JP2006007670A - 塗布具 - Google Patents

塗布具 Download PDF

Info

Publication number
JP2006007670A
JP2006007670A JP2004190210A JP2004190210A JP2006007670A JP 2006007670 A JP2006007670 A JP 2006007670A JP 2004190210 A JP2004190210 A JP 2004190210A JP 2004190210 A JP2004190210 A JP 2004190210A JP 2006007670 A JP2006007670 A JP 2006007670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
rear end
winding
tip
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004190210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4420451B2 (ja
Inventor
Yasunori Nakatani
泰範 中谷
Mika Arai
美香 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2004190210A priority Critical patent/JP4420451B2/ja
Publication of JP2006007670A publication Critical patent/JP2006007670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4420451B2 publication Critical patent/JP4420451B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

【課題】 チップの内部にばねを設けてボールを内側から外側に付勢した塗布具において、ばねによるインキの流れの妨げを小さくし、また、インキの充填の際、又は、インキ充填後に遠心力より内部の空気を抜く際に、チップ内部に空気が残ることなく、インキのかすれを防止する。
【解決手段】 コイルばね22の後端側の端部には後端巻き部38が設けられており、後端巻き部38には大円部38aと異形部38bを有している。そして、異形部38bと大円部38aとはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばね22の異形部38bに隣接する巻き部分と異形部38bとはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有している。また、大円部38aの巻き外径は、先栓11のチップ挿入孔60の内径よりも小さく、先栓11の塗布液流入孔61の内径よりも大きい円状である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ボールを有するボールペン、修正具、化粧具等の先端に設けられる塗布具用チップを用いた塗布具に関するものである。
ボールペンに用いられているボールを、ばねなどを用いて先端側に付勢するボールペンが知られている。そして、このようなボールペンでは、筆記しないときにはボールが先端側に移動して、ボールハウスの先端側とのシールを確実としてインキの漏れを防止し、また、筆記の際には、ボールが筆記対象によって押されて後端側に移動して、ボールとボールハウスとの隙間を大きくし、インキの吐出を確実に行うことができる。
そして、このようなボールペンにはボールハウス、中心孔、バック孔を有するボールペンチップが設けられ、ボールはボールハウスに保持されている。そして、ボールペンチップの内部にコイルばねを配置し、コイルばねによってボールの後端側から先端側に付勢している。
ボールペンチップは先栓に設けられた貫通孔に挿入されて保持される。また、このコイルばねの後端側は、先栓の貫通孔に設けられた段部などに接触させて、コイルばねを圧縮してボールを付勢している。
また、ボールペンチップのボールハウス、中心孔、バック孔は軸方向に連通してインキ流路となっており、先栓の貫通孔から流入したインキをボールハウス側から流出させることができる構造となっている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報として次のものがある。
特許3142221号公報
特許文献1のボールペンのボールペンチップの内部には、圧縮された状態でコイルばねが設けられており、ボールを先端側に付勢している。また、コイルばねは、先端側と後端側との間に巻き径を徐々に変化させる部分を設けて、コイルばねの先端側を小径としている。
上記のコイルばねの後端側は貫通孔の段部などに接触させて、コイルばねの後端側の位置がずれないようにする必要がある。そのため、貫通孔から流入したインキは、主としてコイルばねの内側に流れるので、コイルばねの外側には流れにくい。
