JP2006174505A - 衛星通信システムの再送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電波不感地帯をカバーするために設けられる再送信装置を有効利用し、送受信装置を新設せずに安価で付加価値の高い放送サービスを実現する。
【解決手段】 サービスエリア内の第1及び第2の再送信装置GFa,GFbは、ローカル放送素材LI1,LI2を入力し、ローカル放送素材LI1をCDM信号に変換したのち静止衛星SAT1から到来したCDM放送信号に合成して送信するか、又は静止衛星SAT1から到来し再生した各チャネルの放送番組情報にローカル放送素材LI2をCDM多重して送信する。各再送信装置GFa,GFbには予め識別符号を割り当てられ、送信局BC1が、対象とする再送信装置の識別符号を付した遠隔制御情報を送信信号中に多重して送出することで、再送信装置GFa,GFbでは、受信信号から自装置の識別符号が付された遠隔監視制御情報を取得して対応する制御動作を行い、その制御結果を付加情報に含めて送出する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、放送衛星又は通信衛星を使用して地上のサービスエリアに向けて伝送情報を送出する衛星通信システムに係わり、特に衛星からの電波の不感地帯をカバーするために設置される再送信装置に関する。
近年、通信ニーズの増大と通信技術の発展に伴い種々の通信システムが開発されており、その中に放送衛星や通信衛星を利用した衛星通信システムがある。衛星通信システムの利点は、地上に大がかりなインフラを整備しなくても広範囲のサービスエリアに対し情報放送サービスを提供できることである。
ところで、この種のシステムが抱える課題の一つに、衛星からの直接波を受信できない山陰やビル陰、トンネル内等の電波不感地帯への対策がある。これに対し従来では、例えば特願平9−178659号に示されるように、ビルの屋上や鉄塔等のように衛星からの見通しが利く場所に再送信装置を設置し、衛星からの電波をこの再送信装置で受信して電波不感帯へ再送信する、いわゆるギャップフィラー技術が提唱されている。このギャップフィラー技術を採用することで、電波不感地帯をなくしてエリアカバー率の高いシステムを構築することが可能となる。
しかしながら、従来から提唱されているギャップフィラーのための再送信装置は、送受信設備を有しているにも拘わらず、ただ単に衛星からの電波を中継送信するためにしか使用されていないのが現状である。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、電波不感地域をカバーするために設けられる再送信装置を有効利用し、これにより送受信設備を新設することなく安価で付加価値の高いサービスを実現した衛星通信システムの再送信装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明に係わる衛星通信システムの再送信装置は、受信端末への伝送情報に予め自装置に割り当てられる識別符号を付した遠隔制御情報を含めた送信信号を衛星を介して地上の所定のサービスエリアへ送信する衛星通信システムに用いられ、前記衛星から到来した信号を電波不感地域を含む部分エリアへ中継再送信するために設けられる再送信装置であって、前記衛星から到来した信号を受信する受信手段と、前記受信信号中の伝送情報に付加情報を付加する情報付加手段と、この情報付加手段で付加情報が付加された伝送情報を送信信号として前記部分エリアに向けて送信する送信手段と、前記受信信号から予め割り当てられた識別符号が付された遠隔制御情報を取得して対応する自装置内の制御動作を行う遠隔制御処理手段とを具備し、前記送信手段は、前記送信信号を前記電波不感地域の大きさに応じて設定された送信電力で増幅して当該地域に向けて送信することを特徴とするものである。
また、前記衛星から到来した信号が、複数チャネルのうちの一つを固定パターンのパイロット信号伝送用、他のチャネルを伝送情報伝送用に割り当てて、全チャネルを符号拡散変調して多重したものであるとき、前記情報付加手段は、前記受信手段の受信信号からパイロット信号伝送用のチャネルを復調してパイロット信号を取り出し、固定パターンとの相関をとって同期タイミングを検出し、この同期タイミングに基づいて付加情報の符号拡散変調信号を前記受信信号に多重することを特徴とする。
また、前記遠隔制御情報は、自装置の監視情報を前記付加情報に含めるように指示する情報であり、前記衛星通信システムが前記部分エリアに遠隔監視装置を配置して監視情報を収集するとき、前記遠隔制御処理手段は、前記遠隔制御情報の取得に対応して自装置の監視情報を前記付加情報に含め、前記送信手段は、前記監視情報が含められた付加情報が付加された伝送情報を送信信号として前記遠隔監視装置に送信することを特徴とする。
また、前記付加情報は、前記部分エリア向けに特定されたローカル情報であることを特徴とする。
また、前記情報付加手段は、前記遠隔制御情報に基づく制御結果を前記付加情報に含め、前記送信手段が制御結果を含む付加情報を送信することを特徴とする。
これらの発明によれば、電波不感地域をカバーするために設置される再送信装置を利用して、付加情報を伝送情報に付加して送信することが可能となる。このため、衛星を利用した広域へのグローバルな放送サービスに加えて、部分エリアごとにその地域特有のローカル情報等を放送することが可能となり、これにより付加価値の高い放送サービスを提供できるようになる。また、付加情報の放送用に新たな送信設備を設ける必要がないので、ローカル放送サービスを安価に実現できる利点がある。
