JP2006161944A - 混合水栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】
バイアスばねの傾きを少なくして伸縮させて、スプール弁を目的位置に確実にスライドさせることができ、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる混合水栓を提供する。
【解決手段】
この混合水栓10は、湯流入口33と、水流入口34と、吐出口35とを有するケース30と、湯と水との混合比を変化させるスプール弁40と、スプール弁40を一方向に押圧するバイアスばね21と、スプール弁40を対向方向に押圧する形状記憶合金ばね22とを備える。バイアスばね21の一端は第1ばね座50を介してスプール弁40の一端に当接し、バイアスばね21の他端は第2ばね座60を介して支持され、第1ばね座50と第2ばね座60との間に、それらを軸方向に対して平行を保ちつつ摺動可能とするピン部材54及びシリンダ63からなるガイド手段が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、別々に流入された湯と水との混合比を調整し、所望の温度の混合水を吐出する混合水栓に関する。
従来、別々に流入された湯と水との混合比を、温度によって形状が変化する形状記憶合金を用いて調整し、所望温度の混合水を吐出する混合水栓が知られている。
下記特許文献1には、湯及び水の各流入孔に臨んで軸方向に移動可能なスプール弁(制御弁体)と、下流側に配置された形状記憶合金ばね(感温スプリング)と、上流側に配置されたバイアスばね(バイアススプリング)とを備え、バイアスばねは、その軸方向両端を拘束する2つの部材とこれらの部材を結合する部材とによって予め圧縮変形させた混合水栓(湯水混合装置)が開示されている。そして、混合水の温度に応じて形状記憶合金ばねが伸縮し、スプール弁をスライドさせて、水量及び湯量を調整することにより、混合水の温度を調整する。
上記バイアスばね21は、図5に示す構造にて圧縮された状態で支持されている。すなわち、大小2つの円筒からなり、小径円筒の周壁に対向した2つの孔111(係合孔)を形成し、図示しないスプール弁に当接する第1ばね座110(ヘッド)と、略帽子形状をなし、その底面に2つの孔121が形成された第2ばね座120(保持座)とを有する。
連結部材130(フック)は、その両端が孔111に挿入され、U字状に延出した中間部が孔123に入り込み、第1ばね座110と第2ばね座120とが連結部材130によって連結される。バイアスばね21は、一端が第1ばね座110に当接し、他端が第2ばね座120に当接して支持され、第1ばね座110及び第2ばね座120のそれぞれは、バイアスばね21を介して軸方向に摺動可能とされている。
特開平8−75037号公報
上記混合水栓は、混合水の温度を一定に保持したり、或いは、混合水の温度を高くしたり低くしたりする場合、形状記憶合金ばね及びバイアスばね21に挟持されるスプール弁が、双方のばねの伸縮に連動して目的位置にスライドすることによってなされる。
しかしながら、バイアスばね21は、弾性を有するコイル形状をなし、軸方向のみならず周方向にも比較的変形しやすい。そのため、第2ばね座120若しくは第1ばね座110に押圧されても、常に軸方向に対して真直ぐに伸縮するとは限らず、傾いて伸縮することがある。例えば、混合水の温度を高める場合、第2ばね座120及び第1ばね座110を、バイアスばね21を介して下流側(図5、矢印A方向)に摺動させ、スプール弁を下流側にスライドさせるが、この際に図6に示すように、バイアスばね21が大きく曲がって傾きやすい。このため、第1ばね座110を介してスプール弁が傾いてしまい、バイアスばねの押圧力に応じてスプール弁がスムーズにスライドせず、スプール弁を目的位置にスライドさせることができないことがあった。
このようにバイアスばね21が傾くと、通常はバイアスばね21と形状記憶合金ばねとが真直ぐに伸縮することを前提として決定される、スプール弁のスライド量を制御できなくなり、混合水の温度調整が確実になされず、温度変動のばらつきが大きくなってしまう。
