JP2006167680A - セラミックハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

セラミックハニカムフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも容易にかつ安価に、流入側端面より離れた所望の位置に封止部を形成できるセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ること。
【解決手段】 ハニカム状に形成した多孔質隔壁で仕切られた多数の流路の端面から離れた位置に封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、スラリー状封止材を前記流路の端面へ導入した後に、前記スラリー状封止材を前記流路の端面から離れた位置へ移動させることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の微粒子状物質を除去するのに使用されるハニカムフィルタの製造方法に関する。
ディーゼルエンジンなどの排気ガス中には微粒子状物質が大量に含まれており、これが大気中に放出されると人体や環境に悪影響を与える。このため、ディーゼルエンジンなどの排気系部品には、微粒子状物質を捕捉するためのフィルタが搭載されている。図1は、排気ガスの微粒子状物質を捕捉し、排気ガスを浄化する従来のハニカムフィルタの一例を示し、(a)は正面模式図、(b)は横断面模式図である。図1(a)(b)で、フィルタは多孔質セラミックからなり、外周壁1と、この外周壁の内側に各々直行する隔壁2で仕切られた多数の流路3、4を有するハニカム構造体が、排気ガスの流入側端面7と流出側端面8で交互に封止部5、6で封止されている。
図1のセラミックハニカムフィルタ10で、排気ガスの浄化は以下のように行われる。図1(b)に示すように排気ガス(点線矢印で示す)は、流入側端面7に開口している流路3から流入する。そして、排気ガス中に含まれる微粒子状物質は、隔壁2を通過する際に捕捉され、浄化された排気ガスは、流出側端面8に開口している流路4から流出、大気中に放出される。一方、隔壁2に捕捉された微粒子が一定量以上になると、目詰まりしてしまうので、バーナーやヒータなどによりこれを燃焼させ、セラミックハニカムフィルタ10の再生が行われる。
しかしながら、図1に示すような封止部5が流入側端面7にあるセラミックハニカムフィルタ10は、封止部5の前面より微粒子状物質が堆積、成長し、流路3の流入側端面7の開口が次第に狭くなって、圧力損失が増加し、エンジン出力を低下させる虞がある。これを防止するために、図2に示すように、流入側端面7より離れた位置に封止部5aを設けたセラミックハニカムフィルタが開発されている。このような形態のセラミックハニカムフィルタによれば、封止部5aの上流側に流路3aが存在するため流入側端面7への微粒子状物質の堆積が生じにくく、流路の開口が次第に狭くなり圧力損失が増加することによるエンジン出力の低下がない。
ところで、図2に示す流入側端面7より離れた位置に封止部5aを形成する方法として、例えば特許文献1には、ハニカム構造体の端面に封止部を施し、この端面に別のハニカム構造体を接合する形態のハニカムフィルタが記載されている。しかしながら、この形態のハニカムフィルタでは、ハニカム構造体を接合する際に、接合面の排気ガス流れ方向の上流側と下流側とで隔壁が必ずしも一致せず、接合面の流路が狭くなることがあり、圧力損失が増加する虞があった。
また、特許文献2には、安定した保形性のあるセラミックス粉末、有機バインダ、水からなるクリーム状のペーストを、所定の長さのパイプをもつペースト注入機(ディスペンサ)を用いて、端面から10mm入った位置に、一舛ずつ目詰めして、流入側端面より離れた位置に封止部を形成する方法が記載されている。この方法では特許文献1に記載の方法のようにハニカム構造体を接合することがないため、接合面の流路が狭くなり圧力損失が増加する虞はない。
また、特許文献3には、コーディエライト粉末を素材とするペースト(第1のペースト)を乾燥ハニカム成形体の流路両端部にまず押込み、次にコーディエライト粉末と可燃性粉末からなるペースト(第2のペースト)を前記流路の上流端部に押込むことで、第1のペーストを封止部として、この封止部の上流側に多孔性充填セラミック体からなる微粒子状物質の捕集室を具備するセラミックハニカムフィルタの製造方法が記載されている。
