JP2006163376A - 近赤外線吸収フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性、耐熱性に優れ、他の色素と混合しても吸収波長が変化しない近赤外線吸収色素およびそれを含む近赤外線吸収フィルター、特には電子ディスプレイ用近赤外線吸収フィルターを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
Figure 2006163376

(式中、R1 は、炭化水素基、カルボニル基、シリル基、水素、シアノ基又はハロゲン、R2 は、炭化水素基、カルボニル基、炭化水素チオ基、シリル基、水素、シアノ基又はハロゲン、Y1 及びY2 は、炭化水素基、を示す。M1 は金属を表す。)で表される化合物を含む層を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は近赤外線吸収フィルター、特には、幅広く近赤外線を遮断する近赤外線吸収フィルターに関するものである。
一般に、近赤外線吸収色素を含有した樹脂からなるプラスチック製近赤外線吸収フィルターはよく知られており、その用途としては、サングラス、溶接用眼鏡、ビルや自動車、電車、飛行機の窓、あるいは情報読み取りのための光学読み取り装置等が挙げられる。
また、最近では、大型薄型の壁掛けテレビとして注目されているプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)が、近赤外線を発生して、コードレスホン、近赤外線リモコンを使うビデオデッキ等、周辺にある電子機器に作用し誤動作を起こすことから、PDP用フィルターとしても800nm〜1100nmの近赤外線を吸収する赤外線吸収色素を含有したフィルターの要求がある。
上述のような近赤外線吸収フィルターとしては、銅や鉄などの金属イオンを含有させたもの、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、ジチオール系金属錯体化合物、アミノチオフェノール系金属錯体化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、トリアリールメタン系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物等の近赤外線吸収色素を含有させたものなど各種検討がなされている(例えば特許文献1、特許文献2参照)が、実際には、限定されたジチオール系金属錯体化合物、フタロシアニン化合物及びジインモニウム系化合物の一部のみが用いられている。
こういった上記近赤外線吸収色素は1種類の色素だけで上述のような800〜1100nmといった範囲をカバーすることは不可能であり、通常、複数の色素を組み合わせて用いている。このとき、製造時の手間およびコストを考慮すると複数種類の色素を混合し、同一樹脂層に含有させたフィルターの方が好ましい。
特開2003−262719号公報 特開昭64−69686号公報
本発明者らは、異なる波長を吸収する色素を混合して幅広く近赤外線を吸収するフィルターを得るべく、同一樹脂層に2種類の近赤外線吸収色素、具体的には特許文献1に記載されているジチオール金属錯体化合物と、特許文献2に記載されている、アルキルチオ基で置換されたジチオール金属錯体化合物とを混合し、近赤外線吸収特性を測定したところ、近赤外線吸収領域が変化してしまい、目的とする吸収が得られないことが明らかとなった。
そこで、耐光性、耐熱性に優れ、他の色素と混合しても吸収波長が変化しない近赤外線吸収色素およびそれを含む近赤外線吸収フィルター、特には電子ディスプレイ用近赤外線吸収フィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、一般式(1)で示される特定の非対称構造を有するジチオレート金属錯体により上記課題が解決することを見いだして本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は下記一般式(1)
Figure 2006163376
〔式中、R1 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。R2 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良い炭化水素チオ基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。Y1 及びY2 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。ここで、R1 とR2 及びY1 とY2 は、連結基を介して環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基または置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M1 は金属原子を表す。〕
で表される化合物からなる近赤外線吸収色素、該化合物を含む層を有する近赤外線吸収フィルター、及び該近赤外線吸収フィルターを用いた電子ディスプレイ用フィルターに存する。
本発明によれば、耐光性、耐熱性に優れ、他の色素と混合しても吸収波長が変化しない近赤外線吸収色素、特にはジチオレート系色素と混合しても吸収波長の変化がない近赤外線吸収色素、およびそれを用いることにより変質が少なく幅広い近赤外線を吸収する近赤外線吸収フィルターが提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(一般式(1)で表される化合物)
前記一般式(1)において、R1 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子である。
上記炭化水素基としては、1)脂肪族炭化水素基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2−エチルブチル基、イソプロピル基、2−ブチル基、シクロヘキシル基、3−ペンチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2,4−ペンタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基が挙げられる。このうち好ましくは炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、特に好ましくは、炭素数1以上10以下の分岐鎖脂肪族炭化水素基である。2)アリール基;フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナンスレニル基、アズレニル基、メタロセン環基などが挙げられる。このうち好ましくは炭素数6以上炭素数12以下の単環又は縮合2環式アリール基である。3)複素環基;チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドールイル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、チアゾリル基、ピラジニル基などがあげられる。このうち好ましくは、炭素数3以上12以下の単環又は2環式5員環複素環基である。
カルボニル基としては、アシル基(−COR)、カルバモイル基(−CONRR’)、アルコキシカルボニル基(−C(O)OR)、アリールオキシカルボニル基(−C(O)OR)、複素環オキシカルボニル基(−C(O)OR)があげられ、各々さらに具体的には、アシル基(−COR)のR、及び、カルバモイル基(−CONRR’)のR、R’は、先にあげた脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基の具体例と同様のものがあげられ、アルコキシカルボニル基(−C(O)OR)のRは、先にあげた脂肪族炭化水素基の具体例と同様のものがあげられ、アリールオキシカルボニル基(−C(O)OR)のRは、先にあげたアリール基の具体例と同様のものがあげられ、複素環オキシカルボニル基(−C(O)OR)のRは、先にあげた複素環基の具体例と同様のものがあげられ、置換基が水素であるアルデヒド基があげられる。
シリル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、n−ブチルジメチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、トリイソプリピルシリル基などのシリル基が挙げられ、好ましくは炭素数1以上18以下のアルキルシリル基である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられるが、特に好ましくは、フッ素原子、塩素原子である。
2 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良い炭化水素チオ基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又は又はハロゲン原子である。
上記炭化水素基としては、R1 であげた炭化水素基の具体例と同様のものがあげられる。