多重化方式として符号分割多重方式を利用する場合、送信局から送信される信号を、複数チャネルのうちの一つを固定パターンのパイロット信号伝送用、他のチャネルを伝送情報伝送用に割り当てて、全チャネルを符号拡散変調して多重したものとする。これにより、再送信装置では、送信局からの送信信号を衛星を介して受信したとき、その受信信号からパイロット信号伝送用のチャネルを復調してパイロット信号を取り出し、固定パターンとの相関をとって同期タイミングを検出し、この同期タイミングに基づいて付加情報の符号拡散変調信号を受信信号に多重して再送信することが可能となり、全チャネルを復調する必要がないため、構成の簡略化を実現できる。
また、多重化方式として符号分割多重方式を利用することで、サービスエリア内の受信端末は、衛星からの信号と再送信装置からの信号をRAKE合成して受信することが可能となり、受信感度を向上させることができる。
また、再送信装置それぞれに予め識別符号を割り当てておき、送信局において、対象とする再送信装置それぞれの識別符号を付した遠隔監視制御情報を送信信号中に多重して送出し、サービスエリアに設けられる複数の再送信装置においては、それぞれ受信信号から自装置の識別符号が付された遠隔監視制御情報を取得して対応する制御動作を行い、その制御結果を前記付加情報に含めて送出するようにすると、新たに通信回線を設けることなく、各再送信装置の遠隔制御が可能となる。
さらに、複数の再送信装置の再送信放送信号を受信して、付加情報中の遠隔監視制御結果を取り出し、まとめて再送信装置管理局へ伝送する遠隔監視装置を備えるようにすれば、各再送信装置の遠隔制御と共に遠隔監視を実現することが可能となる。
以上のようにこの発明では、サービスエリアに再送信装置を設置して、この再送信装置に情報送付加手段を新たに設け、付加情報を上記放送信号により変調された放送情報に付加して前記部分エリアに向け送信するように構成している。
また、この発明では、伝送方式としてCDMを利用し、1チャネルに同期信号を割り当て、再送信装置では受信したCDM信号から同期信号のチャネルのみを復調し、同期をとって付加情報を符号拡散変調し、受信CDM信号に多重して再送信するように構成し、構成の簡略化を実現している。
さらに、この発明では、各再送信装置をIDで管理し、放送波に各再送信装置に対する遠隔制御情報を乗せ、再送信装置にて自己IDの遠隔制御情報を受け取ってその制御を実行し、監視情報をローカル情報に乗せて送信し、遠隔監視装置にて各再送信装置からのローカル信号中の監視情報を受け取り、管理局へまとめて伝送する構成とし、各再送信装置に対する遠隔監視のための回線敷設を省くようにしている。
したがってこの発明によれば、電波不感地域をカバーするために設けられる再送信装置を有効利用し、これにより送受信装置を新設することなく安価で付加価値の高い放送サービスを実現した衛星通信システムの再送信装置を提供することができる。
以下、この発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
図1は、この発明に係わるギャップフィラー機能を備えた衛星通信システムの一実施形態を示す概略構成図である。
この衛星通信システムは、地上放送局BC1と、静止衛星SAT1と、この静止衛星SAT1の動作状態を監視し制御する衛星追跡管制局BSとを備えている。
地上放送局BC1は、各放送事業者により作成・編集された複数チャネル分の放送番組情報を、Kuバンド(14GHz)の上り伝送路を介して静止衛星SAT1へ2波で送信する。1波は、上記複数チャネルの放送番組情報をCDM方式で多重したもので、他の1波は同じ放送番組情報をTDM方式で多重したものである。
静止衛星SAT1は、Kuバンド用受信アンテナと、Kuバンド用送信アンテナと、Sバンド(例えば2.5GHz)用送信アンテナとを備えている。そして、上記地上放送局BC1からKuバンド(14GHz)の上り伝送路を介して送られたCDM放送信号及びTDM放送信号を、上記Kuバンド用受信アンテナで受信する。
また静止衛星SAT1は、受信した2波の放送信号のうち、CDM放送信号を第1の中継器でSバンド(2.5GHz)の放送信号に周波数変換し、このSバンドのCDM放送信号を上記Sバンド用送信アンテナからSバンド(2.5GHz)の下り伝送路を介してサービスエリアに向け送信する。また、上記受信した2波の放送信号のうち、TDM放送信号を第2の中継器でKuバンド(12GHz)の放送信号に周波数変換して、この変換されたKuバンドのTDM放送信号を上記Kuバンド用送信アンテナからKuバンド(12GHz)の下り伝送路を介してサービスエリアへ送信する。
一方、サービスエリアでは、例えばオフィスや家庭に固定的に設置された放送受信装置(図示せず)や、車載或いは携帯型の移動可能な放送受信装置MSが使用される。これらの放送受信装置MSは、上記静止衛星SAT1からSバンド(2.5GHz)の下り伝送路を介して放送されているCDM放送信号を受信し再生する。なお、映像信号を伝送する場合には映像符号化方式としてMPEG4(moving picture experts group 4)が用いられる。
ところで、この実施形態のシステムでは、サービスエリア内の静止衛星SAT1からの電波を受信できない、いわゆる電波不感地域をカバーするために、サービスエリアの要所に再送信装置を配置している。再送信装置には、ビル陰等による電波不感地域を個別にカバーする小電力タイプの第1の再送信装置GFaと、複数の電波不感地域を含む比較的広いエリアをまとめてカバーする大電力タイプの第2の再送信装置GFbとがある。
第1の再送信装置GFaは、例えば電波不感地域に近接するビルの屋上に設置される。そして、静止衛星SAT1からSバンド(2.5GHz)の下り伝送路を介して到来したCDM放送信号を受信し、この受信したCDM放送信号を同一周波数に保持したまま、電波不感地域に向け再送信する。
