JP2006169348A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着性樹脂を添加しても大幅な粘度増大がなく、密着性が良好で低粘度な硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】粘着性付与化合物(B)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物を成分とする。上記重合時に分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性樹脂(C)を存在させるか、該成分に該硬化性樹脂(C)を配合して得られる組成物は、更にその硬化物の脆弱性を向上することができるという効果を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿気により硬化する硬化性樹脂組成物に関し、より詳細には、架橋可能な反応性シリル基を含有する硬化性樹脂組成物に関する。
アクリル酸系モノマーやメタクリル酸系モノマー及びビニルモノマー等を(共)重合したビニル重合体は、非常に有用であり、特にその分子内に反応性シリル基を導入した硬化性樹脂は、接着剤、シーリング材、塗料、コーティング材等の材料として幅広く利用されている。しかしながら、このような反応性シリル基含有硬化性樹脂は、密着性が十分でなく、その密着性を向上するために粘着性樹脂を添加すると、粘度が高くなり、作業性に劣るという問題があった。又、粘度が高くなることを想定して、反応性シリル基含有硬化性樹脂自身の粘度を低下するために、メルカプト基を有する化合物等を連鎖移動剤として使用して該樹脂を製造すると、得られる樹脂を硬化させたときにその硬化物が脆くなり、十分な物性が得られず接着性が低下するという問題があった。更に、硬化が遅くなるという問題もあった。
そこで、そのようなビニル重合体の密着性能を高める方法として、例えば、特許第3313360号公報に記載されているように、分子内に重合性ビニル基、極性基及び反応性シリル基を有する化合物を共重合して硬化性樹脂を得る方法も試みられているが、得られる樹脂の密着性は向上するもののその効果は十分ではない。
又、特許第3415091号公報及び同3437560号公報に記載されているように、シリル化ウレタン系樹脂及びビニル重合体を併用する硬化性樹脂組成物がコンタクト型接着剤として有用であることが分かっている。しかながら、この方法ではコンタクト性を有し、かつ各種被着材への接着性が良好な硬化性樹脂組成物を調製することができるが、例えば、接着剤等の個々の用途によっては、さらなる性能の向上が望まれていた。
特許第3313360号公報 特許第3415091号公報 特許第3437560号公報
本発明は、従来の硬化性樹脂組成物における上記の諸問題を解決するためになされたものであり、粘着性樹脂を添加しても大幅な粘度増大がなく、密着性が良好で低粘度な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。更に、本発明は、低粘度で速硬化性を示す硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、上記の反応性シリル基含有硬化性樹脂に直接粘着性樹脂を添加するのではなく、該粘着性樹脂の存在下、該硬化性樹脂モノマーを重合して硬化性樹脂重合体とすることにより、該硬化性樹脂モノマーの重合体に対する反応性シリル基の導入率が上がっても密着性が低下せず、かつ低粘度な硬化性樹脂組成物を提供できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、粘着性付与化合物(B)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物を成分とする硬化性樹脂組成物を要旨とする。
更に、本発明は、粘着性付与化合物(B)及び分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性樹脂(C)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物を成分とする硬化性樹脂組成物を要旨とする。
更に、本発明は、粘着性付与化合物(B)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物及び分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性樹脂(C)を成分とする硬化性樹脂組成物を要旨とする。
又、本発明の硬化性樹脂組成物は、粘着性付与化合物(B)が芳香族系化合物であることを特徴とする。
又、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂(C)がで分子内に少なくともウレタン結合を有する化合物あることを特徴とする。
更に、本発明は、ルイス酸及び/又はその錯体からなる硬化触媒(D)を成分とする硬化性樹脂組成物要旨とする。
又、本発明の硬化性樹脂組成物は、ルイス酸が、三フッ化ホウ素であることを特徴とする。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、低粘度、かつ非常に密着性が良好な湿気硬化性を示す。又、本発明に係る硬化性樹脂組成物は、種々の材料に対して良好ななじみ性を有するという効果を示す。
本発明において用いられる分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)とは、分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有し、かつラジカル重合によって重合可能な一般的な炭素−炭素二重結合を有するモノマー全般を指す。反応性シリル基とは、加水分解性基を有するシリル基であり、該加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、オキシム基及びアルケニルオキシ基の他、水素原子及びハロゲン原子が挙げられるが、中でも水素原子、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、オキシム基及びアルケニルオキシ基が好ましく、特にアルコキシ基が好ましい。従って、反応性シリル基としては式 −Si(R1 )3-m(OR2 )m で示されるアルコキシシリル基が特に好適である。上記式において、R1 は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1又は2のアルコキシ基、R2 は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基であり、mは1〜3の整数を示す。
本発明に好適に用いられる重合性化合物(A)は、ラジカル重合によって重合可能な一般的な炭素−炭素二重結合を有するモノマーと分子内に反応性シリル基を有する重合性化合物とを反応することによって製造することができる。
ラジカル重合によって重合可能な一般的な炭素−炭素二重結合を有するモノマーを例示すると、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(以下、アクリル酸化合物とメタクリル酸化合物を合わせて(メタ)アクリ(ル)・・・と記述する。)、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、アクリロニトリル、α−メチルアクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、メチルシンナメート、エチルシンナメート、シンナミックアシッド、シンナミックアルデヒド、シンナミルアルコール、ケイ皮酸アミド等のシンナミル系化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルロールアクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、アリルアルコール、アリルフェノール、アリルアミン、アリルメルカプタン、オイゲノール、ヒドロキシスチレン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、プロパルギルアルコール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、ウンデシレン酸、2−ブテン酸、フルフリルアルコール、フルフリルメチルメルカプタン、9−デセノ−ル−1、5−ヘキセン−1−オール、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、4−ヒドロキシブチルビニルエ−テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メシチルオキサイド、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、これら以外のオレフィン、不飽和エステル類、ハロゲン化オレフィン等が挙げられる。
