JP2006168029A - セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置 - Google Patents

セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006168029A
JP2006168029A JP2004361165A JP2004361165A JP2006168029A JP 2006168029 A JP2006168029 A JP 2006168029A JP 2004361165 A JP2004361165 A JP 2004361165A JP 2004361165 A JP2004361165 A JP 2004361165A JP 2006168029 A JP2006168029 A JP 2006168029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green sheet
ceramic green
support
ceramic
ceramic slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004361165A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Okauchi
亨 岡内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004361165A priority Critical patent/JP2006168029A/ja
Publication of JP2006168029A publication Critical patent/JP2006168029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

【課題】従来のセラミックグリーンシートを製造する際、支持体に大きなロスコストをかかってしまうという課題があったが、本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、前記支持体にかかるロスコストを最小限にすることを目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために、少なくとも無機粉体と有機バインダと分散媒を含むセラミックスラリー109を用いて形成されるセラミックグリーンシート111の製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリー109を循環式の支持体105の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシート111を前記循環式の支持体105から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシート111の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明はセラミック電子部品など製造する際に用いられるセラミックグリーンシートの製造方法および製造装置に関するものである。
積層セラミックコンデンサ、積層セラミック基板や積層セラミックフィルターなどのセラミック電子部品は、内層電極を配したセラミックグリーンシートを積層・焼成して製造される。
従来のセラミックグリーンシートの形成については、次の様に行われている。即ち長尺状の支持体を走行させ、例えばドクターブレード法によって、その表面に対してセラミックスラリーを所定厚さに塗布した後、これを乾燥し、前記支持体と共にリールに巻き取る。(例えば特許文献1参照)
そして、積層セラミック電子部品を製造には、前記支持体に支持される前記セラミックグリーンシート上に内層電極を印刷した後、前記支持体を剥離・除去し、前記セラミックグリーンシートのみを必要数積層した後、プレスされる。得られた積層体は裁断機で個片裁断した後、焼成され緻密な積層セラミック電子部品素体となる。その後、積層セラミック電子部品素体に表面電極をつけて、メッキなどを施し、セラミック電子部品として完成する。
特開2003−209025号公報
しかしながら、上記従来のセラミック電子部品に用いられるセラミックグリーンシートは支持体の上に形成され、前記支持体に支持されるまま内層電極を印刷された後、前記支持体を剥離・除去するというプロセスで作られていた。前記剥離・除去された支持体は廃棄される。そのため、従来のセラミック電子部品に使われるセラミックグリーンシートを製造する際、前記セラミック電子部品を構成しない前記支持体が大量に必要とされる。すなわち、従来のセラミックグリーンシート、ひいてはセラミック電子部品を製造するのに前記支持体に大きなロスコストをかかってしまうという課題があった。
さらに、セラミック電子部品の小型化、セラミックグリーンシートの薄膜化および積層の多層化傾向が進んでいく。そのため、従来のセラミック電子部品の製造方法では、前記支持体の需要がますます高まり、それによって、前記ロスコストはますます増大する傾向にあるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、部品の一部を構成しない支持体にかかるロスコストを最小限にするセラミックグリーンシートの製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも無機粉体と有機バインダと分散媒を含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを循環式の支持体の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記循環式の支持体から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法に関するものである。
以上のように、セラミックグリーンシート製造をする際、循環式の支持体を使用するため、従来の支持体にかかったロスコストを削減できるという効果がある。さらに、産業廃棄物としての支持体の排出が大きく抑えられるため、環境負荷が大きく低減され、産業廃棄物処理も最小限に制限することができるという効果を奏する。
本発明における第1の発明は、少なくとも無機粉体と有機バインダと分散媒を含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを循環式の支持体の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記循環式の支持体から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は前記循環式の支持体を用いることにより、支持体にかかるロスコストを発生させないことができる。
本発明における第2の発明は、少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリー帯状の支持体の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記帯状の支持体から剥離し、前記セラミックグリーンシートを回収するとともに前記帯状の支持体は切断せず巻き取り回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明において前記帯状の支持体は前記セラミックグリーンシートが剥離された後も巻き取り回収されて再利用されるため、本発明は前記帯状の支持体にかかるロスコストを発生させないことができる。
本発明における第3の発明は、少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを回転自在な円筒状の支持体の外周表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記円筒状の支持体から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は円筒状の支持体を用いることにより、支持体にかかるロスコストを発生させないことができる。さらに、セラミックグリーンシートの製造に当たって、必要とする製造作業利用空間の利用効率性も図れる。
本発明における第4の発明は、回転自在な前記円筒状の支持体を用い、少なくともこの円筒状の支持体の外周表面をセラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に保つようにするセラミックグリーンシートの製造方法である。前記円筒状の支持体の外周表面の温度を所要な温度に保つようにすることによって、前記セラミックスラリーを乾燥させる際、前記セラミックスラリーに含まれる溶媒の蒸発を効率よく進行することができる。前記セラミックスラリーの乾燥がスムースにでき、表面に割れのない前記セラミックグリーンシートを形成することができる。
