JP2006173142A - ステンシルマスクとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マスクとしての形状精度及びマスク生産効率としての歩留まりを改善させたステンシルマスク及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程とを具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法を開示する。
【選択図】 図5
【解決手段】シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程とを具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法を開示する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線縮小投影露光用マスクとその製造方法に係り、より詳細には、電子線リソグラフィー用ステンシルマスク及びメンブレムマスクとそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積化を牽引してきた技術が微細加工技術である。この微細加工技術の中でも半導体基板上にパターン形成を行うリソグラフィー技術がその中心的役割を果たしてきた。
【0003】
リソグラフィー技術は、露光に用いる露光装置、パターンの原版となるマスク、それにパターンを形成するレジストプロセス技術の3つの要素技術から成り立つ。
【0004】
露光光源としては、現在主流となっているものは光リソグラフィー技術であるが、光リソグラフィー技術では形成できない超微細なパターンを加工することができる電子線リソグラフィーが、将来の加工法として注目されてきている。特に、最小寸法として0.1μm以下のパターンが要求される電子線リソグラフィーを利用する微細加工技術では、超微細なパターン形成を可能にするためには、電子線リソグラフィー用の高精度なステンシルマスクが必要とされる。本願でいうステンシルマスクとは、電子線を当該マスクに照射した際に、開口部のみの電子を透過させ、当該透過した電子が半導体基板等にあるレジストなどに照射する、露光に利用されるマスクのことである。
【0005】
ステンシルマスクの製造方法を、図面を参照しながら以下に説明する。
【0006】
図1は、従来技術によるステンシルマスクの各製造工程での断面図を示す。図1(A)に示すように、シリコン基板10に埋め込み酸化膜であるBOX層12を介してSi(シリコン)膜14を有するSOI(シリコン‐オン‐インシュレータ)基板を利用して、ステンシルマスクの製造工程を説明する。BOX層として、SiO2などがよく利用される。従来公知のレジスト膜をSOI基板の裏面側にあるSi膜14に塗布し、リソグラフィープロセスにより所望のレジストパターンを有するレジスト膜16を形成させる。次いで、図1(B)に示すように、前記レジスト膜16をマスクとして、ハロゲン含有ガス等のエッチングガスによる異方性エッチングによりSi膜14をドライエッチングし、BOX層12を露出させる。その後、CF4等のFラジカルを利用してBOX層12をドライエッチングした後、酸素プラズマを用いて前記レジスト膜16をアッシングにより剥離させる(図1(C))。しかる後、図1(D)に示すように、シリコン基板10の表面側にレジスト膜を塗布して、電子線リソグラフィー等を利用してパターニングを行い、所望のレジストパターンを有するレジスト膜18を形成させる。その後、前記レジスト膜18をマスクとして、ハロゲン含有ガス等のエッチングガスによる異方性エッチングによりシリコン基板10をドライエッチングする。その後、前記レジスト膜18を、酸素を含むプラズマによりアッシングにより剥離させて、ステンシルマスクが完成する(図1(E))。
【0007】
以上が、通常行われているステンシルマスクの製造方法の概略である。しかし、上記製造工程を詳細に見ると、製造されたステンシルマスクの精度及び歩留まり等に影響を与える大きな要因が種々存在する。
【0008】
例えば、一旦BOX層をドライエッチングした後にシリコン基板上にレジスト膜を塗布するが、通常、そのレジスト膜(図1(D)ではレジスト膜18を指す)はスピンコート法により実施される。図2(A)に示すように、スピンコートする際には、真空チャックによりSOI基板を固定してレジストを塗布する。かかる場合には、SOI層は約2μmという非常に薄い厚さであるため、SOI層と真空チャックとの間には空洞部25が存在すると、大気圧がSOI層20に作用する際に、SOI層20に破壊若しくは歪みが発生する蓋然性が高い。SOI層20が破壊されると、その後のマスク製造は困難であり、歩留まりが低下する。また、かかる歪みが発生した場合にはSOI層20に応力が生じ、その後のリソグラフィープロセス中に前記SOI層20に生じた応力が緩和したときには、レジストパターン等が所定のパターンから逸脱し、最終のステンシルマスクのパターン精度に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0009】
また、上記指摘したSOI層20に破壊若しくは歪みが発生しなくても、SOI層20をエッチングする工程では、静電チャックにてSOI基板を固定して行うのが、常である。静電チャックによる固定では、SOI層20と静電チャックとの間に空洞部が存在すると、その空洞部に相当する距離分だけ静電引力による吸着力が低下することになる(図2(B)では空洞部を矢印で図示)。
【0010】
ドライエッチング工程中では、上記空洞部の存在に起因して当該空洞部の隅にて電荷が集中するために、異常放電等が発生する可能性がある。また、SOI層20が同時、且つ、均一にエッチングされると、すべてのSOI層20は同時に貫通される。しかし、エッチングプロセス中に、一の部分のシリコン基板が他の部分のシリコン基板よりも速くエッチングが終了すると、速くエッチングが終了した部分ではイオン及びラジカル種が貫通して静電チャックに到達し、静電チャックを損傷させるおそれもある(上記現象を図2(C)の矢印にて図示する)。
【0011】
さらに、図3(A)は、ドライエッチング時の温度調整を行う機構を簡単に説明する断面図である。サセプタ30は温度調整のための冷却ガス導入孔32を有し、エッチング時の温度を調節するために利用される。Si膜38及びBOX層36が処理されたSOI基板のシリコン基板34をドライエッチングするために、シリコン基板34を上に向けてサセプタに載置させると、図3(A)から明らかなように、サセプタ30とSOI基板との間には空洞部35が存在する。前述の冷却ガス導入孔32からドライエッチング時の温度制御のためにガスを導入させるが、空洞部35の存在によりガスの流れに偏りが生じる。つまり、ある箇所では冷却ガス導入孔32が閉鎖され、他の箇所では冷却導入孔32が部分的に閉鎖され、また別の箇所では冷却ガス導入孔32は全く閉鎖されない。このため、ドライエッチング時に冷却ガスを利用しないことも考えられるが、ドライエッチング時に冷却ガスを利用しないと、エッチング時の温度制御は困難となる。したがって、各空洞部よりも小さな冷却ガス導入孔を、各空洞部毎に一つ以上設ける必要性が生じる。しかし、かかる冷却ガス導入孔を設けることは、サセプタ自体が非常に高価となり、且つ、高精度な基板の位置決めを要することとなる。
【0012】
また、図3(B)はドライエッチング時におけるイオン等の衝撃による熱の移動を説明するための模式的断面図である。通常、シリコンのエッチングプロセスは温度依存性のある工程であることが知られている。本図中では、シリコン基板34上にレジスト膜を有しないが、図中の上から下に向かってエッチング時の反応種(イオン等)がレジスト膜やシリコン基板34に衝突し、シリコン基板34のエッチングと共に反応種との衝突により熱が発生する。
【0013】
詳細な説明をするために、図3(B)のサークル部の拡大図を、図4(A)に示し、Si膜46及びBOX層44が処理されたSOI基板のシリコン基板42に塗布したレジスト膜40を上にしてサセプタ48に載置させた図を例示する。空洞部45がレジスト膜40及びシリコン基板42とサセプタ48との間に生じる。シリコン基板42上に所望のレジストパターン40を形成させた後、前記レジストパターン40をマスクとしてシリコン基板42をドライエッチングする。かかる場合、図3(B)で説明したようにイオン種等の衝撃により熱が発生するが、空洞部45上でのエッチング時に発生する熱の伝導性は、シリコン基板42のパターン部では垂直方向より水平方向で大きくなる。なぜならば、発生した熱に対して、空洞部45は断熱効果の働きをすると推測されるからである。図4(A)では、熱の移動を模式的に矢印で図示している。そのため、空洞部45上のシリコン基板42のエッチング時には温度勾配が生じる。図4(B)は、図4(A)のSOI基板を横軸にして、温度を縦軸にして、温度勾配を模式的に表わしたものである。前述したように、シリコンのエッチングは温度依存性があるため、図4(B)に示すような温度勾配はシリコン基板のエッチングに影響を与え、シリコンの微細加工時に重要な温度制御が困難なため、レジスト膜40に整合した形状でエッチングが進行しないおそれがある。