これらの市販品としては、共栄社化学社製商品名:ライトエステルシリーズ、ライトアクリレートシリーズ、エポキシエステルM−600A、HOA−MPL、HOA−MPE、HOA−HH等、協和発酵工業社製商品名:ダイアセトンアクリルアマイド等、昭和電工社製商品名:カレンズMOI−BM等、三菱化学社製商品名:4−ヒドロキシブチルアクリレート等、シェル化学社製商品名:ベオバ9、ベオバ10等、新中村化学社製商品名:NKエステルシリーズ、トポレンM、NKオリゴシリーズ等、第一工業製薬社製商品名:ニューフロンティアシリーズ等、ダイセル化学工業社製商品名:セロキサイド2000、MVE、プラクセルシリーズ、CYCLOMER M100、CYCLOMER A200、HEMAC、M−GMA等、ダイソー社製商品名:ネオアリルG、東亞合成社製商品名:アロニックスMシリーズ等、ナガセ化成工業社製商品名:デナコールアクリレートDA−141等、日本油脂社製商品名:ブレンマーシリーズ等、三菱ガス化学社製商品番号:GEシリーズ、MMA、EMA、EHMA、DPMA、SMA、AMA、CHMA、DAA等、三菱レーヨン社製商品名:アクリエステルシリーズ等、日本化薬社製商品名:カヤハードシリーズ等、大阪有機化学社製商品名:ビスコート3700等、信越化学工業社製商品名:KBM−503、KBM−5103、KBM−1403、KBM−1003等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中では、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物等のα,β-不飽和カルボニル化合物が最も好ましい。
ラジカル重合によって重合可能な一般的な炭素−炭素二重結合を有するモノマーと反応する分子内に反応性シリル基を有する重合性化合物としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルジメトキシシラン、特許第3313360号公報、特再表02−102812号公報で提案されている重合性シラン化合物等が挙げられる。
上記炭素−炭素二重結合を有するモノマーと分子内に反応性シリル基を有する重合性化合物との反応は、通常の重合性ビニルモノマーを共重合する際に通常行われるラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等、既知の方法のいずれも採用することができる。特に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−トリメトキシシリルペントニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−メチルジメトキシシリルペントニトリル)、これらの化合物を含む市販品である和光純薬工業社製、商品名:VA−046B、VA−037、VA−061、VA−085、VA−086、VA−096、V−65、VAm−110等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、t−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物重合開始剤の存在下行う、ラジカル重合法が好適である。この際、ラウリルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、チオ−β−ナフトール、チオフェノール、n−ブチルメルカプタン、エチルチオグリコレート、イソプロピルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、γ−トリメトキシシリルプロピルジスルフィド等の連鎖移動剤の存在下に重合を行うことができる。反応は、20〜200℃、特に50〜150℃の温度で1時間〜数十時間行うことが好ましい。上記炭素−炭素二重結合を有するモノマーと分子内に反応性シリル基を有する重合性化合物との反応は、粘着性付与化合物(B)を含む液体中で行うのが好ましい。
本発明に好適に用いられる粘着性付与化合物(B)の具体例としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂(例えば、カシューオイル変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂等)、テルペン、テルペンフェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、石油樹脂(例えば、C炭化水素樹脂、C炭化水素樹脂、C・ C炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、テルペン系樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記の粘着性付与化合物の中でも、テルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、スチレン共重合体樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂が好ましく、更にテルペンフェノール樹脂、キシレン樹脂、スチレン共重合体樹脂等の芳香族系化合物であるものが最も好ましい。
粘着性付与化合物(B)は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては、例えば、FTR8000シリーズ(三井化学社製)、FTR7000シリーズ(三井化学社製)、FTR6000シリーズ(三井化学社製)、SX100(ヤスハラケミカル社製)、YSポリスターシリーズ(ヤスハラケミカル社製)、D−リモネン(ヤスハラケミカル社製)、ターピネオール(ヤスハラケミカル社製)、YSレジンシリーズ(ヤスハラケミカル社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の硬化性樹脂組成物の成分である硬化性樹脂(C)は、その分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有するものである。反応性シリル基は、加水分解性基含有シリル基及び水酸基含有シリル基である。加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、オキシム基及びアルケニルオキシ基の他、水素原子及びハロゲン原子が挙げられるが、中でも水素原子、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、オキシム基及びアルケニルオキシ基が好ましく、特に高反応性及び低臭性などの点から、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1〜12個のものが好ましく、メトキシ基及びメトキシ基が特に好ましい。従って、反応性シリル基としては、上記重合性化合物(A)における反応性シリル基と同じものでよい。
本発明における硬化性樹脂(C)は、少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性化合物であれば特に限定されない。具体的には、オルガノポリシロキサン、変成シリコーン(例えば、カネカ社製商品名:Sシリーズ、SATシリーズ、MAシリーズ、MAXシリーズ、ESTシリーズ、ESXシリーズ、SAXシリーズ等)、旭硝子ウレタン社製商品名:ES−Sシリーズ、ES−GX3440ST等、特公平4−69659号、同7−108928号、特許第2512468号、特開昭64−22904号、特許第2539445号各公報等に記載の反応性シリル基含有飽和炭化水素系重合体、カネカ社製商品名:エピオンシリーズ、反応性シリル基含有ビニル重合体(例えば、カネカ社製商品名:SA100S、OR100S、SA300S、SA110S等)、シリコーンアルコキシオリゴマー(例えば、信越化学工業社製商品名:KC−89S、KRシリーズ、X−40シリーズ、X−41シリーズ等)、分子末端がアルコキシシリル基となっているシリコーンレジンであるシリコーンアルコキシオリゴマー、シランカップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
又、本発明に用いられる上記硬化性樹脂(C)には、特開平11−100427号、特開2000−143757号、同2000−169544号、同2002−212415号、同2004−123900号、同2004−123901号、特許第3030020号、同第3295663号、同第3313360号、同第3317353号、同第3350011号各公報等に提案されているシリル化ウレタン系樹脂、特願2004−208672号明細書に記載されている硬化性樹脂、及びエポキシ樹脂に二酸化炭素を作用させることでカーボネート化した後アミノシラン化合物でシリル化した硬化性樹脂、特開昭63−83131号、同63−83160号、特開平2−238045号各公報等で提案されているような末端エポキシ基ポリマーに芳香族系ジチオール化合物及び/又は芳香族系ジイミノ化合物を作用させることで末端チオール化した後エポキシシラン化合物を付加させた硬化性樹脂等も含まれる。
そして、本発明に好適に用いられる硬化性樹脂の内、主鎖骨格がオキシアルキレン重合体は、特公昭45−36319号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55−135135号、同55−137129号各公報等に提案されている一般に変成シリコーンと呼ばれる樹脂が含まれる。
