JP2006169052A - 下地基板保持装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 少ない部品点数で、溶湯に対する浸漬時においても下地基板を落下することなく、かつ下地基板の着脱が容易な下地基板保持装置を提供する。
【解決手段】 下地基板保持装置30は、下地基板31を保持するための保持固定部32と保持可動部33とを有し、保持可動部33と保持固定部32との間に設けられる弾性部材34が弾性変形することによって、保持可動部33と保持固定部32とがその相対位置を変化させ、該相対位置の変化を利用して保持可動部33と保持固定部32とで下地基板31を保持し、また保持を解除する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体材料または金属材料の溶湯に下地基板を浸漬させ、溶湯を凝固成長させて結晶シートを得る際に用いられる下地基板保持装置に関する。
近年、地球環境に対する負荷を軽減するべく、化石燃料を用いる火力発電以外の、風力発電、波力発電などの発電方法が種々試みられている。なかでも最も注目され、実用化の先端に位置付けられているのが太陽電池による発電であり、この太陽電池には、その素材として結晶シリコンウエハが用いられている。この太陽電池に用いられる結晶シリコンウエハの代表的な製造方法としては、チョコラルスキー法による引上げ方法(略称CZ法)、また坩堝内のシリコン原料を溶融固化する方法(キャスト法)などが一般に採用されている。
CZ法は、溶融シリコンの溶湯に種となる単結晶シリコンの小片を浸漬し、その後溶湯に直接接触させながら上方に引上げて結晶成長させることによって円筒状の単結晶塊を得る。一方、キャスト法では、シリコン原料を坩堝内に置き、一旦加熱溶融させた後、坩堝底より冷却することによって多結晶シリコン塊を得ている。CZ法およびキャスト法のいずれにおいても、スライス工程を経てシリコン薄板に加工される。
しかしながら、スライス工程にはコストがかかり、切り代はシリコン原料の損失になるので、歩留が低いという問題がある。したがって、CZ法およびキャスト法に代わり、スライス工程が不要となる浸漬方法が注目されている。
図11は、浸漬方法の概要を説明する図である。シリコンの結晶シートを作製する浸漬方法について例示する図11では、下地基板1を溶融シリコンの溶湯2に対して、円弧の一部を描くような軌道3上を移動させることによって浸漬し、下地基板1に溶湯2を凝固成長させて、結晶シートである析出板4を形成させる。図11に示すような結晶シート4を製造することに用いる結晶シート生成装置には、溶湯に浸漬し凝固成長させて結晶シートを得るために下地基板を着脱自在に保持する下地基板保持装置が備えられる。従来の下地基板保持装置には、下地基板を真空吸着して保持することによって、構成を単純にして部品点数を減少させ、下地基板の着脱を容易に行えるようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
図12は、下地基板を真空吸着して保持する従来の下地基板保持装置10の構成を示す図である。チャンバ11内には、下地基板12を溶湯に浸漬し結晶シリコンを析出させる析出機構が設けられており、析出機構の先端に連結部13a、13bを介して、下地基板保持装置10が取付けられている。下地基板保持装置10における下地基板12の吸着保持は、以下のように行われる。
下地基板12の吸着は、下地基板12の当接面12aに基板受台14を当接させた後、排出手段15に備わる真空ポンプ16によって吸引孔17内部のガスを排出し、基板受台14の吸着面14aと下地基板12の当接面12aとの間を真空状態にすることによって行われる。また、吸着した状態の下地基板12を基板受台14から離脱させるには、排出手段15による吸引孔17内部のガスの排出を解除し、吸引孔17内部にガスを注入して基板受台14の吸着面14aと下地基板12の当接面12aとの間の真空状態を解除する。