したがって、コイルばねの外側がインキ流路として機能せず、筆記の際にインキの流れる量を多くすることには限界があり、筆記の際のかすれが発生することがあった。
また、インキの充填の際や、インキ充填後に遠心力より内部の空気を抜く際には、コイルばねの外側の空気がインキと十分置換しにくい。そのため、チップ内部に空気が残ることがあり、筆記の際に空気がインキの流路に移動することがあった。この場合には、インキの流出性が低下して、筆記の際のかすれや筆記ができなくなることがあった。
近年、ボール径が小さいものが多く採用されており、かかる場合には、チップの内径が小さくなってインキの流路が狭くなりやすいので、上記の理由による筆記の際のかすれなどが発生しやすい。
また、特許文献1のコイルばねは、図11に示されるように、先端側と後端側との間に巻き径を徐々に変化させる円錐巻部121が設けられているコイルばね120が用いられている。そして、このようなばねの場合に、コイルばね120の軸に対して傾斜した力が働くと、図12に示されるように、円錐巻部121で徐々に巻き径が変化する部分でずれるおそれがあり、かかる場合には、コイルばね120によってボールを押すことが困難となる。
そこで、チップの内部にばねを設け、ボールを内側から外側に付勢した塗布具において、ばねによるインキの流れの妨げを小さくし、また、インキの充填の際、又は、インキ充填後に遠心力より内部の空気を抜く際に、チップ内部に空気が残ることなく、インキのかすれを防止することを課題とする。
そして、上記した目的を達成するための請求項1記載の発明は、ボール、チップ本体及び複数の巻きを有して前記チップ本体の内部に配置されてばね線によって形成されるコイルばねを有する塗布具用チップと、チップ挿入孔が設けられた部材とを有し、前記チップ本体の先端側にはボールハウスが設けられ、前記ボールは前記ボールハウスに回転可能に保持されており、チップ本体の後端側の形状は筒状であって、前記コイルばねを後端側から挿入してチップ本体の内部に配置して圧縮することによりボールを先端側に付勢することができ、前記チップ挿入孔の後端側にはチップ挿入孔より小径の塗布液流入孔を有し、チップ挿入孔と塗布液流入孔との間には段部が設けられ、前記チップ挿入孔にチップ本体を挿入することにより、チップ本体を保持しつつ前記コイルばねの後端側を前記段部に接触させてコイルばねの圧縮が可能な塗布具であって、コイルばねの後端側の端部には後端巻き部が設けられ、前記後端巻き部には大円部と前記大円部よりも先端側に位置する異形部を有し、前記大円部は、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きい巻き外径である略円状であり、前記異形部と前記大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばねの異形部に隣接する巻き部分と異形部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有することを特徴とする塗布具である。
ここで、「大円部は、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きい巻き外径である略円状」とは、大円部の巻き形状が真円であってその巻き外径が、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きいものだけでなく、大円部の巻き形状が扁平して楕円状であっても、楕円の長径の長さがチップ挿入孔の内径よりも小さく、楕円の短径の長さが塗布液流入孔の内径よりも大きいものも含まれる。
請求項1に記載の発明によれば、コイルばねの後端側の端部には、大円部と前記大円部よりも先端側に位置する異形部を有する後端巻き部が設けられているので、チップ挿入孔の後端側に位置している塗布液流入孔の内部にコイルばねが進入することを防止することができ、また、コイルばねとチップ本体との間への塗布液の流れを改善することができる。さらに、異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばねの異形部に隣接する巻き部分と異形部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有するので、コイルばねが圧縮された場合に、圧縮力を確実に伝達することができる。
請求項2に記載の発明は、異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分の位置は、大円部の中心を挟んで対向する2カ所であることを特徴とする請求項1に記載の塗布具である。
請求項2に記載の発明によれば、異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であり大円部の中心を挟んで対向する2カ所で前記異形部と大円部とはばね線が軸方向に重なっているので、後端巻き部の製作が容易であり、コイルばねが圧縮された場合に、圧縮力をバランスよく伝達することができる。
請求項3に記載の発明は、後端巻き部には後端異形部が設けられ、前記後端異形部は大円部よりも後端側に位置しており、後端異形部と大円部とはばね線が部分的にコイルばねの軸方向に接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具である。