本発明における第5の発明は、前記セラミックスラリーを回転自在な前記円筒状の支持体に塗布してから、前記円筒状の支持体の回転に伴って少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に上昇させた後、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を降下させるセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は前記円筒状の支持体の外周表面温度を精密に調整できるため、前記セラミックスラリーの乾燥を細かく制御するでき、前記セラミックスラリーに含まれる溶媒の蒸発を効率よく進行させられ、揮発性の高い前記溶媒を用いた場合でも前記溶媒の急激な気化に伴う肌荒れやボイドを防止でき、平滑性が高く、均質なセラミックグリーンシートを製造することができる。
本発明における第6の発明は、前記セラミックスラリーが前記支持体に塗布されて塗布膜を形成する際、前記塗布膜の厚さを均一に制御するセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は前記セラミックスラリーの塗布量、あるいは前記支持体の送り速度などを状況に応じて精密に制御し、信頼性の高い前記セラミックグリーンシートを製造することができる。
本発明における第7の発明は、前記セラミックスラリーを前記支持体に塗布する際、前記セラミックスラリーを塗布する塗布手段と前記支持体との距離を測定し、前記セラミックスラリーの塗布中に前記距離を所定の値に制御することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は前記支持体の熱膨張による外形の変化が発生しても、前記塗布手段と前記支持体の距離を所定の値に制御することができ、厚さ均一な精度の高いセラミックグリーンシートをも精度良く製造することができる。
本発明における第8の発明は、前記セラミックグリーンシートのガラス転移温度が室温以上であり、前記セラミックグリーンシートの乾燥後、前記セラミックグリーンシートを前記ガラス移転温度以下に冷却することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。本発明は前記セラミックスラリーを乾燥してから、さらに前記セラミックグリーンシートをそのガラス移転温度以下まで冷却させることにより、前記セラミックグリーンシートの接着性を低下させ、前記支持体から剥離し易くさせるだけではなく、前記セラミックグリーンシートへのダメージを低減させることもできる。
本発明における第9の発明は、前記支持体の表面に形成する前記セラミックグリーンシートを前記支持体から剥離しやすくするための樹脂を塗布した後、前記セラミックスラリーを前記支持体の表面に塗布し、前記セラミックスラリーがセラミックグリーンシートとなった後、前記セラミックグリーンシートと前記樹脂層を一緒に前記支持体から剥離することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法である。前記樹脂層は前記セラミックスラリーが塗布される前に予め塗布されることによって、前記セラミックスラリーが塗布される際前記樹脂層が下敷きとなり、前記セラミックスラリーの弾きを防止でき、より平滑なセラミックグリーンシートを形成することができる。さらに、前記セラミックスラリーが塗布される時点では前記樹脂層は乾燥していないため、容易にセラミックスラリーとの界面で拡散が起こり、セラミックグリーシートと樹脂層は一体となる。この状態で巻き取られた前記セラミックグリーンシートは、片面がバインダリッチな傾斜材料的な特性を有する。そのため、積層セラミック電子部品の製造における後工程である積層工程において、樹脂層が接着剤効果を揮発でき、層間剥離が発生せず緻密で信頼性の高いセラミック電子部品を製造できる効果を奏する。
本発明における第10の発明は、少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を循環式の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は循環式の支持体を用いているため、循環使用されることによって前記循環式の支持体にかかるロスコストを発生させないことができる。
本発明における第11の発明は、少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を帯状の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は前記帯状の支持体を用いているため、前記セラミックグリーンシートが剥離された後も巻き取り回収されて再利用されるため、前記帯状式支持体にかかるロスコストを発生させないことができる。また、前記セラミックグリーンシートがスリットされる際、前記帯状の支持体が切られることないため、前記帯状の支持体はセラミックグリーンシートの製造に再利用ができるし、他の用途に使用することもできる。
本発明における第12の発明は、少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を回転自在な円筒状の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は円筒状の支持体を用いることにより支持体にかかるロスコストを発生させず、また前記セラミックグリーンシートの製造装置の小型化が図れる。
本発明における第13の発明は、回転自在な前記円筒状の支持体を用い、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーを前記セラミックグリーンシートにするための温度に保つ温度調節手段を有するセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は前記温度調節手段を設けることによって、前記円筒状の支持体の外周表面温度を一定に保つようにし、前記セラミックスラリーの乾燥を効率良く進行することができる。そのため前記セラミックスラリーの乾燥がスムースにでき、表面に割れのない前記セラミックグリーンシートを形成することができる。
本発明における第14の発明は、前記セラミックスラリーを回転自在な前記円筒状の支持体に塗布してから、前記円筒状の支持体の回転に伴って少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に上昇させ、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を降下させる温度調節手段を有するセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は前記円筒状の支持体の外周表面温度を精密に調整でき、前記セラミックスラリーに含まれる溶媒の蒸発が効率よく進行できる。そのため、前記セラミックスラリーの乾燥を細かく制御できるので、揮発性の高い前記溶媒を用いた場合でも前記溶媒の急激な気化に伴う肌荒れやボイドを防止でき、平滑性が高く、均質で信頼性の高いセラミックグリーンシートを製造することができる。
本発明における第15の発明は、前記セラミックスラリーを前記支持体に塗布するための塗布手段と、この塗布手段と前記支持体の距離を測定し前記セラミックスラリーの塗布中に前記塗布手段と前記支持体との距離を所定の値に制御する距離制御手段とを有するセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は前記距離測定手段を設けることにより、前記支持体の熱膨張による外形の微小変化に応じて前記塗布手段と前記支持体の距離を所定の値に制御することができ、厚さが均一で精度の高い前記セラミックグリーンシートを製造することができる。さらに前記セラミックスラリーの塗布量、前記支持体の送り速度などを状況に応じて精密に制御し、精度良く信頼性の高い極薄のセラミックグリーンシートをも製造することができる。
本発明における第16の発明は、前記セラミックグリーンシートのガラス転移温度が室温以上であり、前記セラミックグリーンシート乾燥後、前記セラミックグリーンシートを前記ガラス転移温度以下に制御する冷却部を有することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は前記冷却部を設けたことにより、前記セラミックスラリーを乾燥してから、さらに前記セラミックグリーンシートをそのガラス移転温度以下まで冷却させるができ、そのため、前記セラミックグリーンシートの接着性を低下させ、前記支持体から剥離し易くさせるだけではなく、前記セラミックグリーンシートへのダメージを低減させることもできる。