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の下地基板保持装置10は、基台受台14の上面から複数の配管が突出して設けられ、さらに配管は2つに分岐され、一方の配管18はチャンバ11外に設置された真空ポンプ16にバルブ19を介して接続され、他方の配管20はチャンバ11内に配置され、各々にバルブ21が設けられるなど、装置構成が複雑である。
また、従来の下地基板保持装置10では、溶融シリコンの溶湯に浸漬してシリコンを析出させるので、溶湯に浸漬されて結晶シート22を形成するとき、下地基板12の浸漬面12bが非常に高温となる。それに対し、基板受台14に当接する下地基板12の当接面12aの温度は瞬時には上がらないので、浸漬面12bと当接面12aとで大きな温度差が発生する。
図13は、下地基板12の浸漬面12bと当接面12aとで大きな温度差が生じた状態を示す図である。下地基板12の浸漬面12bと当接面12aとで上記のような温度差が発生することによって、浸漬面12bの熱膨張量が、当接面12aの熱膨張量よりも大きくなるので、下地基板12には溶湯側に凸となる反りが発生し、基板受台14の吸着面14aと下地基板12の当接面12aとの間に隙間23が発生する。この隙間23が発生することによって、基板受台14と下地基板12との間の真空状態を保つことができなくなるので、下地基板12の保持ができなくなる。たとえば、下地基板12がカーボン製であり、その大きさが、200mm角、20mm厚の場合、下地基板12の浸漬面12bが1000℃、当接面12aが100℃になるとすると、下地基板12には2〜3mmの反りが発生するので、基板受台14と下地基板12との間の真空状態を保つことができない。したがって、従来の下地基板保持装置10では、下地基板12を溶湯に浸漬させた時点で、下地基板12と基板受台14との間に間隙23が形成されるので、基板受台14による下地基板12の保持ができなくなり、下地基板12が落下するという問題がある。
特開2003−192323号公報
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、少ない部品点数で、溶湯に対する浸漬時においても下地基板を落下することなく、かつ下地基板の着脱が容易な下地基板保持装置を提供することである。
本発明は、半導体材料または金属材料を溶融した溶湯に下地基板を浸漬するための浸漬手段に備わる搬送部材である浸漬アームの先端部に設けられ、溶湯に浸漬される下地基板に半導体材料または金属材料を凝固成長させて結晶シートを形成させるに際し、下地基板を着脱可能に保持する下地基板保持装置において、
下地基板を保持する一方の保持部材である保持固定部と、
下地基板を保持する他方の保持部材であって、保持固定部に対して相対変位可能に設けられ、保持固定部との間で下地基板を保持する保持可動部と、
弾性変形することによって保持可動部と保持固定部との相対位置を変化させるように設けられる弾性部材とを含むことを特徴とする下地基板保持装置である。
また本発明は、保持固定部は、底板部と、底板部の両端部からそれぞれ立上がり対向するように設けられる2つの側板部と、側板部の遊端部から互いに向かい合う方向であって、かつ底板部に対して略平行な方向に張出す張出部とを含み、
保持可動部は、保持固定部の底板部と側板部と張出部とで形成される内方空間に位置して相対変位可能に設けられ、
弾性部材は、保持固定部の底板部と保持可動部との間に設けられ、弾性変形することによって、保持可動部と保持固定部の張出部との相対位置を変化させることを特徴とする。
また本発明は、保持可動部が、浸漬アームの先端に連結されて浸漬アームの動作に連動し、
弾性部材が、浸漬アームの動作に連動する保持可動部の動作に応じて弾性変形し、伸長変形することによって下地基板を保持し、圧縮変形することによって下地基板を保持解除することを特徴とする。
また本発明は、保持固定部の張出部には、
保持固定部の底板部と側板部と張出部とで形成される内方空間に臨み、下地基板が当接する基板当接面であって、保持固定部と保持可動部とで保持されている状態にある下地基板の溶湯への浸漬面に対して平行な基板当接面が形成されることを特徴とする。
また本発明は、保持固定部と保持可動部とで保持されている状態にある下地基板に当接して下地基板を押圧する保持可動部の押圧面には、下地基板が溶湯に浸漬される浸漬軌道に対して略平行方向に延びる係合凸部が形成され、