したがって、本発明の目的は、バイアスばねの伸縮時における傾きを少なくして、スプール弁を目的位置に確実にスライドさせることができ、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる混合水栓を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、湯流入口と、水流入口と、混合水の吐出口とを有するケースと、
このケース内にスライド可能に配置され、前記湯流入口と前記水流入口とを連通させると共に、そのスライドによって前記湯流入口及び前記水流入口の開口面積を変化させて、湯と水との混合比を変化させるスプール弁と、
このスプール弁を一方向に押圧するように前記ケース内に配置されたバイアスばねと、
前記スプール弁を上記と対向する方向に押圧するように前記ケース内に配置された形状記憶合金ばねとを備えた混合水栓において、
前記バイアスばねの一端は第1ばね座を介して前記スプール弁の一端に当接し、前記バイアスばねの他端は第2ばね座を介して支持されており、
前記第1ばね座と前記第2ばね座との間には、それらを軸方向に対して平行を保ちつつ摺動可能とするガイド手段が設けられていることを特徴とする混合水栓を提供するものである。
上記第1の発明によれば、混合水の温度を高めたり低くしたりする場合は、第2ばね座及び第1ばね座を、バイアスばねを介して下流側若しくは上流側に摺動させてスプール弁をスライドさせ、湯流入口及び水流入口の開口面積を変化させることにより、混合水の温度を調整する。また、混合水の温度を一定に保持する場合には、形状記憶合金ばねの伸縮とバイアスばねの伸縮に連動して、スプール弁がスライドして、湯流入口及び水流入口の開口面積を変化させることにより、混合水の温度を一定に保持する。
その際、第1ばね座と第2ばね座との間には、それらを軸方向に対して平行を保ちつつ摺動可能とするガイド手段が設けられているので、バイアスばねの傾きを少なくして伸縮させることができる。そのため、第1ばね座がほとんど傾くことなくスプール弁に当接し、スプール弁にバイアスばねの押圧力が正確に伝達されるので、形状記憶合金ばねの伸縮と相俟って、スプール弁のスライド量を正確に制御可能となり、スプール弁を目的位置に確実にスライドさせることができる。また、バイアスばねは、上記ガイド手段によりスライド可能に支持されるので、湯水の流入等によって揺動したり、振動したりすることがなくなる。したがって、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に突出する筒状のシリンダと、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の他方から軸方向に突出して、前記シリンダの内周に入り込むピン部材とからなる混合水栓を提供するものである。
上記第2の発明によれば、シリンダの内周にピン部材が入り込み、ピン部材はシリンダの内周に拘束されて軸方向に摺動し、シリンダはピン部材の外周に拘束されて軸方向に摺動するので、第1ばね座及び第2ばね座を軸方向に沿って傾くことなくスライドさせることができる。
本発明の第3は、前記第2の発明において、前記シリンダは、前記第2ばね座から突出し、前記ピン部材は、前記第1ばね座から突出する混合水栓を提供するものである。
上記第3の発明によれば、湯又は水の各流入口の開口面積を調整するスプール弁に当接して配置された第1ばね座から、容積が小さいピン部材が突出しているので、ケース内に流入してくる湯又は水の妨げとなることや、それらの流れの変動を引き起こすことが少なくなり、安定して温度調整をすることができる。
本発明の第4は、前記第2又は第3の発明において、前記シリンダは、先端開口部から軸方向に沿って複数のスリットが形成され、前記開口部内周にリブが設けられ、このリブの開口面側にテーパ面が形成されており、前記ピン部材の先端部には、前記シリンダの前記リブの奥方に位置する内周に適合する拡径部が形成されている混合水栓を提供するものである。
上記第4の発明によれば、まず、バイアスばねをシリンダ若しくはピン部材に装着後、ピン部材をシリンダの開口部に押し込むことにより、リブのテーパ面が押圧されて、シリンダがスリットにより広がって拡径し、拡径部がリブを乗り越えると、シリンダ内にピン部材の拡径部が入り込んで、リブにより抜け止めされて組付けられる。このように、バイアスばねを装着後、ピン部材をシリンダの開口部に押し込むだけで、ワンタッチで簡単に、ピン部材をシリンダに組付けることができ作業性が向上する。
