JP2006168190A - 射出成形シミュレーション方法、射出成形シミュレーション装置および射出成形シミュレーションプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 射出成形シミュレーション結果から得られた充填終了時点における溶融材料温度分布を観察することにより、流動先端の後に流れてくる溶融材料の流動における異常流動による不連続な分布を抽出することが可能である事を見出し、フローマーク状の外観不良を効率的かつ確実に予測、評価、表示することが可能な射出成形シミュレーション方法、装置およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における溶融材料の温度を算出し、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測する。
【選択図】 図5
【解決手段】 成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における溶融材料の温度を算出し、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、射出成形品に発生するフローマーク等の外観不良を予測、評価、表示する射出成形シミュレーション方法、射出成形シミュレーション装置および射出成形シミュレーションプログラムに関する。
鋳物、樹脂などの溶融材料の射出成形により成形品を製作するとき、溶融材料の充填挙動が製品の品質に大きな影響を与える。製造時の充填挙動が不適切な場合、製品内部に製品としては致命的な欠陥が発生する。これらの欠陥の発生を防止するためには製造方法の最適化が必要であるが、現状では人間の過去の経験や勘に頼った試行錯誤的な最適化方法がとられている。
特に、射出成形機を用いてプリズムなどの光学素子を製造する場合、その表面にあたかも溶融材料が流れた波模様や縞模様に似た痕跡が現れて、成形品の外観を著しく損ね、製品不良の一原因になる。通常、そのような痕跡をフローマークと呼んでいる。
一方、近年のコンピュータの性能向上や数値解析手法の発展に伴い、製造条件の最適化のためにコンピュータシミュレーションを利用することも試みられている。現状では解析に必要なデータとして使用する溶融材料の物性値、成形品の形状、溶融材料の温度、金型温度、充填速度等を入力して溶融材料の射出成形における流動解析を行い、充填状況、圧力分布、渦度分布、流速分布、温度分布などの解析結果から製造条件の適否を評価している。
しかし、前述した従来の射出成形シミュレーションにおける種々の解析結果の表示方法では溶融材料の充填状況、圧力分布、渦度分布、流速分布、温度分布などの情報を忠実に表現することはできるが、これらの情報から充填状況が欠陥のない健全な製品を製造するのに適切なものになっているか否かについては直接的に評価することはできない。溶融材料の射出成形における流動解析結果を評価するには溶融材料の充填状況、圧力分布、渦度分布、流速分布、温度分布などの情報をもとに充填が順序良く進行しているか、最終充填部は適切な位置になっているか、流れが乱れている部分はないかなどについて人間が得られた解析結果を総合的に判断して、成形品である製品内のどこに欠陥が発生するかを予測あるいは推測している。
しかしながら、このような流動解析結果の評価方法では判断を下す人間の過去の経験や勘に依存する部分が大きいため判断する人間によって解析結果の評価が異なる場合がある。従って、このような流動解析結果の評価方法では充填途中に発生する流れの乱れや空気の巻き込みによる気泡の発生などの現象を的確に把握し、評価することは非常に難しい。
また、溶融材料の流動解析を利用して金型設計あるいは成形条件の設定、溶融材料の選択等の検討を行う事によって、射出成形に際して成形品に形成されるフローマークの発生を予測する技術も開示されているが、溶融材料の流動時の剪断応力の値がその溶融材料の臨界剪断応力値を越えた場合にフローマークが発生する場合に限られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3255758号公報
しかしながら、このフローマークの発生メカニズムについては、流動先端における異常流動を原因とするものではなく、流動先端の後に流れてくる溶融材料の流動において、異常流動や異常冷却を起こし不連続な分布を起こして発生するものと推定される。この様な外観不良が発生すると、成形条件などで対策できる場合もあるが、成形条件では対策しきれない場合は、ゲートやランナー形状および場合によっては製品形状を変更して対策することが必要になり、時間やコストがかかってしまうという問題点があった。
また、この様な外観不良を予測するために、有限要素法などを利用した溶融材料の射出成形シミュレーションソフトの利用が進められているが、上記原因によるフローマークを射出成形シミュレーションソフトの結果により予測するためには、上記流動の不連続分布を、充填段階の各部位における、剪断速度、剪断応力、溶融材料温度、溶融材料圧力などの数多くの結果をくまなく逐次評価しなければならず、莫大な時間もかかり、見落としも起こるなどの問題点があった。
また、上記特許文献1に開示されているような技術は、平板などの表裏面に特定の位相のズレを持って交互に発生するフローマークに関するものであり、プリズムのような厚肉の光学素子等においてゲートから少し過ぎた部位に発生する、フローマーク状の外観不良現象に関しては予測することは不可能であるという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、射出成形シミュレーション結果から得られた充填終了時点における溶融材料温度分布を観察することにより、流動先端の後に流れてくる溶融材料の流動における異常流動による不連続な分布を抽出することが可能である事を見出し、フローマーク状の外観不良を効率的かつ確実に予測、評価、表示することが可能な射出成形シミュレーション方法、射出成形シミュレーション装置および射出成形シミュレーションプログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーション方法は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション方法であって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出し、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測することを特徴とする。