JP2006161980A - シリンダ保護カバー及びシリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一端(2)がピストンロッド(24)の先端部近傍にロッド側固定手段(30)により固定され、他端(3)がシリンダチューブ(22)にチューブ側固定手段(30)により固定されるシリンダ保護カバーに、ピストンロッドの伸縮によって生じる弛みを吸収する弛み吸収手段(蛇腹構造)(1)と、長手方向に一端から他端にわたり少なくとも一箇所切断された切断部(4)とを備える。
【選択図】 図6
Description
また、特許文献1にはその従来技術(特許文献1の図9参照)として、ゴムや合成樹脂製の蛇腹状円筒体をシリンダのピストンロッドに取付けた保護カバーが開示されている。この場合、蛇腹構造によってロッドの伸縮に伴う保護カバーの弛みが吸収される利点がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シリンダのピストンロッドの伸縮に伴う弛みを吸収し、かつ、ピストンロッドへの取付けが容易なシリンダ保護カバーを提供することにある。
これより、蛇腹構造によってピストンロッドの伸縮に伴う保護カバーの弛みが防止される。さらに、中空の隣り合う素材同士を中空部端部及び外径端部で互いに接着及び縫合して蛇腹構造における太径部及び細径部を形成したことにより、これら細径部及び太径部の強度が向上し、特に太径部が外部の土砂等と摺接しても擦り切れたり、剥がれたりすることが防止される。また、細径部や太径部に特にばね材やワイヤ等の補強部材を必要としないため、腐食に伴いカバー素材が裂けてしまうようなことがない。
これにより、ピストンロッドが収縮する際、蛇腹構造の太径部が後段のより外径の大きな素材面を押し付けるように作用するため、保護カバーがきれいに折り畳まれながら収縮する。
このように切断部を千鳥状に切断すると、自由端となる切断部近傍が多少めくれてもこれらが重なり合うことがないため、収縮時において切断部近傍が長手方向に厚くなることが防止される。
これより、保護カバーがピストンロッドに沿って保持され、例えばシリンダが水平になった場合であっても自重により下方に大きく垂れてしまうことがない。
これより、保護カバーがピストンロッドから離れた位置で折り畳まれていくため、折り畳まれた部分がシリンダチューブ端とピストンロッド先端の保護カバー取付部との間に挟み込まれることが防止される。
請求項8に係るシリンダ保護カバーでは、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記ロッド側固定手段及び前記チューブ側固定手段は、それぞれ前記ピストンロッド及び前記シリンダチューブの外径に応じた径寸法に対応して締付けるバンド部材と、該バンド部材を覆う保護部材とを有することを特徴とする。
また、請求項4に係るシリンダ保護カバーによれば、切断部を千鳥状にすることで、自由端となる切断部近傍が多少めくれてもこれらが重なり合わないようにでき、収縮時において切断部近傍が長手方向に厚くならないようにでき、やはり収縮時の見栄えを向上させることができる。
また、請求項8に係るシリンダ保護カバーによれば、保護カバーのシリンダへの固定にカバー部材で覆われたバンド部材を用いることにより、バンド部材でシリンダ保護カバーを傷つけてしまうことを未然に防止できる。
図1〜図10は、本発明に係るシリンダ保護カバー(以下、単に保護カバーともいう)の第1の実施形態を説明するためのもので、図1は保護カバー全体を伸ばした際の外観図、図2は図1を反転させて逆側から見た図、図3は保護カバーを広げた状態を示す斜視図、図4は保護カバーを縮めた際の外観図、図5は保護カバーの製作過程の一部を示す図、図6は保護カバーをシリンダに装着しピストンロッドを伸ばした際の外観図、図7は保護カバーをシリンダに装着しピストンロッドを縮めた際の外観図、図8はシリンダチューブ側の取付部の外観図、図9は保護カバーをピストンロッドに装着した際の保護カバーとピストンロッドとの関係を示す模式図、図10は、保護カバーをシリンダに緊縛固定するためのバンド部材の外観を示す図である。
さらに、太径部5,5,・・・は、チューブ側取付部3に近いほどその外径が大きくなり、太径部5,5,・・・の外接線がロッド側取付部2からチューブ側取付部3に向けて全体としてテーパ形状を形成するよう設けられている(R1<R2)。一方、細径部6,6,・・・については内径がピストンロッドの外径より若干大きく略一定となるように設けられている(r=一定)。
また、図1に示すように、チューブ側取付部3の切断部4とは180度ずれた反対側の面には、チューブ側取付部3の端部から切り欠かれ且つ矩形にくり抜かれた切欠き孔7が設けられている。
なお、上述したように太径部5,5,・・・の外接線をテーパ状に形成するため、中空部端部同士を接着及び縫合する素材10−1と素材10−2とでは、シリンダチューブ側の素材10−1の方が隣接するピストンロッド先端側の素材10−2よりも外径がδ1だけ大きくなっている。同様に、素材10−4の外径は素材10−3の外径よりもδ2だけ小さくなっている。一方、外径端部同士を接着及び縫合する一対の素材10−2と素材10−3とは同一の外径と内径を有して同じ形状をしている。
次に、同図5(d)に示すように、素材10−2と素材10−3とをその外径端部同士で接着縫合する。これにより太径部5が形成される。
以上の工程を蛇腹構造の段数に応じ繰り返し行うことにより、蛇腹構造を有するカバー部1が作製される。そして、当該カバー部1にロッド側取付部2及びチューブ側取付部3を接着或いは縫合することで保護カバーが作製される。
