周知のように、ホール素子は、非接触での角度検出が可能であることから、いわゆるホールIC等に搭載されて例えば磁気センサとして車載内燃機関のスロットル弁開度センサ等の角度検出センサに用いられる。まず、図25を参照して、ホール素子の磁気検出原理について説明する。
物質中を流れる電流に対して垂直な磁界(磁気)が加わると、それら電流および磁界の双方に垂直な方向に電界(電圧)が生じる。この現象をホール効果と呼び、ここで発生する電圧をホール電圧と呼ぶ。
例えば、図25に示すようなホール素子(導体)100を考えた場合、同素子の磁気検出部(ホールプレート)の幅をW、長さをL、厚さをd、同素子と磁界とのなす角度をθ、印加される磁束密度をB、供給(駆動)電流(端子TI−TI’間に流れる電流)をIとすると、ホール電圧(端子TVH−TVH’間に生じる電圧)VHは、
VH=(RHIB/d)cosθ、RH=1/(qn)
のように表せる。ここで、RHはホール係数であり、またqは電荷、nはキャリア濃度である。
上記関係式からも分かるように、ホール素子と磁界とのなす角度θに応じてホール電圧VHが変化するため、これを利用することで角度の検出が可能となる。このように、ホール素子を用いることで上述の角度検出センサを実現することができる。
そして、一般的なホール素子としては、例えば非特許文献1に記載のようなホール素子、いわゆる横型ホール素子が知られている。この横型ホール素子は、基板表面(チップ面)に対して垂直な磁界成分を検出するものである。
以下、図26を参照して、このホール素子(横型ホール素子)についてさらに説明する。なお、図26(a)はこのホール素子の平面図、図26(b)は図26(a)のL1−L1線に沿った断面図である。
同図26(a)および(b)に示されるように、このホール素子は、大きくは、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)21の上に、例えばエピタキシャル成長にて形成されたN型のシリコンからなる半導体領域22を有して構成されている。ちなみに、上記半導体領域22は、N型の半導体基板(N−sub)や、イオン注入等による拡散層、すなわちウェル(Well)として形成することもできる。また一般に、シリコン等の半導体材料は、P型からなる半導体よりもN型からなる半導体のほうが大きなキャリア移動度をもっているため、この半導体領域22の材料としては、N型の半導体材料(例えばシリコン)が用いられることが多い。しかし、製造工程や構造上の条件等に応じてP型の半導体材料(P−層)が採用されることもある。また、この半導体領域22の不純物濃度が小さく(薄く)なるほど、同領域におけるキャリア移動度は大きくなるため、ホール素子としての感度を上げる、すなわち出力電圧として大きな電圧を得るためには、同半導体領域22の不純物濃度を小さく(薄く)することがより望ましい。一般に、同半導体領域22(N−層)は、「1.0×1014〜1.0×1017/cm3」の濃度に設定される。
そして、この半導体領域22には、当該ホール素子を他の素子と素子分離すべく、半導体層21に接続されるような例えばP型の拡散層(P型拡散分離壁)24が形成されている。また、同半導体領域22の表面には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域23a〜23dが形成され、これらコンタクト領域23a〜23dとそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになっている。さらに詳しくは、コンタクト領域23aおよび23bとコンタクト領域23cおよび23dとは、互いに直交するかたちで上記拡散層24に囲まれた領域(活性領域)22aの四隅に配置されている。これらコンタクト領域23a〜23dは、そこに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG、並びに端子V1およびV2と電気的に接続される。すなわち、上記コンタクト領域23aおよび23bは電流供給端に相当するものであり、また上記コンタクト領域23cおよび23dは電圧出力端に相当するものである。
ここで、例えば端子Sから端子Gへ一定の駆動電流を流すと、その電流は、上記コンタクト領域23aから半導体領域22内をコンタクト領域23bへと流れる。すなわちこの場合、基板表面の近傍に、同面(チップ面)に平行な成分を主に含む電流が流れることとなる。このとき、その電流に対し基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む磁界(例えば図26中に矢印Bで示される磁界)が印加されると、前述したホール効果により、端子V1と端子V2との間にその磁界に応じたホール電圧が発生する。したがって、それら端子V1およびV2を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図25に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に垂直な磁界成分が求められることとなる。なお、このホール素子においては、端子V1およびV2に駆動電流を流して端子SおよびGにてホール電圧を検出することもできる。そのため、こうした電極の入れ替えを利用して、例えば電極の入れ替えを周期的に行って、同素子に発生するオフセット電圧(不平衡電圧)を相殺するような駆動方式(チョッパ駆動)なども実用されている。
また、こうした横型ホール素子としては他にも、例えば図27に示すような横型ホール素子がある。すなわち、この横型ホール素子では、上記拡散層24に囲まれた領域(活性領域)22aが十字状に形成され、各先端部分に上記コンタクト領域23a〜23dが配設されている。このホール素子においても、その動作態様は、先の図26に示した横型ホール素子と同様である。
また近年、上記横型ホール素子に加え、例えば特許文献1に記載されているように、基板表面(チップ面)に平行な磁界成分を検出するホール素子、いわゆる縦型ホール素子も提案されている。この縦型ホール素子は、異なる位相(角度)を検出する2つの素子を1チップに集積化できるという特長をもつため、2つの縦型ホール素子を「90°」の角度をなすように配置することで、「0°〜360°」の角度範囲でリニアな出力(電圧信号)の得られる回転センサ等も実現可能になる。以下、図28を参照して、縦型ホール素子の一例について説明する。なお、同図28において、図28(a)はこのホール素子の平面図、図28(b)は図28(a)のL1−L1線に沿った断面図、図28(c)は図28(a)のL2−L2線に沿った断面図である。
同図28(a)〜(c)に示されるように、このホール素子は、大きくは、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)31と、この表面にN型の導電型不純物が導入されるかたちで形成された埋込層BLと、さらにこの上に例えばエピタキシャル成長にて形成されたN型のシリコンからなる半導体領域32とを有して構成されている。なお、上記埋込層BLは、いわば下部電極として機能するものであり、その不純物濃度は上記半導体領域32よりも高い濃度に設定される。
このホール素子においても、上記半導体領域32には、当該ホール素子を他の素子と素子分離すべく、半導体層31に接続されるような例えばP型の拡散層(P型拡散分離壁)34が形成されている。そして、半導体領域32の表面にあってこの拡散層34にて囲まれた領域(活性領域)には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+層)33a〜33eが形成され、これらコンタクト領域33a〜33eとそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになっている。そして、これらコンタクト領域33a〜33eは、そこに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2と電気的に接続されている。すなわち、このホール素子においては、上記コンタクト領域33a〜33cが電流供給端に相当し、また上記コンタクト領域33dおよび33eが電圧出力端に相当する。
また、拡散層34にて囲まれる領域(活性領域)は、図28(a)に示されるように、各拡散層によるpn接合分離を通じて、P型の拡散層(P型拡散分離壁)34aおよび34bを互いに隔てた領域32a〜32cに分割されている。ここで、上記拡散層34aおよび34bは、上記埋込層BLに接続される態様で形成されており、上記領域32a〜32cにおいては、図28(c)に示されるように、基板内部においても電気的に区画された領域が形成されている。また、これら各領域に関しては、領域32aに上記コンタクト領域33bが、領域32bに上記コンタクト領域33cが、領域(素子領域)32cに上記コンタクト領域33aおよび33dおよび33eがそれぞれ形成されている。さらに詳しくは、上記コンタクト領域33aが、コンタクト領域33bおよび33cとこれら領域に直交するコンタクト領域33dおよび33eとの双方に挟まれるかたちで配置されている。すなわち、このコンタクト領域33aが、上記拡散層34aおよび34bを隔ててコンタクト領域33bおよび33cにそれぞれ対向するような配置となっている。
このホール素子においては、上記領域32cの基板内部に電気的に区画される領域にあって上記コンタクト領域33dおよび33eにて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。すなわち、このホール素子では、ここに印加される磁界に応じたホール電圧信号が発生することになる。
ここで例えば、上記端子Sから端子G1へ、また端子Sから端子G2へそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、基板表面に形成されたコンタクト領域33aから上記磁気検出部HP、埋込層BLを通じて、コンタクト領域33bおよび33cへとそれぞれ流れる。すなわちこの場合、上記磁気検出部HPには、基板表面(チップ面)に垂直な成分を主に含む電流が流れることになる。このため、その駆動電流を流した状態において、基板表面(チップ面)に平行な成分を含む磁界(例えば図28中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに印加されたとすると、上述のホール効果によって、上記端子V1と端子V2との間にその磁界に応じたホール電圧が発生する。したがって、それら端子V1およびV2を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図25に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に平行な磁界成分が求められることとなる。ちなみに、このホール素子では、図25中に示す寸法dが磁気検出部(ホールプレート)の厚さ(上記関係式中の「d」)に相当する。また、このホール素子において駆動電流を流す方向は任意であり、上記駆動電流の方向を反対にして磁界(磁気)の検出を行うこともできる。
また、こうした縦型ホール素子としては他にも、例えば非特許文献2に記載された縦型ホール素子がある。
特開平1−251763号公報
前中一介、外3名,「集積化三次元磁気センサ」,電気学会論文誌 C,平成元年,第109巻,第7号,p483−490
R.S.Popovic,"The Vertical Hall−Effect Device",IEEE ELECTRON DEVICE LETTER,SEPTEMBER 1984,EDL−5,NO9,P357−358
(第1の実施の形態)
以下、この発明に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法についてその第1の実施の形態を示す。
まず、図1を参照して、この実施の形態に係る縦型ホール素子の概略構造について説明する。なお、この図1において、図1(a)はこのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、図1(b)は図1(a)のL1−L1線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)のL2−L2線に沿った断面図である。
同図1(a)〜(c)に示されるように、このホール素子は、大きくは、例えばP型のシリコンからなる半導体層(P−sub)11と、この表面に例えばN型の導電型不純物が導入されて拡散層(ウェル)として形成されたN型の半導体領域(Nウェル)12とを有して構成されている。なお、前述したように、シリコン等の半導体材料はP型からなる半導体よりもN型からなる半導体のほうが大きなキャリア移動度をもっているため、この半導体領域12の材料としては、N型の半導体材料(例えばシリコン)を用いることが望ましい。しかし、製造工程や構造上の条件等に応じてP型の半導体材料(P−層)を採用することもできる。また、この半導体領域12の不純物濃度が小さく(薄く)なるほど、同領域におけるキャリア移動度は大きくなるため、ホール素子としての感度を上げる、すなわち出力電圧として大きな電圧を得るためには、同半導体領域12の不純物濃度を小さく(薄く)することがより望ましい。
このホール素子においても、上記半導体層11には、例えばP型からなる拡散層(P型拡散分離壁)18が、当該ホール素子を他の素子と素子分離するように形成されている。そして、上記半導体領域12の表面にあってこの拡散層18にて囲まれた領域(活性領域)には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+層)13a〜17aおよび13b〜17bおよび13c〜17cが形成されている。こうして、これら各コンタクト領域とそこに配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになっている。また、これらコンタクト領域は、そこに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子S1〜S3およびG11〜G13およびG21〜G23およびV11〜V13およびV21〜V23と電気的に接続されている。すなわち、このホール素子においては、上記コンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cおよび16a〜16cが電流供給端に相当し、また上記コンタクト領域15a〜15cおよび17a〜17cが電圧出力端に相当する。
またここで、上記コンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bおよび13c〜17cは、それぞれ同一のパターン(十字状のパターン)をもって形成されている。さらに詳しくは、この十字状のパターンは、電圧出力端および電流供給端の双方が他方を基準にして対称配置されるパターンとなっている。すなわち、コンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cおよび16a〜16cがコンタクト領域15a〜15cおよび17a〜17cからなる対称軸を基準にして線対称に配置されて且つこの逆も成り立つようなパターンとなっている。そして、これら3つの同一パターンは、1つの基準パターン(コンタクト領域13b〜17bによるパターン)と、これを基準(対称軸)にして互いに対称(線対称)な関係をもつパターン対、すなわちコンタクト領域13a〜17aによるパターンとコンタクト領域13c〜17cによるパターンとによって構成されている。
