JP2006166678A - 直流モータの回転情報検出装置 - Google Patents

直流モータの回転情報検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モータの起動時や制動時など、モータの過渡期にあっても、回転情報を精度よく検出することのできる直流モータの回転情報検出装置を提供する。
【解決手段】モータMの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるべくモータMの電流量を定常運転時の制御値から制動運転時の制御値に落としめる運転モード切替に際し、定常運転時の制御値と制動運転時の制御値との間にステップ(電流値i2)を設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に落としめるようにする。また、同モータMのモータ起動制御に際しても同様にステップ(電流値i1)を設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に上昇させるようにする。
【選択図】 図4

Description

この発明は、直流モータの回転情報検出装置に関し、詳しくは直流ブラシモータを対象として、モータに流れる電流やモータの端子間電圧によるモータ駆動信号波形に基づいて同モータの回転情報を検出する装置に関する。
自動車には、快適性や利便性のために、直流(DC)ブラシモータを使ったシステムが数多く搭載されている。例えば、空調装置には、吹き出し口やエアミックス量を変えるためのドアを動かす直流モータが幾つか搭載されている。また、ドアミラーの位置やシートの位置の操作、パワーウインドシステムにあっては窓の位置の操作などにも、そのアクチュエータとして直流モータが使われている。さらに、ヘッドライトの光軸をステアリングの切れ角に応じて変更するシステムなど、今後もこうした直流モータの用途拡大が予想される。
このように、これらのシステムでは、ドアの位置、ミラーの位置、シートの位置、窓の位置、ヘッドライトの位置と、それら駆動対象の位置を直流モータによって制御する。このため、何らかの手法で駆動対象の位置、すなわちモータの回転情報を検出することが重要である。
この駆動対象の位置(モータの回転情報)を検出する方法としては、従来、例えば特許文献1に記載されているように、ホールセンサ等を用いてモータの回転情報を計測することによって位置を特定する方法や、ポテンショメータにより位置を特定する方法が知られている。しかし、このような方法では、上記ホールセンサやポテンショメータ等のセンサを必要とするため、センサ自身およびセンサの取付けによるコストの増大や、体格および信号線数の増加による搭載上の制約、さらにはセンサの寿命による信頼性の低下等が無視できないものとなる。
そこで従来、こうしたセンサを不要とすべく、例えば特許文献2に記載のように、モータに流れる電流に重畳されるリップル成分もしくはサージ成分を抽出し、その抽出したリップル成分もしくはサージ成分に基づいて同モータの回転情報を得る方法などが提案されている。図13及び図14に、こうしてモータの回転情報を検出するための構成、並びにその検出態様について例示する。
すなわち、上記態様でモータの回転情報を得るためには、図13に示すように、ブラシBを備えるモータMへの給電回路中にモータMと直列に抵抗Roを介挿し、この介挿した抵抗Roの端子間電圧を抽出することで、モータMに流れる電流iを検出する。このとき、この検出される電流iは、図14(a)に示されるように、逆起電圧の脈動に起因する所定周期のリップル成分に対し、ブラシBと整流子(コミュテータ)の各セグメントとが切り替わる際の不連続性に起因するサージ成分が加わったものとなる。そして、このモータに流れる電流iを例えば上記サージ成分の周期(周波数域)に対応したバンドパスフィルタBPFに通すことにより、図14(b)に示されるように、上記リップル成分やその他のノイズ成分が除去され、そのフィルタ出力BPFoとして、モータMに流れる電流iのサージ成分に対応した信号を得ることができる。さらに、この電流iのサージ成分に対応した信号BPFoを比較器CPを通じて所定のしきい値電圧Vthのもとに2値化し、図示しないワンショット回路等を通すことにより、図14(c)に示される態様でモータMの回転角度に対応したパルス信号CPoが得られる。そして、このパルス信号CPoの数を数えることで、モータMの回転量や回転数(回転速度)等の回転情報が検出されることになる。
このように、モータMに流れる電流iに含まれるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方を抽出することができれば、これに基づいてモータの回転情報が得られるようになる。
特開2003−049586号公報 特開2002−010667号公報
しかしながら、上記従来の装置では、新たに次のような不都合も招きかねない。
図15に示されるように、一般に直流モータMは、モータ駆動電源E11によって給電されながら、例えばスイッチング素子としての4つの電界効果トランジスタ(FET)M11〜M14からなるHブリッジをもって構成される正逆転回路11を通じてその回転運動が制御される。図16(a)〜(d)は、トランジスタM11〜M14に関する駆動信号の一例を示すタイムチャートであり、この図において、駆動信号g11〜g14は、それぞれトランジスタM11〜M14に対しての駆動信号を示している。同図16(a)〜(d)に示すように、定常運転(定速運転)期間においては、トランジスタM11およびM13のゲート電圧を論理ハイレベルに、またトランジスタM12およびM14のゲート電圧を論理ローレベルにしてモータMを正転させる。一方、制動運転期間においては、トランジスタM11のゲート電圧を論理ローレベルに、またトランジスタM14のゲート電圧を論理ハイレベルに、それぞれ変更してモータMの端子間を短絡させる。これにより、逆起電圧による制動(ブレーキ)、いわゆる回生制動がモータMの回転運動に対してかけられることとなる。そうしてモータMの運転モードが定常運転から制動運転へ切り替えられると、同モータMの回転速度は減速し始め、やがてその回転は停止する。図17に、モータMの運転モード切替についてその制御態様の一例を示す。なお、図17(a)は運転モード切替に関する指令信号の波形例を示すタイムチャート、図17(b)はモータMに流れる電流の波形例を示すタイムチャートである。
同図17(a)および(b)に示されるように、運転モードが制動運転へ切り替えられる制動開始タイミングt0の直後には、急激な電流変化に起因して大きな突入電流がモータMに流れることになる。そして、こうして生じた突入電流がモータMに流れる電流に重畳されるリップル成分やサージ成分による回転信号に重なるようなことがあると、この回転信号が突入電流に隠れてしまい、回転信号の抽出が困難になる。また、この回転信号が突入電流に完全に隠れてしまった場合には、もはや回転信号の抽出自体が不可能になり、回転パルスの検出漏れ等が生じてモータMの回転情報が誤って検出される可能性さえある。
なお、ここでは運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えた際の不都合について説明したが、モータ起動時等、モータの過渡期にあっては、同様に突入電流が流れ、同様の不都合が生じることになる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、モータの起動時や制動時など、モータの過渡期にあっても、回転情報を精度よく検出することのできる直流モータの回転情報検出装置を提供することを目的とする。
こうした目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、直流ブラシモータに流れる電流もしくは同モータの端子間電圧によるモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置として、前記モータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるべく前記モータの電流量もしくは端子間電圧を定常運転時の制御値から制動運転時の制御値に落としめる運転モード切替に際しその電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える構成とする。
前述したように、検出対象とするモータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替える際には、急激な電流変化を伴う。そのため、モータコイルの誘電作用によって上記モータに大きな突入電流が流れる。そうして回転信号がこの突入電流に隠れてしまうと、モータの回転情報の検出が困難になる。この点、上記構成では、この運転モード切替の際、上記徐変制御手段を通じてモータの電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御が施される。これにより、同モータの電流変化が緩和され、突入電流の発生が抑制されるようになる。こうして突入電流の低減が図られることで、回転信号が突入電流に隠れてしまうようなことはなくなり、より容易に回転信号の抽出を行うことができるようになる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。