上記オキシアルキレン重合体を製造する方法としては、アルケニル基を有するポリオキシアルキレンのアルケニル基に、分子内に上記含珪素特性基を有する水素化シリコン化合物を付加反応させる方法、或いはアルケニル基を有するポリオキシアルキレンのアルケニル基に、分子内にメルカプト基と上記含珪素特性基を有するメルカプトシラン化合物のメルカプト基をラジカル付加反応させる方法がよく知られている。
更に、本発明に好適に用いられる硬化性樹脂としては、反応性シリル基含有ビニル重合体、例えば、特開平9−272715号、同9−272714号、同11−080249号、同11−080250号、同11−005815号、同11−116617号、同11−116606号、同11−080571号、同11−080570号、同11−130931号、同11−100433号、同11−116763号、特開2003−82192号、同2003−119339号、同2003−171416号、同2003−246861号、同2003−327852号、同2003−327620号、同2004−002835号等の各公報等に記載の反応性シリル基含有ビニル重合体、東亞合成社製商品名:XPR−15、XPR−22等の反応性可塑剤XPRシリーズ、綜研化学社製商品名:アクトフローシリーズ等、カネカ社製商品名:SA100S、OR100S、SA300S、SA110S等が挙げられる。
そして、本発明に好適に用いられる硬化性樹脂(C)には、加水分解性シリル基及びシラノール基よりなる群から選ばれた一種以上からなる含珪素特性基と、且つ、分子内に、ウレタン結合、チオウレタン結合、尿素結合、チオ尿素結合、置換尿素結合、置換チオ尿素結合、アミド結合、スルフィド結合、ヒドロキシル基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基よりなる群から選ばれた一種以上の結合及び/又は基(極性要素部分)を有する硬化性樹脂が含まれる。これらの中では特に、ウレタン結合を有する化合物を用いると、合成条件が簡便であり、産業上利用価値が高く望ましい。
上記極性要素部分(ウレタン結合、チオウレタン結合、尿素結合、チオ尿素結合、置換尿素結合、置換チオ尿素結合、アミド結合、スルフィド結合、ヒドロキシル基、第2級アミノ基及び第3級アミノ基)の導入方法も特に限定されない。複数の原料を化学反応により連結する際に生成する連結基が上記極性要素部分であってもよいし、はじめから上記極性要素部分を含有した化合物を化学反応により連結してもよい。更に、上記極性要素部分は上記硬化性樹脂(C)中にいくつ含まれていてもよい。上記硬化性樹脂(C)としては、数平均分子量が500〜30,000、特に2,000〜20,000のものを使用するのが好ましい。
好ましく用いられるウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)としては、その分子内にウレタン結合及び下記一般式(1)で表される基を有する樹脂が挙げられる。なお、ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)には、下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される基を有する樹脂も含まれる。
Figure 2006169348
Figure 2006169348
但し、R は1〜20個の置換若しくは非置換の有機基を、Rは下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)又は下記一般式(6)で表される基、フェニル基又は炭素数1〜20個の置換若しくは非置換の有機基を、Xは水酸基又は加水分解性基を、nは0,1又は2を、それぞれ示し、R が複数存在するときはそれらのR は同じでも異なっても良く、Xが複数存在するときはそれらのXは同じでも異なっても良い。特に、上記一般式(1)は、前記式 −Si(R1 )3-m(OR2 )m でアルコキシシリル基が特に好適である。この式において、R1 、R2 及びmは前記と同意義である。
Figure 2006169348
Figure 2006169348
Figure 2006169348
Figure 2006169348
但し、R は水素原子又は−COOR13を、R は水素原子又はメチル基を、R は−COOR14又はニトリル基を、R は炭素数1〜20個の置換若しくは非置換の2価の有機基を、R は分子量500以下の珪素原子を含んでも良い有機基を、R10 及びR11 は上記一般式(3)又は下記一般式(7)(但し、R は上記と同意義である。)で表される基を、R12はフェニル基、シクロヘキシル基又は炭素数1〜20個の置換若しくは非置換の1価の有機基をそれぞれ示し、R10 及びR11 は同じでも異なっても良い。R13及びR14は分子量500以下の有機基を、それぞれ示す。
Figure 2006169348
上記一般式(2)におけるXの加水分解性基としては、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基等が挙げれるが、特にアルコキシ基が好ましい。ウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)は、その分子内に水酸基を1個以上有する化合物(化合物(a))とポリイソシアネート化合物(化合物(b))と反応させてウレタンプレポリマーを製造し、更にウレタンプレポリマーと下記一般式(8)で表される化合物(化合物(c))を反応させる方法、化合物(a)にγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等の分子内にイソシアネート基と反応性シリル基を有する化合物を反応させる方法、化合物(a)にアリルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−メチルベンジルイソシアネート等の分子内にイソシアネート基とビニル基を有する化合物を反応させた後、更にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の分子内にメルカプト基と反応性シリル基を有する化合物をラジカル付加反応させる方法等により製造することができる。
化合物(a)の原料となるポリオキシアルキレン重合体としては、触媒の存在下、開始剤にモノエポキシド等を反応させて製造される水酸基末端のものが好ましい。開始剤としては、1つ以上の水酸基を有するヒドロキシ化合物等が使用できる。
モノエポキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン等が使用できる。本発明におけるウレタン結合を有する硬化性樹脂(C)は、主鎖が少なくともポリオキシポリオキシエチレンを含むポリオキシアルキレン重合体であるのが好ましく、従って、モノエポキシドとしては、エチレンオキシドを必須成分とし、それとプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシドやテトラヒドロフラン等を併用するのが好ましい。
触媒としては、カリウム系化合物やセシウム系化合物等のアルカリ金属触媒、複合金属シアン化合物錯体触媒、金属ポリフィリン触媒が挙げられる。複合金属シアン化合物錯体触媒としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体、エーテル及び/又はアルコール錯体が好ましい。エーテル及び/又はアルコール錯体の組成は本質的に特公昭46−27250号公報に記載されているものが使用できる。エーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体の製造時の取り扱いの点からグライムが特に好ましい。アルコールとしては、例えば特開平4−145123号公報に記載されているものが使用できるが、特にtert−ブタノールが好ましい。
原料ポリオキシアルキレン重合体は官能基数が2以上のものが好ましく、具体的にはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン等が挙げられる。特に、ポリオキシエチレン、又はポリオキシエチレンを1質量%以上含むポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシヘキシレン、ポリオキシテトラメチレン等が好ましい。好ましい原料ポリオキシアルキレン重合体は、2〜6価のポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオールとポリオキシプロピレンポリオールの混合物である。特に、ポリオキシエチレンポリオールとしてはポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンポリオールとしてはポリオキシプロピレンジオール及びポリオキシプロピレントリオールである。