保持可動部によって押圧される下地基板の被押圧面には、係合凸部と係合する係合溝部が形成されることを特徴とする。
また本発明は、弾性部材が、ばね部材であることを特徴とする。
本発明によれば、下地基板保持装置は、溶湯に浸漬される下地基板を、保持固定部と、保持固定部に対して相対変位可能に設けられる保持可動部との間で保持し、保持可動部と保持固定部との相対位置を変化させるために弾性部材が用いられる構成である。このことによって、少ない部品点数で、溶湯に対する浸漬時においても下地基板を落下することなく、かつ下地基板の着脱が容易な下地基板保持装置が実現される。
また本発明によれば、保持固定部は底板部と側板部と張出部とによって内方空間を形成し、保持可動部は該内方空間に位置して相対変位可能に設けられ、弾性部材が、保持固定部の底板部と保持可動部との間に設けられ、弾性変形することによって、保持可動部と保持固定部の張出部との相対位置を変化させ、下地基板を着脱させる。このことによって、弾性部材の弾性変形が、確実に保持可動部と保持固定部との相対位置変化として伝達され、下地基板を一層確実に保持することが可能になる。
また本発明によれば、保持可動部が、浸漬アームの先端に連結されて浸漬アームの動作に連動し、弾性部材が、浸漬アームの動作に連動する保持可動部の動作に応じて弾性変形し、伸長変形することによって下地基板を保持し、圧縮変形することによって下地基板を保持解除するように構成される。このことによって、浸漬アームの動作を弾性部材の弾性変位に利用することが可能になり、装置構成を簡略化することができる。また浸漬アームの動作によって保持可動部を動作させ、該動作に応じて弾性部材を伸長させて下地基板を保持するので、下地基板を確実に保持することができる。
また本発明によれば、保持固定部の張出部には、下地基板が保持される側に、保持固定部と保持可動部とで保持されている状態にある下地基板の溶湯への浸漬面に対して平行な基板当接面が形成される。このことによって、保持可動部と保持固定部とで下地基板を保持する際、下地基板側の浸漬面に対して平行に形成される面を、基板当接面に当接させて保持し、下地基板を保持部材に対して常に平行な状態で保持することが可能になる。
また本発明によれば、下地基板が保持可動部によって押圧される被押圧面には係合溝部が形成され、下地基板を押圧する保持可動部の押圧面には係合凸部が形成され、下地基板が保持固定部と保持可動部とで保持されるとき、係合凸部が係合溝部に係合するので、浸漬動作中の下地基板が、保持部材に対してずれることを防止し、下地基板の保持を一層確実なものとすることができる。
また本発明によれば、弾性部材がばね部材で構成されるので、耐熱性を有し、高温環境においても弾性を維持することのできる弾性部材を容易に実現することができる。
図1は本発明の実施の一形態である下地基板保持装置30の構成を簡略化して示す側面図であり、図2は図1に示す下地基板保持装置30の斜視図であり、図3は図1に示す下地基板保持装置30の分解斜視図である。下地基板保持装置30は、半導体材料または金属材料を溶融した溶湯に下地基板を浸漬し、引上げて下地基板に半導体材料または金属材料を凝固析出させて結晶シートを作製する結晶シート生成装置に備えられる装置であり、さらに詳しくは、下地基板を溶湯に対して浸漬し引上げる浸漬手段に備わる搬送部材である浸漬アームの先端部に設けられて、下地基板を着脱可能に保持することに用いられる。半導体材料および金属材料としては、たとえばシリコン等の半導体材料、鉄またはチタンなどの金属材料が挙げられる。本実施の形態では、シリコンの結晶シートを作製する場合について例示する。
下地基板保持装置30は、大略、下地基板31を保持する一方の保持部材である保持固定部32と、下地基板31を保持する他方の保持部材であって、保持固定部32に対して相対変位可能に設けられ、保持固定部32との間で下地基板31を保持する保持可動部33と、弾性変形することによって保持可動部33と保持固定部32との相対位置を変化させるように設けられる弾性部材34とを含む。