特開2004−251137号公報 特開2004−19498号公報 特開平6−33739号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、ペースト注入機のパイプを流路内に挿入する際に隔壁と接触し隔壁を破損する場合があり、封止部を形成すべき全ての流路に隔壁にパイプが接触することなく作業を行うことは容易ではなかった。また、パイプの内部がペースト中に含まれるセラミックス粉末により急速に摩耗する場合があるため、頻繁にパイプの交換が必要となり、製造コスト上の問題が懸念される。更に、外径が200mm以上であるような大型セラミックハニカムフィルタの場合、隔壁ピッチを1.5mmとすると、流路数は13000ケ以上存在することから、流路に交互にパイプを挿入しペーストを注入して封止したとすると、一方の端面で6500ケ以上の流路に封止部を形成する必要があるため膨大な時間が必要となり、工業的に採用することは困難である。また特許文献3に記載の方法では、流入側封止部の上流側に多孔質充填セラミック体が形成されるため、セラミックハニカムフィルタの上流側端面の多孔質充填セラミック体に微粒子状物質が堆積、成長し、流路3の流入側端面7の開口が次第に狭くなって、圧力損失が増加し、エンジン出力を低下させる虞があった。
したがって、本発明の課題は、従来よりも容易にかつ安価に、流路の端面より離れた所望の位置に封止部を形成できるセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ることにある。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、ハニカム状に形成した多孔質隔壁で仕切られた多数の流路の端面から離れた位置に封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、スラリー状封止材を前記流路の端面へ導入した後に、前記スラリー状封止材を前記流路の端面から離れた位置へ移動させることを特徴とする。ここでスラリー状封止材とは、封止材料と溶媒とを混合して、流動性を持たせたものであり、例えば封止材料としてコーディエライト粉末を、溶媒として水を用い、両者を混ぜてペースト状のスラリーにしたものとすることができる。スラリー状として流動性を持たせることで、流路への封止材の導入が容易になる。そして移動手段を適切に設定し、スラリー状封止材を移動することで、所望の流路の端面から離れた位置へ容易にかつ安価に封止部を形成することができる。
スラリー状封止材は、上記封止材料及び溶媒の他に、本発明の効果を失わない限りにおいて種々の添加物を含むことができ、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース等の有機バインダ、界面活性剤、沈殿防止剤などを含むことができる。封止材料としては、耐熱性を有するセラミック材料とすることが好ましく、例えば、コーディエライト、ムライト、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、サイアロン、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミ等の1種及び2種以上含むものが好適であり、封止すべき流路を構成する隔壁との密着性を勘案すると、セラミックハニカム構造体の構成成分と同様の組成であると更に好ましい。溶媒としては封止材料に流動性を与えると共に、スラリー状封止材の乾燥・焼成の過程で蒸発するものであれば良く、適度な温度で蒸発する液体、具体的には、水、アルコール、グリセリン等が好ましい。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記スラリー状封止材を前記流路の端面へ導入する前に、前記スラリー状封止材の溶媒が浸透しない非浸透性物質を前記隔壁に塗抹することが好ましい。そしてスラリー状封止材の溶媒が浸透しない非浸透性物質を隔壁に塗抹することで、非浸透性物質が隔壁に含浸または被覆され、流路の端面よりスラリー状封止材を導入したときに、スラリー状封止材の溶媒が隔壁に吸収され隔壁と固着することが少なく、より容易に移動することができる。また塗抹の手段は、刷毛塗りやスプレーによる塗布など種々の手段をとることができるが、液体状とした非浸透性物質へハニカム構造体をドブ付けした後、ハニカム構造体を非浸透性物質から取り出すことにより、ハニカム構造体の多孔質隔壁中に非浸透性物質を含浸または隔壁表面に被覆させる手段を用いるのが、簡便で好ましい。また本発明において、流入側端面7より離れた位置に形成した封止部5aの上流側の流路3aの隔壁にスラリー状封止材の一部が付着して流路を狭めることもあるが、各流路の隔壁間距離から計算される設計軸方向垂直断面積の90%以上の実測流路軸方向断面積が確保できれば、実際の使用には問題は生じない。さらに好ましい実測流路軸方向断面積は95%以上である。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記非浸透性物質が、1300℃以下の温度で、燃焼、溶解または昇華する物質であることが好ましい。非浸透性物質が、1300℃以下の温度で、燃焼、溶解または昇華する物質であることにより、封止材を焼成する際に、前記非浸透性物質を容易に隔壁より除去することができる。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記非浸透性物質が、ワックスであることが好ましい。非浸透性物質としてワックスを用いることにより、隔壁への非浸透性物質の塗抹が比較的低温で容易に実施でき、封止材を焼成する際に、前記非浸透性物質を容易に隔壁より除去することができる。