本発明における第17の発明は、前記セラミックスラリーを前記支持体の表面に塗布する前に前記支持体の表面にセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離しやすくするための樹脂を塗布する樹脂塗布手段を有し、前記セラミックスラリーがセラミックグリーンシートとなった後前記セラミックグリーンシートと前記樹脂層を一緒に剥離する剥離部を備えたセラミックグリーンシートの製造装置である。本発明は樹脂塗布手段を有することによって、前記樹脂層を前記セラミックスラリーが塗布される前に予め塗布するようにしたため、前記セラミックスラリーが塗布される際、前記樹脂層が下敷きとなり、前記セラミックスラリーの弾きを防止でき、より平滑なセラミックグリーンシートを形成することができる。さらに、前記セラミックスラリーが塗布される時点では前記樹脂層は乾燥していないため、容易にセラミックスラリーとの界面で拡散が起こり、セラミックグリーシートと樹脂層は一体化となる。この状態で巻き取られた前記セラミックグリーンシートは、片面がバインダリッチな傾斜材料的な特性を有する。そのため、セラミック電子部品製造における後工程である積層工程において、樹脂層が接着剤効果を揮発し、層間剥離が発生せず緻密で信頼性の高いセラミック電子部品を製造できる効果を奏する。
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は循環式の支持体を用いたセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図である。
セラミックグリーンシートの製造装置に関して説明する。
無機粉体、バインダなどを含むセラミック粉、溶媒、分散剤の役割を果たす可塑剤などの混合物であるセラミックスラリー109は供給タンク101に投入される。前記供給タンク101は配管110によりポンプ102を経てダイノズル103に接続される。
前記ダイノズル103の先端に対向してコーティングロール104が配置され、前記コーティングロール104と一定の距離をおいて、サポートロール108が配置されている。循環式の支持体105は前記コーティングロール104と前記サポートロール108によって支持され、かつ前記コーティングロール104と前記サポートロール108の回転によって動かされ、それらの間を循環する。乾燥部となる乾燥装置107は前記コーティングロール104と前記サポートロール108の間に配置される。前記セラミックスラリー109は前記循環式の支持体105に塗布されて塗布膜106を形成し、前記塗布膜106が乾燥することにより、セラミックグリーンシート111が形成される。前記サポートロール108と対向して剥離部となる巻き取り芯112が配置されて、前記セラミックグリーンシート111を巻き取る。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
前記供給タンク101内のセラミックスラリー109は前記配管110を通り、前記ポンプ102により前記ダイノズル103に送られる。前記ダイノズル103に流入した前記セラミックスラリー109は前記ダイノズル103の先端からその幅方向に均一に吐出され、前記コーティングロール104および前記サポートロール108の間に一定速度で動いている前記循環式の支持体105上に塗布されて塗布膜106を形成する。
前記塗布膜106は前記循環式の支持体105の動きによって前記サポートロール108方向に送られ、前記乾燥装置107中の80℃程度の環境で乾燥され、セラミックグリーンシート111を形成する。
表面に粘着処理が施された前記巻き取り芯112は前記セラミックグリーンシート111の表面に押しつけられ、前記セラミックグリーンシート111の走行速度に合わせて回転する。そのため、前記セラミックグリーンシート111は前記巻き取り芯112の回転によって、前記循環式の支持体105から剥離され、巻き取られる。
前記セラミック粉は主にTiO2、BaTiO3などを主たる成分とする無機粉体と、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル樹脂、メタクリル酸エステル共重合体などの分子量60000〜300000のバインダによって構成される。前記セラミックスラリー109は前記無機粉体、前記バインダおよび有機剤などの分散媒の役割を果たす可塑剤によって構成される。
上記バインダの量は前記無機粉体の5重量%〜30重量%とし、10重量%〜20重量%が望ましい。また、上記各種バインダはグレート(重合度や分子量)の違う物を混合して使用することも可能である。また、上記有機バインダの分子量は60000〜300000のものとしたが、分子量100000〜200000のものが望ましい。
前記バインダを上記のグレートおよび配合比をもって前記セラミックスラリー109を構成するため、前記セラミックスラリー109は従来のセラミックスラリー109より強度の高い前記セラミックグリーンシート111を形成することができる。
また、前記セラミックスラリー109の中に、分散媒としてフタル酸ベンジルブチル(BBP)、フタル酸ジブチル(DBP)などのフタル酸系などの可塑剤を用いることも可能で、上記のフタル酸系の可塑剤の量は無機粉体の3重量%〜20重量%とし、5重量%〜13重量%が望ましい。さらに、前記セラミックスラリー109の中に可塑剤以外の添加剤を添加する場合もあり、分散媒として前記複数の可塑剤の混合体を用いる場合もある。
上記構成によって、本発明により得られるセラミックグリーンシート111は従来のセラミックグリーンシート111と違って、前記循環式の支持体105の支持なしで後工程である内部電極層印刷工程や積層工程、さらに焼成工程などのハンドリング工程に耐え、高精度、高品質なセラミック電子部品を形成することができる。
また、本発明の前記循環式の支持体105は次のようなものである。
本発明に使われる前記循環式の支持体105の材質は金属薄板(特にステンレス、ニッケル、鋼などの金属薄板)、あるいは金属細径線を樹脂・ゴムで固めたもの(樹脂としてはフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂)が最適であり、PET、ポリイミド、PP、HDPEなども使用できる。ゴムとしてはパープルオロカーボンが最適であり、ブチルゴム、EPDMなども使用できる)、あるいは繊維(カーボンなど)を樹脂・ゴムで固めたもの(樹脂としてはフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂)が最適であり、PET、ポリイミド、PP、HDPEなども使用できる。ゴムとしてはパープルオロカーボンが最適であり、ブチルゴム、EPDMなども使用できる)、あるいはフッ素樹脂(4フッ化エチレン樹脂)を代表とするフッ素樹脂である。
上記循環式の支持体105の表面は表面形状処理を施され、前記表面形状処理とは凹凸処理方法であり、エッチングで前記循環式の支持体105と前記塗布膜106との接触面を荒らす処理である。前記表面形状処理された接触面の表面粗さRaは10nm〜100nmで、30nm〜60nmが望ましい。
さらに、表面形状処理された前記循環式の支持体105の表面をシリコンコート、フッ素コートあるいはTiO2コート(有機溶剤系)によってコーティングされる。それは前記セラミックグリーンシート111が前記巻き取り芯112に巻き取られ、前記循環式の支持体105から剥離されやすくすることができるし、前記セラミックスラリー109を乾燥する際における前記循環式の支持体105の延びを低減できるし、前記循環式の支持体105自体の厚さの変化を防止できるためである。さらに、金属薄板を表面形状処理およびコーティングされることによって、金属材質が保護されることも兼ねる。但し、上記表面形状処理およびコーティングはフッ素樹脂の循環式の支持体105には不要である。
また、前記セラミックスラリー109を前記循環式の支持体105に均一に塗布する方法として、ドクターブレード方式、ロール間ギャップ規制により塗布厚さを制御するリバースロール方式、ノズルから一定流量で吐出された前記セラミックスラリー109を前記循環式の支持体105に塗布するダイコート方式などがある。本実施例ではダイコート方式を用いて説明したが、ドクターブレード方式やリバースロール方式も使用することができる。
(実施例2)
図2は帯状の支持体を用いるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図である。
次に、セラミックグリーンシートの製造装置を説明する。なお、実施例1と同じ物には同一番号を用いて説明する。
セラミックスラリー109は供給タンク101に投入される。前記供給タンク101は配管110によりポンプ102を経てダイノズル103に接続される。
前記ダイノズル103の先端に対してコーティングロール104が配置され、このコーティングロール104と一定距離をおいてサポートロール108が配置されている。
帯状の支持体205は巻き出しロール201から巻き出され、前記コーティングロール104の円周上に沿い、さらに前記サポートロール108の円周上に沿って配置され、巻き取りロール202に巻き取られる。