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーション方法は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション方法であって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出し、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測することを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーション方法は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション方法であって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出し、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布において、同一温度である等値面が上記金型の壁面に略直角になっている上記微小要素を検出し、上記検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測することを特徴とする。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記算出された温度分布を表示することが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記算出された温度分布に基づいて、上記検出された微小要素を表示することが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記算出された温度分布に基づいて、上記検出された微小要素を表示することが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記フローマークが発生すると予測された場合、上記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションすることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、少なくとも上記溶融材料の物性値、上記成形品の形状、上記溶融材料の温度、上記金型の温度、上記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション方法は、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、上記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーション装置は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置であって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する計算モデル作成手段と、上記シミュレーション条件に基づいて、上記計算モデル作成手段によって作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出する溶融材料温度算出手段と、上記溶融材料温度算出手段によって算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出する溶融材料温度分布算出手段と、上記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測するフローマーク発生予測手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーション装置は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置であって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する計算モデル作成手段と、上記シミュレーション条件に基づいて、上記計算モデル作成手段によって作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出する溶融材料温度算出手段と、上記溶融材料温度算出手段によって算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出する溶融材料温度分布算出手段と、上記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布において、同一温度である等値面が上記金型の壁面に略直角になっている上記微小要素を検出する直交微小要素検出手段と、上記直交微小要素検出手段によって検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測するフローマーク発生予測手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布を表示する温度分布表示手段をさらに備えることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記温度分布表示手段が、上記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布に基づいて、上記直交微小要素検出手段によって検出された微小要素を表示することが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記温度分布表示手段が、上記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布に基づいて、上記直交微小要素検出手段によって検出された微小要素を表示することが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記フローマーク発生予測手段によってフローマークが発生すると予測された場合、上記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションすることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、少なくとも上記溶融材料の物性値、上記成形品の形状、上記溶融材料の温度、上記金型の温度、上記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーション装置は、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、上記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションするコンピュータ実行可能な射出成形シミュレーションプログラムであって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する手順と、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