JP2006160341A - 感光性印刷版の包装 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感光性印刷版の感光層を遮光し防湿して保護するのに加えて、物理的な外力によって傷付けられないように保護できるようにした感光性印刷版の包装を提供する。
【解決手段】 所定枚数束ねられた感光性印刷版10を、遮光性と防湿性とを有するシート状の材料を袋状にした包装材12で真空包装することにより保護する。さらに、真空包装することにより所定枚数束ねられた感光性印刷版10が相互にずれ動くことを防止して感光面10Aが傷付くことから保護する。また、感光面10Aの全面に対応するよう配置された緩衝部材14Aによって、感光面10Aが傷付くことから保護する。これと共に、緩衝部材14Aを包装材12に一体化して、所定枚数束ねられた感光性印刷版10を包装材12で包むときの作業において、緩衝部材14Aを感光面に位置合わせする作業を容易にする。
【選択図】 図4
【解決手段】 所定枚数束ねられた感光性印刷版10を、遮光性と防湿性とを有するシート状の材料を袋状にした包装材12で真空包装することにより保護する。さらに、真空包装することにより所定枚数束ねられた感光性印刷版10が相互にずれ動くことを防止して感光面10Aが傷付くことから保護する。また、感光面10Aの全面に対応するよう配置された緩衝部材14Aによって、感光面10Aが傷付くことから保護する。これと共に、緩衝部材14Aを包装材12に一体化して、所定枚数束ねられた感光性印刷版10を包装材12で包むときの作業において、緩衝部材14Aを感光面に位置合わせする作業を容易にする。
【選択図】 図4
Description
この発明は、複数の感光性印刷版を一体的に束ねて内包し保護する、遮光性及び防湿性を備えた感光性印刷版の包装に関する。
一般に、オフセット印刷には、感光性印刷版(いわゆるPS版)が利用されている。また、この平版印刷の分野では、未露光の感光性印刷版の供給を受けて、この感光性印刷版に対しコンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムが実用化されている。
このCTPシステムには、感光性印刷版の自動供給装置を備えたものがある。この感光性印刷版の自動供給装置は、複数枚の感光性印刷版が積層されて束にされたものを遮光された自動供給装置のハウジング内に装填し、製版作業の開始と共に自動供給装置の枚葉搬出機構によって感光性印刷版の束から感光性印刷版を1枚ずつ分離して、露光処理部側へ搬出する。
このようなCTPシステムに用いられる感光性印刷版は、例えば、薄いアルミニウム板上へ感光層を塗布して形成されており、僅かな光によっても露光されて感光層に変化が生じる。また、空気中の水分を吸収して感光層に変化を生じるという性質を持つ。
このため、従来では、感光性印刷版を工場等で製造してから、運搬し、保管する流通過程を経てCTPシステムの自動供給装置に装填するまでの間に、感光性印刷版の品質変化を生じることを防止するため、感光性印刷版を所定の枚数づつ束にし、その束の表面及び裏面にそれぞれ厚紙(段ボール製のいわゆる当てボール)を配置し、これらを粘着テープ等の固定手段で束ずれを抑制するよう固定する。
さらに、表裏にそれぞれ厚紙を配置して粘着テープで一体に固定された感光性印刷版の束は、遮光性及び防湿性を有する内装紙によって梱包される。この内装紙としては、例えば、クラフト紙にポリエチレンを溶融塗布してアルミニウム箔を貼着したアルミクラフト紙や、クラフト紙にブラックカーボンを混合した溶融ポリエチレンを塗布した黒色ポリエチレンラミネートクラフト紙等の高い遮光性及び防湿性を有する紙を使用している。
また、感光性印刷版を製造してから自動製版機の感光性印刷版供給装置に装填するまでの運搬工程や保管工程で、感光性印刷版や内装紙が破損等してしまうことを防止するため、包装箱を別途製造し、この包装箱に、内装紙により包装された感光性印刷版を収納している。包装箱としては、例えば、軽量で高い強度を有する段ボール箱等を使用している。
このように包装された感光性印刷版を開梱する場合には、包装箱から取り出し、感光性印刷版の束を梱包している内装紙を感光性印刷版の表面を全面的に露呈するように開いて、所定枚数の感光性印刷版を束ねている粘着テープを剥がし、束ねられた感光性印刷版の表面と裏面からそれぞれ厚紙(当てボール)を取り除く作業が必要となる。
よって、包装された感光性印刷版の開梱して、CTPシステムの自動供給装置に装填するための作業には、感光性印刷版の感光面が露呈しても感光されないようにするため、CTPシステムを設置すると共に感光性印刷版の開梱作業用の広いスペースを設けた暗室等の設備が必要で、しかも開梱作業に多くの手間が掛かる。
また従来より、回収、再利用が容易な包装材料を用い感光性印刷版に十分な保存性を与えることができる、黒ポリエチレンを用いて真空包装を行なう感光性印刷版の包装方法が提案されている。
この真空包装の方法では、真空成形機を用いて、感光性印刷版を入れた黒ポリエチレンシートを加熱軟化させた後型の上にのせ、速やかに型とシートのすき間を真空にし、シートを型に密着させて成形し、冷却後空気を吹きこんで成形品を取り出すようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
このような従来の黒ポリエチレンを用いて真空包装を行なう感光性印刷版の包装方法では、通常の真空包装パックと同様に感光性印刷版の束の表面及び裏面を薄く柔らかい黒ポリエチレンシートで覆うものであるから、感光性印刷版を製造してから自動製版機の感光性印刷版供給装置に装填するまでの過程で、感光性印刷版の感光層に物理的な外力が加わって傷が付くことを十分に防止できないという問題がある。