前記帯状の支持体205は前記コーティングロール104と前記サポートロール108によって支持され、かつ前記コーティングロール104と前記サポートロール108の回転によって動かされる。乾燥部となる乾燥装置107は前記コーティングロール104と前記サポートロール108の間に配置される。
前記セラミックスラリー109は前記帯状の支持体205に塗布され、塗布膜106を形成し、前記塗布膜106を乾燥してセラミックグリーンシート111が形成される。前記サポートロール108と対向して、剥離部となる巻き取り芯112が配置されて、前記セラミックグリーンシート111を巻き取る。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
前記供給タンク101内のセラミックスラリー109は前記配管110を通り、前記ポンプ102により前記ダイノズル103に送られる。前記ダイノズル103に流入した前記セラミックスラリー109は前記ダイノズル103の先端からその幅方向に均一に吐出され、前記コーティングロール104上を一定速度で動いている前記帯状の支持体205に塗布し、塗布膜106を形成する。
前記塗布膜106は前記帯状の支持体205の動きによって前記サポートロール108方向に送られ、前記乾燥装置107中の80℃程度の環境で乾燥され、セラミックグリーンシート111を形成する。
表面に粘着処理が施された前記巻き取り芯112は前記セラミックグリーンシート111が形成された後、前記セラミックグリーンシート111がその表面に押しつけられる。前記巻き取り芯112は前記セラミックグリーンシート111の走行速度の走行速度に合わせて回転するため、前記セラミックグリーンシート111は前記巻き取り芯112の回転によって前記帯状の支持体205から剥離され、巻き取られる。
なお、実施例2を実施する際に使う無機粉体、分散媒および有機バインダを含むセラミックスラリー109の組成、グレートおよび配合比率、また前記帯状の支持体205の材質、前記帯状の支持体205に施される表面形状処理、コーティングなどの処理、またセラミックスラリー109の塗布手段などは実施例1と同じである。
実施例2で使用される帯状の支持体205はセラミックグリーンシート111が剥離された後再び巻き取られる。そのため、前記帯状の支持体205は一度使用された後でも、使用される前とほぼ同じ状態を保つことができ、再び使用されることができる。
(実施例3)
図3は回転自在な円筒状の支持体を用いて、セラミックグリーンシートを製造する製造装置の概略正面断面図である。
次に、セラミックグリーンシートの製造装置を説明する。なお、実施例1と同じ物には同一番号を用いて説明する。
セラミックスラリー109を供する供給タンク101からポンプ102を経て、ダイノズル103に至る経路は実施例1および実施例2と同じである。
前記ダイノズル103に対向して回転自在な円筒状の支持体301が設けられる。
前記円筒状の支持体301の内部が中空であり、空間302が設けられている。また、前記円筒状の支持体305の端面には軸受けサポート303が取りつけられ、前記軸受けサポート303は中空であり、前記空間302と繋がっている。流体が前記軸受けサポート303を通り、前記空間302に流入することができる。前記空間302に高温な流体を流入させたら、前記円筒状の支持体301が加熱されることになる。そのため、前記円筒状の支持体301は乾燥部となるのである。前記円筒状の支持体301は前記軸受けサポート303により支持され、前記軸受けサポート303の軸受け304を軸に回転することができる。
前記供給タンク101内のセラミックスラリー109は前記配管110を通し、前記ポンプ102により、前記ダイノズル103に送られる。前記セラミックスラリー109が前記円筒状の支持体301に塗布され、塗布膜305が形成される。前記塗布膜305が乾燥されることによりセラミックグリーンシート306が形成される。前記セラミックグリーンシート306を剥離するために、剥離部となる巻き取り芯307が配置されている。
前記円筒状の支持体301を使用することによって、前記セラミックグリーンシートの製造装置の小型化が図れ、その必要とした製造作業利用空間の利用効率性も図れる。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
供給タンク101内のセラミックスラリー109はポンプ102によってダイノズル103へ供給され、前記ダイノズル103の先端から吐出される。
前記ダイノズル103から吐出される前記セラミックスラリー109は前記円筒状の支持体301の外周表面に前記ダイノズル103の幅方向に均一に塗布される(図示しない)。前記円筒状の支持体301の回転によって、塗布膜305が形成される。
前記円筒状の支持体301は金属性で良好な熱伝導特性を示す。また前記円筒状の支持体301の外周表面には表面形状処理およびコーティングが施されている。
前記円筒状の支持体301の端面に配置されている前記軸受けサポート303を通じ、前記円筒状の支持体301の前記空間302に高温蒸気、または高温水などの高温流体を送り、前記円筒状の支持体301を前記空間302より加熱する。前記円筒状の支持体301は熱伝導良好な金属によって構成されているため、前記円筒状の支持体301の全体が加熱されることとなる。
前記円筒状の支持体301を加熱する際、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を80℃程度まで加熱されることが望ましい。前記高温流体は80℃程度に制御させることで前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を80℃程度に保つことができる。つまり、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度が80℃に達しなければ、前記高温流体を流入させ、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を80℃に加熱したり、前記高温流体は80℃を超えれば、前記高温流体を停止させ、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を冷したりすることによって、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を正確に制御でき、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度を所望の80℃程度に保つことができる。
前記セラミックスラリー109を均一に前記円筒状の支持体301に塗布するために、前記ダイノズル103の前記セラミックスラリー109を吐出する口部の形を保つことが必要である。
しかし、前記円筒状の支持体301は前記空間302によって加熱されるため、前記円筒状の支持体と対向する前記ダイノズル103が前記円筒状の支持体301の熱に影響され、前記ダイノズル103の前記セラミックスラリー109を吐出する口部の形が精密に保たれない可能性がある。前記円筒状の支持体301の影響を最小限に抑え、前記ダイノズル103の口部の形を精密に保つために、前記セラミックスラリー109を吐出する前記ダイノズル103と前記円筒状の支持体301の間の距離を一定に制御したり、前記ダイノズル103あるいは前記ダイノズル103の口部を冷却する手段を設けたりすることが望ましい。
上記の構成によって、前記円筒状の支持体301の外周表面の温度が上昇し、前記円筒状の支持体301の外周表面に塗布された前記塗布膜305は前記円筒状の支持体301と接触する面から加熱され、乾燥されることとなる。そのため、前記セラミックスラリー109に含まれる溶媒の蒸発が効率よく進行し、表面に乾燥によっても割れにくい前記セラミックグリーンシート306が形成される。
表面に粘着処理が施された巻き取り芯307は前記セラミックグリーンシート306が形成された後、前記セラミックグリーンシート306の表面に押しつけられ、前記セラミックグリーンシート306の走行速度に合わせて回転する。そのため、前記セラミックグリーンシート306は前記巻き取り芯307の回転によって前記円筒状の支持体301から剥離され、巻き取られる。
なお、実施例3に使われる軸受けサポート303が中空であり、前記軸受けサポート303を通して高温流体が前記円筒状の支持体301の空間302に入り、前記円筒状の支持体301を加熱することができるとしたが、前記円筒状の支持体301が中空なものではなく、前記円筒状の支持体301を外部から前記円筒状の支持体301を一定温度に加熱させて、前記セラミックスラリー109の塗布膜305を加熱・乾燥する乾燥装置を設ければ、実施例3と同じ効果が得られる。さらに、実施例3は前記円筒状の支持体301が中空であるとしたが、前記軸受けサポート303は中空ではないものを用いる場合、前記円筒状の支持体301に前記軸受けサポート303と別に、前記円筒状の支持体301にパイプあるいは配管のような高温流体を導入させる流体導入手段を設ければ、実施例3と同じ効果が得られる。
