JP2006172626A - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低屈折率誘電体層の成膜レートがより高められた、生産性に優れる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体であって、この低屈折率誘電体層に強磁性遷移金属を含有するSi酸化物を用いることで、生産性に優れる光情報記録媒体を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体であって、この低屈折率誘電体層に強磁性遷移金属を含有するSi酸化物を用いることで、生産性に優れる光情報記録媒体を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光情報記録媒体に関し、より詳しくは、光情報記録媒体の誘電体についての技術に関する。
近年、マルチメディア化に伴い、大量のデータの配布や長期保存に適した情報記録媒体として、光情報記録媒体(光ディスク)が注目されている。この光ディスクには、製造時にスタンピングされた情報の再生のみ可能な再生専用型ディスク、色素等からなる記録膜を設けて一回だけ記録可能な追記型ディスク、光磁気記録方式や相変化記録方式によりデータの書き換え消去が何度も可能な書き換え型ディスクが知られている。
光ディスクからのデータの再生及び光ディスクへのデータの記録は、いずれもレーザ光を用いて行う。入射レーザ光は、対物レンズを用いて光ディスク上に集光し、光スポットを回折限界にまで絞り込む。このときの光スポットの径は、レーザ光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例した値となる。近年、光ディスクの大容量化が求められているが、これらの要求に応えるには、この光スポットをさらに小径化し、記録データを高密度化することが必要となる。例えば、CDのレーザ波長λが780nm、対物レンズの開口数NAが0.45であるのに対し、DVDでは、波長λを650nm或いは635nm、開口数NAを0.6とすることで、高密度化を行っている。さらに、次世代の光ディスクにおいては、光スポットをさらに絞り込んで高密度化を実現するために、波長λを400nm程度、開口数NAを0.6超とした光ディスクシステムが提案されている。
一例を挙げると、HD DVDは、これら次世代光ディスクの一つであり、波長λを405nm、開口数NAを0.65としたシステムを用いている。HD DVDは、大別して、再生専用型のHD DVD−ROM、追記型のHD DVD−R、書き換え型のHD DVD−Rewritableの三種類の光ディスクが提案されているが、特に、HD DVD−Rewritableは、これら三種類の中で、面記録密度が最も高く、片面単層で20GBの記録容量を有する光ディスクである。HD DVD−Rewritableでは、高い面記録密度を実現するために、トラッキング案内溝の溝部及び溝間の両方に記録を行うランド・グルーブ記録方式を採用してトラックピッチを狭くし、さらに、記録時の隣接トラック消去(以下、クロスイレーズ)を低減するために、光ディスクの未記録部で光の反射率が低く(吸収率が高く)、記録部で反射率が高く(吸収率が低く)なる、Low to High構造の相変化記録方式が採用されている(非特許文献1)。
このLow to High構造は、従来の相変化方式の光ディスクに対して、逆の極性を持つ構造である。従来の相変化方式の光ディスクでは、未記録部で反射率が高く、記録部で反射率が低くなる、High to Low構造を採用している。そこで、記録層の光入射側に、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを交互積層することにより、光の多重干渉を利用して光ディスクの記録・未記録の反射率の極性を逆転させる方法が提案されている。具体的な材料は、高屈折率誘電体としてZnS−SiO2など、低屈折率誘電体としてSiO2やAl2O3などを挙げることができる。
しかしながら、特にスパッタリング成膜法においては、多くの誘電体は成膜レートが遅く、生産性が不十分であることが知られている。これは、代表的な低屈折率誘電体も例外ではなく、例えば、SiO2、Al2O3、MgF2、CaF2は、金属に対して数分の一〜数十分の一の成膜レートである。但し、高屈折率誘電体に関しては、ZnS−SiO2など、金属と同等程度の成膜レートを有する誘電体が見出されているため、Low to High構造の生産性確保のためには、低屈折率誘電体の成膜レートを高める必要がある。
