JP2006170079A - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変動弁機構の過渡時の遅れに拘わらず要求通りの特性のトルク応答性を得る。
【解決手段】過渡時に静的要求トルク(A1)および動的要求トルク(A2)を算出する。第2可変動弁機構目標角度(B1)は、静的要求トルクから算出されるが、実値はB2のように遅れる。第1,第2可変動弁機構角度およびエンジン回転数と、これらにより実現できるトルクと、の関係を用いて、第2可変動弁機構の実値において要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度を目標値(D2)として算出する。時間t2〜t5の間は、第2可変動弁機構の実値の下で要求トルクを実現し得る第1可変動弁機構角度が存在しないので、前回の計算ステップで設定した目標角度およびそれより僅かに大きい仮の第1可変動弁機構角度についてトルクを推定し、トルクが大となる方の角度を第1可変動弁機構の目標角度とする。これによりA3のように、トルク応答の悪化が最小限となる。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関のシリンダ内に吸入される吸入空気量を制御する吸気制御装置に関し、特に、吸気弁のバルブリフト特性の可変制御によって吸入空気量の制御を達成するようにした内燃機関の吸気制御装置に関する。
ガソリン機関においては、一般に吸気通路中に設けたスロットル弁の開度制御によって吸気量を制御しているが、良く知られているように、この種の方式では、特にスロットル弁開度の小さな中低負荷時におけるポンピングロスが大きい、という問題がある。これに対し、吸気弁の開閉時期やリフト量を変化させることで、スロットル弁に依存せずに吸気量を制御しようとする試みが以前からなされており、この技術を利用して、ディーゼル機関と同様に吸気系にスロットル弁を具備しないいわゆるスロットルレスの構成を実現することが提案されている。
特許文献1には、本出願人が先に提案した吸気弁のリフト量および作動角さらにはそのリフトの中心角を連続的に可変制御し得る可変動弁機構が開示されている。この種の可変動弁機構によれば、上述のように、スロットル弁の開度制御に依存せずにシリンダ内に流入する空気量を可変制御することが可能であり、特に負荷の小さな領域において、いわゆるスロットルレス運転ないしはスロットル弁の開度を十分に大きく保った運転を実現でき、ポンピングロスの大幅な低減が図れる。
さらに、特許文献2には、上記のように2つの可変動弁機構によって吸気弁の作動角およびその中心角を互いに独立して可変制御する構成において、トルク応答性を改善するために補正を行うことが開示されている。すなわち、2つの可変動弁機構によって吸気弁の作動角および中心角を個々に制御する場合、運転状態が急に変化する過渡時に、2つの可変動弁機構がそれぞれ目標値に対しある程度の遅れをもって作動することから、吸入空気量が目標値からずれることがある。本出願人が先に提案した特許文献2では、中心角を変化させる一方の可変動弁機構の応答遅れを、作動角を変化させる他方の可変動弁機構により補償するようにしている。
特開2001−263105号公報 特開2004−251274号公報
しかしながら、過渡の態様はさまざまであり、例えば、中心角を変化させる一方の可変動弁機構の応答遅れを、作動角を変化させる他方の可変動弁機構により補償する場合、さまざまな条件での応答遅れを考慮して、他方の可変動弁機構の補正量を適合しなければならず、適合要素が多くなり、あらゆる条件で最大限の補正効果が得られるとは言えない。
この発明は、請求項1のように、内燃機関の吸気弁のリフト特性を規定する第1のパラメータおよび第2のパラメータを、それぞれ独立して連続的に変化させる第1可変動弁手段および第2可変動弁手段を備え、各可変動弁手段を介して各パラメータを可変制御することによりエンジントルクを制御する内燃機関の吸気制御装置において、
上記第2可変動弁手段による第2のパラメータの実値を検出もしくは推定する手段と、
この第2のパラメータの実値の下において要求トルクを実現できる第1可変動弁手段の第1のパラメータの値が存在するかどうかを判定する要求トルク実現可否判定手段と、
この判定により、要求トルクを実現できる第1のパラメータの値が少なくとも1点存在する場合に、これに沿って上記第1可変動弁手段の目標値を設定する実現可能時第1可変動弁手段目標値設定手段と、
上記の判定により、要求トルクを実現できる第1のパラメータの値が存在しない場合に、その代替となる第1可変動弁手段の目標値を設定する実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段と、
を有することを特徴としている。
このような請求項1の発明によれば、例えば過渡時に、第2可変動弁手段により可変制御される第2のパラメータの変化に応答遅れがあった場合に、第2のパラメータの実値に対し、実際に要求トルクを実現し得る第1のパラメータの値が第1可変動弁手段の目標値として与えられるため、第2可変動弁手段の応答速度に拘わらずに、所望のトルク応答性に近いトルク応答性を実現することが可能である。そして、特に、第2のパラメータの実値に対し、要求トルクを実現し得る第1のパラメータが存在しない場合でも、その代替として適切な目標値が第2可変動弁手段に与えられ、トルクの不安定化を招来することがない。
例えば、第1および第2のパラメータの一方は、吸気弁の作動角であり、他方は作動角の中心角である。従って、両者の組み合わせにより、吸気弁の開時期と閉時期とが定まる。
また例えば、第1および第2のパラメータの一方は、吸気弁の開時期であり、他方は吸気弁の閉時期である。
例えば、上記第1可変動弁手段は、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に変化させる第1の可変動弁機構であり、上記第2可変動弁手段は、吸気弁の作動角の中心角を連続的に遅進させる第2の可変動弁機構である。