【0014】
特に、シリコン基板のエッチング時の温度制御は、最終的なステンシルマスクとしての精度及びマスク製造装置に多大な影響を及ぼすため、エッチング時の温度をうまく制御することは非常に重要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、マスクとしての形状精度及びマスク生産効率としての歩留まりを改善させたステンシルマスク及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を、
請求項1に記載したように、
シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項2に記載したように、
シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項3に記載したように、
前記第二の剥離工程の後に、前記埋設物質を除去する第四の除去工程をさらに具備することを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項4に記載したように、
前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項5に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項6に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項7に記載したように、
前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項3に記載のステンシルマスクの製造方法により、解決する。
【0017】
さらに、本発明によれば、上記の課題は、
請求項8に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた埋め込み酸化膜と、前記酸化膜に設けたシリコン膜とを有するSOI基板からなるステンシルマスクブランクであって、
前記シリコン膜を除去して前記埋め込み酸化膜を露出させて、前記埋め込み酸化膜と前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部に埋設物質を有することを特徴とするステンシルマスクブランクにより、または、
請求項9に記載したように、
前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項10に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項11に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項12に記載したように、
前記埋設物質は除去されてステンシルマスクが形成されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、解決する。
【0018】
さらに、本発明のよれば、上記の課題は、
請求項13に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜と第二の窒化シリコン膜とを有する基板を利用するメンブレムマスクの製造方法であって、前記第一の窒化シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記シリコン基板が露出するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記第一の窒化シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記第二の窒化シリコン膜に第一のCr膜/W膜/第二のCr膜を順次形成させる第二の形成工程と、
前記第二の窒化シリコン膜が露出させ、露出された第二の窒化シリコンと前記第一の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板の側壁ととも空洞部を形成するように、前記第一の窒化シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第二の除去工程と、
前記第一のCr膜を剥離する第二の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
を具備することを特徴とするメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項14に記載したように、
前記埋設工程の後、
前記W膜に所望のパターンを有する第二のレジスト膜を形成させる第三の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして、前記W膜及び前記第二のCr膜を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第三の剥離工程と、
前記埋設物質を除去する第四の除去工程と、
をさら具備することを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項15に記載したように、
前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項16に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項17に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項18に記載したように、
前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項14に記載のメンブレムマスクの製造方法により、解決する。
【0019】
さらに、本発明によれば、上記の課題は、
請求項19に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜及び第二の窒化シリコン膜とを有する基板からなるメンブレムマスクブランクであって、
前記第一の窒化シリコン膜を露出させるように前記第二の窒化シリコン膜と前記シリコン基板とを除去させて、前記第一の窒化シリコン膜と前記第二の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板との側壁と共に画成された空洞部に埋設物質を有することを特徴とするメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項20に記載したように、
前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項21に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項22に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項23に記載したように、
前記埋設物質は除去されてメンブレムマスクが形成されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、解決される。
【0020】
前述のように、本発明の特徴は、空洞部に埋設物質を埋設させる埋設工程を設けることにある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図5(A)〜図5(G)は、本発明の一の実施態様に係るステンシルマスクの製造方法の各工程の概略断面図である。
【0023】
先ず、図5(A)を参照するに、シリコン基板50に埋め込み酸化膜であるBOX層52としての酸化シリコンを介して、シリコン膜54を有するSOI基板を利用して説明する。表面洗浄されたSOI基板の裏面側に公知のレジスト膜56を、常法により所望のパターンを有するように形成させる。次いで、図5(B)に示すように、前記レジスト膜56をマスクとして、SF6などのハロゲン系ガスを利用してシリコン膜54の異方性ドライエッチングを行い、BOX層52を露出させ、シリコン膜54の側壁と共に画成される空洞部55が形成する。上記異方性ドライエッチングのガスとしては、ハロゲン含有ガスとAr等からなるガスを利用することも可能である。しかる後に、図5(C)に示す工程では、酸化シリコン膜52をCHF3、C4F8、CF4などのF系ラジカルを利用してドライエッチングし、引き続き酸素プラズマによるアッシングによりレジスト膜54を剥離する。図5(C)の工程では、レジスト膜56をアッシングした後、ウェットエッチング(HF又はHF/NH4F)により酸化シリコン膜52を除去することも可能である。
【0024】
図5(D)を参照するに、SOI基板の表面側であるシリコン基板50に、所望のパターンを有するレジスト膜58を形成させる。その際のパターン形成は、通常、電子線等を利用して行われる。
【0025】
