JP2006169198A - 乳化形態の皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1)油剤60〜80質量%と、2)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル1〜2質量%と、3)脂肪酸0.5〜2質量%とを含有する乳化組成物であって、前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルと脂肪酸の含有量の質量比が、2:3〜1:3であることを特徴とする、乳化組成物をクレンジング化粧料とする。前記乳化組成物に於ける、水の含有量は、5〜20質量%であることが好ましく、前記水の含有量の0.1〜10質量%のカルボキシビニルポリマーを含有することことが好ましい。かかる乳化組成物の製造工程において、非イオン性界面活性剤と多価アルコールと水を混合してなる相に、油相を添加する工程を有することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
(1)1)油剤60〜80質量%と、2)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル1〜2質量%と、3)脂肪酸0.5〜2質量%とを含有する乳化組成物であって、前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルと脂肪酸の含有量の質量比が、2:3〜1:3であることを特徴とする、乳化組成物からなる皮膚外用剤。
(2)乳化組成物に於ける、水の含有量が、5〜20質量%であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)水の含有量の0.1〜10質量%のカルボキシビニルポリマーを含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤の製造工程において、非イオン性界面活性剤と多価アルコールと水を混合してなる相に、油相を添加する工程を有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)クレンジング化粧料であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
本発明の皮膚外用剤は、乳化剤形であって、油剤を60〜80質量%、より好ましくは65〜75質量%含有することを特徴とする。本発明で言う油剤とは、水とは任意の割合で混合せず、且つ、1気圧25℃の条件下に於いて、流動性を有する成分であって、炭化水素、ジメチルポリシロキサン、高級アルコールと脂肪酸のエステル、二価のカルボン酸のジエステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン或いはジプロピレングリコールなどの多価アルコールのエステルであって、遊離の水酸基を有しないものの総称を意味する。本発明の皮膚外用剤に於いて、かかる油剤の好ましい構成としては、全油剤の少なくとも50質量%、より好ましくは55質量%以上が炭化水素であることである。これは、本発明の皮膚外用剤に於いて、油剤が汚れを溶剤効果によって除去する効果を担っているためであり、その為には、溶剤効果の高い炭化水素を多く含むことが好ましいためである。又、擦過時の刺激発現を抑制する見地に於いては、分岐脂肪酸のエステルを少なくとも全油剤の30質量%以上、より好ましくは35質量%以上含有させ、のびを軽くさせることが好ましい。又、親水性も親油性も低い汚れの除去効果を高める意味に於いて、ジグリセリンテトラオレートを全油剤の1〜5質量%含有することも、汚れ除去後に化粧料そのものを除去する場合に於いて、水洗除去効果を向上せしめるので好ましい。前記の含有量の範囲に於いて、油剤は親水性も親油性も低い汚れの除去効果を高める作用を遺憾なく発揮する。
本発明の皮膚外用剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルを必須成分として、1〜2質量%、より好ましくは1.2〜1.8質量%含有することを特徴とする。ここで、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルを構成する、好適な脂肪酸部分としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸。ステアリン酸、ベヘン酸、カプリル酸、カプロン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等から選択される1種乃至は2種以上が例示でき、これらは牛脂、椰子油、オリーブ油、これらの水素添加物等の天然乃至はその加工油脂を加水分解して脂肪酸部分を取り出し、或いはこの脂肪酸部分を更に精製して使用することも可能である。これらのポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルの内、特に好ましいものはポリオキシエチレン椰子油由来の脂肪酸グリセリルである。ポリオキシエチレン椰子油脂肪酸グリセリンをはじめとするポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル は化粧料等の皮膚外用剤の分野で非イオン界面活性剤として広く使用されている原料であり、このものは既に市販されており、それらのものを使用することができる。このものにおいて、ポリオキシエチレンの付加モル数は、その使用目的により適宜変えることができるが、平均5〜30モルの付加が好ましく、特に好ましい形態としては、ポリオキシエチレンの付加モル数が5〜10のものと、15〜30のものとを少なくとも1種ずつ含有する形態である。この様な含有形態の方が乳化安定性が向上するためである。この様なポリオキシエチレンの付加モル数が5〜10のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル 、取り分けポリオキシエチレン椰子油脂肪酸グリセリンとしては、市販品では、交洋ファインケミカル株式会社製のハイバーオイルHE(ポリオキシエチレンの平均付加モル数7)が好ましく例示できる。又、椰子油脂肪酸を構成する脂肪酸を一部乃至は全部を精製し、即ち、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸等の脂肪酸に分離し、これらを用いてポリオキシエチレン(椰子油由来)脂肪酸グリセリル として用いることも本発明の技術的範囲に属する。この様なものとしては、ポリオキシエチレン(10)カプリル酸/カプリン酸グリセリルを主成分とする、セチオールHE810(ヘンケル社製)が好ましく例示できる。又、ポリオキシエチレンの付加モル数が15〜30のものとしては、日本エマルション株式会社から販売されている、ポリオキシエチレン(20)モノイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS120或いはポリオキシエチレン(20)トリイソステアリン酸グリセリルであるエマレックスGWIS320が好ましく例示できる。