請求項2の発明では、上記要求トルク実現可否判定手段は、第2のパラメータの実値が、要求トルクを実現できる第1のパラメータおよび第2のパラメータの組み合わせの中に存在するかどうかを判定する。
従って、どのような要求トルクに対しても、そのトルクを実現できる第2のパラメータの範囲が求まり、第2のパラメータの現在の実値と比較することにより、精度良く要求トルク実現可否判定を行うことができる。これは、トルク応答の安定性へと繋がる。
請求項3の発明では、上記要求トルク実現可否判定手段は、要求トルクが、第2のパラメータの実値の下において実現できる最大トルク以下であるかどうかを判定する。
従って、第2のパラメータの実値がどこにあろうとも、その実値の下で実現できる最大トルクを算出するので、現在の要求トルクと比較することにより精度良く要求トルク実現可否判定を行うことができる。これは、トルク応答の安定性へと繋がる。
請求項4の発明では、上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、前回の計算ステップで設定した値を今回の目標値に設定する。つまり、目標値を変化させないので、トルク応答が第2可変動弁手段の応答のみにより決まり、確実にトルク応答を安定させることができる。
請求項5の発明では、上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、前回の計算ステップで設定した値およびその近辺の値におけるトルクを推定し、最もトルクが大きくなる第1のパラメータの値を第1可変動弁手段の目標値とする。つまり、前回の計算ステップで設定した目標値近辺で、最もトルクが大きくなる第1のパラメータの値を探すので、トルク応答の悪化をより抑えることができる。
請求項6の発明では、上記実現不可時第1可変動弁機構目標値設定手段は、現在のエンジン回転数においてトルクが最大となる定常設定における第1可変動弁手段の定常設定値を目標値とする。従って、第2のパラメータの現在の実値における最大トルクに近いトルクを実現する第1可変動弁手段の目標値を簡単に算出することができ、トルク応答の悪化を抑えることができる。
請求項7の発明では、上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、現在の第2のパラメータの実値の下において最大トルクを実現する第1のパラメータの値を第1可変動弁手段の目標値とする。これにより、トルク応答の悪化を最小限に抑えることができる。
この発明によれば、例えば作動角と中心角とのように2つの可変制御されるパラメータの組み合わせによりエンジントルクを制御する構成において、過渡時に、一方のパラメータの実値に対し実際に要求トルクを実現し得るように他方のパラメータの目標値が与えられるため、要求に沿ったトルク応答性を実現することができるとともに、一方のパラメータの実値の下で要求トルクを実現し得る他方のパラメータが存在しない場合でも、トルクの不安定化を招来することがない。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関の吸気制御装置のシステム構成を示す構成説明図であって、内燃機関1は、吸気弁3と排気弁4とを有し、かつ吸気弁3の動弁機構として、吸気弁3のリフト・作動角を連続的に拡大・縮小させることが可能な第1可変動弁機構(VEL)5および作動角の中心角を連続的に遅進させることが可能な第2可変動弁機構(VTC)6を備えている。また、吸気通路7には、モータ等のアクチュエータにより開度が制御される負圧制御弁2が設けられている。ここで、上記負圧制御弁2は、吸気通路7内に、ブローバイガスの処理などのために必要な僅かな負圧(例えば−50mmHg)を発生させるために用いられており、吸入吸気量の調整は、上記第1、第2可変動弁機構5、6により吸気弁3のリフト特性を変更することで行われる。
より詳しくは、所定の低負荷側の領域(第1の領域)では、吸入負圧が一定(例えば−50mmHg)となるように負圧制御弁2の開度(目標開度tBCV)が制御される。そして、この一定の負圧を発生させながらリフト特性の変更で実現できる最大負荷を要求負荷が超える高負荷側の領域(第2の領域)では、その限界となる点のリフト特性に固定され、負荷、例えばアクセル開度APOの増加に伴い、負圧制御弁2の開度がさらに増加する。つまり、ある負荷までは比較的弱い吸入負圧を維持しつつ吸気弁3のリフト特性を変更することで吸入空気量の調整が行われ、全開領域に近い高負荷側の領域では、吸入負圧を減少させることによって、吸入空気量の調整が行われる。
これらの第1、第2可変動弁機構5、6および負圧制御弁2は、コントロールユニット10によって制御されている。
また、燃料噴射弁8が吸気通路7に配置されており、上記のように吸気弁3もしくは負圧制御弁2により調整された吸入空気量に応じた量の燃料が、この燃料噴射弁8から噴射される。従って、内燃機関1の出力は、第1の領域では、第1、第2可変動弁機構5、6により吸入空気量を調整することによって制御され、第2の領域では、負圧制御弁2により吸入空気量を調整することによって制御される。