次いで、図5(E)に示すように、埋設物質59を空洞部55に埋設する。図5(E)に示す埋設工程は、スピンコート法又は化学蒸着法により行われることが好ましい。埋設物質としては、製造プロセスに大きな影響を与えず、できるだけ低温で埋設させることができる埋設物質であることが好ましい。あまり高温で埋設物質を埋設させると、熱の印加によりシリコン基板に歪みが生じる可能性があるからである。具体的には、SOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜が好ましい。例えば、有機SOG膜をスピンコート法により塗布したのち、150℃で30秒、200℃で20秒、あるいは450℃で10秒間ベーキングすることにより、空洞部55に埋設させることができる。有機SOG膜としては、例えば、SiNCH膜、SiOCH膜等がある。また、有機レジスト膜としては、例えば、ノボラック系、アクリル系、スチレン系等の有機レジストがある。さらに、空洞部55には、アルミニウムやはんだ等の金属を埋設することも可能である。
【0026】
埋設物質59の高さとしては、隣接するシリコン膜54と同じ高さ、若しくはシリコン膜54よりも高くても差し支えない。ただし、埋設物質59の高さが高い場合には、その表面は一様であることが望ましい。図5(E)中にて、埋設物質59の高さが高いとは、シリコン膜54よりも図面中で下に出ていることを意味する。
【0027】
次いで、図5(E)に示すSOI基板をエッチングチャンバーにて、エッチングを行う。以下に、埋設物質59の存在意義を説明する。埋設物質59が存在すると、従来技術の問題点の一つである図2(C)を用いて説明した静電チャックの損傷は解消される。なぜならば、エッチングが一様に進行しなくても、例えばある部分だけにおいて、速くエッチングが進行した場合にでも、埋設物資59によりエッチング中のイオン若しくはラジカル種が静電チャックに到達することはない。
【0028】
また、エッチング時の温度をうまく制御できるようになる。具体的には、図6(A)に示すように、冷却ガス導入孔32からは一様に冷却ガスが流入する。さらに、図6(B)を参照するに、埋設物質59の存在により、埋設物質が存在しない場合の空洞部上にあるレジスト58のパターン部での熱が埋設物質を介して静電チャックに流れるため、パターン部での温度勾配が小さくなり、前記レジストのパターン部で均一な温度を維持することが可能となる。前述したように、シリコン膜50のエッチングは温度依存性のある工程であることから、埋設物質59が存在することにより、空洞部が存在する場合よりはエッチング時の温度制御が向上する。したがって、シリコン膜50のエッチングは一様に進行することになる。
【0029】
埋設物質59が存在することにより、前記した利点があり、レジスト膜58をマスクとして、前述のシリコン膜54の際のドライエッチングと同様な条件にてシリコン膜50を除去する。しかる後に、酸素プラズマ雰囲気にレジスト膜58を晒すことにより、レジスト膜58を剥離させて、図5(F)に示すSOI基板が得られる。
【0030】
その後、埋設物質59を、フッ酸又はフッ酸とフッ化アンモンを用いたウエットエッチングにより除去する。図5(G)に示すように、従来のステンシルマスクと比較してマスク製造装置等に損傷をもたらすことなく、ステンシルマスクの製造が可能となる。
【0031】
図7は、本発明による別の実施態様に係るステンシルマスクの製造方法の各工程の概略断面図を示す。図7では、シリコン基板70に埋め込み酸化膜である酸化シリコン膜72を介してシリコン膜74を有するSOI基板を利用して、ステンシルマスクの製造方法を説明する。図7(A)に示す工程の前までは、図5(A)〜図5(C)の各工程と同じである。図7(B)に示すように、空洞部75が形成された後、図5ではシリコン基板50(図7ではシリコン基板70に相当する)にレジスト膜を形成させたが、図7では先に、空洞部75に埋設物質79を埋設する。かかる場合の埋設物質の埋設方法及び埋設物質は、図5で説明した方法と同じある。
【0032】
図7(B)の工程で得られたSOI基板は、ステンシルマスク製造用のマスクブランクとして、その後のレジスト膜形成等に利用され、また埋設物質79を有していることから、機械的強度も増すため、取扱いやすくなる。
【0033】
次いで、図7(C)の工程では、図7(B)の工程で得られたSOI基板を真空チャックに載置されて、スピンコート法により、シリコン基板70に所望のパターンを有するレジスト膜78を形成させる。空洞部75は埋設物質79により充填されているので、スピンコート中にシリコン基板70に大気圧が作用しても、シリコン基板70が破壊又は歪む可能性はほとんどない。かかる製造方法では、歪みのない状態で所望のパターンを有するレジスト膜78を形成するので、その後の製造工程中に、上記歪み等に起因する応力の緩和等は発生しない。そして、レジストパターンの通りにエッチングされるので、マスクの形状精度には影響を与えないものと考えられる。
【0034】
その後、レジスト膜78をマスクとして、シリコン基板70を前記した方法によりエッチングし、レジスト膜78をアッシングにより剥離させる。このようにして、シリコン基板70はレジスト膜78に整合したマスクパターンが製造可能となる。
【0035】
最後に、埋設物質79を図5で説明した方法と同様に除去することにより、ステンシルマスクが完成する。
図6で説明したように、図7に示す製造方法でも、エッチング時の温度制御が向上していることは、埋設物質79の存在により明白である。さらに、図5の製造方法と比較すると、図7にて説明した方法は、以下の点で有利である。それは、レジスト膜78を形成する前に、埋設物質79を埋設させることにより、その後のレジスト膜塗布時に生じる問題点(図2(A)を参照)を解決することが可能であるからである。
【0036】
次に、前述した埋設物質導入の概念をメンブレムマスクの製造へ適用した場合を、以下に説明する。
【0037】
図8乃至図10は、本発明の別の実施態様に係るメンブレムマスクの製造方法の各工程の概略断面図である。シリコン基板80の上下面に、低圧化学蒸着法(LPCVD)により図8(A)に示すように、窒化シリコン81、82を堆積させる。その際の窒化シリコン膜の膜厚は、1000〜1500Åであることが好ましい。前記窒化シリコン膜を堆積させたシリコン基板の裏面の窒化シリコン膜82上に所望にパターンを有するレジスト膜83を形成させる(図8(B)を参照)。図8(C)に示す工程では、前記レジスト膜83をマスクとして、窒化シリコン膜82を、CHF3やCH2F2等のHを含んだガスでドライエッチングし、次いで、酸素プラズマによりアッシングにより前記レジスト膜83を剥離し、シリコン膜80を露出させてメンブレムマスクのウィンドウを形成させる。
【0038】
図8(D)の工程では、Cr/W/Cr(84/85/86)膜をプラズマCVD法により、シリコン基板の表面側の窒化シリコン膜81上に形成させる。その際のCr/W/Cr(84/85/86)膜の膜厚は、50/250/50Åであることが好ましい。その後、裏面の露出したシリコン基板80を、窒化シリコン膜82をマスクとして、図9(E)に示すようにドライエッチングし、空洞部90が形成される。そのドライエッチングは、SF6などのハロゲン含有ガスを利用した異方性ドライエッチングにより実行されることが好ましい。次いで、図9(F)に示す工程で、13乃至18wt%の硝酸第二セリウムアンモニウム((NH4)2Ce(NO3)6)と、3乃至5wt%の過塩素酸(HCLO4)と、77乃至84wt%の純水(H2O)とからなるエッチャントでCr膜84を除去する。
【0039】
次に、図9(G)に示す工程において、本発明の特徴である埋設物質100を空洞部90に埋設する。図9(G)に示す埋設工程は、好ましくは、スピンコート又は化学蒸着法により行われるが、特にスピンコートにより埋設させることが好ましい。埋設物質100としては、製造プロセスに大きな影響を与えず、できるだけ低温で埋設させることができる埋設物質であることが好ましい。あまり高温で埋設物質を埋設させると、熱の印加によりメンブレムマスク基板に歪みが生じる可能性があるからである。具体的には、SOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜が好ましい。有機SOG膜としては、例えば、SiNCH膜、SiOCH膜等がある。また、有機レジスト膜としては、例えば、ノボラック系、アクリル系、スチレン系等の有機レジストがある。さらに、空洞部90には、アルミニウムやはんだ等の金属を埋設することも可能である。
【0040】
図10(H)乃至図10(J)を参照するに、図9(G)の工程までに得られたメンブレムマスク用シリコン基板80の表面側であるW膜85上に、所望のパターンを有するレジスト膜87を形成させる。その際のパターン形成は、通常、電子線リソグラフィーを利用して行われる。次いで、図10(I)に示す工程では、前記レジスト膜87をマスクとして、W/Cr(85/86)膜を、KOHを用いたウェットエッチングにより除去する。その際に、Cl2等のハロゲンガスでドライエッチングにより除去することも可能である。その後、酸素プラズマによるアッシングにより前記レジスト膜87を剥離する。最後に、図10(J)に示す工程にて、HF又はHFとNH4Fを用いたウエットエッチングにより埋設物質100を除去することにより、本発明の製造方法によるメンブレムマスクが完成する。