請求項3に記載の発明によれば、大円部よりも後端側に位置し、大円部と部分的に軸方向に重なっている後端異形部が設けられているので、後端巻き部が段部に接触する場合に、後端巻き部と段部との間に隙間を設けることができ、コイルばねの外側とチップ本体との間の塗布液の流れをより良くすることができる。
請求項4に記載の発明は、後端異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記後端異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分は、直径の両端付近の2カ所であり、さらに、軸方向から見たときの後端異形部のばね線の配置と、異形部のばね線の配置が略同一であることを特徴とする請求項3に記載の塗布具である。
請求項4に記載の発明によれば、後端異形部の配置を異形部の配置とが同じであるので、軸方向の塗布液の流れを乱すことなく後端異形部を設けることができる。
請求項5に記載の発明は、コイルばねは、先端側の端部に配置される円筒コイル巻きの小径巻部と、前記小径巻部よりも後端側に位置する円筒コイル巻きの大径巻部とが設けられており、前記小径巻部と前記大径巻部とは円錐コイル巻きの円錐巻部を介して接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布具である。
請求項5に記載の発明によれば、コイルばねの先端側の端部に円筒コイル巻きの小径巻部が設けられているので、ボールの付勢を広い範囲で行うことができる。
請求項6に記載の発明は、円錐巻部におけるばね線の線径に対する隣の巻きとのずれ幅が40%以上〜65%以下であることを特徴とする請求項5に記載の塗布具である。
請求項6に記載の発明によれば、円錐巻部におけるばね線の線径に対する隣の巻きとのずれ幅が40%以上〜65%以下であるので、円錐巻部の軸方向の長さを短くしつつ、コイルばねの圧縮時に円錐巻部において発生する隣接するばね線との間の相対形状の変形を低減させることができる。
本発明の塗布具によれば、チップ内部に空気が残りにくく、常に同じ押し圧でボールを押すことができる。
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態におけるボールペンの正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すボールペンの断面図である。図2は、図1(b)のボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面図である。図3(a)は、コイルばねの正面図であり、図3(b)はボールペンチップ本体の断面図である。図4はボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面斜視図である。図5は、図3(a)に示すコイルばねの上面図である。図6は、図3(a)に示すコイルばねの円錐巻部を拡大した断面図である。図7は変形例のコイルばねを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。図8、図9は、大円部の設けられていないコイルばねを用いたボールペンチップを示した断面斜視図である。図10は、大円部の設けられていないコイルばねを示した断面斜視図である。
本発明における第1の実施形態のボールペンチップ(塗布具用チップ)1を用いたボールペン(塗布具)7は図1(a)、図1(b)に示されている。
ボールペン7には、ボールペンチップ1、先栓11及び筒部材12が設けられており、筒部材12の先端側に先栓11が取り付けられ、先栓11の先端側にボールペンチップ1が取り付けられている。
なお、先栓11は、後述するようにチップ挿入孔60が設けられている。
筒部材12は円筒状であり、筒部材12の内部にはインキ(塗布液)8が充填されるものである。そして、筆記する場合には筒部材12の内部から先栓11内を通過したインキ8が、ボールペンチップ1の先端側から吐出される。なお、インキ8は、水性インキや水性ゲルインキなどが用いられるが、他の種類のインキなどを用いることができる。
先栓11には、図1(b)に示されるように、貫通孔40が設けられている。貫通孔40には、図2、図4に示されるように、チップ挿入孔60と塗布液流入孔61を有している。チップ挿入孔60は塗布液流入孔61よりも先端側に位置しており、チップ挿入孔60の内径は、塗布液流入孔61の内径よりも大きい。したがって、貫通孔40は、先端側が拡径している形状であり、この拡径する部分(チップ挿入孔60と塗布液流入孔61との間)には段部41が設けられている。
なお、塗布液流入孔61は筒部材12の内部とつながっており、筒部材12内のインキ8は塗布液流入孔61へと流入させることができる。
図2はボールペンチップ1の内部の構造を示したものである。そして、図2に示されるように、ボールペンチップ1にはボール20、ボールペンチップ本体21及びコイルばね22が設けられている。
図3(a)には、コイルばね22が示されており、図3(b)にはボール20及びボールペンチップ本体21が設けられている。