上記のコントロールユニット10は、運転者により操作されるアクセルペダルに設けられたアクセル角度センサ11からのアクセル開度信号APOと、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数信号Neと、吸入空気量センサ13からの吸入空気量信号と、を受け取り、これらの信号に基づいて、燃料噴射量、点火時期、第1可変動弁機構目標角度(目標作動角)、第2可変動弁機構目標角度(目標中心角)をそれぞれ演算する。そして、要求の燃料噴射量および点火時期を実現するように燃料噴射弁8および点火プラグ9を制御するとともに、目標作動角および目標中心角を実現するための制御信号を、第1可変動弁機構5のアクチュエータおよび第2可変動弁機構6のアクチュエータへそれぞれ出力する。ここで、上記第1可変動弁機構5は、電動モータを用いたアクチュエータによって駆動され、第2可変動弁機構6は、機関潤滑油圧を油圧源とする油圧式アクチュエータによって駆動される。そして、目標値が変化したときの第1可変動弁機構5の機構的な遅れは比較的小さく、第2可変動弁機構6の機構的な遅れは比較的大きい。なお、上記第1可変動弁機構5および第2可変動弁機構6は、その機械的な構成は公知であり、例えば上述した特許文献1に記載の装置と同様の構成を有している。従って、その詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の制御の第1実施例を示し、上記の構成における、第1可変動弁機構目標角度tVEL、第2可変動弁機構目標角度tVTCおよび負圧制御弁目標開度tBCVを算出する処理の概略的なフローチャートである。ここでは、負荷を表す負荷パラメータとして、エンジントルク(以下トルク)Teを用いているが、吸入空気量などの他の負荷を表すパラメータを用いてもよい。まず、アクセル開度APOとエンジン回転数Neから静的要求トルクtTesを算出し(ステップ101)、この静的要求トルクtTesに適宜な修正を加えて動的要求トルクtTedを算出する(ステップ102)。次に、静的要求トルクtTesとエンジン回転数Neから第2可変動弁機構目標角度tVTCを算出し(ステップ103)、検出した第2可変動弁機構実値rVTCを読み込み(ステップ104)、動的要求トルクtTedから第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する(ステップ105)。また、動的要求トルクtTedから負圧制御弁目標開度tBCVを算出する(ステップ106)。なお、この例では、アクセル開度APOとエンジン回転数Neに基づき算出した静的要求トルクtTesからさらに動的要求トルクtTedを算出し、以降の処理で用いているが、動的要求トルクtTedを算出せずに静的要求トルクtTesを以降の処理でそのまま用いてもよい。
図3は、上述した第1実施例における第1可変動弁機構目標角度算出処理を示すフローチャートであって、上記ステップ105の詳細を示す。まず、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neから要求トルク実現可能最進角角度VTCadvを算出し(ステップ111)、第2可変動弁機構実値rVTCと比較する(ステップ112)。rVTC<VTCadvであれば、動的要求トルクtTedを実現し得るものと判定し、動的要求トルクtTedを実現する第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する(ステップ113)。一方、ステップ112でrVTC≧VTCadvの場合は、動的要求トルクtTedを実現し得ないものと判定し、ステップ114以降へ進んで、要求トルクを実現できない場合の第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する。
すなわち、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzにおけるトルクTe_tVELzを推定(ステップ114)するとともに、前回の第1可変動弁機構目標角度tVELzから、その近辺の点となる仮の第1可変動弁機構角度VELtempを算出して(ステップ115)、この仮の第1可変動弁機構角度VELtempにおけるトルクTe_VELtempを推定する(ステップ116)。次に、これら2つの推定トルクを比較して(ステップ117)、Te_tVELz≧Te_VELtempであれば、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzを第1可変動弁機構目標角度tVELとする(ステップ118)。一方、Te_tVELz<Te_VELtempの場合は、仮の第1可変動弁機構角度VELtempを第1可変動弁機構目標角度tVELとする(ステップ119)。
図4は、この第1実施例の制御の内容を機能ブロック図として示したものである。ここで、APOはアクセル開度、Neはエンジン回転数、であり、これらに基づいて、静的要求トルク演算部101において、静的要求トルクtTesが算出され、動的要求トルク演算部102において、動的要求トルクtTedが算出される。この静的要求トルクtTesとエンジン回転数Neに基づいて、第2可変動弁機構目標角度算出マップmpVTC(105)から第2可変動弁機構目標角度tVTCを検索し、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neに基づいて、負圧制御弁目標開度演算部103において負圧制御弁目標開度tBCVが算出される。また、動的要求トルクtTedと第2可変動弁機構実値rVTCおよびエンジン回転数Neに基づいて、第1可変動弁機構目標値演算部104において第1可変動弁機構目標値tVELが算出される。
ここで、動的要求トルク演算部102では、設計者が自由に設定した動的要求トルクが得られるように演算される。そのため、静的要求トルクと同等の動的要求トルクが得られることもありうる。
図5は、この第1実施例における第1可変動弁機構目標角度演算部104の内容を機能ブロック図として示したものである。ここで、tTedは動的要求トルク、Neはエンジン回転数、rVTCは第2可変動弁機構実値、tVELzは前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度、であり、これらに基づいて、要求トルクを実現できる場合の第1可変動弁機構目標角度tVELもしくは要求トルクを実現できない場合の第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する。