保持固定部32は、耐熱性を有するたとえばカーボン製であり、後述する下地基板31が溶湯に浸漬される浸漬軌道の方向と平行な方向の切断面における断面形状が略C字状に形成される。保持固定部32は、長方形の平板である底板部41と、長方形状の底板部41の長手方向の両端部からそれぞれ立上がり対向するように設けられる2つの第1および第2側板部42,43と、第1および第2側板部42,43の遊端部から互いに向かい合う方向であって、かつ底板部41に対して略平行な方向にそれぞれ張出す第1および第2張出部44,45とを含んで構成される。
保持固定部32は、底板部41と第1および第2側板部42,43と第1および第2張出部44,45とが接合されて形成される構成であっても良いけれども、本実施の形態では、底板部41に第1および第2側板部42,43が連なり、第1および第2側板部42,43に第1および第2張出部44,45が連なるようにして、一体に形成される。
底板部41には、底板部41を厚み方向に貫通し、その長手方向に平行に延びる1対の角長孔46が形成される。第1および第2側板部42,43は、前述のように底板部41の長手方向の両端部からほぼ垂直に立上がり、底板部41の短手方向に延びる略長方形の板状に形成される。第1および第2側板部42,43は、底板部41から立上がり底板部41から予め定める距離までは厚みが一定に形成され、該距離を過ぎると底板部41から遠ざかるのに伴って第1および第2側板部42,43同士の間隔が狭くなるように厚みが増加して形成される。
したがって、第1側板部42には、第1張出部44付近において、第2側板部43の方向へ傾斜する第1傾斜部47が形成される。同様に第2側板部43には、第2張出部45付近において、第1側板部42の方向へ傾斜する第2傾斜部48が形成される。第1および第2張出部44,45には、第1および第2傾斜部47,48にそれぞれ連なり、底板部41と第1および第2側板部42,43と第1および第2張出部44,45とで形成される内方空間に臨み、下地基板31が当接する基板当接面であって、保持固定部32と保持可動部33とで保持されている状態にある下地基板31の溶湯への浸漬面に対して平行な第1および第2基板当接面49,50がそれぞれ形成される。
弾性部材34として、本実施の形態では1対のコイル状のばね部材34が用いられる。ばね部材34は、耐熱性および耐久性などの点から、たとえば鋼製またはリン青銅製などの金属からなるばね材であることが好ましい。一対のばね部材34は、底板部41の短手方向の中央であって、底板部41の長手方向の中心線に対して線対称となる位置に配置され、底板部41に装着される。このように設けられる一対のばね部材34は、底板部41に垂直な方向に対して弾性変形可能である。
なお、弾性部材34は、ばね部材に限定されるものではなく、たとえばある程度の耐熱性を有するシリコーンゴムなどが用いられても良い。
保持可動部33は、側面形状がT字状、正面形状が逆U字状に形成され、耐熱性の観点からカーボン製であることが好ましい。保持可動部33は、長方形状の平板であり下地基板31を押圧するように作用する押圧板51と、押圧板51の長手方向中央部付近において、押圧板51の短手方向の両端部で押圧板51から垂直に突出するように形成される第1および第2突出片52,53とを含んで構成される。
押圧板51は、押圧板51が保持固定部32の内方空間へ装入されて第1および第2張出部44,45に対して近接離反する方向に移動可能なようにその長辺と短辺との寸法が定められ、厚みについては特に限定されないけれども、適度な剛性と強度とを備える寸法に定められる。また保持固定部32と保持可動部33とで保持されている状態にある下地基板31に当接して下地基板31を押圧する保持可動部33の押圧板51の押圧面51aには、下地基板31が溶湯に浸漬される後述の浸漬軌道の方向に対して略平行方向に延びる係合凸部54が形成される。