出する手順と、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出する手順と、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の一態様によれば、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションするコンピュータ実行可能な射出成形シミュレーションプログラムであって、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する手順と、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出する手順と、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出する手順と、上記算出された温度分布において、同一温度である等値面が上記金型の壁面に略直角になっている上記微小要素を検出する手順と、上記検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記算出された温度分布を表示する手順をさらに実行させることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記算出された温度分布に基づいて、上記検出された微小要素を表示する手順をさらに実行させることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記算出された温度分布に基づいて、上記検出された微小要素を表示する手順をさらに実行させることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記フローマークが発生すると予測された場合、上記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションを実行させることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、少なくとも上記溶融材料の物性値、上記成形品の形状、上記溶融材料の温度、上記金型の温度、上記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることが望ましい。
また、本発明の射出成形シミュレーションプログラムは、上記再シミュレーションする際のシミュレーション条件が、上記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることが望ましい。
本発明によれば、射出成形シミュレーション結果から得られた充填終了時点における溶融材料温度分布を観察することにより、流動先端の後に流れてくる溶融材料の流動における異常流動による不連続な分布を抽出することが可能である事を見出し、フローマーク状の外観不良を効率的かつ確実に予測、評価、表示することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明が適用される射出成形シミュレーション装置は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置であり、以下の実施の形態で説明する内容を実行する。
本発明が適用される射出成形シミュレーション装置は、入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置であり、以下の実施の形態で説明する内容を実行する。
図1は、フローマークを説明するための図である。
図1に示されているのは、ランナー部13を流れてきた溶融材料がゲート部12を通って金型に充填された際、プリズムである製品部11の一部にフローマーク14が発生したことを示している。
図1に示されているのは、ランナー部13を流れてきた溶融材料がゲート部12を通って金型に充填された際、プリズムである製品部11の一部にフローマーク14が発生したことを示している。
図2は、射出成形シミュレーションによる解析モデル全体を示す図である。
図2に示したプリズムの解析モデル(以下、基本モデルという。)は、幅7mm、高さ7.5mmの五角形断面で奥行き8mm のプリズム形状の製品部11およびゲート部12の他、ランナー部13全体およびスプルー部15まで含めて忠実にモデル化したものである。
図2に示したプリズムの解析モデル(以下、基本モデルという。)は、幅7mm、高さ7.5mmの五角形断面で奥行き8mm のプリズム形状の製品部11およびゲート部12の他、ランナー部13全体およびスプルー部15まで含めて忠実にモデル化したものである。
図3は、解析モデルの製品部を示す図であり、図2に示した解析モデルのうち、ランナー部13の一部、ゲート部12および製品部11を拡大した図である。
図3において、XYZの各座標軸は、ゲート部12の溶融材料流入方向がX軸の正方向、製品部11であるプリズムの五角形頂点方向がY軸の正方向、紙面略奥行き方向がZ軸の正方向である。
図3において、XYZの各座標軸は、ゲート部12の溶融材料流入方向がX軸の正方向、製品部11であるプリズムの五角形頂点方向がY軸の正方向、紙面略奥行き方向がZ軸の正方向である。
また、この解析モデルは、側面にゲート部12を設け、スプルー部15、ランナー部13を含めて、テトラ要素と呼ばれる三角形4面体要素を用いて作成した有限要素法モデルであり、総節点数:14,713、総要素数:72,549である。この解析での成形条件は、
溶融材料温度:260(℃)
金型温度 :130(℃)
射出速度 :第1速が0.0〜0.063(sec),29.4(cc/sec)
第2速が0.063〜0.175(sec),14.7(cc/sec)
第3速が0.175〜0.261(sec),4.41(cc/sec)
第4速が0.261〜0.343(sec),7.35(cc/sec)
保圧条件 : 第1段が0.0〜0.6(sec),100(MPa)
第2段が0.6〜4.6(sec),80(MPa)
第3段が4.6〜8.5(sec),60(MPa)
冷却時間 : 130(sec)
である。
溶融材料温度:260(℃)
金型温度 :130(℃)
射出速度 :第1速が0.0〜0.063(sec),29.4(cc/sec)
第2速が0.063〜0.175(sec),14.7(cc/sec)
第3速が0.175〜0.261(sec),4.41(cc/sec)
第4速が0.261〜0.343(sec),7.35(cc/sec)
保圧条件 : 第1段が0.0〜0.6(sec),100(MPa)
第2段が0.6〜4.6(sec),80(MPa)
第3段が4.6〜8.5(sec),60(MPa)
冷却時間 : 130(sec)
である。
そして、上述のような成形条件を用いて射出成形解析を行った。
図4は、解析結果の表示例を示す図であり、図5は、解析結果の断面図表示例を示す図である。