要求トルクを実現できるかどうかの判定については、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCに応じて、点線で囲んで示す要求トルク実現可否判定部201で判定する。ここでは、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neに基づいて、要求トルク実現可能最進角角度算出マップmpVTCadv(203)から要求トルク実現可能最進角角度VTCadvを算出し、ブロック204での比較により、要求トルク実現可能最進角角度VTCadvが第2可変動弁機構実値rVTCより大きければ、ブロック206のフラグを1とし、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCと前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標値tVELzとに基づいて、実現可能時第1可変動弁機構目標角度演算部205において算出した第1可変動弁機構目標角度tVELを、ブロック206を通して出力する。
上記実現可能時第1可変動弁機構目標角度演算部205は、例えば、作動角VELと中心角VTCとエンジン回転数Neとこれらにより実現されるトルクとの四者の既知の関係をマップ化した多次元マップからなり、この多次元マップを参照して、上記の3つのパラメータに対応する第1可変動弁機構目標角度tVELの値を検索する。
VTCadv>rVTCでなければ、ブロック206のフラグを0に切り換え、エンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCと前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzとに基づいて、点線で囲んで示す実現不可時第1可変動弁機構目標角度演算部202において算出した第1可変動弁機構目標角度tVELを、ブロック206を通して出力する。上記実現不可時第1可変動弁機構目標角度演算部202では、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCとに基づいて第1トルク推定部207において推定されたトルクTe_tVELzと、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzに微小角度dVELを加える(209,210)ことにより算出された仮の第1可変動弁機構角度VELtempとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCとに基づいて第2トルク推定部208において推定されたトルクTe_VELtempと、をブロック211において比較する。この比較の結果、Te_tVELzがTe_VELtemp以上であれば、ブロック212を通して、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzを第1可変動弁機構目標角度tVELとし、そうでなければ、仮の第1可変動弁機構角度VELtempを第1可変動弁機構目標角度tVELとする。なお、本実施例では、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzの近辺の点を1点だけ設定して、2点間の比較を行っているが、3点以上で比較を行っても良い。
図6は、上記第1実施例による過渡時の作用を示すタイムチャートである。これは、エンジン回転数がある回転数で一定に保たれていると仮定して、アクセルペダルの踏み込み量を増やす過渡走行を行った際の作用であり、(a)トルク、(b)第2可変動弁機構角度VTC、(c)要求トルク実現可否判定フラグ、(d)第1可変動弁機構角度VEL、の変化を示している。ここで、第1可変動弁機構5の応答性は第2可変動弁機構6の応答性に比べ非常によく、無視できるものとする。走行中に時間t1からt3までアクセルペダルの踏み込み量を増やすと、アクセル開度に対応した静的要求トルクtTesが(a)の符号A1で示す線のように得られ、動的要求トルクtTedが(a)の符号A2で示す線のように得られる。この動的要求トルクtTedは、時間t4で静的要求トルクと一致する。
第2可変動弁機構目標角度tVTCは、静的要求トルクtTesから(b)の符号B1で示す線のように算出され、これに対し応答遅れを伴う第2可変動弁機構6の実値tVTCが、(b)の符号B2で示す線のように得られる。なお、(b)の符号B3で示す線は、動的要求トルクtTedから算出した場合の第2可変動弁機構目標角度である。
定常時の設定に基づく第1可変動弁機構静的目標角度tVELsは、動的要求トルクtTedから(d)の符号D1で示す線のように算出される。また、動的要求トルクtTedから要求トルク実現可能最進角角度VTCadvが(b)の符号B4で示す線のように算出される。時間t2から時間t5の間は、rVTC≧VTCadvとなり、要求トルク実現可否判定フラグは(c)の符号C1で示す線のように0となる。すなわち、この間は要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度は存在しない。
要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在する場合は、前述した実現可能時第1可変動弁機構目標角度演算部205によって、第2可変動弁機構実値rVTCの下で動的要求トルクtTedを発生する第1可変動弁機構目標角度tVELが、(d)の符号D2で示す線のように求められる。特に、この線D2の中で、要求トルクを実現できる第1可変動弁機構目標角度が存在することを示す要求トルク実現可否判定フラグが1である、時間t1から時間t2の間および時間t5から時間t6の間の部分が、これに相当する。このように第2可変動弁機構実値rVTCを基礎として実際に要求トルクを実現し得る第1可変動弁機構目標角度tVELを与えることで、例えば時間t1から時間t2の間で、目標とする動的要求トルクtTedに沿ったトルク応答が得られる。