図3(b)に示されるように、ボールペンチップ本体21には、ボールハウス25、中心孔26、バック孔27を有しており、ボールハウス25、中心孔26及びバック孔27は連通している。
ボールハウス25は、図3(b)に示されるように、ボールペンチップ本体21の先端側に位置する、後端側に向かって開けられた孔である。
中心孔26は、ボールハウス25の内径やボール20の外径よりも小さな内径の丸孔であり、ボールハウス25の後端側で連通している。また、中心孔26には軸方向に延びる溝26aが設けられている。
バック孔27は中心孔26の後端側で連通する段状の丸孔である。そして、先端側ほど内径が小さくなるものであり、内径が変わる部分にはテーパー部28が設けられて、テーパー部28でなだらかにつながっている。バック孔27の内径は、中心孔26の内径よりも大きい。
そして、ボールペンチップ本体21の後端側の端部には、コイルばね22を挿入することができる開口部27aが設けられている。また、ボールペンチップ本体21の後端側の形状は円筒状である。
ボール20は球状であり、ボールハウス25によって回転可能に保持されている。この保持は、ボール20をボールハウス25に挿入し、ボールペンチップ本体21の先端部21aをかしめなどによって変形させることによって行われる。
コイルばね22は、図3(a)に示されるように、密巻き部31、32と粗巻き部33が設けられている。密巻き部31、32は粗巻き部33よりもコイルのピッチが小さい。具体的には、密巻き部31、32は素線同士がほぼ密着している密着巻きであり、粗巻き部33は素線径よりも大きなピッチのコイルであり、コイルばね22が圧縮されると付勢力を発生させることができる。粗巻き部33は、密着巻き部31、32同士の間に位置している。
後端側の密巻き部31と、粗巻き部33は円筒コイル状である。また、先端側の密着巻き部32は、大径巻部35、小径巻部37及び円錐巻部36とを有している。小径巻部37は先端側に位置して大径巻部35よりも小径であり、また、円錐巻部36は、大径巻部35と小径巻部37との間に位置して先端側が縮径する円錐コイル状である。
後端側の密巻き部31、粗巻き部33及び密巻き部32の大径巻部35は、巻き外径がほぼ同じであり、これらの巻き外径はボールペンチップ本体21のバック孔27の内径よりもやや小さい。また、小径巻部37の巻き外径は、中心孔26の内径よりも小さい。
円錐巻部36を有する密着巻き部32の詳細な形状は、図6に示されている。そして、円錐巻部36の、線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hは、円錐巻部36のいずれの部分においてもほぼ一定であり、40%以上、65%以下の範囲である。
線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hが65%より大きくなると、図12に示される従来技術のコイルばね120のように、コイルばね120の挿入時などにばね120が圧縮されたときに、円錐巻部121において隣接するばね線との間の相対形状が変形するおそれが大きい。そして、かかる場合には、軸方向に付勢することが困難となり、コイルばね120によるボール20の付勢が不十分となる。また、線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hが40%未満となると、大径巻部35と小径巻部37との巻き外径の差が大きくなると円錐巻部36が長くなりすぎてしまう。
また、軸線L1と、軸線L1を含む断面における円錐巻部36のばね線の中心を結ぶ直線L2となす角αは、23°〜41°の範囲である。
また、コイルばね22の後端側には、後端巻き部38を有している。
後端巻き部38は、図4、図5に示されるように、大円部38aと、大円部38aよりも先端側に位置する異形部38bを有している。
大円部38aは、密巻き部31よりも巻き外径の大きい円状の一巻きのコイルである。また、大円部38aの巻き外径は、先栓11のチップ挿入孔60の内径よりも小さく、塗布液流入孔61の内径よりも大きい。したがって、コイルばね22をボールペンチップ本体21に挿入した状態のものをチップ挿入孔60に挿入することができる。また、チップ挿入孔60に挿入した状態では、大円部38aが塗布液流入孔61に入り込むことが無い。
また、異形部38bは一巻きのコイルであり、その形状は対向する一対の直線部50に一対の半円が結合したような形状であって、陸上競技のトラックのような形状である。そして、半円の頂部49同士の距離である一方の幅が、直線部50同士の距離である他方の幅に比べて比較的長く、異形部38bは所定の方向に長い形状である。。
そして、頂部49同士を結ぶ線分と、直線部50の中間点同士を結ぶ線分とはほぼ直交し、これらの線分は互いに他を2等分するように交わっており、この交点はコイルばね22の軸心である。
また、この半円の頂部49同士の距離である一方の幅は、大円部38aの巻き外径にほぼ等しく、直線部50同士の距離である他方の幅は、密巻き部31の巻き外径にほぼ等しい。
