JP2006170302A - バネ部材、およびバネ部材の製造方法 - Google Patents

バネ部材、およびバネ部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バネ部材の先端部において、尖形状となるのを防止可能なバネ部材、およびバネ部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 線材の巻回によって形成される巻回部41を有するバネ部材40であり、線材の先端部44には、該線材の直径よりも大きな直径を有する球先端部45が設けられている。ここで、球先端部45は、線材の先端部44にレーザ光を照射することにより該先端部44が溶融し、かつこの溶融部分に表面張力が作用することによって、該溶融部分が球形状に形成され、その後溶融部分の冷却によって球形状に形成される。この球先端部45は、その直径が線材の直径よりも大きく設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボールペン等の筆記具に内蔵されるバネ部材、およびバネ部材の製造方法に関する。
ボールペンには、紙等に接触する転写ボールを用いたボールバルブ機構が採用されている。このボールバルブ機構の例としては、特許文献1および特許文献2に開示されているものがある。特許文献1に開示されているボールバルブ機構は、ボールペンチップ内に設けられている。ボールペンチップには、転写ボールが内蔵されていて、この転写ボールは、その先端に開口部が設けられていると共に、該先端側がかしめ部、後端側が受け座によって抜け止めされている。また、ボールペンチップ内には、転写ボールをかしめ部に押し付けるためのバネ部材が挿入されている。それにより、転写ボールは、バネ部材からの付勢力を受けて、開口部側に押圧される。そして、この押圧により、開口部は閉塞され、インクが外部に漏れないように構成されている。
また、ユーザが紙等に文字等を記載する場合、転写ボールが紙等に押し付けられる。それにより、転写ボールは、バネ部材の押圧力に抗して内部に向かい押し込められる。すると、開口部(かしめ部)の内壁と転写ボールとの間に隙間が形成され、インクが転写ボールに付着した状態で紙側に移動し、筆記動作を行うことを可能としている。
ここで、転写ボールに対してバネ部材が付勢する構成は、特許文献1においては、2通り開示されている。そのうちの1つ目としては、バネ部材の先端部が該バネ部材の軸線方向に延伸すると共に、このバネ部材の先端部が転写ボールに当接する構成がある(特許文献1の図1参照)。この構成では、ボールペンチップの先端には、バネ部材の先端部が転写ボールに当接するのをガイドするガイド孔が設けられている。このガイド孔を介して、バネ部材は、転写ボールが存在する遊嵌部に突出可能に設けられていて、軸線方向に延伸するバネ部材の先端部が転写ボールに当接可能に設けられている。
また、転写ボールに対してバネ部材が付勢する構成の2つ目としては、バネ部材の先端部が巻回状に設けられていて、巻回された状態の先端部で転写ボールに対して接触する構成がある(特許文献1の図2、および特許文献2参照)。この場合、先端部は、その側部で転写ボールに対して当接する状態となっている。
特開2002−127664号公報(図1および図2参照) 特開2001−191679号参照(図1参照)
ところで、上述のボールバルブ機構のうち、1つ目の構成では、バネ部材の先端部は、ガイド孔を通過すると共に、転写ボールに対して、その先端で当接している。そのため、転写ボールが回転すると、その回転に伴なってバネ部材の先端部が追動しようとするが、先端部の追動は、ガイド孔の内壁面によって規制される。そのため、先端部は、転写ボールに対して所定の傾斜角度を有した状態で接触した状態となる。そして、使用するにつれて、バネ部材の先端部が削られていき、次第に尖形状となる。
ここで、バネ部材の先端部が尖形状となり、他の部分と比較して細くなると、転写ボールと、該転写ボールが対向/接触している遊嵌部/かしめ部の内壁との間に、入り込んでしまう。すると、転写ボールの回転が阻止され、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生する。また、先端部が尖形状となると、尖形状となる分だけ薄くなり、折れたり曲がったりし易くなる。そして、かかる折れた部分および曲がり部分が発生すると、転写ボールの回転に伴なって、転写ボールと上述の内壁との間に入り込み、上記と同様に転写ボールの回転が阻止される、という問題がある。
また、2つ目の構成においても、転写ボールに接触している先端部は、該接触している側部から徐々に削られていく。そのため、1つ目の構成と同様に先端部が徐々に尖形状となっていき、該1つ目の構成と同様の問題が生じる。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、バネ部材の先端部において、尖形状となるのを防止可能なバネ部材、およびバネ部材の製造方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、線材の巻回によって形成される巻回部を有するバネ部材において、線材の先端部には、該線材の直径よりも大きな直径を有する球先端部が設けられているものである。
