JP2006007670A - 塗布具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コイルばね22の後端側の端部には後端巻き部38が設けられており、後端巻き部38には大円部38aと異形部38bを有している。そして、異形部38bと大円部38aとはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばね22の異形部38bに隣接する巻き部分と異形部38bとはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有している。また、大円部38aの巻き外径は、先栓11のチップ挿入孔60の内径よりも小さく、先栓11の塗布液流入孔61の内径よりも大きい円状である。
【選択図】 図4
Description
また、インキの充填の際や、インキ充填後に遠心力より内部の空気を抜く際には、コイルばねの外側の空気がインキと十分置換しにくい。そのため、チップ内部に空気が残ることがあり、筆記の際に空気がインキの流路に移動することがあった。この場合には、インキの流出性が低下して、筆記の際のかすれや筆記ができなくなることがあった。
ここで、「大円部は、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きい巻き外径である略円状」とは、大円部の巻き形状が真円であってその巻き外径が、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きいものだけでなく、大円部の巻き形状が扁平して楕円状であっても、楕円の長径の長さがチップ挿入孔の内径よりも小さく、楕円の短径の長さが塗布液流入孔の内径よりも大きいものも含まれる。
図1(a)は本発明の第1の実施形態におけるボールペンの正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すボールペンの断面図である。図2は、図1(b)のボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面図である。図3(a)は、コイルばねの正面図であり、図3(b)はボールペンチップ本体の断面図である。図4はボールペンチップ付近の先端部分を拡大した断面斜視図である。図5は、図3(a)に示すコイルばねの上面図である。図6は、図3(a)に示すコイルばねの円錐巻部を拡大した断面図である。図7は変形例のコイルばねを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。図8、図9は、大円部の設けられていないコイルばねを用いたボールペンチップを示した断面斜視図である。図10は、大円部の設けられていないコイルばねを示した断面斜視図である。
ボールペン7には、ボールペンチップ1、先栓11及び筒部材12が設けられており、筒部材12の先端側に先栓11が取り付けられ、先栓11の先端側にボールペンチップ1が取り付けられている。
なお、先栓11は、後述するようにチップ挿入孔60が設けられている。
なお、塗布液流入孔61は筒部材12の内部とつながっており、筒部材12内のインキ8は塗布液流入孔61へと流入させることができる。
図3(b)に示されるように、ボールペンチップ本体21には、ボールハウス25、中心孔26、バック孔27を有しており、ボールハウス25、中心孔26及びバック孔27は連通している。
中心孔26は、ボールハウス25の内径やボール20の外径よりも小さな内径の丸孔であり、ボールハウス25の後端側で連通している。また、中心孔26には軸方向に延びる溝26aが設けられている。
そして、ボールペンチップ本体21の後端側の端部には、コイルばね22を挿入することができる開口部27aが設けられている。また、ボールペンチップ本体21の後端側の形状は円筒状である。
後端側の密巻き部31、粗巻き部33及び密巻き部32の大径巻部35は、巻き外径がほぼ同じであり、これらの巻き外径はボールペンチップ本体21のバック孔27の内径よりもやや小さい。また、小径巻部37の巻き外径は、中心孔26の内径よりも小さい。
線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hが65%より大きくなると、図12に示される従来技術のコイルばね120のように、コイルばね120の挿入時などにばね120が圧縮されたときに、円錐巻部121において隣接するばね線との間の相対形状が変形するおそれが大きい。そして、かかる場合には、軸方向に付勢することが困難となり、コイルばね120によるボール20の付勢が不十分となる。また、線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hが40%未満となると、大径巻部35と小径巻部37との巻き外径の差が大きくなると円錐巻部36が長くなりすぎてしまう。
また、軸線L1と、軸線L1を含む断面における円錐巻部36のばね線の中心を結ぶ直線L2となす角αは、23°〜41°の範囲である。
後端巻き部38は、図4、図5に示されるように、大円部38aと、大円部38aよりも先端側に位置する異形部38bを有している。
そして、頂部49同士を結ぶ線分と、直線部50の中間点同士を結ぶ線分とはほぼ直交し、これらの線分は互いに他を2等分するように交わっており、この交点はコイルばね22の軸心である。
また、この半円の頂部49同士の距離である一方の幅は、大円部38aの巻き外径にほぼ等しく、直線部50同士の距離である他方の幅は、密巻き部31の巻き外径にほぼ等しい。
したがって、コイルばね22に圧縮力が働いた場合に、密巻き部31と異形部38bとの間、及び、異形部38bと大円部38aとの間で、確実に力を伝達することができる。
なお、大円部38a及び異形部38bの巻き数は2巻き以上であっても良い。
ボールペンチップ1は先栓11の貫通孔40のチップ挿入孔60に挿入して取り付けられる。ボールペンチップ1を貫通孔40に取り付けると、コイルばね22の後端側に設けられている後端巻き部38が、先栓11の段部41に接触する。
一方、コイルばね22の先端側は、小径巻部37が中心孔26内に位置し、小径巻部37の先端部37aがボール20に接触している。そのため、コイルばね22はボール20と先栓11の段部41との間で挟まれて圧縮状態となっている。
また、後端側の密巻き部31、粗巻き部33及び密巻き部32の大径巻部35の巻き外径は、塗布液流入孔61の内径よりも小さい。
ボールペンチップ1は、ボールペンチップ本体21のボールハウス25にボール20を挿入し、ボールペンチップ本体21の先端部21aをかしめてボール20を保持する。なお、先端部21aをかしめた後、ボール20を後端側に押圧する座打ちを行うこともできる。