図2は、その構成を示す回路ブロック図である。すなわち、静止衛星SAT1から到来したCDM放送信号は、Sバンド受信アンテナ11で受信される。この受信されたCDM放送信号は、分配器12を介してSバンド増幅器13及び帯域通過フィルタ14に順次入力され、これらの増幅器13及び帯域通過フィルタ14でそれぞれ増幅及び不要波成分の除去が行われたのち、合成器15に入力される。
ところで、この第1の再送信装置GFaでは、自装置GFaがカバーする電波不感地域に関係したローカルな放送コンテンツの情報(ローカル素材)LI1を、上記静止衛星SAT1から受信したCDM放送信号に付加して送信する機能を有している。
すなわち、受信されたCDM放送信号は、分配器12により分岐されてパイロット復調部17に入力され、このパイロット復調部17でCDM同期タイミングが検出される。そして、図示しない素材入力部により入力された1チャネル分のローカル素材LI1は、CDM変調部18において上記CDM同期タイミングに同期してCDM変調され、さらに増幅部19で増幅されて合成器15に入力される。合成器15では、上記ローカル素材LI1のCDM変調信号が、帯域通過フィルタ14を介して入力された前記受信CDM放送信号に合成される。そして、この合成されたCDM放送信号は、Sバンド送信アンテナ16から電波不感地域に向け送信される。
一方、大電力タイプの第2の再送信装置GFbは、都市の中心部、例えば市役所や区役所の屋上に設置されている放送塔に設けられる。そして、静止衛星SAT1からKuバンド(12GHz)の下り伝送路を介して到来したTDM放送信号を受信復調して各チャネルの放送番組情報を再生し、この再生した各チャネルの放送番組情報によりCDM変調されたSバンド(2.5GHz)の放送信号を生成して、複数の電波不感地域を含む広域の再送信エリアに向け再送信する。
図3は、その構成を示す回路ブロック図である。すなわち、静止衛星SAT1から到来したKuバンドのTDM放送信号は、Kuバンド受信アンテナ21で受信される。この受信されたTDM放送信号は、低雑音周波数変換器(LNB)22で中間周波数又はベースバンド周波数にダウンコンバートされたのち、TDM復調器(TDM−DEM)23で復調され、これにより複数チャネルの放送番組情報が再生される。これら各チャネルの放送番組情報は、シリアル/パラレル(S/P)変換器24でチャネルごとのパラレルデータに変換されたのち、それぞれCDMベースバンド処理部25に入力される。なお、ここでは最大35チャネル(CH1〜CH35)分の放送番組情報を受信する場合を例示している。
各CDMベースバンド処理部25では、上記チャネルごとの放送番組情報に対しそれぞれ誤り訂正符号化やインターリーブ等のCDM変調のためのベースバンド処理が施される。そして、各CDMベースバンド処理部25から出力されたチャネルごとの放送番組情報はCDM変調器26にそれぞれ入力される。
ところで、この第2の再送信装置GFbには、自装置GFaがカバーする広域の再送信エリア向けに放送すべきローカルな放送コンテンツ情報(ローカル素材)LI2を、上記静止衛星SAT1から受信した各放送番組情報に多重化して送信する機能が設けられている。
すなわち、図示しないローカル素材入力手段により入力されたローカル素材LI2は、ベースバンド処理部31に入力される。このベースバンド処理部31では、上記TDM復調器23から出力される同期タイミングをもとにしたローカル情報の送信タイミングの生成と、入力されたローカル素材LI2に対するA/D変換が行われる。このベースバンド処理部31から出力されたローカル素材LI2は、CDMベースバンド処理部32に入力され、ここで帯域圧縮のための符号化及び誤り訂正符号化等のCDM変調のためのベースバンド処理が行われる。そして、このベースバンド処理後のローカル素材の送信情報はCDM変調器26に入力される。なお、ここではローカル素材を1チャネル送信する場合を例示している。
CDM変調器26は、上記各CDMベースバンド処理部25,32から出力された各チャネルの放送番組情報及びローカル素材の送信情報をそれぞれ異なる拡散符号で変調したのち合成し、これによりCDM多重されたCDM放送信号が生成される。このCDM放送信号は、拡散変調器26でスペクトラム拡散変調されたのち送信電力増幅器28で大電力増幅され、さらに帯域通過フィルタ29でSバンドの周波数(2.5GHz)に帯域制限されたのちSバンド送信アンテナ30から再送信エリアに向け送信される。なお、33は監視制御部であり、図示しない遠隔監視センタからの指示に従い送信電力の制御を行ったり、また障害監視等を行う。
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
地上放送局BC1から送信されたKuバンド(14GHz)のCDM放送信号及びTDM放送信号は、それぞれ静止衛星SAT1の第1及び第2の中継器でSバンド(2.5GHz)のCDM放送信号とKuバンド(12GHz)のTDM放送信号とに周波数変換されたのち、それぞれSバンド(2.5GHz)とKuバンド(12GHz)の二つの下り伝送路を介してサービスエリアへ向け放送される。
これに対しサービスエリア内において、静止衛星SAT1からのCDM放送信号を直接受信できる場所に存在する放送受信装置MSは、静止衛星SAT1から送信されたSバンド(2.5GHz)のCDM放送信号の直接波を受信し、この受信したCDM放送信号に含まれる複数チャネルの放送番組情報の中から所望のチャネルの放送番組情報を再生する。そして、放送番組情報が映像及び音声からなる場合には、映像をディスプレイに表示すると共に音声をスピーカから出力する。また放送番組情報が音声のみにより構成される場合には、この音声をスピーカから出力する。