低屈折率誘電体の成膜レートを高める試みとしては、低屈折率誘電体層としてSi−O−Nを用いた例(非特許文献2)、Si−O−Cを用いた例(非特許文献3)、Si−Ni−O−Nを用いた例(非特許文献4)が報告されている。特に、Si−Ni−O−Nにおいては、SiO2の4倍、且つ、ZnS−SiO2と同等の成膜レートが報告されている。
DVD Specifications for High Density Rewritable Disc (HD DVD-Rewritable), Part 1:PHYSICAL SPECIFICATIONS Ver. 1.0 (2004)
E. Kariyada et al., Proceedings of PCOS 2003 (2003), p. 56-61
S. Ashida et al., Proceedings of PCOS 2003 (2003), p.62-66
E. Kariyada et al.,ISOM2004 Technical Digest (2004),Th-J-11
本発明は、このような技術的課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体において、低屈折率誘電体層の成膜レートがより高められた、生産性に優れる光情報記録媒体を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明によれば、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体であって、この低屈折率誘電体層が強磁性遷移金属を含有するSi酸化物からなることを特徴とする光情報記録媒体が提供される。
本発明が適用される光情報記録媒体において、低屈折率誘電体層に含有される強磁性遷移金属はNiであることが好ましい。
本発明が適用される光情報記録媒体において、低屈折率誘電体層に含有される前記強磁性遷移金属の含有量は5at%以下であることが好ましい。
また、低屈折率誘電体層は、スパッタリング法によって形成され、強磁性遷移金属を含有するSiからなるターゲットを用いて酸素含有雰囲気中で形成されることが好ましい。
かくして本発明によれば、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体において、低屈折率誘電体層の成膜レートがより高められた、生産性に優れる光情報記録媒体が得られる。
以下、添付図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)について詳述する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、ここでは、基板側から記録再生光を入射する方式の基板入射型光情報記録媒体について述べるが、本発明によれば、膜面側から記録再生光を入射する方式の膜面入射型光情報記録媒体に適用することもできる。尚、本実施の形態においては、光情報記録媒体に記録再生光が入射する側を光情報記録媒体の下側とし、一方、記録再生光が入射する側と反対側を光情報記録媒体の上側として説明を行う。すなわち、基板入射型光情報記録媒体の場合は、基板側が、光情報記録媒体の下側となり、膜面側が光情報記録媒体の上側となる。
(情報記録媒体)
図1は、本実施の形態が適用される基板入射型光情報記録媒体を説明する図である。図1には、ディスク基板2枚を貼り合せた形態の、基板入射型光情報記録媒体の層構成が示されている。光情報記録媒体は、ディスク基板1と、このディスク基板上に積層された高屈折率誘電体層、低屈折率誘電体層、高屈折率誘電体層、界面層、記録層、界面層、高屈折率誘電体層、反射層と、さらに接着剤を介して貼り合せられたもう一枚のディスク基板2と、から構成される。光情報記録媒体は、ディスク基板1側から入射するレーザ光を記録再生光として、記録層に情報が記録され、また、記録された情報が再生される。以下、相変化記録方式の光情報記録媒体について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施の形態が適用される基板入射型光情報記録媒体を説明する図である。図1には、ディスク基板2枚を貼り合せた形態の、基板入射型光情報記録媒体の層構成が示されている。光情報記録媒体は、ディスク基板1と、このディスク基板上に積層された高屈折率誘電体層、低屈折率誘電体層、高屈折率誘電体層、界面層、記録層、界面層、高屈折率誘電体層、反射層と、さらに接着剤を介して貼り合せられたもう一枚のディスク基板2と、から構成される。光情報記録媒体は、ディスク基板1側から入射するレーザ光を記録再生光として、記録層に情報が記録され、また、記録された情報が再生される。以下、相変化記録方式の光情報記録媒体について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(ディスク基板)