本発明の第5は、前記第1の発明において、前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に突出し、断面放射状のスリットを有する第1柱状部材と、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の他方から軸方向に突出し、前記スリットに挿入される放射状のリブを有する第2柱状部材とからなる混合水栓を提供するものである。
上記第5の発明によれば、断面放射状のスリットに、放射状のリブが入り込むので、第1柱状部材若しくは第2柱状部材が、周方向に回転したり、傾いたり、がたついたりすることなく摺動し、ガイド性がより向上する。
本発明の第6は、前記第5の発明において、前記第1柱状部材又は前記第2柱状部材には、前記第1柱状部材の前記スリットによって分割された各柱状部を開き止めするためのリングが装着されている混合水栓を提供するものである。
上記第6の発明によれば、第1柱状部材又は第2柱状部材には、スリットによって分割された各柱状部を開き止めするためのリングが装着されているので、各柱状部が開いてしまってガイド性が低下することがなく、長期間に亘ってガイド性を維持できる。
本発明の第7は、前記第6の発明において、前記第1柱状部材の先端部には、外周方向に拡径する拡径部が形成され、前記第2柱状部材の先端部外周には、凹溝が形成され、該凹溝に前記リングが嵌着されており、前記第1柱状部材の前記拡径部よりも基部側の外周が、前記リング内周に摺接している混合水栓を提供するものである。
上記第7の発明によれば、第2柱状部材の凹溝にリングが嵌着され、第1柱状部材の拡径部よりも基部側の外周が、リング内周に摺接しているので、第1柱状部材の拡径部は、リングによって抜け止めされて、第2柱状部材と第1柱状部材とが抜け外れることなく、摺動可能となり信頼性が高まる。
本発明の第8は、前記第1の発明において、前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に延出されて前記バイアスばね外周を囲む第1円筒部材と、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の他方から延出されて前記第1円筒部材の外周に摺接する第2円筒部材とからなる混合水栓を提供するものである。
上記第8の発明によれば、第2円筒部材の内周に、第1円筒部材が配置され、更に第1円筒部材の内周にバイアスばねが配置されているので、バイアスばねが第1円筒部材の内周で外周を保持されつつ伸縮するので、バイアスばねの傾きをより確実に防止して、正確な押圧力を付与することができる。
本発明の混合水栓によれば、バイアスばねと形状記憶合金ばねとの伸縮に連動して、スプール弁がスライドし、湯流入口及び水流入口の開口面積が変化するので、混合水の温度を調整できる。バイアスばねは、第1ばね座及び第2ばね座に支持され、かつ、第1ばね座と第2ばね座との間には、それらを軸方向に対して平行を保ちつつ摺動可能とするガイド手段が設けられているので、バイアスばねの傾きを少なくして伸縮させることができる。こうして、第1ばね座がほとんど傾くことなくスプール弁に当接するので、スプール弁を目的位置に確実にスライド可能となり、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる。
以下、図1、2を参照して、本発明の混合水栓の一実施形態を説明する。
この混合水栓10は、例えば、水洗トイレ用洗浄器、風呂の給湯用蛇口、風呂又は洗面所のシャワー、台所流し等に適用され、使用者に最適な温度の混合水を供給するものである。
混合水栓10は、筒状のハウジング20を有し、このハウジング20内に、ケース30が収容されている。ケース30内には、軸方向にスライド可能とされたスプール弁40と、スプール弁40を一方向に押圧するバイアスばね21と、スプール弁40をバイアスばね21と対向する方向に押圧する形状記憶合金ばね22とがそれぞれ配置されている。