このように構成した場合には、球先端部は、線材の直径よりも大きな直径を有する構成となる。ここで、球先端部が転写ボールに当接する状態とする場合、球形状の球先端部と同じく球形状の転写ボールとが突き合わされる状態となる。それにより、筆記動作にしたがって、転写ボールが回転しても、この回転により生じる磨耗で球先端部が尖形状となるのに、相当の時間がかかる。そのため、バネ部材の先端部が尖形状となるのを、長期に亘って防ぐことができ、転写ボールと、該転写ボールを収納する内壁との間に、先端部が尖形状となって入り込むのを防ぐことができる。それにより、転写ボールが回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生するのを防ぐことができる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、線材の先端部にレーザ光を照射することにより該先端部が溶融し、かつこの溶融部分に表面張力が作用することによって、該溶融部分が球形状に形成され、その後溶融部分の冷却によって球先端部が形成されると共に、球先端部の直径が線材の直径よりも大きく設けられているものである。
このように構成した場合には、先端部に対するレーザ光の照射により、当該先端部は溶融する。そして、この溶融部分には、表面張力が作用するため、その表面張力によって、溶融部分は球形状に形成される。そして、この球形状の溶融部分が冷却し、該溶融部分が固化すると、外観が球形状をなす球先端部が形成される。
このように、先端部に対して、レーザ光を照射する、といった作業で簡単に球先端部を形成することができるため、生産性を高めることが可能となる。また、先端部を溶融させると、その溶融箇所には、表面張力が作用する。そのため、一定の長さ以上、先端部を溶融させれば、該先端部の線径よりも、球先端部の直径を大きくすることができる。それによって、球先端部が転写ボールに当接する状態としても、転写ボールの回転により生じる磨耗で球先端部が尖形状となるのに、相当の時間がかかる。そのため、バネ部材の先端部が尖形状となるのを、長期に亘って防ぐことができ、転写ボールと、該転写ボールを収納する内壁との間に、先端部が尖形状となって入り込むのを防ぐことができる。それにより、転写ボールが回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生するのを防ぐことができる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、線材の直径は、0.10〜0.18mmの範囲内に設けられているものである。このように構成した場合、線材の直径が0.10〜0.15mmと細いため、線材の先端部に対して、レーザ光を照射した場合、先端部の溶融による溶融部分には、重力よりも表面張力の影響が支配的となる。それにより、先端部の溶融/冷却により形成される球先端部は、表面張力の作用によって球状に形成することができる。そのため、球先端部を良好に形成することができる。
なお、上述のバネ部材の発明は、筆記具に適用するようにしても良い。すなわち、インク収容管に接続されるボールペンチップを先端側に具備する筆記具において、ボールペンチップは、上述の各発明に係るバネ部材を備え、さらに、バネ部材が内部に収納され、一端側がインク収容管に連通していて、他端側に開口部が設けられ、該開口部に隣接しかつこの開口部よりも大径に設けられている遊嵌部を備えるチップ筒と、遊嵌部の内部に設けられると共に、バネ部材からの付勢力を受けて開口部に押し付けられ、かつ該開口部から頭部が突出する転写ボールと、を具備するように構成しても良い。
このように構成した場合には、遊嵌部には転写ボールが設けられ、該転写ボールは、バネ部材からの付勢力を受けて、開口部から頭部が突出する状態となる。そして、この頭部の突出により、転写ボールが開口部の内壁に押し付けられ、ボールペンチップの内部を封止することが可能となる。また、ユーザが筆記動作を行う場合、転写ボールの頭部が紙等に押し付けられる。それによって、転写ボールはバネ部材の付勢力に抗しながら、遊嵌部に沿って僅かに引っ込む。この引っ込みにより、転写ボールと開口部の内壁との間には、隙間が形成される。この状態で、筆記具を紙等に沿って移動させると、転写ボールが回転し、その回転に伴なって、転写ボールに付着したインクを紙等に転写することができる。このようにして、ユーザは紙等に筆記することができる。