化合物(a)は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。市販品としては、例えば、旭電化工業社製、商品名:P−2000,P−3000、旭硝子社製、商品名:PML−3005,PML−3010,PML−3012,PML−4002,PML−4010,PML−5005、住友バイエルウレタン社製、商品名:Sumiphen3700,SBU−Polyol0319等が挙げられる。又、末端に第一級アミノ基を持つポリオキシプロピレン(例えば、サンテクノジャパン社製、商品名:ジェファーミンD−230,D−400,D−2000)又は末端に第二級アミノ基を持つポリオキシプロピレン(例えば、サンテクノジャパン社製、商品名:ジェファーミンD−230,D−400,D−2000)と、α,β−不飽和カルボニル化合物、マレイン酸ジエステル及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上を反応させて得たものも使用することができる。
化合物(b)としては、ジイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物を除くポリイソシアネート化合物、その他等が挙げられる。ジイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。以下、それらの具体例を挙げる。
脂肪族ジイソシアネート化合物:トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等。
脂環式ジイソシアネート化合物:1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート等。
芳香脂肪族ジイソシアネート化合物:1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はそれらの混合物、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又はそれらの混合物等。
芳香族ジイソシアネート化合物:m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等。
ジイソシアネート化合物を除くポリイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。以下、それらの具体例を挙げる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物:リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等。
脂環式ポリイソシアネート化合物:1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、3−イソシアネート−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン等。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物:1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼン等。
芳香族ポリイソシアネート化合物:トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、4,4′−ジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等。
その他のポリイソシアネート化合物:フェニルジイソチオシアネート等の硫黄原子を含むジイソシアネート類。
化合物(c)は、下記一般式(8)で表される化合物である。
Figure 2006169348
但し、R 、R 、X及びnは上記の規定と同意義であり、Yは炭素数1〜20個の置換若しくは非置換の2価の有機基、下記一般式(9)又は下記一般式(10)を、それぞれ示す。
Figure 2006169348
Figure 2006169348
但し、R 、R 、R及びR は上記の規定と同意義であり、R15及びR16は炭素数1〜10個の置換若しくは非置換の2価の有機基を示す。
化合物(c)の具体例としては、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられるが、以下の方法により製造することもできる。
(1)R が上記一般式(3)で示され、Yが2価の有機基である化合物
第一級アミノ基及び加水分解性基含有珪素基若しくは水酸基含有珪素基(好ましくは加水分解性基含有珪素基)をそれぞれ一つ持つ化合物(化合物(d))と、それと化学当量のα,β−不飽和カルボニル化合物(化合物(e))、マレイン酸ジエステル(化合物(f))及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
(2)R が上記一般式(3)で示され、Yが上記一般式(9)で示される化合物
第一級アミノ基、第二級アミノ基及び加水分解性基含有珪素基若しくは水酸基含有珪素基(好ましくは加水分解性基含有珪素基)を持つ化合物(化合物(g))と、化合物(g)中の第一級アミノ基及び第二級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
(3)R が上記一般式(3)で示され、Yが上記一般式(10)で示される化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させた後、化合物(g)中の第二級アミノ基と化学当量の式 R NCO(R は上記と同意義)で表されるモノイソシアネート化合物(化合物(h))を反応させる方法
(4)R が上記一般式(4)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(h)とを反応させる方法
(5)R が上記一般式(5)で示され、かつ一般式(5)中のR10 及びR11 が上記一般式(3)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と2化学当量の化合物(e)、化合物(g)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させる方法
(6)R が上記一般式(5)で示され、かつ一般式(5)中のR10 が上記一般式(3)で示されR11 が上記一般式(7)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(g)と、化合物(g)中の第一級アミノ基と化学当量の化合物(e)、化合物(f)及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上とを反応させた後、この反応により生成した第二級アミノ基と化学当量の化合物(h)を反応させる方法
(7)R が上記一般式(6)で示され、Yが2価の有機基である化合物
化合物(d)と、化合物(d)中の第一級アミノ基と化学当量のマレイミド化合物(i)とを反応させる方法。
化合物(d)としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
化合物(e)としては、(メタ)アクリル化合物、ビニルケトン化合物、ビニルアルデヒド化合物、その他の化合物等が挙げられる。(メタ)アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル (メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアルデヒド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の他、東亞合成化学工業社製の商品名:アロニックスM−102,M−111,M−114,M−117、日本化薬社製の商品名:カヤハード TC110S,R629,R644、大阪有機化学社製の商品名:ビスコート3700等が挙げられる。
更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのグルシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート等の多官能性化合物及び該多官能性化合物の市販品としての、三菱化学社製の商品名:ユピマーUV,SA1002,SA2007、大阪有機化学社製の商品名:ビスコート700、日本化薬社製の商品名:カヤハード R604,DPCA−20,DPCA−30,DPCA−60,DPCA−120,HX−620,D−310,D−330、東亞合成化学工業社製の商品名:アロニックスM−210,M−215,M−315,M−325等が挙げられる。
上記の化合物の他、アルコキシシリル基を有するγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ビニルケトン化合物としては、ビニルアセトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等が、ビニルアルデヒド化合物としては、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド等が、その他の化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記化合物の他、その内部に弗素原子、硫黄原子又はリン原子を含む化合物も含まれる。弗素原子を含む化合物としては、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等が、リン原子を含む化合物としては、(メタ)アクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