一方、時間t2から時間t5の間は、要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在しないため、仮に、前述した実現可能時第1可変動弁機構目標角度演算部205によって同様の制御を継続したとすると、必ずしもトルク応答が安定するような第1可変動弁機構目標角度が算出されるとは限らない。
本実施例では、要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在しないと判定された場合、すなわち、要求トルク実現可否判定フラグが0となった場合、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzと、前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度に微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度VELtemp((d)の符号D3で示す点線)と、の2つの点の中で、第2可変動弁機構実値rVTCにおける推定トルクが大きくなる方の第1可変動弁機構角度を第1可変動弁機構目標角度tVELとするので、厳密には要求トルクを実現できなくても、その第2可変動弁機構実値rVTCにおいて実現できる最大トルクに非常に近いトルクを実現することができ、(a)の符号A3で示す線のように、安定で、かつトルク応答の悪化を最小限に抑えたトルク応答を実現することができる。
図7は、図6に示したタイムチャートの要部の詳細を示すものであって、時間t2付近を拡大し、計算ステップごとの変化を示したタイムチャートである。なお、Δtは、各計算ステップの時間間隔である。上述したように、この例では、時間t2以降で(a)の符号A1で示す動的要求トルクtTedを実現できる第1可変動弁機構角度が存在しない。時間t2の直前の時間t2−Δtでは、(b)の符号b12で示す要求トルク実現可能最進角角度VTCadvよりも、(b)の符号b11で示す第2可変動弁機構実値rVTCが小さいので、(a)の符号a1で示す動的要求トルクtTedを実現するように、(d)の符号d1で示す第1可変動弁機構目標角度tVELが算出される。
時間t2では、(b)の符号b22で示す要求トルク実現可能最進角角度VTCadvよりも、(b)の符号b21で示す第2可変動弁機構実値rVTCが大きいので、(c)の符号c1で示す点のように、時間t2−Δtで1だった要求トルク実現可否判定フラグが、(c)の符号c2で示す点のように、0となる。このとき、時間t2−Δtでの第1可変動弁機構目標角度tVELz((d)の符号d21)において推定されたトルクTe_tVELz((a)の符号a21)と、このtVELzに(d)の符号D0で示す微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度VELtemp((d)の符号d22)において推定されたトルクTe_VELtemp((a)の符号a22)と、を比較すると、(a)の符号a21で示すトルクTe_tVELzの方が大きいので、(d)の符号d21で示す第1可変動弁機構角度tVELzを第1可変動弁機構目標角度tVELとする。
時間t2+Δt以降も同様にして第1可変動弁機構目標角度を算出する。時間t2+Δtでは、時間t2での第1可変動弁機構目標角度tVELz((d)の符号d31)において推定されたトルク((a)の符号a31)と、このtVELzに(d)の符号D0で示す微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度((d)の符号d32)において推定されたトルク((a)の符号a32)と、を比較すると、(a)の符号a31で示すトルクの方が大きいので、(d)の符号d31で示す第1可変動弁機構角度を第1可変動弁機構目標角度とする。時間t2+2*Δtでは、時間t2+Δtでの第1可変動弁機構目標角度tVELz((d)の符号d41)において推定されたトルク((a)の符号a41)と、このtVELzに(d)の符号D0で示す微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度((d)の符号d42)において推定されたトルク((a)の符号a42)と、を比較すると、(a)の符号a41で示すトルクの方が大きいので、(d)の符号d41で示す第1可変動弁機構角度を第1可変動弁機構目標角度とする。
さらに、時間t2+3*Δtでは、時間t2+2*Δtでの第1可変動弁機構目標角度tVELz((d)の符号d51)において推定されたトルクTe_tVELz((a)の符号a51)と、このtVELzに(d)の符号D0で示す微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度((d)の符号d52)において推定されたトルクTe_VELtemp((a)の符号a52)と、を比較すると、(a)の符号a52で示すトルクTe_VELtempの方が大きいので、ここでは、(d)の符号d52で示す仮の第1可変動弁機構角度VELtempを第1可変動弁機構目標角度tVELとする。
時間t2+4*Δtでは、時間t2+3*Δtでの第1可変動弁機構目標角度tVELz((d)の符号d61)において推定されたトルク((a)の符号a61)と、このtVELzに(d)の符号D0で示す微小角度を加えた仮の第1可変動弁機構角度((d)の符号d62)において推定されたトルク((a)の符号a62)と比較すると、(a)の符号a61で示すトルクのほうが大きいので、(d)の符号d61で示す第1可変動弁機構角度を第1可変動弁機構目標角度とする。以上のようにして、時間t2以降のトルクは、(a)の符号A2で示す線のように得られる。
図8は、上記第1実施例による第1可変動弁機構角度VELおよび第2可変動弁機構角度VTCの組み合わせの推移を示すグラフである。詳しくは、過渡走行の際の吸気弁の最大リフト点(換言すれば中心角におけるリフト)の推移(変化の軌跡)を機関のトルクとともに示したグラフである。図の横軸がリフトの中心角VTC、縦軸が作動角(換言すればリフト)VELを示し、両者の組み合わせとして最大リフト点が定まる。そして、この最大リフト点は、機関の体積効率ひいてはトルクに相関する。ここで、同一トルクを実現するための作動角と中心角の組み合わせは多数存在し、従って、トルクは等トルク線として等高線状に示されている。