また、前記徐変制御手段としては、例えば請求項2に記載の発明によるように、
・前記定常運転時の制御値と前記制動運転時の制御値との間に一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの電流量もしくは端子間電圧を段階的に落としめる手段。
あるいは請求項4に記載の発明によるように、
・前記モータの電流量もしくは端子間電圧を、前記定常運転時の制御値と前記制動運転時の制御値との間でリニアに徐変させて緩やかに落としめる手段。
等々の手段を採用することが有効である。
また、請求項3に記載の発明によるように、上記請求項2に記載の構成において、前記設けられるステップの1つは、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る電流量もしくは端子間電圧として設定されるものとすることが望ましい。
回転信号の周期が長くなると、突入電流と回転信号とを時間的に分離することが可能になる。すなわち、前記電流量もしくは端子間電圧をそこまで緩やかに落としめれば、それ以降急峻に落としめたとしても、突入電流と回転信号とを分離して誤検出の防止を好適に図ることができ、ひいては前記モータをより速やかに停止させることが可能になる。
さらに、請求項5に記載の発明によるように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記徐変制御手段による徐変制御の徐変度合は、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定されるものとすることが望ましい。こうした構成によれば、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
また、請求項6に記載の発明によるように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の構成を前提として、少なくとも前記定常運転から制動運転への運転モード切替時に、前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更タイミングと前記回転信号とを同期させる同期手段をさらに備える構成とすれば、前記モータの電流量もしくは端子間電圧に生じる突入電流を前記回転信号に埋もれさせるかたちで抑制することができるようになる。すなわち、回転信号をより高い精度にて抽出することが可能になる。
また、請求項7に記載の発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の構成を前提として、前記モータの制動に伴う惰性回転量を求める補正量取得手段と、該補正量取得手段により求められる惰性回転量に応じて前記モータの回転位置を可変とする回転位置補正手段とをさらに備えることを特徴とする。
運転モード切替時における前記徐変制御手段による除変制御中、あるいは制動運転期間にあっては、前記モータの制動に伴い同モータに惰性回転、すなわち余分な回転が生じる。このため、同モータを目標とする停止位置(目標停止位置)で停止させることは困難になる。この点、上記構成によれば、回転位置補正手段および補正量取得手段により、惰性回転量に応じて前記モータの回転位置が可変とされる。これにより、制動に伴う惰性回転の分を補正して停止させたい位置(目標停止位置)で前記モータを停止させることができるようになる。
特にこの場合、請求項8に記載の発明によるように、前記回転位置補正手段を、前記補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけ前記モータの制動タイミングを早めるものとすることが有効である。こうした構成によれば、制動に伴う惰性回転の分だけ、前記モータの制動タイミングが、すなわち前記モータの停止タイミングが早められる。これにより、先の惰性回転による余分な回転量の分だけ前記モータの停止位置が手前に補正され、ひいては同モータを目標停止位置で精度よく停止させることができるようになる。
また、請求項9に記載の発明によるように、上記請求項1〜8のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記徐変制御によるモータ駆動量を、前記モータの以前の動作から学習した学習値に基づき可変設定されるものとすることも、前記モータを目標停止位置で精度よく停止させる上で有効である。
また、モータの用途によっては、回転位置によってモータにかかる負荷が変わることがある。そこで、請求項10に記載の発明では、請求項1〜8のいずれか一項に記載の構成を前提として、前記モータの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップをさらに備える構成とし、前記徐変制御によるモータ駆動量をこのマップに基づき可変設定されるものとする。こうした構成とすることで、前記モータの回転位置による負荷変化にも対応して精度よくモータを目標停止位置で停止させることができるようになる。
また、前述したように、モータ起動時にあっても突入電流が流れ、運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えた場合と同様の不都合が生じるようになる。そこで、請求項11に記載の発明では、直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置として、前記モータを起動させるべく前記モータの電流量もしくは端子間電圧を定常運転時の制御値に上昇させるモータ起動制御に際しその電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える構成とする。
こうした構成によっても、徐変制御手段を通じてモータの電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御が施される。すなわち、これによっても回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。
そして、前記徐変制御手段としては、例えば請求項12に記載の発明によるように、
・前記定常運転時の制御値よりも小さな制御値とする一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの電流量もしくは端子間電圧を段階的に上昇させる手段。
あるいは請求項15に記載の発明によるように、
・前記モータの電流量もしくは端子間電圧を、前記定常運転時の制御値までリニアに徐変させて緩やかに上昇させる手段。
等々の手段を採用することが有効である。
ここで、請求項12に記載の構成を採用する場合は、請求項13に記載の発明によるように、前記設けられるステップの1つを、前記モータ起動制御に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る電流量もしくは端子間電圧として設定されるものとすることがより有効である。
モータ起動時の始動位置によっては、起動直後の突入電流と回転信号とが重なってしまい、回転信号の取り漏らしが懸念されるようになる。この点、上記構成のように、前記設けられるステップの1つを突入電流と回転信号とを時間的に分離し得る電流量もしくは端子間電圧、すなわち起動直後の突入電流と回転信号との重なりの抑制される電流量もしくは端子間電圧として設定しておけば、これ以降急峻に前記モータの電流量もしくは端子間電圧を上昇させたとしても起動直後における回転信号の取り漏らし防止が図られ、ひいては前記モータの起動をより速やかに行うことが可能になる。
そしてこの場合、前記設けられるステップの1つとしては、請求項15に記載のように、前記モータの回転し始める電流量もしくは端子間電圧として設定されるもの、を採用することが特に有効である。このように、前記設けられるステップの1つを前記モータの回転し始める電流量もしくは端子間電圧として設定しておけば、起動直後の突入電流と回転信号との重なりが抑制され、起動直後における回転信号の取り漏らし防止がより好適に図られることになる。
さらに、請求項16に記載の発明によるように、請求項11〜15のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記徐変制御手段による徐変制御の徐変度合は、前記モータ起動制御に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定されるものとすることが望ましい。こうした構成によれば、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
また一方、請求項17に記載の発明では、直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置として、前記モータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるに際し、前記定常運転時の回転速度と前記制動運転時の回転速度との間に一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの回転速度を段階的に落としめる構成とする。
回転信号の周期が長くなると、突入電流と回転信号とを時間的に分離することが可能になることは前述したとおりである。さらに、回転信号の周期はモータの回転速度に対応したものとなる。そこで上記構成のように、前記モータの回転速度をステップごとに変動度合を変えて段階的に落としめるようにすれば、突入電流と回転信号とを時間的に分離し得る区間をより自在に設定することが可能になる。
そして、前記設けられるステップの1つを、請求項18に記載のように、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る回転速度として設定されるものとすれば、このステップ以降を突入電流と回転信号とを時間的に分離し得る区間として、これ以降急峻に回転速度を落としめたとしても突入電流と回転信号とを分離して誤検出の防止を好適に図ることができ、ひいては前記モータをより速やかに停止させることが可能になる。
また、請求項17または18に記載の直流モータの回転情報検出装置においては、例えば請求項19に記載の発明によるように、
・前記ステップへの移行に際し、前記モータの回転速度が前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更をもって減速される構成。
あるいは請求項22に記載の発明によるように、
・前記ステップへの移行に際し、前記モータの回転速度が前記モータの回転軸への機械的な負荷の付与をもって減速される構成。
等々の構成が有効である。
そして、請求項19に記載の直流モータの回転情報検出装置に関して、前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更に際しての変動度合は、請求項20に記載のように、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなる程度に緩やかに設定されるものとすることが望ましい。こうした構成によれば、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
さらに、請求項19または20に記載の直流モータの回転情報検出装置に関しては、請求項21に記載の発明によるように、前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更に際し、前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更タイミングと前記回転信号とを同期させる構成とすることで、前記モータの電流量もしくは端子間電圧に生じる突入電流を前記回転信号に埋もれさせるかたちで抑制することができ、ひいては回転信号をより高い精度にて抽出することが可能になる。
また、請求項23に記載の発明によるように、請求項17〜22のいずれか一項に記載の構成を前提として、前記モータの制動に伴う惰性回転量を求める補正量取得手段と、該補正量取得手段により求められる惰性回転量に応じて前記モータの回転位置を可変とする回転位置補正手段とをさらに備える構成とすれば、制動に伴う惰性回転の分を補正して停止させたい位置(目標停止位置)で前記モータを停止させることができるようになる。
そしてこの場合、前記回転位置補正手段を、請求項24に記載のように、前記補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけ前記モータの制動タイミングを早めるものとすれば、惰性回転による余分な回転量の分だけ前記モータの停止位置が手前に補正され、ひいては同モータを目標停止位置で精度よく停止させることができるようになる。
また、請求項25に記載の発明によるように、上記請求項17〜24のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、前記ステップごとのモータ駆動量を、前記モータの以前の動作から学習した学習値に基づき可変設定されるものとすることも、前記モータを目標停止位置で精度よく停止させる上で有効である。
さらに、請求項26に記載の発明によるように、請求項17〜24のいずれか一項に記載の構成を前提として、前記モータの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップをさらに備える構成とし、且つ、前記ステップごとのモータ駆動量をこのマップに基づき可変設定されるものとすれば、回転位置によってモータにかかる負荷が変わる用途にあっても、前記モータの回転位置による負荷変化にも対応して精度よくモータを目標停止位置で停止させることができるようになる。
また一方、請求項27に記載の発明では、直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置として、前記モータを起動するに際し、前記モータの回転軸に機械的な負荷を付与してその回転を強制的に抑止した状態で前記モータに電流を供給しながら前記回転軸への機械的な負荷を減少させるかたちで前記モータを起動させる構成とする。こうした構成によっても、回転信号の抽出をより容易として回転情報を精度よく検出することができるようになる。
具体的には、例えば請求項28に記載の発明によるように、前記回転を抑止された状態でモータに供給される電流の電流量および供給時間を、前記モータの起動に伴う突入電流と前記回転信号とが時間的に分離されるように設定されるものとする。すなわちこれを、例えば起動直後の突入電流と回転信号との重なりの抑制される電流量もしくは供給時間として設定するようにする。こうすることで、起動直後における回転信号の取り漏らし防止が好適に図られるようになる。
あるいは請求項29に記載の発明によるように、前記回転の抑止された状態でモータに供給される電流の電流量および供給時間を、前記モータの起動に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定されるものとする。こうすることで、回転信号が突入電流に隠れてしまうようなことはなくなり、より容易に回転信号の抽出を行うことができるようになる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。
また、請求項27〜29のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置においては、請求項30に記載のように、前記回転の抑止された状態でモータに供給される電流の電流量を、回転軸への機械的な負荷の無い状態にあっては前記モータが回転し得る電流量として設定されるものとすることが特に有効である。こうした構成によれば、効果のさらなる増大が期待できるようになる。
さらに、請求項31に記載の発明では、上記請求項1〜30のいずれか一項に記載の構成を前提として、前記モータの電流もしくは端子間電圧によるモータ駆動信号波形から抽出されるリップル成分もしくはサージ成分を所定のしきい値のもとに2値化してパルス信号を生成する回転パルス生成部をさらに備える構成とする。こうした構成によれば、デジタル方式での信号処理が可能となり、アナログ方式で信号処理を行うときよりも高い精度で複雑な演算を行うことができるようになる。また、マイクロコンピュータ等を利用することで、ハードウェアの変更や追加のみならず、ソフトウェアの変更や追加を通じて、モータの過渡応答特性、追従性、負荷変動などにも柔軟に対応することができるようになる。
また、請求項32に記載の発明では、上記請求項1〜31のいずれか一項に記載の構成を前提としてさらに、前記モータの電流もしくは端子間電圧をパルス幅変調制御にて制御するパルス幅変調制御部を備える構成とする。これにより、エネルギー効率を高くして前記モータの駆動等を制御することが可能になり、ひいては省エネルギー化が図られるようになる。
以下、この発明に係る直流モータの回転情報検出装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、この実施の形態に係る直流モータの回転情報検出装置の概略構成をブロック図として示す。
同図1に示すように、この装置は、大きくは、モータMに流れる電流や端子間電圧の大きさや方向を可変とする正逆転回路1と、この回路への信号伝達を通じてモータMの回転を制御する制御部2と、モータMに関する回転信号を検出する回転信号検出部3とを有して構成されている。このうち、正逆転回路1は、スイッチング素子としての4つの電界効果トランジスタ(FET)M1〜M4によるHブリッジで構成され、モータ駆動電源E1により給電が行われる。また、回転信号検出部3は、モータMのモータ駆動信号波形から端子間電圧を検出するモータ電圧検出部3a、その検出されたモータMの端子間電圧からサージ成分を回転信号として抽出するサージ抽出部3b、およびその抽出されたサージ成分を所定のしきい値のもとに2値化してパルス信号を生成する回転パルス生成部3cを有して構成されている。
この装置の検出対象となる直流モータMは一対のブラシBを介して、正逆転回路1および回転信号検出部3にそれぞれ接続され、上記制御部2によってその回転が制御される。
ここで、上記モータ電圧検出部3aは、モータMの各端子から端子間電圧信号を取り込み、例えば増幅器(図示略)を通じてその信号を増幅する。サージ抽出部3bは、上記モータ電圧検出部3aにより検出された信号(端子間電圧信号)を取り込み、例えばローパスフィルタやハイパスフィルタ(図示略)等を通じてその信号から正逆転回路1の駆動信号成分やリップル成分を除去し、回転信号としてサージ成分のみを抽出する。また、回転パルス生成部3cは、サージ抽出部3bにより抽出されたサージ成分を取り込んで、例えば増幅器(図示略)を通じて増幅するとともに、例えば比較器(図示略)を通じて所定のしきい値のもとにこれを2値化してパルス信号を生成する。さらに、このパルス信号は、図示しないワンショット回路等によって所定の幅のパルスとされた後、上記制御部2に取り込まれる。そして、この制御部2は、例えばカウンタ(図示略)等を通じてそのパルス信号からモータMの回転量や回転速度等の回転情報を検出し、その回転情報に基づいてモータMの回転位置を例えばレジスタ等に記憶される目標停止位置に一致させるべく上記正逆転回路1を通じてモータMの回転量や回転方向等を制御する。