ケース30は、バルブケース31と、バルブキャップ32とからなる。バルブケース31の一端内周にめねじ31aが形成され、バルブキャップ32の一端外周におねじ32aが形成され、これらによりバルブケース31とバルブキャップ32とが螺着されている。
バルブケース31の側壁には、湯流入口33と水流入口34がバルブケース31の軸方向に沿って並んで形成されている。バルブキャップ32の他端開口部は、周縁が内方に向けて環状に突出し、混合水の吐出口35が形成されている。また、バルブケース31及びバルブキャップ32の外周には、ハウジング20とシール性を保つために、Oリング36が装着されている。
スプール弁40は、略筒状をなし、軸方向の所定位置から内周方向に環状に突出する突出部41が設けられ、その両端が湯流入口33及び水流入口34にかかるように、バルブケース31内に配置される。また、前記突出部41は、連通口42により連通している。
突出部41の下流側(吐出口35側)端面には、湯水の流路を設けたばね受け部材37が、その一端面にて当接している。このばね受け部材37の更に下流側には、例えばNi−Ti合金等からなる形状記憶合金ばね22(以下、合金ばね22という)が配置されている。合金ばね22外周にはブッシュ38が介装され、ブッシュ38の端面と、ばね受け部材37の端面とが当接して、合金ばね22の押圧力が、ブッシュ38及びばね受け部材37を介してスプール弁40に作用する。
突出部41の上流側端面には、第1ばね座50が当接し、この第1ばね座50に第2ばね座60が組付けられている。図2(a)に示すように、第1ばね座50は、円板状の基部51を有し、この基部51の端面の外周に沿って均等な間隔をおいて、軸方向に4つの脚部52が延出している。この脚部52間が湯水の流路となる。また、基部51の背面側に、基部51よりも小径の段部53が設けられ、この段部53中央から軸方向にピン部材54が延出し、ピン部材54の先端部外周には拡径部55が設けられている。この拡径部55は、後述するシリンダ63のリブ65の奥方に位置する内周に適合する外径とされている。
第2ばね座60は、円筒状の筒部61と、この筒部61の一端面から段部62を介して軸方向に延出したシリンダ63とからなる。また、シリンダ63は、先端開口部から軸方向に沿って複数のスリット64が形成されている。この実施形態の場合、所定間隔をあけて周方向均等に4つのスリット64が形成されている(図2(b)参照)。また、開口部周縁から内周方向に環状に突出するリブ65が形成されており、このリブ65内周には、筒部61に向かって次第に縮径するテーパ面66が形成されている。
上述の第1ばね座50のピン部材54と、第2ばね座60のシリンダ63とが、本発明におけるガイド手段をなしている。また、図2(a)に示す、シリンダ63内周と、ピン部材54の拡径部55外周とのクリアランスθ(ピン部材54をシリンダ63内のほぼ真中に位置した場合における)は、0.05〜0.3mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.2mmである。θが0.05mm未満であると、ピン部材54がシリンダ63に密接しすぎて、摩擦抵抗が過大となり摺動性が低減し、更には、ピン部材54がシリンダ63内部で詰まってしまって摺動しなくなる恐れが生じる。一方、θが0.3mmを超えると、ピン部材54が大きく傾いてしまって、ピン部材54とシリンダ63とのガイド性が保てなくなる。
なお、この実施形態の場合、ピン部材54が第1ばね座50から、シリンダ68が第2ばね座60からそれぞれ突出しているが、ピン部材54が第2ばね座60から、シリンダ68が第1ばね座50から突出するようにしてもよい。
バイアスばね21は、その一端が第1ばね座50の基部51背面に当接し、他端が第2ばね座60の筒部61端面に当接して、第1ばね座50と第2ばね座60との間で支持、介装されている。そして、バイアスばね21の押圧力が、第1ばね座50を介して、スプール弁40に作用する。
なお、第1ばね座50の段部53及び第2ばね座60の段部62は、バイアスばね21を介装したときに、周方向に対する位置決めとなる。