本発明の皮膚外用剤は、脂肪酸を必須成分として含有することを特徴とする。脂肪酸としては、通常皮膚外用剤で使用されているものであれば特段の限定なく使用出来る。この様なものとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、オクチルデカン酸などが好適に例示できる。本発明の皮膚外用剤では、かかる脂肪酸は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかる脂肪酸の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で0.5〜2質量%であり、0.6〜1.8質量%であることがより好ましい。かかる成分は、ファンデルワールス力により、前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルにより、乳化系の安定性が低下するのを防ぐ効果を発揮する。この様な作用は、脂肪酸以外に、解離したカルボン酸残基を有する成分を含有することが好ましく、この様な解離したカルボン酸残基を有する成分としては、例えば、中和されたカルボキシビニルポリマーが好適に例示できる。かかる脂肪酸は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルとの質量比に於いて、2:3〜1:3でポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルより若干少ない含有量であることが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有し、乳化剤形であることを特徴とする。乳化の形態としては、水中油乳化形態が好ましい。又、用途としては、通常の油性汚れはもとより、親水性も親油性も低い汚れの除去効果にも優れるので、油性クレンジング化粧料に適用することが好ましい。本発明の皮膚外用剤においては、かかる必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。特に好ましい成分としては、乳化安定性を高める意味で、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩を、水に対して0.1〜10質量%含有することが好ましい。本発明の皮膚外用剤は、かかる成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。即ち、親水性或いは親油性に従って、油相と水相に分け、70〜90℃に加温しておき、攪拌下徐々に油相に水相を加えて乳化し、攪拌冷却することにより製造することが出来る。特に好ましい製造法は、全界面活性剤と、水の一部と、多価アルコールの一部とを70〜90℃加温下混合し、透明な界面活性剤相を形成せしめ、これに油相成分を加え、しかる後に残りの水と多価アルコール等を加える、所謂D相乳化法によって製造することである。この様な製造法を取ることにより、より安定な乳化系が得られる。又、クレンジング化粧料であることから、擦過を必須の使用条件とするため、グリチルリチン酸ジカリウムやグリチルレチン酸ステアリルなどの抗炎症成分を0.01〜0.3質量%添加することも好ましいし、この様な添加条件下、抗炎症作用を有する主旨の表示を付した医薬部外品とすることも好ましい。
クレンジング化粧料1、比較例1、比較例2とを50℃で1ヶ月保管したところ、クレンジング化粧料1と、比較例1とは性状に変化はなかったが、比較例2は分離をしていた。
クレンジング化粧料1、比較例1、比較例2とを用いて、クレンジング効果を調べた。クレンジング効果は、前腕内側部に2cm×3cmの部位を作成し、ここに下記に処方を示すリップカラーを塗布し、5分静置した後、検体40μlをのせ、3回擦過した後、カット綿で拭き取り、水洗して10分静置後ミノルタの測色色差計で未処置の部位との色差を計測した。結果を表2に示す。これより、本発明のクレンジング化粧料は優れたクレンジング効果を有することが判る。尚、処方中のカルナウバワックス、キャンデリラワックスは親水性も親油性も低い成分を含み、レジン酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルは親水性も親油性も低い成分に相当する。
顔料 20 質量%
トリグリセリンジイソステアレート 20 質量%
ひまし油 20 質量%
マイクロクリスタリンワックス 5 質量%
カルナウバワックス 5 質量%
キャンデリラワックス 5 質量%
リンゴ酸ジイソステアリル 15 質量%
ポリエチレン 5 質量%
レジン酸イソステアリル 5 質量%
Claims (5)
- 1)油剤60〜80質量%と、2)ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル1〜2質量%と、3)脂肪酸0.5〜2質量%とを含有する乳化組成物であって、前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルと脂肪酸の含有量の質量比が、2:3〜1:3であることを特徴とする、乳化組成物からなる皮膚外用剤。
- 乳化組成物に於ける、水の含有量が、5〜20質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- 水の含有量の0.1〜10質量%のカルボキシビニルポリマーを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤の製造工程において、非イオン性界面活性剤と多価アルコールと水を混合してなる相に、油相を添加する工程を有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
- クレンジング化粧料であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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