JP2006169297A - コーティング剤組成物 - Google Patents

コーティング剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006169297A
JP2006169297A JP2004360530A JP2004360530A JP2006169297A JP 2006169297 A JP2006169297 A JP 2006169297A JP 2004360530 A JP2004360530 A JP 2004360530A JP 2004360530 A JP2004360530 A JP 2004360530A JP 2006169297 A JP2006169297 A JP 2006169297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
pva
agent composition
paper
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004360530A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Edasawa
勝巳 枝沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2004360530A priority Critical patent/JP2006169297A/ja
Publication of JP2006169297A publication Critical patent/JP2006169297A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】 紙等にコーティングした場合、紙等の表面白度及び表面光沢を向上できるばかりでなく、紙等の表面強度も優れたものとすることができるコーティング剤組成物の提供。
【解決手段】 アセトアセチル基を0.01〜10mol%有するポリビニルアルコール系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなるコーティング剤組成物であって、該ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)が0.5〜5重量部であることを特徴とするコーティング剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙等の表面白度及び表面光沢を向上し得るコーティング剤組成物に関する。
昨今、書籍や上質紙において、白度向上への関心が高まっている。このような目的で、スチルベン系等の蛍光増白剤を紙コーティング剤に使用することは公知である(特許文献1等)。また、鹸化度が高く、重合度の低いポリビニルアルコール(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略する)が蛍光増白剤の増白効果に有利であることも知られている。
例えば、特許文献2には、蛍光増白剤の活性化、紙コーティング色料の粘度調節を与える、重合度600未満及び70〜100mol%の鹸化度を有するPVAと中性/アルカリ性で水溶性のポリマーを含有してなる液体組成物が開示されている。
特許文献3には、原紙、インク受理層、光沢発現層を順次設けてなるインクジェット記録用紙において、蛍光増白剤と鹸化度が95%以上のPVAを含有する蛍光増白層を原紙とインク受理層との間に設けたインクジェット記録用紙が開示されている。
また、ビス−スチルベン系蛍光増白剤を含有するコーティング剤組成物にバインダーとしてPVAを使用できることも公知である(特許文献4、5)。
更に、特許文献6には、支持体上に、無色又は淡色の特定の塩基性染料と該染料と接触して呈色し得る呈色剤を含有する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録体において、保護層が蛍光増白剤とPVA等の水溶性高分子を含有する塗液を塗布・乾燥することによって形成されることが記載されている。
特開平3−294598号公報 特開2000−144037号公報 特開2003−94799号公報 特開平6−322697号公報 特開平8−209013号公報 特開平6−48038号公報
上記のような蛍光増白剤とPVAを含有してなるコーティング剤組成物においては、蛍光増白効果や黄変防止の点では重合度が低いPVAの使用が推奨されるが、重合度が低いPVAを使用した場合、コーティングされた紙等の表面強度の向上が不十分となる問題があった。
本発明者は、鋭意研究の結果、蛍光染料とAA基含有PVAを併用することによって、より詳細にはアセトアセチル基を0.01〜10mol%有するPVA系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなるコーティング剤組成物であって、該PVA系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.5〜5重量部含有することを特徴とするコーティング剤組成物によって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 アセトアセチル基を0.01〜10mol%有するPVA系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなるコーティング剤組成物であって、該PVA系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.5〜5重量部含有することを特徴とするコーティング剤組成物。
〔2〕 PVA系樹脂(A)1重量部に対して、無機顔料(C)を40〜400重量部含有することを特徴とする上記〔1〕記載のコーティング剤組成物。
〔3〕 PVA系樹脂(A)の鹸化度が、90〜100mol%であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕記載のコーティング剤組成物。
〔4〕 PVA系樹脂(A)の重合度が、1200以下であることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔5〕 無機顔料(C)が、少なくとも炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、シリカのいずれか1種以上であることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔6〕 さらに、PVA系樹脂(A)1重量部に対して、ラテックス系バインダー(D)を1〜20重量部含有することを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔7〕 紙のコーティング用途に用いることを特徴とする上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