第2ばね座60の筒部61内周には雌ねじ61aが形成され、これにスピンドルピン70の先端部に形成された雄ねじが螺合している。スピンドルピン70の他端はケース30から延出して、温調ハンドル71に固着されている。そして、温調ハンドル71を回転させると、スピンドルピン70を介して、第2ばね座60が軸方向に移動動するようになっている。
次に、本発明の混合水栓10の作用について説明する。
図1に示すように、混合水栓10に湯Hと水Cを供給すると、湯Hは、湯流入口33からケース30内に流入し、スプール弁40の端部を回って、第1ばね座50の脚部52間及びスプール弁40の連通口42を通り、合金ばね22の内部に流入する。一方、水Cは、水流入口34からケース30内に流入し、ばね受け部材37の流路を通って、合金ばね22の内部に流入する。そして、合金ばね22の内部に至った湯H及び水Cは、混合されながら吐出口35に向かって流れ、所定温度の混合水として吐出される。
この際、合金ばね22の内部を流れる混合水の温度が設定温度より高い場合は、合金ばね22は形状復帰して伸び、ブッシュ38及びばね受け部材37を介して、スプール弁40を上流側に押圧してスライドさせる。すると、湯流入口33の開口面積が狭まり、水流入口34の開口面積が広がるので、水Cの混合比率が高くなって混合水の温度は低くなる。
一方、合金ばね22の内部を流れる混合水の温度が設定温度より低い場合には、合金ばね22は縮んで、第1ばね座50を介して、バイアスばね21が、スプール弁40を下流側に押圧してスライドさせる。すると、湯流入口33の開口面積が広がり、水流入口34の開口面積が狭まるので、湯Hの混合比率が高くなって混合水の温度は高くなる。
ところで、混合水の吐出温度を高くしたり低くしたりしたい場合は、温調ハンドル71を回転させて、第2ばね座60の位置を調整することにより、任意の温度に設定することができる。
すなわち、設定温度を高くしたい場合は、温調ハンドル71を回転させて、スピンドルピン70を介して、第2ばね座60を下流側に摺動させる。すると、バイアスばね21と合金ばね22のバランスによって、第1ばね座50が下流側に摺動し、スプール弁40を下流側にスライドさせて、湯流入口33の開口面積を広げて、水流入口34の開口面積を狭めるので、湯Hの混合比率が高くなって混合水の温度は高くなる。
一方、設定温度を低くしたい場合には、温調ハンドル71を回転させて、スピンドルピン70を介して、第2ばね座60を上流側に摺動させる。すると、バイアスばね21が伸びて、合金ばね22がスプール弁40を上流側に押圧してスライドさせて、湯流入口33の開口面積を狭めて、水流入口34の開口面積を広げるので、水Cの混合比率が高くなって混合水の温度は低くなる。
このように、合金ばね22及びバイアスばね21の伸縮に連動するスプール弁40のスライド動作によって、湯流入口33及び水流入口34の開口面積を変化させることにより、混合水の温度を調整することができる。
この実施形態の混合水栓10では、バイアスばね21を、第1ばね座50及び第2ばね座60に支持させ、かつ、第1ばね座50と第2ばね座60との間には、それらを軸方向に対して平行を保ちつつ摺動可能とするガイド手段として、ピン部材54とシリンダ63とを設けた。
そのため、図2(a)に示す想像線で示される程度しか傾かず、バイアスばね21の傾きを少なくして伸縮させることができ、第1ばね座50がほとんど傾くことなくスプール弁40に当接し、スプール弁40にバイアスばね21の押圧力が正確に伝達されるので、合金ばね22の伸縮と相俟って、スプール弁40のスライド量を正確に制御可能となり、スプール弁40を目的位置に確実にスライドさせることができる。また、バイアスばね21は、上記ガイド手段によりスライド可能に支持されるので、湯Hや水Cの流入等によって揺動したり、振動したりすることがなくなる。したがって、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる。
また、ガイド手段として、シリンダ63とピン部材54とを採用した。これによると、シリンダ63の内周にピン部材54が入り込み、ピン部材54はシリンダ63の内周に拘束されて軸方向に摺動し、シリンダ63はピン部材54の外周に拘束されて軸方向に摺動するので、第1ばね座50及び第2ばね座60を軸方向に沿って傾くことなくスライドさせることができる。