図2(a)〜(d)を併せ参照して、制御部2によるモータMの回転制御の一態様について説明する。
ここでは、制御部2が正逆転回路1のHブリッジを用いてパルス幅変調(PWM)制御を行い、モータMの回転量や回転方向等を制御することを想定して説明する。すなわち、制御部2から駆動信号(パルス幅変調信号)がトランジスタM1〜M4に与えられ、その駆動信号に基づいてトランジスタM1〜M4がそれぞれ駆動される。
図2(a)〜(d)は、トランジスタM1〜M4に関する駆動信号の一例を示すタイムチャートであり、この図において、駆動信号g1〜g4は、それぞれトランジスタM1〜M4に対する駆動信号を示している。
すなわち、定常運転期間においては、トランジスタM1およびM3を例えばデューティ比「100%」で、またトランジスタM2およびM4をこれと逆相(デューティ比「0%」)でそれぞれ駆動してモータMを正転させる。一方、制動運転期間においては、トランジスタM1およびM3を所定のデューティ比(正転時は「50%〜100%」)で、またトランジスタM2およびM4をこれと逆相でそれぞれ駆動する。こうして、検出対象とするモータMに流れる電流や端子間電圧は、トランジスタM1〜M4に関する駆動信号のデューティ比に応じて可変とされる。なお、ここでいうデューティ比は、基本周期Tに対する論理ハイレベルの期間tの割合、すなわち「(t/T)×100(%)」と定義される比率である(図3参照)。
図4に、起動から停止まで上記態様で制御されるモータMに流れる電流量の推移例をタイムチャートとして示す。なおここでは、トランジスタM1およびM3のデューティ比を制御値として、定常運転時の制御値をデューティ比「100%」、制動運転時の制御値を同デューティ比「50%」とする。
同図4に示されるように、モータMの起動時においては、まず、停止時の電流値から、定常運転時の制御値よりも小さな制御値、例えばデューティ比「60%〜70%」に相当する電流値i1まで電流量をリニアに徐変させて緩やかに上昇させる。そうして電流値i1まで電流量を上昇させた後、タイミングt11で、定常運転時の制御値、すなわちデューティ比「100%」に相当する電流値i3まで電流量を一気に上昇させる。なお、この実施の形態においては、上記電流値i1を、モータMの回転し始める電流量として設定するようにしている。
このように、この実施の形態においては、起動させるべくモータMの電流量を定常運転時の制御値(電流値i3)に上昇させるモータ起動制御に際し、定常運転時の制御値よりも小さな制御値とするステップ(電流値i1)を設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に上昇させるようにしている。これにより、同モータMの電流変化が緩和されるとともに突入電流の発生が抑制され、ステップが適宜に設けられることで、遂には突入電流のレベルが回転信号のレベルよりも小さくなる。こうして突入電流の低減が図られることによって、回転信号が突入電流に隠れてしまうようなことはなくなり、より容易に回転信号の抽出を行うことができるようになる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。また、この実施の形態においては、上記ステップの電流値i1をモータMの回転し始める電流量として設定するようにしている。モータ起動時の始動位置によっては、起動直後の突入電流と回転信号とが重なってしまい、回転信号の取り漏らしが懸念されるようになる。この点、上記ステップをこうした電流値i1として設定しておけば、起動直後の突入電流と回転信号との重なりが抑制され、起動直後における回転信号の取り漏らし防止が図られることになる。そして、この実施の形態のように同ステップ以降の電流量を急峻に上昇させることで、モータMの起動を速やかに行いつつ、起動直後における回転信号の取り漏らし防止が適切に図られるようになる。
こうしたモータ起動制御に続けて、所定時間だけモータMを定常運転させた後、タイミングt12で、定常運転時の電流値i3から、定常運転時の制御値よりも小さな制御値、例えばデューティ比「70%〜80%」に相当する電流値i2まで電流量をリニアに徐変させて緩やかに落としめる(期間T1)。そうして電流値i2まで電流量を低下させた後、タイミングt13で、制動運転時の制御値、すなわちデューティ比「50%」に相当する電流値まで電流量を一気に低下させる。そうして所定時間後にモータMが停止することになる。なお、この実施の形態においては、上記電流値i2を、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る電流量として設定するようにしている。
このように、運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるべくモータMに流れる電流量を定常運転時の制御値(電流値i3)から制動運転時の制御値(ここではデューティ比「50%」)に落としめる運転モード切替に際し、定常運転時の制御値よりも小さな制御値とするステップ(電流値i2)を設けるようにする。そうしてステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に落としめるようにする。こうすることで、同モータMの電流変化が緩和されるとともに突入電流の発生が抑制され、ステップが適宜に設けられることで、遂には突入電流のレベルが回転信号のレベルよりも小さくなる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。また、この実施の形態においては、上記ステップの電流値i2を突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る電流量として設定するようにしている。回転信号の周期が長くなると、突入電流と回転信号とを時間的に分離することが可能になる。すなわち、電流量をそこまで緩やかに落としめれば、この実施の形態のようにそれ以降急峻に落としめたとしても、突入電流と回転信号とを分離して誤検出の防止が図られるようになる。こうして、モータMの停止を速やかに行いつつ、回転情報の誤検出防止についてもこれが適切に図られるようになる。
また、タイミングt12およびt13においては、モータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更タイミングと回転信号とを同期させるようにする。以下、図5を参照しつつ、この制御についてさらに詳しく説明する。なお、図5(a)および(a1)〜(a3)は同期させない場合の、また図5(b)および(b1)〜(b3)は同期させた場合の各信号の推移例を示すタイムチャートである。また、図5(a)および(b)において、波形LはモータMの端子間電圧、波形L1は回転信号として抽出されたサージ成分、波形L2はモータMの端子間電圧Lを変更した直後の突入電流、をそれぞれ示している。さらに、図5(a1)および(b1)は上記サージ成分をもとにして生成されるパルス信号を、また図5(a2)および(b2)は上記波形L1およびL2の合成波形L3を、また図5(a3)および(b3)は上記波形Lをそれぞれ示している。
まず、上記モータMの端子間電圧の変更タイミングと回転信号とを同期させない場合は、図5(a1)〜(a3)に示すように、モータMの端子間電圧Lを変更した直後に突入電流が生じ、これがしきい値Vthを超えると誤パルスが生成され、回転情報が誤って検出されるようなことも起こりかねない。
一方、この実施の形態に係る装置のごとくモータMの端子間電圧の変更タイミングと回転信号とを同期させた場合は、図5(b1)〜(b3)に示すように、突入電流をサージ成分に埋もれさせるかたちで抑制することができ、ひいては誤パルス発生の回避が図られるようになる。
このように、上記タイミングt12およびt13において、モータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更タイミングと回転信号とを同期させることで、同タイミングにおける突入電流の発生が抑制され、回転信号をより高い精度にて抽出することが可能になる。
また図6は、先の図4に示した態様でモータMに流す電流量が制御されるときの同モータMの回転速度の推移例を示すタイムチャートである。なお、この図6において、先の図4に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
同図6に示されるように、この実施の形態においては、制動運転の前(定常運転から制動運転への運転モード切替時)に、上記モータMの回転速度を定常運転時の回転速度v3からそれよりも低速度な回転速度v1まで落としめる低速運転区間(期間T1)が設けられている。ここで、回転速度v1は、運転モード切替に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得るようになるしきい値(回転速度v2)よりも低速度な回転速度として設定されている。