本発明のコーティング剤組成物は、アセトアセチル基を0.01〜10mol%有するPVA系樹脂を含有してなる特定の組成物であることによって、蛍光増白剤による蛍光増白効果を促進でき、紙等にコーティングした場合、紙等の表面白度及び表面光沢を向上できるばかりでなく、紙等の表面強度も優れたものとすることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるアセトアセチル基を0.01〜10mol%有するPVA系樹脂(A)(以下、AA基含有PVA(A)とも称する)としては、特に限定されないが、好ましくは後述するようにPVAにジケテンを反応させたり、PVAとアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換したりして、PVAにアセト酢酸エステル基を導入させたもので、かかるPVAとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などの鹸化触媒によって鹸化した鹸化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体の鹸化物等を用いることもできる。
かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
AA化PVA(A)を得るには、上記の如きPVAとジケテンを反応させる方法、PVAとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA基含有PVAが得られる点から、PVA(粉末)とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。PVAとジケテンを反応させる方法としては、PVAとガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をPVAに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVAに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
かくして得られるAA基含有PVA(A)のアセトアセチル基量は、0.01〜10mol%、好ましくは0.01〜5mol%であり、さらに好ましくは0.05〜3mol%である。かかるアセトアセチル基量が0.01mol%未満である場合、蛍光増白剤の増白効果が不充分となり、一方、かかるアセトアセチル基量が10mol%を超える場合、組成物が急激に増粘し、実質的にコーティング剤として使用することができず、本願の目的を達成できないためである。
なお、ここでいうアセトアセチル基量は、以下の実施例で示すようにH−NMRで測定して算出される値である。
上記AA基含有PVA(A)の鹸化度は、好ましくは90〜100mol%、より好ましくは95mol%以上、より好ましくは98mol%以上である。かかる鹸化度が90mol%未満である場合、蛍光増白剤の増白効果が低下するおそれがあり、好ましくない。
上記AA基含有PVA(A)の重合度は、好ましくは1200以下、好ましくは600以下、より好ましくは450以下である。かかる重合度が1200を超える場合、コーティング剤組成物の塗工性が低下するおそれがあり、好ましくない。また、かかる重合度の下限は、特に限定されないが、好ましくは100以上、より好ましくは150以上である。かかる重合度が100未満である場合、コーティング剤組成物の造膜性が低下するおそれがあり、好ましくない。
本発明に用いる蛍光増白剤(B)としては、紫外線を吸収して400〜500nmの蛍光を発する性質を有する物質であれば特に限定されず、従来公知の蛍光増白剤、例えば、スチルベン系化合物(例、2,2’−〔ビニレンビス[(3−スルホネート−4,1−フェニレン)イミノ−[6−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]イミノ]〕ビス(ベンゼン−1,4−ジスルホネート)の六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−[3−アセチルアミノ−4−(4,8−ジスルホ−2−ナフチルアゾ)]アニリノ−6−(3−カルボキシピリジニオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−ジスルホスチルベン−ジヒドロキシドの六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−[3−〔1−(2−クロロ−5−スルホフェニル)−5−ヒドロキシ−3−メチル−4−ピラゾリルアゾ〕−4−スルホアニリノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸の六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔6−[N−(2−シアノエチル)−N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]アミノ]−4−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸の六ナトリウム塩、4,4’−ビス〔4−(ジエチルアミノ)−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(2,5−ジスルホアニリノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ビス〔4−クロロ−6−(7−フェニルアゾ−8−ヒドロキシ−2,5−ジスルホ−1−ナフチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ〕−2,2’−スチルベンジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム、4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム)、クマリン系化合物(例、6,7−ジヒドロキシクマリン、4−メチル−7−ヒドロキシクマリン、4−メチル−6,7−ジヒドロキシクマリン、4−メチル−7,7’−ジエチルアミノクマリン(BASF社製「Calcofluor−RWP」)、4−メチル−7,7’−ジメチルアミノクマリン(BASF社製「Calcofluor−LD」))、ビフェニル系化合物(例、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティーケミカルズ社製「チノパールCBS−X」)、ジナトリウム−1,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル(チバスペシャルティーケミカルズ社製「チノパールCBX」))、ベンゾオキサゾリン系化合物(例、2,5−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン、2,5−チオフェニルジイル−5−t−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)、ナフタルイミド系化合物(例、4−メトキシ−N−メチルナフタル酸イミド)、ピラゾリン系化合物(例、1−(4−アミドスルホニルフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−2−ピラゾリン(Bayer社製「Blankophor DCB」))、カルボスチリル系化合物(例、1−エチル−3−フェニル−7−ジメチルアミノカルボスチリル)等が挙げられる。