一方、静止衛星SAT1からの直接波を受信不可能な電波不感地域に存在する放送受信装置MSに対しては、小電力タイプの第1の再送信装置GFaからCDM放送信号が送られる。すなわち、静止衛星SAT1からSバンドの下り伝送路を介して送られたCDM放送信号は第1の再送信装置GFaでも受信され、第1の再送信装置GFaはこの受信したCDM放送信号を増幅して電波不感地域へ再送信する。このため放送受信装置MSは、例えばビル陰等の電波不感地域に存在する場合でも、CDM放送信号を受信して所望のチャネルの放送番組情報を視聴又は聴取することができる。
ところで、第1の再送信装置GFaでは、例えば電波不感地域に存在する店舗等から提供されたローカル放送素材LI1が、静止衛星SAT1から到来するCDM放送信号に同期してCDM信号に変換され、しかるのち上記静止衛星SAT1からのCDM放送信号に合成されて電波不感地域へ向け送信される。したがって放送受信装置MSは、電波不感地域に存在する状態においてその地域特有のローカル放送情報を受信し視聴又は聴取することが可能となる。
なお、放送受信装置MSがローカル放送情報を受信する場合、通常はユーザがそのチャネルを選択することで可能になる。しかし、定期的又は常時ローカル放送用のチャネルを選局することでその受信電波の有無を監視し、受信電波を検出したときにこのローカル放送用チャネルを受信して、その受信情報を表示又は音声出力するようにしてもよい。さらにこの場合、ユーザが選択しているチャネルの放送番組情報の視聴又は聴取を妨げないようにするために、ローカル放送情報を文字情報としてディスプレイの表示画面の一部にテロップで表示する、あるいはローカル放送情報を受信した旨或いは受信したローカル放送情報の内容を表す音声ガイダンスや音楽、鳴音等を、放送番組情報の音声信号に重畳又は割り込んでスピーカから出力させるとよい。
図4は、第1の再送信装置GFaによるローカル放送素材LI1の放送形態の一例を示すもので、電波不感地域Ea1,Ea2,Ea3,Ea4においてそれぞれ近接するファーストフード店、ガソリンスタンド、ファミリレストラン及びコンビニエンス・ストアの広告や営業案内を放送するようにしたものである。このようにすると、各店舗は移動中の車両又は歩行者に対し店の存在を表示する、いわゆる電波看板として利用することができる。また放送事業者にとっては、店舗から第1の再送信装置GFaの設置場所の提供を受ける、あるいは装置のメンテナンスや電力供給を店舗に依頼するといったことが可能となり、システムの拡充を容易にする利点がある。
なお、第1の再送信装置GFaの設置場所は電波不感地域に限るものではなく、ローカル情報の送信を希望する店舗等があれば、この店舗等の周辺エリアに設置するようにしてもよい。
一方、この実施形態に係わるシステムは、大電力タイプの第2の再送信装置GFbを備えており、この第2の再送信装置GFbから放送信号の再送信とローカル放送素材LI2の送信を行っている。
すなわち、静止衛星SAT1からKuバンド(12GHz)の下り伝送路を介して到来したTDM放送信号は第2の再送信装置GFbで受信される。第2の再送信装置GFbでは、この受信したTDM放送信号が復調されて一旦チャネルごとの放送番組情報に再生されたのち、CDM変調により多重化されてSバンドのCDM放送信号が生成され、このCDM放送信号はSバンド送信アンテナ30から複数の電波不感地域を含む比較的広域の再送信エリアに向け送信される。
したがって、この再送信エリア内において放送受信装置MSは、例えばビル陰等の電波不感地域に存在する場合でも、第2の再送信装置GFbから再送信されたCDM放送信号を受信し、所望のチャネルの放送番組を視聴又は聴取することが可能となる。
なお、上記再送信エリア内の電波不感地域以外の地域に存在する放送受信装置MSでは、静止衛星SAT1からのCDM信号と、第2の再送信装置GFbから再送信されたCDM放送信号とが両方とも受信されるため、両信号の送信タイミングに時間差があると放送受信装置において一時的に同期が外れることがある。すなわち、衛星からの直接波を受信していた放送受信装置MSが、第2の再送信装置GFbから再送信された信号を受信する場合に、信号の受信タイミングがずれてしまい、再同期をとるまでに一時的に受信断となる。
しかし、放送局BC1は直接波用の送信信号の送信タイミングに、第2の再送信装置GFbにおける復調及び再変調処理による遅延時間を考慮して、予め遅延を与えている。このため、放送受信装置MSにおいて、静止衛星SAT1から直接届くCDM信号と、第2の再送信装置GFbから再送信されたCDM放送信号との受信タイミングは一致することになり、この結果一時的な同期外れによる受信断の発生は防止されるか又は発生してもごく短時間で済む。なお、上記直接波の遅延処理は、静止衛星SAT1の中継器において行うことも可能である。
ところで、第2の再送信装置GFbでは、例えば市町村役場から提供されたローカル放送素材LI2が、静止衛星SAT1から到来し一旦再生された各チャネルの放送番組情報にCDM同期多重されて、Sバンド放送信号として再送信エリアに向け送信される。このため、上記再送信エリア内に存在する放送受信装置MSでは、静止衛星SAT1を介して到来した地上放送局BC1からの放送番組情報と共に、市町村役場から提供されたローカル放送素材LI2を視聴又は聴取することができる。
図5は、第2の再送信装置GFbによるローカル放送素材LI2の放送形態の一例を示すもので、区役所の屋上に設置された第2の再放送装置GFbから半径3kmの再送信エリアEbに対し、区の広報や防災情報等をローカル放送素材として送信するようにしたものである。このようにすれば、市町村は独自に送信設備を設けることなく、広報や防災情報などを区民に対し放送することが可能となる。また、放送事業者にとっては、第2の再送信装置GFb設置場所を市町村役場より提供を受けることができる。