上記化合物(e)の中でも、反応のし易さ、広く市販され入手の容易さの点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等が好ましい。この内、速硬化性を付与するにはメチルアクリレート、エチルアクリレートが特に好ましく、柔軟性を付与するには2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートが特に好ましい。又、化合物(e)は、1種又は2種以上使用できる。
化合物(f)(マレイン酸ジエステル)としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、マレイン酸ジオクチル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上使用できる。これらの中でも、反応のし易さ、広く市販され入手の容易さの点から、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ2−エチルヘキシルが好ましい。又、化合物(f)は、1種又は2種以上使用できる。
化合物(g)としては、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−3−[アミノ(ジプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、この他特殊アミノシランである信越化学工業社製、商品名:KBM6063、X−12−896、KBM576、X−12−565、X−12−580、X−12−5263、KBM6123、X−12−575、X−12−562、X−12−5202、X−12−5204、KBE9703等が挙げられる。
上記の化合物(g)の中でも、反応のし易さ、広く市販され入手の容易さの点から、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
化合物(h)としては、イソシアン酸エチル、イソシアン酸n−ヘキシル、イソシアン酸n−ドデシル、イソシアン酸p−トルエンスルホニル、イソシアン酸n−ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシアン酸2−メトキシフェニル等の他、信越化学工業社製商品名:KBM9007(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン)等のイソシアネートシラン等が挙げられる。
化合物(i)としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、N−ラウレルマレイミド、ジエチルフェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド等が挙げられる。
上記化合物(a)と上記化合物(b)とを反応させて、ウレタンプレポリマーとする方法は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させてウレタンプレポリマーを製造する通常の方法に準じて行えば良い。又、上記化合物(c)とウレタンプレポリマーとを反応させて、重合性化合物(A)とする方法は、50〜100℃で、30分間〜3時間行えばよい。
重合性化合物(A)の重合は、粘着性付与化合物(B)を含む液体中、又は粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を含む液体中で行われる。粘着性付与化合物(B)を含む液体とは、粘着性付与化合物(B)が液体のときはその液体(イ)又はその液体(イ)を含む溶液を、粘着性付与化合物(B)が固体のときは粘着性付与化合物(B)を溶融した液体(ロ)、その液体(ロ)を含む溶液、粘着性付与化合物(B)を適当な溶媒に溶解した溶液(ハ)又はその溶液(ハ)を含む溶液をいう。又、粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を含む液体とは、粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)が共に液体のときはそれらの混合液(ニ)又はその混合液(ニ)を含む溶液を、粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)が共に固体のときは粘着性付与化合物(B)を溶融した混合液(ホ)、その混合液(ホ)を含む溶液、粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を適当な溶媒に溶解した混合溶液(へ)又はその混合溶液(ヘ)を含む溶液を、粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)の一方が固体のときは他方の液体に溶解した混合溶液(ト)、その混合溶液(ト)を含む溶液、一方の固体を溶融した融液と他方の液体との混合溶液(チ)、その混合溶液(チ)を含む溶液、該固体及び該液体を適当な溶媒に溶解した混合溶液(リ)又はその混合溶液(リ)を含む溶液をそれぞれいう。上記において、液体(イ)を含む溶液、液体(ロ)を含む溶液、溶液(ハ)を含む溶液、混合液(ニ)を含む溶液、混合液(ホ)を含む溶液、混合溶液(ヘ)を含む溶液、混合溶液(ト)を含む溶液、混合溶液(チ)を含む溶液及び混合溶液(リ)を含む溶液には、粘着性付与化合物(B)及び/又は硬化性樹脂(C)以外の物質を含ことができる。
本発明において、粘着性付与化合物(B)を含む液体中で重合性化合物(A)を重合する場合、粘着性付与化合物(B)を含む液体と重合性化合物(A)を混合し、その混合液中で重合性化合物(A)を重合する方法、粘着性付与化合物(B)を含む液体に重合性化合物(A)を徐々に加えて重合性化合物(A)を重合する方法が採用できる。粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を含む液体中で重合性化合物(A)を重合する場合、粘着性付与化合物(B)と硬化性樹脂(C)を混合し、その混合液中で重合性化合物(A)を重合する方法、硬化性樹脂(C)を含む液体に、粘着性付与化合物(B)を含む液体と重合性化合物(A)との混合液を徐々に加えて、重合性化合物(A)を重合する方法、硬化性樹脂(C)を含む液体に、粘着性付与化合物(B)と重合性化合物(A)との混合液を加えて重合性化合物(A)を重合する方法等を採用することができる。なお、上記において重合性化合物(A)が液体の場合は、重合性化合物(A)の液体に粘着性付与化合物(B)、又は粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を溶解してそれらの溶液にして反応させてもよく、重合性化合物(A)の液体に粘着性付与化合物(B)を含む液体、又は粘着性付与化合物(B)及び硬化性樹脂(C)を含む液体に混合しそれらの混合液にして反応させてもよい。上記で用い得る溶媒としては、キシレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソプロパノール、メタノール、ジメチルカーボネート等が挙げられる。
重合性化合物(A)の(共)重合は、(メタ)アクリレート化合物等の通常の重合性ビニルモノマーを(共)重合する際に通常行われるラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等、既知の方法のいずれも採用することができる。特に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−トリメトキシシリルペントニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−4−メチルジメトキシシリルペントニトリル)、上記の化合物を含む市販品である和光純薬工業社製、商品名:VA−046B、VA−037、VA−061、VA−085、VA−086、VA−096、V−65、VAm−110等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、t−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の過酸化物重合開始剤の存在下行う、ラジカル重合法が好適である。この際、ラウリルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、チオ−β−ナフトール、チオフェノール、n−ブチルメルカプタン、エチルチオグリコレート、イソプロピルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、γ−トリメトキシシリルプロピルジスルフィド等の連鎖移動剤の存在下に重合を行うことができる。重合反応は、20〜200℃、特に50〜150℃の温度で1時間〜数十時間行うことが好ましい。
粘着性付与化合物(B)と重合性化合物(A)との使用割合は、重合性化合物(A)100質量部当り、粘着性付与化合物(B)が1〜200質量部、好ましくは5〜50質量部である。又、硬化性樹脂(C)は、重合性化合物(A)100質量部当り、10〜1,000質量部、好ましくは50〜400質量部用いられる。