異形部38bの2カ所の頂部49付近のばね線は、大円部38aのばね線とコイルばね22の軸方向に接触して重なっている。そして、異形部38bの2カ所の頂部49同士をつなぐ線分は、大円部38aの直径とほぼ同じであり、異形部38bのばね線と大円部38aのばね線とがコイルばね22の軸方向に接触して重なっている部分は、大円部38aの中心を挟んで対向する2カ所である。
また、異形部38bの2カ所の直線部50の中央付近のばね線は、密巻き部31の後端側のばね線とコイルばね22の軸方向に接触する。
したがって、コイルばね22に圧縮力が働いた場合に、密巻き部31と異形部38bとの間、及び、異形部38bと大円部38aとの間で、確実に力を伝達することができる。
異形部38bは、後端側の大円部38a側、及び、先端側の密巻き部31側のいずれも2カ所でコイルばね22の軸方向に接触しているが、先端側で接触している位置を結ぶ直線と、後端側で接触している位置を結ぶ直線とは直交するものであり、これらの直線の交点は、コイルばね22の軸心付近である。このため、コイルばね22に圧縮力が働いた場合に、コイルばね22が傾きにくく、バランス良く付勢力を発生させることができる。
なお、大円部38a及び異形部38bの巻き数は2巻き以上であっても良い。
また、図5に示されるように、大円部38aと異形部38bとの間、異形部38bと密巻き部31の後端側の端部との間には、隙間部45、46を有している。
そして、図2に示されるように、コイルばね22がボールペンチップ本体21内に配置され、さらに、ボールペンチップ1を先栓11に取り付けられている。
ボールペンチップ1は先栓11の貫通孔40のチップ挿入孔60に挿入して取り付けられる。ボールペンチップ1を貫通孔40に取り付けると、コイルばね22の後端側に設けられている後端巻き部38が、先栓11の段部41に接触する。
一方、コイルばね22の先端側は、小径巻部37が中心孔26内に位置し、小径巻部37の先端部37aがボール20に接触している。そのため、コイルばね22はボール20と先栓11の段部41との間で挟まれて圧縮状態となっている。
そして、圧縮されたコイルばね22の小径巻部37の先端部37aが、ボール20に接触しているので、ボール20が先端側に付勢される。また、小径巻部37は円筒巻きのコイルであるので、ボール22の広い範囲で付勢することができる。
図2に示されるように、チップ挿入孔60の内径はボールペンチップ本体21の外径とほぼ等しい。塗布液流入孔61の内径は、ボールペンチップ本体21のバック孔27の内径よりも小さい。
また、後端側の密巻き部31、粗巻き部33及び密巻き部32の大径巻部35の巻き外径は、塗布液流入孔61の内径よりも小さい。
ボールペン7は筆記の際にボール20に付着したインキ8が流出するが、このインキ8は、筒部材12内のインキ8が先栓11の貫通孔40からボールペンチップ1内に供給されるものである。
次に、本発明における第1の実施形態のボールペン7の製造方法について説明する。
ボールペンチップ1は、ボールペンチップ本体21のボールハウス25にボール20を挿入し、ボールペンチップ本体21の先端部21aをかしめてボール20を保持する。なお、先端部21aをかしめた後、ボール20を後端側に押圧する座打ちを行うこともできる。
そして、小径巻部37側を先端側とするように、コイルばね22を開口部27aからボールペンチップ本体21内に入れる。また、先栓11の貫通孔40に、先端側からボールペンチップ1を挿入して、図2に示されるような状態とし、さらに筒部材12と先栓11を連結する。
そうして、筒部材12の内部、先栓11の貫通孔40の内部、ボールペンチップ1の内部にインキ8を充填して、ボールペン7が完成する。
本実施形態のボールペンチップ1を用いた場合には、従来のものに比べ、特に高品質のものを容易に製造することができる。
まず、第1に、コイルばね22の先端部37aでのボール20との接触を確実に行うことができるので、コイルばね22によるボール20の付勢を確実に行うことができる。
すなわち、コイルばね22には、円錐巻部36が設けられ、円錐巻部36よりも後端側は円筒コイル状の密巻き部31、粗巻き部33及び大径巻部35が設けられ、円錐巻部36よりも先端側は小径巻部37が設けられている。そのため、コイルばね22のボールペンチップ本体21への挿入時は、円筒コイル状の密巻き部31、粗巻き部33及び大径巻部35が、ボールペンチップ本体21のバック孔27によりガイドされて、コイルばね22の軸が大きく傾いた状態で挿入されることがない。
また、図6に示されるように、円錐巻部36の、線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hは、40〜65%の範囲であるので、コイルばね22の挿入時に、円錐巻部36の変形を防ぐことができる。
また、第2に、インキ8を充填する際に内部に空気が残りにくく、また、筆記の際に、インキ8の流出性がよい。このことを、図2、図4を用いて説明する。
インキ8を充填する際には、図2に示されるように、ボールペンチップ1は先栓11の先端側に取り付けられた状態で行われる。そして、ボールペンチップ1内に充填されるインキ8は、後端側から遠心力などを用いて先端側へと移動させることにより行われる。