また、上記拡散層18にて囲まれる領域(活性領域)は、図1(a)に示されるように、各拡散層によるpn接合分離を通じて、P型の拡散層(P型拡散分離壁)19aおよび19bを互いに隔てた領域12a〜12cに分割されている。そして、図1(c)に示されるように、これら領域12a〜12cにおいては、基板内部においても電気的に区画された領域が形成されている。また、これら各領域に関しては、領域12aに上記コンタクト領域13a〜13cが、領域12bに上記コンタクト領域14a〜14cが、領域(素子領域)12cに上記コンタクト領域15a〜15cおよび16a〜16cおよび17a〜17cがそれぞれ形成されている。さらに詳しくは、上記コンタクト領域16a〜16cが、コンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cとこれら領域に直交するコンタクト領域15a〜15cおよび17a〜17cとの双方に挟まれるかたちで配置されている。すなわち、このコンタクト領域16a〜16cが、上記拡散層19aおよび19bを隔ててコンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cにそれぞれ対向するような配置となっている。
このホール素子においては、上記領域12cの基板内部に電気的に区画される領域にあって上記コンタクト領域15a〜15cおよび17a〜17c(より正確には、これら領域のうち、実際に電圧出力端として使用されるコンタクト領域)にて挟まれる領域が、いわゆる磁気検出部(ホールプレート)HPとなる。すなわち、このホール素子では、ここに印加される磁界に応じたホール電圧信号が発生することになる。
次に、この縦型ホール素子の動作態様について説明する。
例えば、上記端子S2から端子G12へ、また端子S2から端子G22へそれぞれ一定の駆動電流を流すと、その電流は、基板表面に形成されたコンタクト領域16bから上記磁気検出部HP、そして拡散層19aおよび19bの下方を通じて、コンタクト領域13bおよび14bへとそれぞれ流れる。すなわちこの場合、上記磁気検出部HPには、基板表面(チップ面)に垂直な成分を含む電流が流れることになる。このため、この駆動電流を流した状態において、基板表面(チップ面)に平行な成分を含む磁界(例えば図1中に矢印Bで示される磁界)が当該ホール素子の磁気検出部HPに印加されたとすると、前述したホール効果によって、例えば上記端子V12と端子V22との間にその磁界に応じたホール電圧が発生する。したがって、それら端子V12およびV22を通じてその発生したホール電圧信号を検出することで、図25に示した先の関係式「VH=(RHIB/d)cosθ」に基づき検出対象とする磁界成分が、すなわち当該ホール素子に用いられる基板の表面(チップ面)に平行な磁界成分が求められることとなる。なお、このホール素子において駆動電流を流す方向は任意であり、上記駆動電流の向きを反対にして磁界(磁気)の検出を行うこともできる。また、ここではコンタクト領域13b〜17bによるパターンを用いての磁界検出について言及したが、別のパターンやこれらパターンの組み合わせを用いて(選択して)磁界の検出を行うこともできる。
続いて、図2(a)および(b)を併せ参照しつつ、上記縦型ホール素子に関するオフセット電圧の調整(補正)態様について説明する。なお、図2(a)および(b)は、それぞれアライメントずれが無い場合およびアライメントずれが有る場合のオフセット電圧特性を示すグラフである。これらグラフにおいて、縦軸はオフセット電圧(offset電圧)を、また横軸は、上記各パターン(電圧出力端および電流供給端)についての基準位置(中心位置)からのずれ量を、すなわち基準軸P11〜P13からのずれ量を示している。さらにここでは、オフセット電圧の温度特性を簡単に例示すべく、室温時の特性および高温時の特性を、それぞれリニアな(直線的な)データ線LN1およびLN2にて示している。ここで、これらデータ線LN1およびLN2におけるデータPT1〜PT3は、上記コンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bおよび13c〜17cによる各パターンの特性を示すものである。まず、これら各図を参照して、この縦型ホール素子のオフセット電圧特性について詳述する。
同図2(a)および(b)に示されるように、アライメントずれが無い場合とアライメントずれが有る場合とではオフセット電圧特性が異なる。そしてここでは、基準軸P11〜P13をコンタクト領域13b〜17bの本来の位置としているため、アライメントずれが無い場合は、これらの領域が基準軸P11〜P13上に配設されることになる。すなわちこの場合、図2(a)に示されるように、これら領域によるパターンのデータPT2は、基準位置(中心位置)からのずれ量「0」、オフセット電圧「0」に位置する。また、上記コンタクト領域13a〜17aおよび13c〜17cによる2つのパターンがコンタクト領域13b〜17bを基準(対称軸)にして対称(線対称)に設けられていることにより、このコンタクト領域13b〜17bによるパターンのデータPT2は、他のパターンのデータPT1およびPT3の中点位置に位置することにもなる。そして、データPT1〜PT3のこうした位置関係は、温度変化やアライメントずれが生じた場合も維持されるようになっている。
次に、こうしたオフセット電圧特性を利用して行われるオフセット電圧調整(補正)についてその一態様を示す。
この実施の形態に係る縦型ホール素子において、上記3つのパターンは、同一のマスクを用いて同時に形成することにより、アライメントずれを生じさせることなく容易に正確なパターンとして得られ、各パターンの位置関係は、レイアウト(設計工程)の段階で自由に設定することができる。すなわち、各パターンの位置関係は、レイアウトの段階で把握することができる。このため、各パターンの位置関係から、温度変化(環境温度)に応じて変動するオフセット電圧の補正値を容易且つ的確に求めることができ、その補正値に基づきオフセット電圧を適切に補正除去することができるようになる。
具体的には、アライメントずれが生じると、図2(b)に示されるように、上記データPT2に、幾らかのアライメントずれ量(中心位置からのずれ量)、並びにオフセット電圧が現れる。このとき、アライメントずれ量に対するオフセット電圧の発生量は、同図2(b)中のデータ線LN1およびLN2にて示されるように、温度(環境温度)によって異なるものとなる。このため、データPT2のオフセット電圧の値が分かったとしても、そのときの温度が分からない限りは、データPT2のアライメントずれ量を、すなわちオフセット電圧の補正値を特定することができない。これを特定するために従来、温度検出デバイス等を必要としていたことは前述したとおりである。この点、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、例えばレイアウトの段階で記録しておくなどして、各パターンの位置関係や、データPT1〜PT3の位置関係を予め把握しておき、各パターンについてのオフセット電圧を測定し、この測定したオフセット電圧と先に把握しておいた各位置関係とから、これらパターンによるデータ線を作成する。具体的には、室温時にはこのデータ線として例えばデータ線LN1が得られ、高温時にはこのデータ線として例えばデータ線LN2が得られる。そして、図2(b)のグラフから明らかなように、このデータ線を作成することにより、データPT2のアライメントずれ量が、すなわちオフセット電圧の補正値が、温度(環境温度)によることなく、容易に且つ的確に求められることになる。さらには、その補正値に基づいて、このホール素子のオフセット電圧を適切に補正除去することができるようにもなる。なお、ここで作成したデータ線において、データPT2がデータPT1およびPT3の中点位置に位置することは前述したとおりである。また、オフセット電圧の調整は、通常、ウェハ工程の完了時やパッケージング後に、例えばトリミング等を通じて行われる。
このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によれば、環境温度に応じて変動するオフセット電圧の補正値を的確にとらえてオフセット電圧の好適な補正が可能となる。また、温度検出デバイス等を必要としないため、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっても、その回路規模の縮小化が図られるようになる。さらに、オフセット電圧の調整(補正)方法として上記方法を採用すれば、オフセット電圧の補正範囲を任意に設定することが可能となるため、オフセット電圧が大きく振れるような場合であれ、これを容易に補正することができるようになる。すなわち、この方法は、ホール素子の製造工程によることなく、より多くのホール素子に対して幅広く適用することができる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法によれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)半導体基板の表面(半導体領域12)に、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端、および対をなして磁気検出部HPに電流を供給する電流供給端を、同一のパターンで3つのパターンをもつ態様で形成した。これにより、温度検出デバイス等を必要とすることなく、各パターンの位置関係から、温度変化(環境温度)に応じて変動するオフセット電圧の補正値を容易且つ的確に求めることができ、その補正値に基づきオフセット電圧を適切に補正除去することができるようになる。また、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっては、その回路規模の縮小化を図ることができるようになる。
(2)また、ホール素子の歩留り向上や低コスト化にもつながり、ひいては省エネルギー化が図られることにもなる。
(3)上記電圧出力端および電流供給端によるパターンとして、これら端部の双方が他方を基準にして対称配置される十字状のパターン(図1参照)を採用したことで、これら各端部(コンタクト領域)を規則正しく配置することができるようになり、ひいてはホール素子としての構造の簡素化が図られることになる。
(4)さらに、これら端部による3つの同一パターンとして、1つの基準パターンとこれを基準(対称軸)にして互いに対称(線対称)な関係をもつパターン対とによって構成されるパターンを採用したことで、例えば図2(b)に示したようなグラフから容易に補正値を求めることができるようになる。
(5)上記電圧出力端および電流供給端を、いずれも基板表面において導電型不純物の濃度が選択的に高められたコンタクト領域(N+層)13a〜17aおよび13b〜17bおよび13c〜17cとして設けるようにした。これにより、電流を供給する、もしくは取り出すために、あるいはホール電圧信号を検出するためにそれら各領域に配設される電極(配線)との間に良好なオーミックコンタクトが形成されるようになり、ひいてはより優れた電気特性が得られるようになる。
(6)また、縦型ホール素子のオフセット電圧を調整するにあたって、上記電圧出力端および電流供給端による3つのパターンの位置とオフセット電圧との関係(図2(a)や図2(b)のグラフ)からオフセット電圧の調整に用いる補正値(アライメントずれ量)を求めることとした。これにより、温度検出デバイス等を必要とすることなく、各パターンの位置関係から、温度変化(環境温度)に応じて変動するオフセット電圧の補正値を容易且つ的確に求めることができ、その補正値に基づきオフセット電圧を適切に補正除去することができるようになる。
(第2の実施の形態)
図3に、この発明に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法の第2の実施の形態を示す。
以下、図3および図4を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子について説明する。なお、図3の平面図は先の図1(a)の平面図に、図4(a)および(b)のグラフは先の図2(a)および(b)のグラフにそれぞれ対応するものであり、またこの図3において、図1(a)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示し、それら要素についての重複する説明は割愛する。
同図3に示されるように、この縦型ホール素子も、基本的には、図1に例示した先の第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様も前述したとおりである。ただし、この実施の形態では、上記電圧出力端および電流供給端によるパターンの数を減らし、これら端部によるパターンとして2つの同一パターンを、半導体基板の表面(半導体領域12)に形成するようにしている。すなわち、この縦型ホール素子においては、コンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bが、それぞれ同一のパターンをもって形成されている。またここでも、これら2つの同一パターンは、コンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bにより、互いに対称な関係をもつパターン対を構成し、両パターンとも十字状のパターンからなる。ただし、ここではパターンの数が1つ減っているため、これらコンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bは他のパターン(コンタクト領域)ではなく仮想線である基準軸P11〜P13について線対称となるような位置を本来の位置として形成される。すなわち、アライメントずれが無い場合、図4(a)に示されるように、これらパターンのデータPT1およびPT2の中点は、基準位置(中心位置)からのずれ量「0」、オフセット電圧「0」に位置する。そしてここでも、これらデータPT1およびPT2のこうした位置関係は、温度変化やアライメントずれが生じた場合も維持されるようになっている。
この実施の形態においても、アライメントずれが生じると、図4(b)に示されるように、上記データPT1およびPT2の中点に、幾らかのアライメントずれ量(中心位置からのずれ量)、並びにオフセット電圧が現れる。このため、先の第1の実施の形態と同様、各パターンについてのオフセット電圧を測定し、この測定したオフセット電圧と予め把握しておいた各パターンの位置関係とからそれらパターンによるデータ線を作成することにより、温度(環境温度)によることなく、オフセット電圧の補正値が容易に且つ的確に求められることになる。さらには、その補正値により、このホール素子のオフセット電圧を適切に補正除去することができるようにもなる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によっても、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(6)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。また、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、先の第1の実施の形態よりもパターン数を減らしているため、データの数が少なくなって検出精度が幾らか犠牲になるものの、それらデータに関する信号処理が容易になることによって、補正回路等の回路規模のさらなる縮小化が図られるようになる。
(第3の実施の形態)
図5に、この発明に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法の第3の実施の形態を示す。
以下、図5および図6を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なおここでも、図5の平面図は先の図1(a)の平面図に、図6(a)および(b)のグラフは先の図2(a)および(b)のグラフにそれぞれ対応するものであり、またこの図5において、図1(a)に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示し、それら要素についての重複する説明は割愛する。