ディスク基板は、プラスチック、ガラス、金属等の材料により形成され、本実施の形態においては円盤状に形成されている。ディスク基板の具体的な材料としては、ポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン、アルミニウム合金などが挙げられる。基板側から記録再生光を入射する方式の基板入射型光情報記録媒体の場合、ディスク基板の材料は、プラスチックやガラス等の透明材料に限られる。ディスク基板1の一方の表面には、例えば射出成型などによって、スパイラル状或いは同心円状のトラッキング案内溝や、トラッキング案内溝のウォブルやプリピットからなるディスク識別情報やアドレス情報等が予め形成されている。ディスク基板1のトラッキング案内溝が形成された面上には、前述の層構成が形成されている。必要に応じて、ディスク基板2の表面にも、トラッキング案内溝等を形成し、膜面入射型光情報記録媒体と同様の層構成を設けても良い。
ディスク基板は、プラスチック、ガラス、金属等の材料により形成され、本実施の形態においては円盤状に形成されている。ディスク基板の具体的な材料としては、ポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン、アルミニウム合金などが挙げられる。基板側から記録再生光を入射する方式の基板入射型光情報記録媒体の場合、ディスク基板の材料は、プラスチックやガラス等の透明材料に限られる。ディスク基板1の一方の表面には、例えば射出成型などによって、スパイラル状或いは同心円状のトラッキング案内溝や、トラッキング案内溝のウォブルやプリピットからなるディスク識別情報やアドレス情報等が予め形成されている。ディスク基板1のトラッキング案内溝が形成された面上には、前述の層構成が形成されている。必要に応じて、ディスク基板2の表面にも、トラッキング案内溝等を形成し、膜面入射型光情報記録媒体と同様の層構成を設けても良い。
(低屈折率誘電体層)
低屈折率誘電体層は、低屈折率材料からなる透明材料層であり、光情報記録媒体の信号の極性を逆転させるために設けられる層である。記録層に対して光入射側すなわち基板側に、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを交互積層することで、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層との界面において、屈折率差によるレーザ光の反射を生じさせる。従来の相変化記録媒体は、未記録部にマークを記録することで反射率が下がることから、High to Low構造と呼ばれているが、本実施の形態においては、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層との界面における反射光と、記録層や反射層からの反射光とを多重干渉させることにより、反射率の大小関係を逆転させ、未記録部にマークを記録することで反射率が上昇するLow to High構造の光情報記録媒体を形成している。
低屈折率誘電体層は、低屈折率材料からなる透明材料層であり、光情報記録媒体の信号の極性を逆転させるために設けられる層である。記録層に対して光入射側すなわち基板側に、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを交互積層することで、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層との界面において、屈折率差によるレーザ光の反射を生じさせる。従来の相変化記録媒体は、未記録部にマークを記録することで反射率が下がることから、High to Low構造と呼ばれているが、本実施の形態においては、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層との界面における反射光と、記録層や反射層からの反射光とを多重干渉させることにより、反射率の大小関係を逆転させ、未記録部にマークを記録することで反射率が上昇するLow to High構造の光情報記録媒体を形成している。