図8は、図6および図7の過渡走行での推移を表したものであり、アクセル開度に応じて、要求トルクが符号T1で示すトルクから符号T2で示すトルクまで増加し、その動的要求トルクに応じた第1可変動弁機構5および第2可変動弁機構6の静的目標角度は、符号Sで示す定常設定上の符号s1で示す点から符号s2で示す点まで変化する。図6における時間t2では、動的要求トルクtTedは符号T3で示すトルクとなり、この動的要求トルクtTedに対する定常設定は符号s3で示す点で、このときの第2可変動弁機構角度は、符号v21で示す角度である。上記のように、このとき、符号v23で示す第2可変動弁機構実値rVTCは、符号v22で示す要求トルク実現可能最進角角度VTCadvより大きい(進角側にある)ので、動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度は存在しない。そして、符号v11で示す前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度の方が、符号v12で示す仮の第1可変動弁機構角度より、第2可変動弁機構実値における推定トルクが大きくなるので、符号v11で示す前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度を、時間t2における第1可変動弁機構目標角度とする。
このようにして、動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度が存在しない間の第1可変動弁機構目標角度を設定する。図6における時間t4以降では、符号T2で示す動的要求トルクtTedに対する定常設定は符号s2で示す点で、第2可変動弁機構角度は符号v24で示す角度となる。さらに時間が経過して図6における時間t5以降では、第2可変動弁機構実値rVTCが、符号v25で示す要求トルク実現可能最進角角度VTCadvより小さくなる(遅角側になる)ので、動的要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在し、その角度を第1可変動弁機構目標角度tVELとする。このようにして、過渡時の第1可変動弁機構目標角度tVELは、符号Dで示す線のように得られる。
次に、図9〜図12に基づいて、本発明の第2実施例について説明する。
図9は、第2実施例における第1可変動弁機構目標角度算出処理を示すフローチャートであって、前述した図2のフローチャートにおけるステップ105の詳細を示す。まず、第2可変動弁機構実値rVTCとエンジン回転数Neから最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを算出し(ステップ121)、この最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELから現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeを算出して(ステップ122)、動的要求トルクtTedと比較する(ステップ123)。tTed<MAXTeであれば、第2可変動弁機構実値rVTCの下で要求トルクを実現し得るものと判定して、動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する(ステップ124)。一方、ステップ123でtTed≧MAXTeの場合は、第2可変動弁機構実値rVTCの下で要求トルクを実現し得ないものと判定して、最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを第1可変動弁機構目標角度tVELとする(ステップ125)。
図10は、この第2実施例における第1可変動弁機構目標角度演算部104(図4参照)の内容を機能ブロック図として示したものである。ここで、tTedは動的要求トルク、Neはエンジン回転数、rVTCは第2可変動弁機構実値、tVELzは前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度、であり、これらに基づいて、動的要求トルクを実現できる場合の第1可変動弁機構目標角度tVELもしくは動的要求トルクを実現できない場合の第1可変動弁機構目標角度tVELを算出する。
要求トルクを実現できるかどうかの判定については、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCに応じて、点線で囲んで示す要求トルク実現可否判定部301で判定する。ここでは、第2可変動弁機構実値rVTCとエンジン回転数Neに基づいて、最大トルク実現第1可変動弁機構角度算出マップmpMAXVEL(302)から最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを算出し、この最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELと第2可変動弁機構実値rVTCとエンジン回転数Neに基づいて、トルク推定部303において現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeを算出する。動的要求トルクtTedと現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeとをブロック304において比較し、動的要求トルクtTedが現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeより小さければ、第2可変動弁機構実値rVTCの下において動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度が存在すると判定して、ブロック306のフラグを1に切り換え、動的要求トルクtTedとエンジン回転数Neと第2可変動弁機構実値rVTCと前回の計算ステップでの第1可変動弁機構目標角度tVELzとに基づいて、実現可能時第1可変動弁機構目標角度演算部305において算出した第1可変動弁機構目標角度tVELを、ブロック306を通して出力する。