図4に示されるように、コイルばね22の後端巻き部38の大円部38aが先栓11の段部41と接触している。そして、大円部38aと異形部38bとの間には隙間部45が、異形部38bと密巻き部31の後端側の端部との間には隙間部46が設けられているので、大円部38aの内側と密巻き部31の外側とが、隙間部45、46を介してつながっている。そのため、先栓11の貫通孔40からボールペンチップ1の先端側へインキ8が流れる場合に、密巻き部31の内側だけでなく、隙間部45、46から密巻き部31の外側へ流れる。したがって、インキ8の充填時に密巻き部31の外側の空気を確実に置換することができる。また、ボールペンチップ本体21内をインキ8が流れる際に、密巻き部31の外側にインキ8のよどみの発生を防止することができる。
第3に、後端巻き部38で先栓11の段部41との接触を確実に行うことができるので、ボール20の付勢を確実にすることができる。
すなわち、大円部38aは、先栓11の貫通孔40の内径よりも大きい巻き外径の円状であるので、大円部38aが傾斜した場合であっても、大円部38aが貫通孔40の塗布液流入孔61に進入することがない。そして、後端巻き部38が確実に段部41に接触してコイルばね22を圧縮させることができ、ボール20を確実に付勢することができる。
また、塗布液流入孔61の内径を、コイルばね22の密巻き部31などの巻き外径よりも大きくすることが可能であり、より多くのインキ8を供給することができる。
図8〜図10に示されている、大円部38aの設けられていない一例であるボールペンチップ100を用いて、このことを説明する。
図8に示されるように、ボールペンチップ100では異形巻部138bの頂部49が先栓11の段部41に接触させてコイルばね122を圧縮させることとなる。
ボールペンチップ100では、図10に示されるように、異形巻部138bの頂部49付近の幅が、先栓11の貫通孔40の内径よりも小さくなるため、先栓11に挿入する際などに、頂部49付近が貫通孔40に進入するおそれがある(図9)。かかる場合には、コイルばね122の軸がずれてしまいボール20をうまく押すことができず、場合によっては、コイルばね122が変形したり、破損してしまう。
しかしながら、ボールペンチップ1では、大円部38aは貫通孔40の内径より大きい円状であるので、後端巻き部38が貫通孔40に進入することがなく、後端巻き部38が確実に段部41に接触して、ボール20を確実に付勢することができる。
また、図7に示されるコイルばね52を用いることができる。
コイルばね52は、上記した第1の実施形態のコイルばね22と比較して後端巻き部38のみが異なるものであり、具体的には、後端巻き部38の後端側に、後端異形部38cを設けたものである。なお、コイルばね52の他の構造はコイルばね22と同様である。
後端異形部38cの形状は、異形部38bとほぼ同様な形状であり、後端異形部38cの軸方向から見た配置は異形部38bと同じ位置である。そして、後端異形部38cは大円部38aよりも小さく、後端異形部38cと大円部38aとの間に隙間55、56が設けられている。また、後端異形部38cの2カ所の頂部49で大円部38aに接触して重なっている。
そして、コイルばね52を用いたボールペンチップ1を先栓11に挿入した場合には、後端巻き部38の後端異形部38cが先栓11の段部41に接触するが、コイルばね52の場合には、後端異形部38cの2カ所の頂部49付近が段部41に接触する。そのため、頂部49以外の部分は、段部41と後端異形部38cとは接触しておらず、かかる部分に隙間55、56ができるので、インキ8の流れがよい。なお、コイルばね52は、大円部38aが設けられているので、後端巻き部38が貫通孔40に進入することがない。
上記した実施形態では、異形部38bの形状は、対向する一対の直線部50に一対の半円が結合したような形状であって、所定の方向に長く、陸上競技のトラックのような形状であったが、他の形状であっても良い。また、異形部38bと大円部38aとはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分が直径の両端付近の2カ所であったが、3カ所以上であってもよい。
本発明のボールペンチップ1のコイルばね22、52の密巻き部31、32はばね線同士が密着したものであったが、ばね線同士に隙間があってもよい。また粗巻き部33は1カ所であったが2カ所以上有っても良い。
本発明の実施形態ではインキ8を使用したボールペン7であったが、他の塗布液でも良い。
(a)は本発明の第1の実施形態におけるボールペンの正面図であり、(b)は、(a)に示すボールペンの断面図である。 図1(b)のボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面図である。 (a)はコイルばねの正面図であり、(b)はボールペンチップ本体の断面図である。 ボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面斜視図である。 図3(a)に示すコイルばねの上面図である。 図3(a)に示すコイルばねの円錐巻部を拡大した断面図である。 変形例のコイルばねを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。 大円部の設けられていないコイルばねを用いたボールペンチップを示した断面斜視図である。 大円部の設けられていないコイルばねを用いたボールペンチップを示した断面斜視図である。 大円部の設けられていないコイルばねを示した断面斜視図である。 従来技術のコイルばねの円錐巻部を拡大した断面図である。 従来技術のコイルばねの円錐巻部を拡大した断面図である。