低屈折率誘電体層を形成する材料としは、屈折率1.6未満の材料が好ましく、且つ、生産性を確保するために、少なくとも高屈折率誘電体と同等程度の成膜レートであることが求められる。これを実現する具体的な材料としては、強磁性遷移金属を含むSi酸化物、例えばSi−Ni−Oを挙げることができる。通常、相変化記録方式の光情報記録媒体は、スパッタリング法によって成膜が行われるが、Si及び強磁性遷移金属からなるスパッタリングターゲットを用いて、ArとO2の混合雰囲気中において、反応性スパッタリングすることにより、低屈折率及び高成膜レートを両立した低屈折率誘電体を形成することができる。例えば、Si−Niターゲットを用いれば、屈折率1.4〜1.5、且つ、ZnS−SiO2と同等以上の成膜レートであるSi−Ni−Oを得ることができる。Si酸化物、特にSiO2は、代表的な低屈折率材料として知られているが、スパッタリング法における成膜レートが遅く、ZnS−SiO2の1/4程度である。そこで、本実施の形態においては、スパッタリングターゲットに不純物を添加することにより、ターゲット表面のSiが雰囲気により酸化されてSiO2に変化することを防止している。また、低屈折率誘電体層への不純物を少量に抑えつつ、且つ、不純物が少量でもターゲット表面に残留しすいように、強磁性遷移金属を不純物として用い、ターゲット裏面に設けられているマグネットの磁場による引力を利用している。
(高屈折率誘電体層)
高屈折率誘電体層は、高屈折率材料からなる透明材料層であり、屈折率2.0以上の透明材料を用いることが好ましい。高屈折率誘電体層の具体的な材料としては、従来の相変化相変化記録媒体の誘電体層と同様の材料を用いることができ、代表的な公知の材料としては、ZnS−SiO2が挙げられる。
高屈折率誘電体層は、高屈折率材料からなる透明材料層であり、屈折率2.0以上の透明材料を用いることが好ましい。高屈折率誘電体層の具体的な材料としては、従来の相変化相変化記録媒体の誘電体層と同様の材料を用いることができ、代表的な公知の材料としては、ZnS−SiO2が挙げられる。
(記録層,界面層,反射層)
記録層,界面層,反射層は、従来のHigh to Low構造の相変化相変化記録媒体と同様の材料で形成することができ、公知の材料を用いることができる。記録層材料としては、Ge−Sb−Teなどの相変化記録材料、界面層材料は、Ge−Nなどの誘電体、反射層材料は、Al合金やAg合金などが挙げられる。
記録層,界面層,反射層は、従来のHigh to Low構造の相変化相変化記録媒体と同様の材料で形成することができ、公知の材料を用いることができる。記録層材料としては、Ge−Sb−Teなどの相変化記録材料、界面層材料は、Ge−Nなどの誘電体、反射層材料は、Al合金やAg合金などが挙げられる。
以下に、実施例に基づき本実施の形態をさらに詳細に説明する。なお、本実施の形態は実施例に限定されるものではない。
(低屈折率誘電体層の成膜レート及び屈折率の評価)
反応性RFスパッタリング法によって、OとNの比率が異なる複数のSi−Ni−O−N単層膜を成膜して、成膜レート及び屈折率を比較評価した。但し、Nが含まれない条件のSi−Ni−O−NはSi−Ni−Oであり、Oが含まれない条件のSi−Ni−O−NはSi−Ni−Nであることを意味する。
反応性RFスパッタリング法によって、OとNの比率が異なる複数のSi−Ni−O−N単層膜を成膜して、成膜レート及び屈折率を比較評価した。但し、Nが含まれない条件のSi−Ni−O−NはSi−Ni−Oであり、Oが含まれない条件のSi−Ni−O−NはSi−Ni−Nであることを意味する。
試料は、焼結法により製造されたSi99−Ni1at%ターゲットを用い、ArとO2とN2の混合雰囲気中において、シリコン基板上に成膜した。試料の膜厚は、100〜200nmの範囲となるように調整し、且つ、いずれの試料でも同一の投入パワー及び同一の成膜時間とした。雰囲気は、導入ガス流量の合計を100sccmとし、ガス圧は窒素換算値で0.23〜0.25Paであった。各導入ガスの流量比は、Arを80%すなわち80sccm、O2及びN2の計を20%すなわち20sccmとし、O2とN2の比率を変えて複数の試料を作製した。作製した試料について、成膜レートの評価は段差計を用いた膜厚測定、屈折率の評価はエリプソメータを用いた測定によって行った。図2は、同一投入パワーにおけるZnS−SiO2の成膜レートを1として規格化したSi−Ni−O−Nの成膜レート、及び、波長405nmにおけるSi−Ni−O−Nの屈折率の評価結果を示す図である。尚、図2には示していないが、エリプソメータによって得られた波長405nmにおける消衰係数は、N2のガス流量比が0〜10%のときに0、20%のときに0.14であった。