そして、バネ部材には、球先端部が設けられているため、かかる筆記動作を長期に亘って行っても、転写ボールの回転により生じる磨耗で球先端部が尖形状となるのに、相当の時間がかかる。そのため、バネ部材の先端部が尖形状となるのを、長期に亘って防ぐことができ、転写ボールと、該転写ボールを収納する遊嵌部の内壁との間に、先端部が尖形状となって入り込むのを防ぐことができる。それにより、転写ボールが回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生するのを防ぐことができる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、線材の巻回によって形成される巻回部を有するバネ部材を製造するバネ部材の製造方法において、線材の先端部にレーザ光を照射し、該先端部を溶融させると共に、この溶融に際して該溶融部分に表面張力が作用して該溶融部分が球形状に形成され、該球形状の溶融部分の冷却によって、先端部が球形状となる球先端部が形成されるものである。
このように構成した場合には、先端部に対するレーザ光の照射により、当該先端部は溶融する。そして、この溶融部分には、表面張力が作用するため、その表面張力によって、溶融部分は球形状に形成される。そして、この球形状の溶融部分が冷却し、該溶融部分が固化すると、外観が球形状をなす球先端部が形成される。このようにして、バネ部材を製造することができる。
このように、先端部に対してレーザ光を照射する、といった作業で簡単に球先端部を形成することができるため、生産性を高めることが可能となる。また、先端部を溶融させると、その溶融箇所には、表面張力が作用する。そのため、一定の長さ以上、先端部を溶融させれば、該先端部の線径よりも、球先端部の直径を大きくすることができる。それによって、球先端部が転写ボールに当接する状態としても、転写ボールの回転により生じる磨耗で球先端部が尖形状となるのに、相当の時間がかかる。そのため、バネ部材の先端部が尖形状となるのを、長期に亘って防ぐことができ、転写ボールと、該転写ボールを収納する内壁との間に、先端部が尖形状となって入り込むのを防ぐことができる。それにより、転写ボールが回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生するのを防ぐことができる。
本発明によると、筆記具等に用いられるバネ部材の先端部が、尖形状となるのを防止可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る、バネ部材としてのバネ部材、およびこのバネ部材を用いたボールペンチップについて、図1および図2に基づいて説明する。図1は、筆記具のうち、ボールペンチップ10付近の構成を示す側断面図である。また、図2は、ボールペンチップ10のうち、バネ部材40の先端部が転写ボール30に対して当接している状態を示す部分的な側断面図である。
図1に示すように、ボールペンチップ10は、インクおよび各種部材を内蔵可能なチップ筒20を具備している。チップ筒20のうち、その一端側は、インク収容管11に連結されている。そのため、チップ筒20の一端側には、インク収容管11への嵌め込みに対応させて、若干細径になる嵌合部21を有している。なお、嵌合部21とチップ筒20の他の部分との間の直径の相違により、嵌合部21の他端側には、段差部22が設けられている。そして、チップ筒20は、この段差部22により、インク収容管11に対して位置決めされる。また、本実施の形態では、インク収容管11には、不使用時には粘度が高いものの、転写ボール30が回転する使用時には粘度の下がるゲルインクが収容されている。なお、インク収容管11に収容されているインクは、ゲルインクには限られず、水性インク、油性インク等、他の種類のインクであっても良い。
また、チップ筒20は、その他端側に向かうにつれて細径となるように設けられている。すなわち、チップ筒20の他端側の外周面は、該他端側の先端に向かうにつれて先細りとなるテーパ状に設けられている。
また、図1および図2に示すように、チップ筒20の他端側の先端部分には、ボールペンチップ10の内部に連通する開口部23が設けられている。この開口部23からは、後述する転写ボール30が露出している。また、チップ筒20の内部には、インクが貯留/流通される内筒部24が設けられている。この内筒部24には、インク収容管11から流れるインク滴が流入され、筆記動作に伴なって、インクは内筒部24を通過して開口部23から流出する。
また、チップ筒20の他端側の内部には、遊嵌部25が設けられている。遊嵌部25は、転写ボール30を位置させる部分であり、該転写ボール30は、遊嵌部25において軸線方向に所定の距離だけ移動可能に設けられている。この遊嵌部25よりも他端側の先端部分には、かしめ部26が設けられている。かしめ部26は、開口部23を狭めるように加工することにより形成される部分であり、かかる加工によって、かしめ部26は転写ボール30よりも細径に形成されている。それにより、かしめ部26は、転写ボール30が他端側に向かって抜けるのを防いでいる。
