JP2006169465A - 環状オレフィン重合体及びその水素添加物 - Google Patents
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Abstract
Description
本発明は液晶ディスプレイ用耐熱プラスチックフィルム、光学部品などの光学用途への利用が期待される新規な透明耐熱樹脂を提供するものである。
これまで、光学用途に用いられる透明耐熱樹脂としては、環状オレフィン樹脂が知られており、例えば、テトラシクロデセン系化合物、及びノルボルネン系化合物をメタセシス重合し、水素添加したもの(特許文献1〜4参照。)、エチレンとノルボルネン系化合物、またはエチレンとシクロデセン系化合物の付加重合体(特許文献5参照。)、ノルボルネン系化合物の付加重合体(特許文献6〜9参照。)、アルコキシシリル基を有するノルボルネン系化合物の付加重合体(特許文献10参照。)等が例示される。これら樹脂の耐熱性はそのガラス転位点により決まり、概ね165℃以下であった。一方、光学樹脂に対しては、年々、要求される耐熱性が高まってきており、これら樹脂の耐熱性を上回る樹脂が望まれていた。
また、トリシクロデカンビニルエ−テル化合物、及びその重合体は公知であり、例えば、単独重合体の重合技術が記載されている(非特許文献1参照。)ものの、トリシクロデカンビニルエーテルとシクロペンタジエンを付加させて得られる二重結合含有環状脂肪族エーテル及びその重合体については報告がない。
本発明はかかる要請に基づいてなされたものであり、高いガラス転位点をもつ耐熱性の光学用の透明樹脂を提供するものである。
本発明者は、かかる問題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する重合体が、目的とする耐熱性を有する透明性樹脂として有効であることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は
下記の一般式(1)
下記の一般式(1)
で表わされる繰り返し単位を有する重合体、一般式(1)で表わされる繰り返し単位のみからなる重合体及びこれらの水素添加物に関する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を有する環状オレフィン重合体は、下記一般式(2)で表される重合性モノマーをメタセシス開環重合することにより得られる。
一般式(2)で表される重合性モノマーは、ビニルエーテル類とシクロジエン類のディールスアルダー反応により製造される。該ビニルエーテル類としてはトリシクロデカンビニルエーテルを用いることができる。また、シクロジエン類としてはシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等のディールスアルダー反応によりビニルエーテルを付加可能な脂肪族の環状ジエン類が用いられ、本質的に環状ジエンであればその種類を問わない。上記の付加反応においては、ビニルエーテル類及び環状ジエン類間の付加反応により一般式(2)においてnが0である目的物が生成する。この反応以外に、環状ジエン類間の付加反応も起こる。従い、生成した環状ジエン類とビニルエーテル類との間で更に付加反応が進行し、一般式(2)においてnが1で定義される目的物も生成する。このような副反応により、一般式(2)においてnが0または正の整数で定義される目的物が、nが異なる混合組成物として得られ、本発明のビニルエーテル誘導体は本質的にnが異なる数種の成分を含んでいる。この混合物から蒸留等により目的とする成分を分離することができるが、本質的に1成分だけを取り出すのは経済的に有利ではなく、通常、主成分に対して2%から40%のnが異なる成分を複数成分含んでいてもよい。
本反応におけるシクロジエン類のビニルエーテル類に対する仕込みモル比は15〜0.6が好ましく、更に好ましくは10〜1.5である。この比率が15以上では生成物の収量が低く経済性に問題があり、0.5以下では生成物の転化率が低くなり収量が低下するため好ましくない。
本反応は無溶剤で行うのが好ましいが、反応に不活性な溶媒を加えることに何らの制限もなく、ペンタン、オクタン、ノナン等のアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ハロゲン化アルカン類、ハロゲン化芳香族炭化水素、カルボン酸エステル、環状エーテル、或いは線状ジアルキルエーテル等が例示される。
反応温度は通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃、更に好ましくは180〜240℃である。反応方法は何ら制限を受けず、バッチ、及び連続反応の何れも用いることが出来るが、経済性の面から連続反応が好ましい。
一般式(2)で表わされる重合性モノマーは、メタセシス開環重合法により環状オレフィン重合体とすることができ、メタセシス重合触媒としては公知のものを用いることが出来る。即ち、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、白金、タングステン、モリブデン、レニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の金属化合物(I)、及び周期表1,2,3,4族の金属化合物(II)を用いることが出来る。
タングステン、モリブデン、レニウム化合物は、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、カルボン酸塩、アセチルアセトナート配位物、酸化物のアセチルアセトナート配位物、アセトニトリル配位物、ヒドリド錯体が例示されるが、特にハロゲン化物、オキシハロゲン化物は重合活性が高く好適であり、WCl6,WOCl4,MoCl5,MoOCl3,ReCl3,WCl2(OC6H5)4、MoO2(acac)2,W(OCOR)5が例示され、特にWCl6,MoCl5が好ましい。