図2の評価結果によると、N2の比率を減らすにつれて、成膜レートが上昇し、且つ、屈折率が低下したことが分かる。したがって、O2が20%、N2が0%の条件、すなわち、Nを含まないSi−Ni−Oとなる条件が最も高い成膜レートを示し、且つ、最も低い屈折率となることが明らかとなった。Si−Ni−Oは、成膜レートがZnS−SiO2の1.3倍、屈折率が1.45、消衰係数が0であったため、十分な生産性、及び、十分な光学特性が確保できることが確認できた。
(実施例1:光ディスク1の製作)
厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製のディスク基板2枚を、接着剤を介して貼り合わせた形状で、且つ、一方の基板の接着剤側に後述の相変化記録方式の層構成を形成した形態の基板入射型光情報記録媒体を製作した。ディスク基板は射出成型により形成し、一方のディスク基板には、溝ピッチ0.68μmのスパイラル状のトラッキング案内溝を設けた。ディスク基板上のトラッキング案内溝を形成した面側には、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Si−Ni−O低屈折率誘電体層、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Cr2O3界面層、Ge−Sb−Te記録層、Cr2O3界面層、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Al−Ti反射層を順に形成した。Si−Ni−Oは、前述の条件において反応性RFスパッタリング法によって形成し、厚さを40nmとした。さらに、Al−Ti反射層の上に接着剤として紫外線硬化樹脂をスピンコートにより塗布し、同様に紫外線硬化樹脂を塗布したもう一方のディスク基板と貼りあわせた後に、そのもう一方のディスク基板すなわち透明なディスク基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた。その後、レーザ光を照射して加熱することにより光情報記録媒体全面の記録層を結晶化させた。
厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製のディスク基板2枚を、接着剤を介して貼り合わせた形状で、且つ、一方の基板の接着剤側に後述の相変化記録方式の層構成を形成した形態の基板入射型光情報記録媒体を製作した。ディスク基板は射出成型により形成し、一方のディスク基板には、溝ピッチ0.68μmのスパイラル状のトラッキング案内溝を設けた。ディスク基板上のトラッキング案内溝を形成した面側には、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Si−Ni−O低屈折率誘電体層、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Cr2O3界面層、Ge−Sb−Te記録層、Cr2O3界面層、ZnS−SiO2高屈折率誘電体層、Al−Ti反射層を順に形成した。Si−Ni−Oは、前述の条件において反応性RFスパッタリング法によって形成し、厚さを40nmとした。さらに、Al−Ti反射層の上に接着剤として紫外線硬化樹脂をスピンコートにより塗布し、同様に紫外線硬化樹脂を塗布したもう一方のディスク基板と貼りあわせた後に、そのもう一方のディスク基板すなわち透明なディスク基板側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた。その後、レーザ光を照射して加熱することにより光情報記録媒体全面の記録層を結晶化させた。
(比較例1:光ディスク2の製作)
実施例1と同様の操作を行い、Si−Ni−O低屈折率誘電体層の代わりに、公知のSi−O−N低屈折率誘電体層を厚さ設けたことのみ異なる光情報記録媒体を製作した。Si−O−Nは、Siターゲットを用いた反応性RFスパッタリング法により成膜を行い、厚さを40nmとした。また、Si−O−Nは、O2が10%、N2が10%の条件において、成膜レートがZnS−SiO2の0.57倍、屈折率が1.44、消衰係数が0であった。