上記炭化水素チオ基としては、1)アルキルチオ基;n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、2−メチルプロピルチオ基、2−メチルブチルチオ基、3−メチルブチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−エチルブチルチオ基、イソプロピルチオ基、2−ブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、3−ペンチルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基などがあげられ、このうち好ましくは炭素数10以下のアルキルチオ基、特に好ましくは、炭素数10以下の分岐鎖のアルキルチオ基である。2)アルケニルチオ基;プロペニルチオ基、ビニルチオ基、イソプロペニルチオ基、スチリルチオ基などがあげられ、このうち好ましくは炭素数12以下のアルケニルチオ基である。上記アルキニルチオ基としては、エチニルチオ基、1−ペンテニルチオ基、フェネチニルチオ基、t−ブチルエチニル基などがあげられ、このうち好ましくは炭素数12以下のアルキニルチオ基である。3)アリールチオ基;フェニルチオ基、p−tert−ブチルフェニルチオ基、o−トリルチオ基、メシチルチオ基、キシリルチオ基、クメニルチオ基、ナフチルチオ基などがあげられ、好ましくは炭素数12以下の単環又は2員環からなるアリールチオ基である。4)複素環チオ基;チエニルチオ基、フリルチオ基、ピラゾリルチオ基、ピロリイルチオ基、イソオキサゾリルチオ基、ピリジルチオ基、インドールイルチオ基などがあげられ好ましくは炭素数10以下の5員環からなる複素環チオ基である。上記カルボニル基としては、R1 であげたカルボニル基の具体例と同様のものがあげられる。上記シリル基としては、R1 であげたシリル基の具体例と同様のものがあげられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられるが、特に、好ましくは、フッ素原子、塩素原子である。
1 及びY2 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い炭化水素基であり、具体的には、1)脂肪族炭化水素基;R1 であげた脂肪族炭化水素基の具体例と同様のものがあげられ、2)アリール基;R1 であげたアリール基の具体例と同様のものがあげられ、3)複素環基;R1 であげた複素環基の具体例と同様のものがあげられる。
該R1 の炭化水素基及びカルボニル基及びシリル基の置換基,また、該R2 の炭化水素基及び炭化水素チオ基及びカルボニル基及びシリル基の置換基、また、該Y1 及びY2 の炭化水素基の置換基としては、金属錯体の安定性に悪影響を与えない基であれば、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アミノ基、アシル基、アミノアシル基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、イミド基及びシリル基などからなる群より選択された基が挙げられる。
具体的にはメチル基、エチル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基;エチニル基、プロピレニル基などの炭素数1〜6程度のアルケニル基;アセチレニル基など炭素数1〜6程度のアルキニル基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜20程度のアリール基;チエニル基、フリル基、ピリジル基などの炭素数3〜20程度のヘテロアリール基;エトキシ基、プロポキシ基などの炭素数1〜6程度のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基などの炭素数6〜20程度のアリールオキシ基;ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基などのなどの炭素数3〜20程度のヘテロアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基などの炭素数1〜6程度のアルキルチオ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基などの炭素数6〜20程度のアリールチオ基;ピリジルチオ基、チエニルチオ基などのなどの炭素数3〜20程度のヘテロアリールチオ基;ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などの炭素数1〜20程度の置換基を有していても良いアミノ基;アセチル基、ピバロイル基などの炭素数2〜20程度のアシル基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基などの炭素数2〜20程度のアシルアミノ基;3−メチルウレイド基などの炭素数2〜20程度のウレイド基;メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基などの炭素数1〜20程度のスルホンアミド基;ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基などの炭素数1〜20程度のカルバモイル基;エチルスルファモイル基などの炭素数1〜20程度のスルファモイル基;ジメチルスルフ炭素数kアミノ基などの炭素数1〜20程度のスルファモイルアミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数2〜6程度のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基などの炭素数7〜20程度のアリールオキシカルボニル基;ピリジルオキシカルボニル基などの炭素数6〜20程度のヘテロアリールオキシカルボニル基;メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基などの炭素数1〜6程度のアルキルスルホニル基;ベンゼンスルホニル基、モノフルオロベンゼンスルホニル基などの炭素数6〜20程度のアリールスルホニル基;チエニルスルホニル基などの炭素数3〜20程度のヘテロアリールオキシスルホニル基;フタルイミドなどの炭素数4〜20程度のイミド基;又は、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で3置換されているシリル基などが挙げられる。
上記R1 として特に好ましくは、総炭素数1以上10以下の、置換基を有しても良いアルキル基、総炭素数6以上12以下の、置換基を有しても良い単環アリール基、総炭素数3以上10以下の、置換基を有していても良い5員環複素環基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、又は、水素原子であり、最も好ましくは、総炭素数1以上10以下の、置換基としてハロゲン原子を有するアルキル基、総炭素数6以上12以下の、置換基を有しても良い単環アリール基、総炭素数3以上10以下の、置換基を有していても良い5員環複素環基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、又は、水素原子である。
上記R2 として特に好ましくは、総炭素数1以上10以下の、置換基を有していても良いアルキル基、総炭素数6以上12以下の、置換基を有しても良い単環アリール基、総炭素数3以上10以下の、置換基を有しても良いアルキルチオ基、総炭素数6以上15以下の、置換基を有しても良いアリール基又は、総炭素数3以上18以下の、置換基を有してもよいシリル基、又は、シアノ基、又は、フッ素原子、又は、塩素原子、又は、水素原子であり、最も好ましくは、総炭素数1以上10以下の、置換基としてハロゲン原子を有するアルキル基、総炭素数6以上12以下の、置換基を有しても良い単環アリール基、総炭素数3以上10以下の、置換基を有しても良いアルキルチオ基、総炭素数6以上15以下の、置換基を有しても良いアリール基又は、総炭素数3以上18以下の置換基を有してもよいシリル基、又は、シアノ基、又は、フッ素原子、又は、塩素原子、又は、水素原子である。
一般式(1)の化合物自体の安定性を上げるためには、R1 及び/又はR2 として、アリール基のオルト位に炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1種の原子の合計が4個以上の置換基を有するアリール基が好ましい。その置換基としては、具体的には、さらに置換基を有していても良い分岐鎖アルキル基、さらに置換基有していても良い分岐鎖アルコキシ基が挙げられる。
上記Y1 およびY2 は、それぞれ独立して、特に好ましくは、総炭素数10以下の置換基を有しても良いアルキル基、又は、総炭素数12以下の置換基を有しても良い単環アリール基、又は、総炭素数10以下の置換基を有していても良い5員環複素環基である。特に好ましくは、総炭素数10以下の分岐鎖アルキル基である。
また、上記R1 とR2 及びY1 とY2 は、互いに連結して−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −、CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −、−CH(Ph)−CH2 −、−CH(Me)−CH2 −等の置換基を有していても良いアルキレン基;−CH=CH−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−CH2 −CH2 −CH=CH−等の置換基を有していても良いアルケニレン基;−CH2 −S−CH2 −、−CH2 −O−CH2 −、−CH2 −C(=O)−CH2 −、−CH2 −CH2 −S−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −等の基を形成して環構造となっていても良い。
また、上記一般式(1)で表される化合物において、Y1 及びY2 、はそれぞれ同一でも異なっていても良いが、同一である方がより好ましい。R1 及びR2 、はそれぞれ同一でも異なっていても良いが、異なっている方がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、XRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い。Xは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R' 、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。