【0041】
本発明によるステンシルマスクの製造方法にて説明したのと同様に、埋設物質100の存在により、従来の製造方法の問題点を解消させて、歩留まり等の生産効率を向上させるメンブレムマスクの製造方法を提供する。
【0042】
また、図9(G)の工程で得られたシリコン基板80は、メンブレムマスク製造用のマスクブランクとして、その後の工程であるレジスト膜形成等に利用される。さらに、埋設物質100の存在により機械的強度も増大するため、メンブレムマスク製造用として取扱い易くなる。
[実施例]
先ず、約2μmのSOI基板の表面を洗浄し、800℃で熱処理を行い表面保護をした。そのSOI基板の裏側に市販のフォトレジストを塗布、乾燥させ、フォトリソグラフィーにより所望のレジストパターンを形成し、SOI基板の裏側のシリコン膜を露出させた。その露出したシリコン膜を、前記レジストパターンをマスクとして、SF6ガスの異方性ドライエッチングにより除去した。引き続き、BOX層であるSiO2膜を、CF4のFラジカルでドライエッチングにより除去し、通常に用いられるバレル方アッシャー内で酸素ラジカル雰囲気に晒して、アッシングにより前記レジスト膜を剥離し、シリコン基板と前記除去されたシリコン膜及びSiO2膜の側壁から画成される空洞部を形成した。次いで、埋設物質である酸化シリコン材をスピンコート法により埋設し、ステンシルマスクブランクを得た。
【0043】
その後、SOI基板の表面に市販の電子線ビーム用レジストを塗布、乾燥させ、電子線ビームを利用して所望のパターンを有するレジスト膜を形成した。そのレジスト膜をマスクとしてシリコン基板をドライエッチングし、引き続いて前記レジスト膜をアッシングによリ剥離した。最後に、前記埋設物質をフッ酸によるウエットエッチングにより除去し、ステンシルマスクが完成した。
【0044】
また、本発明による埋設物質を埋設させた状態のステンシマスクブランクは、埋設物質が存在しないものと比較して、機械的強度が強いためにストックしておくことが可能となった。これは、必要な時に適宜、ステンシルマスクを製造することを可能とし、ステンシルマスクの生産性の向上にも寄与するものである。
【0045】
さらに、埋設物質の導入時期は、前出の実施例では、SOI基板の表面にレジストパターンを形成する前に埋設物質を埋設したが、SOI基板の表面にレジストパラーンを形成した後でも、本発明のよる効果を得ることは理解できる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明によれば、ステンシルマスクの従来の製造方法において発生する空洞部に、埋設物質を埋設する工程を設けることにより、その後の工程、具体的には、レジスト膜の形成、シリコン膜のエッチングによる除去等の工程において発生する問題点を総て解決することができる。
【0047】
つまり、埋設物質の存在により、ステンシルマスク用基板の機械的強度が向上し、スピンコート法によるレジスト膜形成時には破壊若しくは該基板の歪みが発生せずに、ステンシルマスクを製造することができ、生産効率を改善させることができる。また、埋設物資の存在により、ステンシルマスク用基板のエッチング工程中の静電チャックを損傷させることなく生産可能であり、生産コスト削減が可能となる。
【0048】
さらに、埋設物質の存在により、エッチング時のエッチングチャンバー内での温度制御が正確になり、シリコン膜のエッチングが均一に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(E)は、従来技術によるステンシルマスクの製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図2】従来技術によるステンシルマスクの製造方法における欠点を説明するための図であり、(A)はレジストをスピンコートする際のシリコン基板における破壊/歪み発生の可能性を、(B)はエッチング時のSOI基板と静電チャックとの吸着性の低下を、(C)はエッチング中の異常放電と、エッチング終了時にイオン及びラジカル等が静電チャックに損傷を与える欠点を説明するための図である。
【図3】従来技術によるステンシルマスクの製造時のエッチング中の温度制御に関連する欠点を説明するための図であり、(A)はエッチング時の温度制御を行う冷却ガス導入孔と関連する欠点を、(B)はエッチング時の熱発生に関係する欠点を説明するための図である。
【図4】(A)は図3(B)のサークル部の拡大図であり、(B)はその拡大部に関連する温度プロファイルを示す図である。
【図5】本発明によるステンシルマスクの製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の埋設物質の存在による効果を説明する図である。
【図7】本発明によるステンシルマスクの別の製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図8】(A)から(D)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【図9】(E)から(G)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【図10】(H)から(J)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
10、34、42、50、70、80 シリコン基板
12、22、36、44、52 BOX層
14、24、38、46 Si膜
16、18、40、56、58、78 レジスト膜
20 SOI層
25、45、55、75、90 空洞部
30 サセプタ
32 冷却ガス導入孔
54、74、83 シリコン膜
59、79、100 埋設物質
72 酸化シリコン
81、82 窒化シリコン
84、86 Cr(クロム)膜
85 W(タングステン)膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線縮小投影露光用マスクとその製造方法に係り、より詳細には、電子線リソグラフィー用ステンシルマスク及びメンブレムマスクとそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積化を牽引してきた技術が微細加工技術である。この微細加工技術の中でも半導体基板上にパターン形成を行うリソグラフィー技術がその中心的役割を果たしてきた。
【0003】
リソグラフィー技術は、露光に用いる露光装置、パターンの原版となるマスク、それにパターンを形成するレジストプロセス技術の3つの要素技術から成り立つ。
【0004】
露光光源としては、現在主流となっているものは光リソグラフィー技術であるが、光リソグラフィー技術では形成できない超微細なパターンを加工することができる電子線リソグラフィーが、将来の加工法として注目されてきている。特に、最小寸法として0.1μm以下のパターンが要求される電子線リソグラフィーを利用する微細加工技術では、超微細なパターン形成を可能にするためには、電子線リソグラフィー用の高精度なステンシルマスクが必要とされる。本願でいうステンシルマスクとは、電子線を当該マスクに照射した際に、開口部のみの電子を透過させ、当該透過した電子が半導体基板等にあるレジストなどに照射する、露光に利用されるマスクのことである。
【0005】
ステンシルマスクの製造方法を、図面を参照しながら以下に説明する。
【0006】
図1は、従来技術によるステンシルマスクの各製造工程での断面図を示す。図1(A)に示すように、シリコン基板10に埋め込み酸化膜であるBOX層12を介してSi(シリコン)膜14を有するSOI(シリコン‐オン‐インシュレータ)基板を利用して、ステンシルマスクの製造工程を説明する。BOX層として、SiO2などがよく利用される。従来公知のレジスト膜をSOI基板の裏面側にあるSi膜14に塗布し、リソグラフィープロセスにより所望のレジストパターンを有するレジスト膜16を形成させる。次いで、図1(B)に示すように、前記レジスト膜16をマスクとして、ハロゲン含有ガス等のエッチングガスによる異方性エッチングによりSi膜14をドライエッチングし、BOX層12を露出させる。その後、CF4等のFラジカルを利用してBOX層12をドライエッチングした後、酸素プラズマを用いて前記レジスト膜16をアッシングにより剥離させる(図1(C))。しかる後、図1(D)に示すように、シリコン基板10の表面側にレジスト膜を塗布して、電子線リソグラフィー等を利用してパターニングを行い、所望のレジストパターンを有するレジスト膜18を形成させる。その後、前記レジスト膜18をマスクとして、ハロゲン含有ガス等のエッチングガスによる異方性エッチングによりシリコン基板10をドライエッチングする。その後、前記レジスト膜18を、酸素を含むプラズマによりアッシングにより剥離させて、ステンシルマスクが完成する(図1(E))。
【0007】