tTed<MAXTeでなければ、第2可変動弁機構実値rVTCの下において動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度が存在しないと判定して、ブロック306のフラグを0とし、最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを第1可変動弁機構目標角度tVELとして出力する。
図11は、上記第2実施例による過渡時の作用を示すタイムチャートである。これは、エンジン回転数がある回転数で一定に保たれていると仮定して、アクセルペダルの踏み込み量を増やす過渡走行を行った際の作用であり、(a)トルク、(b)第2可変動弁機構角度VTC、(c)要求トルク実現可否判定フラグ、(d)第1可変動弁機構角度VEL、の変化を示している。ここで、第1可変動弁機構5の応答性は第2可変動弁機構6の応答性に比べ非常によく、無視できるものとする。走行中に時間t1からt3までアクセルペダルの踏み込み量を増やすと、アクセル開度に対応した静的要求トルクtTesが(a)の符号A1で示す線のように得られ、動的要求トルクtTedが(a)の符号A2で示す線のように得られる。この動的要求トルクtTedは、時間t4で静的要求トルクと一致する。
第2可変動弁機構目標角度tVTCは、静的要求トルクtTesから(b)の符号B1で示す線のように算出され、第2可変動弁機構の実値が(b)の符号B2で示す線のように得られる。なお、(b)の符号B3で示す線は、動的要求トルクtTedから算出した場合の第2可変動弁機構目標角度である。
定常時の設定に基づく第1可変動弁機構静的目標角度tVELsは、動的要求トルクtTedから(d)の符号D1で示す線のように算出される。また、第2可変動弁機構実値rVTCから最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELが、(d)の符号D2で示す線のように算出され、トルク推定により、現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeが、(a)の符号A3で示す線のように算出される。その結果、時間t2から時間t5の間はtTed≧MAXTeとなり、要求トルク実現可否判定フラグは(c)の符号C1で示す線のように0となる。すなわち、この間は要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度は存在しない。
要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在する間、つまり時間t1から時間t2の間および時間t5から時間t6の間では、前述した第1実施例と同様に、第2可変動弁機構実値rVTCの下で動的要求トルクtTedを発生する第1可変動弁機構目標角度tVELが、(d)の符号D3で示す線のように求められる。このように第2可変動弁機構実値rVTCを基礎として実際に要求トルクを実現し得る第1可変動弁機構目標角度tVELを与えることで、例えば時間t1から時間t2の間で、目標とする動的要求トルクtTedに沿ったトルク応答が得られる。
一方、要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在しない時間t2から時間t5の間は、(d)の符号D2で示す最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを第1可変動弁機構目標角度tVELとする。従って、厳密には要求トルクを実現できなくても、(a)の符号A3で示す線のように、その第2可変動弁機構実値rVTCにおいて実現できる最大トルクを実現することができ、トルク応答の悪化を最小限に抑えたトルク応答を実現することができる。
図12は、上記第2実施例による第1可変動弁機構角度VELおよび第2可変動弁機構角度VTCの組み合わせの推移を示す前述した図8と同様のグラフである。これは、図11の過渡走行での推移を表したものであり、アクセル開度に応じて、要求トルクが符号T1で示すトルクから符号T2で示すトルクまで増加し、その動的要求トルクに応じた第1可変動弁機構5および第2可変動弁機構6の静的目標角度は、符号Sで示す定常設定上の符号s1で示す点から符号s2で示す点まで変化する。図11における時間t2では、動的要求トルクtTedは符号T3で示すトルクとなり、この動的要求トルクtTedに対する定常設定は符号s3で示す点で、このときの第2可変動弁機構角度は符号v21で示す角度である。上記のように、このとき、符号v22で示す第2可変動弁機構実値rVTCにおける最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELは符号v1で示す角度であり、この角度v1でのトルク、すなわち現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeは、符号T3で示す動的要求トルクtTedより小さい。従って、動的要求トルクを実現する第1可変動弁機構角度は存在しないことになる。そこで、符号v1で示す最大トルク実現第1可変動弁機構角度MAXVELを第1可変動弁機構目標角度tVELとし、第2可変動弁機構実値rVTCにおいて最大トルクを実現できるようにする。
