JP2006173927A - ハイブリッド回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる周波数に対して使用可能なハイブリッド回路を提供する。
【解決手段】使用する周波数をfnとした場合、V字形状に構成されたインピーダンスZ0線路2つを対称となるよう配置し、その間に長さがfnのλ/4でインピーダンスZ0/√2となる線路を周波数の高い順に内側から並べて配置する。使用する周波数に合わせてインピーダンスZ0/√2の線路を選択してインピーダンスZ0線路と導体で接続することにより、周波数の選択を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信機器などで利用される信号分配・合成及びミキサ、移相器などに用いられるハイブリッド回路に関し、特に、複数の異なる周波数に使用可能はハイブリッド回路に関する。
図1は、従来のハイブリッド回路の構成例を示す図である。ハイブリッド回路は入力ポート101、第1出力ポート102、第2出力ポート103、アイソレーションポート104と、使用する周波数のλ/4となる長さの伝送線路105、106、107、108とにより構成されている。なお、各伝送線路のインピーダンスは伝送線路105、106がZ0、伝送線路107、108がZ0/√2に設定される。入力ポート101から信号を入力した場合、第1出力ポート102、第2出力ポート 103には等振幅で90°位相の異なる信号が出力される。
また、下記特許文献1は、伝送線路長を短縮して小型化することができ、また、各伝送線路のインピーダンスの違いによる線路の不連続をなくしたハイブリッド回路について開示している。下記特許文献2は、伝送線路の特性インピーダンスが変化してもこれを補償して常に同一の出力レベルを発生できるようにするために、対応する2本の伝送線路のそれぞれ中央に特性インピーダンスを変化させて出力レベルを一致させるためのリアクタンス素子を負荷と並列に接続する構成を有するハイブリッド回路について開示している。さらに、下記特許文献3は、隣辺の長さを変えて、4辺によるループが矩形になるように構成し、ハイブリッド諸特性の改善が可能となるように各辺の長さなどが決められたハイブリッド回路について開示している。
特開平10−223125号公報 特開平04−104502号公報 特開昭49−084345号公報
しかしながら、近年通信装置の低コスト化に対する要求が厳しくなっており、特に製造数の少ない装置については多機種に渡って可能な限り使用する部材を共通化し、コストを削減することが必要となっているが、従来のハイブリッド回路を使用する場合、周波数に合わせた個別のパターンが必要であるため使用周波数が複数になる装置において、それぞれの周波数に対応した回路基板が必要となる問題があった。
また使用周波数の異なる従来のハイブリッドを複数配置して、装置別に接続を切り替えることにより回路基板を共通化することもできるが、実装面積が大きくなり、ハイブリッド回路と他の回路間の接続も複雑となる問題があった。
そこで、本発明の目的は、異なる周波数に対して使用可能なハイブリッド回路を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のハイブリッド回路の構成は、対向して配置され、第1の線路長を有する第1線路対と、該第1線路対に挟まれた位置に対向して配置され、第1の線路長より短い第2の線路長を有する第2線路対と、前記第1線路対及び前記第2線路対の右端の近傍を通る右側線路と、前記第1線路対及び前記第2線路対の左端の近傍を通る左側線路とを備え、前記右側線路及び前記左側線路は、前記第1線路対の一方の近傍と他方の近傍との間の線路長が略前記第1線路長を有し、前記右側線路及び前記左側線路は、前記第2線路対の一方の近傍と他方の近傍との間の線路長が略前記第2線路長を有し、前記右側線路及び前記左側線路は、前記第1線路対又は前記第2線路対のいずれか一方と電気的に接続されることを特徴とする。
例えば、前記右側線路と前記左側線路は、V字形状に曲げられ、それぞれのV字形状の開口部が外側を向くように対称に配置される。