なお、第2の再放送装置GFbの再送信エリアは半径3kmに限るものではなく、それ以上又はそれよりも小さい値に設定してもよい。要するに、市町村等がローカル情報の送信を希望するエリアの大きさに応じて設定すればよい。また再送信エリアは円形である必要もなく、方向によって送信電波の指向性を異ならせることにより如何なる形状にすることもできる。
以上述べたようにこの実施形態に係わるシステムでは、サービスエリア内の電波不感地域をカバーするために設置される第1の再送信装置GFaに、当該電波不感地域特有のローカル放送素材LI1の入力手段と、この入力手段により入力されたローカル放送素材LI1をCDM信号に変換して、このCDM信号を静止衛星SAT1から到来したCDM放送信号に合成して送信する機能を持たせるようにしている。
したがって、特別なローカル放送用の送信装置を設けることなく、各電波不感地域に対し店舗の存在を示す情報やPR情報等のその地域特有のローカル放送情報を放送することが可能となる。
また上記した小電力タイプの第1の再送信装置GFaとは別に、大電力タイプの第2の再送信装置GFbを設置し、この大電力タイプの第2の再送信装置GFbを利用することで、例えば市町村の広報や防災情報等の比較的広域の地域向けのローカル放送素材LI2を放送するようにしている。
したがって、例えば市街地のように比較的狭いエリアにビル街による多数の電波不感地域が散在しているような場合に、これらの電波不感地域を1台の再送信装置GFbによりまとめてカバーすることが可能となる。また、市町村は自前の放送送信設備を設けることなく、広報や防災情報等の行政放送を行うことが可能となる。
なお、本実施形態のシステムでは、静止衛星SAT1から同一内容の放送情報をSバンドとKuバンドの2種類の周波数を用いて送信し、大電力タイプの第2の再送信装置GFbではKuバンドのTDM放送信号を受信してこれをSバンドのCDM放送信号に変換して再送信するようにしている。このため、第2の再送信装置GFbでは受信周波数と送信周波数とが異なるものとなり、この結果、送信波の回り込み等による発振現象の発生を防止することができる。
さらに、第2の再送信装置GFb向けの放送信号をTDM方式で送信するようにしたことによって、Kuバンドの使用帯域を、CDM方式を使用する場合に比べて2/3から1/2程度に狭くすることができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、再送信の対象としては山陰やビル陰等による地上の電波不感地域以外に、トンネル内や地下街等の電波不感地帯であってもよい。このようなトンネル内や地下街を再送信の対象とする場合には、静止衛星からの放送信号を地上に設置した受信アンテナで受信し、この受信した放送信号をトンネル内又は地下街の天井などに設置したSバンド送信アンテナからトンネル内又は地下街に向け送信する。
また、その際受信した放送信号にはトンネル内や地下街の状態を表すローカル情報を付加して送信する。その送信方式としては、前記実施形態と同様に、受信CDM放送信号にローカル情報で変調したCDM信号を合成して送信する方式か、又は受信放送信号を復調して放送番組情報を一旦再生し、この再生した放送番組情報にローカル情報をCDM多重化したのちSバンドの高周波信号に変換して送信する方式が使用できる。
上記トンネル内や地下街へ送信するローカル情報としては、交通情報や混雑情報、バーゲン情報、緊急防災情報等が考えられる。図6は緊急防災情報を送信する場合の一例を示したもので、この例ではトンネル内火災が発生した場合にその旨を報知するためのメッセージ情報をローカル情報として放送信号に付加して、送信アンテナGFcからトンネル内へ送信する場合を示している。このようにすれば、トンネル内向けの再送信装置を利用してトンネル内の緊急防災情報を通行車両に知らせることができる。
また、緊急防災情報を放送するチャネルを固定しておき、放送受信装置ではこの緊急放送チャネルを常時監視するように構成する。そして、緊急防災情報の放送を受信した場合には、受信チャネルを強制的にこの緊急放送チャネルに切り替えて緊急防災情報がユーザに報知されるようにする。
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、システムの構成や再送信装置の回路構成、ローカル放送情報の種類や内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
次に、上記システムにおいて、CDM方式を利用する場合の具体的な構成を説明する。
図7は図1に示した地上放送局BC1において、Kuバンド(14GHz)の上り伝送路を介して静止衛星SAT1へ送信するCDM放送信号を生成するための回路構成を示すもので、ここではNチャネルの情報チャネルと1チャネルの制御チャンネルを多重して送信を行う場合の例を示している。
ここで、制御チャネルには、図8に示す伝送フォーマットの制御信号を乗せる。この制御チャンネル伝送フォーマットは、特定のビットパターン(CW:Continuous Wave)のパイロット信号と各種パラメータ情報を伝送するためのデータ(Data)信号を一定周期(250μs)で繰り返し発生するようにしたもので、この制御チャネルには拡散コード#0が割り当てられる。また、情報チャネル#1〜#Nは、N個の番組情報(MPEG4のオブジェクト単位)の伝送用として用いられ、それぞれ拡散コード#1〜#Nが割り当てられる。