この区間においては、モータMの回転速度が緩やかに減速される。そうしてモータMの回転速度が定常運転時の回転速度v3から上記回転速度v1まで減速されると、タイミングt13で、モータMの回転に対して急な制動(ブレーキ)がかけられる。これに従ってモータMの回転速度はそこから大きく減速されるようになり、やがてその回転は停止する。以下、図7〜図10を参照して、この制御についてさらに詳しく説明する。なお、図7および図8は上記低速運転区間を設けずにそのまま制動運転に切り替えた場合の、また図9および図10は上記低速運転区間を設けて同期間を経た後に制動運転に切り替えた場合の各信号の推移例を示すタイムチャートである。より詳しくは、図7および図9は制動運転に切り替える前の、また図8および図10は制動運転に切り替えた後の信号波形をそれぞれ示している。また、これら各図(a)〜(c)は、先の図5(a1)〜(a3)や図5(b1)〜(b3)に対応するものであり、同一の要素には各々同一の符号を付して示している。
まず、上記低速運転区間を設けなかった場合について説明する。図7に示すように、制動運転に切り替える前にあっては、モータMの回転態様に応じたパルス信号が回転信号として生成され、これに基づいて回転情報が正常に検出される。一方、運転モードを制動運転に切り替えた後には、その切替の直後に突入電流が生じ、図8に示すように、これがしきい値Vthを超えるようなことがあると誤パルスが生成され、回転情報が誤って検出されるようなことも起こりかねない。
他方、この実施の形態のごとく上記低速運転区間を設けた場合には、図9に示されるように、制動運転に切り替える前に既にモータMの回転速度が定常運転時の回転速度よりも低速度な回転速度まで減速されており、この低速回転状態で制動運転への切替が行われることになる。図10に示されるように、この場合にあっても誤パルスが生成されることはある。しかし、このときの回転信号のパルス間隔は、図7および図8に示したものよりも広くなっているため、回転信号と誤パルスとを容易に判別することができる。すなわち、これらを分離したり、あるいは誤パルスの分だけ回転情報を補正したりすることで、正確な回転情報が得られるようになる。さらにこの実施の形態においては、上記回転速度v1を、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る回転速度として設定するようにしている。これにより、この実施の形態のようにそれ以降急峻に回転速度を落としめたとしても、突入電流と回転信号とを分離することができ、ひいては回転情報の誤検出防止が図られるようになる。こうして、モータMの停止を速やかに行いつつ、回転情報の誤検出防止についてもこれが適切に図られるようになる。
また、上記図4や図6に示す態様でモータMの回転を制御するときには、タイミングt12以降の期間において、モータMの制動に伴い同モータMに惰性回転、すなわち余分な回転が生じる。こうした惰性回転があると、同モータMを目標とする停止位置(目標停止位置)で停止させることは困難になる。そこで、この実施の形態では、上記モータMの制動に伴う惰性回転量を求め、その惰性回転量の分だけモータMの制動タイミング(タイミングt12)を早めるようにしている。これにより、制動に伴う惰性回転の分を補正して目標停止位置で精度よく上記モータMを停止させることができるようになる。
また、この実施の形態においては、上記制御部2(図1)が、モータMの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップを有して構成されており、期間T1(図4および図6)におけるモータ駆動量(電流量もしくは端子間電圧)が、このマップに基づいて可変設定されるようになっている。これにより、回転位置によってモータにかかる負荷が変わる用途にあっても、上記マップに通じてその負荷変化に対応して精度よくモータMを目標停止位置で停止させることができるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る直流モータの回転情報検出装置によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。
(1)モータMの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるべくモータMの電流量を定常運転時の制御値から制動運転時の制御値に落としめる運転モード切替に際しその電流量に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える構成とした。これにより、同モータMの電流変化が緩和され、突入電流の発生が抑制されるようになる。こうして突入電流の低減が図られることで、回転信号(サージ成分)が突入電流に隠れてしまうようなことはなくなり、より容易に回転信号の抽出を行うことができるようになる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。なお、この実施の形態において、上記徐変制御手段は、例えばマイクロコンピュータ等により構成される制御部2に内蔵された構成となっている。
(2)また、上記徐変制御手段として、定常運転時の制御値と制動運転時の制御値との間にステップを設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に落としめるもの、を採用するようにした。これにより、モータMの運転モード切替時における上記徐変制御が適正に行われるようになる。
(3)さらにそのステップを、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る電流量として設定するようにした。これにより、モータMの停止を速やかに行いつつ、回転情報の誤検出の防止が好適に図られるようになる。
(4)また、運転モード切替時における上記徐変制御の徐変度合を、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが回転信号(サージ成分)のレベルよりも小さくなる程度に設定するようにした。これにより、必要とされるレベルまで突入電流が確実に低減されるようになり、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
(5)定常運転から制動運転への運転モード切替時にモータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更タイミングと回転信号とを同期させる同期手段を備える構成とした。これにより、モータMの電流量に生じる突入電流を回転信号(サージ成分)に埋もれさせるかたちで抑制することができるようになる。すなわち、回転信号をより高い精度にて抽出することが可能になる。なお、この実施の形態においては、この同期手段も制御部2に内蔵された構成となっている。
(6)モータMの制動に伴う惰性回転量を求める補正量取得手段と、該補正量取得手段により求められる惰性回転量に応じてモータMの回転位置を可変とする回転位置補正手段とをさらに備える構成とした。これにより、制動に伴う惰性回転の分を補正して停止させたい位置(目標停止位置)でモータMを停止させることができるようになる。なお、この実施の形態においては、これら補正量取得手段および回転位置補正手段も上記制御部2に内蔵された構成となっている。
(7)また、回転位置補正手段を、補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけモータMの制動タイミングを早めるものとした。これにより、先の惰性回転による余分な回転量の分だけモータMの停止位置が手前に補正され、ひいては同モータMを目標停止位置で精度よく停止させることができるようになる。
(8)さらに、モータMの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップをさらに備える構成とし、上記運転モード切替時の徐変制御によるモータ駆動量、すなわち期間T1(図4および図6)におけるモータ駆動量(電流量もしくは端子間電圧)を、このマップに基づき可変設定されるものとした。これにより、回転位置によってモータにかかる負荷が変わる用途にあっても、モータMの回転位置による負荷変化にも対応して精度よくモータMを目標停止位置で停止させることができるようになる。
(9)モータMを起動させるべくモータMの電流量を定常運転時の制御値に上昇させるモータ起動制御に際しその電流量に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える構成とした。こうした構成によれば、起動時においても、回転信号(サージ成分)の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。なお、この実施の形態においては、この徐変制御手段も上記制御部2に内蔵された構成となっている。
(10)また、この徐変制御手段として、定常運転時の制御値よりも小さな制御値とするステップを設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に上昇させるもの、を採用するようにした。これにより、モータMの起動時における上記徐変制御が適正に行われるようになる。