以上が、通常行われているステンシルマスクの製造方法の概略である。しかし、上記製造工程を詳細に見ると、製造されたステンシルマスクの精度及び歩留まり等に影響を与える大きな要因が種々存在する。
【0008】
例えば、一旦BOX層をドライエッチングした後にシリコン基板上にレジスト膜を塗布するが、通常、そのレジスト膜(図1(D)ではレジスト膜18を指す)はスピンコート法により実施される。図2(A)に示すように、スピンコートする際には、真空チャックによりSOI基板を固定してレジストを塗布する。かかる場合には、SOI層は約2μmという非常に薄い厚さであるため、SOI層と真空チャックとの間には空洞部25が存在すると、大気圧がSOI層20に作用する際に、SOI層20に破壊若しくは歪みが発生する蓋然性が高い。SOI層20が破壊されると、その後のマスク製造は困難であり、歩留まりが低下する。また、かかる歪みが発生した場合にはSOI層20に応力が生じ、その後のリソグラフィープロセス中に前記SOI層20に生じた応力が緩和したときには、レジストパターン等が所定のパターンから逸脱し、最終のステンシルマスクのパターン精度に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0009】
また、上記指摘したSOI層20に破壊若しくは歪みが発生しなくても、SOI層20をエッチングする工程では、静電チャックにてSOI基板を固定して行うのが、常である。静電チャックによる固定では、SOI層20と静電チャックとの間に空洞部が存在すると、その空洞部に相当する距離分だけ静電引力による吸着力が低下することになる(図2(B)では空洞部を矢印で図示)。
【0010】
ドライエッチング工程中では、上記空洞部の存在に起因して当該空洞部の隅にて電荷が集中するために、異常放電等が発生する可能性がある。また、SOI層20が同時、且つ、均一にエッチングされると、すべてのSOI層20は同時に貫通される。しかし、エッチングプロセス中に、一の部分のシリコン基板が他の部分のシリコン基板よりも速くエッチングが終了すると、速くエッチングが終了した部分ではイオン及びラジカル種が貫通して静電チャックに到達し、静電チャックを損傷させるおそれもある(上記現象を図2(C)の矢印にて図示する)。
【0011】
さらに、図3(A)は、ドライエッチング時の温度調整を行う機構を簡単に説明する断面図である。サセプタ30は温度調整のための冷却ガス導入孔32を有し、エッチング時の温度を調節するために利用される。Si膜38及びBOX層36が処理されたSOI基板のシリコン基板34をドライエッチングするために、シリコン基板34を上に向けてサセプタに載置させると、図3(A)から明らかなように、サセプタ30とSOI基板との間には空洞部35が存在する。前述の冷却ガス導入孔32からドライエッチング時の温度制御のためにガスを導入させるが、空洞部35の存在によりガスの流れに偏りが生じる。つまり、ある箇所では冷却ガス導入孔32が閉鎖され、他の箇所では冷却導入孔32が部分的に閉鎖され、また別の箇所では冷却ガス導入孔32は全く閉鎖されない。このため、ドライエッチング時に冷却ガスを利用しないことも考えられるが、ドライエッチング時に冷却ガスを利用しないと、エッチング時の温度制御は困難となる。したがって、各空洞部よりも小さな冷却ガス導入孔を、各空洞部毎に一つ以上設ける必要性が生じる。しかし、かかる冷却ガス導入孔を設けることは、サセプタ自体が非常に高価となり、且つ、高精度な基板の位置決めを要することとなる。
【0012】
また、図3(B)はドライエッチング時におけるイオン等の衝撃による熱の移動を説明するための模式的断面図である。通常、シリコンのエッチングプロセスは温度依存性のある工程であることが知られている。本図中では、シリコン基板34上にレジスト膜を有しないが、図中の上から下に向かってエッチング時の反応種(イオン等)がレジスト膜やシリコン基板34に衝突し、シリコン基板34のエッチングと共に反応種との衝突により熱が発生する。
【0013】
詳細な説明をするために、図3(B)のサークル部の拡大図を、図4(A)に示し、Si膜46及びBOX層44が処理されたSOI基板のシリコン基板42に塗布したレジスト膜40を上にしてサセプタ48に載置させた図を例示する。空洞部45がレジスト膜40及びシリコン基板42とサセプタ48との間に生じる。シリコン基板42上に所望のレジストパターン40を形成させた後、前記レジストパターン40をマスクとしてシリコン基板42をドライエッチングする。かかる場合、図3(B)で説明したようにイオン種等の衝撃により熱が発生するが、空洞部45上でのエッチング時に発生する熱の伝導性は、シリコン基板42のパターン部では垂直方向より水平方向で大きくなる。なぜならば、発生した熱に対して、空洞部45は断熱効果の働きをすると推測されるからである。図4(A)では、熱の移動を模式的に矢印で図示している。そのため、空洞部45上のシリコン基板42のエッチング時には温度勾配が生じる。図4(B)は、図4(A)のSOI基板を横軸にして、温度を縦軸にして、温度勾配を模式的に表わしたものである。前述したように、シリコンのエッチングは温度依存性があるため、図4(B)に示すような温度勾配はシリコン基板のエッチングに影響を与え、シリコンの微細加工時に重要な温度制御が困難なため、レジスト膜40に整合した形状でエッチングが進行しないおそれがある。
【0014】
特に、シリコン基板のエッチング時の温度制御は、最終的なステンシルマスクとしての精度及びマスク製造装置に多大な影響を及ぼすため、エッチング時の温度をうまく制御することは非常に重要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、マスクとしての形状精度及びマスク生産効率としての歩留まりを改善させたステンシルマスク及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を、
請求項1に記載したように、
シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項2に記載したように、
シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項3に記載したように、
前記第二の剥離工程の後に、前記埋設物質を除去する第四の除去工程をさらに具備することを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項4に記載したように、
前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項5に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項6に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法により、または、
請求項7に記載したように、
前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項3に記載のステンシルマスクの製造方法により、解決する。
【0017】
さらに、本発明によれば、上記の課題は、
請求項8に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた埋め込み酸化膜と、前記酸化膜に設けたシリコン膜とを有するSOI基板からなるステンシルマスクブランクであって、
前記シリコン膜を除去して前記埋め込み酸化膜を露出させて、前記埋め込み酸化膜と前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部に埋設物質を有することを特徴とするステンシルマスクブランクにより、または、
請求項9に記載したように、
前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項10に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項11に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項12に記載したように、
前記埋設物質は除去されてステンシルマスクが形成されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランクにより、解決する。
【0018】
さらに、本発明のよれば、上記の課題は、
請求項13に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜と第二の窒化シリコン膜とを有する基板を利用するメンブレムマスクの製造方法であって、前記第一の窒化シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記シリコン基板が露出するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記第一の窒化シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記第二の窒化シリコン膜に第一のCr膜/W膜/第二のCr膜を順次形成させる第二の形成工程と、