また、周期表1,2,3,4族の金属化合物としては、n−ブチルリチウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、トリメチルガリウム、トリメチルスズ、n−ブチルスズ等が例示され、特にテトラメチルスズ、テトラフェニルスズが好ましい。金属化合物(I)、及び(II)の比率は金属原子のモル比として1/1〜1/30、好ましくは1/2〜1/20の範囲で用いられる。また、活性向上剤としてアルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類を添加してもよい。
メタセシス開環重合に用いられる溶剤としては、ペンタン、オクタン、ノナン等のアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、ハロゲン化アルカン類、ハロゲン化芳香族炭化水素、カルボン酸エステル、環状エーテル、或いは線状ジアルキルエーテル等が例示される。
環状オレフィン重合体の分子量調節剤としては、エチレン、1−ヘキセン、1−ヘプテン等のα―オレフィン類が好適に用いられる。分子量調節剤は2種類以上併用することができる。分子量調節剤の使用量は、仕込みモノマー1モルあたり0.001から0.5モル、好ましくは0.002から0.4モルであるが、重合温度、重合触媒種及びその量により適宜変更することが好ましい。
本発明の一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する環状オレフィン重合体は、一般式(2)の重合性モノマーを単独重合しても、他の共重合モノマーと共重合してもよい。単独重合した場合、一般式(1)で表わされる繰り返し単位のみからなる環状オレフィン重合体が得られる。共重合する場合、主として用いられる共重合モノマーの例としてはシクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、トリシクロ[6.2.1.01,8]−9−ウンデセン、トリシクロ[6.2.1.01,8]−4−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−11−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−ペンタデカ−4,11−ジエン等が例示され、シクロオレフィン類が好適に用いられる。共重合におけるこれら化合物の仕込み比は生成する重合体のガラス転位点により決定され特に制限はないが、共重合するモノマーは主原料モノマーに対して50モル%を超えない範囲で使用され、好ましくは30モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。
本発明の環状オレフィン重合体は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常10000〜300000の物が得られる。
本発明の一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有する重合体は、安定性、耐熱性を向上させるために、水素添加することが好ましい。水素添加には、通常のオレフィン性化合物の水素化触媒を用いることができ、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム等をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニアに坦持させた坦持触媒の他、均一触媒も使用でき、ナフテン酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、オクテン酸コバルト、チタノセンジクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が例示される。また、これら触媒の助触媒としてはトリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム類、n−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類を使用することが出来る。
用いられる触媒の形態は特に制限を受けず、粉末状でも粒状でも問題なく用いることが出来る。水素添加触媒の使用量は開環重合体に対して重量比で0.5〜2ppmが好適に用いられる。また、水素添加率は通常60%、好ましくは90%、更に好ましくは98%である。水素添加率が60%以下では得られる水素添加物の熱安定性に問題が生じる場合があるため、出来る限り水素添加率を上げるのが好ましい。水素添加率が90%を超えると熱安定性に優れるものとなり、水素添加率が98%に達すると100%完全水素添加物と同等の熱安定性を示す。
開環重合体溶液に水素を添加し、常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧で反応させることで水素添加できる。この際の温度としては、0〜200℃、更に好ましくは20〜180℃が用いられる。
水素化溶剤は特に制限を受けず、上記の水素添加反応条件において水素添加されないものであればどのような溶剤を用いても良く、経済性、作業性の点から好ましくは重合体溶剤と共通のものを用いるのが好ましい。
本発明の環状オレフィン重合体、特にその水素添加物は、高いガラス転位点をもち耐熱性が高く、また、光線透過率も高く、フィルム、シートに適しており、液晶ディスプレイ用耐熱プラスチックフィルム、光学部品などの光学用途に利用することができる。
本発明により液晶ディスプレイ用途等に用いることが出来る光学用フィルム、シート等へ加工可能な高耐熱性の透明樹脂を提供することが出来る。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。
実施例に用いた原料、及び入手は下記の通り。