本発明に係る一般式(1)の化合物としては、塩を形成しているものより、塩を形成していないものの方が好ましい。
1 は、4配位の形態をとりうる金属原子であれば特に限定されないが、好ましくはNi、Pd又はPtの10族金属原子;Co;Fe;Cu;Ag;Au又はZnが挙げられ、より好ましくは10族金属原子であり、特に好ましくはNi又はPdである。
本発明の近赤外線吸収フィルターに用いられる化合物の好ましい具体例としては、例えば、以下に例示されるものが挙げられる。ただし、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
このような一般式(1)で表される化合物は、例えば、Mol.Cryst.Liq.Crst.(Lett),56巻,249頁(1980年)記載の公知の方法などで1,3−ジチオール−2−オン誘導体を得た後、含金属化し、対称型金属錯体を得る。一方、例えば、J.Mat.Chem.,2巻、443頁(1992年)記載の公知の方法などで、1,3−ジチオール−2−オン−4,5−ジチオレート誘導体を得た後、含金属化し、対称型金属錯体を得る。得られた2種類の対称型金属錯体から、有機溶媒中(具体的には、トルエン、キシレン、ジオキサン、ジクロロエタン、THF、ジメトキシエタンなど)、室温〜還流下、30分〜24時間程度撹拌し、一般式(1)で表される化合物に変換する。還流はTHF中で行うと配位子交換反応が促進されるため好ましい。また、その吸収極大波長が800nm程度〜980nm程度のものである。
(一般式(2)〜(9)で表される化合物)
本発明の近赤外線吸収フィルターには、さらに下記一般式(2)〜(9)で表される化合物からなる群より選ばれる化合物を少なくとも1種類以上含有させることにより、750〜1050nmの範囲の近赤外線領域を幅広く吸収できるため、特に電子ディスプレイ用フィルターに用いる場合には好ましい。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
前記一般式(2)において、A及びA’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示す。
5 及びR6 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基又は水素原子を示す。ここで、R5 とR6 は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。M2 は、M1 で記載したのと同様の金属を用いることができる。
上記A及びA’のアリール基及び複素環基を構成する骨格としては、好ましくは6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のような単環又は2員環式アリール基である。
上記A及びA’のアリール基及び複素環基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、A及びA’上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R5 とR6 の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2−エチルブチル基、イソプロピル基、2−ブチル基、シクロヘキシル基、3−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2,4−ペンタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基が挙げられる。このうち好ましくは炭素数10以下の1級又は2級アルキル基、特に好ましくは炭素数10以下の1級アルキル基である。
上記R5 とR6 の脂肪族炭化水素基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、特に好ましくは,無置換、ハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)、シアノ基、アルコキシ基及びアリール基である。
上記R5 とR6 のアリール基及び複素環基としてはフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等の5員又は6員単環若しくはそれらの縮合環が挙げられる。このうち好ましくは、置換基を有していても良いアリール基、より好ましくは、置換基を有していても良いフェニル基である。
Figure 2006163376
さらに、置換基を有しても良いフェニル基のうち、特に好ましくは、上記R5 及びR6 が結合している窒素原子と結合する炭素原子に隣接する炭素原子が、置換基R43及びR44を有する場合である。R43及びR44は、1価の置換基を示す。上記R43及びR44としては、色素の安定性に悪影響を与えない基であれば特に限定されないが、より好ましくは、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換されていても良いアルキルチオ基、置換されていても良いアリールチオ基及び置換されていても良い複素環チオ基からなる群より選ばれる置換基のように立体障害性の高い基であるか、または、Hammettの置換基定数σmが0.00<σm<0.90となるような電子吸引性基が挙げられる。
上記電子吸引性基としては、例えば、J.Med.Chem.,16,1207(1973)やJ.Med.Chem.,20,304(1977)に記載されているようなものが挙げられるが、より具体的には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロアルキルスルホニル基、ハロアリールスルホニル基等が挙げられる。
5 及びR6 が芳香環の場合、芳香環上の置換基同士は、隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
一般式(2)で表される化合物は、XR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていてもよい。ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R’、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。好ましくは、塩を形成しているものより、塩を形成していないものの方がよい。
一般式(2)で表される色素の好ましい具体例としては、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
前記一般式(3)において、B及びB’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示す。
7 及びR8 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基又は水素原子を示す。ここで、R7 とR8 は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。M3 は、M1 で記載したのと同様の金属を用いることができる。
上記B及びB’のアリール基及び複素環基を構成する骨格としては、好ましくは6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記B及びB’のアリール基及び複素環基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、B及びB’上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R7 及びR8 の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基としては、先のR5 及びR6 の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基であげたものと同様のものがあげられる。上記R7 及びR8 の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基があげられるが、特に好ましくは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基である。
7 及びR8 は、直接、あるいは、連結基を介して互いに結ばれていても良いが、特に下記構造を有するような場合が好ましい。
Figure 2006163376
45〜R54として好ましい具体例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、フェネチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などのアルキル基で置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。R45〜R54の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
このうち好ましくは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアリールオキシ基等の電子吸引性基、もしくは、水素原子が挙げられ、R45〜R54の中で、少なくともひとつは水素原子でないものである。さらにはR45〜R54の少なくとも1つがフッ素原子、塩素原子またはシアノ基であり、残りは水素原子であるのが好ましい。
一般式(3)で表される化合物は、XR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていてもよい。ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R’、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。好ましくは、塩を形成しているものより、塩を形成していないものの方がよい。