本発明の組成物は、ルイス酸及び/又はその錯体からなる硬化触媒(D)を成分とするものである。ルイス酸及び/又はその錯体からなる硬化触媒に含まれるものとしては、塩化チタン、塩化錫、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化銅、塩化アンチモン等の金属ハロゲン化物、及び、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素等のハロゲン化ホウ素化合物、トリフルオロメタンスルホン酸トメチルシリル等が挙げられる。又、上記ルイス酸の錯体としては、アミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アミン錯体に用いるアミン化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、DBU、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ基を有するシラン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルコール錯体に用いるアルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等の1級アルコール、イソプロパノール、2−ブタノール等の2級アルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。エーテル錯体に用いるエーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジn−ブチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記ルイス酸の中では、塩化チタン(IV)、塩化錫(IV)、塩化ジルコニウム(IV)、塩化アルミニウム(III)、三フッ化ホウ素が好ましく、安定性の点から塩化ジルコニウム(IV)、三フッ化ホウ素がさらに好ましく、触媒活性の点から三フッ化ホウ素が特に好ましい。
上記ルイス酸の錯体としては、特に三フッ化ホウ素の錯体が、取り扱いが容易であるなどの点で、好ましい。また、上記三フッ化ホウ素の錯体の中では、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が特に好ましい。
そのような三フッ化ホウ素のアミン錯体は市販されており、本発明ではそれらを用いることができる。三フッ化ホウ素のアミン錯体の市販品としては、エアープロダクツジャパン社製商品名:アンカー1040、アンカー1115、アンカー1170、アンカー1222、BAK1171等が挙げられる。
硬化触媒(D)は、単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。硬化触媒(D)の配合割合は、好ましくは硬化性樹脂(C)100重量部当り0.001〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜5重量部であり、特に好ましくは0.02〜3重量部である。
本発明の組成物は、上記各成分からなるが、それら成分以外に必要に応じて、硬化触媒(D)以外の硬化触媒、充填材、各種添加剤等を含むことができる。
硬化触媒(D)以外の硬化触媒としては、有機錫化合物、有機錫化合物以外の有機金属化合物、アミン類等の塩基、カルボン酸、有機燐酸化合物等の酸等が挙げられる。
有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジオクチル錫ジマレート、ジブチル錫フタレート、ジオクチル錫フタレート、オクチル酸第一錫、ジブチル錫メトキシド、ジブチル錫ジメトキシド、ジオクチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジアセチルアセテート、ジオクチル錫ジアセチルアセテート、ジブチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイドとフタル酸ジエステルとの反応生成物、ステアリン酸錫等の錫系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記有機錫化合物は市販されており、本発明ではそれを用いることができる。市販品としては、日東化成社製商品名:T−100、Uシーズ等、三共有機合成社製商品名:SCATシリーズ、No.918、STANN BL、STANN SNT−1F等、住化バイエルウレタン社製商品名;デスモラピッドPA、デスモラピッドSO等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記有機錫化合物以外の有機金属化合物としては、上記有機錫化合物の錫がビスマスに置き換わったビスマス化合物、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミンチタネート等のチタネート化合物類、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸金属塩、アルミニウムアセチルアセトナート錯体、バナジウムアセチルアセトナート錯体等の金属アセチルアセトナート錯体、日東化成社製商品名;U−600、U−660等のビスマス化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、オレイルアミン等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−メチルシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)等の脂環式アミン類;メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類;m−キシリレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の脂肪芳香族アミン類;3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、モルホリン、N−メチルモルホリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のエーテル結合を有するアミン類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のヒドロキシル基含有アミン類;ダイマー酸にジエチレントリアミンやジエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミドのポリアミドアミン類;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジシアンジアミド、ポリオキシプロピレン系ジアミン、ポリオキシプロピレン系トリアミン等のポリオキシプロピレン系アミン類;上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミンといった変性アミン類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの2−エチルヘキサン酸塩等のアミン塩等の化合物、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、三共エアロプロダクツ社製のDABCO(登録商標)シリーズ、DABCO BLシリーズ、1,8−ジアザビシクロ [5.4.0] −7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ [4.3.0] −5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等の複数個の窒素原子を含む直鎖又は環状の第三級アミン塩、上記化合物(c)、住化バイエルウレタン社製商品名;デスモラピッドDB、デスモラピッドPP、デスモラピッドPV、デスモラピッド10/9、デスモラピッドLA等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機燐酸化合物としては、燐酸モノメチル、燐酸ジメチル、燐酸トリメチル、燐酸モノエチル、燐酸ジエチル、燐酸トリエチル、燐酸ジ−n−ブチル、燐酸モノ−n−ブチル、燐酸トリ−n−ブチル、燐酸トリフェニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化触媒(D)以外の硬化触媒は、単独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
必要に応じて含むことができる充填材としては、フュームドシリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、アクリル樹脂等の有機重合体粉体、各種バルーン等が挙げられる。
各種添加剤としては、可塑剤、添加剤、溶剤、脱水剤等を挙げることができる。上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレ−ト等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、セバチン酸ジブチル等の脂肪酸カルボン酸エステル等を用いることができる。