ジシクロペンタジエン:和光純薬 試薬一級
トリシクロデカンビニルエーテル:丸善石油化学製TCD−VE
ヒドロキノン:和光純薬 試薬一級
合成例1
300mlのガラス製蒸留装置に100mlのジシクロペンタジエンを仕込み、マントルヒータ−で220℃に加熱して、熱分解により生成したシクロペンタジエンの沸点39.5℃の留分をドライアイスメタノール浴で冷却した受器中に液化させる手法で分離した。
トリシクロデカンビニルエーテル:丸善石油化学製TCD−VE
ヒドロキノン:和光純薬 試薬一級
合成例1
300mlのガラス製蒸留装置に100mlのジシクロペンタジエンを仕込み、マントルヒータ−で220℃に加熱して、熱分解により生成したシクロペンタジエンの沸点39.5℃の留分をドライアイスメタノール浴で冷却した受器中に液化させる手法で分離した。
次に、シクロペンタジエン16.26グラム(0.247モル)、トリシクロデカンビニルエーテル76g(0.37モル)、及び触媒量のヒドロキノンを300mlのステンレス製オートクレーブに仕込み、窒素置換した後、220℃に加熱し、加熱状態で5時間反応させた。その後、反応器を冷却し、内容物から原料であるトリシクロデカンビニルエーテルを減圧蒸留により分離し、更にシクロペンタジエンが付加したトリシクロデカンビニルエーテル誘導体(トリシクロデカニル−トリシクロデセニルエーテル)(以下、モノマーという)であって、主成分としてビシクロ[2,2,11,4]−ヘプテニル トリシクロ[3,2,0,11,7]−デカニル エーテルを95%を含む成分を分離した。この化合物の構造はガスクロマトグラフによる成分比、及びGCマススペクトルによる質量分析、1H−NMRによる二重結合部分、メチン、及びメチレン部の水素の強度比を併用して、成分組成、構造を確認した。収量は8グラムであった。
合成例2
合成例1と同様の方法で得たシクロペンタジエン32.52グラム(0.494モル)、トリシクロデカンビニルエーテル152g(0.78モル)、及び触媒量のヒドロキノンを1リットルのステンレス製オートクレーブに仕込み、窒素置換した後、220℃に加熱し、加熱状態で5時間反応させた。その後、反応器を冷却し、内容物から原料であるトリシクロデカンビニルエーテルを減圧蒸留により分離し、更にシクロペンタジエンが付加したトリシクロデカンビニルエーテル誘導体(トリシクロデカニル−トリシクロデセニルエーテル)であって、主成分としてビシクロ[2,2,11,4]−ヘプテニル トリシクロ[3,2,0,11,7]−デカニル エーテルを95%含む成分を分離した。この化合物の構造はガスクロマトグラフによる成分比、及びGCマススペクトルによる質量分析、1H−NMRによる二重結合部分、メチン、及びメチレン部の水素の強度比を併用して、成分組成、構造を確認した。収量は20グラムであった。
合成例1と同様の方法で得たシクロペンタジエン32.52グラム(0.494モル)、トリシクロデカンビニルエーテル152g(0.78モル)、及び触媒量のヒドロキノンを1リットルのステンレス製オートクレーブに仕込み、窒素置換した後、220℃に加熱し、加熱状態で5時間反応させた。その後、反応器を冷却し、内容物から原料であるトリシクロデカンビニルエーテルを減圧蒸留により分離し、更にシクロペンタジエンが付加したトリシクロデカンビニルエーテル誘導体(トリシクロデカニル−トリシクロデセニルエーテル)であって、主成分としてビシクロ[2,2,11,4]−ヘプテニル トリシクロ[3,2,0,11,7]−デカニル エーテルを95%含む成分を分離した。この化合物の構造はガスクロマトグラフによる成分比、及びGCマススペクトルによる質量分析、1H−NMRによる二重結合部分、メチン、及びメチレン部の水素の強度比を併用して、成分組成、構造を確認した。収量は20グラムであった。
実施例1
窒素置換した300mlの反応器に、シクロヘキサン100ml、合成例1で得られたモノマー8グラム、触媒として六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液2ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.2mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られた反応溶液をメタノールに注いでポリマーを単離した。メタノールで数回洗浄を行った後、40℃で一昼夜減圧乾燥を行い、7.9gの環状オレフィン重合体を得た。GPC測定により、得られた重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は120000であった。
窒素置換した300mlの反応器に、シクロヘキサン100ml、合成例1で得られたモノマー8グラム、触媒として六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液2ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.2mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られた反応溶液をメタノールに注いでポリマーを単離した。メタノールで数回洗浄を行った後、40℃で一昼夜減圧乾燥を行い、7.9gの環状オレフィン重合体を得た。GPC測定により、得られた重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は120000であった。