符号の説明
1 ボールペンチップ
7 ボールペン
20 ボール
21 ボールペンチップ本体
22、52 コイルばね
25 ボールハウス
35 大径巻部
36 円錐巻部
37 小径巻部
38 後端巻き部
38a 大円部
38b 異形部
38c 後端異形部
40 貫通孔
41 段部
60 チップ挿入孔
61 塗布液流入孔

Claims (6)

  1. ボール、チップ本体及び複数の巻きを有して前記チップ本体の内部に配置されてばね線によって形成されるコイルばねを有する塗布具用チップと、チップ挿入孔が設けられた部材とを有し、前記チップ本体の先端側にはボールハウスが設けられ、前記ボールは前記ボールハウスに回転可能に保持されており、チップ本体の後端側の形状は筒状であって、前記コイルばねを後端側から挿入してチップ本体の内部に配置して圧縮することによりボールを先端側に付勢することができ、前記チップ挿入孔の後端側にはチップ挿入孔より小径の塗布液流入孔を有し、チップ挿入孔と塗布液流入孔との間には段部が設けられ、前記チップ挿入孔にチップ本体を挿入することにより、チップ本体を保持しつつ前記コイルばねの後端側を前記段部に接触させてコイルばねの圧縮が可能な塗布具であって、
    コイルばねの後端側の端部には後端巻き部が設けられ、前記後端巻き部には大円部と前記大円部よりも先端側に位置する異形部を有し、前記大円部は、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きい巻き外径である略円状であり、前記異形部と前記大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばねの異形部に隣接する巻き部分と異形部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有することを特徴とする塗布具。
  2. 異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分の位置は、大円部の中心を挟んで対向する2カ所であることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 後端巻き部には後端異形部が設けられ、前記後端異形部は大円部よりも後端側に位置しており、後端異形部と大円部とはばね線が部分的にコイルばねの軸方向に接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  4. 後端異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記後端異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分は、直径の両端付近の2カ所であり、さらに、軸方向から見たときの後端異形部のばね線の配置と、異形部のばね線の配置が略同一であることを特徴とする請求項3に記載の塗布具。
  5. コイルばねは、先端側の端部に配置される円筒コイル巻きの小径巻部と、前記小径巻部よりも後端側に位置する円筒コイル巻きの大径巻部とが設けられており、前記小径巻部と前記大径巻部とは円錐コイル巻きの円錐巻部を介して接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布具。
  6. 円錐巻部におけるばね線の線径に対する隣の巻きとのずれ幅が40%以上〜65%以下であることを特徴とする請求項5に記載の塗布具。
JP2004190210A 2004-06-28 2004-06-28 塗布具 Expired - Fee Related JP4420451B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190210A JP4420451B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 塗布具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190210A JP4420451B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 塗布具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006007670A true JP2006007670A (ja) 2006-01-12