またワックスを用いることにより、スラリー状封止材と隔壁との摩擦が低下し、より容易にスラリー状封止材を移動できる。またさらに、比較的もろいセラミックスからなる隔壁を、ワックスにより保護することで、取り回し時の隔壁の破損を防止する効果もある。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記非浸透性物質の隔壁への塗抹は、前記流路の端面から離れて形成する封止部を形成する部位の少なくとも一部に施さないことが好ましい。隔壁に塗抹された非浸透性物質により、スラリー状封止材は容易に流路の内部へ移動するが、隔壁に非浸透性物質が塗抹により含浸または被覆されていないところに達すると急速にスラリー状封止材の溶媒が隔壁に吸収され、固化し隔壁と固着
し、移動しづらくなるので、封止部を形成しようとする所望の位置により正確に封止部を形成することができる。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記スラリー状封止材の粘度が3〜350Pa・sであることが好ましい。スラリー状封止材の粘度は高いほど、流路の内部へ移動する際に封止材の一部が隔壁に付着することなしに流路の端面から離れた位置へ移動することができる。封止材の一部の隔壁への付着量が多くなると、隔壁表面の細孔を封止材が埋めてしまい、セラミックハニカムフィルタの圧力損失が上昇する場合がある。よってスラリー状封止材の粘度は3Pa・s以上であることが好ましい。一方、隔壁には僅かながら歪が発生しており、流路に垂直方向の流路断面の形状は流路方向の位置によって一定でないことがあるので、スラリー状封止材の粘度は小さいほど流路の断面形状に沿って封止材が変形しやすくなり、流路の内部へ移動しやすくなる。よってスラリー状封止材の粘度は350Pa・s以下であることが好ましい。スラリー状封止材の粘度の更に好ましい範囲は80〜300Pa・sである。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記スラリー状封止材の移動は、前記スラリー状封止材を導入した前記流路の端面側より、前記スラリー状封止材に対して略流路方向へ流体の圧力を加えることにより移動させることが好ましい。ここで流体とは気体、液体、微小な固体の集合体、ジェル状の物質とすることができ、また、これらの混合体でもよい。例えば、流路の端面に導入した封止材に、エアノズルから噴出する空気を吹き当てることにより、封止材を流路の内部へ容易にかつ安価に移動できる。また例えば、ジェル状物質を、封止材を導入した流路の端面より封止材を流路内部に押込みながら導入することで、封止材を流路の内部へ移動できる。また、上記流体は流路、隔壁表面及び隔壁内部から容易に除去可能なものが好ましく、微小な固体の集合体やジェル状の物質を使用しこれを燃焼により除去する場合は、急激に燃焼しないように昇温速度をコントロールすることが好ましい。微小な固体の集合体やジェル状の物質が急激に燃焼すると、隔壁の温度が急激に上昇して破損することがある。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記スラリー状封止材の移動は、前記隔壁と前記スラリー状封止材とに加速度を与え、よって生じる前記スラリー状封止材に加わる荷重により該封止材を移動させることもできる。例えば、流路の端面に封止材を導入したセラミックハニカムフィルタを、スラリー状封止材を導入した流路の端面方向を中心に回転させることにより加速度を与え、スラリー状封止材に加わる荷重(遠心力)により、封止材を流路の内部へ容易にかつ安価に移動できる。
また本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法は、前記流路の端面から離れた流路内に保持面を形成し、前記流路の端面よりスラリー状封止材を導入した後に、前記保持面に接するまで前記封止材を移動することが好ましい。ここで、上記保持面は、例えば、スラリー状封止材を導入する流路の端面の反対側の端面より、流路内に封止部を形成する所望の位置まで溶解状態のワックスを導入し、その後ワックスを冷却固化した状態の流路内のワックス表面とすることができる。封止部を形成する所望の位置に保持面を形成し、この保持面に接するまでスラリー状封止材を移動することで、封止部を形成しようとする所望の位置により正確に封止部を形成することができる。
本発明によれば、従来よりも容易にかつ安価に、流入側端面より離れた所望の位置に封止部を形成できるセラミックハニカムフィルタの製造方法を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例及び図に基づき説明する。なお、以下の実施例において、図2に示す流路の流入側端面7より離れた位置に封止部5aを形成したセラミックハニカムフィルタの製造方法を説明するが、当然ながら同様の方法にて図2の流出側端面8に形成された封止部6に代わって、流出側端面8より離して封止部を形成したものを製造することができる。
図2は、実施例1に係わるセラミックハニカムフィルタ20の横断面模式図である。図2のセラミックハニカムフィルタ20は、外周壁1の内側に隔壁2で仕切られた多数の流路3a、3b、4が封止部5a、6により封止されている。また、封止部5aは流入側端面7より離れた位置に存在している。
本実施例1ではセラミックハニカムフィルタ20を以下の工程で製作した。先ず、カオリン、タルク、シリカ、アルミナの粉末を調整して、質量比で、SiO:48〜52%、Al:33〜37%、MgO:12〜15%を含むコーディエライト生成原料粉末とする。本実施例1ではSiO:50%、Al:35%、MgO:15%に調整した。これにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダ、潤滑材、造孔剤としてグラファイトを添加し、乾式で十分混練した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック坏土を作成した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、切断して、ハニカム構造を有する成形体とした。次に前記成形体を、乾燥、焼成し、隔壁の厚さ0.3mm、気孔率65%、平均細孔径20μm、隔壁ピッチ1.5mm、外径が280mm、全長が310mmの図3(a)に示すコーディエライト質ハニカム構造体21とした。
次に、加熱溶解したロウ(パラフィンワックス)22を満たした容器23を準備し、図3(b)に示すように、ハニカム構造体21を溶解したロウを満たした容器23に所定位置までドブ付けした。その後、図3(c)に示すようにハニカム構造体を容器から引き抜き、流路内のロウを排出すると共に、冷却することにより、流入側端面7からL=100mmまでの範囲の隔壁へロウを含浸した。
次に、ハニカム構造体21の流入側端面7に封止用フィルムを貼着し、この封止用フィルムの封止部5aを形成すべき所定の流路部分を穿孔し、次いでスラリー状封止材にディピングし、図3(d)に示すように、流路の流入側端面7に封止材24を導入した。ディッピングを行う際のスラリー状封止材の粘度は、3〜350Pa・sであることが好ましく、本実施例1では100Pa・sとした。
次に、図4(a)に示すように、圧縮空気をエアノズル25より封止材24へ噴射し、図4(b)に示すように、流路3aの流入側端面7に導入した封止材24を流路の内部へ移動したところ、上記の隔壁へロウを含浸した部位と含浸していない部位との境界部位にスラリー状封止材24による封止部を形成することができた。
上記のスラリー状封止材を導入した流入側端面7と反対側の端面(流出側端面8)へも封止用フィルムを貼着し、この封止用フィルムの封止部6を形成すべき所定の流路部分を穿孔し、次いでスラリー状封止材にディピングし、図4(c)に示すように、流路の流出側端面8へ封止材を導入した。次に封止材を導入したハニカム構造体を、加熱することにより隔壁に含浸したロウを溶解除去した後、最高温度1400℃で焼成することにより、コーディエライト質のセラミックハニカムフィルタ20を得た。
本実施例2では、セラミックハニカムフィルタ20を以下の工程で製作した。ハニカム構造体21の隔壁にロウを含浸しない以外、封止部5aを形成すべき流路の流入側端面7に封止材24を導入するまでは実施例1と同様である。本実施例2では、封止材の移動手段として、図5に模式的に示す回転装置50を用いた。図5において、駆動部51の回転軸に回転半径800mmのアーム52が接続し、アーム52の先端にはハニカム構造体21を収納する容器53が接続している。この回転容器53に、流路の流入側端面7にスラリー状封止材を導入したハニカム構造体を流入側端面7が回転軸方向を向くように収納し、回転数300rpmで60秒間回転させた。これにより、流路3aの流入側端面7に導入した封止材24は流路内へ移動し、流入側端面7から離れた位置に封止部を形成することができた。その後、実施例1と同様にスラリー状封止材にディピングし、流路の流出側端面8へ封止材を導入した後封止材を導入したハニカム構造体を1400℃で焼成することにより、セラミックハニカムフィルタ20を得た。
本実施例3では、セラミックハニカムフィルタ20を以下の工程で製作した。封止部5aを形成すべき流路の流入側端面7に封止材24を導入し、図3(d)の状態にするまでは実施例1と同様である。次に、図6(a)に示すように、溶解したロウ40を満たした容器41にハニカム構造体21を流出側端面8より浸漬し、流路内にロウを導入し冷却凝固させ、保持面30を形成した。その後、図6(b)に示すように実施例1と同様に、圧縮空気をエアノズル25より封止材24へ噴射し、図6(c)に示すように、流入側端面7に導入した封止材24を流路の内部へ移動したところ、保持面30に接触したスラリー状封止材24による封止部を形成することができた。次に上記の封止部を形成したハニカム構造体21を1400℃で焼成し、保持面30を形成したロウを溶解除去した。次に流出側端面8に封止用フィルムを貼着し、この封止用フィルムの封止部6を形成すべき所定の流路部分を穿孔し、次いでスラリー状封止材にディピングし、流路の流出側端面8へ封止材を導入した。次に再度封止材を導入したハニカム構造体を1400℃で焼成することにより、セラミックハニカムフィルタ20を得た。
本実施例4では、実施例1と同様に隔壁へのロウの含浸、封止部5aを形成すべき流路の流入側端面7に封止材24の導入を行い、ただし、封止材24の粘度を2〜400Pa・sで変化させて、封止材の移動実験を行った。この封止材の移動には、実施例1と同様にエアノズルを用いて行った。実験条件を表1に示す。実験結果の判定は、封止材を移動させた後1400℃で焼成したハニカム構造体を流路方向に切断し、流路及び封止部を観察することで行い、スラリー状封止材が移動しない等により流路端面より離れた位置に封止部が形成されなかったものを(×)、不具合なく封止部を形成できたものを(○)、一部不具合があるものの封止部が形成できたものを(△)とした。判定結果を表1に示す。実験No1の粘度を2Pa・sと低くした場合は、所定の位置へ封止材が移動できたものの、封止材の一部が隔壁に付着しながら移動し、隔壁に含浸したロウを1300℃の温度下で溶解除去した後でも隔壁付着した封止材が除去できないものがあった。また、実験No5の粘度を400Pa・sと高くした場合は、封止材が所定の位置へ移動しにくいものがあった。ただし、この移動しにくい封止材も、集中的にエアノズルから噴出されるエアを当てることで所定位置に移動することができた。実験No2〜実験No4の封止材の粘度が3〜350Pa・sの範囲にあるものは、エアノズルを用いて封止材を所定の位置へ封止材の変形なく短時間で移動することができた。
Figure 2006167680
*1:スラリー状封止材の一部が隔壁に付着
*2:スラリー状封止材の移動に長時間を有する
封止部が流路の両端面にある従来のハニカムフィルタの模式図である。 封止部が流路端面より離れて存在するハニカムフィルタの模式図である。 実施例1でのハニカムフィルタの製造工程を示す図である。 実施例1でのハニカムフィルタの製造工程を示す図である。 実施例2で用いる回転装置の模式図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 実施例3でのハニカムフィルタの製造工程を示す図である。
符号の説明
1:外周壁
2:隔壁
3、3a、3b、4:流路
5、5a、6:封止部
7:流入側端面
8:流出側端面
10、20:セラミックハニカムフィルタ
21:ハニカム構造体
24:封止材
30:保持面
50:回転装置

Claims (9)

  1. ハニカム状に形成した多孔質隔壁で仕切られた多数の流路の端面から離れた位置に封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、スラリー状封止材を前記流路の端面へ導入した後に、前記スラリー状封止材を前記流路の端面から離れた位置へ移動させることを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記スラリー状封止材を前記流路の端面へ導入する前に、前記スラリー状封止材の溶媒が浸透しない非浸透性物質を前記隔壁に塗抹することを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記非浸透性物質が、1300℃以下の温度で、燃焼、溶解または昇華する物質であることを特徴とする請求項2に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記非浸透性物質が、ワックスであることを特徴とする請求項3に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記非浸透性物質の隔壁への塗抹は、前記流路の端面から離れた封止部を形成する部位の少なくとも一部に施さないことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記スラリー状封止材の粘度が3〜350Pa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  7. 前記スラリー状封止材の移動は、前記スラリー状封止材を導入した前記流路の端面側より、前記スラリー状封止材に対して略流路方向へ流体の圧力を加えることにより移動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  8. 前記スラリー状封止材の移動は、前記隔壁と前記スラリー状封止材とに加速度を与え、よって生じる前記スラリー状封止材に加わる荷重により該封止材を移動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  9. 前記流路の端面から離れた流路内に保持面を形成し、前記流路の端面よりスラリー状封止材を導入した後に、前記保持面に接するまで前記封止材を移動することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。

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