図4は、解析結果の表示例を示す図であり、図5は、解析結果の断面図表示例を示す図である。
図4に示した解析結果は、解析結果の代表的であり、溶融材料の流れていく時間経過を表示形態(例えば、色)を変えて表示した、フローパターンと呼ばれるものである。
図5に示した解析結果は、溶融材料の充填が完了した際の溶融材料温度の分布を示しており、ゲート部12の中心かつXY平面での断面図の表示である。溶融材料の温度分布であるから外側、すなわち金型に接している側から内部に向けて、全体的には温度が高くなっている。すなわち、その溶融材料の温度が略同一である等値面を見ると、殆どの部位で金型の壁面と略平行に位置していることになる。
図5に示した解析結果は、溶融材料の充填が完了した際の溶融材料温度の分布を示しており、ゲート部12の中心かつXY平面での断面図の表示である。溶融材料の温度分布であるから外側、すなわち金型に接している側から内部に向けて、全体的には温度が高くなっている。すなわち、その溶融材料の温度が略同一である等値面を見ると、殆どの部位で金型の壁面と略平行に位置していることになる。
しかしながら、一部において溶融材料の温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している直角部位16がある。この直角部位16が図1に示したフローマーク14の発生位置と一致している。
図6は、ゲート部を高さ方向に拡大した解析モデルを示す図である。
以下、この拡大された解析モデルをゲート部拡大モデルという。なお、拡大されたゲート部(拡大ゲート部)12A以外は、図2および図3に示したモデルと全く同じ形状である。
以下、この拡大された解析モデルをゲート部拡大モデルという。なお、拡大されたゲート部(拡大ゲート部)12A以外は、図2および図3に示したモデルと全く同じ形状である。
図7は、拡大ゲート部を用いた解析結果の表示例を示す図であり、図8は、拡大ゲート部を用いた解析結果の断面図表示例を示す図である。
図7に示した解析結果は、拡大ゲート12Aを用いた場合のフローパターンを示している。この図7に示したフローパターンを図4に示したフローパターンと比較すると、特に差違は見受けられない。
図7に示した解析結果は、拡大ゲート12Aを用いた場合のフローパターンを示している。この図7に示したフローパターンを図4に示したフローパターンと比較すると、特に差違は見受けられない。
しかしながら、図8に示した断面図を図5に示した断面図と比較すると、図8においては、図5に見られたような溶融材料の温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している直角部位16に相当するような部位は見当たらない。また、実際の成形においても、ゲートを拡大することにより、発生していたフローマークが消えて外観不良の対策となることは知られている。この様に対策案の効果もシミュレーション結果で確認できている。
図9は、拡大ゲート部を高さ方向にさらに拡大した解析モデルを示す図である。
以下、このさらに拡大された解析モデルをゲート部過拡大モデルという。なお、さらに拡大されたゲート部(過拡大ゲー部)12B以外は、図2および図3、あるいは図6に示したモデルと全く同じ形状である。
以下、このさらに拡大された解析モデルをゲート部過拡大モデルという。なお、さらに拡大されたゲート部(過拡大ゲー部)12B以外は、図2および図3、あるいは図6に示したモデルと全く同じ形状である。
図10は、過拡大ゲート部を用いた解析結果の断面図表示例を示す図である。
図10に示した断面図を図5に示した断面図と比較すると、図10においても再び図5に見られたような溶融材料の温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している直角部位16Aが同じような位置に見られる。また、実際の成形においても、ゲートがつながる成形品部に段差がなかったり、段差が小さい場合に、フローマークが発生することが知られている。この様にゲートまわりの形状変化により、フローマークが発生したり発生しなくなったりする現象がシミュレーション結果で確認できている。
図10に示した断面図を図5に示した断面図と比較すると、図10においても再び図5に見られたような溶融材料の温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している直角部位16Aが同じような位置に見られる。また、実際の成形においても、ゲートがつながる成形品部に段差がなかったり、段差が小さい場合に、フローマークが発生することが知られている。この様にゲートまわりの形状変化により、フローマークが発生したり発生しなくなったりする現象がシミュレーション結果で確認できている。
次に、シミュレーション結果の溶融材料の温度分布を分析する際の別の手法について説明する。
図11は、基本モデルの解析結果から充填完了時の溶融材料の温度分布の等値面を示す図である。
図11は、基本モデルの解析結果から充填完了時の溶融材料の温度分布の等値面を示す図である。
図11に示した表示においても、一部において溶融材料の温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している直角部位16がある。この直角部位16が図1に示したフローマーク14の発生位置と一致している。
図12は、ゲート部拡大モデルの解析結果から充填完了時の溶融材料の温度分布の等値面を示す図であり、図13は、ゲート部過拡大モデルの解析結果から充填完了時の溶融材料の温度分布の等値面を示す図である。
これらの図12および図13からも、図8および図10から得られたものと同様にフローマークの有無を予測することが出来る。また、これら図11乃至図13に示したような等値面表示を用いることにより、フローマークの発生部位を3次元的に把握することができるので、その形状や部位が把握しやすい。また、図5、図8あるいは図10に示した断面図表示では、複数方向の断面を、ある程度の幅で刻んで見ていかなければならないため、時間がかかってしまう。しかし、図11乃至図13に示したような等値面表示では、表示する値を変化させながら見る方向を変えて分析することが出来、効率的に評価することが可能である。
しかし、一方では、この図11乃至図13に示したような等値面表示だけに頼ってしまうと溶融材料温度の等値面が金型壁面と略直角に位置している部位16、16Aを見落としてしまう恐れもある。そこで、これら断面図表示と等値面表示の二つの表示方法両方を用いることで、検出精度も高く、形状も把握しやすく評価することが可能になる。
また、これまではフローマーク14の発生部位の予測という内容で説明してきたが、この分析手法で評価しながら、成形品形状やゲート配置、ランナー形状、成形条件等を変更して検討し、フローマーク14の発生しないこれらの条件を求めることもできる。
