JP2006160628A - アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物を提供する。
【解決手段】5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩を有効成分として用いる。
【選択図】 なし。
【解決手段】5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩を有効成分として用いる。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、特定の縮合複素環化合物又はその塩、並びにそれらを有効成分として含有するアデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物に関し、創傷治癒促進剤などの医薬として有用である。
アデノシン受容体は生体内に広く分布する7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体であり、これまでにA1、A2a、A2b及びA3の4種のサブタイプが存在することが知られている。A1とA3はアデニレートシクラーゼ抑制型Giタンパク質に、A2aとA2bは活性型Gsタンパク質にそれぞれ共役し、2次メッセンジャーであるcAMP濃度を調節することにより様々な生理機能に重要な役割を果たしているものと考えられる。A1とA2a受容体はアデノシンに対して高親和性であるのに対し、A2bとA3受容体は低親和性であり、これらサブタイプにより生体内の各組織における局在、分布がそれぞれ異なっている。また、アゴニストによるアデノシンA2a受容体への刺激は、創傷治癒促進、睡眠、体温低下、血圧低下、免疫細胞機能抑制、好中球機能抑制、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)やインターロイキン−2(IL−2)などのサイトカイン産生抑制などの様々な作用を誘発することが報告されている。
WO02/40485には糖尿病の予防又は治療剤として有用な縮合複素環化合物として、本発明化合物の上位概念化合物が記載されている。しかしながら、そこには本発明化合物各々の具体的開示はない。また、本発明化合物各々がアデノシンA2a受容体アゴニスト作用を有することは知られていない。
本発明者らは、従来知られていなかった特定の縮合複素環化合物又はその塩を合成し、それらがアデノシンA2aアゴニスト作用を有することを見出し、本発明を提案するに至った。
即ち本発明は、7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(1-ブチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(2-メチル-2-プロピル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-ブテン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-フェニルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(2-フェニルエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(2-フラニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-ブテン-1-イル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(2-チエニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-メチル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-ブチン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-メチルフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-フェニルエチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-2-(2-チエニル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、2-アミノ-7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-カルボン酸メチル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-カルボン酸、4-ベンジルアミノ-2-メチルチオイミダゾ[1,5-a]ピリミジン-3,8-ジカルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオテトラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ-2-(2-プロピル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ-2-フェノキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-3-シクロプロピル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボアルデヒド、7-ベンジルアミノ-3-(2,2-ジブロモエテニル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,6-ジカルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸、7-ベンジルアミノ-3-メチルスルホニル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-エトキシ-7-(4-ピリジル)メチルアミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(4-ピリジル)メチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,6-ジカルボニトリル、5-メチルチオ-3-ニトロ-7-(4-ピリジル)メチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(4-ニトロフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-アミノ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-アセチルアミノ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(1-ピロリジノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メチル-1-ピペリジノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-シクロプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(3-ピリジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(2-(4-モルフォリノ)エチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(2-フェニルエチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5,7-ジ(2-フェニルエチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-ニトロフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-メトキシフェニル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシベンジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-メトキシベンジル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシベンジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(2-(4-モルフォニル)エチル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(2-(4-モルフォニル)エチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3,5-ジ(2-メチル-2-プロピルチオ)-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルアミノ-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-ジメチルアミノ-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び5-ジメチルアミノ-7-(4-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩、並びにそれらをを有効成分として含有するアデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物に関する。
前記縮合複素環化合物の塩は、薬学的に許容される塩であればよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩;p−トルエンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩;カリウム塩、ナトリウム塩などのようなアルカリ金属塩;カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩などが挙げられる。また、これらの塩の中で結晶水をもつものもある。
本発明化合物は、前記WO02/40485に開示された製造方法及び後記合成例に準じた方法にて製造できる。本発明化合物のうち、アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物の有効成分としては、5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩を用いるのが特に望ましい。
次に、本発明の望ましい実施形態のいくつかを記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記縮合複素環化合物又はその塩は、アデノシンA2a受容体へのアゴニスト作用を有し、創傷治癒の促進、睡眠誘導、体温低下、血圧低下、免疫細胞機能の抑制、好中球機能の抑制、TNF−α、IL−2、IL−4、インターフェロンγのようなサイトカインの産生抑制などの薬理作用を有する。
従って、縮合複素環化合物又はその塩は、皮膚潰瘍、下腿潰瘍、熱傷潰瘍、凍傷潰瘍、外傷性潰瘍、褥瘡、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、帯状疱疹後潰瘍、放射線潰瘍、薬物潰瘍、糖尿病性潰瘍、術後潰瘍などの治療又は予防に使用される創傷治癒促進剤;不眠症、精神病性疾患などの治療又は予防に使用される睡眠誘導剤;発熱性疾患の治療又は予防に使用される解熱剤;高血圧の治療又は予防に使用される血圧降下剤;免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬;好中球機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬などの有効成分として有用である。
前記した免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患としては、自己免疫疾患、癩病性結節紅斑、ベーチェット病、狼瘡紅斑症、アフタ性潰瘍、癌や感染症における悪液質、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群、変形性関節症、多発性硬化症、クローン病、炎症性腸疾患、多臓器不全、マラリア、髄膜炎、肝炎、後天性免疫不全症候群、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、その他のアレルギー性疾患、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、その他の臓器特異的自己免疫疾患、及び、臓器移植に伴う拒絶反応などが挙げられる。
前記した好中球機能の異常亢進を伴う疾患としては、成人性呼吸困難症候群(ARDS)、気管支炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺炎、嚢胞性線維症、喘息、気腫、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎及び鼻炎のような気管の疾患、男性勃起機能障害、癲癇、脳虚血、末梢血管性疾患、虚血後再潅流損傷、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、皮膚炎、湿疹、潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸炎、ヘリコバクター・ピロリ(Heriobacter pylori)性胃炎、非ヘリコバクター・ピロリ性胃炎、胃腸管に対する非ステロイド系抗炎症剤誘導損傷などが挙げられる。
前記縮合複素環化合物又はその塩の使用に関し、具体的には次の実施形態がある。
(1)アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防する薬剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(2)創傷治癒促進剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(3)睡眠誘導剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(4)解熱剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(5)血圧降下剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(6)免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(7)好中球機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(8)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなるアデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防する方法。
(9)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる創傷を治療又は予防する方法。
(10)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる睡眠障害を治療又は予防する方法。
(11)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる発熱性疾患を治療又は予防する方法。
(12)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる高血圧を治療又は予防する方法。
(13)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患を治療又は予防する方法。
(14)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる好中球機能の異常亢進を伴う疾患を治療又は予防する方法。
(1)アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防する薬剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(2)創傷治癒促進剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(3)睡眠誘導剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(4)解熱剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(5)血圧降下剤を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(6)免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(7)好中球機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬を製造するための前記縮合複素環化合物又はその塩の使用。
(8)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなるアデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防する方法。
(9)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる創傷を治療又は予防する方法。
(10)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる睡眠障害を治療又は予防する方法。
(11)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる発熱性疾患を治療又は予防する方法。
(12)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる高血圧を治療又は予防する方法。
(13)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患を治療又は予防する方法。
(14)前記縮合複素環化合物又はその塩の有効量を、人を含む哺乳動物に投与することからなる好中球機能の異常亢進を伴う疾患を治療又は予防する方法。
前記前記縮合複素環化合物又はその塩は、通常、一般的な医薬製剤の形態(例えば、第14改正日本薬局方に規定する方法)で用いられる。この医薬製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、液剤、懸濁剤、乳剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、スプレー、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(パッチ剤、マトリクス剤、テープ)、ゲル剤等が一例として挙げられる。
錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
注射剤として調製される場合には、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、乳酸水溶液、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
本発明組成物中に含有されるべき前記前記縮合複素環化合物又はその塩の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%とするのが望ましい態様である。
本発明組成物の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で経口的又は非経口的に投与される。例えば経口的に投与される場合には、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤等が望ましい態様として挙げられる。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤、経肺剤、坐剤等の形で投与することができる。注射剤の場合には単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与されるのが望ましい態様である。また、坐剤の場合には直腸内投与されるのが望ましい態様である。なお、本発明組成物を創傷治癒剤として用いる場合、局所投与剤の形で投与するのが望ましい。局所投与剤の投与する方法としては、例えばスプレー、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤、ゲル剤などの製剤形態で、或いは、本発明組成物を各種創傷被覆材に含ませて患部の皮膚などに投与する方法が挙げられる。又、局所投与後の患部は各種創傷被覆材で保護することもできる。
本発明組成物の投与量は用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である前記前記縮合複素環化合物又はその塩の量は1日当り体重1kg当り約0.05〜50mgとするのがよく、1回又は数回に分けて投与することができる。また、投与単位形態中に有効成分を1〜1000mg含有せしめるのが望ましい態様である。
本発明組成物は、例えば、抗ウイルス薬、抗菌薬、抗生物質、抗寄生虫薬、抗真菌薬、鎮痒薬、鎮痛薬、抗炎症薬、消毒薬、蛋白分解酵素薬、肉芽・表皮形成促進薬、創傷被覆剤など種々の薬剤の少なくとも一つを包含することができ、アデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患の治療又は予防に、より優れた効果が発現される場合がある。
次に本発明に係わる実施例(合成例及び試験例)を記載するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
合成例1
7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.1)の合成
(1) 1,1-ジシアノ-2-メトキシ-3-メチル-1-ブテン940mg、3-アミノピラゾール520mgおよびエタノール10mlを加熱還流下に一夜攪拌した後室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶はエーテルで洗浄した後乾燥して、7-アミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル170mgを得た。
(2) 7-アミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル170mg、3mLのアセトニトリル中に炭酸水素ナトリウム85mg、塩化ベンジル130mgを加え、加熱還流下に一夜攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して褐色の粗結晶を得た。粗結晶をエタノールで洗浄して、融点162-164℃の7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.1)158mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)1.36(d,J=6.4Hz,6H),3.47(ddd,J=20.2,13.8,6.8Hz,1H),4,17(d,J=6.4Hz,2H),6.52(d,J=2.4Hz, 1H),7.36-7.41(m,1H),7.42-7.43(m,4H),7.98(d,J=2.0Hz,H)