前記一般式(3)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
前記一般式(4)において、C及びC’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示す。
3 、R4 、R9 及びR10は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基又は水素原子を示す。ここで、R3 とR4 、及び、R9 とR10は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。M4 は、M1 で記載したのと同様の金属を用いることができる。
上記C及びC’のアリール基及び複素環基を構成する骨格としては、6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基又はフルオレニル基等のアリール基;又は、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基等のヘテロアリール基が挙げられる。このうち好ましくは、アリール基、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記C及びC’のアリール基及び複素環基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、C及びC’上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
上記R3 、R4 、R9 及びR10の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基としては、先のR5 及びR6 の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基であげたものと同様のものがあげられる。上記R3 、R4 、R9 及びR10の脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基があげられるが、特に好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基である。
また、式(4)は、XR' R''R''' R''''が配位して塩型を形成してもよく、ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R’、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R’、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。好ましくは、塩を形成しているものより、塩を形成していないものの方がよい。
前記一般式(4)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006163376
前記一般式(5)において、D及びD’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基を示す。M5 は、M1 で記載したのと同様の金属を用いることができる。 上記D及びD’のアリール基を構成する骨格としては、好ましくは6員の単環又はその縮合環であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基が挙げられる。より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環のようなアリール基である。
上記D及びD’のアリール基の置換基としては、先のR1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられるが、中でも好ましくは、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していても良いヘテロアリール基、置換基を有していても良いアルコキシ基、置換基を有していても良いアリールオキシ基又は置換基を有していても良いアミノ基があげられる。より具体的には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル基などのハロゲン原子又はアリール基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基;フェニル基、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ピリジル基、チエニル基等の炭素数4〜8のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、メチルフェノキシ基などの炭素数6〜10のアリールオキシ基;または、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基で置換されていても良いアミノ基が挙げられる。
また、D及びD’上の隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
また、式(5)は、 XR' R''R''' R''''が配位して塩型を形成してもよく、ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R' 、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。
一般式(5)は、塩を形成しているものも塩を形成していないものも好ましい。
一般式(5)で表される色素の好ましい具体例として、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006163376
前記一般式(6)において、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いカルボキシル基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、又は、置換基を有していてもよい複素環基である。特に好ましくは、水素原子、置換基を有していても良いアリール基である。M6 は、上記M1 で記載したのと同様の金属を用いることができる。
該カルボニル基、カルボキシル基、脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基としては、R1 で記載したのと同様の基が挙げられる。該脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の置換基としては、上記R1 で記載したのと同様の置換基が挙げられる。カルボニル基及びカルボキシル基の置換基としては、上記R1 のカルボニル基の置換基で記載したのと同様の置換基が挙げられる。
また、上記R11〜R14の脂肪族炭化水素基及びアリール基及び複素環基の置換基が、一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
また、式(6)は、XR’R''R''' R''''が配位して塩型を形成してもよく、ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R' 、R' ' 、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 〜R2 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。
一般式(6)は、塩を形成しているものも塩を形成していないものも好ましい。
一般式(6)で表される色素の好ましい具体例としては、下記構造式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006163376
一般式(7)において、R15〜R30は、任意の置換基を表し、本発明の化合物の基本的性能を損なわない限り特に制限は無いが、例えば、R1 〜R2 の置換基としてあげたものと同様の基があげられる。
上記一般式(7)におけるM7 は、フタロシアニン骨格と錯体を形成出来る元素であれば、特に限定されないが、好ましくは銅原子、バナジウムオキシ基又は塩化スズ基が挙げられる。また一般式(7)で表される化合物は酸により塩を形成していてもよい。
上記一般式(7)で表される化合物のうち、好ましい具体例としては、特開平10−78509号公報、特開平11−116826号公報、特開平11−65463号公報及び特開2000−26748号公報に記載されているものが挙げられ、中でも、下記に記載したような含フッ素フタロシアニン系化合物が好ましい。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
前記一般式(8)において、R31とR32、及び、R33とR34は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。M8 は、M1 で記載したものと同様の金属を用いることができる。上記R31〜R34の脂肪族炭化水素基、アリール基、複素環基としては、R1 〜R2 であげたものと同様のものがあげられるが、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、ネオペンチル基、2−エチルブチル基、イソプロピル基、2−ブチル基、シクロヘキシル基、3−ペンチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2,4−ペンタジエニル基等のアルケニル基;エチニル基等のアルキニル基が挙げられる。このうち好ましくは炭素数10以下の1級又は2級アルキル基である。上記アリール基としては、フェニル基又はナフチル基などが挙げられ、また、上記複素環基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラジニル基又はピラゾリル基などが挙げられる。