前記第二の窒化シリコン膜が露出させ、露出された第二の窒化シリコンと前記第一の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板の側壁ととも空洞部を形成するように、前記第一の窒化シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第二の除去工程と、
前記第一のCr膜を剥離する第二の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
を具備することを特徴とするメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項14に記載したように、
前記埋設工程の後、
前記W膜に所望のパターンを有する第二のレジスト膜を形成させる第三の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして、前記W膜及び前記第二のCr膜を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第三の剥離工程と、
前記埋設物質を除去する第四の除去工程と、
をさら具備することを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項15に記載したように、
前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項16に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項17に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法により、または、
請求項18に記載したように、
前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項14に記載のメンブレムマスクの製造方法により、解決する。
【0019】
さらに、本発明によれば、上記の課題は、
請求項19に記載したように、
シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜及び第二の窒化シリコン膜とを有する基板からなるメンブレムマスクブランクであって、
前記第一の窒化シリコン膜を露出させるように前記第二の窒化シリコン膜と前記シリコン基板とを除去させて、前記第一の窒化シリコン膜と前記第二の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板との側壁と共に画成された空洞部に埋設物質を有することを特徴とするメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項20に記載したように、
前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項21に記載したように、
前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、または、
請求項22に記載したように、
前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のステンシルマスクブランクにより、または、
請求項23に記載したように、
前記埋設物質は除去されてメンブレムマスクが形成されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランクにより、解決される。
【0020】
前述のように、本発明の特徴は、空洞部に埋設物質を埋設させる埋設工程を設けることにある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図5(A)〜図5(G)は、本発明の一の実施態様に係るステンシルマスクの製造方法の各工程の概略断面図である。
【0023】
先ず、図5(A)を参照するに、シリコン基板50に埋め込み酸化膜であるBOX層52としての酸化シリコンを介して、シリコン膜54を有するSOI基板を利用して説明する。表面洗浄されたSOI基板の裏面側に公知のレジスト膜56を、常法により所望のパターンを有するように形成させる。次いで、図5(B)に示すように、前記レジスト膜56をマスクとして、SF6などのハロゲン系ガスを利用してシリコン膜54の異方性ドライエッチングを行い、BOX層52を露出させ、シリコン膜54の側壁と共に画成される空洞部55が形成する。上記異方性ドライエッチングのガスとしては、ハロゲン含有ガスとAr等からなるガスを利用することも可能である。しかる後に、図5(C)に示す工程では、酸化シリコン膜52をCHF3、C4F8、CF4などのF系ラジカルを利用してドライエッチングし、引き続き酸素プラズマによるアッシングによりレジスト膜54を剥離する。図5(C)の工程では、レジスト膜56をアッシングした後、ウェットエッチング(HF又はHF/NH4F)により酸化シリコン膜52を除去することも可能である。
【0024】
図5(D)を参照するに、SOI基板の表面側であるシリコン基板50に、所望のパターンを有するレジスト膜58を形成させる。その際のパターン形成は、通常、電子線等を利用して行われる。
【0025】
次いで、図5(E)に示すように、埋設物質59を空洞部55に埋設する。図5(E)に示す埋設工程は、スピンコート法又は化学蒸着法により行われることが好ましい。埋設物質としては、製造プロセスに大きな影響を与えず、できるだけ低温で埋設させることができる埋設物質であることが好ましい。あまり高温で埋設物質を埋設させると、熱の印加によりシリコン基板に歪みが生じる可能性があるからである。具体的には、SOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜が好ましい。例えば、有機SOG膜をスピンコート法により塗布したのち、150℃で30秒、200℃で20秒、あるいは450℃で10秒間ベーキングすることにより、空洞部55に埋設させることができる。有機SOG膜としては、例えば、SiNCH膜、SiOCH膜等がある。また、有機レジスト膜としては、例えば、ノボラック系、アクリル系、スチレン系等の有機レジストがある。さらに、空洞部55には、アルミニウムやはんだ等の金属を埋設することも可能である。
【0026】
埋設物質59の高さとしては、隣接するシリコン膜54と同じ高さ、若しくはシリコン膜54よりも高くても差し支えない。ただし、埋設物質59の高さが高い場合には、その表面は一様であることが望ましい。図5(E)中にて、埋設物質59の高さが高いとは、シリコン膜54よりも図面中で下に出ていることを意味する。
【0027】
次いで、図5(E)に示すSOI基板をエッチングチャンバーにて、エッチングを行う。以下に、埋設物質59の存在意義を説明する。埋設物質59が存在すると、従来技術の問題点の一つである図2(C)を用いて説明した静電チャックの損傷は解消される。なぜならば、エッチングが一様に進行しなくても、例えばある部分だけにおいて、速くエッチングが進行した場合にでも、埋設物資59によりエッチング中のイオン若しくはラジカル種が静電チャックに到達することはない。
【0028】
また、エッチング時の温度をうまく制御できるようになる。具体的には、図6(A)に示すように、冷却ガス導入孔32からは一様に冷却ガスが流入する。さらに、図6(B)を参照するに、埋設物質59の存在により、埋設物質が存在しない場合の空洞部上にあるレジスト58のパターン部での熱が埋設物質を介して静電チャックに流れるため、パターン部での温度勾配が小さくなり、前記レジストのパターン部で均一な温度を維持することが可能となる。前述したように、シリコン膜50のエッチングは温度依存性のある工程であることから、埋設物質59が存在することにより、空洞部が存在する場合よりはエッチング時の温度制御が向上する。したがって、シリコン膜50のエッチングは一様に進行することになる。
【0029】
埋設物質59が存在することにより、前記した利点があり、レジスト膜58をマスクとして、前述のシリコン膜54の際のドライエッチングと同様な条件にてシリコン膜50を除去する。しかる後に、酸素プラズマ雰囲気にレジスト膜58を晒すことにより、レジスト膜58を剥離させて、図5(F)に示すSOI基板が得られる。
【0030】
その後、埋設物質59を、フッ酸又はフッ酸とフッ化アンモンを用いたウエットエッチングにより除去する。図5(G)に示すように、従来のステンシルマスクと比較してマスク製造装置等に損傷をもたらすことなく、ステンシルマスクの製造が可能となる。
【0031】
図7は、本発明による別の実施態様に係るステンシルマスクの製造方法の各工程の概略断面図を示す。図7では、シリコン基板70に埋め込み酸化膜である酸化シリコン膜72を介してシリコン膜74を有するSOI基板を利用して、ステンシルマスクの製造方法を説明する。図7(A)に示す工程の前までは、図5(A)〜図5(C)の各工程と同じである。図7(B)に示すように、空洞部75が形成された後、図5ではシリコン基板50(図7ではシリコン基板70に相当する)にレジスト膜を形成させたが、図7では先に、空洞部75に埋設物質79を埋設する。かかる場合の埋設物質の埋設方法及び埋設物質は、図5で説明した方法と同じある。