押圧板51から突出して形成される第1および第2突出片52,53それぞれの寸法は、厚みおよび押圧板51の長手方向に延びる長さが、前述の底板部41に形成される角長孔46に挿入することができ、かつ角長孔46に対して出入方向に移動可能な大きさに設定される。第1および第2突出片52,53の突出長さは、特に限定されないけれども、第1および第2突出片52,53を角長孔46に挿通させたとき、底板部41の裏面側に突き出た部分を浸漬アーム60に対して装着するに充分な長さを有するように設定される。第1および第2突出片52,53の先端部付近には、浸漬アーム60に対して装着するための装着孔55として2つの貫通孔が形成される。
保持可動部33は、第1および第2突出片52,53が保持固定部32の角長孔46に挿入されて保持固定部32とともに、下地基板31を保持する保持部材を構成する。このとき、一対のばね部材34は、保持可動部33の押圧板51と保持固定部32の底板部41との間に位置し、ばね部材34が圧縮変形するとき、保持可動部33の押圧板51が第1および第2張出部44,45から遠ざかる方向へ移動し、ばね部材34が伸長変形するとき、保持可動部33の押圧板51が第1および第2張出部44,45へ近づく方向へ移動する。
浸漬アーム60は、その先端部が第1および第2アーム先端部61,62の二股に形成される。第1および第2アーム先端部61,62には、保持可動部33の第1および第2突出片52,53にそれぞれ形成される装着孔55に対応するように、貫通孔であるボルト孔63がそれぞれ形成される。
第1アーム先端部61と第2アーム先端部62とで形成される間隙の寸法は、第1突出片52と第2突出片53とが対向する外寸距離よりも少し大きくなるように形成される。このことによって、保持固定部32の角長孔46を挿通した第1および第2突出片52,53の先端部分が、浸漬アーム60の第1および第2アーム先端部61,62の間隙へ挿入され、第1および第2アーム先端部61,62のボルト孔63と、第1および第2突出片52,53の装着孔55とに締結ボルト部材64をそれぞれ挿通させて固定することができる。このように、保持可動部33が、浸漬アーム60の第1および第2アーム先端部61,62に連結されることによって、浸漬アーム60の動作に連動するように構成される。
図4は、下地基板31の構成を簡略化して示す斜視図である。図4の下地基板31は、保持固定部32と保持可動部33とによって保持される側から表される。下地基板31は、カーボン製であり、ほぼ矩形の平板形状を有する浸漬部71と、浸漬部71から突出して形成される突起部72とを含んで構成される。浸漬部71の溶湯に浸漬される側の面である浸漬面73は平坦に形成され、浸漬面73の反対側の面であり保持可動部33の押圧板51によって押圧される被押圧面74に突起部72が形成される。
突起部72は、保持固定部32と保持可動部33とによるチャッキング部として、また下地基板31の剛性を高めるために形成される。突起部72は、浸漬部71から直方体形状で突出する下層突起部75と、下層突起部75に連なり下層突起部75から張出すようにして形成される上層突起部76とで構成される。下地基板31が保持固定部32と保持可動部33とで保持された状態における保持固定部32と保持可動部33との長手方向に平行な断面形状が、下層突起部75では長方形になるように、また上層突起部76では台形になるように形成される。
突起部72は、上記長手方向に延び、長手方向に対して直交する方向に2つの第1および第2突起部72a,72bが並列するようにして形成される。第1突起部72aと第2突起部72bとは、上記長手方向に延びる溝状の間隙を形成するようにして配列され、この第1突起部72aと第2突起部72bとで形成される溝状の間隙の寸法は、前述の保持可動部33の押圧板51に形成される係合凸部54に対応して係合可能なように形成される。したがって、第1突起部72aと第2突起部72bとで形成される溝状の間隙は、下地基板31が保持固定部32と保持可動部33とで保持されるとき、係合凸部54に係合する係合溝部77を構成する。断面形状が台形を呈する上層突起部76の下層突起部75から張出す張出し部分においては、台形の斜辺を構成するテーパ部78と、台形の上辺を構成し浸漬面73に対して平行な水平部79とが形成される。
このような下地基板保持装置30は、浸漬アーム60に装着されて浸漬手段とともに、結晶シート生成装置のチャンバ35内に設けられ、真空ポンプ36と不図示の不活性ガス供給手段とによって雰囲気調整されたチャンバ35内で、下地基板31の保持または保持解除動作を行う。