なお、本実施の形態では、開口部23をかしめ加工することによって形成される、かしめ部26が設けられているが、円錐体に対するドリル加工により形成される開口部23の開口径が、転写ボール30の直径よりも小さくなるようにしても良い。この場合、かしめ加工を行わずに済む。また、遊嵌部25に設けられる転写ボール30は、後述するバネ部材40からの付勢力を受けて、かしめ部26の内壁面に接触する状態となり、その状態においては、開口部23を閉塞する。この閉塞により、開口部23からインクが漏れるのが防止され、内筒部24の内部が閉塞される。
また、遊嵌部25よりも一端側(内筒部24側)には、受け座27が設けられている。受け座27は、転写ボール30が内筒部24に向かって抜けるのを防いでいる。ここで、内筒部24と遊嵌部25との間には、ガイド孔28が設けられている。ガイド孔28には、後述するバネ部材40の先端部分が挿通される。なお、このガイド孔28は、後述する球先端部45が通過可能な大きさに形成されている。このガイド孔28の寸法例を挙げれば、ガイド孔28の直径を、略0.25mmとするものがある。
また、内筒部24には、バネ部材40が設けられている。バネ部材40は、バネ鋼線を材質として形成されている。このバネ鋼線の例としては、SUS304等のステンレス鋼線が挙げられる。しかしながら、バネ鋼線は、SUS304等のステンレス鋼には限られず、硬鋼線、ピアノ線、オイルテンパ線、銅合金線、クラッドワイヤ等、種々のバネ材料を利用可能である。なお、バネ鋼線は、裸線を用いても良く、また裸線に例えばニッケルコーティング等の表面コーティングが為されているものを用いても良い。
このバネ部材40は、0.10〜0.18mm程度の直径を有するバネ鋼線から構成されている。また、かかるバネ鋼線を巻回することにより得られるバネ部材40は、巻回状態にある全体の直径を0.5〜1.6mm程度としている。しかしながら、バネ部材40のバネ鋼線の直径、および巻回状態にあるバネ部材40の直径は、これらの範囲には限られず、後述する球先端部45が形成可能であれば、かかる形成を行える範囲において種々変更可能である。
このバネ部材40は、所定の巻数だけ巻回されている巻回部41と、巻回部41よりも一端側(図1におけるチップ筒20の右側)に位置する第1の座巻部42と、巻回部41よりも他端側(図1におけるチップ筒20の左側)に位置する第2の座巻部43と、第2の座巻部43よりも他端側に位置すると共にバネ部材40の軸線方向に向かって延伸する先端部44と、を具備している。
このうち、第1の座巻部42は、嵌挿部材50に当接している。この嵌挿部材50には、一端側の端面から他端側の端面に向かい、該嵌挿部材50を突っ切るインク孔51が形成されている。そのため、インク収容管11に存在するインクは、このインク孔51を介して、インク収容管11から内筒部24に流れ込む状態となる。なお、嵌挿部材50は、内筒部24の内径と同程度に設けられている。それにより、内筒部24に存在するインクは、この嵌挿部材50によって外部に漏れるのが防止されている。
また、第2の座巻部43は、先端部44の基点となる部分である。この第2の座巻部43から先端部44が延伸することにより、先端部44の姿勢変化が小さくなり、安定的となる。
また、図1に示すように、先端部44は、バネ部材40の軸線方向に向かって延伸しているものの、このバネ部材40のうち、該先端部44の先端部分には、球先端部45が設けられている。球先端部45は、バネ部材40の巻線の直径よりも大きな直径を有する球形状に形成されている。そして、この球先端部45は、その他端側において、転写ボール30に当接している。なお、球先端部45は、ガイド孔28の直径よりも小さい直径を有するものの、バネ部材のバネ鋼線よりも大きな直径を有している(図2参照)。そのため、先端部44がガイド孔28の内部を移動するのが低減され、先端部44がより安定的な状態となる。
なお、本実施の形態では、ガイド孔28の直径は、略0.25mmであるため、球先端部45は、略0.21mm以下の直径を有するのが好ましい。しかしながら、例えばガイド孔28の直径が略0.30mm程度の場合、球先端部45の直径は、略0.18〜0.30mmの範囲内に設けられていれば良い。この範囲においては、球先端部45の直径は、ガイド孔28の直径よりも僅かに小さく、また、バネ鋼線の直径である0.18mmよりも僅かに大きくなるように形成するのが良い。また、バネ鋼線が0.10〜0.18mmである場合、球先端部45は、このバネ鋼線に対して、0.04mm程度以上、大きな直径を有するように形成されるのが一層好ましい。しかしながら、ガイド孔28および球先端部45の直径は、これらの値に限られるものではなく、球先端部45がガイド孔28の直径よりも小さく、かつバネ鋼線の直径よりも小さい範囲内にあれば、どのような寸法を有していても良い。