上記添加剤としては、老化防止剤、チキソ性付与剤、紫外線吸収剤、顔料、各種タッキファイアー、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ビスフェノールA型やビスフェノールF型等のエポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤としては、特にアミノシランが好ましい。
上記溶剤としては、本発明の組成物と相溶性がよく、水分含有量が500ppm以下であればいずれを用いてもよいが、加熱溶融状態で使用されることを考慮すると、高沸点有機溶剤を使用するのが好ましい。
上記脱水剤としては、消石灰、オルト珪酸エステル、無水硫酸ナトリウム、ゼオライト、メチルシリケート、エチルシリケート、各種アルキルアルコキシシラン、各種ビニルアルコキシシラン等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、以下の例における部及び%は質量基準である。
(合成例1)(硬化性樹脂(C)の合成)
反応容器に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM903、信越化学工業社製)を179.3g仕込み、窒素雰囲気下、80℃で攪拌しながらアクリル酸ラウリル240.4gを1時間掛けて滴下し、更に80℃で10時間反応させた後、50℃で7日間反応させることで、分子内にトリメトキシシル基及び第ニ級アミノ基を有する反応物(SE−1)を得た。
別の反応容器に、PML4010(商品名、旭硝子ウレタン社製、ポリオキシプロピレンポリオール、数平均分子量10,000)を700g、PR5007(商品名、旭電化工業社製、ポリオキシエチレン含有ポリオキシプロピレンポリオール)を300g、及びイソホロンジイソシアネートを58.8g入れ、窒素雰囲気下、80℃で攪拌しながら90℃で8時間反応させることで、分子内にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン樹脂(PB−1)を得た。その後、このPB−1にSE−1を148.1gを添加し、窒素雰囲気下、攪拌混合しながら、90℃で2時間反応させることで、主鎖がポリオキシアルキレンであり、分子内にトリメトキシシル基を有する硬化性樹脂(SB−1)を得た。このSB−1の23℃における粘度は50,000mPa・s(BH型粘度計を使用、ローターNo.7、10回転、以下同じ。)であった。
(合成例2)(硬化性樹脂(C)の合成)
反応容器に、PMLS4012(商品名、旭硝子ウレタン社製、ポリオキシプロピレンポリオール、数平均分子量10,000)を1,000g及びm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルジイソシアネートを80g入れ、窒素雰囲気下、攪拌混合しながら、90℃で8時間反応させることで、分子内にビニル基を有するポリオキシアルキレン樹脂(PB−2)を得た。その後、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランを40g及び重合開始剤としてV−65(商品名、和光純薬工業社製、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3gとメチルエチルケトン15gの混合溶液を添加し、窒素雰囲気下、攪拌混合しながら、90℃で2時間反応させた。更に、V−65を1部とメチルエチルケトンを5部の混合溶液を添加し、窒素雰囲気下、攪拌混合しながら、90℃で4時間反応させた。減圧下、未反応物及びメチルエチルケトンを留去し、主鎖がポリオキシアルキレンであり、分子内にメチルジメトキシシル基を有する硬化性樹脂(SB−2)を得た。このSB−2の23℃における粘度は20,000mPa・sであった。
(実施例1〜5)
反応容器に、硬化性樹脂であるSB−1、SB−2又はS203(商品名、カネカ社製、メチルジメトキシシル基を有するポリオキシアリキレン)を入れ、これに粘着性付与化合物であるD−リモネン(商品名、ヤスハラケミカル社製、室温液体)、SX100(商品名、ヤスハラケミカル社製、室温固体)又はFTR6100(商品名、三井化学社製、室温固体)、表1に示す重合性化合物の混合物、表1に示す連鎖移動剤並びに表1に示す重合開始剤を表1に示す割合で混合した混合溶液を1時間掛けて滴下し、更に80℃で10時間反応させた。更に、V−65を1部とメチルエチルケトンを5部の混合溶液を加え、80℃で1時間反応させた後、減圧下、未反応物及びメチルエチルケトンを留去し、本発明の硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定し、それらの結果を表2に示した。
(比較例1〜4)
反応容器に、トルエン20gを硬化性樹脂であるSB−1又はS203を入れ、これに表1に示す重合モノマー混合物並びに表1に示す重合開始剤を表1に示す割合で混合した混合溶液を1時間掛けて滴下し、更に80℃で10時間反応させた。更に、V−65を1部とメチルエチルケトンを5部の混合溶液を加え、80℃で1時間反応させた。更に、粘着性付与化合物であるD−リモネン、SX100又はFTR6100を表1に示す割合で添加し、100℃で1時間攪拌した。減圧下、未反応物及びメチルエチルケトンを留去し、硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定し、それらの結果を表2に示した。又、実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた硬化性樹脂組成物の密着性を測定したが、いずれも実用上問題がない密着性を示した。
Figure 2006169348
Figure 2006169348

表2に記載した結果から明らかなように、粘着性付与樹脂を硬化性樹脂及び重合性化合物の重合体に単に混合した組成物よりも、粘着性付与樹脂を重合性化合物の重合時に添加して用いて得られるものの方が粘度が相当に低いことが判る。その理由は判らないが、粘着性付与樹脂を重合性化合物に溶解させて重合性化合物を重合した場合、ラジカル重合における連鎖移動等の影響により、粘着性付与樹脂が重合鎖中に取り込まれるか、別の化合物に変化することにより分子的な相溶性が向上して粘度が低下するのではないかと推察される。
一般的には、SX100やFTR6100のような室温で固体の物質を添加した場合、均一系では粘度が上がるのが通常であるが、同じく均一系である本発明において、固体の物質を添加しても粘度が下がるという事実は実に驚くべきことである。又、D−リモネンのような室温で液体の物質を後で添加して混合する場合、その添加混合を100℃以上で行うと該液体の物質が気化損失してしまうが、該液体の物質を重合性化合物の重合時に添加するという本発明においては、たとえ100℃の減圧下でも気化損失することがないという効果を発揮する。これも上記のように液体の粘着性付与樹脂が重合鎖中に取り込まれるか、別の化合物に変化しているからではないかと考えられる。
そして、上記のように実施例1〜5得られた硬化性樹脂組成物と実施例1〜5に対応する比較例1〜4で得られた硬化性樹脂組成物との間には密着性に殆ど差がなく、いずれも実用上問題がないという効果を示す。
(実施例6)
反応容器に、トルエンを1,000g入れ、窒素雰囲気下攪拌しながら、80℃まで昇温した。別にアクリル酸ブチルを1,000g、KBM502(商品名、信越化学工業社製、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン)を300g、FTR6100を100g、重合開始剤としてV−65を15g混合し、モノマー溶液を調製した。トルエンを80℃で攪拌しているところに、このモノマー溶液を窒素雰囲気下、1時間掛けて滴下し、更に1時間80℃で反応させた。5gのV−65を20gのトルエンに溶解した重合開始剤液を10分掛けて滴下し、更に80℃で4時間反応させた。その後、減圧下、未反応物及びトルエンを留去し、本発明の硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は250,000mPa・sであった。
(比較例5)
反応容器に、トルエンを1,000g入れた。別にアクリル酸ブチルを1,000g、KBM502を300g、重合開始剤としてV−65を15g混合し、モノマー溶液を調製した。トルエンを80℃で攪拌しているところに、このモノマー溶液を窒素雰囲気下、1時間掛けて滴下し、更に1時間反応させた。その後、5gのV−65を20gのトルエンに溶解した重合開始剤液を10分掛けて滴下し、更に80℃で4時間反応させた。その後、FTR6100を100g添加し100℃で2時間攪拌した。減圧下、未反応物及びトルエンを留去し、硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は360,000mPa・sであった。
実施例6及び比較例5の結果から、粘着性付与化合物(B)であるFTR6100を含む溶液中で重合性化合物(A)を重合することにより得られる組成物は、後でFTR6100を添加することにより得られる組成物に比べて、低粘度であることが判る。
(実施例7)