該R31〜R34の脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の置換基としては、R1 であげたものと同様のものがあげられる。
また、上記R31とR32、及び、R33とR34が一体となって−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −、−CH2 −CF2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −、−CH(Ph)−CH2 −、−CH(Me)−CH2 −等の置換されていても良いアルキレン基;−CH=CH−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−CH2 −CH2 −CH=CH−等の置換されていても良いアルケニレン基;−CH2 −S−CH2 −、−CH2 −O−CH2 −、−CH2 −C(=O)−CH2 −、−CH2 −CH2 −S−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −等の連結基を含有するアルキレン基等を形成していても良い。
上記R31及びR32、R33及びR34として好ましくは無置換のアルキル基、または、置換基を有していても良いアルキル基、特に好ましくは無置換のアルキル基、ハロゲン原子(特に好ましくはフッ素原子)、シアノ基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる置換基を有していても良いアルキル基である。
また、式(8)は、XR' R''R''' R''''が配位して塩型を形成してもよく、ここでXは、第15族原子を表し、特に好ましくは、窒素原子、または、リン原子である。R’、R''、R''' 、R''''は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよいアリール基である。該脂肪族炭化水素基およびアリール基としては、R1 の脂肪族炭化水素基およびアリール基としてあげたものと同様の基が挙げられる。また、該脂肪族炭化水素基及びアリール基の置換基としては、R1 〜R2 の置換基としてあげたものと同様の置換基が挙げられる。R' 、R''、R''' 、R''''として、中でも好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基;フェニル基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基があげられる。
一般式(8)は、塩を形成していないものの方が塩を形成しているものより好ましい。一般式(8)で表される色素の好ましい具体例として、下記で表される化合物があげられる。
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
Figure 2006163376
一般式(9)において、R35〜R42は、それぞれ独立に、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基又は置換基を有しても良いヘテロアリール基を示す。該アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基としては、R1 のアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基であげたものと同様の基が挙げられる。R35〜R42は隣り合う2つの置換基同士が連結基を介して結合で結ばれていても良い。R35〜R42の置換基として、具体的には、一般式(1)のR1 の説明で述べたものと同様の置換基が挙げられる。
また、R35〜R42は隣り合う2個の置換基が一体となって、−(CH2 3 −又は−(CH2 4 −等の炭素数2〜5程度のアルキレン基、−OCH2 O−又は−O(CH2 2 O−等の炭素数1〜4程度のアルキレンジオキシ基等を形成していても良い。
Xは陰イオンを示し、具体的には、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、過塩素酸アニオン、6フッ化アンチモン酸イオン、硝酸アニオン、ヘキサフルオロフォスフェイトアニオン、テトラフルオロボレートアニオンで表される1価の陰イオンを示す。
上記一般式(9)で表される化合物のうち、好ましい具体例としては、特開平10−18092号公報、特開平11−170700号公報、特開2000−80071号公報、特開2000−81511号公報及び特開2001−174626号公報に記載されているものが挙げられ、中でも、日本化薬社製「kayasorb IRG022」及び「kayasorb IRG023」として市販されているような色素、並びに、日本カーリット社製「CIR1080」、「CIR1081」、「CIR1083」及び「CIR1085」として市販されているような色素が好ましい。
ここで、上記一般式(2)〜(6)、(8)で表される化合物は、リガンド部分の分子量が通常800以下、好ましくは500以下のものである。
また、上記一般式(2)〜(6)、(8)で表される化合物のモル吸光係数は、通常通常5000以上、好ましくは8000以上のものである。
一般式(7)に記載のフタロシアニン化合物としては、分子量900〜3000、好ましくは、1000〜2500のものである。
また、上記一般式(7)で表される化合物のモル吸光係数は、通常5000以上、好ましくは8000以上のものである。
一般式(9)に記載のジインモニウム化合物としては、分子量600〜3000、好ましくは、900〜2100のものである。
また、上記一般式(9)で表される化合物のモル吸光係数は、通常70000以上、好ましくは90000以上のものである。
加えて、上記一般式(2)〜(9)で表される化合物のトルエン等芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒から選ばれる溶媒に対する溶解度としては、通常0.1%以上、好ましくは0.5%以上である。
尚、上記化合物(2)は、例えば、Russ.J.Gen.Chem.,66巻、1842頁(1996年)に記載の方法で合成でき、上記化合物(3)は、例えば、特開2001−89492号公報に記載の方法で合成でき、化合物(4)は 例えば、J.Am.Chem.Soc.,88卷、5201頁(1966年)に記載の方法より合成でき、化合物(5)は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,88卷、43頁及び4870頁(1966年)に記載の方法で合成でき、化合物(6)は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,87卷、1483頁(1965年)に記載の方法で合成でき、化合物(7)は、例えば、The Porphyrin Handbook(2003)に記載の方法で合成でき、化合物(8)は、例えば、J.Mater.Chem.,1861頁(1994)に記載の方法で合成でき、化合物(9)は、例えば、特開昭61−246391号公報に記載の方法で合成できる。
(近赤外線吸収フィルター)
さらに、本発明の近赤外線吸収フィルターは、耐光性富士フィルム(株)社製UVカットフィルターを装着した状態でのキセノンランプによる280時間耐光性試験後の色素残存率も優れたものであり、好ましくは色素残存率が70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となるものである。
(フィルターの製造方法)
本発明の近赤外線吸収フィルターの製造方法としては、透明基板に近赤外線吸収色素を含む塗工液をコーティングする方法、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂と溶融混錬してフィルム状に成形する方法などが挙られるが、近赤外線吸収色素に対する負荷を低減するため、塗工液をコーティングする方法の方が好ましい。
以下に、透明基板に近赤外線吸収色素を含む塗工液を塗布して赤外線吸収フィルターを製造する方法について詳細に説明する。
(基板)
本発明の近赤外線吸収フィルターを構成する透明基板としては、実質的に透明であって、吸収、散乱が大きくない基材であればよく、特に制限はない。その具体的な例としては、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等が挙げられる。これらの中では、特に非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂が好ましい。
これらの樹脂は、フェノール系、燐系などの酸化防止剤、ハロゲン系、燐酸系等の難燃剤、耐熱老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を配合することができる。
透明基板は、これらの樹脂を、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶解させてキャスティングする方法などなどの成形方法を用い、フィルム状に成形したものが用いられる。フィルム状に成形された樹脂は延伸されていても未延伸でもよい。また、異なる材料からなるフィルムが積層されていても良い。
透明基板の厚みは、目的に応じて通常10μm〜5mmの範囲から選択される。
更に、透明基板は、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施してもよい。
(近赤外線吸収色素層)
近赤外線吸収色素を含む塗工液は、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂とともに溶剤中に溶解又は分散させることにより、調製することができる。また、分散させる場合、近赤外線吸収色素を必要に応じて分散剤を用いて、粒径を通常0.1〜3μmに微粒子化し、バインダーとともに、溶剤に分散させて調製することもできる。
このとき溶剤に溶解又は分散される近赤外線吸収色素、分散剤、およびバインダー樹脂などの全固形分の濃度は、通常5〜50重量%である。また、全固形分に対する近赤外線吸収色素の濃度は、近赤外線吸収色素トータルとして通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%である。また、一般式(1)で表される化合物の他に一般式(2)〜(9)で表される化合物を併用する場合においては、同一層に併存させても良いし、別層として積層させても良いが、一般式(1)で表される化合物に対する一般式(2)〜(9)で表される化合物の総量の比としては、1:0.1〜1:10、好ましくは、1:0.2〜1:5である。
尚、バインダー樹脂に対する近赤外線吸収剤の濃度としては、当然のことながら、近赤外線吸収フィルターの膜厚にも依存するため、溶融混練してフィルム状に成形するような場合には、上述の色濃度よりは低くなる。
分散剤としては、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。その使用量は、近赤外線吸収色素に対して、通常0〜100重量%、好ましくは0〜70重量%である。
バインダーとしては、ポリメチルメタクレート樹脂、ポリエチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。その使用量は、バインダーに対して近赤外線吸収色素が、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
溶媒としては、1,2,3−トリクロロプロパン、テトラクロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、エナント酸メチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル等のエステル類シクロヘキサン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、スクアラン等の芳香族炭化水素類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素等のアミド類、テトラヒドロフラン(以下「THF」という)、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類あるいはこれらの混合物を用いることができる。
また、近赤外線吸収色素を含む塗工液には、必要に応じて、上記以外の近赤外線吸収剤を添加してもよい。他の近赤外線吸収剤としては、有機物質であるニトロソ化合物及びその金属錯塩、シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、トリアリルメタン系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、あるいは、無機物であるカーボンブラックや、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期律表4A、5Aまたは6A族に属する金属の酸化物、もしくは炭化物、またはホウ化物などが挙げられる。
近赤外線吸収色素を含む塗工液の透明基材へのコーティングは、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の公知の塗工方法で行われる。
近赤外線吸収色素を含む層は、乾燥後の膜厚が、通常0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗布される。
(紫外線カット層)
本発明の近赤外線吸収フィルターは、さらに紫外線カット層を設けることにより、近赤外線吸収色素との相乗効果によって、近赤外線吸収フィルターの耐光性を著しく向上させることができる。紫外線カット層としては、400nm以下の波長の紫外線を効率よくカットできるものであり、350nmの波長の光を70%以上吸収できることが好ましい。紫外線カット層の種類については、特に制限されないが、好ましくは紫外線吸収剤を含有する樹脂フィルム(紫外線カットフィルム)が好ましい。
紫外線カット層に用いられる紫外線吸収剤としては、300〜400nmの間に極大吸収を有し、その領域の光を効率よくカットする化合物であれば、有機系、無機系のいずれも特に限定なく用いることができる。例えば有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられ、無機系紫外線級剤としては酸化チタン系紫外線吸収剤、酸化亜鉛系紫外線吸収剤、微粒子酸化鉄系紫外線吸収剤等が挙げられるが、無機系紫外線吸収剤の場合は紫外線カット層中で微粒子状態で存在しているため、近赤外線吸収フィルターの効率を損なう恐れがあることから、有機系紫外線吸収剤が好ましい。
このような紫外線吸収剤としては、例えば、チバガイギー(株)のチヌビンP、チヌビン120、213、234、320、326、327、328、329、384、400、571、住友化学(株)のスミソーブ250、300、577、共同薬品(株)バイオソーブ582、550、591、城北化学(株)のJFー86、79、78、80、旭電化(株)のアデカスタブLA−32,LA−36,LA−34、シプロ化成(株)のシーソルブ100、101、101S、102、103、501、201、202、612NH、大塚化学(株)のRUVA93、30M、30S、BASF(株)のユービナール3039等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、単独で用いても良いが、数種類組み合わせても良い。また、紫外線を吸収して可視領域に波長変換するチバガイギー(株)のユービテックスOB,OB−P等の蛍光増白剤も利用できる。
また、紫外線カットフィルムは、市販のUVカットフィルターを使用することもでき、例えば、富士フィルム(株)のSC−38、SC−39、SC−42、三菱レーヨン(株)のアクリプレン等が挙げられる。上記のUVカットフィルター、SC−39、アクリプレンは、ともに350nmの波長を99%以上吸収する紫外線カットフィルムである。
このように紫外線吸収層を設けた本発明の近赤外線吸収フィルターは、Xeランプを200時間照射することによる耐光性試験後の色素残存率が80%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上となり、可視光領域に新たな吸収ピークが出てくることもない。ここで、色素残存率は、800〜1100nm領域における試験前後の吸収強度の減少度合から求める。
上記近赤外線吸収フィルターは単独はもちろん透明のガラスや他の透明樹脂板等と貼り合わせた積層体として用いてもよい。
また、本発明により得られる近赤外線吸収フィルターは、本発明のディスプレイパネル用フィルター以外にも、熱線遮断フィルム、サングラス、保護眼鏡、リモコン受光器など幅広い用途に使用することができる。
(電子ディスプレイ用フィルター)
さらに、本発明の近赤外線吸収フィルターは、必要に応じて、電磁波カット層、表面への蛍光灯などの外光の写り込みを防止する反射防止層、ぎらつき防止層(ノングレア層)、色調補正層をを設け、電子ディスプレイ用、より好ましくはプラズマディスプレイパネル用フィルターとして使用することができる。
本発明の電子ディスプレイ用フィルターは、上記近赤外線吸収フィルターを用いている他は、通常、用いられる構成や製造方法等を任意にとることができ、特に限定されるものではないが、以下にプラズマディスプレイパネル用フィルターとして用いる場合を代表例として説明する。
(電磁波カット層)
本発明のプラズマディスプレイパネル用フィルターに用いられる電磁波カット層としては、金属酸化物等の蒸着あるいはスパッタリング方法等が利用できる。通常は酸化インジウムスズ(ITO)が一般的であるが、誘導体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛などの透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀−パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層より3層、5層、7層あるいは11層程度積層する。基材としては、本発明の赤外線吸収フィルターをそのまま利用しても良いし、樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッタリングして電磁波カット層を設けた後に、本発明の近赤外線吸収フィルターと貼り合わせても良い。
(反射防止層)
本発明のプラズマディスプレイパネル用フィルターに用いられる反射防止層としては、表面の反射を抑えてフィルターの透過率を向上させるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂などの屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。
(色調補正層)
本発明のプラズマディスプレイパネル用フィルターに用いられる色調補正層としては、プラズマディスプレイから発せられる590〜600nmの波長域のネオンオレンジ光をカットできれば特に限定されず、公知のスクアリリウム系化合物、テトラアザポルフィリン系化合物、シアニン系化合物、メチン系化合物、ピロメテン系化合物、ジピロメテン系化合物等の化合物を含有させる。また、消光時のディスプレイの色がニュートラルグレーになるようにその他の色素を添加することもある。
(ノングレア層)