このようにして、動的要求トルクを実現し得る第1可変動弁機構角度が存在しない間の第1可変動弁機構目標角度tVELを、符号Vで示す最大トルク線上に設定する。なお、この最大トルク線Vとは、同じ中心角においてトルクが最大となる作動角を中心角ごとに定め、これらを順次連続させた線である。図11における時間t4以降では、符号T2で示す動的要求トルクtTedに対する定常設定は符号s2で示す点であり、第2可変動弁機構角度は符号v23で示す角度となる。さらに時間が経過して図11における時間t5以降では、第2可変動弁機構実値rVTCが、符号v24で示す角度より遅角側になり、現第2可変動弁機構角度最大トルクMAXTeが動的要求トルクtTedより大きくなるので、動的要求トルクを実現できる第1可変動弁機構角度が存在することになり、その角度を第1可変動弁機構目標角度tVELとする。このようにして、過渡時の第1可変動弁機構目標角度tVELは、符号Dで示す線のように得られる。
なお、上記の実施例では、可変動弁手段として、リフト・作動角を変化させる第1可変動弁機構と中心角を変化させる第2可変動弁機構とを用いる構成としたが、吸気弁を電磁駆動弁によって開閉する構成とし、吸気弁の開時期および閉時期をそれぞれ可変制御するような場合でも、本発明は同様に適用できる。
本発明に係る内燃機関の吸気制御装置のシステム構成図。 本発明に係る制御の第1実施例を示すフローチャート。 この第1実施例における第1可変動弁機構目標角度算出の詳細を示すフローチャート。 第1実施例の機能ブロック図。 第1可変動弁機構目標角度演算部の詳細を示すブロック図。 第1実施例による過渡時のタイムチャート。 その要部を拡大して示すタイムチャート。 第1実施例における過渡時の最大リフト点の推移を示す特性図。 第2実施例の第1可変動弁機構目標角度算出の詳細を示すフローチャート。 第2実施例の第1可変動弁機構目標角度演算部の機能ブロック図。 第2実施例による過渡時のタイムチャート。 第2実施例における過渡時の最大リフト点の推移を示す特性図。
符号の説明
2…負圧制御弁
5…第1可変動弁機構
6…第2可変動弁機構
10…コントロールユニット
11…アクセル開度センサ

Claims (10)

  1. 内燃機関の吸気弁のリフト特性を規定する第1のパラメータおよび第2のパラメータを、それぞれ独立して連続的に変化させる第1可変動弁手段および第2可変動弁手段を備え、各可変動弁手段を介して各パラメータを可変制御することによりエンジントルクを制御する内燃機関の吸気制御装置において、
    上記第2可変動弁手段による第2のパラメータの実値を検出もしくは推定する手段と、
    この第2のパラメータの実値の下において要求トルクを実現できる第1可変動弁手段の第1のパラメータの値が存在するかどうかを判定する要求トルク実現可否判定手段と、
    この判定により、要求トルクを実現できる第1のパラメータの値が少なくとも1点存在する場合に、これに沿って上記第1可変動弁手段の目標値を設定する実現可能時第1可変動弁手段目標値設定手段と、
    上記の判定により、要求トルクを実現できる第1のパラメータの値が存在しない場合に、その代替となる第1可変動弁手段の目標値を設定する実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段と、
    を有することを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  2. 上記要求トルク実現可否判定手段は、
    第2のパラメータの実値が、要求トルクを実現できる第1のパラメータおよび第2のパラメータの組み合わせの中に存在するかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  3. 上記要求トルク実現可否判定手段は、
    要求トルクが、第2のパラメータの実値の下において実現できる最大トルク以下であるかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
  4. 上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、
    前回の計算ステップで設定した値を今回の目標値に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  5. 上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、
    前回の計算ステップで設定した値およびその近辺の値におけるトルクを推定し、最もトルクが大きくなる第1のパラメータの値を第1可変動弁手段の目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  6. 上記実現不可時第1可変動弁機構目標値設定手段は、
    現在のエンジン回転数においてトルクが最大となる定常設定における第1可変動弁手段の定常設定値を目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  7. 上記実現不可時第1可変動弁手段目標値設定手段は、
    現在の第2のパラメータの実値の下において最大トルクを実現する第1のパラメータの値を第1可変動弁手段の目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  8. 第1および第2のパラメータの一方は、吸気弁の作動角であり、他方は作動角の中心角であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  9. 第1および第2のパラメータの一方は、吸気弁の開時期であり、他方は吸気弁の閉時期であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
  10. 上記第1可変動弁手段は、吸気弁のリフト・作動角を同時にかつ連続的に変化させる第1の可変動弁機構であり、上記第2可変動弁手段は、吸気弁の作動角の中心角を連続的に遅進させる第2の可変動弁機構であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
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