反応容器に、トルエンを1,000g、FTR6100を200g入れ、窒素雰囲気下攪拌しながら、80℃まで昇温した。別にアクリル酸ブチルを1,000g、KBM502を75g、重合開始剤としてV−65を15g混合し、モノマー溶液を調製した。トルエンを80℃で攪拌しているところに、このモノマー溶液を窒素雰囲気下、1時間掛けて滴下し、更に1時間80℃で反応させた。5gのV−65を20gのトルエンに溶解した重合開始剤液を10分掛けて滴下し、更に80℃で4時間反応させた。その後、減圧下、未反応物及びトルエンを留去し、本発明の硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は280,000mPa・sであった。
(合成例3)(硬化性樹脂(C)の合成)
反応容器に、PML S 3011(商品名、旭硝子ウレタン社製、ポリオキシプロピレンポリオール、分子量10,000)を1,000g、PML S 1004(商品名、旭硝子ウレタン社製、ポリオキシプロピレンポリオール、分子量4,000)を1,000g、KBE9007(商品名、信越化学工業社製、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン)を144g、反応触媒としてジオクチル錫ジバーサテートの10%メチルエチルケトン溶液を1.5g入れ、窒素雰囲気下、80℃で3時間反応させることで、分子内にトリメトキシシル基を有する反応物(SE−3)を得た。得られたSE−3の粘度を測定した結果、23℃における粘度は1,700mPa・sであった。
(実施例8)
実施例7で得られた硬化性樹脂組成物を800g及びSE−3を200gプラネタリーミキサーに入れ、減圧下、100℃で1時間脱水しながら混練し、室温まで冷却した。その後、KBM903を10g及びジオクチル錫ジラウレートを10g添加し、減圧下、100℃で30分間脱水しながら混練して、本発明の硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は71,000mPa・sであった。
(比較例6)
実施例8にて実施例7で得られた硬化性樹脂組成物を比較例5で得られた硬化性樹脂組成物に変えた以外は、実施例8と同様にして硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は79,000mPa・sであった。
実施例8及び比較例6で得られた硬化性樹脂組成物について、次の要領で剥離接着強さを測定しそれらの結果を表3に示した。
剥離接着強さ試験
ABS板(厚さ3mm、幅25mm、長さ100mm)の全面に、上記硬化性樹脂組成物1gを均一に塗布し、直ちに帆布(幅25mm、長さ200mm)を貼り合わせ部分が幅25mm、長さ80mmになるように貼り合わせた。各貼り合わせ試験体を温度23℃、相対湿度50±5%で7日間養生して180度剥離接着強さ(N/25mm)をJIS K 6854に準じて測定した。
Figure 2006169348

表3の結果から、実施例8及び比較例6で得られた硬化性樹脂組成物からの試験体は、接着強さに大きな差が出ているが、これは比較例6で得られた硬化性樹脂組成物に比べて実施例8で得られた硬化性樹脂組成物の方が密着性が良いことが要因になっているのではないかと考えられる。
(実施例9)
反応容器に、硬化性樹脂であるSB−1を1,000g入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃まで昇温した。別に、表4に示す粘着性付与化合物(B)、表4に示す重合性化合物(A)、表4に示す連鎖移動剤並びに表4に示す重合開始剤を表4に示す割合で混合した混合溶液を調製した。硬化性樹脂であるSB−1を80℃で攪拌させているところへ、上記混合溶液を1時間掛けて滴下し、更に80℃で10時間反応させた。その後、V−65を1部とメチルエチルケトンを20部の混合溶液からなる重合開始剤10分掛けて滴下し、更に80℃で4時間反応させた後、減圧下、未反応物及びメチルエチルケトンを留去し、本発明の硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は170,000mPa・sであった。
(比較例7)
反応容器に、硬化性樹脂であるSB−1を1,000g入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃まで昇温した。別に表4に示す重合性化合物(A)、表4に示す重合開始剤並びに表4に示す連鎖移動剤を表4に示す割合で混合した混合溶液を調製した。硬化性樹脂であるSB−1を80℃で攪拌させているところへ、上記混合溶液を1時間掛けて滴下し、更に80℃で10時間反応させた。その後、V−65を1部とメチルエチルケトンを20部の混合溶液からなる重合開始剤10分掛けて滴下し、更に80℃で4時間反応させた。その後、FTR6100を200g添加し、100℃で2時間攪拌した。減圧下、未反応物及びメチルエチルケトンを留去し、硬化性樹脂組成物を合成した。得られた硬化性樹脂組成物の粘度を測定した結果、23℃における粘度は165,000mPa・sであった。
Figure 2006169348

(実施例10)
実施例9又は比較例7で得られた硬化性樹脂組成物500g及びサイロホービック200(商品名、富士シリシア化学社製、疎水処理されたシリカ微粉末)20gをプラネタリーミキサーに投入し、減圧下にて1時間加熱脱水しながら混練し、室温まで冷却した。その後、KBM903を20g、ウンデカンを50g及び三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体を1.0g投入し、減圧下にて30分間混練し、硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物を23℃で2週間静置し、粘度、皮張時間及び剥離接着強さを測定した。それらの結果を表5に示した。
(比較例8)
三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体1.0gの代わりに、ネオスタンU−303(商品名、日東化成社製、銀系硬化触媒)10gを用いた以外は、実施例10と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた硬化性樹脂組成物を23℃で2週間静置し、粘度、皮張時間及び剥離接着強さを測定した。それらの結果を表5に示した。なお、実施例10及び比較例8で得られた硬化性樹脂組成物の皮張時間及び剥離接着強さは次の要領で測定した。
皮張時間
硬化性樹脂組成物を温度23℃、相対湿度50±5%の雰囲気下に放置し、指触により表面に張った硬化皮膜が指に転着しなくなるまでの時間として求めた。
剥離接着強さ
硬化性樹脂組成物について、軟鋼板(厚さ3mm、幅25mm、長さ100mm)及び帆布(幅25mm、長さ200mm)を塗布量1g及び貼り合わせ部分が幅25mm、長さ80mmになるように貼り合わせた。貼り合わせ検体を、温度23℃、相対湿度50±5%で7日間養生して、180度の方向に剥離し、その際の接着強さをJIS K 6854に準拠して測定した。
Figure 2006169348

実施例9及び比較例7並びに実施例10及び比較例8の結果から、一般的な連鎖移動剤を多量に用いることで低粘度に調製した比較例8で得られた硬化性樹脂組成物は、硬化が遅く、又硬化後の物性が脆いため、剥離接着強さにおいて十分な強度が発現しないことが判った。一方、実施例10で得られた硬化性樹脂組成物は、硬化後の物性を損なうことなく低粘度で、速硬化性を示すことが判った。

Claims (7)

  1. 粘着性付与化合物(B)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物を成分とする硬化性樹脂組成物。
  2. 粘着性付与化合物(B)及び分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性樹脂(C)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物を成分とする硬化性樹脂組成物。
  3. 粘着性付与化合物(B)を含む液体中で分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する重合性化合物(A)を重合してなる重合生成物及び分子内に少なくとも1個の反応性シリル基を有する硬化性樹脂(C)を成分とする硬化性樹脂組成物。
  4. 粘着性付与化合物(B)が、芳香族系化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 硬化性樹脂(C)が、分子内に少なくともウレタン結合を有する化合物であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 更に、ルイス酸及び/又はその錯体からなる硬化触媒(D)を成分とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. ルイス酸が、三フッ化ホウ素であることを特徴とする請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
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