また、ここでは、光学素子のプリズムを例に挙げて説明したが、一般的な成形品でも同様なフローマーク14が発生することはあり、そのような成形品も対象となることは明らかである。
次に、上述のフローマークの検出の際、コンピュータによるシミュレーションを利用する技術について説明する。
CAE(Computer Aided Engineering)技術を利用して製造方法の最適化にコンピュータシミュレーションを利用する技術がある。この解析に必要なデータとして使用する溶融材料の物性値、成型品の形状、溶融材料の温度、金型温度、充填速度等を入力して溶融材料の射出成形における流動解析を行い、充填状況、圧力分布、渦度分布、流速分布、温度分布などの解析結果から製造条件の適否を評価している。
CAE(Computer Aided Engineering)技術を利用して製造方法の最適化にコンピュータシミュレーションを利用する技術がある。この解析に必要なデータとして使用する溶融材料の物性値、成型品の形状、溶融材料の温度、金型温度、充填速度等を入力して溶融材料の射出成形における流動解析を行い、充填状況、圧力分布、渦度分布、流速分布、温度分布などの解析結果から製造条件の適否を評価している。
ここでは、解析結果の溶融材料の温度分布から、溶融材料温度の等値面が金型壁面に略直角になっている部位を検出する方法について述べる。
解析結果の溶融材料の温度は解析モデルの各節点毎に得ることが出来る。節点間の空間、あるいは節点上の温度値間の温度値に関しても、内挿することにより必要に応じて求めることは容易である。
解析結果の溶融材料の温度は解析モデルの各節点毎に得ることが出来る。節点間の空間、あるいは節点上の温度値間の温度値に関しても、内挿することにより必要に応じて求めることは容易である。
このように解析モデル内に関しては、任意の位置、温度値のデータを算出することが可能である。この温度値データから、温度値の等しい点を結ぶことにより、等値面を算出することも容易である。
図14は、ゲート部拡大モデルにおける溶融材料温度の等値面表示の例を示す図である。
このゲート部拡大モデルは、図6、図7、図8および図12に提示したゲート部拡大モデルと同様である。
このゲート部拡大モデルは、図6、図7、図8および図12に提示したゲート部拡大モデルと同様である。
図14において、溶融材料温度の等値面は3つの節点を結んだ三角形で表示されている。図14に表示されているのは、充填完了時、溶融材料温度が259.5℃の溶融材料温度等値面17である。
次に、溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている部位を検出する範囲を設定する。検出する溶融材料温度等値面17が、解析モデルの中心部では意味が無いので、ある程度表面に近い範囲を設定する。
その方法としては、まず、求められた溶融材料温度等値面17の各三角形の図心を求めておく。一方で、解析モデルの成形品部の、局部、極小的な形状を除いた代表形状の最小肉厚Dを求めておく。そして、成形品部の金型壁面18から内側にD/5の距離の平行面19を設ける。この金型壁面18と平行面19で挟まれた領域20内に図心が存在する溶融材料温度の等値面を、溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている部位を検出する対象となる溶融材料温度の等値面とする。
この方法について、図15に、断面が5角形の例を取り上げ、図16に、断面が矩形の例を取り上げ、それぞれ2次元としてわかりやすく図に示した。それぞれ、ハッチングで示した領域20が金型壁面18と平行面19で挟まれた範囲であり、この範囲に図心が存在する溶融材料温度の等値面を、溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている部位を検出する対象としている。
次に対象となる溶融材料温度等値面17の各々に最も距離が近い金型壁面18を選ぶ。その溶融材料温度等値面17と選んだ金型壁面20との間のなす角度、Θを算出する。このΘが直角に近いもの、例えば、Θが70乃至110度の範囲にある等値面を抽出する。この抽出された等値面が、溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている直角部位21となる。
この方法で検出された溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている直角部位21のみを表示した例を、図17に示した。この様にして、溶融材料温度等値面17が金型壁面18に略直角になっている直角部位21を検出することができる。
以上説明したように、本発明が適用される射出成形シミュレーション装置は、まず、成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、次に、上記シミュレーション条件に基づいて、上記作成された計算モデルの各微小要素における上記溶融材料の温度を算出する。そして、上記算出された各微小要素における上記溶融材料の温度に基づいて、金型への上記溶融材料の充填が完了した際の上記溶融材料の温度分布を算出し、上記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測する。
あるいは、本発明が適用される射出成形シミュレーション装置は、上記算出された温度分布において、同一温度である等値面が上記金型の壁面に略直角になっている上記微小要素を検出し、上記検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測する。
さらに、射出成形シミュレーション装置は、上記算出された温度分布を表示したり、上記算出された温度分布に基づいて、上記検出された微小要素を表示したりする。
また、射出成形シミュレーション装置は、上記フローマークが発生すると予測された場合、上記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションするが、その再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、少なくとも上記溶融材料の物性値、上記成形品の形状、上記溶融材料の温度、上記金型の温度、上記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であり、上記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件である。
また、射出成形シミュレーション装置は、上記フローマークが発生すると予測された場合、上記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションするが、その再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、少なくとも上記溶融材料の物性値、上記成形品の形状、上記溶融材料の温度、上記金型の温度、上記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であり、上記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件である。