以下図5〜図8を参照し、下地基板保持装置30によって下地基板31を保持する動作について説明する。図5〜図8は、下地基板保持装置30による下地基板31の保持動作の概要を説明する図である。
図5では、まず最初に、下地基板保持装置30を、浸漬手段によって、チャンバ35の内壁面81に取付けられた着脱用ブロック82付近まで搬送し、さらに着脱用ブロック82が浸漬アーム60の第1アーム先端部61と第2アーム先端部62との間に入るように移動させる。
図6では、浸漬アーム60を矢符83の方向に低速で下げ、着脱用ブロック82の上面82aに保持固定部32の底面部41を当接させ、浸漬アーム60に直結された保持可動部33を、浸漬アーム60に連動させて所定の位置まで下げる。このとき、ばね部材34が、底面部41に近接する方向へ移動した保持可動部33の押圧板51と、保持固定部32の底面部41との間で圧縮変形され、前記押圧板51と保持固定部32の第1および第2張出部44,45との間に間隙が形成される。
図7では、保持固定部33の第1および第2張出部44,45の上面に対して、下地基板31の浸漬部71をスライドさせる形で横から挿入し、保持可動部33の押圧板51に形成された係合凸部54と、下地基板31の第1および第2突起部72a,72bによって形成される係合溝部77とを対応するように位置決めする。
図8では、浸漬アーム60を矢符84方向に低速で上げることによって、ばね部材34の圧縮が開放されて伸長変形し、浸漬アーム60に直結された保持可動部33に対して、保持固定部32がばね部材34の力で下方に押下げられ、換言すれば保持可動部33が保持固定部32の第1および第2張出部44,45に近接する方向に相対変位する。
この保持可動部33が保持固定部32の第1および第2張出部44,45に近接する方向に相対変位するとき、押圧板51上の下地基板31を矢符84方向に押上げる。保持可動部33によって下地基板31が矢符84方向に押上げられるとき、保持固定部32の第1および第2傾斜部47,48と、下地基板31のテーパ部78とが当接し、傾斜面同士の嵌合によって自動的に位置決めが行われる。
傾斜面同士の嵌合によって位置決めされた後、さらに保持固定部32の第1および第2張出部44,45にそれぞれ形成される第1および第2基板当接面49,50と、下地基板31の突起部72の水平部79とが当接することによって、保持固定部32と保持可動部33とを含む保持部材に対して、下地基板31を平行に保持することができる。
下地基板31を保持固定部32と保持可動部33とで保持する際、下地基板31に形成される係合溝部77に対して、保持可動部33の押圧板51に形成される係合凸部54を係合させることによって、浸漬動作中における下地基板31の保持部材に対するずれを防止し、下地基板31を一層確実に保持することができる。
下地基板31を溶湯に浸漬し引上げた後、下地基板31を下地基板保持装置30から離脱させる方法については、上記の一連の動作を逆に行うことによって実現することができるので、説明を省略する。
このように、下地基板保持装置30によれば、下地基板31の下地基板保持装置30に対する着脱を、ばね部材34の弾性変形を利用して容易に行うことができるので、下地基板31を交換する際に費やす作業量および作業時間を低減し、生産性を向上することができる。さらに、下地基板保持装置30を部品点数の少ない簡単な構成で実現することができる。
たとえば、200mm角、20mm厚のカーボン製の下地基板31に、高さ10mm、幅80mm、長さ200mmの突起部72を形成した場合、下地基板31の浸漬面73が1000℃、反対側の被押圧面74が100℃になるとすると、下地基板31の突起部72における反り量は1mm以下であり、ばね部材34による弾性力によって充分に保持が可能である。
次に、結晶シート生成装置による結晶シート生成動作の説明を通じて、結晶シート生成装置に搭載される下地基板保持装置30が実行する動作について説明する。図9は、結晶シート生成における下地基板保持装置30の動作の概要を説明する図である。
(析出前工程)