(11)さらにそのステップを、モータMの回転し始める電流量として設定するようにした。これにより、同ステップ以降の電流量を急峻に上昇させ、モータMの起動を速やかに行いつつ、起動直後における回転信号の取り漏らし防止も好適に図ることが可能になる。
(12)また、モータ起動時における上記徐変制御の徐変度合を、モータ起動制御に伴う突入電流のレベルが回転信号(サージ成分)のレベルよりも小さくなる程度に設定するようにした。これにより、必要とされるレベルまで突入電流が確実に低減されるようになり、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
(13)モータMの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるに際し、定常運転時の回転速度と制動運転時の回転速度との間にステップ(図6の回転速度v1)を設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの回転速度を段階的に落としめる構成とした。このように、モータMの回転速度をステップごとに変動度合を変えて段階的に落としめるようにすれば、突入電流と回転信号とを時間的に分離し得る区間をより自在に設定することが可能になる。ちなみに、この実施の形態においては、タイミングt13(図6)以降の期間がその突入電流と回転信号とを時間的に分離し得る区間に相当する。
(14)さらにこのステップを、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る回転速度として設定するようにした。これにより、同ステップ以降の回転速度を急峻に下降させ、モータMの停止を速やかに行いつつ、回転情報の誤検出の防止も好適に図ることが可能になる。
(15)また、そのステップへの移行に際しモータMの回転速度を、同モータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更をもって減速する構成とした。これにより、同モータMの回転速度をより容易に且つ自在に制御することが可能になる。
(16)また前述したように、このモータMの電流量の変更に際しその変動度合を、定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが回転信号(サージ成分)のレベルよりも小さくなる程度に緩やかに設定するようにした。これにより、必要とされるレベルまで突入電流が確実に低減されるようになり、突入電流の分離、ひいては回転信号の抽出をより確実に行うことができるようになる。
(17)また、このモータMの電流量の変更に際し、同モータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更タイミングと回転信号とを同期させるようにした。こうすることで、モータMの端子間電圧(もしくは電流量)に生じる突入電流を回転信号(サージ成分)に埋もれさせるかたちで抑制することができ、ひいては回転信号をより高い精度にて抽出することが可能になることも前述した。
(18)さらに、モータMの端子間電圧によるモータ駆動信号波形から抽出されるサージ成分を所定のしきい値のもとに2値化してパルス信号を生成する回転パルス生成部3cを備える構成とした。こうした構成によれば、デジタル方式での信号処理が可能となり、アナログ方式で信号処理を行うときよりも高い精度で複雑な演算を行うことができるようになる。また、マイクロコンピュータ等を利用することで、ハードウェアの変更や追加のみならず、ソフトウェアの変更や追加を通じて、モータの過渡応答特性、追従性、負荷変動などにも柔軟に対応することができるようになる。
(19)モータMの端子間電圧をパルス幅変調(PWM)制御にて制御するパルス幅変調制御部を備える構成とした。これにより、エネルギー効率を高くしてモータMの駆動等を制御することが可能になり、ひいては省エネルギー化が図られるようになる。なお、この実施の形態においては、上記制御部2がこのパルス幅変調制御部に相当する。
なお、上記実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・モータMの回転軸に機械的な負荷をかける機構を新たに設け、上記モータMを起動するに際し、同モータMの回転軸に機械的な負荷を付与してその回転を強制的に抑止した状態でモータMに所定電流量の電流を供給しながら上記モータMの回転軸への機械的な負荷を減少させるかたちで上記モータMを起動させるようにしてもよい。こうした構成によっても、回転信号の抽出をより容易として回転情報を精度よく検出することができるようになる。なお、回転軸への機械的な負荷は回転軸に直接的にかけても、また間接的にかけるようにしてもよい。
具体的には、例えば上記回転の抑止された状態でモータMに供給される電流の電流量および供給時間を、突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る程度にして、すなわち起動直後の突入電流と回転信号との重なりの抑制される電流量もしくは供給時間として設定するようにする。これにより、起動直後における回転信号の取り漏らし防止が図られるようになる。
あるいは、上記回転の抑止された状態でモータMに供給される電流の電流量および供給時間を、同モータMの起動に伴う突入電流のレベルが回転信号(サージ成分)のレベルよりも小さくなるように設定する。こうすることで、回転信号が突入電流に隠れてしまうようなことはなくなり、より容易に回転信号の抽出を行うことができるようになる。すなわち、回転信号の抽出を精度よく行うことが可能になり、ひいてはモータの回転情報を精度よく検出することができるようになる。
そしていずれの場合も、上記回転の抑止された状態でモータに供給される電流の電流量を、回転軸への機械的な負荷の無い状態にあってはモータMが回転し得る電流量として設定することで、効果のさらなる増大が期待できるようになる。
・上記実施の形態においては、上記運転モード切替時の徐変制御によるモータ駆動量をマップを用いて制御するようにした。しかしこれに限られることなく、例えば同徐変制御によるモータ駆動量を、モータMの以前の動作から学習した学習値に基づき可変設定するようにしてもよい。例えばモータMの負荷が回転位置によらず略一定であるシステムにあっては、前回のモータMの回転量(移動量)を計測しておき、次回の動作にその学習値を反映させることで、上記モータMを目標停止位置で精度よく停止させることができるようになる。また、こうした構成ではマップ等を必要としないため、構成自体を簡素に保つことも可能になる。ただし、これらの構成は必須の構成ではなく、モータ停止位置の精度として必要とする精度が得られれば、適宜に割愛することもできる。
・上記実施の形態においては、前記回転位置補正手段を、前記補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけモータMの制動タイミングを早めるものとしたが、惰性回転量に関する補正方法がこれに限られることはない。例えば制御部2(図1)においてカウンタ値等に適宜の補正演算を施して停止位置を補正する等、惰性回転量に関する補正方法は任意である。なお、これら補正量取得手段や回転位置補正手段も必須の構成ではない。
・上記実施の形態においては、運転モード切替時にモータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更タイミングと回転信号とを同期させる同期手段を備える構成とした。しかし、これは必須の構成ではなく、適宜に割愛することも可能である。
・上記実施の形態においては、モータ起動時や、定常運転から制動運転への運転モード切替時に、1つのステップを設けるようにしたが、これらステップの数は基本的に任意である。
・上記実施の形態においては、モータ起動時に設けられるステップの1つを、モータMの回転し始める電流量として設定するようにした。しかしこれに限られることなく、このステップが、モータ起動制御に伴う突入電流と回転信号(サージ成分)とを時間的に分離し得る電流量として設定されれば、前記(11)の効果に準じた効果は得られるようになる。
・またこれにも限られることはなく、モータ起動時や、定常運転から制動運転への運転モード切替時に設けられるステップは、それぞれモータMの電流量を徐変させることができれば足り、その範囲で基本的に任意の電流量に設定することができる。
・上記実施の形態においては、モータ起動時や、定常運転から制動運転への運転モード切替時に徐変制御を施す徐変制御手段として、定常運転時の制御値と制動運転時の制御値との間にステップを設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの電流量を段階的に上昇させるものや、段階的に落としめるもの、を採用するようにした。しかし、これら徐変制御手段はこうしたものに限られることなく、例えばモータMの電流量を、定常運転時の制御値までリニアに徐変させて緩やかに上昇させるものや、定常運転時の制御値と制動運転時の制御値との間でリニアに徐変させて緩やかに上昇させるもの等も適宜採用可能である。さらに、この場合においても、リニアではなく非線形に徐変させるようにしてもよい。要は、モータ起動時あるいは定常運転から制動運転への運転モード切替時に、モータMの電流量をより緩やかに変化させ得るものであれば足りる。