また、上述の各層の他にぎらつき防止層(ノングレア層)も設けてもよい。ノングレア層は、フィルターの視野角を広げる目的で、透過光を散乱させるために、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法などを用いることができる。インキの硬化は、熱硬化あるいは光硬化を用いることができる。また、ノングレア処理したフィルムを該フィルター上に貼り付けることもできる。更に必要であれば、ハードコート層を設けることもできる。
以下に、実施例により本発明の実施態様を説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに限定されるものではない。
(製造例1)
Figure 2006163376
化合物1(3.0g、7.67mmol)と化合物2(4.1g、7.67mmol)をトルエン(100mL)に加え、20時間還流した。トルエンを除去した後、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗った。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに、メタノール懸洗して例示化合物1(5.76g)を81%収率で得た。
EI MS:462
λmax :890nm(in THF)
1H NMR(CDCl3)1.60−1.63(d,12H)4.19−4.30(m,2H)7.38−7.49(m,3H)7.87−7.94(m,2H)8.83(s,1H)
(製造例2)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物3を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物2を86%収率で得た。
EI MS:538
λmax :908nm(in THF)
(製造例3)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物4を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物3を83%収率で得た。
EI MS:498
λmax :882nm(in THF)
(製造例4)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物5を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物7を54%収率で得た。
EI MS:442
λmax :866nm(in THF)
(製造例5)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物6を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物8を51%収率で得た。
EI MS:440
λmax :894nm(in THF)
(製造例6)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物7を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物10を76%収率で得た。
EI MS:492
λmax :910nm(in THF)
(製造例7)
Figure 2006163376
化合物1の代わりに化合物3を、化合物2の代わりに化合物8を用いたほかは、製造例1に従い、例示化合物71を64%収率で得た。
EI MS:608
λmax :913nm(in THF)
実施例1
例示化合物1(34.3mg)をトルエン0.80gに添加し、これらの中にアクリル系樹脂(オプトレッソOZ1100)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度25重量%)3.2gを添加し、超音波をかけて溶解させ、濾過後、この塗工液を、バーコータ(No.18;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
このフィルターのλmax は904nmであった。
更に、耐熱性および耐湿熱性を評価するため、80℃の恒温槽および、60℃、湿度90%の恒温恒湿槽に500時間入れて耐熱性及び耐湿熱性の試験(904nmにおける照射前後の吸収強度の測定)を実施したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)はそれぞれ、95.5%及び99.9%と良好な耐熱性および耐湿熱性を示し、フィルターの色変化はなかった。
このフィルターに、富士写真フィルム(株)製UVカットフィルター(SC−39)を装着し、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、280時間照射し、904nmにおける照射前後の吸収強度を測定したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)は92.1%と非常に良好であり、フィルター色変化はなかった。
実施例2
例示化合物2(34.3mg)をトルエン0.80gに添加し、これらの中にアクリル系樹脂(オプトレッソOZ1100)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度25重量%)3.2gを添加し、超音波をかけて溶解させ、濾過後、この塗工液を、バーコータ(No.18;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
このフィルターのλmax は912nmであった。
更に、耐熱性および耐湿熱性を評価するため、80℃の恒温槽および、60℃、湿度90%の恒温恒湿槽に500時間入れて耐熱性及び耐湿熱性の試験(912nmにおける照射前後の吸収強度の測定)を実施したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)はそれぞれ、97.3%及び99.2%と良好な耐熱性および耐湿熱性を示し、フィルターの色変化はなかった。
このフィルターに、富士写真フィルム(株)製UVカットフィルター(SC−39)を装着し、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、280時間照射し、912nmにおける照射前後の吸収強度を測定したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)は93.7%と非常に良好であり、フィルター色変化はなかった。
実施例1および実施例2より、本発明の近赤外線吸収色素は耐久性に優れることが明らかである。
実施例3
例示化合物71(34.3mg)をトルエン0.80gに添加し、これらの中にアクリル系樹脂(オプトレッソOZ1100)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度25重量%)3.2gを添加し、超音波をかけて溶解させ、濾過後、この塗工液を、バーコータ(No.18;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
このフィルターのλmax は916nmであった。
更に、耐熱性および耐湿熱性を評価するため、80℃の恒温槽および、60℃、湿度90%の恒温恒湿槽に500時間入れて耐熱性及び耐湿熱性の試験(916nmにおける照射前後の吸収強度の測定)を実施したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)はそれぞれ、88.5%及び94.1%と良好な耐熱性および耐湿熱性を示し、フィルターの色変化はなかった。
このフィルターに、富士写真フィルム(株)製UVカットフィルター(SC−39)を装着し、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、280時間照射し、916nmにおける照射前後の吸収強度を測定したところ、色素残存率(照射後の強度÷照射前の強度×100)は91.4%と非常に良好であり、フィルター色変化はなかった。
実施例2および実施例3との対比により、本発明の一般式(1)におけるY1 およびY2 は、アリール基よりもアルキル基の方が耐熱性および耐湿熱性がより高く、色素残存率が良好であることがわかる。
実施例4
例示化合物1(λmax :904nm)138.0mg及び化合物2(λmax :1005nm)63.0mgをトルエン2.5gに添加し、これらの中にアクリル系樹脂(オプトレッソOZ1100)のMEK/トルエン(=1/1)溶液(樹脂濃度25重量%)10.0gを添加し、超音波をかけて溶解させ、濾過して塗工液を得た。例示化合物1と化合物2の極大吸収は、これらを混合する前と同様な極大吸収を示した。この塗工液を、バーコータ(No.18;江藤器械(株)製)でポリエチレンテレフタレート製フィルムに塗工し、乾燥することにより、近赤外線吸収フィルターを得た。
このフィルターは、800−1000nmの平均透過率は、5.9%であり、PDP用近赤外線吸収フィルターとして用いる800−1000nmの領域を有効に遮蔽していた。(図1)
更に、耐熱性および耐湿熱性を評価するため、80℃の恒温槽および、60℃、湿度90%の恒温恒湿槽に500時間入れて耐熱性及び耐湿熱性の試験を行ったところ、試験後も800−1000nmの領域を有効に遮蔽しており、フィルターの色変化もなかった。(図2、図3)
このフィルターに、富士写真フィルム(株)製UVカットフィルター(SC−39)を装着し、キセノンロングライフフェードメーター(FAL−25AX−HCB−EC)(スガ試験機社製品)により、280時間照射し、試験後測定したところ、800−1000nmの領域を有効に遮蔽しており、フィルター色変化もなかった。(図4)
比較例1
例示化合物1にかえて、下記のジチオール金属錯体(化合物9)(λmax :922nm)を用いた以外は、実施例3と同様に塗工液を製造したところ、該塗工液は946nmに最大吸収波長を有した。