以上のような構成を有するボールペンチップ10のバネ部材40を製造する場合、例えばコイリングマシン等のバネを製造するための装置を用いる。このコイリングマシンを用いた場合、バネ鋼線の巻回動作(コイリング加工)を実行する。すなわち、線材としてのバネ鋼を所定の直径の周に沿って送り込みつつ回転させ、バネ鋼をコイル状に塑性変形させる。この場合、第1の座巻部42と第2の座巻部43も同時に形成する。なお、この巻回動作においては、バネ鋼の送り込みの先端部分が、巻回されない状態にしておく。
次に、巻回されていない先端部分の折り曲げ動作を実行する。かかる折り曲げにおいては、当該折り曲げ部分が、第2の座巻部43から延伸すると共に、該折り曲げ部分がバネ部材40の軸線方向に沿い、かつ巻回部41から離間する方向に向かう状態とする。なお、折り曲げ後は、当該折り曲げ部分が先端部44に対応する。また、バネ鋼線は、先端部44を形成した後に切断されるが、この切断は、上述の巻回動作を実行した後に、切断するようにしても良い。
次に、先端部44の先端部分に対して、レーザ光を照射する。このレーザ光の照射時間は、例えば1000分の1秒程度とごく短時間の照射となっている。また、レーザ光は、先端部における局所的な照射に留まっている。そのため、先端部44においてレーザ光照射による温度上昇が生じ、該照射部分が溶融し、その溶融した部分が表面張力の影響により球形状に形成される。そして、この球形状に溶融した部分が冷却されると、球先端部45が形成される。なお、照射部分からバネ鋼線の端部に向かう部位は、レーザ光の照射による熱の逃げ場がなく、温度上昇がし易いが、照射部分から巻回部41に向かう部位は、バネ鋼線を伝わって、熱が容易に逃げる。このため、照射部分からバネ鋼線の端部に向かう部位において、温度上昇を生じさせ、溶融部分を形成することを可能としている。
ここで、本実施の形態では、レーザ光を照射する際の、バネ部材40の軸線方向は、鉛直方向に対して寝かされた状態に設けられている。かかる寝かされた状態でレーザ光を照射しても、バネ鋼の線径が非常に小さいため、重力の作用よりも表面張力の作用の影響が大きくなり、溶融した照射部分は、球形状に形成される。しかしながら、バネ部材40の軸線方向は、寝かされた状態には限られず、例えば鉛直方向に沿う状態として、レーザ光を照射しても良い。なお、先端部44にレーザ光を照射する場合、該先端部44の半径方向の中心に向かうように照射する。すなわち、先端部44を側面から見ると、その側面の法線方向からレーザ光を照射する。そのため、レーザ光は、先端部44の側面において、略中心に照射される状態となる。
また、上述のレーザ光の照射の後に、バネ部材40の窒化を行うようにしても良い。バネ部材40の窒化(特に、球先端部45の窒化)を行うようにすれば、該窒化によってバネ部材(球先端部45)の表面を硬化することができる。それにより、球先端部45の体磨耗性を、一層向上させることが可能となる。なお、窒化の手法としては、ガス窒化としても良く、その他、液体窒化、プラズマ窒化等の手法を採用することも可能である。
このような構成のバネ部材40、およびこのバネ部材40を用いた筆記具によれば、バネ部材40の先端部44には、球先端部45が設けられている。そして、この球先端部45が転写ボール30に付勢力を及ぼしながら接触している。つまり、球先端部45が転写ボール30に当接する状態とする場合、球形状の球先端部45と同じく球形状の転写ボール30とが突き合わされる状態となる。そのため、ユーザの筆記具の使用により、転写ボール30が回転しても、その回転時の磨耗で球先端部45が尖形状になるのに、相当の時間がかかる。そのため、バネ部材40の先端部分が尖形状となるのを長期に亘って防ぐことができる。
このため、転写ボール30と、該転写ボール30が収納される遊嵌部25の内壁との間に、尖形状となった先端部44が入り込むのを、長期に亘って防ぐことができる。それにより、転写ボール30が回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、という問題が発生するのを防ぐことができる。
また、球先端部45は、先端部44に対するレーザ光の照射により形成される。このように、先端部44に対して、レーザ光を照射する、といった作業で簡単に球先端部45を形成することができるため、生産性を高めることが可能となる。また、レーザ光を先端部44に照射すると、該照射によって先端部44が溶融すると共に、その溶融部分には、表面張力が作用する。そのため、球先端部45を球形状に形成するために、特別の加工を要することがなく、略球形状を為す球先端部45を簡単に形成することが可能となる。そのため、球形状部45の形成に際して、コストが余分にかかるのを防ぐことができる。また、レーザ光の照射のみで球先端部45を形成することができるため、工数を削減することができ、生産能率を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では、レーザ光の照射により、球先端部45を形成している。そのため、バネ鋼線に通常存在する、バリ等を削除する作業を行う必要がない。すなわち、バリ取りのためのバレル研磨等の工程を、なくすることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、バネ部材40を構成するバネ鋼線の直径は、0.10〜0.18mmの範囲内に設けられている。このように、バネ鋼線の直径が0.10〜0.18mの範囲内と細いため、バネ鋼線の先端部44の先端部分にレーザ光を照射した場合、照射部分の溶融により形成される球先端部45は、表面張力の作用によって球状に形成することができる。そのため、球先端部45を良好に形成することができる。