以上、本発明の各実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明が適用される射出成形シミュレーション装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の各実施の形態等に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、可搬記録媒体、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた各実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムコードを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、射出成形シミュレーション装置に供給し、その射出成形シミュレーション装置のコンピュータがプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
また、コンピュータがメモリ上に読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した各実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した各実施の形態の機能が実現される。
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムコードやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した各実施の形態の機能が実現され得る。
すなわち、本発明は、以上に述べた各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
11 製品部
12 ゲート部
12A 拡大ゲート部
13 ランナー部
14 フローマーク
15 スプルー部
16 直角部位
16A 直角部位
17 溶融材料温度等値面
18 金型壁面
19 平行面
20 領域
21 直角部位
12 ゲート部
12A 拡大ゲート部
13 ランナー部
14 フローマーク
15 スプルー部
16 直角部位
16A 直角部位
17 溶融材料温度等値面
18 金型壁面
19 平行面
20 領域
21 直角部位
Claims (21)
- 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション方法において、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出し、
前記算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出し、
前記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測することを特徴とする射出成形シミュレーション方法。 - 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション方法において、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成し、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出し、
前記算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出し、
前記算出された温度分布において、同一温度である等値面が前記金型の壁面に略直角になっている前記微小要素を検出し、
前記検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測することを特徴とする射出成形シミュレーション方法。 - 前記算出された温度分布を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形シミュレーション方法。
- 前記算出された温度分布に基づいて、前記検出された微小要素を表示することを特徴とする請求項2に記載の射出成形シミュレーション方法。
- 前記フローマークが発生すると予測された場合、前記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の射出成形シミュレーション方法。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、少なくとも前記溶融材料の物性値、前記成形品の形状、前記溶融材料の温度、前記金型の温度、前記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることを特徴とする請求項5に記載の射出成形シミュレーション方法。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、前記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることを特徴とする請求項5又は6に記載の射出成形シミュレーション方法。
- 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置において、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する計算モデル作成手段と、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記計算モデル作成手段によって作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出する溶融材料温度算出手段と、
前記溶融材料温度算出手段によって算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出する溶融材料温度分布算出手段と、
前記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測するフローマーク発生予測手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形シミュレーション装置。 - 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションする射出成形シミュレーション装置において、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する計算モデル作成手段と、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記計算モデル作成手段によって作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出する溶融材料温度算出手段と、