更に、シリンダ63は第2ばね座60から突出し、ピン部材54は第1ばね座50から突出している。これによると、湯流入口33又は水流入口34の開口面積を調整するスプール弁40に当接して配置された第1ばね座50から、容積が小さいピン部材54が突出しているので、ケース30内に流入してくる湯H又は水Cの妨げとなることや、それらの流れの変動を引き起こすことが少なくなり、安定して温度調整をすることができる。
また、シリンダ63には、スリット64、及び、テーパ面66を有するリブ65が設けられ、ピン部材54の先端部に拡径部55を設けた。これによれば、まず、バイアスばね21をシリンダ63若しくはピン部材54に装着後、ピン部材54をシリンダ63の開口部に押し込むことにより、リブ65のテーパ面66が押圧されて、シリンダ63がスリット64により広がって拡径し、拡径部55がリブ65を乗り越えると、シリンダ63内にピン部材54の拡径部55が入り込んで、リブ65により抜け止めされて組付けられる。このように、バイアスばね21を装着後、ピン部材54をシリンダ63の開口部に押し込むだけで、ワンタッチで簡単に、ピン部材54をシリンダ63に組付けることができ作業性が向上する。
図3(a)、(b)には、本発明による混合水栓10の他の実施形態10aが示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略することにする。
この実施形態10aは、第1ばね座50と第2ばね座60との間に形成されたガイド手段が前記実施形態と異なる。
すなわち、第1ばね座50には、基部51の脚部52と反対側の端面から軸方向に、断面放射状のスリット56aを有する円筒状の第1柱状部材56が突出している。この実施形態の場合、スリット56aは、軸方向から見て十字形状に形成されている。また、第1柱状部材56の先端部には、外周方向に拡径する拡径部57が形成されている。
第2ばね座60には、筒部61の一端面から軸方向に、放射状のリブ67aを有する第2柱状部材67が突出している。リブ67aは、前記スリット56a内に入り込むことが可能なように、軸方向から見て十字形状となっている。また、第2柱状部材67の先端部外周には、所定深さの凹溝67bが形成されている。
そして、上記第1柱状部材56及び第2柱状部材67が、この実施形態におけるガイド手段をなし、スリット56aにリブ67aが入り込んで、各柱状部材が相互に摺動するので、それらが周方向に回転したり、傾いたり、がたついたりすることなく摺動し、ガイド性がより向上する。
また、リング72は、スリット56aによって分割された各柱状部を開き止めするための役割を果たすので、各柱状部が開いてしまってガイド性が低下することがなく、長期間に亘ってガイド性を維持できる。
なお、上記第1柱状部材56及び第2柱状部材67を組付けるには、バイアスばね21をどちらかの柱状部材に装着した後、スリット56aとリブ67aとを整合させ、一方の柱状部材を、他方の柱状部材に対して押し込む。そして、例えばC字状や、一部がカットされた環状のリング72を、第2柱状部材67の凹溝67bに嵌め込むことにより組付けられる。この場合、第1柱状部材56の拡径部57よりも基部側の外周(図3(a)中、符号Bで示す)が、リング72内周に摺接するので、第1柱状部材56の拡径部57は、リング72によって抜け止めされて、第2柱状部材67と第1柱状部材56とが抜け外れることなく、摺動可能となり信頼性が高まる。
なお、この実施形態の場合、第1柱状部材56が第2ばね座60から、第2柱状部材67が第1ばね座50から突出するようにしてもよい。
図4には、本発明による混合水栓10の更に他の実施形態10bが示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略することにする。
この実施形態10bは、第1ばね座50と第2ばね座60との間に形成されたガイド手段が前記実施形態と異なる。
すなわち、第1ばね座50には、基部51の脚部52と反対側の端面から軸方向に、基部51よりもやや大径の第1円筒部材58が延出している。この第1円筒部材58内周には、バイアスばね21が収容されるようになっている。また、第1円筒部材58の先端部には、外周方向に拡径する拡径部59が設けられている。