同図5に示されるように、この縦型ホール素子も、基本的には、図1に例示した先の第1の実施の形態の縦型ホール素子と略同様の構造を有しており、その動作態様も前述したとおりである。ただし、この実施の形態では、上記電圧出力端および電流供給端によるパターンの数を増加し、これら端部によるパターンとして5つの同一パターンを、半導体基板の表面(半導体領域12)に形成するようにしている。すなわち、この縦型ホール素子においては、コンタクト領域13a〜17aおよび13b〜17bおよび13c〜17cおよび13d〜17dおよび13e〜17eが、いずれも同一のパターンをもって、すなわち十字状のパターンをもって形成されている。またここでも、これら5つの同一パターンは、1つの基準パターンと、これを基準(対称軸)にして互いに対称(線対称)な関係をもつ2つのパターン対、すなわちコンタクト領域13a〜17aおよび13e〜17eによるパターン対、並びにコンタクト領域13b〜17bおよび13d〜17dによるパターン対とによって構成されている。なお、ここでの基準パターンはコンタクト領域13c〜17cによるパターンであり、アライメントずれが無い場合は、これらの領域が基準軸P11〜P13上に配設されることになる。すなわちこの場合、図6(a)に示されるように、これらの領域によるパターンのデータPT3は、基準位置(中心位置)からのずれ量「0」、オフセット電圧「0」に位置する。また、この基準パターンのデータPT3は、上記2つのパターン対のデータ、すなわちデータPT1およびPT5、並びにデータPT2およびPT4の中点位置に位置することにもなる。そしてここでも、データPT1〜PT5のこうした位置関係は、温度変化やアライメントずれが生じた場合も維持されるようになっている。
この実施の形態においても、アライメントずれが生じると、図6(b)に示されるように、上記データPT3に、幾らかのアライメントずれ量(中心位置からのずれ量)、並びにオフセット電圧が現れる。このため、先の第1の実施の形態と同様、各パターンについてのオフセット電圧を測定し、この測定したオフセット電圧と予め把握しておいた各パターンの位置関係とからそれらパターンによるデータ線を作成することにより、温度(環境温度)によることなく、オフセット電圧の補正値が容易に且つ的確に求められる。さらには、その補正値により、このホール素子のオフセット電圧を適切に補正除去することができるようにもなる。しかも、この実施の形態では、パターン数を増加して、より多くのデータに基づき補正値を求めるようにしているため、より高い精度をもってオフセット電圧の調整(補正)を行うことができるようになる。
また、図7に示すように、先の第2の実施の形態に係る縦型ホール素子のパターン数を増加して、半導体基板の表面(半導体領域12)に同一のパターンで4つのパターンの電圧出力端および電流供給端を形成した場合も、上記と同様、より高い精度をもってオフセット電圧の調整を行うことができるようになる。図8(a)および(b)に、この縦型ホール素子のオフセット電圧特性をグラフとして示す。なお、これら図8(a)および(b)も、先の図2(a)および(b)にそれぞれ対応するものである。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子によっても、先の第1の実施の形態による前記(1)〜(6)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果が得られるようになる。また、この実施の形態に係る縦型ホール素子では、先の第1もしくは第2の実施の形態よりもパターン数を増加しているため、それらパターンによるデータの数が増加し、より高い精度をもってオフセット電圧の調整を行うことができるようになる。
なお、上記第1〜第3の実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・上記第1〜第3の実施の形態では、電圧出力端の配設方向に沿ったアライメントずれを想定して各パターンを同方向にずらすかたちで形成したが、これに限られることなく、例えば図9に示すように、各パターンを電流供給端の配設方向(図の横方向)にずらすかたちで形成するようにしてもよい。なお、図9には、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示しているが、第2および第3の実施の形態に係る縦型ホール素子も同様に変形させることができる。また、図9中の基準軸P21〜P23は、図1中の基準軸P11〜P13に対応するものである。
・さらに、電圧出力端の配設方向と電流供給端の配設方向との双方へのアライメントずれに対応すべく、例えば図10に示すように、各パターンを縦列および横列に格子状に配列させるようにしてもよい。なお、図10には、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子の変形例を示したが、第2および第3の実施の形態に係る縦型ホール素子も同様に変形させることができる。また、図10中のコンタクト領域13〜17は、それぞれ図1中のコンタクト領域13a〜13c、14a〜14c、15a〜15c、16a〜16c、17a〜17cに対応するものである。
・上記第1〜第3の実施の形態に関しては、少なくとも一部を一時的もしくは永続的に断線可能にした配線材が各コンタクト領域に配設された構造とすることで、それらコンタクト領域に各々配設される各配線材の断線処理を通じて、より容易に且つより適切にオフセット電圧の調整(補正)を行うことができるようになる。さらに、複数の同一パターンのうち、所望とするパターンを自由に選択することも可能となるため、前述のアライメントずれ等が生じた場合であれ、それらパターンのいずれかを選択して、オフセット電圧(不平衡電圧)の最も低減されるパターンを用いたより正確な磁気検出を実現することができるようになる。なお、上記少なくとも一部を一時的もしくは永続的に断線可能にした配線材としては、
(イ)過電流により自断線する例えば多結晶シリコン(poly−Si)やAl(アルミニウム)等からなるヒューズを備える配線材。
(ロ)レーザ等によるトリミング断線を可能とする例えばCrSiやAl(アルミニウム)等からなる薄膜抵抗を備える配線材。
(ハ)外部からの信号に応じてスイッチング動作するスイッチング素子を備える配線材。
等々の配線材を採用することができる。ちなみに、上記スイッチング素子を用いる場合は、例えば適宜のデコーダを介して調整用のデータが予め記憶されたメモリ(例えばEPROMや、EEPROM、フラッシュメモリ、ROM)等に当該スイッチング素子を接続した構成など、ホール素子の用途等に応じて適宜の構成とすることが望ましい。
・上記第1〜第3の実施の形態においては、駆動時の電流経路を2つもつ縦型ホール素子を想定したが、これに限られることなく、例えば駆動時の電流経路を1つしかもたない縦型ホール素子に対してもこの発明は同様に適用することができる。例えば図11に示すように、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子について、領域12a、すなわち端子G11〜G13側のコンタクト領域13a〜13c等を割愛した構造としても、上記効果と同様の効果もしくはそれに準ずる効果は得られることになる。しかもこうした構造にすれば、先の図1に示した縦型ホール素子と比較して約「1/3」の面積が縮小されることになり、大幅な小型化が図られるようになる。なお、こうしたホール素子の動作態様も、基本的には、図1に例示した先の縦型ホール素子と同様である。
・また、上記電圧出力端の数も1対に限られることなく任意である。例えば図12に示すように、第1の実施の形態に係る縦型ホール素子において、電流供給端に相当するコンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cに対しても、電圧出力端に相当するコンタクト領域1a〜1cおよび2a〜2c、コンタクト領域3a〜3cおよび4a〜4cを各々設けるようにした構造としてもよい。こうした構造では、それら各コンタクト領域に設けられた端子V1a〜V1cおよびV2a〜V2c、並びに端子V3a〜V3cおよびV4a〜V4cの出力電圧(Vout)の特性が、領域12cに配設された端子V11〜V13およびV21〜V23の出力電圧(Vout)の特性とは逆の特性(極性が逆)になる。このため、補正値を求めるためのデータ数が増加し、より高い精度をもってオフセット電圧の調整を行うことができるようになる。
・またここでは、上記電圧出力端および電流供給端によるパターンとして、これら端部の少なくとも一方が他方を基準にして対称配置されるパターンをいくつか例示した。しかし、このパターン(パターンレイアウト)はこれに限られることなく、任意のパターンを採用することができる。すなわち、例えば図13に示すように、電流供給端に相当するコンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cおよび16a〜16cと、電圧出力端に相当するコンタクト領域15a〜15cおよび17a〜17cとが一列に配列されたパターン等も適宜に採用することができる。なお、図13(a)はこのホール素子の平面構造を模式的に示す平面図、図13(b)は図13(a)のL1−L1線に沿った断面図である。また、この縦型ホール素子の動作原理は、基本的に、上記非特許文献2に記載された縦型ホール素子と同様である。
・さらに、こうしたパターンの数も基本的に任意である。要は、半導体基板の表面に、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端と、磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端とが、少なくとも2つの同一パターンをもって形成された構造であれば、少なくとも前記(1)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
・一方、オフセット電圧の調整方法としても、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端と磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端との両端部による少なくとも2つの同一パターンを表面に有する基板を用意し、これらパターンの位置とオフセット電圧との関係からオフセット電圧の補正値を求めるものであれば足りる。こうした方法であれば、少なくとも前記(6)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
(第4の実施の形態)
以下、図14および図15を併せ参照しつつ、この発明に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法の第4の実施の形態について説明する。
まず、図14を参照して、チョッパ駆動によりオフセット電圧がキャンセルされる原理について説明する。なおここでは、説明の便宜を図るため、先の図26に示した横型ホール素子を例にとり、このホール素子にチョッパ駆動を採用した場合について説明する。
同図14に示すように、このホール素子を駆動するに際し、例えば駆動電流Ihを端子Sから端子Gへ流すと、その電流は図中に矢印i1で示すような方向へ流れることになる。そしてこの場合、駆動電流Ihに対するホール電圧信号Vh12は端子V1およびV2を通じて検出されることになる。さらに詳しくは、これら端子V1およびV2間の電位差(電圧)V12は「V12=Vh12+Vos12」(Vos12:オフセット電圧)のように表される。一方、これら2組の端子(電極)を入れ替えて、すなわち例えば図中のスイッチSW1〜SW4をそれぞれ切り換えて駆動電流Ihを端子V1から端子V2へ流すようにすると、その電流は図中に破線矢印i2で示すような方向へ流れることになる。そしてこの場合、駆動電流Ihに対するホール電圧信号VhSGは端子SおよびGを通じて検出されることになる。さらに詳しくは、これら端子SおよびG間の電位差(電圧)VSGは「VSG=VhSG+VosSG」(VosSG:オフセット電圧)のように表される。
ここで、上記2つの場合におけるオフセット電圧Vos12およびVosSGは、上記2組の端子(電極)の配置対称性から、「Vos12≒−VosSG」という関係にある。すなわち、これら2つの場合において検出される電圧信号V12およびVSGの和をとることで、これら電圧信号に含まれるオフセット電圧が互いにキャンセル(相殺)されることになる。具体的には、例えば上記2組の端子(電極)を周期的に入れ替えつつホール電圧信号を検出することとし、磁気センサとしての出力(センサ出力)を例えば「V12+VSG/2」のような演算の結果として得ることにより、オフセット電圧はキャンセルされる。このように、こうした駆動方式(チョッパ駆動)を採用することで、オフセット電圧の低減されたセンサ出力が得られるようになり、ひいては磁気センサとしてより高い精度をもって磁気検出を行うことが可能になる。
この実施の形態に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法によれば、従来は縦型ホール素子で実現することが難しかった上記チョッパ駆動が、縦型ホール素子においても実現可能となり、より高い精度をもって磁気検出を行うことが可能になる。
すなわちこの方法においては、まず、例えば図15に示す縦型ホール素子のように、磁気検出部HPへ電流を供給する部分として対をなす電流供給端により表面に複数の対が形成された基板を用意する。例えばこの縦型ホール素子では、コンタクト領域16、並びにこれと対をなすコンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cが基板表面に形成されており、これら2種のコンタクト領域の任意の組合せにより複数の対が基板表面に形成されている。なお、図15は先の図1(a)に対応する平面図であり、この図15においては、図1(a)に示した要素と同一の要素に各々同一の符号を付して示している。
そして、この用意した縦型ホール素子(半導体基板)をチョッパ駆動によって駆動する。すなわち、例えば端子S(コンタクト領域16)から端子G11(コンタクト領域13a)へ、また端子Sから端子G21(コンタクト領域14a)へとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1(コンタクト領域15)およびV2(コンタクト領域17)を通じてホール電圧信号を検出する。また電流供給用の端子(電極)を替えて、例えば端子Sから端子G13(コンタクト領域13c)へ、また端子Sから端子G23(コンタクト領域14c)へとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する。そうしてこの電流供給用端子の変更を周期的に行うことにより、すなわち周期的に駆動電流の方向を変更することにより、各端子の組により検出される電圧信号の和をもってオフセット電圧をキャンセルしつつ当該ホール素子を駆動するようにする。このように、この実施の形態に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法によれば、従来は縦型ホール素子で実現することが難しかったチョッパ駆動、すなわち駆動電流の方向を周期的に変更することによってオフセット電圧をキャンセル(相殺)しつつ当該ホール素子を駆動する駆動方式が実現可能になる。
またここでは、コンタクト領域16および13aによる対とコンタクト領域16および13cによる対、またコンタクト領域16および14aによる対とコンタクト領域16および14cによる対が、それぞれ電圧出力端(コンタクト領域15および17)からみて対称に配置されている。このため、先の近似式「Vos12≒−VosSG」がより高い精度をもって成立し、オフセット電圧のキャンセルがより効率的に行われるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(2)および(5)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(7)縦型ホール素子としての半導体基板の表面(半導体領域12)に、磁気検出部HPへ電流を供給する部分として対をなす電流供給端により複数の対が形成された構造とした。これにより、従来は縦型ホール素子で実現することが難しかったチョッパ駆動が実現可能になる。
(8)また、上記電流供給端による複数の対を、上記電圧出力端を基準にして対称配置されるパターンをもって形成されるものとしたことで、オフセット電圧のキャンセルが効率よく行われるようになる。
(9)さらに、こうした縦型ホール素子を駆動する際には、半導体基板として、上記電流供給端により表面に複数の対が形成される基板を使用し、これら複数の対による磁気検出部HPへの電流方向の周期的な変更をもって、オフセット電圧をキャンセルしつつ当該ホール素子を駆動するようにした。こうした駆動方法を採用することで、オフセット電圧が好適に低減されるようになり、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっては、その回路規模の縮小化を図ることができるようになる。
なお、上記縦型ホール素子の駆動方法はあくまで一例であってこれに限定されることはない。
すなわち、例えば端子Sから端子G13へ、また端子Sから端子G21へとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する。また電流供給用の端子(電極)を替えて、端子Sから端子G11へ、また端子Sから端子G23へとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する。そうして、こうした電流供給用端子の変更を周期的に行ってオフセット電圧をキャンセルしつつ当該ホール素子を駆動するような駆動方式であっても、これを適宜に採用することができる。
さらには、上記第4の実施の形態の駆動方式やこの変形例の駆動方式に対して、端子Sから端子G12(コンタクト領域13b)へ、また端子Sから端子G22(コンタクト領域14b)へとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する期間を追加した駆動方式なども採用することができる。すなわちこの場合は、3つの電流方向を周期的に切り換えつつ、各端子の組により検出される3つの電圧信号の和をとってオフセット電圧をキャンセルしながら当該ホール素子を駆動することになる。
また、これら駆動方式において駆動電流の向きを反対にした駆動方式なども採用可能である。すなわち、例えば上記第4の実施の形態の駆動方式の駆動電流の向きを反対にして、端子G11から端子Sへ、また端子G21から端子Sへとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する。また電流供給用の端子(電極)を替えた場合には、端子G13から端子Sへ、また端子G23から端子Sへとそれぞれ一定の駆動電流を流し、端子V1およびV2を通じてホール電圧信号を検出する。そうしてこの電流供給用端子の変更を周期的に行うことにより、オフセット電圧をキャンセルしつつ当該ホール素子を駆動する駆動方式なども採用することができる。
また、こうした駆動方法に用いる縦型ホール素子(半導体基板)も、図15に例示したものに限定されない。例えば第1〜第3の実施の形態もしくはその変形例に係る縦型ホール素子(半導体基板)に対しても、上記駆動方法は適用可能である。要は、電流供給端により表面に複数の対が形成された縦型ホール素子(半導体基板)であれば、こうした駆動方法を適用することができる。ちなみに、第1の実施の形態の縦型ホール素子では、コンタクト領域16a〜16c、並びにこれと対をなすコンタクト領域13a〜13cおよび14a〜14cが基板表面に形成されており、これら2種のコンタクト領域の任意の組合せにより複数の対が基板表面に形成されている。
結局のところ、半導体基板の表面に、磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端により複数の対が形成された構造であれば、少なくとも前記(7)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
一方、オフセット電圧の調整方法としても、半導体基板として、磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端により表面に複数の対が形成された基板を使用し、これら複数の対による磁気検出部への電流方向の周期的な変更をもってオフセット電圧をキャンセルしつつ当該ホール素子を駆動するものであれば足りる。こうした方法であれば、少なくとも前記(9)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
(第5の実施の形態)
図16に、この発明に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法の第5の実施の形態を示す。
以下、同図16を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に、この実施の形態に係る縦型ホール素子の構造について説明する。なお、図16(a)〜(c)は先の図1(a)〜(c)に対応するものであり、この図16において、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示し、それら要素についての重複する説明は割愛する。
同図16に示されるように、この縦型ホール素子も、基本的には、図1に例示した先の第1の実施の形態の縦型ホール素子に準じた構造を有しており、その動作態様も前述したとおりである。ただし、このホール素子においては、上記電圧出力端および電流供給端のパターンの数が1つになっている。すなわち、半導体領域12の表面にあって拡散層18にて囲まれる領域(活性領域)には、同表面の不純物濃度(N型)が選択的に高められるかたちでコンタクト領域(N+層)13〜17が形成されている。そして、これらコンタクト領域13〜17は、ここに配設される各電極(配線)を介して、それぞれ端子SおよびG1およびG2およびV1およびV2と電気的に接続されている。なおここでも、上記コンタクト領域13および14および16が電流供給端に相当し、また上記コンタクト領域15および17が電圧出力端に相当する。
また、この実施の形態に係る縦型ホール素子においては、上記電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17が、それぞれ基板表面(半導体領域12)に設けられた凹部に、詳しくは同基板の表面に形成されたトレンチ(溝)T1およびT2の底面に形成されている。なお、これらトレンチT1およびT2の深さは同一である必要はなく、相異なる深さに設定されることもある。ちなみに、これらトレンチT1およびT2は、例えばエッチングや、レーザによる溶出、イオンミリングによる切り出し等によって形成することができる。そして、その形成条件を適宜に設定することで、所望の深さのトレンチを得ることができる。
このように、基板表面に設けられた凹部(トレンチT1およびT2)に上記電圧出力端が形成された構造とすることで、それらトレンチT1およびT2の深さの調整を通じて上記磁気検出部HPを歪ませるとともに、素子内部の電位分布(等電位線)を変位させることができるようになる。そしてこれにより、所望の電位分布、すなわちオフセット電圧の低減される電位分布が得られるようになる。このように、こうした構造によっても、オフセット電圧の好適な補正が可能になり、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっては、その回路規模の縮小化を図ることができるようになる。なお、トレンチT1の深さを調整した場合と、トレンチT2の深さを調整した場合とでは通常、相異なる傾向にオフセット電圧が調整されることになる。このため、上記オフセット電圧の調整は、それらトレンチT1およびT2の深さのバランスを考慮しつつ行われる。
また、この縦型ホール素子は、半導体基板の表面において、電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17と、電流供給端に相当するコンタクト領域16との間に段差が形成された構造となっている。この段差はオフセット電圧と強く相関しており、こうした構造とすることで、この段差高さの調整を通じて上記オフセット電圧の調整(補正)をより好適に行うことができるようになる。