具体的には、使用する周波数をfnとした場合、V字形状に構成されたインピーダンスZ0線路2つを対称となるよう配置し、その間に長さがfnのλ/4でインピーダンスZ0/√2となる線路を周波数の高い順に内側から並べて配置する。使用する周波数に合わせてインピーダンスZ0/√2の線路を選択してインピーダンスZ0線路と導体で接続することにより、周波数の選択を行う。
本発明のハイブリッド回路によれば、同一パターンで複数の周波数に対応できる為、装置の周波数に合わせて回路基板を複数用意する必要がなくなり、一つで足りる。また、複数のハイブリッド回路を基板に実装する必要がなくなり、実装面積も従来のハイブリッド回路とほぼ同等とすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図2は、本発明の実施の形態例におけるハイブリッド回路の構成及び形状を示す図である。図2において、ハイブリッド回路は入力ポート1と、第1出力ポート2、第2出力ポート3、アイソレーションポート4、伝送線路5、6、7、8、9、10、11、12を備える。各伝送線路は、マイクロストリップラインによって構成される。そして、伝送線路7、8、伝送線路9、10、伝送線路11、12は、それぞれ対になっており、これらのいずれかの伝送線路の対が、導体13でハンダ付けすることにより、伝送線路5、6と接続可能になっている。図1では、伝送線路9、10と伝送線路5、6がハンダ付けにより接続されている例が示されている。
伝送線路5、6はインピーダンスZ0で、V字型に曲げられ、開口部が外側を向くように対称に配置されている。伝送線路7〜12はインピーダンスZ0/√2で、長さは伝送線路7、8が周波数f1のλ/4 - 1mm、伝送線路9、10は周波数f2のλ/4- 1mm、伝送線路11、12は周波数f3のλ/4 - 1mmとなっている。伝送線路7〜12は、伝送線路5、6の間に、周波数の高い順に内側から並べて配置され、また伝送線路5、6と伝送線路7〜12の両端は0.5mmの間隔(合計1mm)が空くよう設計する。
各伝送線路の長さが-1mmとなっているのは、上述したように、伝送線路5、6との間に隙間間隔を設け、伝送線路5、6と接続する伝送線路だけがハンダ付けで接続されるようにするためである。
伝送線路7〜12のうち、伝送線路7、8又は伝送線路9、10又は伝送線路11、12のいずれか2つを伝送線路5、6に導体13でハンダ付け接続した場合、伝送線路5、6上の伝送線路7〜12との接続点間の長さはλ/4、伝送線路7〜12上の伝送線路5,6との接続点間の長さもλ/4となる。
このように、伝送線路5,6をV字型に曲げることで、伝送線路5、6間の間隔を変えることができ、伝送線路5、6間の異なる間隔を利用して、伝送線路5、6の間に、それぞれ異なる周波数に対応する複数の伝送線路の対を配置することができる。そして、複数の伝送線路対の中から、使用する周波数に対応する伝送線路対を選択し、伝送線路5、6と接続することにより、使用する周波数に対応するハイブリッド回路を提供することができる。別の伝送線路対を選択することで、別の周波数に対応するハイブリッド回路を提供することも可能となり、一つのハイブリッド回路において、複数の周波数に対応することが可能となる。
従来、複数の周波数に対しても、基板を共通化させるために、各周波数に対応する複数のハイブリッド回路を載せ、そのうちいずれか一つを利用し、残りは利用されなかった。このため、利用されないハイブリッド回路分の実装面積が無駄になっていたが、本実施の形態例におけるハイブリッド回路では、一つのハイブリッド回路において、複数の周波数を選択可能となり、基板の実装面積を小さくすることができる。
また、各周波数ごとに、基板を用意する場合は、基板上に一つのハイブリッド回路を載せるだけでよいが、各周波数に対応するハイブリッド回路を載せた基板を周波数ごとに別々に製造する必要があるが、本実施の形態例では、そのような必要はなく、同一のハイブリッド回路を載せた基板で、複数の周波数に対応可能となるので、基板の製造が容易となり、コスト削減に寄与する。
図3は、V字型の伝送線路5,6の曲げ角度の設定について説明する図である。V字型の伝送線路5,6の曲げ角度をθとし、長さ、L1、L2、Lgを、
L1 : 選択可能とする周波数の内、最大周波数のZ0線路上のλ/4
L2 : 選択可能とする周波数の内、最大周波数のZ0√2線路上のλ/4
Lg : V字線路の中心点同士の間隔
とすると、
θ= 180−( arccos ( ( ( L2−Lg ) / 2 ) / ( L1 / 2 ) ) * 2)
となる。上式に従って、θを設定することにより、インピーダンスZ0/√2線路(伝送線路7〜12)を直線で構成してZ0/√2線路同士の間隔を小さくでき、選択周波数の間隔を狭めることが可能となる。
図4は、本実施の形態におけるハイブリッド回路のシミュレーション上の特性を示す図である。図4(a)は、使用周波数が5.9〜6.4GHzであって、伝送線路対5、6と伝送線路対7、8とが接続される場合の入力ポート〜第一出力ポート間の通過特性と、入力ポート〜第二出力ポート間の通過特性を示す。図4(a)における符号m1、m4は、それぞれ5.9GHz、6.4GHzの通過特性[dB]を示す点であり、5.9〜6.4GHz帯において、第一の出力ポートの電力と第二出力ポートの電力両方ともほぼ同じ電力かつ半分となる-3dBの特性を有していることがわかる。
図4(b)は、使用周波数4.4〜5.0GHzであって、伝送線路対5、6と伝送線路対9、10とが接続される場合の入力ポート〜第一出力ポート間の通過特性と、入力ポート〜第二出力ポート間の通過特性を示す。また、図4(b)における符号m1、m4は、それぞれ4.4GHz、5.0GHzの通過特性[dB]を示す点である。また、図4(c)は、使用周波数3.6〜4.2GHzであって、伝送線路対5、6と伝送線路対11、12とが接続される場合の入力ポート〜第一出力ポート間の通過特性と、入力ポート〜第二の出力ポート間の通過特性を示す。図4(c)における符号m1、m4は、それぞれ3.6GHz、4.2GHzの通過特性[dB]を示す点である。
図4(b)、図4(c)ともに、図4(a)と同様に、使用周波数帯において、第一出力ポートと第二出力ポートはほぼ同じ通過特性レベルを有し、各出力ポートの電力は、入力ポートの電力との比[dB]において半減(-3dB)している。
このように、伝送線路対5、6と接続可能且つ線路長がそれぞれ異なる複数の伝送線路対を用意し、いずれかの一つの伝送線路対を選択して接続することにより、異なる周波数に使用することができるハイブリッド回路を構成することができる。
従来のハイブリッド回路の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態例におけるハイブリッド回路の構成を示す図である。 V字線路の角度設定について説明する図である。 本発明の実施の形態例にハイブリッド回路のシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
1:入力ポート、2:第一出力ポート、3:第二出力ポート、4:アイソレーションポート、5〜12:伝送線路、13:導体

Claims (2)

  1. 対向して配置され、第1の線路長を有する第1線路対と、
    該第1線路対に挟まれた位置に対向して配置され、第1の線路長より短い第2の線路長を有する第2線路対と、
    前記第1線路対及び前記第2線路対の右端の近傍を通る右側線路と、
    前記第1線路対及び前記第2線路対の左端の近傍を通る左側線路とを備え、
    前記右側線路及び前記左側線路は、前記第1線路対の一方の近傍と他方の近傍との間の線路長が略前記第1線路長を有し、前記右側線路及び前記左側線路は、前記第2線路対の一方の近傍と他方の近傍との間の線路長が略前記第2線路長を有し、
    前記右側線路及び前記左側線路は、前記第1線路対又は前記第2線路対のいずれか一方と電気的に接続されることを特徴とするハイブリッド回路。
  2. 請求項1において、
    前記右側線路と前記左側線路は、V字形状に曲げられ、それぞれのV字形状の開口部が外側を向くように対称に配置されることを特徴とするハイブリッド回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012257018A (ja) * 2011-06-08 2012-12-27 Nippon Antenna Co Ltd 3合成3分配器
JP2013122579A (ja) * 2011-11-07 2013-06-20 Canon Inc プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置

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