中でも、白色度の高い点で、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物が好ましい。また、これらは2種以上を併用することもできる。
上記蛍光増白剤(B)の中でも、アニオン性蛍光増白剤(例えば、スチルベンスルホン酸誘導体)を用いた場合、特に本発明の効果が顕著になるため好ましい。
本発明のコーティング剤組成物において、蛍光増白剤(B)の含有量は、AA基含有PVA(A)1重量部に対して、0.5〜5重量部、好ましくは1〜4重量部である。蛍光増白剤(B)の含有量がPVA系樹脂(A)1重量部に対して、0.5重量部未満の場合、増白効果が不充分となり、一方、5重量部を超える場合、添加量に応じた増白効果が得られないためである。
本発明に用いる無機顔料(C)としては、特に限定されず、従来公知の無機顔料、例えば、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)、カオリン、シリカ等が挙げられる。中でも、白色度と隠蔽率の点で、炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましい。また、これらは2種以上を併用することもできる。
本発明のコーティング剤組成物において、無機顔料(C)の含有量は、PVA系樹脂(A)1重量部に対して、好ましくは40〜400重量部、より好ましくは40〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部である。無機顔料(C)の含有量がPVA系樹脂(A)1重量部に対して、40重量部未満の場合、白色度と隠蔽率が不足するおそれがあり、一方、400重量部を超える場合、顔料が脱落するおそれがあり、好ましくない。
本発明のコーティング剤組成物は、好ましくはラテックス系バインダー(D)を含有する。ラテックス系バインダー(D)を含有させた場合、本発明のコーティング剤組成物は表面強度及び光沢性が良好となるので好ましい。ラテックス系バインダー(D)としては、天然又は合成ゴム、プラスチック等の高分子が水性媒質中に分散した乳濁液(ラテックス)であって、バインダーとして作用するもの(すなわち、顔料のパルプへの定着作用を有するもの)である限り特に限定されず、従来公知のラテックス系バインダー、例えば、スチレン/ブタジエン系ラテックス(SBR;例、JSR社製「J0569」他)、スチレン/アクリル系ラテックス(St−AC;例、クラリアントジャパン社製「モビニール880」)、天然ゴムラテックス、シス−1,4ポリイソプレンラテックス、クロロプレンラテックス、アクリロニトリル/ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート/ブタジエンラテックス等が挙げられる。中でも、表面強度と光沢が優れる点で、スチレン/ブタジエン系ラテックス(SBR)、スチレン/アクリル系ラテックス(St−AC)が好ましい。
本発明のコーティング剤組成物において、ラテックス系バインダー(D)の含有量(樹脂分)は、PVA系樹脂(A)1重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1.5〜15重量部である。ラテックス系バインダー(D)の含有量がPVA系樹脂(A)1重量部に対して、1重量部未満の場合、表面強度向上の効果が得られないおそれがあり、一方、20重量部を超える場合、コーティング剤組成物が増粘するおそれがあり、好ましくない。
本発明のコーティング剤組成物は、上記AA基含有PVA(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を分散媒中に分散又は懸濁させてなるものである。すなわち、本発明のコーティング剤組成物は、通常、分散液、懸濁液又はスラリー状態である。また、これらの成分を分散媒中に分散又は懸濁させる方法は特に限定されず、パドル翼やタービン翼、ブルーマージン翼などの攪拌翼がついた混合装置や、ホモジナイザー等の従来公知の混合装置・方法を使用することができる。
本発明における分散媒としては、特に限定されないが、例えば、水、水―メタノール混合溶媒、水―イソプロピルアルコール混合溶媒等が挙げられる。中でも、水が好ましい。
本発明のコーティング剤組成物中の総固形分は、特に限定されないが、好ましくは組成物全体の30〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%である。総固形分が30重量%未満の場合、コーティング剤組成物の乾燥に多大なエネルギーと時間が必要となるおそれがあり、一方、80重量%を超える場合、コーティング剤組成物の塗工性が低下するおそれがあり、好ましくない。したがって、本発明のコーティング剤組成物を製造する際は、かかる総固形分の範囲となるように分散媒量を調整することが好ましい。
なお、ここでいう総固形分は、コーティング剤組成物中に存在する全ての固形分をいい、上記の各成分ばかりでなく、以下の添加剤に由来する固形分をも合わせたものである。
本発明のコーティング剤組成物は、必要に応じて、天然又は合成結合剤(例えば、カゼイン、スターチ、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等)、分散剤(例えば、ポリカルボン酸等)、レオロジー調節剤、有機充填剤、消泡剤、殺生物剤、滑剤等の従来公知の添加剤等をさらに配合することができる。これらは本発明の目的が達成される限り、配合量等は特に制限されず、使用目的、使用されるPVA系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)、無機顔料(C)等の種類、含有量等に応じて適宜設定することができる。