上記制御チャネル#0及び情報チャネル#1〜#Nの信号はそれぞれベースバンド処理部510〜51Nにて誤り訂正符号の付加、インターリーブ等の前処理が施された後、変調部520〜52NにてQPSKによる一次変調が施され、さらに乗算器530〜53Nにて各チャネル別に設けられた拡散コード発生部540〜54Nで発生される拡散コード#0〜#Nと掛け合わされて符号拡散変調される。これらの符号拡散変調信号は加算器55で多重され、これによってCDM放送信号が生成される。このCDM放送信号は送信部56にてCDM信号をKuバンド(14GHz)の信号のアップコンバートされた後、電力増幅されて、送信アンテナ57より静止衛星SAT1に向けて送出される。
静止衛星SAT1では、前述のように、地上放送局BC1から送られてくるKuバンド(14GHz)のCDM放送信号をSバンド(2.5GHz)の放送信号に周波数変換し、Sバンド(2.5GHz)の下り伝送路を介してサービスエリアに向けて送信する。
各サービスエリアに設けられた第1の再送信装置GFaは、上記伝送フォーマットによるCDM信号を再送するために、具体的には図9に示すように構成される。なお、ここでは、再送信信号に多重するローカル素材のチャネル数をMとする。
図9において、受信アンテナ61は静止衛星SAT1からSバンド(2.5GHz)の下り伝送路を介して送られてくるCDM信号を受信するもので、ここで受信されたCDM信号は受信部62で受信検波される。この受信信号は相関部63に供給されると共に、加算器64に供給される。
上記相関部63は、例えばマッチドフィルタにより構成され、拡散コード#0発生部65からの拡散コード#0と受信信号との相関をとることで、受信信号に含まれる制御チャンネル#0のCW信号との同期タイミングを検出するものである。図10に拡散コード長kの場合の相関部63の具体的な構成を示す。
図10において、受信部62からのCDM信号はk段直列接続された遅延器6311〜631kに順次シフト入力され、各遅延器6311〜631kの出力は乗算器6321〜632kにてコード発生器6331〜633kで発生される拡散コード#0の各ビット値と掛け合わされた後、加算器634で加算出力される。ここで、各遅延器6311〜631kの出力とコード発生器6331〜633kで発生される拡散コード#0の各ビット値とが一致したとき、加算器634の出力は最大となり、この一致タイミングがCW信号との同期タイミングとなる。この同期タイミングはCWの一周期に一回得られる。
この相関部63で得られたCW同期タイミング信号はタイミング制御部66に供給される。このタイミング制御部66は、CW同期タイミング信号からローカル素材を受信したCDM信号に同期させて多重するための制御チャネルタイミング情報を生成するもので、ここで得られた制御チャネルタイミング情報はM個の遅延用バッファ68N+1〜68N+Mに送られる。
当該再送信装置GFaで新たに多重されるMチャネルのローカル素材はそれぞれ情報チャネル#N+1〜#N+Mに割り当てられ、チャネルごとにベースバンド処理部67N+1〜67N+Mで誤り訂正符号の付加、インターリーブ等の前処理が施された後、遅延用バッファ68N+1〜68N+Mにて制御チャネルタイミング情報に基づいて適宜遅延されて再送信CDM信号との同期(チップ同期)がとられる。そして、変調部69N+1〜69N+MにてQPSKによる一次変調が施され、乗算器70N+1〜70N+Mにて各チャネル別に設けられた拡散コード発生部71N+1〜71N+Mで発生される拡散コード#N+1〜#N+Mと掛け合わされて符号拡散変調される。
これらの符号拡散変調信号は受信部62で受信検波されたCDM信号と共に加算器64で多重され、これによってローカル素材が多重されたCDM放送信号が生成される。このCDM放送信号は送信部72にて同一周波数帯で電力増幅された後、送信アンテナ73よりサービスエリアに向けて送出される。
上記構成によれば、再送信装置において、CDM放送信号を復調せずに、ローカル素材を同期させて多重することができるので、CDM復調、再変調の回路構成が不要となり、回路規模を小さくすることができる。また、放送受信装置MSでは、CDM特有のRAKE合成処理を行うため、静止衛星SAT1からの信号と中継再送信装置GFaからの信号が同時に受信される場合でも、正しく復調を行うことができる。
なお、中継再送信装置GFaで多重するローカル素材は、外部の放送局などから有線あるいは無線伝送路を経路して提供するようにしてもよいし、中継再送信装置内部のサーバなどで生成したものでもよい。
また、上記実施形態では、第1の中継再送信装置GFaに適用した場合の構成を示して説明したが、第2の中継再送信装置GFbについても、上記と同様の手法でMチャネルのローカル素材の符号化変調信号を生成し、TDM放送信号から変換されたCDM放送信号に同期させて多重すれば、第1の中継再送信装置GFaと同様の効果を得ることができる。
ところで、放送受信装置が受信する周波数の許容偏差が小さい場合には、再送信装置が持つ周波数発振器の精度を上げる必要がある。また、再送信装置の状態を遠隔監視制御することも要望されるが、この場合は、そのために新たな通信回線をその再送信装置毎に準備する必要があり、ランニングコストが高くなってしまう。
そこで、放送波の不感地帯をカバーするために、送信設備を持つ再送信装置を設置する事を利用し、放送内容を受信するための受信装置の受信周波数許容範囲が狭い場合でも、再送信装置にはそれ程精度の高い発振器を必要とせず、さらに再送信装置の遠隔監視制御も実現し、システムのランニングコストを安くする場合の実施形態を以下に説明する。
図11はそのシステム構成を示すもので、81は放送局、82は放送用衛星、831〜83nは再送信装置、84は遠隔監視装置である。85はKuバンド(12〜14GHz)の周波数で放送コンテンツに遠隔制御情報を多重した信号を伝送する回線、86はSバンド(2.5GHz)の周波数でローカル放送に遠隔監視情報を多重した信号を伝送する回線、87は遠隔監視情報を放送局81へ戻すための地上回線(有線あるいは無線)をそれぞれ示している。