チャンバ35内を、真空ポンプ36によって6.7×10−1Pa以下に減圧後、不図示のアルゴン(Ar)ガス供給手段からチャンバ35内にArガスを導入してチャンバ35内を常圧環境とし、さらにArガスを1dm/minの流量で分流し続ける。続いて、不図示の坩堝周辺に設置した不図示の加熱ヒータを用いた高周波誘導加熱により、坩堝内の温度が1500℃になるまで、坩堝の加熱を行い、坩堝内に初期投入したシリコン原料を溶融し、シリコンの溶湯全体を均一な温度に維持する。
(下地基板受取工程)
下地基板受取工程について図9(a)および図9(b)を参照して説明する。下地基板31が、結晶シート生成装置内に搬入され、チャンバ35内の不図示の搬送装置によって、浸漬待機部91に載置される。このとき、下地基板保持装置30は、浸漬待機部91に並列配置してチャンバ35の内壁面81に設けられる着脱用ブロック82上で待機している状態にある。この状態で、下地基板保持装置30は、保持固定部32の第1および第2張出部44,45と保持可動部33の押圧板51との間に間隙が形成されている。
浸漬待機部91に載置される下地基板31は、浸漬待機部91と着脱用ブロック82との並列方向に進退自在に設けられるプッシャー92によって、浸漬待機部91に形成される第1案内部材93に案内されながら矢符94で示す着脱用ブロック82へ向う方向へスライドされる。このスライド移動によって、下地基板31の突起部72が、第1および第2張出部44,45と押圧板51との間隙に挿入される。下地基板31が下地基板保持装置30に挿入された後、浸漬アーム60を低速で上方に移動させて、下地基板31の突起部72を、保持固定部32の第1および第2張出部44,45と保持可動部33の押圧板51とでチャッキングし、下地基板31の受取りが完了する。
(結晶シート生成工程)
結晶シート生成工程について図9(c)および後述の図10を参照して説明する。下地基板保持装置30による下地基板31の受取完了後、浸漬アーム60を含む浸漬手段の動作によって、下地基板31が矢符95方向に搬送され、さらに浸漬軌道に沿って溶湯に浸漬される。
図10は、下地基板31が溶湯に浸漬される状態を説明する図である。下地基板保持装置30に保持される下地基板31は、下地基板保持装置30の長手方向に平行な方向に移動されて溶湯96に浸漬される。下地基板31が溶湯96に浸漬され引上げられる際の移動軌跡である浸漬軌道97は、進行方向の上流側から溶湯96の表面である湯面96aに対して浸漬突入角度θをなして斜め方向に下降し、溶湯96に浸漬深さdまで浸漬させた後、進行方向の下流側に斜め方向に上昇し、溶湯96から引上げる路程をとる。この浸漬突入角度θと浸漬深さdとは、製造する結晶シート98の材質、厚さ、下地基板31の浸漬時間等により適宜設定される。
下地基板31が浸漬軌道97に従って溶湯96に浸漬されることによって、下地基板31の浸漬面73にシリコンが凝固析出されて結晶シート98となり、一定時間の経過後に下地基板31が溶湯96から引上げられることによって、所定厚みの結晶シート98が生成される。
(下地基板引渡工程)
下地基板引渡工程について図9(d)を参照して説明する。結晶シート生成工程完了後、浸漬アーム60は再び着脱用ブロック82が設けられる位置に復帰し、下地基板保持装置30は着脱用ブロック82上に載置される。続いて、浸漬アーム60が低速で下方に移動する一連の動作にて、下地基板31の保持解除が行われる。この後、保持解除された下地基板31は、プッシャー92によってさらに矢符94方向にスライド移動されて、下地基板保持装置30から離脱される。スライド移動される下地基板31は、浸漬待機部91の反対側で着脱用ブロック82に並列配置される搬出待機部99上へ、搬出待機部99に形成される第2案内部材100に案内されて移載される。この搬出待機部99上の結晶シート98の生成された下地基板31は、不図示の搬送装置によって結晶シート生成装置から搬出され、次工程へと送られる。
以上に述べたように、本実施の形態では、溶湯にはシリコンを溶融させたものが用いられるけれども、これに限定されることなく、ガリウム−ヒ素などの複合の半導体材料の溶湯であっても良く、また鉄またはチタンなどの金属材料の溶湯であっても良い。