7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.1)の合成
(1) 1,1-ジシアノ-2-メトキシ-3-メチル-1-ブテン940mg、3-アミノピラゾール520mgおよびエタノール10mlを加熱還流下に一夜攪拌した後室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶はエーテルで洗浄した後乾燥して、7-アミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル170mgを得た。
(2) 7-アミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル170mg、3mLのアセトニトリル中に炭酸水素ナトリウム85mg、塩化ベンジル130mgを加え、加熱還流下に一夜攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮して褐色の粗結晶を得た。粗結晶をエタノールで洗浄して、融点162-164℃の7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.1)158mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)1.36(d,J=6.4Hz,6H),3.47(ddd,J=20.2,13.8,6.8Hz,1H),4,17(d,J=6.4Hz,2H),6.52(d,J=2.4Hz, 1H),7.36-7.41(m,1H),7.42-7.43(m,4H),7.98(d,J=2.0Hz,H)
合成例2
3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.24)の合成
(1) 7-クロロ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル15g、75mLのアセトニトリル中に塩化スルフリル45.1gを約15分かけて滴下した。滴下後、徐々に約50℃まで加温し、約50℃で約1.5時間攪拌した。反応終了後冷却し、氷冷下に2-プロパノール188mL、次いで冷水188mLを加え攪拌した。析出した結晶をろ取し、50%2-プロパノール水で洗浄した後、乾燥して、3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル15.3gを得た。
(2) 3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル500mg、5mLのアセトニトリル中にモルフォリン370mg、トリエチルアミン430mgを加え、約2時間攪拌した。モルフォリン370mgを追加し、約1.5時間攪拌した後、水を加え、析出した結晶をろ取した。結晶を水で洗浄した後、乾燥して、3-クロロ-5,7-ジ(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル670mgを得た。
(3) 3-クロロ-5,7-ジ(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル150mg、3mLのジメチルホルムアミド中に4-(2-エチルアミノ)ピリジン58mg、トリエチルアミン48mgを加え、約100℃で約5時間攪拌した。4-(2-エチルアミノ)ピリジン58mgを追加し、同温度で約1.5時間攪拌した後、放冷し水を加え、析出した結晶をろ取した。結晶をエタノールで洗浄した後、乾燥して、粗結晶を得た。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、融点205-208℃の3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.24)84mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)3.12(t,J=7.2Hz,2H),3.66(t,J=4.6Hz, 4H),3.86(t,J=4.6Hz,4H),4.17(td,J=7.8,6.6Hz,2H),6.95(t,J=6.2Hz,1H), 7.24(dd,J=4.4,2.0Hz,2H),7.82(s,1H),8.58(dd,J=4.4,1.6Hz,2H)
3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.24)の合成
(1) 7-クロロ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル15g、75mLのアセトニトリル中に塩化スルフリル45.1gを約15分かけて滴下した。滴下後、徐々に約50℃まで加温し、約50℃で約1.5時間攪拌した。反応終了後冷却し、氷冷下に2-プロパノール188mL、次いで冷水188mLを加え攪拌した。析出した結晶をろ取し、50%2-プロパノール水で洗浄した後、乾燥して、3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル15.3gを得た。
(2) 3,5,7-トリクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル500mg、5mLのアセトニトリル中にモルフォリン370mg、トリエチルアミン430mgを加え、約2時間攪拌した。モルフォリン370mgを追加し、約1.5時間攪拌した後、水を加え、析出した結晶をろ取した。結晶を水で洗浄した後、乾燥して、3-クロロ-5,7-ジ(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル670mgを得た。
(3) 3-クロロ-5,7-ジ(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル150mg、3mLのジメチルホルムアミド中に4-(2-エチルアミノ)ピリジン58mg、トリエチルアミン48mgを加え、約100℃で約5時間攪拌した。4-(2-エチルアミノ)ピリジン58mgを追加し、同温度で約1.5時間攪拌した後、放冷し水を加え、析出した結晶をろ取した。結晶をエタノールで洗浄した後、乾燥して、粗結晶を得た。粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、融点205-208℃の3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.24)84mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)3.12(t,J=7.2Hz,2H),3.66(t,J=4.6Hz, 4H),3.86(t,J=4.6Hz,4H),4.17(td,J=7.8,6.6Hz,2H),6.95(t,J=6.2Hz,1H), 7.24(dd,J=4.4,2.0Hz,2H),7.82(s,1H),8.58(dd,J=4.4,1.6Hz,2H)
合成例3
3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.49)の合成
(1) 7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル5g、50mLのアセトニトリル中に塩化スルフリル11gを約5分かけて滴下し、約1時間攪拌した。次いで徐々に約50℃まで加温し、約50℃で約1.5時間攪拌した。反応終了後冷却し、氷冷下に50%2-プロパノール水200mLを加え攪拌した。析出した結晶をろ取し、50%2-プロパノール水、次いでエタノールで洗浄した後、乾燥して、3,5-ジクロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル4.9gを得た。
(2) 3,5-ジクロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル250mg、3mLのジメチルスルホキシド中にモルフォリン200mgを加え、約1時間攪拌した。次いで約80℃まで加温し、約6.5時間攪拌した。反応終了後放冷し、1N塩酸1mL、水約20mLを加え、析出した結晶をろ取した。結晶を水、次いでエタノールで洗浄しした後、乾燥して、融点250℃以上の3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.49)260mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)1H-NMR(400MHz,CDCL3)3.69(dd,J=4.8Hz,4H),3.82(dd,J=4.8Hz,4H),7.59-7.70(m,4H),7.94(s,1H),8.42(bs,1H)
3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.49)の合成
(1) 7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル5g、50mLのアセトニトリル中に塩化スルフリル11gを約5分かけて滴下し、約1時間攪拌した。次いで徐々に約50℃まで加温し、約50℃で約1.5時間攪拌した。反応終了後冷却し、氷冷下に50%2-プロパノール水200mLを加え攪拌した。析出した結晶をろ取し、50%2-プロパノール水、次いでエタノールで洗浄した後、乾燥して、3,5-ジクロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル4.9gを得た。
(2) 3,5-ジクロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル250mg、3mLのジメチルスルホキシド中にモルフォリン200mgを加え、約1時間攪拌した。次いで約80℃まで加温し、約6.5時間攪拌した。反応終了後放冷し、1N塩酸1mL、水約20mLを加え、析出した結晶をろ取した。結晶を水、次いでエタノールで洗浄しした後、乾燥して、融点250℃以上の3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル(化合物No.49)260mgを得た。
1H-NMR(400MHz,CDCL3)1H-NMR(400MHz,CDCL3)3.69(dd,J=4.8Hz,4H),3.82(dd,J=4.8Hz,4H),7.59-7.70(m,4H),7.94(s,1H),8.42(bs,1H)
合成例1〜3及びWO02/40485に開示された製造方法に準じて製造した前記前記縮合複素環化合物の物性データを以下の第1表に示した。
試験例1(創傷治癒促進作用)
雄性ICRマウス(体重22±2g)をヘキソバルビタール麻酔下(90mg/kg、腹腔内投与)に肩と背部の体毛を剃り直径12mmのシャープパンチで皮膚を削除する。その直後に1.5%CMC-Naで懸濁した被験化合物30μg/20μLを皮膚切除部に塗布する。その後1日1回被験化合物を連日塗布し、1、3、5、7、9及び11日後に創傷面積を測定する。創傷面積は、透明なプラスチックシートを創傷部に乗せ傷口境界線をトレースした後、イメージアナライザ(Life Science Resources Vista, Version 3.0)にて計測する。傷口の修復速度をCT50(wound half-closure time)として評価する。なお、CT50はGraph-Pad Prism(Graph Pad Software USA)を用いて算出する。試験は5匹/群で実施し、被験物質投与群と溶媒対照群との平均値の差の検定は、スチューデントのt検定により行う。その結果、本発明化合物が創傷治癒促進作用を有することが判る。
雄性ICRマウス(体重22±2g)をヘキソバルビタール麻酔下(90mg/kg、腹腔内投与)に肩と背部の体毛を剃り直径12mmのシャープパンチで皮膚を削除する。その直後に1.5%CMC-Naで懸濁した被験化合物30μg/20μLを皮膚切除部に塗布する。その後1日1回被験化合物を連日塗布し、1、3、5、7、9及び11日後に創傷面積を測定する。創傷面積は、透明なプラスチックシートを創傷部に乗せ傷口境界線をトレースした後、イメージアナライザ(Life Science Resources Vista, Version 3.0)にて計測する。傷口の修復速度をCT50(wound half-closure time)として評価する。なお、CT50はGraph-Pad Prism(Graph Pad Software USA)を用いて算出する。試験は5匹/群で実施し、被験物質投与群と溶媒対照群との平均値の差の検定は、スチューデントのt検定により行う。その結果、本発明化合物が創傷治癒促進作用を有することが判る。
試験例2(睡眠誘発作用)
雄性ICRマウス(体重22±2g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、更に1時間後、90mg/kgのヘキソバルビタールナトリウムを腹腔内投与する。その後、光反射反応の回復を指標に睡眠時間を測定する。試験は1群3匹として実施する。被験化合物の代わりに溶媒のみを投与した群の平均睡眠時間を基に算出した睡眠延長時間率を%Prolongationとして評価する。その結果、本発明化合物が睡眠誘発作用を有することが判る。
雄性ICRマウス(体重22±2g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、更に1時間後、90mg/kgのヘキソバルビタールナトリウムを腹腔内投与する。その後、光反射反応の回復を指標に睡眠時間を測定する。試験は1群3匹として実施する。被験化合物の代わりに溶媒のみを投与した群の平均睡眠時間を基に算出した睡眠延長時間率を%Prolongationとして評価する。その結果、本発明化合物が睡眠誘発作用を有することが判る。
試験例3(体温低下作用)
雄性ICRマウス(体重22±2g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、その直後より直腸温度を測定する(Thermolert, TH-5)。更に30、60.90及び120分後の体温測定を行い、投与前の体温と比較して平均5%以上の変動があった場合、被験化合物投与による有意な変動があるものと見なす。試験は1群3匹として実施する。その結果、本発明化合物が体温低下作用を有することが判る。
雄性ICRマウス(体重22±2g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、その直後より直腸温度を測定する(Thermolert, TH-5)。更に30、60.90及び120分後の体温測定を行い、投与前の体温と比較して平均5%以上の変動があった場合、被験化合物投与による有意な変動があるものと見なす。試験は1群3匹として実施する。その結果、本発明化合物が体温低下作用を有することが判る。
試験例4(血圧低下作用)
雄性のWistar-Okamoto由来の自然発症高血圧(SHR)ラット(体重250±20g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、その直後より間接法にて血圧を測定する(Blood-Pressure Indirect Sensors & Model B60, IITC USA)。更に1、2及び4時間後の血圧測定を行い、投与前の血圧と比較して平均10%以上の変動があった場合、被験化合物投与による有意な変動があるものと見なす。試験は1群3匹として実施する。その結果、本発明化合物が血圧低下作用を有することが判る。