このシステムの動作としては、ユーザヘ配信する放送コンテンツを送信する放送局81において、再送信装置831〜83n毎にIDを割り当て、このIDにより管理した遠隔制御情報を放送コンテンツに多重して、回線85を通じて各再送信装置831〜83nに伝送する。各再送信装置831〜83nは、その遠隔制御情報に自らのIDが一致した場合に限り、指示された制御を実行する。また、再送信装置831〜83nは前述の手法によりローカル放送も実現しており、そのローカル放送コンテンツの中に自らの監視情報も多重して送信する。
各再送信装置831〜83nから送出された信号を、回線86を通じてまとめて遠隔監視装置84で受信し、地上回線87を経由して放送局81へ遠隔監視情報を戻す。この場合、遠隔監視装置84は指向性が強く、利得が高いアンテナで受信する必要があり、1ヶ所でより多くの再送信装置からの放送波を受信できるほど、ランニングコストが経済的なシステムを構築することができる。
なお、上記の遠隔監視制御を実現するに当たって、図11の実施形態では放送局81で一元管理するものとして説明したが、全国を複数のサービスステーションに分割して管理する場合では、サイト毎に遠隔監視制御する再送信装置を管理することとする。但し、回線はあくまでも図11の各回線を利用することで実現することができる。
図12は、上記再送信装置の具体的な構成を示すもので、91はKuバンド受信アンテナ、92は低雑音周波数変換部(LNC)、93はLNC92へ提供する電源と局発基準周波数発振器、94はチューナ、95は直交復調器、96はA/D変換器、97は同期検波用制御回路、98はチューナ94ヘのフィードバック用の電圧制御発振器(VCTXO)、99は低域通過フィルタ(LPF)、100a、100bはミキサ、101は90°位相分割型ハイブリッド、102はSバンド用の発振器、103は2波合成用ハイブリッド、104は電力増幅部、105はバンドパスフィルタ(BPF)、106はSバンド送信用アンテナをそれぞれ示す。
この構成の動作としては、12GHz帯で受信したCDM信号をアンテナ91とLNC92を介して受信し、チューナ94でベースバンドに周波数変換した後、直交復調器95でI/Qに分割する。その信号をA/D変換器96でデジタル信号に変換して、同期検波用制御回路97へ出力する。
同期検波用制御回路97は、同期検波用のフィードバックを行うための信号をVCTXO98へ出力することにより、結果として受信信号の周波数誤差を無くするものである。この制御ループの中で同期が取れていれば、I/Qのベースバンド信号が得られるため、これをLPF99で帯域外のノイズを低減した後、再度QPSK変調器(100a、100b、101〜103で構成)を通して、Sバンドの送信周波数の信号に変換し、再送信信号を生成する。そして、再送信信号を電力増幅部104で必要な電力に増幅してSバンド用送信アンテナ106から送出する。
この様な構成とすることで、単純にKuバンドをSバンドへ変換する、例えば12GHz帯を2.5GHz帯へ落とす場合に、受信端末の周波数許容範囲が±100Hzであり、LNC92のローカル周波数が11.3GHzであるとすると、必要な周波数精度は8E−9程度以内となるが、本実施形態のように一度ベースバンドヘ落として周波数誤差を無くすことで、4E−8の精度まで落とすことが可能となる。このように周波数精度を落とすことは、とりもなおさずコストの低減と保守を容易にする効果がある。
さらに、一度同期検波して周辺のノイズをLPF99で除去するため、再送信される信号の隣接波のD/U(信号電力対妨害電力)比を向上させる効果も得られる。また、一度同期検波してベースバンドヘ落とすために、ローカル放送を付加する再の送信タイミングを合わせることも容易となり、多くの長所が副次的な効果として得られる。
以上説明したように本実施形態によれば、衛星放送の不感地帯をカバーする再送信装置の遠隔監視制御を、衛星を介した放送波と再送信装置からのローカル放送波とを利用して実現するため、全ての再送信装置毎に新たな通信回線を設置する必要がなく、これによってコスト低減を図ることができる。また、再送信装置で一度受信信号を同期検波することで周波数誤差を無くし、改めて必要な周波数へ上げるようにしたことで、再送信装置内部に必要とする周波数発振器の精度を低くすることができる。
なお、以上の実施形態では、再送信装置で電波不感地域を含むエリアに関係するローカル情報を付加するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電波不感地域を含むエリアに関係する情報だけでなく、任意の情報を付加するようにしてもよいことは勿論である。
この発明に係わるギャップフィラー機能を備えた衛星通信システムの一実施形態を示す概略構成図。 図1に示したシステムで使用される小電力タイプの第1の再送信装置の構成を示す回路ブロック図。 図1に示したシステムで使用される大電力タイプの第2の再送信装置の構成を示す回路ブロック図。 図2に示した小電力再送信装置によりカバーされる部分エリアの一例を示す図。 図3に示した大電力再送信装置によりカバーされる部分エリアの一例を示す図。 この発明に係わる再送信装置の他の実施形態を示す図。 図1に示した地上放送局BC1において、CDM放送信号を生成するための構成を示す回路ブロック図。 図7に示した回路の制御チャネル伝送フォーマットの一例を示す図。 図7に示した回路で生成されたCDM信号を受信する再送信装置の構成を示す回路ブロック図。 図9に示した再送信装置に用いられる相関部の具体的な構成を示す回路ブロック図。 この発明に係わるギャップフィラー機能を備えた衛星通信システムの他の実施形態を示す概略構成図。 図11に示したシステムの再送信装置の具体的な構成を示す回路ブロック図。