実施例3に使用される前記円筒状の支持体301は金属とし、特にステンレス、ニッケル、鋼などの金属が望ましい。また、実施例3を実施する際に使う無機粉体、分散媒および有機バインダを含むセラミックスラリー109の組成、グレートおよび配合比率、セラミックスラリー109の塗布手段、円筒状の支持体305の外周表面に施される表面形状処理およびコーティングなどが実施例1と実施例2と同じである。
また、前記円筒状の支持体301の材質は実施例1および実施例2に挙げられた金属性材料以外のものである場合、前記円筒状の支持体301の表面を加熱せず、前記支持体301に塗布される前記セラミックスラリー109の塗布膜305を乾燥できれば、前記セラミックグリーンシート306を製造することが可能である。
(実施例4)
図4は温度調節手段を有する回転自在な円筒状の支持体を用いるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面断面図である。
次にセラミックグリーンシートの製造装置を説明する。なお、実施例1と同じ物には同一番号を用いて説明する。
セラミックスラリー109を供する供給タンク101から配管110およびポンプ102を経て、ダイノズル103に至る経路は実施例1から実施例3のいずれか1例と同じである。
前記ダイノズル103に対向して回転自在な円筒状の支持体401が設けられる。
前記円筒状の支持体401の内部が中空であり、空間402が設けられている。なお、前記空間402は極力大きい方が望ましい。
また、前記円筒状の支持体401は軸受け404を設けており、前記円筒状の支持体401は前記軸受け404を軸に回転することができる。
さらに、前記円筒状の支持体401の外周表面から比較的浅い位置に加熱及び/または冷却の制御が可能な温度調節手段であるペリチェ式温度調節素子403を数個設けて、前記ペリチェ式温度調節素子403は前記円筒状の支持体401の円周を沿って、全周にわたって均等に配置する。前記セラミックスラリー109が前記円筒状の支持体401に塗布され、塗布膜405が形成される。前記塗布膜405が乾燥することによってセラミックグリーンシート406が形成される。前記セラミックグリーンシート406を剥離するために、剥離部となる巻き取り芯407が配置されている。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
供給タンク101内のセラミックスラリー109はポンプ102によってダイノズル103へ供給され、前記ダイノズル103の先端から吐出される。前記ダイノズル103から吐出される前記セラミックスラリー109は前記円筒状の支持体401の外周面に前記ダイノズル103の幅方向に均一に塗布される(図示しない)。前記円筒状の支持体401の回転によって塗布膜405が形成される。
前記円筒状の支持体401の外周表面から比較的浅い位置に加熱及び/または冷却の制御が可能なペリチェ式温度調節素子403が前記円筒状の支持体401の円周を沿って、全周にわたって均等に配置されている。前記円筒状の支持体401の外周表面の温度制御が前記ペリチェ式温度調節素子403によって行われる。
また、前記円筒状の支持体401は薄肉に作られているため熱容量が小さい。そのため、前記円筒状の支持体401の外周表面の温度制御が前記ペリチェ式温度調節素子403によって精密に精度よく行うことが可能である。
前記円筒状の支持体401の外周表面の温度は次のように制御される。
前記ダイノズル103による前記セラミックスラリー109の塗布点では室温(20℃〜30℃とし、22℃〜26℃が望ましい)に設定する。前記セラミックスラリー109塗布後、前記ペリチェ式温度調節素子403によって前記円筒状の支持体401の外周表面の温度を80℃程度に上昇させ、その後80℃程度に一定期間保持する。前記セラミックスラリーの溶媒は前記温度環境の中で揮発し、前記塗布膜405が乾燥されることとなる。
前記塗布膜405が乾燥されることによって、セラミックグリーンシート406が形成される。その後、前記ペリチェ式温度調節素子403によって前記円筒状の支持体401の外周表面の温度を室温付近まで下降させる。
前記温度の制御は前記塗布膜405に含まれる溶媒を揮発し、前記セラミックグリーンシート406を製造する。そのため、前記塗布膜405の表面が割れなく、前記溶媒を揮発させれば、実施例4と同じ効果が得られる。
表面に粘着処理が施された前記巻き取り芯407は前記セラミックグリーンシート406が形成された後、前記セラミックグリーンシート406の表面に押しけられる。前記巻き取り芯407は前記セラミックグリーンシート406の走行速度に合わせて回転する。そのため、前記セラミックグリーンシート406は前記巻き取り芯407の回転によって前記円筒状の支持体401から剥離され、巻き取られる。
なお、実施例4に使用される前記円筒状の支持体401は金属とし、特にステンレス、ニッケル、鋼などの金属が望ましい。前記円筒状の支持体401の外周面が表面形状処理およびコーティングが施されている。
また、実施例4を実施する際に使う無機粉体、分散媒および有機バインダを含むセラミックスラリー109の組成、グレートおよび配合比率、セラミックスラリー109の塗布手段、円筒状の支持体401表面に施される表面形状処理およびコーディングなどが実施例1から実施例3のいずれか1例と同じである。
そして、実施例4では、ペリチェ式温度調節素子403を用いて前記円筒状の支持体401の外周表面に前記円筒状の支持体401の回転方向に沿って温度分布を発生させるとしたが、図5のように、温度上昇体503aおよび温度降下体503bを設け、前記温度上昇体503aと前記温度降下体503bがペアとなって温度調節手段とし、前記円筒状の支持体401の外周表面の温度を制御でき、実施例4と同じ効果が得られる。前記温度上昇体503aは温水路や電気ヒータなど、温度降下体503bは冷却水路や冷却媒路などを用いることが可能である。
上記の構成によって、前記円筒状の支持体401の外周表面に塗布された塗布膜405は前記円筒状の支持体401と接触する面から加熱され、乾燥されることとなる。そのため、表面に乾燥割れにくいセラミックグリーンシート406が形成される。さらに、前記塗布膜405を乾燥する際、乾燥熱風が未乾燥の前記塗布膜405に直接あたらないため、前記塗布膜405の皮貼りがなく、溶媒の蒸発が効率よく進行することもできる。
さらに、前記円筒状の支持体401の外周表面に塗布される前記塗布膜405を前記円筒状の支持体401の外部から加熱または冷却されれば、実施例4と同じ効果が得られる。
(実施例5)
図6はレーザ距離測定器を有する円筒状の支持体を用いるセラミックグリーンシートの製造装置の主要構成部の立体斜視図である。
次に、セラミックグリーンシートの製造装置を説明する。
実施例5で使用される支持体601は実施例3あるいは実施例4で使われている円筒状の支持体である。そして、セラミックスラリーの塗布手段、塗布膜605の乾燥、セラミックグリーンシート606および塗布膜605の乾燥手段、前記円筒状の支持体601の表面形状処理およびコーティング、さらに、前記セラミックグリーンシート606を円筒状の支持体601より剥離・巻き取り手段(一部図示しない)も実施例3あるいは実施例4と同様である。
実施例5では、ダイノズル603の側面にレーザ距離測定器602を設けている。
セラミックスラリー(図示しない)を前記支持体601に塗布し前記塗布膜605を形成する際、前記塗布膜605の厚さは基本的にポンプ(図示しない)の吐出量によって決定されるが、前記セラミックスラリーは前記ダイノズル603の内部の前記セラミックスラリー圧力と、塗布点での前記セラミックスラリー圧力の差圧によって最終的に決定される。
通常のセラミックグリーンシートのように前記塗布膜605の厚さが20μm以上有する場合、前記ダイノズル603の先端と前記支持体601の距離は70μm以上有するため、前記円筒状の支持体601の僅かな芯振れや熱膨張などによる前記ダイノズル603と前記円筒状の支持体間601の距離の僅かな変動は大きな誤差とならない。
しかし、厚さ数μmの極薄前記セラミックグリーンシートを作成する際は、前記ダイノズル603と前記円筒状の支持体601間の距離が10μm前後まで狭まるため、前記ダイノズル603と前記円筒状の支持体601間の距離変動による塗布点の前記セラミックスラリー圧力が無視できない。
そこで、前記ダイノズル603の側面にレーザ距離測定器602を取りつけ、それによって、前記ダイノズル603と前記支持体601間の距離を精密に測定でき、所定の距離とを保つように前記ダイノズル603の位置を制御することができる。
前記ダイノズル603と前記支持体601間の距離を測定する際、前記レーザ距離測定器602からのレーザ光線604は前記塗布膜605の塗布されない部分に当たるように設定する。
また、前記ダイノズル603の位置制御の微調整用のアクチュエータ(図示しない)には、圧電セラミックを積層して構成された圧電アクチュエータが望ましい。