前記溶融材料温度算出手段によって算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出する溶融材料温度分布算出手段と、
前記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布において、同一温度である等値面が前記金型の壁面に略直角になっている前記微小要素を検出する直交微小要素検出手段と、
前記直交微小要素検出手段によって検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測するフローマーク発生予測手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形シミュレーション装置。 - 前記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布を表示する温度分布表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載の射出成形シミュレーション装置。
- 前記温度分布表示手段は、前記溶融材料温度分布算出手段によって算出された温度分布に基づいて、前記直交微小要素検出手段によって検出された微小要素を表示することを特徴とする請求項9に記載の射出成形シミュレーション装置。
- 前記フローマーク発生予測手段によってフローマークが発生すると予測された場合、前記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションすることを特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の射出成形シミュレーション装置。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、少なくとも前記溶融材料の物性値、前記成形品の形状、前記溶融材料の温度、前記金型の温度、前記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることを特徴とする請求項12に記載の射出成形シミュレーション装置。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、前記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることを特徴とする請求項12又は13に記載の射出成形シミュレーション装置。
- 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションするコンピュータ実行可能な射出成形シミュレーションプログラムにおいて、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する手順と、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出する手順と、
前記算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出する手順と、
前記算出された温度分布に基づいて、フローマークが発生すると予測する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする射出成形シミュレーションプログラム。 - 入力されたシミュレーション条件に基づいて、射出成形における溶融材料の流れをシミュレーションするコンピュータ実行可能な射出成形シミュレーションプログラムにおいて、
成形品の形状を微小要素に分割した計算モデルを作成する手順と、
前記シミュレーション条件に基づいて、前記作成された計算モデルの各微小要素における前記溶融材料の温度を算出する手順と、
前記算出された各微小要素における前記溶融材料の温度に基づいて、金型への前記溶融材料の充填が完了した際の前記溶融材料の温度分布を算出する手順と、
前記算出された温度分布において、同一温度である等値面が前記金型の壁面に略直角になっている前記微小要素を検出する手順と、
前記検出された微小要素に対応する成形品の部位にフローマークが発生すると予測する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする射出成形シミュレーションプログラム。 - 前記算出された温度分布を表示する手順をさらに実行させることを特徴とする請求項15または16に記載の射出成形シミュレーションプログラム。
- 前記算出された温度分布に基づいて、前記検出された微小要素を表示する手順をさらに実行させることを特徴とする請求項16に記載の射出成形シミュレーションプログラム。
- 前記フローマークが発生すると予測された場合、前記シミュレーション条件を変えて再シミュレーションを実行させることを特徴とする請求項15乃至18の何れか1項に記載の射出成形シミュレーションプログラム。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、少なくとも前記溶融材料の物性値、前記成形品の形状、前記溶融材料の温度、前記金型の温度、前記溶融材料の充填速度の何れか1つを変えたシミュレーション条件であることを特徴とする請求項19に記載の射出成形シミュレーションプログラム。
- 前記再シミュレーションする際のシミュレーション条件は、前記フローマークが発生しないようなシミュレーション条件であることを特徴とする請求項19又は20に記載の射出成形シミュレーションプログラム。
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JP2004363908A JP2006168190A (ja) | 2004-12-16 | 2004-12-16 | 射出成形シミュレーション方法、射出成形シミュレーション装置および射出成形シミュレーションプログラム |
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WO2013054592A1 (ja) * | 2011-10-11 | 2013-04-18 | ポリプラスチックス株式会社 | 金型、及び樹脂成形体の製造方法 |
-
2004
- 2004-12-16 JP JP2004363908A patent/JP2006168190A/ja not_active Withdrawn
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