JP2006160875A - ウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウレタンプレポリマー(A)と、カルボキシ基を有するシリコーンオイル(B)とを含有するウレタン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
この要求を満たすために、ウレタン樹脂組成物に、コロイド状シリカを添加したり、更に種々の添加剤をコロイド状シリカと併用して添加する技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)
しかしながら、コロイド状シリカ等の添加に伴い、得られるウレタン樹脂組成物が貯蔵中に増粘したり、硬化時に接着面において発泡やクラックが発生したりする問題があった。
しかしながら、特許文献4に記載の発明では、所定の揺変性を得るためには脂肪酸エステル変性シリコーンオイルを相当量(ウレタンプレポリマー100質量部に対して少なくとも1質量部程度)添加する必要があり、また脂肪酸エステル変性シリコーンオイルの添加により付与される揺変性は、現在の要求特性の下では不十分となる場合があった。
即ち、本発明は、以下の(I)〜(III)に示すウレタン樹脂組成物を提供する。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ウレタンプレポリマー(A)と、カルボキシ変性シリコーンオイル(B)とを含有するウレタン樹脂組成物である。
次に、本発明のウレタン樹脂組成物に用いるウレタンプレポリマー(A)およびカルボキシ変性シリコーンオイル(B)について詳述する。
本発明に用いられるウレタンプレポリマー(A)は、通常の1液型のポリウレタン樹脂組成物と同様、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、水酸(OH)基に対して過剰のイソシアネート(NCO)基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜10質量%のNCO基を分子末端に含有するものである。
このようなウレタンプレポリマー(A)のNCO基は、空気中の水分と反応して架橋点となり、プレポリマーの柔軟な主鎖をマトリックスとするゴム弾性を有する架橋構造が形成される。
なお、分子内にNCO基を1個のみ有するモノイソシアネート化合物も、ジイソシアネート化合物等と混合することにより用いることができる。
この芳香族ジオール類としては、具体的には、例えば、レゾルシン(m−ジヒドロキシベンゼン)、キシリレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、スチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシエチルフェノール;下記に示すようなビスフェノールA構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)、ビスフェノールF構造(4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン)、臭素化ビスフェノールA構造、水添ビスフェノールA構造、ビスフェノールS構造、ビスフェノールAF構造のビスフェノール骨格を有するもの;が挙げられる。
このようなポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノールA(4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン)に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、具体的には、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール(もしくはプロピレングリコール)との反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体等が挙げられる。
上記ラクトン系ポリオールとしては、具体的には、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを適当な重合開始剤で開環重合させたもので両末端に水酸基を有するものが挙げられる。
また、ビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールとしては、上記低分子多価アルコール類に代えて、または低分子多価アルコール類とともに、ビスフェノール骨格を有するジオールを用いて得られる縮合系ポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、ビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコールとプロピレングリコールとから得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
そのため、ウレタンプレポリマー(A)の原料ポリオール化合物として、ポリエーテルポリオールを用いるのが好ましい。
本発明に用いられるカルボキシ変性シリコーンオイル(B)は、カルボキシ基を有するシリコーンオイルであれば特に限定されない。ここで、シリコーンオイルとは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーのことをいう。
このようなカルボキシ変性シリコーンオイル(B)としては、具体的には、下記一般式(1)〜(3)で表されるシリコーンオイルが好適に例示され、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、R3の炭素数1〜30のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基等が挙げられ、入手が容易で得られる本発明のウレタン樹脂組成物の揺変性がより向上する理由からメチレン基、エチレン基、プロピレン基がより好ましい。
更に、mは、0または正の整数を表し、揮発性が高くなり過ぎないように3以上の整数であるのが好ましく、3〜500であるのがより好ましい。nは、1以上の整数を表し、十分なチクソ性を発現するために0.005質量%以上の導入量となるように設定されるのがより好ましい。
同様に上記一般式(2)で表されるシリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、R1およびR2がいずれもメチル基であり、R3がメチレン基であって、重量平均分子量が100〜10000程度となるようにn(1以上の整数)が設定されてなるシリコーンオイルが挙げられる。
同様に上記一般式(3)で表されるシリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、R2がメチル基であり、R3がメチレン基であって、重量平均分子量が100〜10000程度となるようにn(1以上の整数)が設定されてなるシリコーンオイルが挙げられる。