圧電アクチュエータの利点として、ストロークは小さいが発生する推力が大きく、電圧により位置を微小に強固に制御することができる。前記ダイノズル603の位置を高精度に制御することにより、極薄のセラミックグリーンシートを作る際でも、前記セラミックグリーンシート606の厚さを精度良く形成でき、信頼性の高い前記セラミックグリーンシートを製造することができる。
なお、前記ダイノズル603から前記塗布膜605を均一な厚さに形成するために、前記ダイノズル603と前記支持体601の距離を図る一方、前記測定された距離を用い、前記ダイノズル603の前記セラミックスラリーの塗布量を調整したり、あるいは前記円筒状の支持体601の回転速度を制御したりすることによって、実現することが可能である。
また、実施例5では、前記円筒状の支持体601を用いて前記セラミックグリーンシート606を形成する際に、前記ダイノズル603の側面に前記レーザ距離測定器602をつけることを例にして説明したが、実施例1または実施例2で実施しても同様な効果が得られる。
そして、実施例5で使われる無機粉体、分散媒および有機バインダを含むセラミックスラリーの組成、グレートおよび配合比率、セラミックスラリーの塗布手段、前記円筒状の支持体601の表面に施される表面形状処理およびコーティングなどが実施例1から実施例4いずれか1例と同じである。また、前記セラミックスラリーの塗布手段、前記セラミックグリーンシート606を前記円筒状の支持体601より剥離・巻き取り手段も実施例1から実施例4のいずれか1例と同じである。
さらに前記塗布膜605の乾燥、前記セラミックグリーンシート606および前記塗布膜605の乾燥手段は、前記円筒状の支持体601を用いてセラミックグリーンシートを製造する場合、実施例3又は実施例4と同じであるが、循環式の支持体105を用いてセラミックグリーンシート111を製造する場合、実施例1と同じで、帯状の支持体205を用いてセラミックグリーンシート111を製造する場合、実施例2と同じである。
(実施例6)
図7は冷却装置を有する循環式の支持体を用いるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図である。
次に、セラミックグリーンシートの製造装置を説明する。なお、実施例1と同じ物には同一番号を用いて説明する。
無機粉体、バインダなどを含むセラミック粉、溶媒、分散媒の役割を果たす可塑剤などの混合物であるセラミックスラリー109は供給タンク101に投入される。前記供給タンク101は配管110によりポンプ102を経てダイノズル103に接続される。
前記ダイノズル103の先端に対向して、コーティングロール104が配置され、前記コーティングロール104と一定の距離をおいて、サポートロール108が配置されている。循環式の支持体105は前記コーティングロール104と前記サポートロール108によって支持され、かつ前記コーティングロール104と前記サポートロール108の回転によって動かされ、それらの間を循環する。乾燥部となる乾燥装置107は前記コーティングロール104と前記サポートロール108の間に配置される。前記セラミックスラリー109は前記循環式の支持体105に塗布されて塗布膜106を形成し、前記塗布膜106が乾燥することにより、セラミックグリーンシート111が形成される。乾燥部となる乾燥装置107の後に、冷却部となる冷却装置713を設けて、前記セラミックグリーンシート111をそのガラス移転温度以下に冷却する。前記サポートロール108と対向して、剥離部となる巻き取り芯112が配置されて、前記セラミックグリーンシート111を巻き取る。
なお、実施例6で使用される循環式の支持体105、セラミックスラリー109の組成、グレートおよび配合比率、前記セラミックスラリー109による塗布膜106の形成、および前記塗布膜106を乾燥する乾燥装置107、前記塗布膜が乾燥した後に形成されたセラミックグリーンシート111、前記循環式の支持体105の表面形状処理およびコーティング、さらに、前記セラミックグリーンシート111を支持体105より剥離・巻き取り剥離部となる巻き取り芯112は実施例1で使われているものと同じである。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
前記供給タンク101内のセラミックスラリー109は前記配管110を通り、前記ポンプ102により前記ダイノズル103に送られる。前記ダイノズル103に流入された前記セラミックスラリー109は前記ダイノズル103の先端からその幅方向に均一に吐出され、前記コーティングロール104上を一定速度で動かされる前記循環式の支持体105に塗布され、塗布膜106を形成する。
前記塗布膜106は前記循環型の支持体105の動きによって前記サポートロール108方向に送られ、前記乾燥装置107中の80℃程度の環境で乾燥され、セラミックグリーンシート111が形成される。
しかし、前記乾燥装置107内の温度が80℃以上であるため、前記セラミックグリーンシート111のガラス転移温度より高温である。この状態で前記冷却装置713に前記セラミックグリーンシート111を送入し、前記セラミックグリーンシートのガラス移転温度より低い温度である10〜15℃程度まで冷却する。
前記セラミックグリーンシート111の温度がガラス転移温度より低温化され、前記セラミックグリーンシート111の接着性が低下し、前記循環式の支持体105から剥離されやすくなる。
さらに、前記冷却装置713の冷却によって、前記循環式の支持体105と前記セラミックグリーンシート111の温度差による熱膨張差が生じ、前記セラミックグリーンシート111は前記循環式の支持体105からより剥離されやすくなり、前記セラミックグリーンシート111へのダメージも低減される。
前記冷却されたセラミックグリーンシート111が形成された後、前記循環式の支持体105から剥離され、巻き取られる。
なお、実施例6において、冷却装置713が実施例1のセラミックグリーンシートの製造装置に設けられたことを例にして説明したが、実施例2から実施例5のいずれか1例の製造装置において、前記冷却装置713を設けば同じ効果が得られる。なお、実施例4において、溶媒を完全除去された後、前記温度調節手段403によって前記円筒状の支持体401の外周の表面の温度を前記セラミックグリーンシート405のガラス転移温度以下に調整すれば、実施例6と同じ効果が得られる。
また、前記セラミックグリーンシート111のガラス転移温度とはセラミックグリーンシート樹脂分子同士の相対位置が外力に対して、変化し始める温度のことである。このガラス転移温度の測定方法はTMA法、DSC法及びDMA法がある。
(実施例7)
図8は樹脂層が塗布される循環式の支持体を用いるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図である。
次に、セラミックグリーンシートの製造装置を説明する。なお、実施例1と同じ物には同一番号を用いて説明する。
無機粉体であるセラミック粉、バインダ、溶媒、分散媒の役割を果たす可塑剤などの混合物であるセラミックスラリー109は供給タンク101に投入される。前記供給タンク101は配管110によりポンプ102を経てダイノズル103に接続される。
前記ダイノズル103の先端に対向してコーティングロール104が配置され、このコーティングロール104と一定距離をおいてサポートロール108が配置されている。循環式の支持体105は前記コーティングロール104と前記サポートロール108によって支持され、かつ前記コーティングロール104と前記サポートロール108の回転によって動かされそれらの間を循環する。前記循環式の支持体105が前記コーティングロール104から前記サポートロール108へ移動する際乾燥部となる乾燥装置107を通るように、前記乾燥装置107が前記コーティングロール104から前記サポートロール108の間に配置される。
前記セラミックスラリー109を前記循環式の支持体105に向けて塗布し、塗布膜106を形成する。前記塗布膜106が前記乾燥装置107中の80℃程度の環境で乾燥され、セラミックグリーンシート111が形成される。前記サポートロール108と対向して、前記セラミックグリーンシート111を前記循環式の支持体105から剥離するための剥離部となる巻き取り芯112が配置される。
さらに、前記循環式の支持体105はサポートロール108から前記コーティングロール104に移動する際、前記コーティングロール104から前記サポートロール108の間に前記循環式の支持体105に樹脂を塗布するための転写ロール813とサポートロール814が配置される。即ち、前記転写ロール813とサポートロール814は前記循環式の支持体105をそれらの間に挟むよう配置する。
次にセラミックグリーンシートの製造方法について説明する。
前記循環式の支持体105は前記サポートロール108から前記コーティングロール104の方向に移動する際、前記転写ロール813と前記サポートロール814に挟まれ、前記転写ロール813に向ける面は前記転写ロール813によって樹脂を塗布される。そのため、前記支持体105の上に樹脂層815が形成される。前記樹脂層815が塗布されてから、前記循環式の支持体105は前記コーティングロール104の方向に移動する。