Figure 2006163376
図5に該塗工液(比較例1)、化合物2および化合物9の吸光度を示す。図5から、化合物2と化合物9とを混合すると、もとの化合物の最大吸収波長が維持されず、吸収波長が変化していることが明らかである。
比較例2
例示化合物1にかえて、下記のジチオール金属錯体(化合物10)(λmax :878nm)を用いた以外は、実施例3と同様に塗工液を製造した。該塗工液は922nmに吸収波長を有した。
Figure 2006163376
図6に、該塗工液(比較例2)、化合物2および化合物10の吸光度を示す。図6から、化合物2と化合物10とを混合すると、もとの化合物の最大吸収波長が維持されず、吸収波長が変化していることが明らかである。
実施例3の近赤外線吸収フィルターの光線透過率 実施例3の近赤外線吸収フィルターの耐熱性試験後の光線透過率 実施例3の近赤外線吸収フィルターの耐湿熱性試験後の光線透過率 実施例3の近赤外線吸収フィルターの耐光性試験後の光線透過率 比較例1で得られた塗工液、化合物2および化合物9の近赤外線吸収特性 比較例2で得られた塗工液、化合物2および化合物10の近赤外線吸収特性

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2006163376
    〔式中、R1 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。R2 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良い炭化水素チオ基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。Y1 及びY2 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。ここで、R1 とR2 及びY1 とY2 は、連結基を介して環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基または置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M1 は金属原子を表す。〕
    で表される化合物を含む層を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
  2. 一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)
    Figure 2006163376
    〔式中、A及びA’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示し、R5 及びR6 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基、または、水素原子を示す。ここで、R5 とR6 は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(2)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M2 は金属原子を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(3)
    Figure 2006163376
    〔式中、B及びB’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示し、R7 及びR8 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基、または、水素原子を示す。ここで、R7 とR8 は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(3)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M3 は金属原子を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(4)
    Figure 2006163376
    〔式中、C及びC’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示し、R3 、R4 、R9 及びR10は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い複素環基、または、水素原子を示す。ここで、R3 とR4 及びR9 とR10は、互いに直接的に又は連結基を介して結ばれていても良い。あるいは、式(4)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M4 は金属原子を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(5)
    Figure 2006163376
    〔式中、D及びD’は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアリール基を示す。あるいは、式(5)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M5 は金属原子を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(6)
    Figure 2006163376
    〔式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、シアノ基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いカルボキシル基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示す。ここで、R11〜R14は隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていてもよい。あるいは、式(6)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M6 は金属原子を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(7)
    Figure 2006163376
    〔式中、R15〜R30は、それぞれ独立して、任意の置換基を示し、隣り合う2つの置換基が連結基を介して環を形成しても良い。M7 は水素原子又は金属原子(ここで、該金属原子は、金属酸化物、金属ハロゲン化物又は金属カルボニル化合物となっていてもよく、若しくは、酸と塩を形成していても良い。)を示す。〕
    で表される化合物、下記一般式(8)
    Figure 2006163376
    〔式中、R31〜R34は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い複素環基を示し、ここで、R31〜R34が、必要に応じて連結基を介しながら、一体となって環を形成していても良い。あるいは、式(8)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、または、置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M8 は金属原子示す。〕
    で表される化合物、および下記一般式(9)
    Figure 2006163376
    〔式中、R35〜R42は、各々独立して、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基又は置換基を有しても良いヘテロアリール基を示す。ここで、R35〜R42は、隣り合う2個の置換基が連結基を介してつながっていても良い。X- は、陰イオンを示す。〕
    で表される化合物からなる群より選ばれる化合物のうち1種類以上とを含有する層を有する請求項1に記載の近赤外線吸収フィルター。
  3. さらに紫外線カット層を有する請求項1または2に記載の近赤外線吸収フィルター。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターを用いたことを特徴とする電子ディスプレイ用フィルター。
  5. 下記一般式(1’)
    Figure 2006163376
    〔式中、R1 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。R2 は、置換基を有していても良い炭化水素基、置換基を有していても良いカルボニル基、置換基を有していても良い炭化水素チオ基、置換基を有していても良いシリル基、水素原子、シアノ基又はハロゲン原子を示す。Y1 及びY2 は、それぞれ独立して、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。ここで、R1 とR2 及びY1 とY2 は、連結基を介して環を形成していても良い。あるいは、式(1)にXRR' R''R''' R''''が配位して塩型をとっていても良い(ここで、Xは、第15族原子を表し、R' 、R''、R''' 、R''''は、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基または置換基を有していても良いアリール基を示す。)。M1 は金属原子を表す。〕
    で表されることを特徴とする化合物。
  6. 1 が第10族原子または第11族原子である請求項5に記載の化合物。
  7. 請求項5または6に記載の化合物からなることを特徴とする近赤外線吸収色素。
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