【0032】
図7(B)の工程で得られたSOI基板は、ステンシルマスク製造用のマスクブランクとして、その後のレジスト膜形成等に利用され、また埋設物質79を有していることから、機械的強度も増すため、取扱いやすくなる。
【0033】
次いで、図7(C)の工程では、図7(B)の工程で得られたSOI基板を真空チャックに載置されて、スピンコート法により、シリコン基板70に所望のパターンを有するレジスト膜78を形成させる。空洞部75は埋設物質79により充填されているので、スピンコート中にシリコン基板70に大気圧が作用しても、シリコン基板70が破壊又は歪む可能性はほとんどない。かかる製造方法では、歪みのない状態で所望のパターンを有するレジスト膜78を形成するので、その後の製造工程中に、上記歪み等に起因する応力の緩和等は発生しない。そして、レジストパターンの通りにエッチングされるので、マスクの形状精度には影響を与えないものと考えられる。
【0034】
その後、レジスト膜78をマスクとして、シリコン基板70を前記した方法によりエッチングし、レジスト膜78をアッシングにより剥離させる。このようにして、シリコン基板70はレジスト膜78に整合したマスクパターンが製造可能となる。
【0035】
最後に、埋設物質79を図5で説明した方法と同様に除去することにより、ステンシルマスクが完成する。
図6で説明したように、図7に示す製造方法でも、エッチング時の温度制御が向上していることは、埋設物質79の存在により明白である。さらに、図5の製造方法と比較すると、図7にて説明した方法は、以下の点で有利である。それは、レジスト膜78を形成する前に、埋設物質79を埋設させることにより、その後のレジスト膜塗布時に生じる問題点(図2(A)を参照)を解決することが可能であるからである。
【0036】
次に、前述した埋設物質導入の概念をメンブレムマスクの製造へ適用した場合を、以下に説明する。
【0037】
図8乃至図10は、本発明の別の実施態様に係るメンブレムマスクの製造方法の各工程の概略断面図である。シリコン基板80の上下面に、低圧化学蒸着法(LPCVD)により図8(A)に示すように、窒化シリコン81、82を堆積させる。その際の窒化シリコン膜の膜厚は、1000〜1500Åであることが好ましい。前記窒化シリコン膜を堆積させたシリコン基板の裏面の窒化シリコン膜82上に所望にパターンを有するレジスト膜83を形成させる(図8(B)を参照)。図8(C)に示す工程では、前記レジスト膜83をマスクとして、窒化シリコン膜82を、CHF3やCH2F2等のHを含んだガスでドライエッチングし、次いで、酸素プラズマによりアッシングにより前記レジスト膜83を剥離し、シリコン膜80を露出させてメンブレムマスクのウィンドウを形成させる。
【0038】
図8(D)の工程では、Cr/W/Cr(84/85/86)膜をプラズマCVD法により、シリコン基板の表面側の窒化シリコン膜81上に形成させる。その際のCr/W/Cr(84/85/86)膜の膜厚は、50/250/50Åであることが好ましい。その後、裏面の露出したシリコン基板80を、窒化シリコン膜82をマスクとして、図9(E)に示すようにドライエッチングし、空洞部90が形成される。そのドライエッチングは、SF6などのハロゲン含有ガスを利用した異方性ドライエッチングにより実行されることが好ましい。次いで、図9(F)に示す工程で、13乃至18wt%の硝酸第二セリウムアンモニウム((NH4)2Ce(NO3)6)と、3乃至5wt%の過塩素酸(HCLO4)と、77乃至84wt%の純水(H2O)とからなるエッチャントでCr膜84を除去する。
【0039】
次に、図9(G)に示す工程において、本発明の特徴である埋設物質100を空洞部90に埋設する。図9(G)に示す埋設工程は、好ましくは、スピンコート又は化学蒸着法により行われるが、特にスピンコートにより埋設させることが好ましい。埋設物質100としては、製造プロセスに大きな影響を与えず、できるだけ低温で埋設させることができる埋設物質であることが好ましい。あまり高温で埋設物質を埋設させると、熱の印加によりメンブレムマスク基板に歪みが生じる可能性があるからである。具体的には、SOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜が好ましい。有機SOG膜としては、例えば、SiNCH膜、SiOCH膜等がある。また、有機レジスト膜としては、例えば、ノボラック系、アクリル系、スチレン系等の有機レジストがある。さらに、空洞部90には、アルミニウムやはんだ等の金属を埋設することも可能である。
【0040】
図10(H)乃至図10(J)を参照するに、図9(G)の工程までに得られたメンブレムマスク用シリコン基板80の表面側であるW膜85上に、所望のパターンを有するレジスト膜87を形成させる。その際のパターン形成は、通常、電子線リソグラフィーを利用して行われる。次いで、図10(I)に示す工程では、前記レジスト膜87をマスクとして、W/Cr(85/86)膜を、KOHを用いたウェットエッチングにより除去する。その際に、Cl2等のハロゲンガスでドライエッチングにより除去することも可能である。その後、酸素プラズマによるアッシングにより前記レジスト膜87を剥離する。最後に、図10(J)に示す工程にて、HF又はHFとNH4Fを用いたウエットエッチングにより埋設物質100を除去することにより、本発明の製造方法によるメンブレムマスクが完成する。
【0041】
本発明によるステンシルマスクの製造方法にて説明したのと同様に、埋設物質100の存在により、従来の製造方法の問題点を解消させて、歩留まり等の生産効率を向上させるメンブレムマスクの製造方法を提供する。
【0042】
また、図9(G)の工程で得られたシリコン基板80は、メンブレムマスク製造用のマスクブランクとして、その後の工程であるレジスト膜形成等に利用される。さらに、埋設物質100の存在により機械的強度も増大するため、メンブレムマスク製造用として取扱い易くなる。
[実施例]
先ず、約2μmのSOI基板の表面を洗浄し、800℃で熱処理を行い表面保護をした。そのSOI基板の裏側に市販のフォトレジストを塗布、乾燥させ、フォトリソグラフィーにより所望のレジストパターンを形成し、SOI基板の裏側のシリコン膜を露出させた。その露出したシリコン膜を、前記レジストパターンをマスクとして、SF6ガスの異方性ドライエッチングにより除去した。引き続き、BOX層であるSiO2膜を、CF4のFラジカルでドライエッチングにより除去し、通常に用いられるバレル方アッシャー内で酸素ラジカル雰囲気に晒して、アッシングにより前記レジスト膜を剥離し、シリコン基板と前記除去されたシリコン膜及びSiO2膜の側壁から画成される空洞部を形成した。次いで、埋設物質である酸化シリコン材をスピンコート法により埋設し、ステンシルマスクブランクを得た。
【0043】
その後、SOI基板の表面に市販の電子線ビーム用レジストを塗布、乾燥させ、電子線ビームを利用して所望のパターンを有するレジスト膜を形成した。そのレジスト膜をマスクとしてシリコン基板をドライエッチングし、引き続いて前記レジスト膜をアッシングによリ剥離した。最後に、前記埋設物質をフッ酸によるウエットエッチングにより除去し、ステンシルマスクが完成した。
【0044】
また、本発明による埋設物質を埋設させた状態のステンシマスクブランクは、埋設物質が存在しないものと比較して、機械的強度が強いためにストックしておくことが可能となった。これは、必要な時に適宜、ステンシルマスクを製造することを可能とし、ステンシルマスクの生産性の向上にも寄与するものである。
【0045】
さらに、埋設物質の導入時期は、前出の実施例では、SOI基板の表面にレジストパターンを形成する前に埋設物質を埋設したが、SOI基板の表面にレジストパラーンを形成した後でも、本発明のよる効果を得ることは理解できる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明によれば、ステンシルマスクの従来の製造方法において発生する空洞部に、埋設物質を埋設する工程を設けることにより、その後の工程、具体的には、レジスト膜の形成、シリコン膜のエッチングによる除去等の工程において発生する問題点を総て解決することができる。
【0047】
つまり、埋設物質の存在により、ステンシルマスク用基板の機械的強度が向上し、スピンコート法によるレジスト膜形成時には破壊若しくは該基板の歪みが発生せずに、ステンシルマスクを製造することができ、生産効率を改善させることができる。また、埋設物資の存在により、ステンシルマスク用基板のエッチング工程中の静電チャックを損傷させることなく生産可能であり、生産コスト削減が可能となる。
【0048】