前記供給タンク101に投入されたセラミックスラリー109は前記ダイノズル103によって前記樹脂層815が塗布される前記循環式の支持体105に向けて塗布される。即ち、前記セラミックスラリー109は前記循環式の支持体105に塗布された前記樹脂層815の上に塗布後塗布膜106を形成する。前記塗布膜106と前記樹脂層815は前記サポートロール108方向に送られ、前記乾燥装置107によって80℃程度の環境の中で一緒に乾燥される。その際、前記塗布膜106はセラミックグリーンシート111を形成し、前記セラミックグリーンシート111は乾燥された前記樹脂層815と一体となる。
表面に粘着処理が施された前記巻き取り芯112は前記セラミックグリーンシート111の表面に押しつけられ、前記セラミックグリーンシート111の走行速度に合わせて回転する。その際、前記樹脂層815は前記セラミックグリーンシート111と一体となったため、前記セラミックグリーンシート111と共に前記巻き取り芯112によって前記循環式の支持体105から剥離・巻き取られ、回収される。
前記樹脂層815を形成する樹脂は、前記セラミックスラリー109に含まれているバインダーと同系統のもので分子量の小さいものを用いる。こうすることによって、前記樹脂層815の上に塗布される前記セラミックスラリー109の弾きを防止でき、より平滑な前記セラミックグリーンシート111を形成できる。
また、前記セラミックスラリー109が塗布される時点では前記樹脂層815が乾燥していないため、容易に前記セラミックスラリー109との界面で拡散が起こり、前記セラミックグリーンシート111と前記樹脂層815は一体化する。
この状態で巻き取られた前記セラミックグリーンシート111は、片面がバインダーリッチな傾斜材料的な特性を有する。このため、セラミック電子部品の製造における後工程である積層工程において、前記樹脂層815が接着剤的効果を揮発するため、層間剥離が発生せず緻密で信頼性の高いセラミック電子部品を製造できる。
なお、実施例7において、実施例1のセラミックグリーンシート111の製造装置に設けられたことを例にして説明したが、実施例6の製造装置において、前記転写ロール813と前記サポートロール814を設ければ実施例7と同じ効果が得られる。
実施例2のセラミックグリーンシート111の製造装置において、帯状の支持体205が取り出され、セラミックスラリー109が塗布される前に、前記転写ロール813と前記サポートロール814を設ければ実施例7と同じ効果が得られる。
また、実施例3、実施例4および実施例5のセラミックグリーンシートの製造装置において、前記セラミックグリーンシート(305、405あるいは605)が前記円筒状の支持体(301、401あるいは601)から剥離されたあと、前記セラミックスラリー109が前記円筒状の支持体(301、401あるいは601)に塗布される前の位置に、前記転写ロール813を設け、前記樹脂層815を前記円筒状の支持体(301、401あるいは601)に塗布するようにすれば、実施例7と同じ効果が得られる。
本発明はセラミック電子部品、およびセラミック基板などのセラミック電子部品を製造する際に用いられるセラミックグリーンシートの製造方法および前記製造方法を実施する際に用いられる製造装置に関するものとして利用することが可能である。
循環式の支持体を用いる本発明の実施例1におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図 帯状の支持体を用いる本発明の実施例2におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図 円筒状の支持体を用いる本発明の実施例3におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面断面図 温度調節手段を有する円筒状の支持体を用いる本発明の実施例4におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面断面図 温度上昇手段および温度降下手段を有する円筒状の支持体を用いる本発明の実施例4の応用例を示すセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面断面図 レーザ距離測定器を有する円筒状の支持体を用いる本発明の実施例5におけるセラミックグリーンシートの製造装置主要構成部の立体斜視図 冷却装置を有する循環式の支持体を用いる本発明の実施例6におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図 樹脂層と塗布される循環式の支持体を用いる本発明の実施例7におけるセラミックグリーンシートの製造装置の概略正面図
符号の説明
101 供給タンク
102 ポンプ
103 ダイノズル
104 コーティングロール
105 循環式の支持体
106 塗布膜
107 乾燥装置
108 サポートロール
109 セラミックスラリー
110 配管
111 セラミックグリーンシート
112 巻き取り芯
201 巻き出しロール
202 巻き取りロール
205 帯状の支持体
301 円筒状の支持体
302 空間
303 軸受けサポート
304 軸受け
305 塗布膜
306 セラミックグリーンシート
307 巻き取り芯
401 円筒状の支持体
402 空間
403 温度調節手段
404 軸受け
405 塗布膜
406 セラミックグリーンシート
407 巻き取り芯
503a 温度上昇体
503b 温度降下体
601 円筒状の支持体
602 レーザ距離測定器
603 ダイノズル
604 レーザ光線
605 塗布膜
606 セラミックグリーンシート
713 冷却装置
813 転写ロール
814 サポートロール
815 樹脂層

Claims (17)

  1. 少なくとも無機粉体と有機バインダと分散媒を含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを循環式の支持体の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記循環式の支持体から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  2. 少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを帯状の支持体の表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記帯状の支持体から剥離し、前記セラミックグリーンシートを回収するとともに前記帯状の支持体は切断せず巻き取り回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  3. 少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造方法において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーを回転自在な円筒状の支持体の外周表面に塗布、乾燥して得られるセラミックグリーンシートを前記円筒状の支持体から剥離して回収することを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  4. 回転自在な前記円筒状の支持体を用い、少なくともこの円筒状の支持体の外周表面をセラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に保つようにする請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 前記セラミックスラリーを回転自在な前記円筒状の支持体に塗布してから、前記円筒状の支持体の回転に伴って少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に上昇させた後、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を降下させる請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  6. 前記セラミックスラリーが前記支持体に塗布されて塗布膜を形成する際、前記塗布膜の厚さを均一に制御する請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  7. 前記セラミックスラリーを前記支持体に塗布する際、前記セラミックスラリーを塗布する塗布手段と前記支持体との距離を測定し、前記セラミックスラリーの塗布中に前記距離を所定の値に制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  8. 前記セラミックグリーンシートのガラス転移温度が室温以上であり、前記セラミックグリーンシートの乾燥後、前記セラミックグリーンシートを前記ガラス移転温度以下に冷却することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  9. 前記支持体の表面に形成する前記セラミックグリーンシートを前記支持体から剥離しやすくするための樹脂を塗布した後、前記セラミックスラリーを前記支持体の表面に塗布し、前記セラミックスラリーがセラミックグリーンシートとなった後、前記セラミックグリーンシートと前記樹脂層を一緒に前記支持体から剥離することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。