実施例1と同様の操作を行い、Si−Ni−O低屈折率誘電体層の代わりに、公知のSi−O−N低屈折率誘電体層を厚さ設けたことのみ異なる光情報記録媒体を製作した。Si−O−Nは、Siターゲットを用いた反応性RFスパッタリング法により成膜を行い、厚さを40nmとした。また、Si−O−Nは、O2が10%、N2が10%の条件において、成膜レートがZnS−SiO2の0.57倍、屈折率が1.44、消衰係数が0であった。
(光ディスクのCNR特性評価)
光ディスク記録再生装置を用いて、光ディスク1及び2について、キャリア・ノイズ比(以下、CNR)及びクロスイレーズを測定し比較した。光ディスク記録再生装置において、レーザ光源の波長λは405nm、対物レンズの開口数NAは0.65、クロック周波数は64MHz、ディスク回転速度は線速度5.6m/sとした。測定は、ディスク基板のトラッキング案内溝における溝部(以下、グルーブ)及び溝間(以下、ランド)の両方に対して行った。トラッキング案内溝の溝ピッチが0.68μmであるため、トラックピッチは0.34μmとなる。
光ディスク記録再生装置を用いて、光ディスク1及び2について、キャリア・ノイズ比(以下、CNR)及びクロスイレーズを測定し比較した。光ディスク記録再生装置において、レーザ光源の波長λは405nm、対物レンズの開口数NAは0.65、クロック周波数は64MHz、ディスク回転速度は線速度5.6m/sとした。測定は、ディスク基板のトラッキング案内溝における溝部(以下、グルーブ)及び溝間(以下、ランド)の両方に対して行った。トラッキング案内溝の溝ピッチが0.68μmであるため、トラックピッチは0.34μmとなる。
CNR測定の方法は、まず、測定対象のトラックに2T〜12Tのランダムパターンを10回上書きした後、8T又は3Tの単一パターンを一回上書きし、さらに、両隣接トラックに2T〜12Tのランダムパターンを10回上書きした状態で、スペクトルアナライザによって、測定対象トラックのキャリアの値とノイズの値とを測定し、これらの比を算出した。
クロスイレーズは、隣接トラックに記録を行ったときのキャリアの低下量であり、測定方法は、CNR測定の過程で、測定対象のトラックに2T〜12Tのランダムパターンを10回上書きした後、8T又は3Tの単一パターンを一回上書きした時点でのキャリアを測定し、さらに、両隣接トラックに2T〜12Tのランダムパターンを10回上書きした時点でキャリアをもう一度測定し、両測定間のキャリアの低下量を算出した。
表1は、光ディスク1及び2に対して行ったCNR測定、及び、クロスイレーズ測定の結果である。
表1の結果によると、公知のSi−O−N低屈折率誘電体層を用いた光ディスク2に対して、本発明のSi−Ni−O低屈折率誘電体層を用いた光ディスク1では、8TパターンのCNRがほぼ同等、2Tパターンについても同等或いは同等以上のCNRが得られたことが分かる。また、クロスイレーズについては、光ディスク1及び2共に十分に小さい値であったが、光ディスク1の方が値は小さく、測定限界以下であった。
すなわち、成膜レートをより高めた本発明の低屈折率誘電体層を光情報記録媒体に適用することにより、従来と同等以上の媒体特性を保つことができることと同時に、生産性に優れた光情報記録媒体が実現可能であることが実証された。
Claims (4)
- 高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが積層された複合型の誘電体層を備える光情報記録媒体であって、前記低屈折率誘電体層が強磁性遷移金属を含有するSi酸化物からなることを特徴とする光情報記録媒体。
- 前記強磁性遷移金属はNiであることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記強磁性遷移金属の含有量は5at%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の光情報記録媒体。
- 前記低屈折率誘電体層は、スパッタリング法によって形成され、強磁性遷移金属を含有するSiからなるターゲットを用いて酸素含有雰囲気中で形成されることを特徴とする請求項1〜3記載の光情報記録媒体。
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