また、本発明のウレタン樹脂組成物は、貯蔵促進後のチクソインデックスも高いことから一液として用いた場合の貯蔵安定性にも優れ、更に硬化時の発泡やクラックの発生も抑制されるものとなる。
本発明においては、上記カルボキシ変性シリコーンオイル(B)の含有量が0.1質量部と非常に少なくい含有量であっても上述の効果を奏する。これに対し、後述する実施例においても示すように、従来公知のエステル変性シリコーンオイルを用いた場合は本発明の効果と同等程度の効果を得るためには約30倍程度の含有量を要することになり、この含有量の増加に伴い貯蔵安定性が劣ることにもなる。
また、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウムも用いることができる。
具体的には、重質炭酸カルシウムとしては、ライトン A−4(備北粉化工業社製)が好適に例示され、膠質炭酸カルシウムとしては、白艶華A(白石工業社製)が好適に例示される。
また、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウムとして、ホワイトン305(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム社製)、白艶華CCR(膠質炭酸カルシウム、白石工業社製)、カルファイン200(膠質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)、脂肪酸エステルで表面処理された炭酸カルシウムとして、スノーライトSS(重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)、シーレッツ200(膠質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム社製)等が好適に用いられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような充填剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、1〜200質量部であるのが好ましく、3〜80質量部であるのがより好ましい。
このような可塑剤または軟化剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、30質量部以下であるのが好ましく、20質量部以下であるのがより好ましい。
エポキシシランとしては、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、具体的には、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ケチミンシランとしては、具体的には、例えば、ケチミン化プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。
このような溶剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、5〜20質量部であるのが好ましい。
このような本発明のウレタン樹脂組成物は、目地材、シーリング材、接着材、コーティング剤として好適に用いることができる。
<ウレタンプレポリマーA1>
ウレタンプレポリマーA1として、ポリプロピレンジオール(エクセノール3020、旭硝子社製、数平均分子量3200)1270gおよびポリプロピレントリオール(エクセノール5030、旭硝子社製、数平均分子量5000)863gに、NCO基/OH基(水酸基1個あたりのイソシアネート基の基数)で表されるインデックスが1.8となるように、キシリレンジイソシアネート(XDI、三井武田ケミカル社製)138gと、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI、三井武田ケミカル社製)115とを混合させ、スズ触媒の存在下、窒素気流中、80℃で18時間反応させることにより合成したウレタンプレポリマーを用いた。
ウレタンプレポリマーA1の100質量部に対して、下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で配合し、高粘度用混合ミキサーで均一に分散することで、ウレタン樹脂組成物を得た。
得られた各ウレタン樹脂組成物について、以下のようにしてチクソ性および耐スランプ性を評価した。その結果を下記第1表に示す。
(1)初期
得られた各ウレタン樹脂組成物について、調整(分散)後さらに20℃下で1日放置した後のチクソインデックス(TI)を20℃にて測定し、チクソ性を評価した。ここで、TIは、20℃下、B型粘度計(No.7ロータ)を用い、回転速度1rpmおよび10rpmで計測される粘度(Pa・s)の比[TI=(1rpmでの粘度)/(10rpmでの粘度)]により求めた。
(2)貯蔵促進後
得られた各ウレタン樹脂組成物について、調整(分散)後さらに70℃下で1日放置した後のTIを20℃にて測定し、チクソ性を評価した。
得られた各ウレタン樹脂組成物について、JIS A 1439:1997の「建築用シーリング材の試験方法」の4.1に規定されるスランプ試験を、20℃、60℃および80℃の環境下で行い、スランプ量(mm)を測定した。
具体的には、JIS A 1439:1997の4.1.1で規定される溝形容器(スランプ(縦))を用い、該溝形容器の溝部分に得られた各ウレタン樹脂組成物を各温度環境下で泡が入らないように注意して充填し、充填後の表面を平滑にして試験体を作製した。試験体作製後直ちに、該試験体を鉛直に懸垂して、各温度環境下に24時間置いた。各試験体に充填したウレタン樹脂組成物が、溝系容器の溝部分の下端から垂れ下がった先端までの距離をスランプ量として直尺で測定した。
・炭酸カルシウム:シーレッツ200、丸尾カルシウム社製
・カルボキシ変性シリコーンオイルB1:X22−3701E、官能基当量4000、信越化学工業社製
・カルボキシ変性シリコーンオイルB2:X22−3701、官能基当量1250、信越化学工業社製
・カルボキシ変性シリコーンオイルB3:X22−162C、官能基当量2300、信越化学工業社製
・ジメチルシリコーンオイル:KF96、信越化学工業社製
・エステル変性シリコーンオイル:KF910、信越化学工業社製
Claims (3)
- ウレタンプレポリマー(A)と、カルボキシ基を有するシリコーンオイル(B)とを含有するウレタン樹脂組成物。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、前記シリコーンオイル(B)を0.1〜20質量部含有する請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
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