符号の説明
BC1…地上放送局
SAT1…静止衛星
MS…移動局
GFa…小電力タイプの第1の再送信装置
GFb…大電力タイプの第2の再送信装置
LI1,LI2…ローカル素材
Ea1〜Ea4…電波不感地域
Eb…複数の電波不感地域を含む再送信エリア
11…Sバンド受信アンテナ
12…分配器
13…Sバンド増幅器
14,29…帯域通過フィルタ
15…合成器
16,30…Sバンド送信アンテナ
17…パイロット復調部
18…CDM変調部
19…送信増幅部
21…Kuバンド受信アンテナ
22…低雑音周波数変換器(LNB)
23…TDM復調器
24…S/P変換器
25,32…CDMベースバンド処理部
26…CDM変調器
27…拡散変調器
28…送信電力増幅器
31…ベースバンド処理部
33…監視制御部
510〜51N…ベースバンド処理部
520〜52N…変調部
530〜53N…乗算器
540〜54N…拡散コード発生部
55…加算器
56…送信部
57…送信アンテナ
61…受信アンテナ
62…受信部
63…相関部
6311〜631k…遅延器
6321〜632k…乗算器
6331〜633k…コード発生器
634…加算器
64…加算器
65…拡散コード#0発生部
66…タイミング制御部
67N+1〜67N+M…ベースバンド処理部
68N+1〜68N+M…遅延用バッファ
69N+1〜69N+M…変調部
70N+1〜70N+M…乗算器
71N+1〜71N+M…拡散コード発生部
72…送信部
73…送信アンテナ
81…放送局
82…放送用衛星
831〜83n…再送信装置
84…遠隔監視装置
85…Kuバンド伝送回線、
86…Sバンド伝送回線
87…地上回線
91…Kuバンド受信アンテナ
92…低雑音周波数変換部(LNC)
93…LNC電源・局発基準周波数発振器
94…チューナ
95…直交復調器
96…A/D変換器
97…同期検波用制御回路
98…電圧制御発振器(VCTXO)
99…低域通過フィルタ(LPF)
100a、100b…ミキサ
101…90°位相分割型ハイブリッド
102…Sバンド用発振器
103…2波合成用ハイブリッド
104…電力増幅部
105…バンドパスフィルタ(BPF)
106…Sバンド送信用アンテナ

Claims (5)

  1. 受信端末への伝送情報に予め自装置に割り当てられる識別符号を付した遠隔制御情報を含めた送信信号を衛星を介して地上の所定のサービスエリアへ送信する衛星通信システムに用いられ、前記衛星から到来した信号を電波不感地域を含む部分エリアへ中継再送信するために設けられる再送信装置であって、
    前記衛星から到来した信号を受信する受信手段と、
    前記受信信号中の伝送情報に付加情報を付加する情報付加手段と、
    この情報付加手段で付加情報が付加された伝送情報を送信信号として前記部分エリアに向けて送信する送信手段と、
    前記受信信号から予め割り当てられた識別符号が付された遠隔制御情報を取得して対応する自装置内の制御動作を行う遠隔制御処理手段と、
    を具備し、
    前記送信手段は、前記送信信号を前記電波不感地域の大きさに応じて設定された送信電力で増幅して当該地域に向けて送信することを特徴とする衛星通信システムの再送信装置。
  2. 前記衛星から到来した信号が、複数チャネルのうちの一つを固定パターンのパイロット信号伝送用、他のチャネルを伝送情報伝送用に割り当てて、全チャネルを符号拡散変調して多重したものであるとき、
    前記情報付加手段は、前記受信手段の受信信号からパイロット信号伝送用のチャネルを復調してパイロット信号を取り出し、固定パターンとの相関をとって同期タイミングを検出し、この同期タイミングに基づいて付加情報の符号拡散変調信号を前記受信信号に多重することを特徴とする請求項1記載の衛星通信システムの再送信装置。
  3. 前記遠隔制御情報は、自装置の監視情報を前記付加情報に含めるように指示する情報であり、前記衛星通信システムが前記部分エリアに遠隔監視装置を配置して監視情報を収集するとき、
    前記遠隔制御処理手段は、前記遠隔制御情報の取得に対応して自装置の監視情報を前記付加情報に含め、
    前記送信手段は、前記監視情報が含められた付加情報が付加された伝送情報を送信信号として前記遠隔監視装置に送信することを特徴とする請求項1記載の衛星通信システムの再送信装置。
  4. 前記付加情報は、前記部分エリア向けに特定されたローカル情報であることを特徴とする請求項1記載の衛星通信システムの再送信装置。
  5. 前記情報付加手段は、前記遠隔制御情報に基づく制御結果を前記付加情報に含め、前記送信手段が制御結果を含む付加情報を送信することを特徴とする請求項1記載の衛星通信システムの再送信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2099092A1 (en) 2008-03-04 2009-09-09 Bury Sp.z.o.o A method of transmission of a satellite positioning signal from an external antenna to an unexposed receiver, especially in mechanical vehicles, and a device, which is adapted to use this method
JP2013032648A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Nippon Soken Inc 無線通信システムおよび無線通信システムにおける車載システムの製造方法

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