ここに、バンド部材30は、図10(a)に示すように、締付具31をドライバ等でねじ込むことにより内径を変えられるものであり、当該バンド部材30は、同図10(b)に示すように、金属のベルト部30bを樹脂材等のカバー(保護部材)30aで覆うようにして構成されている。
また、細径部6,6,・・・については、図9に示すように、内径がピストンロッド24の外径より若干大きく略一定であることから(r=一定)、カバー部1はピストンロッド24に沿って保持されることになり、例えばシリンダ20が図9の如く水平になった場合であっても、保護カバーが自重により下方に大きく垂れてしまうことを防止できる。これにより、ピストンロッド24の収縮時において、カバー部1全体をより一層きれいに折畳むことができ、収縮時の見栄えをさらに向上させることができる。
図14は、第2の実施形態の保護カバーを切断部4側から見た図であり、当該第2の実施形態では、カバー部13において切断部4a,4a,・・・と切断部4b,4b,・・・とがロッド側取付部(一端)2からチューブ側取付部(他端)3にわたり交互にその位置をずらしながら千鳥状に設けられている。
これに対し、第2の実施形態では、切断面4を切断部4a,4a,・・・及び切断部4b,4b,・・・のように径方向で蛇腹の段毎に交互にずらした形で千鳥状に形成しているので、ピストンロッド24の収縮時に切断部4aの対向縁或いは切断部4bの対向縁に変形が生じたとしてもこれらが重なり合うことがなく、収縮時において保護カバーが長手方向に厚くなることを防止できる。これにより収縮時の見栄えが悪化することを回避することができる。
この場合であっても、上記同様、ピストンロッド24の収縮時に両対向縁に変形が生じたとしてもこれらが重なり合うことがなく、収縮時において保護カバーが長手方向に厚くなることを防止でき、収縮時の見栄えが悪化することを回避することができる。
次に、図16を用いて本発明に係るシリンダ保護カバーの第3の実施形態について説明する。なお、ここでは上記第1の実施形態或いは第2の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
例えば、上記各実施形態では、太径部5及び細径部6を接着材により接着するようにしたが、両面テープ等他の接合部材を使用してもよい。
また、ここでは一対の素材同士を単に接着し縫合するだけの構成としたが、素材間に別の素材を単数または複数枚介在させてもよい。このようにすれば耐摩耗性をさらに強化することができる。
また、上記各実施形態では、シリンダ20が例えば油圧ショベル等の建設機械に設けられる油圧シリンダである場合を例に説明したが、本発明は当然に水圧シリンダ、空気圧シリンダ等に対しても良好に適用可能である。
2 ロッド側固定部(ロッド側固定手段)
3 チューブ側固定部(チューブ側固定手段)
4 切断部
5 太径部
6 細径部
7 切欠き孔
10 素材
11〜15 カバー部
20 シリンダ
22 シリンダチューブ
24 ピストンロッド
25 油圧配管
26 配管取付部
30 バンド部材
Claims (9)
- シリンダの表面を覆うべく両端が開口した筒状体で形成され、一端がピストンロッドの先端部近傍にロッド側固定手段により固定され、他端がシリンダチューブにチューブ側固定手段により固定されるシリンダ保護カバーであって、
前記ピストンロッドの伸縮によって生じる弛みを吸収する弛み吸収手段と、
長手方向に前記一端から前記他端にわたり少なくとも一箇所切断された切断部とを備えたことを特徴とするシリンダ保護カバー。 - 前記弛み吸収手段は、前記筒状体を蛇腹状に伸縮させるべく細径部と太径部とを交互に繰り返し有する蛇腹構造で形成され、
該蛇腹構造の前記細径部及び前記太径部は、中空の隣り合う素材同士が中空部端部及び外径端部で互いに接着及び縫合されて形成されることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ保護カバー。 - 前記蛇腹構造は、前記太径部の外径寸法が前記一端から前記他端に向けて徐々に大きくなるよう形成されることを特徴とする、請求項2に記載のシリンダ保護カバー。
- 前記切断部が千鳥状に切断されてなることを特徴とする、請求項2または3に記載のシリンダ保護カバー。
- 前記蛇腹構造は、前記細径部の内径寸法が前記一端から前記他端にかけて略同径となるよう形成されることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれかに記載のシリンダ保護カバー。
- 前記蛇腹構造は、前記細径部の内径寸法が前記一端から前記他端に向けて徐々に大きくなるよう形成されることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれかに記載のシリンダ保護カバー。
- 前記筒状体は、前記切断部が前記シリンダの取付けられる部材側を向くよう前記シリンダに固定されてなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載のシリンダ保護カバー。
- 前記ロッド側固定手段及び前記チューブ側固定手段は、それぞれ前記ピストンロッド及び前記シリンダチューブの外径に応じた径寸法に対応して締付けるバンド部材と、該バンド部材を覆う保護部材とを有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のシリンダ保護カバー。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のシリンダ保護カバーを備えたことを特徴とするシリンダ。
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