本発明のコーティング剤組成物は、アセトアセチル基を0.01〜10mol%有するPVA系樹脂を含有してなる特定の組成物であることによって、蛍光増白剤による蛍光増白効果を促進でき、紙等にコーティングした場合、紙等の表面白度及び表面光沢を向上できるばかりでなく、紙等の表面強度も優れたものとすることができる。したがって、紙(感熱記録紙、離型紙、剥離紙、インクジェット紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、紙コップ用原紙、耐油紙、マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙など)不織布、布、金属箔、ポリオレフィン樹脂等の各種基材のコーティングに好適に使用することできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
尚、以下の例中、「%」、「部」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を意味する。
以下の実施例及び比較例に用いた各成分を示す。
[PVA系樹脂(A)]
製造例1:PVA系樹脂(A1)
鹸化度98mol%、重合度450のPVA粉末100部をニーダーに仕込み、これに酢酸25部を入れて膨潤させた。回転数20rpmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン6部を4時間かけて滴下し、さらに30分間反応させた。反応終了後、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂(A1)を得た。
得られたPVA系樹脂(A1)のアセトアセチル基の含有量は、H−NMR(内部標準:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定したところ、3mol%であった。
製造例2:PVA系樹脂(A2)
製造例1において、鹸化度93mol%、重合度450のPVA粉末を原料として用い、ジケテンの滴下量を0.2部とした以外は、製造例1と同様にしてPVA系樹脂(A2)を得た。
得られたPVA系樹脂(A2)のアセトアセチル基の含有量は、0.1mol%であった。
製造例3:PVA系樹脂(A3)
製造例1において、鹸化度98mol%、重合度1200のPVA粉末を原料とし、ジケテンの滴下量を2部とした以外は、製造例1と同様にしてPVA系樹脂(A3)を得た。
得られたPVA系樹脂(A3)のアセトアセチル基の含有量は、1mol%であった。
製造例4:PVA系樹脂(A4)
製造例1において、ジケテンの滴下量を25部とした以外は、製造例1と同様にしてPVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)のアセトアセチル基の含有量は、10mol%であった。
製造例5:PVA系樹脂(A5)
製造例1における原料PVAであり、その鹸化度は98mol%、重合度は450である。
製造例6:PVA系樹脂(A6)
製造例1において、ジケテンの滴下量を45部とした以外は、製造例1と同様にしてPVA系樹脂(A4)を得た。
得られたPVA系樹脂(A4)のアセトアセチル基の含有量は、15mol%であった。
[蛍光増白剤(B)]
・スチルベン系化合物[商品名 ホワイテックス:住友化学社製]
・クマリン系化合物[商品名 カルコフルオル−RWP:BASF社製]
・ビフェニル系化合物[商品名 チノパールCBS−X:チバガイギー社製]
[無機顔料(C)]
・炭酸カルシウム(CaCO)[商品名 FMT−90:ファイマテック社製]
・シリカ[商品名 ファインシールX37B:トクヤマ社製]
・カオリン[商品名 HT−GAS:エンゲルハート社製]
・酸化チタン(TiO)[商品名 TA−300:富士チタン社製]
[ラテックス系バインダー(D)]
・スチレン/ブタジエン系ラテックス(SBR)[商品名 スマーテックスSN−307:日本エイアンドエル社製]
・スチレン/アクリル系ラテックス(St−AC)[商品名 モビニール880:クラリアント社製]]
実施例1〜11及び比較例1〜4
以下の組成で各成分を総固形分が50%となるように水に分散させ、各コーティング剤組成物を製造した。なお、各実施例及び比較例で使用したPVA系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)、無機顔料(C)及びラテックス系バインダー(D)を表1に示す。
[組成]
PVA系樹脂(A) 1部
蛍光増白剤(B) 4部
無機顔料(C) 100部
ラテックス系バインダー(D) (樹脂分50%) 9部
カルボキシメチルセルロース 0.5部
ポリカルボン酸(分散剤) 0.5部
なお、比較例3においては、蛍光増白剤(B)を0.3部とした。
得られたコーティング剤組成物を、上質紙(坪量64g/cm)の表面に150μmのアプリケーターで乾燥厚みが20μmになるように塗工して、105℃で3分間乾燥させてコーティング紙を作成した。得られたコーティング紙について、以下の評価を行った。
(蛍光増白度)
色差計(日本電色社製「Σ80スペクトロメーター」)でUVフィルターを使用して、コーティング紙の蛍光増白度を測定した。
(表面光沢度)
グロスメーター(日本電色工業社製「VG−1D」)を用いて、コーティング紙の75°表面光沢度(%)を測定した。
(表面強度)
IGT印刷適性試験機により、インキとして「FINEINK TV−25」(大日本インキ化学工業社製)を用いてコーティング紙のIGTピック強度(cm/sec)を測定した。
かかる評価結果を表1に示す。
Figure 2006169297
本発明のコーティング剤組成物は、紙(感熱記録紙、離型紙、剥離紙、インクジェット紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、紙コップ用原紙、耐油紙、マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙など)、不織布、布、金属箔、ポリオレフィン樹脂をコーティングするのに特に有用である。

Claims (7)

  1. アセトアセチル基を0.01〜10mol%有するポリビニルアルコール系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなるコーティング剤組成物であって、該ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.5〜5重量部含有することを特徴とするコーティング剤組成物。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、無機顔料(C)を40〜400重量部含有することを特徴とする請求項1記載のコーティング剤組成物。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)の鹸化度が、90〜100mol%であることを特徴とする請求項1又は2記載のコーティング剤組成物。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(A)の重合度が、1200以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