さらに、埋設物質の存在により、エッチング時のエッチングチャンバー内での温度制御が正確になり、シリコン膜のエッチングが均一に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(E)は、従来技術によるステンシルマスクの製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図2】従来技術によるステンシルマスクの製造方法における欠点を説明するための図であり、(A)はレジストをスピンコートする際のシリコン基板における破壊/歪み発生の可能性を、(B)はエッチング時のSOI基板と静電チャックとの吸着性の低下を、(C)はエッチング中の異常放電と、エッチング終了時にイオン及びラジカル等が静電チャックに損傷を与える欠点を説明するための図である。
【図3】従来技術によるステンシルマスクの製造時のエッチング中の温度制御に関連する欠点を説明するための図であり、(A)はエッチング時の温度制御を行う冷却ガス導入孔と関連する欠点を、(B)はエッチング時の熱発生に関係する欠点を説明するための図である。
【図4】(A)は図3(B)のサークル部の拡大図であり、(B)はその拡大部に関連する温度プロファイルを示す図である。
【図5】本発明によるステンシルマスクの製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、本発明の埋設物質の存在による効果を説明する図である。
【図7】本発明によるステンシルマスクの別の製造方法の各工程を説明するための概略断面図である。
【図8】(A)から(D)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【図9】(E)から(G)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【図10】(H)から(J)は、本発明によるメンブレムマスクの製造方法の一部の各工程を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
10、34、42、50、70、80 シリコン基板
12、22、36、44、52 BOX層
14、24、38、46 Si膜
16、18、40、56、58、78 レジスト膜
20 SOI層
25、45、55、75、90 空洞部
30 サセプタ
32 冷却ガス導入孔
54、74、83 シリコン膜
59、79、100 埋設物質
72 酸化シリコン
81、82 窒化シリコン
84、86 Cr(クロム)膜
85 W(タングステン)膜
Claims (23)
- シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法。 - シリコン基板に埋め込み酸化膜を介してシリコン膜を有するSOI基板を利用するステンシルマスクの製造方法であって、
前記シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記埋め込み酸化膜を露出させて前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部を形成するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記埋め込み酸化膜を除去する第二の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記シリコン基板に所望のレジストパターンを有する第二のレジスト膜を形成する第二の形成工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第二の剥離工程と、
を具備することを特徴とするステンシルマスクの製造方法。 - 前記第二の剥離工程の後に、前記埋設物質を除去する第四の除去工程をさらに具備することを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法。
- 前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法。
- 前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法。
- 前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のステンシルマスクの製造方法。
- 前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項3に記載のステンシルマスクの製造方法。
- シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた埋め込み酸化膜と、前記酸化膜に設けたシリコン膜とを有するSOI基板からなるステンシルマスクブランクであって、
前記シリコン膜を除去して前記埋め込み酸化膜を露出させて、前記埋め込み酸化膜と前記シリコン膜の側壁と共に画成される空洞部に埋設物質を有することを特徴とするステンシルマスクブランク。 - 前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランク。
- 前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランク。
- 前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランク。
- 前記埋設物質は除去されてステンシルマスクが形成されることを特徴とする、請求項8に記載のステンシルマスクブランク。
- シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜と第二の窒化シリコン膜とを有する基板を利用するメンブレムマスクの製造方法であって、
前記第一の窒化シリコン膜に所望のレジストパターンを有する第一のレジスト膜を形成する第一の形成工程と、
前記シリコン基板が露出するように、前記第一のレジスト膜をマスクとして前記第一の窒化シリコン膜を除去する第一の除去工程と、
前記第一のレジスト膜を剥離する第一の剥離工程と、
前記第二の窒化シリコン膜に第一のCr膜/W膜/第二のCr膜を順次形成させる第二の形成工程と、
前記第二の窒化シリコン膜が露出させ、露出された第二の窒化シリコンと前記第一の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板の側壁ととも空洞部を形成するように、前記第一の窒化シリコン膜をマスクとして前記シリコン基板を除去する第二の除去工程と、
前記第一のCr膜を剥離する第二の剥離工程と、
前記空洞部を埋設物質で埋設させる埋設工程と、
を具備することを特徴とするメンブレムマスクの製造方法。 - 前記埋設工程の後、
前記W膜に所望のパターンを有する第二のレジスト膜を形成させる第三の形成工程と、
前記第二のレジスト膜をマスクとして、前記W膜及び前記第二のCr膜を除去する第三の除去工程と、
前記第二のレジスト膜を剥離する第三の剥離工程と、
前記埋設物質を除去する第四の除去工程と、
をさら具備することを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法。 - 前記埋設工程はスピンコート法又は化学蒸着法により行われることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法。
- 前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法。
- 前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13に記載のメンブレムマスクの製造方法。
- 前記第四の除去工程は、前記埋設物質がSiO2膜である場合には、フッ酸(HF)又はフッ酸(HF)とフッ化アンモン(NH4F)を用いたウエットエッチングにより行われることを特徴とする、請求項14に記載のメンブレムマスクの製造方法。
- シリコン基板と、前記シリコン基板に設けた第一の窒化シリコン膜及び第二の窒化シリコン膜とを有する基板からなるメンブレムマスクブランクであって、
前記第一の窒化シリコン膜を露出させるように前記第二の窒化シリコン膜と前記シリコン基板とを除去させて、前記第一の窒化シリコン膜と前記第二の窒化シリコン膜及び前記シリコン基板との側壁と共に画成された空洞部に埋設物質を有することを特徴とするメンブレムマスクブランク。 - 前記埋設物質はスピンコート法又は化学蒸着法により埋設されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランク。
- 前記埋設物質はSOG膜、SiO2膜、有機SOG膜、有機レジスト膜とからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランク。
- 前記埋設物質はアルミニウムとはんだとからなる群から選択されることを特徴とする、請求項19に記載のステンシルマスクブランク。
- 前記埋設物質は除去されてメンブレムマスクが形成されることを特徴とする、請求項19に記載のメンブレムマスクブランク。
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