JP4420451B2 JP4420451B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=35775430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004190210A Expired - Fee Related JP4420451B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 塗布具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4420451B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010260215A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Pilot Ink Co Ltd ボールペン及びボールペンの製造方法
JP2014162051A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Zebra Pen Corp ボールペンチップ、ボールペン及びボールペンチップの製造方法
JP2014166696A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Zebra Pen Corp ボールペンチップ、及び、ボールペン
JP2016159500A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 ゼブラ株式会社 ボールペンチップ及び該ボールペンチップを具備した筆記具

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010260215A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Pilot Ink Co Ltd ボールペン及びボールペンの製造方法
JP2014162051A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Zebra Pen Corp ボールペンチップ、ボールペン及びボールペンチップの製造方法
JP2014166696A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Zebra Pen Corp ボールペンチップ、及び、ボールペン
JP2016159500A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 ゼブラ株式会社 ボールペンチップ及び該ボールペンチップを具備した筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP4420451B2 (ja) 2010-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5940899B2 (ja) ボールペン
EP1970212B1 (en) Ballpoint pen tip
JP4420451B2 (ja) 塗布具
JP4870444B2 (ja) 塗布具用チップ、並びに、塗布具
US20090110468A1 (en) Needle type ballpoint pen chip and the manufacturing method for a needle type ballpoint pen chip
WO2004106086A1 (ja) 塗布具用チップの製造方法
JP5187165B2 (ja) ボールペンチップの製造方法
US6220774B1 (en) Ballpoint tip for ballpoint liquid container
JP4893418B2 (ja) ボールペンチップの製造方法
JP4471276B2 (ja) 塗布具用チップ、塗布具用チップの製造方法、塗布具
JP4436589B2 (ja) 塗布具用チップ
JP5083938B2 (ja) ボールペン
JP6903403B2 (ja) パイプ式ボールペンチップ
KR200342412Y1 (ko) 필기구용 팁
JP4842310B2 (ja) 塗布具
JP4408631B2 (ja) 塗布具
JP2000203187A (ja) ボ―ル式液体容器の先端チップ
JP2009029057A (ja) ボールペン
JP2002356083A (ja) ボールペンまたは塗布具のチップ
JP2011056946A (ja) ニードル型ボールペンチップ用縮管ツール
JP4267886B2 (ja) 塗布具用チップ、塗布具及び塗布具用チップの製造方法
JP4210476B2 (ja) 水性ボールペン及びボールペンチップ
JP4471277B2 (ja) 塗布具用チップの製造方法
JP2005022610A (ja) 管内移動体
KR200182795Y1 (ko) 니들형 볼펜리필

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4420451

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131211

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees