JP2006167123A - 画像処理装置および内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】術者が内視鏡の挿入部を操作して被検体内に挿入する際、および術者が内視鏡を用いて被検体内における観察を行う際に、術者が強いられる負担を軽減することができるような画像処理装置を提供する。
【解決手段】
プロセッサ6は、斜視型内視鏡である内視鏡2から出力される被検体の像の画像信号に対し、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標が、表示手段7に表示される前記被検体の像において、挿入部4の挿入軸の前方に対応する画像領域上に重ねて表示されるように、前記指標を出力する指標表示手段6dと、前記指標を表示手段7に選択的に表示させるために、前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段6fとを有する。
【選択図】図1
【解決手段】
プロセッサ6は、斜視型内視鏡である内視鏡2から出力される被検体の像の画像信号に対し、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標が、表示手段7に表示される前記被検体の像において、挿入部4の挿入軸の前方に対応する画像領域上に重ねて表示されるように、前記指標を出力する指標表示手段6dと、前記指標を表示手段7に選択的に表示させるために、前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段6fとを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置に関し、特に、表示手段において被検体の像に重なるように表示される内視鏡の挿入軸の前方を示す指標を、指示手段から出力される指示信号に基づき、選択的に表示状態または非表示状態とすることのできる画像処理装置および内視鏡装置に関するものである。
従来より、被検体としての生体内の各器官に対し、観察、検査等を行うための装置として、内視鏡、画像処理装置等からなる内視鏡装置が広く用いられている。このような内視鏡装置を構成する内視鏡としては、例えば、主に挿入部の軸方向に対して略平行な光軸を有する対物光学系を具備した直視型内視鏡、主に挿入部の軸方向に対して角度をなすような光軸を有する対物光学系を具備した斜視型内視鏡等がある。特に、上部消化管である胃、十二指腸等の観察、検査等を行う際には、異常部位の見落としを少なくするため、斜視型内視鏡を有する内視鏡装置がよく用いられている。また、前述したような内視鏡装置を構成する画像処理装置は、内視鏡と接続され、該内視鏡から出力される画像信号に対して画像処理を行い、該画像処理を行った後の該画像信号を出力する。
前述したような斜視型内視鏡としては、例えば、特許文献1の第7実施の形態において提案されているような内視鏡がある。この内視鏡は、挿入部と、対物光学系である対物レンズ群と、撮像素子であるCCDとを具備し、挿入部を被検体内に挿入する際の進行方向および挿入部の軸方向を含む軸である、挿入部の挿入軸と、対物レンズ群の観察視野方向を含む軸である、対物レンズ群が有する光軸とが平行になっていないような構造を有している。そのため、挿入部を生体内に挿入する際に、術者が挿入部の進行方向、例えば、挿入方向前方を見失うことの無いように、4カ所の凸部を有するマスクが蒸着されたカバーガラスがCCDの前面に配置されている。特許文献1の第7実施の形態において提案されているような内視鏡が有するこのような構造により、4カ所の凸部が表示手段としてのモニタに表示されるため、術者は、対向する凸部同士を結んだ交点を指標として、挿入部の進行方向を認識することができる。
特開2001−221960号公報
しかし、特許文献1の第7実施の形態において提案されているような内視鏡は、カバーガラスに設けられた凸部が常時モニタに表示されるような構成を有している。そのため、例えば、術者が所望の位置において観察を行う際に、観察視野領域内において該観察に必要のない情報が表示されてしまう。そのような場合、術者は、例えば、挿入部の進行方向前方と、内視鏡の観察視野方向前方とを混同しないように、観察中常に注意を払わなければならない。そのため、術者は、挿入部の挿入操作を行う際に、前述したような注意を払うことにより負担を強いられるという課題が生じている。