第2ばね座60には、筒部61の一端面からその周縁に沿って軸方向に、第2円筒部材68が延出しており、先端開口部から軸方向に沿って、周方向均等に4つのスリット68aが設けられている。また、開口部周縁から内周方向に環状に突出するリブ68bが形成され、このリブ68a内周に、筒部61に向かって次第に縮径するテーパ面68cが形成されている。また、筒部61の一端面中央から所定径のばね台座69が突出している。
この実施形態によれば、第2円筒部材68の内周に、第1円筒部材58が配置され、更に第1円筒部材58の内周にバイアスばね21が配置されているので、バイアスばね21が第1円筒部材58の内周で外周を保持されつつ伸縮するので、バイアスばね21の傾きをより確実に防止して、正確な押圧力を付与することができる。
また、前記実施形態と同様に、バイアスばね21を第1円筒部材58に収容後、第1円筒部材58を、第2円筒部材68の開口部に押し込むだけで、ワンタッチで簡単に、第1円筒部材58を第2円筒部材68に組付けることができ作業性がよく、リブ68bが拡径部59に当接して抜け止めされるので、安定したガイド性を維持することができる。
なお、この実施形態の場合、第1円筒部材58が第2ばね座50から、第2円筒部材68が第1ばね座50から突出するようにしてもよい。
まず、ガイド手段を有しない以外は、図1に示す構造と同様の混合水栓を用いて、次の試験を行った。
温調試験
次のようにして混合水の温度が所望の温度となるように調整した。
(a)湯Hを一定圧力に維持し、水Cの圧力を次第に増加させた。
(b)湯Hを一定圧力に維持し、水Cの圧力を次第に減少させた。
(c)水Cを一定圧力に維持し、湯Hの圧力を次第に増加させた。
(d)水Cを一定圧力に維持し、湯Hの圧力を次第に減少させた。
上記(a)〜(d)の条件で、混合水を所望の温度に調整しようとした際に、その所定温度に対して、何度のばらつきがある混合水となるかを測定した。その結果を、図6に示す。この場合、温度の変動幅が小さいほど、安定して所望の温度に調整できることを意味する。
図7に示すように、ガイド手段を有しない混合水栓の場合、温度変動幅が17℃と極めて大きく、所望の温度にうまく調整できないことが分かった。
次に、本発明の混合水栓について、上記と同様の温調試験を行った。
この際、ピン部材54の拡径部55の軸方向の長さLは、6mmで一定のものを使用した。そして、ピン部材54の外径を変化させ、シリンダ63内周と、ピン部材54の拡径部55外周とのクリアランスθを0.4〜0.05mmと変化させた、混合水栓に対して上記温調試験を行った。その結果を表1に示す。
この表中、Xは下記の数式(I)により算出されるもので、ピン部材54とシリンダ63とのガイド性能の目安となる。
X=L/B・・・・・(I)
また、スティックとは、ピン部材54がシリンダ63内周で詰まってしまって、摺動しなくなった現象をいう。この際、◎は、スティックが全く発生しなかった場合、○は、スティックが若干発生して、ピン部材の摺動性しにくくなった場合(但し、完全に摺動しなくなったわけではない)、×は、スティックの発生によって、ピン部材54が全く摺動しなくなった場合を意味する。
Figure 2006161944
上記表1より、本発明のガイド手段を備えた混合水栓によれば、バイアスばね21の傾きを少なくすることができるので、混合水の温度変動幅が極めて少なくなることが分かった。そのため、所望の温度に混合水を確実に調整でき、混合水が突然熱くなったり冷たくなったりすることがないので、使用者の安全性を確保でき、温水を勢いよく出したいときや、弱めに出したいときでも問題がなく、混合水栓として好適であることが理解できる。また、その中でも、スティックが発生せず、温度変動幅の小さくなる、Xが20〜60の範囲であることが好ましく、Xが30〜60の範囲であればより好ましいことが分かる。
本発明は、バイアスばねの伸縮時における傾きを少なくして伸縮させて、スプール弁を目的位置に確実にスライドさせることができ、混合水の温度を安定して、かつ、温度変動のばらつきを少なくして調整することができる混合水栓として利用できる。