また、筆記具が上述のバネ部材40を内蔵するため、転写ボール30の良好な回転を長期に亘って確保することが可能となる。そのため、転写ボール30が回転するのが阻止されて、筆記動作を行えなくなる、といった不具合が発生するのを、長期に亘って防ぐことができ、当該筆記具の性能向上をも図ることが可能となる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、バネ部材は、ボールペンに用いられる場合について説明されている。しかしながら、バネ部材は、ボールペン以外の筆記具に用いられるようにしても良い。なお、ボールペン以外の筆記具としては、修正ペンが挙げられる。また、筆記具以外に、例えば半導体製造に際して用いられる、プローブピン等に本発明を適用するようにしても良い。なお、プローブピン等に本発明を適用する場合、その先端は、球状の転写ボール30に押し当てられる構成とはならず、別途の形状を有する部材に押し当てられる状態となる。
また、上述の実施の形態においては、レーザ光の照射により、球先端部45を形成している。しかしながら、球先端部45は、レーザ光の照射以外の手段によって形成しても良い。例えば、先端部44に対して、プレス成形を施し、バネ鋼線の他の部分よりも直径の大きな球先端部45を形成するようにしても良い。
さらに、上述の実施の形態においては、球先端部45が、バネ部材40の長手方向に延伸する先端部44に設けられている。しかしながら、バネ部材40には、該バネ部材40の長手方向に延伸する先端部44が存在しない構成を採用しても良い。例えば、バネ部材40の先端側に、他の部分よりも小径となる小径巻回部を設けると共に、この小径巻回部の先端部分に、球先端部45を設けるように構成しても良い。
本発明のバネ部材は、筆記具の分野において利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るボールペンチップの構成を示す側断面図である。 図1のボールペンチップにおける先端部分の構成を拡大して示す部分的な側断面図である。
符号の説明
10…ボールペンチップ
11…インク収容管
20…チップ筒
23…開口部
24…内筒部
25…遊嵌部
26…かしめ部
27…受け座
28…ガイド孔
30…転写ボール
40…バネ部材
41…巻回部
42…第1の座巻部
43…第2の座巻部
44…先端部
45…球先端部
50…嵌挿部材

Claims (4)

  1. 線材の巻回によって形成される巻回部を有するバネ部材において、
    上記線材の先端部には、該線材の直径よりも大きな直径を有する球先端部が設けられていることを特徴とするバネ部材。
  2. 前記線材の前記先端部にレーザ光を照射することにより該先端部が溶融し、かつこの溶融部分に表面張力が作用することによって、該溶融部分が球形状に形成され、その後溶融部分の冷却によって前記球先端部が形成されると共に、
    前記球先端部の直径が前記線材の直径よりも大きく設けられていることを特徴とする請求項1記載のバネ部材。
  3. 前記線材の直径は、0.10〜0.18mmの範囲内であることを特徴とする請求項2記載のバネ部材。
  4. 線材の巻回によって形成される巻回部を有するバネ部材を製造するバネ部材の製造方法において、
    上記線材の先端部にレーザ光を照射し、該先端部を溶融させると共に、この溶融に際して該溶融部分に表面張力が作用して該溶融部分が球形状に形成され、
    該球形状の溶融部分の冷却によって、上記先端部が球形状となる球先端部が形成される、
    ことを特徴とするバネ部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010210493A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Komatsu Ltd 接触式ストロークセンサ
JP2010240931A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Pilot Corporation ボールペンチップ
JP2017154444A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 三菱鉛筆株式会社 熱変色性筆記具

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