  10. 少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を循環式の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置。
  11. 少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を帯状の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置。
  12. 少なくとも無機粉体と分散媒と有機バインダを含むセラミックスラリーを用いて形成されるセラミックグリーンシートの製造工程に用いる製造装置において、少なくとも前記無機粉体に対して5重量%から30重量%の分子量60000から300000のバインダを用いて形成したセラミックスラリーが塗布される支持体と、前記セラミックスラリーを乾燥する乾燥部と、前記セラミックスラリーが乾燥されることにより形成されるセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離する剥離部とを有し、前記支持体を回転自在な円筒状の支持体としたセラミックグリーンシートの製造装置。
  13. 回転自在な前記円筒状の支持体を用い、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーを前記セラミックグリーンシートにするための温度に保つ温度調節手段を有する請求項12に記載のセラミックグリーンシートの製造装置。
  14. 前記セラミックスラリーを回転自在な前記円筒状の支持体に塗布してから、前記円筒状の支持体の回転に伴って少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を前記セラミックスラリーをセラミックグリーンシートにするための温度に上昇させ、少なくとも前記円筒状の支持体の外周表面の温度を降下させる温度調節手段を有する請求項12に記載のセラミックグリーンシートの製造装置。
  15. 前記セラミックスラリーを前記支持体に塗布するための塗布手段と、この塗布手段と前記支持体の距離を測定し前記セラミックスラリーの塗布中に前記塗布手段と前記支持体との距離を所定の値に制御する距離制御手段とを有する請求項10から14のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造装置。
  16. 前記セラミックグリーンシートのガラス転移温度が室温以上であり、前記セラミックスグリーンシート乾燥後、前記セラミックグリーンシートを前記ガラス転移温度以下に制御する冷却部を有することを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造装置。
  17. 前記セラミックスラリーを前記支持体の表面に塗布する前に前記支持体の表面にセラミックグリーンシートを前記支持体から剥離しやすくするための樹脂を塗布する樹脂塗布手段を有し、前記セラミックスラリーがセラミックグリーンシートとなった後前記セラミックグリーンシートと前記樹脂層を一緒に剥離する剥離部を備えた請求項10から16のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの製造装置。
JP2004361165A 2004-12-14 2004-12-14 セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置 Pending JP2006168029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004361165A JP2006168029A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004361165A JP2006168029A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006168029A true JP2006168029A (ja) 2006-06-29

Family

ID=36669284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004361165A Pending JP2006168029A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006168029A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011258933A (ja) * 2010-05-13 2011-12-22 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品製造装置及び積層型電子部品の製造方法
CN112159239A (zh) * 2020-09-28 2021-01-01 景德镇陶瓷大学 一种卷式陶瓷膜支撑体的制备方法及其陶瓷膜制品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011258933A (ja) * 2010-05-13 2011-12-22 Murata Mfg Co Ltd 積層型電子部品製造装置及び積層型電子部品の製造方法
CN112159239A (zh) * 2020-09-28 2021-01-01 景德镇陶瓷大学 一种卷式陶瓷膜支撑体的制备方法及其陶瓷膜制品
CN112159239B (zh) * 2020-09-28 2022-07-15 景德镇陶瓷大学 一种卷式陶瓷膜支撑体的制备方法及其陶瓷膜制品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5110613B2 (ja) 樹脂ベース基板用離型材およびその製造方法
JP5499537B2 (ja) 電極製造装置及び電極製造方法
KR20190020671A (ko) 가요성 세라믹 섬유 및 폴리머 복합체의 제조 방법
JP4730109B2 (ja) 印刷乾燥方法、電子部品の製造方法および印刷乾燥装置
WO2011105348A1 (ja) リチウムイオン電池用電極塗膜の乾燥方法
CN106332521A (zh) 用于双面粘合石墨片的制造方法
JP2006168029A (ja) セラミックグリーンシートの製造方法および製造装置
CN110137512B (zh) 一种燃料电池膜电极的制作方法及设备
US20200344890A1 (en) Method of manufacturing substrate for printed circuit board
JP2012069418A (ja) 固体酸化物形燃料電池用電解質シートおよびその製造方法ならびに固体酸化物形燃料電池用単セル
JP2009034904A (ja) 微細凹凸表面を有する表面加工基板の製造方法
US11498881B2 (en) Coating tape
CN110451494B (zh) 一种卷对卷连续转移石墨烯的装置
JP6172063B2 (ja) 長尺樹脂フィルムの表面処理装置
US11004610B2 (en) Method for manufacturing multilayer electronic component
JP3080259B2 (ja) 離型用積層シートおよびその使用方法
JP6876571B2 (ja) Lib用セパレータ製造システム
JP4707215B2 (ja) ガイドローラ及びそれを用いたセラミック電子部品の製造装置並びにそれによるセラミック電子部品の製造方法
CN115443195B (zh) 涂布膜的制造方法
JP7446412B2 (ja) 塗工膜の製造方法
JP5162642B2 (ja) 塗膜付きフィルムの製造方法、及び塗布装置
KR20110125624A (ko) 적층형 전자 부품 제조 장치 및 적층형 전자 부품의 제조 방법
JP4021231B2 (ja) 電子部品用薄膜の製造方法および電子部品
JP5453997B2 (ja) 基体、基体の製造方法、及び管状体の製造方法
JPH0236512A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法