雄性のWistar-Okamoto由来の自然発症高血圧(SHR)ラット(体重250±20g)に対し、0.25%CMC-Naに懸濁した被験化合物を150mg/kg経口投与し、その直後より間接法にて血圧を測定する(Blood-Pressure Indirect Sensors & Model B60, IITC USA)。更に1、2及び4時間後の血圧測定を行い、投与前の血圧と比較して平均10%以上の変動があった場合、被験化合物投与による有意な変動があるものと見なす。試験は1群3匹として実施する。その結果、本発明化合物が血圧低下作用を有することが判る。
試験例5(ヒト末梢血単核細胞におけるサイトカイン産生抑制作用)
(1)IL-2産生抑制作用
ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIL-2産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はIL-2産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
(1)IL-2産生抑制作用
ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIL-2産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はIL-2産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
(2)IL-4産生抑制作用
MDS Pharma Service社での委託試験にて、Code No.308400の基本操作手順に基づき実施された。即ち、ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIL-4産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はIL-4産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
MDS Pharma Service社での委託試験にて、Code No.308400の基本操作手順に基づき実施された。即ち、ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIL-4産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はIL-4産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
(3)INF-γ産生抑制作用
ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIFN-γ産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はINF-γ産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は、溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
ヒト末梢血単核球細胞を20μg/mLのコンカナバリンA(ConA)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のIFN-γ産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はINF-γ産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は、溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
(4)TNF-α産生抑制作用
ヒト末梢血単核球細胞を25ng/mLのリポポリサッカライド(LPS)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のTNF-α産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はTNF-α産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は、溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
ヒト末梢血単核球細胞を25ng/mLのリポポリサッカライド(LPS)で刺激し、被験化合物10μM共存下、培養16時間後のTNF-α産生量を酵素免疫測定法にて測定する。その結果、本発明化合物はTNF-α産生抑制作用を有することが判る。なお、結果は、溶媒対照群のサイトカイン量と比較した抑制率で表わす。
試験例6(アデノシンA2a受容体への結合親和性試験)
アデノシンA2a受容体を発現させたヒトリコンビナントHEK-293細胞懸濁液にトリチウム標識した 50nMの[3H]CGS21680と被験化合物10μMを加え、そのアデノシンA2a受容体への結合親和性の指標となる[3H]CGS21680の結合阻害活性を液体シンチレーションカンターにて測定した。結果を結合阻害率(%)として第2表に示す。
アデノシンA2a受容体を発現させたヒトリコンビナントHEK-293細胞懸濁液にトリチウム標識した 50nMの[3H]CGS21680と被験化合物10μMを加え、そのアデノシンA2a受容体への結合親和性の指標となる[3H]CGS21680の結合阻害活性を液体シンチレーションカンターにて測定した。結果を結合阻害率(%)として第2表に示す。
試験例7(マウス脾臓細胞におけるIL-2産生抑制作用)
供試化合物のアデノシンA2a受容体アゴニスト作用は、T細胞受容体刺激により誘発されるIL-2の産生阻害活性を指標に評価した。即ち、マウス脾臓細胞を抗マウスCD3抗体及びヒトリコンビナントIL−2(ジェンザイム No.2202)を処理することによりサイトカイン産生を誘発した。このサイトカイン産生系に供試化合物を添加しその抑制作用を以下の方法により測定した。ホウ酸緩衝生理食塩溶液(pH8.5)にて10〜20μg/mlに調製した抗マウスCD3抗体を96穴細胞培養プレートに50μl/穴ずつ分注し、4℃で18時間放置した。未反応液を除去し、ハンクス緩衝液で1回洗浄後、10%牛胎児血清(FCS)含有RPMI液で10ng/mlに調製したIL−2を50μl/穴ずつ分注した。ここで陰性対照群では抗CD3抗体及びIL−2を除いて溶液のみを処理した。続いて、供試化合物希釈液を50μl/穴ずつ分注し(最終濃度10μM)、これにBalb/cマウス(雌、7〜10週齢)の脾臓から調製した1×107個/mlの細胞懸濁液を100μl/穴ずつ分注した。インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養40〜48時間後、培養上清を回収し、ELISA法にてサイトカイン産生量を測定した。
供試化合物のアデノシンA2a受容体アゴニスト作用は、T細胞受容体刺激により誘発されるIL-2の産生阻害活性を指標に評価した。即ち、マウス脾臓細胞を抗マウスCD3抗体及びヒトリコンビナントIL−2(ジェンザイム No.2202)を処理することによりサイトカイン産生を誘発した。このサイトカイン産生系に供試化合物を添加しその抑制作用を以下の方法により測定した。ホウ酸緩衝生理食塩溶液(pH8.5)にて10〜20μg/mlに調製した抗マウスCD3抗体を96穴細胞培養プレートに50μl/穴ずつ分注し、4℃で18時間放置した。未反応液を除去し、ハンクス緩衝液で1回洗浄後、10%牛胎児血清(FCS)含有RPMI液で10ng/mlに調製したIL−2を50μl/穴ずつ分注した。ここで陰性対照群では抗CD3抗体及びIL−2を除いて溶液のみを処理した。続いて、供試化合物希釈液を50μl/穴ずつ分注し(最終濃度10μM)、これにBalb/cマウス(雌、7〜10週齢)の脾臓から調製した1×107個/mlの細胞懸濁液を100μl/穴ずつ分注した。インキュベーター内(37℃、5%炭酸ガス)にて培養40〜48時間後、培養上清を回収し、ELISA法にてサイトカイン産生量を測定した。
IL−2のサイトカイン産生量はをそれぞれ以下の方法にて測定した。即ち、IL−2産生量の定量は、以下に示すELISA法にて行った。まず、1次抗体として、ラット抗マウスIL-2抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18161D)を炭酸緩衝液(pH9.5)にて1μg/mlに希釈し、50μl/穴ずつ96ウェルプレート(IWAKI、CodeNo.3860−096)にまき、一晩(16〜24時間)4℃にてコートした。その後、プレートは、10%FCS含有リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(ブロッキングバッファ)にて37℃で2時間ブロッキングした(250μl/穴)。プレートを0.05%Tween20(ナカライテスク、CodeNo.281−51)を含むPBS(洗浄用バッファ)を用いて4回洗浄し、培養上清希釈液を50μl/穴ずつまき、室温にて1時間インキュベートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL−2(R&Dシステムズ、CodeNo.402−ML)を使用した。プレートを洗浄用バッファにて4回洗浄し、二次抗体としてビオチン標識ラット抗マウスIL−2抗体(ファーミンジェン、CodeNo.18172D)を0.05%Tween20含有ブロッキングバッファにて0.5μg/mlに希釈したものを加え(50μl/穴)、室温にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄後、ストレプトアビジン標識ペルオキシダーゼ(プロザイム、CodeNo.CJ30H001)を0.05%Tween20含有ブロッキングバッファにて800倍希釈したものを加え(50μl/穴)、室温、15分間反応した。プレートを洗浄バッファにて4回洗浄し、TNB基質溶液(シグマ、CodeNo.T−8665)100μl/穴を加えて10〜20分間発色させた。1M硫酸溶液を100μl/穴に加えて反応を停止後、マイクロプレートリーダー(スペクトラマックス、和光純薬工業)を用いて(波長450nm)吸光度を測定した。
各実験は、デュプリケートで行い、各々のサイトカイン産生量の平均値を求めた。また、該平均値より、以下の式にて抑制率(%)を求めた。
抑制率(%)={1−(T−N)/(P−N)}×100
ここで、Tは供試化合物処理群の平均値、Nは陰性対照群の平均値、Pは陽性対照群の平均値を各々表す。このようにして測定した各サイトカイン産生抑制率を各々第3表に示す
抑制率(%)={1−(T−N)/(P−N)}×100
ここで、Tは供試化合物処理群の平均値、Nは陰性対照群の平均値、Pは陽性対照群の平均値を各々表す。このようにして測定した各サイトカイン産生抑制率を各々第3表に示す
Claims (12)
- 7-ベンジルアミノ-5-(2-プロピル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(1-ブチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-シクロプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(2-メチル-2-プロピル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-ブテン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-フェニルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(2-フェニルエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(2-フラニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-ブテン-1-イル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(2-チエニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-メチル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-ブチン-1-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(3-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-(4-メチルフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-フェニルエチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-2-(2-チエニル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、2-アミノ-7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-カルボン酸メチル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-カルボン酸、4-ベンジルアミノ-2-メチルチオイミダゾ[1,5-a]ピリミジン-3,8-ジカルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオテトラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ-2-(2-プロピル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオ-2-フェノキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-3-シクロプロピル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボアルデヒド、7-ベンジルアミノ-3-(2,2-ジブロモエテニル)-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-ベンジルアミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,6-ジカルボニトリル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸エチル、7-ベンジルアミノ-6-シアノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸、7-ベンジルアミノ-3-メチルスルホニル-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-エトキシ-7-(4-ピリジル)メチルアミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルチオ-7-(4-ピリジル)メチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,6-ジカルボニトリル、5-メチルチオ-3-ニトロ-7-(4-ピリジル)メチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(4-ニトロフェニル)アミノ-5-メチルチオ-3-ニトロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-アミノ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-アセチルアミノ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-モルフォリノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(1-ピロリジノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メチル-1-ピペリジノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-シクロプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(3-ピリジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(2-(4-モルフォリノ)エチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(2-フェニルエチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5,7-ジ(2-フェニルエチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-ニトロフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-フェニルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-メトキシフェニル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(3-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシベンジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(4-メトキシベンジル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ−7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(4-メトキシベンジル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(3-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(5-ベンゾジオキソラニル)アミノ-3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-5-(2-(4-モルフォニル)エチル)アミノ-7-(4-ニトロフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3-クロロ-7-(4-シアノフェニル)アミノ-5-(2-(4-モルフォニル)エチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、3,5-ジ(2-メチル-2-プロピルチオ)-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-メチルアミノ-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-ジメチルアミノ-7-(4-ピリジルメチル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び5-ジメチルアミノ-7-(4-シアノフェニル)アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩。
- 5-(4-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(3-メトキシフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-フルオロフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-(4-メチルフェニル)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル、5-フェニル-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリル及び3-クロロ-5-(4-モルフォリノ)-7-(2-(4-ピリジル)エチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-6-カルボニトリルから成る群から選ばれた少なくとも一種の縮合複素環化合物又はその塩。
- 請求項1に記載の縮合複素環化合物又はその塩を有効成分として含有するアデノシンA2a受容体アゴニストの投与が必要な疾患を治療又は予防するための組成物。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する創傷治癒促進剤。
- 創傷が皮膚潰瘍、下腿潰瘍、熱傷潰瘍、凍傷潰瘍、外傷性潰瘍、褥瘡、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、帯状疱疹後潰瘍、放射線潰瘍、薬物潰瘍、糖尿病性潰瘍又は術後潰瘍である請求項4に記載の創傷治癒促進剤。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する睡眠誘導剤。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する解熱剤。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する血圧降下剤。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する免疫細胞機能又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬。
- 疾患が自己免疫疾患、癩病性結節紅斑、ベーチェット病、狼瘡紅斑症、アフタ性潰瘍、癌や感染症における悪液質、敗血症ショック、成人呼吸窮迫症候群、変形性関節症、多発性硬化症、クローン病、炎症性腸疾患、多臓器不全、マラリア、髄膜炎、肝炎、後天性免疫不全症候群、蕁麻疹、食物アレルギー、アナフィラキシーショック、好酸球増加症候群、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、その他のアレルギー性疾患、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、I型糖尿病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、多発性硬化症、臓器特異的自己免疫疾患及び、臓器移植に伴う拒絶反応から選択される少なくとも1種である請求項9に記載の免疫細胞機能及び/又はサイトカイン産生の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬。
- 請求項1に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する好中球機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬。
- 疾患が、気管の疾患、男性勃起機能障害、癲癇、脳虚血、末梢血管性疾患、虚血後再潅流損傷、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、皮膚炎、湿疹、潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸炎、ヘリコバクター・ピロリ性胃炎、非ヘリコバクター・ピロリ性胃炎及び、胃腸管に対する非ステロイド系抗炎症剤誘導損傷から選択される少なくとも1種である請求項11に記載の好中球機能の異常亢進を伴う疾患の治療薬又は予防薬。
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