・上記実施の形態においては、図2に示したように、相補式のパルス幅変調(PWM)制御を行い、モータMの回転量や回転方向等を制御するようにした。しかしこれに限られることなく、例えば図11に示すようなパルス幅変調(PWM)制御を行い、モータMの回転量や回転方向等を制御するようにしてもよい。すなわち、制動運転期間においては、トランジスタM2およびM4のゲート電圧を常に論理ローレベル(オフ状態)にしておき、トランジスタM1およびM3を同相の所定デューティ比で駆動するようにしてもよい。こうした駆動方法によっても、モータMに流れる電流や端子間電圧は上記トランジスタM1およびM3に関する駆動信号g1およびg3のデューティ比(「0%〜100%」)に応じて同様に可変とされ、前記(19)の効果に準じた効果は得られるようになる。
・さらに、パルス幅変調(PWM)制御を行うことさえも必須ではなく、例えば図12に示すように、制動運転期間においては、トランジスタM2およびM4のゲート電圧を常に論理ローレベル(オフ状態)にしておき、トランジスタM1およびM3のゲート電圧を連続的に(例えばリニアに)変化させるようにしてもよい。こうした駆動方法によっても、モータMに流れる電流や端子間電圧は、トランジスタM1およびM3に関する駆動信号g1およびg3の電圧値に応じて可変とされるようになる。
・上記実施の形態においては、モータMの端子間電圧によるモータ駆動信号波形から抽出されるサージ成分を所定のしきい値のもとに2値化してパルス信号を生成する回転パルス生成部3cを備える構成とした。しかし、これも必須の構成ではなく、適宜に割愛することも可能である。
・また、モータ駆動信号波形から抽出される回転信号はサージ成分に限られることなく、リップル成分としてもよい。
・さらに、回転信号の抽出対象となるモータ駆動信号波形も、モータの端子間電圧に限られることなく、モータに流れる電流とすることもできる。
・モータ起動時や、定常運転から制動運転への運転モード切替時における上記徐変制御の徐変度合は、突入電流の低減が図られ、回転信号の抽出が可能になれば、基本的にその範囲で任意である。
・また、徐変制御の対象も、モータの電流量に限られることなく、モータの端子間電圧に施すようにしても、同様の効果が得られるようになる。
・また、モータ起動時と、定常運転から制動運転への運転モード切替時との双方で徐変制御を施す必要もなく、いずれか一方のみで徐変制御を施すようにしても、それに対応した効果は得られるようになる。
・また上記実施の形態においては、モータMの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるに際し、定常運転時の回転速度と制動運転時の回転速度との間にステップを設け、ステップごとに変動度合を変えてモータMの回転速度を段階的に落としめる構成とした。そして、そのステップへの移行に際しモータMの回転速度を、同モータMの端子間電圧(もしくは電流量)の変更をもって減速する構成とした。しかし、こうした構成においては、別の方法にて回転速度を減速させることもできる。例えば上記ステップへの移行に際し、モータMの回転速度をモータMの回転軸への機械的な負荷の付与をもって減速する構成とすれば、前記(15)の効果に準じた効果は得られるようになる。
・また、こうした構成においても、定常運転時の回転速度と制動運転時の回転速度との間に設けられるステップの数は、基本的に任意である。
・さらに、こうしたステップとして設定される回転速度も基本的に任意である。要は、モータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるに際し、定常運転時の回転速度と制動運転時の回転速度との間に適宜のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えてモータの回転速度を段階的に落としめる構成でありさえすれば、前記(13)の効果と同様もしくはそれに準じた効果は得られるようになる。この際、モータ起動時や運転モード切替時に上記徐変制御が施されている必要はない。
この発明に係る直流モータの回転情報検出装置の一実施の形態について、その構成の概略を示すブロック図。 (a)〜(d)は、正逆転回路(Hブリッジ)に関する駆動信号(パルス幅変調信号)の一例を示すタイムチャート。 デューティ比の定義を示すタイムチャート。 起動から停止までにおいて、モータに流れる電流量の推移例を示すタイムチャート。 (a)および(a1)〜(a3)はモータ端子間電圧の変更タイミングと回転信号とを同期させない場合の、また図5(b)および(b1)〜(b3)は同期させた場合の各信号の推移例をそれぞれ示すタイムチャート。 起動から停止までにおいて、モータの回転速度の推移例を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は、低速運転区間を設けずにそのまま制動運転に切り替えた場合について制動運転切替前における各信号の推移例を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は、低速運転区間を設けずにそのまま制動運転に切り替えた場合について制動運転切替後における各信号の推移例を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は、低速運転区間を設けて同期間を経た後に制動運転に切り替えた場合について制動運転切替前における各信号の推移例を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は、低速運転区間を設けて同期間を経た後に制動運転に切り替えた場合について制動運転切替後における各信号の推移例を示すタイムチャート。 (a)〜(d)は、正逆転回路(Hブリッジ)に関する駆動信号(パルス幅変調信号)の別例を示すタイムチャート。 (a)〜(d)は、正逆転回路(Hブリッジ)に関する駆動信号(パルス幅変調信号)の他の別例を示すタイムチャート。 モータ駆動信号波形からその周期成分を抽出する従来の方法について、その一例を示す回路図。 (a)、(b)、および(c)は、図13に例示した回路によるモータ駆動信号波形からの周期成分の抽出態様を示すタイムチャート。 従来の直流モータの回転情報検出装置について、その正逆転回路(Hブリッジ)の一例を示す回路図。 (a)〜(d)は、同正逆転回路(Hブリッジ)に関する駆動信号(パルス幅変調信号)の一例を示すタイムチャート。 (a)および(b)は、図15に例示した回路によるモータ駆動信号波形からの周期成分の抽出態様を示すタイムチャート。
符号の説明
1…正逆転回路(Hブリッジ)、2…制御部、3…回転信号検出部、3a…モータ電圧検出部、3b…サージ抽出部、3c…回転パルス生成部、B…ブラシ、E1…モータ駆動電源、M…モータ、M1〜M4…電界効果トランジスタ(FET)。

Claims (32)

  1. 直流ブラシモータに流れる電流もしくは同モータの端子間電圧によるモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置であって、
    前記モータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるべく前記モータの電流量もしくは端子間電圧を定常運転時の制御値から制動運転時の制御値に落としめる運転モード切替に際しその電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  2. 前記徐変制御手段は、前記定常運転時の制御値と前記制動運転時の制御値との間に一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの電流量もしくは端子間電圧を段階的に落としめるものである
    請求項1に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  3. 前記設けられるステップの1つは、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る電流量もしくは端子間電圧として設定される
    請求項2に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  4. 前記徐変制御手段は、前記モータの電流量もしくは端子間電圧を、前記定常運転時の制御値と前記制動運転時の制御値との間でリニアに徐変させて緩やかに落としめるものである
    請求項1に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  5. 前記徐変制御手段による徐変制御の徐変度合は、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定される
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    少なくとも前記定常運転から制動運転への運転モード切替時に前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更タイミングと前記回転信号とを同期させる同期手段をさらに備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの制動に伴う惰性回転量を求める補正量取得手段と、該補正量取得手段により求められる惰性回転量に応じて前記モータの回転位置を可変とする回転位置補正手段とをさらに備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  8. 前記回転位置補正手段は、前記補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけ、前記モータの制動タイミングを早める