  5. 無機顔料(C)が、少なくとも炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、シリカのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
  6. さらに、ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、ラテックス系バインダー(D)を1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
  7. 紙のコーティング用途に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
JP2004360530A 2004-12-13 2004-12-13 コーティング剤組成物 Pending JP2006169297A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004360530A JP2006169297A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 コーティング剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004360530A JP2006169297A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 コーティング剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006169297A true JP2006169297A (ja) 2006-06-29

Family

ID=36670401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004360530A Pending JP2006169297A (ja) 2004-12-13 2004-12-13 コーティング剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006169297A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61152899A (ja) * 1984-12-21 1986-07-11 日本合成化学工業株式会社 紙加工剤
JPS63176173A (ja) * 1987-01-16 1988-07-20 Kuraray Co Ltd インクジエツト記録用のシ−ト
JPH0648038A (ja) * 1992-07-31 1994-02-22 New Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
JPH06322697A (ja) * 1993-05-08 1994-11-22 Ciba Geigy Ag 紙の蛍光増白方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61152899A (ja) * 1984-12-21 1986-07-11 日本合成化学工業株式会社 紙加工剤
JPS63176173A (ja) * 1987-01-16 1988-07-20 Kuraray Co Ltd インクジエツト記録用のシ−ト
JPH0648038A (ja) * 1992-07-31 1994-02-22 New Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
JPH06322697A (ja) * 1993-05-08 1994-11-22 Ciba Geigy Ag 紙の蛍光増白方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI477516B (zh) Vinyl chloride resin latex, water-based ink and recording paper
RU2418904C2 (ru) Комбинации оптических отбеливателей
US9181373B2 (en) Polyoxyalkylene modified vinyl alcohol-based polymer and use thereof
US11845879B2 (en) Recording material
US8920920B2 (en) Polymer latex blends and applications thereof
US20140374042A1 (en) Aqueous solutions of optical brighteners
CN101035868A (zh) 用于喷墨打印的记录片材
CN101057035A (zh) 用包含粘合用粘合剂的着色涂覆组合物制备单或多涂覆基材的方法
CN1890312A (zh) 荧光增白剂及其制备方法
US7641765B2 (en) Method for production of coated paper with extreme whiteness
CN1929926A (zh) 涂布片制造方法
CN1576284A (zh) 乙烯醇聚合物
JP2000144037A (ja) 保水及び蛍光増白剤の活性化のためのポリマ―組成物、ペ―パ―コ―ティング色料、及びこうして得られたコ―ティング処理ペ―パ―シ―ト
CN1715558A (zh) 印刷用铜版纸
JP2006169297A (ja) コーティング剤組成物
JP2006096822A (ja) コーティング剤組成物
JP2004175113A (ja) インクジェット記録媒体およびその製造方法
US6964993B2 (en) Paper coating slip containing polyvinyl alcohol as a protective colloid
JP2006169298A (ja) コーティング剤組成物
JP5207097B2 (ja) 填料改質剤、填料スラリー及び製紙方法
JP4841263B2 (ja) 蛍光増白剤水性液状組成物及びそれを用いた蛍光増白方法
JP2013119682A (ja) 蛍光増白性組成物、塗工物及び印刷用紙用原紙
RU2799333C2 (ru) Оптически осветленные латексы
JP7417593B2 (ja) 光学的に増白されたラテックス
CN1541851A (zh) 喷墨记录用纸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110705