本発明の実施の一形態である下地基板保持装置30の構成を簡略化して示す側面図である。 図1に示す下地基板保持装置30の斜視図である。 図1に示す下地基板保持装置30の分解斜視図である。 下地基板31の構成を簡略化して示す斜視図である。 下地基板保持装置30による下地基板31の保持動作の概要を説明する図である。 下地基板保持装置30による下地基板31の保持動作の概要を説明する図である。 下地基板保持装置30による下地基板31の保持動作の概要を説明する図である。 下地基板保持装置30による下地基板31の保持動作の概要を説明する図である。 結晶シート生成における下地基板保持装置30の動作の概要を説明する図である。 下地基板31が溶湯に浸漬される状態を説明する図である。 浸漬方法の概要を説明する図である。 下地基板を真空吸着して保持する従来の下地基板保持装置10の構成を示す図である。 下地基板12の浸漬面12bと当接面12aとで大きな温度差が生じた状態を示す図である。
符号の説明
30 下地基板保持装置
31 下地基板
32 保持固定部
33 保持可動部
34 弾性部材
41 底板部
42,43 側板部
44,45 張出部
51 押圧板
52,53 突出片
54 係合凸部
60 浸漬アーム
77 係合溝部

Claims (6)

  1. 半導体材料または金属材料を溶融した溶湯に下地基板を浸漬するための浸漬手段に備わる搬送部材である浸漬アームの先端部に設けられ、溶湯に浸漬される下地基板に半導体材料または金属材料を凝固成長させて結晶シートを形成させるに際し、下地基板を着脱可能に保持する下地基板保持装置において、
    下地基板を保持する一方の保持部材である保持固定部と、
    下地基板を保持する他方の保持部材であって、保持固定部に対して相対変位可能に設けられ、保持固定部との間で下地基板を保持する保持可動部と、
    弾性変形することによって保持可動部と保持固定部との相対位置を変化させるように設けられる弾性部材とを含むことを特徴とする下地基板保持装置。
  2. 保持固定部は、底板部と、底板部の両端部からそれぞれ立上がり対向するように設けられる2つの側板部と、側板部の遊端部から互いに向かい合う方向であって、かつ底板部に対して略平行な方向に張出す張出部とを含み、
    保持可動部は、保持固定部の底板部と側板部と張出部とで形成される内方空間に位置して相対変位可能に設けられ、
    弾性部材は、保持固定部の底板部と保持可動部との間に設けられ、弾性変形することによって、保持可動部と保持固定部の張出部との相対位置を変化させることを特徴とする請求項1記載の下地基板保持装置。
  3. 保持可動部が、浸漬アームの先端に連結されて浸漬アームの動作に連動し、
    弾性部材が、浸漬アームの動作に連動する保持可動部の動作に応じて弾性変形し、伸長変形することによって下地基板を保持し、圧縮変形することによって下地基板を保持解除することを特徴とする請求項1または2記載の下地基板保持装置。
  4. 保持固定部の張出部には、
    保持固定部の底板部と側板部と張出部とで形成される内方空間に臨み、下地基板が当接する基板当接面であって、保持固定部と保持可動部とで保持されている状態にある下地基板の溶湯への浸漬面に対して平行な基板当接面が形成されることを特徴とする請求項2または3記載の下地基板保持装置。
  5. 保持固定部と保持可動部とで保持されている状態にある下地基板に当接して下地基板を押圧する保持可動部の押圧面には、下地基板が溶湯に浸漬される浸漬軌道に対して略平行方向に延びる係合凸部が形成され、
    保持可動部によって押圧される下地基板の被押圧面には、係合凸部と係合する係合溝部が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の下地基板保持装置。
  6. 弾性部材が、ばね部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の下地基板保持装置。
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