そうして、筒部材12の内部、先栓11の貫通孔40の内部、ボールペンチップ1の内部にインキ8を充填して、ボールペン7が完成する。
すなわち、コイルばね22には、円錐巻部36が設けられ、円錐巻部36よりも後端側は円筒コイル状の密巻き部31、粗巻き部33及び大径巻部35が設けられ、円錐巻部36よりも先端側は小径巻部37が設けられている。そのため、コイルばね22のボールペンチップ本体21への挿入時は、円筒コイル状の密巻き部31、粗巻き部33及び大径巻部35が、ボールペンチップ本体21のバック孔27によりガイドされて、コイルばね22の軸が大きく傾いた状態で挿入されることがない。
また、図6に示されるように、円錐巻部36の、線径dに対する隣の巻きとのずれ幅hは、40〜65%の範囲であるので、コイルばね22の挿入時に、円錐巻部36の変形を防ぐことができる。
インキ8を充填する際には、図2に示されるように、ボールペンチップ1は先栓11の先端側に取り付けられた状態で行われる。そして、ボールペンチップ1内に充填されるインキ8は、後端側から遠心力などを用いて先端側へと移動させることにより行われる。
すなわち、大円部38aは、先栓11の貫通孔40の内径よりも大きい巻き外径の円状であるので、大円部38aが傾斜した場合であっても、大円部38aが貫通孔40の塗布液流入孔61に進入することがない。そして、後端巻き部38が確実に段部41に接触してコイルばね22を圧縮させることができ、ボール20を確実に付勢することができる。
また、塗布液流入孔61の内径を、コイルばね22の密巻き部31などの巻き外径よりも大きくすることが可能であり、より多くのインキ8を供給することができる。
図8に示されるように、ボールペンチップ100では異形巻部138bの頂部49が先栓11の段部41に接触させてコイルばね122を圧縮させることとなる。
ボールペンチップ100では、図10に示されるように、異形巻部138bの頂部49付近の幅が、先栓11の貫通孔40の内径よりも小さくなるため、先栓11に挿入する際などに、頂部49付近が貫通孔40に進入するおそれがある(図9)。かかる場合には、コイルばね122の軸がずれてしまいボール20をうまく押すことができず、場合によっては、コイルばね122が変形したり、破損してしまう。
しかしながら、ボールペンチップ1では、大円部38aは貫通孔40の内径より大きい円状であるので、後端巻き部38が貫通孔40に進入することがなく、後端巻き部38が確実に段部41に接触して、ボール20を確実に付勢することができる。
コイルばね52は、上記した第1の実施形態のコイルばね22と比較して後端巻き部38のみが異なるものであり、具体的には、後端巻き部38の後端側に、後端異形部38cを設けたものである。なお、コイルばね52の他の構造はコイルばね22と同様である。
後端異形部38cの形状は、異形部38bとほぼ同様な形状であり、後端異形部38cの軸方向から見た配置は異形部38bと同じ位置である。そして、後端異形部38cは大円部38aよりも小さく、後端異形部38cと大円部38aとの間に隙間55、56が設けられている。また、後端異形部38cの2カ所の頂部49で大円部38aに接触して重なっている。
7 ボールペン
20 ボール
21 ボールペンチップ本体
22、52 コイルばね
25 ボールハウス
35 大径巻部
36 円錐巻部
37 小径巻部
38 後端巻き部
38a 大円部
38b 異形部
38c 後端異形部
40 貫通孔
41 段部
60 チップ挿入孔
61 塗布液流入孔
Claims (6)
- ボール、チップ本体及び複数の巻きを有して前記チップ本体の内部に配置されてばね線によって形成されるコイルばねを有する塗布具用チップと、チップ挿入孔が設けられた部材とを有し、前記チップ本体の先端側にはボールハウスが設けられ、前記ボールは前記ボールハウスに回転可能に保持されており、チップ本体の後端側の形状は筒状であって、前記コイルばねを後端側から挿入してチップ本体の内部に配置して圧縮することによりボールを先端側に付勢することができ、前記チップ挿入孔の後端側にはチップ挿入孔より小径の塗布液流入孔を有し、チップ挿入孔と塗布液流入孔との間には段部が設けられ、前記チップ挿入孔にチップ本体を挿入することにより、チップ本体を保持しつつ前記コイルばねの後端側を前記段部に接触させてコイルばねの圧縮が可能な塗布具であって、
コイルばねの後端側の端部には後端巻き部が設けられ、前記後端巻き部には大円部と前記大円部よりも先端側に位置する異形部を有し、前記大円部は、チップ挿入孔の内径よりも小さく、かつ、塗布液流入孔の内径よりも大きい巻き外径である略円状であり、前記異形部と前記大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有し、コイルばねの異形部に隣接する巻き部分と異形部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分を有することを特徴とする塗布具。 - 異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分の位置は、大円部の中心を挟んで対向する2カ所であることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
- 後端巻き部には後端異形部が設けられ、前記後端異形部は大円部よりも後端側に位置しており、後端異形部と大円部とはばね線が部分的にコイルばねの軸方向に接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
- 後端異形部の軸方向から見た形状は所定の方向に長い形状であって、前記後端異形部と大円部とはばね線がコイルばねの軸方向に接触する部分は、直径の両端付近の2カ所であり、さらに、軸方向から見たときの後端異形部のばね線の配置と、異形部のばね線の配置が略同一であることを特徴とする請求項3に記載の塗布具。
- コイルばねは、先端側の端部に配置される円筒コイル巻きの小径巻部と、前記小径巻部よりも後端側に位置する円筒コイル巻きの大径巻部とが設けられており、前記小径巻部と前記大径巻部とは円錐コイル巻きの円錐巻部を介して接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布具。
- 円錐巻部におけるばね線の線径に対する隣の巻きとのずれ幅が40%以上〜65%以下であることを特徴とする請求項5に記載の塗布具。
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