得られた重合体7グラム、トルエン30グラム、ルテニウムハイドライドトリフェニルホスフィン錯体0.1mgを100ccのステンレスオートクレーブに仕込み攪拌して、均一なポリマー溶液を得た。引き続き、水素ガス圧10MPa、温度160℃において、4時間攪拌下、水素添加反応を行った。反応溶液を冷却後、過剰な水素を放出、脱圧後、反応溶液を大量の塩酸―メタノール溶液に注ぎ、ポリマーを単離した。得られたポリマーを50℃で一昼夜減圧乾燥して7gの水素添加物を得た。この水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量は150000、ガラス転位点は171℃であった。また、水素転化率は99.5%であった。また、厚み1mmの板状シートを280℃において熱プレスにより成形し、無色透明な板を得た。その光線透過率を測定したところ90%であった。
実施例2
窒素置換した500mlの反応器に、シクロヘキサン180ml、合成例1で得られたモノマー20グラム、触媒として六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液4ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.4mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られたポリマー溶液にルテニウムハイドライドトリフェニルホスフィン錯体0.2mgを仕込み、更に水素ガスを圧入し10MPaの圧力下、温度160℃において、5時間攪拌下、水素添加反応を行った。反応溶液を冷却後、過剰な水素を放出、脱圧後、反応溶液を大量の塩酸―メタノール溶液に注ぎ、ポリマーを単離した。得られたポリマーを50℃で一昼夜減圧乾燥して14gの環状オレフィン重合体の水素添加物を得た。この水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量は120000、ガラス転位点は171℃であった。また、水素転化率は99.4%であった。また、厚み1mmの板状シートを280℃において熱プレスにより成形し、無色透明な板を得た。その光線透過率を測定したところ89%であった。
窒素置換した500mlの反応器に、シクロヘキサン180ml、合成例1で得られたモノマー20グラム、触媒として六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液4ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.4mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られたポリマー溶液にルテニウムハイドライドトリフェニルホスフィン錯体0.2mgを仕込み、更に水素ガスを圧入し10MPaの圧力下、温度160℃において、5時間攪拌下、水素添加反応を行った。反応溶液を冷却後、過剰な水素を放出、脱圧後、反応溶液を大量の塩酸―メタノール溶液に注ぎ、ポリマーを単離した。得られたポリマーを50℃で一昼夜減圧乾燥して14gの環状オレフィン重合体の水素添加物を得た。この水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量は120000、ガラス転位点は171℃であった。また、水素転化率は99.4%であった。また、厚み1mmの板状シートを280℃において熱プレスにより成形し、無色透明な板を得た。その光線透過率を測定したところ89%であった。
実施例3
窒素置換した500mlの反応器に、シクロヘキサン180ml、合成例1でと同様の手法により得られたモノマー20グラム、1−ヘキセン0.015g、六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液4ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.4mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られたポリマー溶液にルテニウムハイドライドトリフェニルホスフィン錯体0.2mgを仕込み、更に水素ガスを圧入し10MPaの圧力下、温度160℃において、5時間攪拌下、水素添加反応を行った。反応溶液を冷却後、過剰な水素を放出、脱圧後、反応溶液を大量の塩酸―メタノール溶液に注ぎ、ポリマーを単離した。得られたポリマーを50℃で一昼夜減圧乾燥して14gの環状オレフィン重合体の水素添加物を得た。この水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量は60000、ガラス転位点は170℃であった。また、水素転化率は99.8%であった。また、厚み1mmの板状シートを280℃において熱プレスにより成形し、無色透明な板を得た。その光線透過率を測定したところ91%であった。
窒素置換した500mlの反応器に、シクロヘキサン180ml、合成例1でと同様の手法により得られたモノマー20グラム、1−ヘキセン0.015g、六塩化タングステンの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液4ml、及びジエチルアルミニウムクロライドの濃度0.1モル/lのクロロベンゼン溶液0.4mlを仕込み、窒素気流下、60℃で、攪拌速度100rpmにて攪拌下、5時間反応させた。得られたポリマー溶液にルテニウムハイドライドトリフェニルホスフィン錯体0.2mgを仕込み、更に水素ガスを圧入し10MPaの圧力下、温度160℃において、5時間攪拌下、水素添加反応を行った。反応溶液を冷却後、過剰な水素を放出、脱圧後、反応溶液を大量の塩酸―メタノール溶液に注ぎ、ポリマーを単離した。得られたポリマーを50℃で一昼夜減圧乾燥して14gの環状オレフィン重合体の水素添加物を得た。この水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量は60000、ガラス転位点は170℃であった。また、水素転化率は99.8%であった。また、厚み1mmの板状シートを280℃において熱プレスにより成形し、無色透明な板を得た。その光線透過率を測定したところ91%であった。
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