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、術者が内視鏡の挿入部を操作して被検体内に挿入する際、および術者が内視鏡を用いて被検体内における観察を行う際に、術者が強いられる負担を軽減することのできるような画像処理装置および内視鏡装置を提供することを目的としている。
本発明における画像処理装置は、挿入部の軸方向に対して光軸が角度をなし、かつ、前記挿入部の軸方向前方の領域を観察視野領域に含むように配置された対物光学系と、前記対物光学系によって得られた前記被検体の像を撮像する撮像素子を有する内視鏡から出力される画像信号に対して処理を行い、前記処理を行った後の前記画像信号を表示手段に対して出力する機能を備えた画像処理装置であって、前記内視鏡から出力された画像信号に対し、前記挿入部を前記被検体の内部に挿入する際の挿入方向前方を示す指標が、前記表示手段に表示される前記被検体の像において、前記挿入方向前方に対応する画像領域上に重ねて表示されるように、前記指標を出力する指標表示手段と、前記指標を前記表示手段に選択的に表示させるために、前記指標表示手段による前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段とを有する。
術者が挿入部の進行方向を認識するための指標は、例えば、内視鏡の挿入部が所望の位置まで挿入された後、術者が該所望の位置において異常部位等に対する観察を行う際には、該観察がモニタ上に表示される該指標により阻害されることの無いように、該指標が表示手段としてのモニタに表示されないような状態とすることが望ましい。
本発明の画像処理装置および内視鏡装置によれば、表示手段において被検体の像に重なるように表示される内視鏡の挿入軸の前方を示す指標を、指示手段から出力される指示信号に基づき、選択的に表示状態または非表示状態とすることにより、術者が内視鏡の挿入部を操作して被検体内に挿入する際、および術者が内視鏡を用いて被検体内における観察を行う際に、術者が強いられる負担を軽減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る内視鏡により撮像された被検体内部の像が、表示手段に表示された際の状態を示す図である。図3は、図2の状態から、挿入軸の前方を示す指標を表示状態とした場合を示す図である。図4は、本実施形態に係る画像処理装置に対し、斜視型内視鏡ではない内視鏡が接続された際に、表示手段において表示される被検体内部の像の一例を示す図である。図5は、本実施形態の内視鏡装置のプロセッサが、内視鏡の種類等の識別を行う際の処理の内容を示すフローチャートである。図6は、本実施形態の内視鏡装置のプロセッサが、表示手段において、指標を表示状態または非表示状態とする際の処理の内容を示すフローチャートである。図7は、挿入軸の前方を示す指標を表示させた状態において、挿入部の先端部から処置具を突出させた場合を示す図である。図8は、図7の状態から、挿入軸の前方を示す指標を非表示状態とした場合を示す図である。
内視鏡装置1は、図1に示すように、内視鏡2と、内視鏡2による被検体の観察を行う際に、被検体に対して照射するための照射光を供給する、キセノンランプ等の光源手段5と、内視鏡2から送信される被検体の像の画像信号に対して画像処理を行うプロセッサ6と、モニタ等の表示手段7とからなる。
内視鏡2は、図1に示すように、インターフェース群3aと、コネクタ3bとが外装面上に設けられた操作部3と、可撓性を有する軟性の部材により形成された挿入部4と、挿入部4と略同様の可撓性を有し、コネクタ3bおよびプロセッサ6の外装表面上に設けられたコネクタ6aに対して着脱自在であり、複数の信号線が内部を挿通するように設けられたユニバーサルコード3cとからなる。
インターフェース群3aには、レバー、スイッチ等の複数のインターフェースが設けられている。インターフェース群3aの各部は、術者により操作されると、該操作の内容に応じ、内視鏡2、プロセッサ6等に対して操作指示等を行うための指示信号を出力する。
また、操作部3の内部には、図1に示すように、不揮発性のメモリ等の記憶手段3dが設けられている。
記憶手段3dには、例えば、内視鏡2の機種、スコープID等の情報を含む内視鏡2の個体識別情報が記憶されており、内視鏡2とプロセッサ6とが接続されると、後述するプロセッサ6の制御手段6bは、ユニバーサルコード3cを介し、該個体識別情報を読み込む。
挿入部4は、基端側が操作部3に連接されており、また、先端側には、挿入軸に直交する平面に対し、角度をもって形成された斜面を有する先端部4Aが設けられている。また、挿入部4には、図1に示すように、処置具挿通路4aと、対物レンズ4bと、撮像素子4cと、ライトガイド4dとが設けられている。
処置具挿通路4aは、挿入部4を挿通するように挿入部4の内部に設けられ、カテーテル等の処置具を挿通させることができる寸法および形状を有する管路である。また、処置具挿通路4aは、処置具を処置具挿通路4aに挿通させるために、挿入部4の基端部の外装表面上に形成された処置具挿入部4a1と、処置具挿通路4aに挿通された該処置具を突出させるために、挿入部4の先端部4Aの外装表面上に形成された開口部4a2とに連通している。
対物光学系を構成する対物レンズ4bは、先端部4Aの外装表面上に設けられ、観察視野領域として、少なくとも、挿入部4を被検体内に挿入する際の進行方向および挿入部4の軸方向を含む軸である、挿入部4の挿入軸の前方を含むように配置されている。
撮像手段である撮像素子4cは、CCD(固体撮像素子)等であって、対物レンズ4bの観察視野領域内における被検体の像を撮像し、撮像した該被検体の像を画像信号に変換して出力する。
ライトガイド4dは、挿入部4を挿通するように設けられた、石英ファイバ等からなる導光手段であって、光源手段5から供給される照射光が、先端部4Aから被検体に対して照射されるように該照射光を導く。
画像処理装置であるプロセッサ6は、図1に示すように、コネクタ6aと、スイッチ等の指示手段6fとが外装表面上に設けられ、また、CPU(中央処理装置)等の制御手段6bと、画像処理手段6cと、指標表示手段6dと、画像合成手段6eとを内部に有している。
制御手段6bは、記憶手段3dに記憶された、例えば、スコープID等の情報である内視鏡2の個体識別情報を読み込むことにより、内視鏡2の種類等を識別し、該識別の結果に基づき、画像処理手段6cと、指標表示手段6dとに対して制御を行う。また、制御手段6bは、内視鏡2のインターフェース群3aから出力される指示信号が、指標表示手段6dに対して出力されるように制御を行う。さらに、制御手段6bは、内視鏡2の撮像素子4cから出力される画像信号が、画像処理手段6cと、指標表示手段6dとに対して出力されるように制御を行う。
画像処理手段6cは、制御手段6bから出力される画像信号に対し、ノイズ除去等の画像処理を行った後、該画像処理を行った後の該画像信号を出力する。
指標表示手段6dは、制御手段6bから出力される画像信号と、後述する指示手段6fから出力される指示信号とに基づき、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を選択的に出力する。
画像合成手段6eは、画像処理手段6cから出力される、画像処理を行った後の画像信号に対し、指標表示手段6dが出力した指標を、例えば、表示手段7に表示される被検体の像において、挿入部4の挿入軸の前方に対応する領域内に重ねて表示させるように画像の合成を行う処理である画像合成処理を行い、該画像合成処理を行った後の画像信号である、合成画像信号を出力する。
指示手段6fは、プロセッサ6の内部においては制御手段6bに接続されており、術者により操作されると、該操作の内容に応じ、内視鏡2の挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を表示手段7において表示状態または非表示状態とするような切替指示を行うための指示信号を、制御手段6bに対して出力する。なお、指示手段6fは、前述したような内容の指示信号を出力するような構成を有していれば、プロセッサ6の外装表面上に設けられているものに限らず、例えば、内視鏡2の操作部3に、指標表示切替スイッチ3a1として設けられているようなものであっても良い。
なお、本実施形態のプロセッサ6は、前述したような構成のものに限るものではなく、例えば、光源装置5が内部に設けられているような構成であっても良い。また、本実施形態のプロセッサ6に、ユニバーサルコード3cを介して接続される内視鏡は、内視鏡2のような構成を有するものに限るものではなく、例えば、ユニバーサルコード3cに対して着脱自在なコネクタ3bを有するものであれば、どのようなものであっても構わない。
表示手段7は、プロセッサ6から出力される合成画像信号に基づき、被検体の像および指標を、術者が視認可能な画像として表示する。
次に、本実施形態に係る内視鏡装置1を用いた場合の作用を、図1から図6を参照しつつ説明する。なお、前述したように、内視鏡2は、挿入部4の先端部4Aの一部が斜面状に形成されている。そのため、先端部4Aの斜面に設けられた、対物光学系を構成する対物レンズ4bは、挿入部4の挿入軸前方に対して斜めとなるような光軸を有している。すなわち、対物光学系を構成する対物レンズ4bが有する光軸は、挿入部4の挿入軸と異なり、かつ、挿入部4の挿入軸に対して角度をなし、さらに、挿入軸前方の領域を観察視野領域として含むように設けられている。本実施形態の説明は、対物光学系を構成する対物レンズ4bが前述したような光軸を有する内視鏡を斜視型内視鏡と便宜上定義した上において行われているものとする。
内視鏡装置1を用いて被検体の観察を行う場合、まず、術者は、コネクタ3bと、コネクタ6aとを、ユニバーサルコード3cにより接続する。その後、術者が内視鏡装置1の各部の電源を投入すると、プロセッサ6の制御手段6bは、記憶手段3dに記憶された、例えば、スコープID等の情報である内視鏡2の個体識別情報を読み込むことにより、内視鏡2の種類等を識別する(図5のステップS1)。なお、本実施形態においては、プロセッサ6の制御手段6bが内視鏡2の機種、スコープID等を識別するための方法は、内視鏡2に設けられた記憶手段3dに記憶された個体識別情報に基づくものに限らず、例えば、内視鏡2の種類に応じて設けられた、構造的に異なる識別子の情報に基づくものであっても良い。
また、内視鏡2の挿入部4が、被検体としての生体内に、例えば口から挿入されると、対物レンズ4bおよび撮像素子4cから構成される対物光学系において撮像された被検体の像の画像信号は、ユニバーサルコード3cを介し、制御手段6bに入力される。制御手段6bは、前記画像信号を画像処理手段6cに出力するように制御を行う。画像処理手段6cは、制御手段6bから出力される前記画像信号に対して画像処理を行った後、該画像処理を行った後の該画像信号を表示手段7に対して出力する(図5のステップS2)。
制御手段6bは、内視鏡2の記憶手段3dに記憶された内視鏡2の個体識別情報を読み込むことにより、プロセッサ6に接続された内視鏡2の種類等を、例えば、スコープIDから識別し、該識別の結果、接続された内視鏡2が斜視型内視鏡でないと判断した(図5のステップS3)場合、指示手段6fから指示信号が出力されたとしても、指標表示手段6dを動作させないような制御、すなわち、指標表示機能を無効とするような制御を行う(図5のステップS5)。そして、例えば、対物光学系が有する光軸と、挿入部4の挿入軸とが略平行であるような、直視型内視鏡である内視鏡2がプロセッサ6に接続された場合、プロセッサ6は、生体内の画像の一例として、図4に示すような、正面方向の管腔101aと、斜め方向の管腔101bとが画像が表示手段7に表示されるような画像信号を出力する。
また、制御手段6bは、内視鏡2の記憶手段3dに記憶された内視鏡2の個体識別情報を読み込むことにより、プロセッサ6に接続された内視鏡2の種類等を、例えば、スコープIDから識別し、該識別の結果、例えば、接続された内視鏡2が斜視型内視鏡であると判断した(図5のステップS3)場合、指標表示手段6dを動作させるような制御、すなわち、指標表示機能を有効とするような制御を行う(図5のステップS4)。
その後、制御手段6bは、内視鏡2から出力された画像信号を画像処理手段6cに対して出力するような制御を行うとともに、指示手段6fから出力された指示信号が入力されるまでは、待機状態を維持する(図6のステップS6)。なお、この場合において制御手段6bから出力された画像信号は、画像処理手段6cにおいて画像処理が行われた後、画像合成手段6eを介して表示手段7に対して出力されることにより、例えば、図2に示すような生体内の画像が表示手段7に表示される。また、図2に示す画像は、直視型内視鏡により撮像された図4に示す画像と略同一の箇所を、斜視型内視鏡である内視鏡2により撮像したものであるため、正面方向の管腔101aが、斜め方向の管腔101bに比べて歪んだ状態として、表示手段7に表示される。
術者の操作により、指示手段6fから出力された指示信号が制御手段6bに入力される(図6のステップS6)と、制御手段6bは、指標表示手段6dに対して該指示信号を出力するように制御を行う。
指標表示手段6dは、制御手段6bから出力される指示信号に基づき、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を既に出力しているかどうかの判断を行う(図6のステップS7)。指標表示手段6dは、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を出力していない状態である場合、制御手段6bから出力される画像信号に基づいて、挿入部4の挿入軸の前方が撮像された画像領域を特定した後、表示手段7に表示される被検体の像における該画像領域内に重ねて表示されるような、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を画像合成手段6eに対して出力する。なお、指標表示手段6dが出力する前記指標は、挿入部4の挿入軸の前方を示すものであれば、例えば、挿入部4の中心軸の前方に対応する領域を示すようなものであっても良い。
制御手段6bは、画像合成手段6eに対し、画像処理手段6cにおいて画像処理が行われた後の画像信号と、指標表示手段6dから出力された挿入部4の挿入軸の前方を示す指標とを、画像合成処理により合成し、該画像合成処理を行った後の画像信号である合成画像信号を出力するように制御を行う(図6のステップS8)。そして、表示手段7においては、画像合成手段6eから出力される合成画像信号により、例えば、図2に示す生体内の画像において、挿入部4の挿入軸の前方に対応する領域内に、挿入部4の挿入軸の前方を示す十字型の指標101cとが重なった画像である、図3に示すような画像が表示される。なお、指標表示手段6dにより出力される指標101cの形状は、十字型のものに限らず、例えば、円形、四角形および三角形等の形状を有するものであっても良い。この後、プロセッサ6の各部は、指示手段6fから改めて指示信号が出力されるまでは、図3に示すような画像が表示手段7に表示される合成画像信号を出力しつつ、待機状態を維持する((図6のステップS6)。
以上に述べたプロセッサ6の各部の作用により、術者は、内視鏡2の挿入部4を生体内に挿入する際に、表示手段7に表示される生体内の画像に指標101cを重ねて表示させることができる。そのため、術者は、表示手段7に表示される生体内の画像において、挿入部4の挿入軸の前方がどちらであるか、また、挿入部4の挿入軸の前方にあたる画像領域または挿入部4の中心軸の前方に対応する領域がどの辺りであるかを容易に認識することができる。
また、指標表示手段6dは、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標を既に出力している状態である場合、制御手段6bから出力される画像信号に基づいて該指標を出力停止する。
制御手段6bは、画像合成手段6eに対し、画像処理手段6cにおいて画像処理が行われた後の画像信号のみを出力するように制御を行う(図6のステップS9)。これにより、表示手段7においては、図3に示す生体内の画像から、挿入部4の挿入軸の前方を示す十字型の指標101cが消去された画像である、図2に示すような画像が表示される。なお、この後、プロセッサ6の各部は、指示手段6fから改めて指示信号が出力されるまでは、図2に示すような画像が表示手段7に表示される画像信号を出力しつつ、待機状態を維持する(図5のステップS4)。
以上に述べたプロセッサ6の各部の作用により、術者は、所望の位置において、表示手段7に表示される生体内の画像に重ねて表示された指標101cを非表示状態とすることができるため、該所望の位置における観察を行う際に、内視鏡2の挿入部4の進行方向前方と、内視鏡2が有する対物光学系の観察視野方向前方とを混同しないように、該観察中常に注意を払わなければならないような負担を強いられることがない。
なお、挿入部4の挿入軸の前方を示す指標101cを表示させた状態において、処置具102を処置具挿通路4aに挿通させた後、挿入部4の先端部4Aに設けられた開口部4a2から処置具102を突出させると、処置具挿通路4aに挿通された処置具102が、表示手段7に表示される生体内の画像の略中央に向けて突出するような、図6に示すような画像が表示手段7に表示される。このような場合においても、プロセッサ6が前述したような作用を有するため、指示手段6fを操作することにより、図6に示す生体内の画像から、挿入部4の挿入軸の前方を示す十字型の指標101cが消去された画像である、図7に示すような画像を表示手段7に表示させることができる。
以上に述べたプロセッサ6の各部の作用により、術者は、所望の位置において、表示手段7に表示される生体内の画像に重ねて表示された指標101cを非表示状態とすることができるため、該所望の位置において処置を行う際に、処置具102の突出方向前方と、挿入部4の進行方向前方とが略同一であると錯覚しないように、該処置中常に注意を払わなければならないような負担を強いられることがない。
本実施形態のプロセッサ6は、術者が指示手段6fを操作することにより、術者の所望のタイミングにおいて、表示手段7に表示される指標101cを表示状態または非表示状態とすることができる。すなわち、術者は、挿入部4の挿入操作を行う際には、指示手段6fを操作して表示手段7に表示される指標101cを表示状態とすることにより、挿入部4の挿入軸の前方がどちらであるこということを認識することができ、また、所望の位置における観察または処置を行う際には、指示手段6fを操作して表示手段7に表示される指標101cを非表示状態とすることにより、観察視野領域内において該処置等に必要のない情報を、表示手段7に表示される被検体の像から消去することができる。その結果、術者は、挿入部4の挿入操作を行う際には、挿入部4をスムーズに挿入することができる。また、所望の位置における観察を行う際には、内視鏡2が有する対物光学系の観察視野方向前方と、内視鏡2の挿入部4の進行方向前方とを混同しないように、該観察中常に注意を払わなければならないような負担を強いられることがない。さらに、所望の位置における処置を行う際には、処置具102の突出方向前方と、挿入部4の進行方向前方とが略同一であると錯覚しないように、該処置中常に注意を払わなければならないような負担を強いられることがない。
1 内視鏡装置、2 内視鏡、3 操作部、3a インターフェース群、3a1 指標表示切替スイッチ、3b,6a コネクタ、3c ユニバーサルコード、3d 記憶手段、4 挿入部、4a 処置具挿通路、4a1 処置具挿入部、4a2 開口部、4A 先端部、4b 対物レンズ、4c 撮像素子、4d ライトガイド、5 光源手段、6 プロセッサ、6b 制御手段、6c 画像処理手段、6d 指標表示手段、6e 画像合成手段、6f 指示手段、7 表示手段、101a,101b 管腔、101c 指標、102 処置具
代理人 弁理士 伊 藤 進
代理人 弁理士 伊 藤 進
Claims (5)
- 挿入部の軸方向に対して光軸が角度をなし、かつ、前記挿入部の軸方向前方の領域を観察視野領域に含むように配置された対物光学系と、前記対物光学系によって得られた前記被検体の像を撮像する撮像素子を有する内視鏡から出力される画像信号に対して処理を行い、前記処理を行った後の前記画像信号を表示手段に対して出力する機能を備えた画像処理装置であって、
前記内視鏡から出力された画像信号に対し、前記挿入部を前記被検体の内部に挿入する際の挿入方向前方を示す指標が、前記表示手段に表示される前記被検体の像において、前記挿入方向前方に対応する画像領域上に重ねて表示されるように、前記指標を出力する指標表示手段と、
前記指標を前記表示手段に選択的に表示させるために、前記指標表示手段による前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 挿入部に対物光学系と撮像手段を有し、前記対物光学系の光軸が前記挿入部の軸方向に対して角度をなして設けられた内視鏡から出力される画像信号に対して処理を行い、前記処理を行った後の前記画像信号を表示手段に対して出力する機能を備えた画像処理装置であって、
前記内視鏡から出力された画像信号に対して、挿入部の挿入方向前方を示す指標が、前記表示手段に表示される被検体の像に重ねて表示されるように、前記指標を出力する指標表示手段と、
前記指標を前記表示手段に選択的に表示させるために、前記指標表示手段による前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記指標表示手段は、前記表示手段に表示される被検体の像において、前記内視鏡の前記挿入部の中心軸の前方に対応する領域を示すような前記指標が表示されるように、前記指標を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 被検体の内部に挿入される挿入部と、光軸が前記挿入部の軸方向に対して角度をなし、かつ、前記挿入部の軸方向前方を観察視野領域に含むように前記挿入部に配置された対物光学系と、前記対物光学系によって得られた前記被検体の像を撮像する撮像素子とを有する内視鏡と、
前記内視鏡の前記挿入部の挿入方向前方を示す指標を表示手段に表示される前記被検体の像に重ねて表示する指標表示手段と、前記指標を前記表示手段に選択的に表示させるために、前記指標表示手段による前記指標の表示および非表示を切り替えるための指示を行う指示手段とを有し、前記内視鏡から出力される画像信号を処理し、前記処理を行った後の前記画像信号を前記表示手段に対して出力する機能を備えた画像処理装置と、
を有することを特徴とする内視鏡装置。 - 前記挿入部は、前記挿入部の先端部に開口部が設けられた処置具挿通路を有し、前記開口部は、前記処置具挿通路に挿通された処置具が、前記表示手段に表示される前記被検体の像の略中央に向けて突出するように設けられていることを特徴とする請求項4記載の内視鏡装置。
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