以上説明したように、この実施の形態に係る縦型ホール素子およびそのオフセット電圧調整方法によれば、先の第1の実施の形態による前記(2)および(5)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果が得られるようになる。
(10)対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17を、基板表面(半導体領域12)に設けられた凹部に形成するようにした。これにより、オフセット電圧の好適な補正が可能になり、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっては、その回路規模の縮小化を図ることができるようになる。
(11)半導体基板の表面において、磁気検出部HPへ電流を供給する部分として対をなす電流供給端に相当するコンタクト領域16と、上記電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17との間に段差が形成された構造とした。これにより、上記オフセット電圧の調整(補正)をより好適に行うことができるようになる。
(12)半導体基板として、磁気検出部HPへ電流を供給する部分として対をなす電流供給端と、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端とを表面に有する基板を使用し、同基板の表面におけるこれら端部の形成されている部分の選択的な高さ調整をもってオフセット電圧を調整することとした。こうした方法によれば、各端部の高さ調整を通じて磁気検出部HPを歪ませるとともに、素子内部の電位分布(等電位線)を変位させることができるようになり、ひいては所望の電位分布、すなわちオフセット電圧の低減される電位分布が得られるようになる。すなわち、オフセット電圧の好適な補正が可能になり、前述したようなオフセット電圧等に関する補正回路を備える構成にあっては、その回路規模の縮小化を図ることができるようになる。
なお、この第5の実施の形態に係る縦型ホール素子は、図17もしくは図18に示すように、上記電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17のいずれか一方のみが、基板表面に設けられた凹部に、すなわち同基板の表面に形成されたトレンチT1もしくはT2の底面に形成された構造とすることもできる。
また、図19に示すように、コンタクト領域15および17に挟まれる上記電流供給端の対をなす一方に相当するコンタクト領域16が、基板表面に設けられた凹部に、すなわち同基板の表面に形成されたトレンチT3の底面に形成された構造とすることもできる。
また一方、図20に示すように、上記電圧出力端に相当するコンタクト領域15および17が、それぞれ基板表面に設けられた凸部B1およびB2に形成された構造とすることもできる。
また、図21に示すように、コンタクト領域15および17に挟まれる上記電流供給端の対をなす一方に相当するコンタクト領域16が、基板表面に設けられた凸部B3に形成された構造とすることもできる。
さらには、これら凹部および凸部を組み合わせて、図22に示すように、上記コンタクト領域15および17が基板表面に設けられた凹部(トレンチT1およびT2)に、また上記コンタクト領域16が基板表面に設けられた凸部B3に各々形成された構造とすることもできる。
また、第1〜第4の実施の形態およびその変形例に係る縦型ホール素子に対してもこの構造は同様に適用することができる。すなわち、例えば第2の実施の形態の縦型ホール素子に適用した場合は、図23に示すように、上記各パターンの電圧出力端に相当するコンタクト領域15aおよび15b、並びにコンタクト領域17aおよび17bが、それぞれ基板表面に設けられた凹部(トレンチT1およびT2の底面)に形成された構造となる。またこのとき、上記コンタクト領域15aおよび15b、並びにコンタクト領域17aおよび17bを同一の深さのトレンチに形成する必要はなく、例えば図24に示されるように、相異なる深さのトレンチT11およびT12、並びにトレンチT21およびT22に対して、これらのコンタクト領域を形成するようにしてもよい。
・結局のところ、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端、および磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端の少なくとも一方が、半導体基板の表面に設けられた凹部もしくは凸部に形成された構造であれば、少なくとも前記(10)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
・一方、オフセット電圧の調整方法としても、磁気検出部へ電流を供給する部分として対をなす電流供給端と、対をなしてホール電圧信号を出力する電圧出力端とを表面に有する基板を用意し、同基板の表面におけるこれら端部の少なくとも一方が形成されている部分の選択的な高さ調整をもってオフセット電圧を調整するものであれば足りる。こうした方法であれば、少なくとも前記(12)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果は得ることができる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下の態様をもって実施することもできる。
・上記各実施の形態においては、当該ホール素子を他の素子と素子分離する分離壁、および磁気検出部HPを電気的に区画する分離壁として、拡散層(拡散層18や拡散層19aおよび19b)を用いるようにしたが、これに代えて、トレンチアイソレーションを用いるようにしてもよい。
・さらに、これら分離壁は必須の構成要素ではなく、ホール素子の種類やその用途によっては割愛することもできる。例えば上記第1〜第3の実施の形態の変形例として先に示した縦型ホール素子、すなわち電流供給端および電圧出力端が一列に配列された縦型ホール素子(図13)では必ずしもこうした分離壁を要しない。前述したように、この発明はこうした縦型ホール素子に対しても同様に適用することができる。
・上記各実施の形態においては、上記電圧出力端および電流供給端を、いずれも基板表面において導電型不純物の濃度が選択的に高められたコンタクト領域(N+層)として設けるようにした。しかし、これは必須の構成ではなく、例えばこうしたコンタクト領域を設けずに半導体領域12の上に直に配線(電極)を設けるようにしてもよい。
・上記実施の形態においては、縦型ホール素子の駆動方法の一例として定電流駆動について説明したが、この縦型ホール素子の駆動方法は任意であり、例えば定電圧駆動によって駆動することもできる。
・上記各実施の形態において、半導体基板を構成する各要素の導電型を入れ替えた構造、すなわちP型とN型とを入れ替えた構造についても、この発明は同様に適用することができる。
・上記各実施の形態においては、基板の材料としてシリコンを用いるようにしたが、製造工程や構造上の条件等に応じてその他の材料を適宜採用するようにしてもよい。例えば、GaAs、InSb、InAs、SiC等の化合物半導体材料やGe(ゲルマニウム)等の他の半導体材料も用いることができる。特に、GaAs、InAsは温度特性に優れた材料であり、当該ホール素子の高感度化を図る上で有効である。
・上記各実施の形態においては、半導体領域12を拡散層として形成するようにしたが、これに限られることはなく、例えば図28に示した従来の縦型ホール素子のように、半導体領域12をエピタキシャル膜として形成した構造についても、この発明は同様に適用することができる。また一般に、こうしたエピタキシャル基板を採用する場合には、埋込層BL(図28)が用いられることが多い。また他に、SOI(Silicon On Insulator)基板等も適宜採用することができる。
11…半導体層、12…半導体領域、12a〜12c…領域、13〜17、1a〜1c、2a〜2c、3a〜3c、4a〜4c、13a〜13e、14a〜14e、15a〜15e、16a〜16e、17a〜17e…コンタクト領域、18、19a、19b…拡散層、B1〜B3…凸部、HP…磁気検出部、T1〜T3、T11、T12、T21、T22…トレンチ。