食品の種類に応じて前記解凍制御手段に組込まれた解凍温度パターンを選択するステップと、
前記選択された解凍温度パターンに応じて前記複数の解凍庫が夫々独立して庫内温度をプログラム制御し、前記冷凍食品の解凍を行なうステップと、を有することを特徴とする冷凍食品の解凍方法。 - 前記解凍温度パターンには、庫内温度を上昇させて前記冷凍食品の解凍を行なう解凍モードと、解凍前の冷凍食品を冷凍状態で保存する冷凍保管モードと、解凍後の冷凍食品を解凍状態で保冷する保冷モードと、が含まれることを特徴とする請求項1記載の冷凍食品の解凍方法。
- 前記解凍温度パターン選択ステップでは、前記解凍装置の前面に配設された解凍モード選択パネルにて選択された解凍モードに応じて、前記解凍温度パターンが選択されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の冷凍食品の解凍方法。
- 店舗のバックヤードに設置され、冷凍食品を空気熱媒と接触させて解凍する解凍庫を備えた冷凍食品の解凍装置において、
前記解凍装置が、バッチ当りの冷凍食品の収容個数が限定された断熱空間を形成する解凍庫を複数備え、該複数の解凍庫が上下方向に隣接配置されるとともに、該複数の解凍庫を夫々独立して制御する解凍制御手段が設けられ、
前記解凍制御手段が、前記冷凍食品の種類毎に異なる解凍温度パターンを有し、前記解凍温度パターンに基づき前記複数の解凍庫の庫内温度を夫々独立してプログラム制御するように構成したことを特徴とする冷凍食品の解凍装置。 - 前記解凍温度パターンには、庫内温度を上昇させて前記冷凍食品の解凍を行なう解凍モードと、解凍前の冷凍食品を冷凍状態で保存する冷凍保管モードと、解凍後の冷凍食品を解凍状態で保冷する保冷モードと、が含まれることを特徴とする請求項4記載の冷凍食品の解凍装置。
- 前記解凍装置の前面に、前記解凍温度パターンを選択するための解凍モード選択パネルを配設したことを特徴とする請求項4記載の冷凍食品の解凍装置。
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