本発明の混合水栓の断面図である。 同混合水栓のガイド手段を示しており、(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は(a)のI―I矢視線における断面図である。 本発明の混合水栓の他の実施形態におけるガイド手段を示しており、(a)はその説明図、(b)はII―II矢視線における断面図である。 本発明の混同水洗の更に他の実施形態におけるガイド手段を示す断面図である。 従来の混合水栓のバイアスばねの支持構造を示す断面図である。 従来の混合水栓のバイアスばねの支持構造により、バイアスばねが傾いた場合の断面図である。 従来の混合水栓の温調試験結果を示す図である。
符号の説明
10 混合水栓
21 バイアスばね
22 形状記憶合金ばね(合金ばね)
30 ケース
33 湯流入口
34 水流入口
35 吐出口
40 スプール弁
50 第1ばね座
54 ピン部材
55、57 拡径部
56 第1柱状部材
56a、64 スリット
58 第1円筒部材
60 第2ばね座
63 シリンダ
65、67a リブ
66 テーパ面
67 第2柱状部材
67b 凹溝
68 第2円筒部材
72 リング

Claims (8)

  1. 湯流入口と、水流入口と、混合水の吐出口とを有するケースと、
    このケース内にスライド可能に配置され、前記湯流入口と前記水流入口とを連通させると共に、そのスライドによって前記湯流入口及び前記水流入口の開口面積を変化させて、湯と水との混合比を変化させるスプール弁と、
    このスプール弁を一方向に押圧するように前記ケース内に配置されたバイアスばねと、
    前記スプール弁を上記と対向する方向に押圧するように前記ケース内に配置された形状記憶合金ばねとを備えた混合水栓において、
    前記バイアスばねの一端は第1ばね座を介して前記スプール弁の一端に当接し、前記バイアスばねの他端は第2ばね座を介して支持されており、
    前記第1ばね座と前記第2ばね座との間には、それらを軸方向に対して平行度を保ちつつ摺動可能とするガイド手段が設けられていることを特徴とする混合水栓。
  2. 前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に突出する筒状のシリンダと、それらの他方から軸方向に突出して、前記シリンダの内周に入り込むピン部材とからなる請求項1記載の混合水栓。
  3. 前記シリンダは、前記第2ばね座から突出し、前記ピン部材は、前記第1ばね座から突出する請求項2記載の混合水栓。
  4. 前記シリンダは、先端開口部から軸方向に沿って複数のスリットが形成され、前記開口部内周にリブが設けられ、このリブの開口面側にテーパ面が形成されており、前記ピン部材の先端部には、前記シリンダの前記リブの奥方に位置する内周に適合する拡径部が形成されている請求項2又は3記載の混合水洗。
  5. 前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に突出し、断面放射状のスリットを有する第1柱状部材と、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の他方から軸方向に突出し、前記スリットに挿入される放射状のリブを有する第2柱状部材とからなる請求項1記載の混合水栓。
  6. 前記第1柱状部材又は前記第2柱状部材には、前記第1柱状部材の前記スリットによって分割された各柱状部を開き止めするためのリングが装着されている請求項5記載の混合水洗。
  7. 前記第1柱状部材の先端部には、外周方向に拡径する拡径部が形成され、前記第2柱状部材の先端部外周には、凹溝が形成され、該凹溝に前記リングが嵌着されており、前記第1柱状部材の前記拡径部よりも基部側の外周が、前記リング内周に摺接している請求項6記載の混合水栓。
  8. 前記ガイド手段は、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の一方から軸方向に延出されて前記バイアスばね外周を囲む第1円筒部材と、前記第1ばね座又は前記第2ばね座の他方から延出されて前記第1円筒部材の外周に摺接する第2円筒部材とからなる請求項1記載の混合水栓。
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