    請求項7に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  9. 前記徐変制御によるモータ駆動量が、前記モータの以前の動作から学習した学習値に基づき可変設定される
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップをさらに備え、前記徐変制御によるモータ駆動量がこのマップに基づき可変設定される
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  11. 直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置であって、
    前記モータを起動させるべく前記モータの電流量もしくは端子間電圧を定常運転時の制御値に上昇させるモータ起動制御に際しその電流量もしくは端子間電圧に対して徐変制御を施す徐変制御手段を備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  12. 前記徐変制御手段は、前記定常運転時の制御値よりも小さな制御値とする一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの電流量もしくは端子間電圧を段階的に上昇させるものである
    請求項11に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  13. 前記設けられるステップの1つは、前記モータ起動制御に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る電流量もしくは端子間電圧として設定される
    請求項12に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  14. 前記設けられるステップの1つは、前記モータの回転し始める電流量もしくは端子間電圧として設定される
    請求項13に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  15. 前記徐変制御手段は、前記モータの電流量もしくは端子間電圧を、前記定常運転時の制御値までリニアに徐変させて緩やかに上昇させるものである
    請求項11に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  16. 前記徐変制御手段による徐変制御の徐変度合は、前記モータ起動制御に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定される
    請求項11〜15のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  17. 直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置であって、
    前記モータの運転モードを定常運転から制動運転へ切り替えるに際し、前記定常運転時の回転速度と前記制動運転時の回転速度との間に一乃至複数のステップを設け、ステップごとに変動度合を変えて前記モータの回転速度を段階的に落としめる
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  18. 前記設けられるステップの1つは、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流と前記回転信号とを時間的に分離し得る回転速度として設定される
    請求項17に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  19. 前記ステップへの移行に際し、前記モータの回転速度が前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更をもって減速される
    請求項17または18に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  20. 前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更に際し、その変動度合は、前記定常運転から制動運転への運転モード切替に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなる程度に緩やかに設定される
    請求項19に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  21. 前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更に際し、前記モータの電流量もしくは端子間電圧の変更タイミングと前記回転信号とを同期させる
    請求項19または20に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  22. 前記ステップへの移行に際し、前記モータの回転速度が前記モータの回転軸への機械的な負荷の付与をもって減速される
    請求項17または18に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  23. 請求項17〜22のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの制動に伴う惰性回転量を求める補正量取得手段と、該補正量取得手段により求められる惰性回転量に応じて前記モータの回転位置を可変とする回転位置補正手段とをさらに備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  24. 前記回転位置補正手段は、前記補正量取得手段により求められる惰性回転量の分だけ、前記モータの制動タイミングを早める
    請求項23に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  25. 前記ステップごとのモータ駆動量が、前記モータの以前の動作から学習した学習値に基づき可変設定される
    請求項17〜24のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  26. 請求項17〜24のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの目標停止位置ごとにモータ駆動量が関連付けされたマップをさらに備え、前記ステップごとのモータ駆動量がこのマップに基づき可変設定される
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  27. 直流ブラシモータに流れる電流および同モータの端子間電圧の少なくとも一方のモータ駆動信号波形に重畳されるリップル成分およびサージ成分の少なくとも一方による回転信号に基づいて前記モータの回転情報を検出する直流モータの回転情報検出装置であって、
    前記モータを起動するに際し、前記モータの回転軸に機械的な負荷を付与してその回転を強制的に抑止した状態で前記モータに電流を供給しながら前記回転軸への機械的な負荷を減少させるかたちで前記モータを起動させる
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  28. 前記回転を抑止された状態でモータに供給される電流の電流量および供給時間は、前記モータの起動に伴う突入電流と前記回転信号とが時間的に分離されるように設定される
    請求項27に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  29. 前記回転の抑止された状態でモータに供給される電流の電流量および供給時間は、前記モータの起動に伴う突入電流のレベルが前記回転信号のレベルよりも小さくなるように設定される
    請求項27に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  30. 前記回転の抑止された状態でモータに供給される電流の電流量は、回転軸への機械的な負荷の無い状態にあっては前記モータが回転し得る電流量として設定される
    請求項27〜29のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの電流もしくは端子間電圧によるモータ駆動信号波形から抽出されるリップル成分もしくはサージ成分を所定のしきい値のもとに2値化してパルス信号を生成する回転パルス生成部をさらに備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
  32. 請求項1〜31のいずれか一項に記載の直流モータの回転情報検出装置において、
    前記モータの電流もしくは端子間電圧をパルス幅変調制御にて制御するパルス幅変調制御部をさらに備える
    ことを特徴とする直流モータの回転情報検出装置。
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