特開平5−229576号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、感光性印刷版を製造してから使用に供されるまでの過程で、感光性印刷版の感光層を遮光し防湿して保護するのに加えて、物理的な外力によって傷付けられないように保護できるようにした感光性印刷版の包装を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の感光性印刷版の包装は、遮光性と防湿性とを有するシート状の材料を袋状にして、その内部に所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で、真空包装する包装材と、感光性印刷版の少なくとも感光面の全面に対応するよう、包装材に配置された緩衝部材と、を有することを特徴とする。
上述のように構成することにより、所定枚数束ねられた感光性印刷版を、包装材で真空包装することにより、遮光性と防湿性とを保持して保護できる。さらに、真空包装することにより所定枚数束ねられた感光性印刷版が相互にずれ動くことを防止して感光面が傷付くことから保護できる。また、感光面の全面に対応するよう配置された緩衝部材によって、感光面が傷付くことから保護できる。これと共に、緩衝部材が包装材に一体化されているので、所定枚数束ねられた感光性印刷版を包装材で包むときの作業において、緩衝部材を感光面に位置合わせする作業を容易にできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感光性印刷版の包装において、包装材を、開封方向に添って切断し易いような配向性を持たせた材料で構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の感光性印刷版の包装において、包装材の開封想定線に沿って表面部分をレーザー加工により浅い傷を付けて切断し易い切断用線部を形成し、切断して開封し易くする開封手段を設けたことを特徴とする。
前述のように構成することにより、請求項1に記載の発明の作用、効果に加えて、真空包装状態の包装材を容易に開封できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、感光面の全面に対応するよう配置された緩衝部材を、感光面の感光波長と同じ波長域を有する光を吸収又は反射させる色に着色したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、着色された緩衝部材によって、遮光性をより向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、緩衝部材を、開封方向に添って切断し易いような配向性を持たせた材料で構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、緩衝部材に、開封想定線に沿って表面部分をレーザー加工により浅い傷を付けて切断し易い切断用線部を形成することにより切断して開封し易くする開封手段を設けたことを特徴とする。
前述のように構成することにより、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明の作用、効果に加えて、真空包装状態の包装材を容易に開封できる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で、真空包装した際に、包装材の内部に残存する気体が不活性ガスだけとなるようにしたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した包装材の内部に、活性ガスの吸収剤を同梱したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した包装材の内部に、防湿剤を同梱したことを特徴とする。
前述のように構成することにより、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の発明の作用、効果に加えて、感光面が化学反応を起こして、その特性(例えば、かぶりや感度変化等)が変化することを防止することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した包装材の内側に、緩衝部材を配置したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した包装材の外側に、緩衝部材を配置したことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装において、包装材の材料と、緩衝部材の材料とを、同一の再処理工程又は同じプロセスで再処理してリサイクルできる材料としたことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の発明の作用、効果に加えて、リサイクルする際の再処理工程が同一又は同じプロセス(例えば化学的な分解、生成等のプロセス)であれば、包装材の材料と、緩衝部材の材料とを混合した状態で同時に再処理できるから、包装材と緩衝部材とを分別する工程を省略し、包装材の処理と、緩衝部材の処理とを別々の工程で処理するための設備と手間を削減し、容易かつ廉価にリサイクルできる。
本発明の感光性印刷版の包装によれば、感光性印刷版を製造してから使用に供されるまでの過程で、感光性印刷版の感光層を遮光し防湿して保護すると共に、感光面が物理的な外力によって傷つけられないように保護できるという効果がある。
本発明の感光性印刷版の包装に関する実施の形態について図1乃至図7により説明する。本実施の形態に係わる感光性印刷版の包装は、容易に開梱できるようにするため、所定複数枚の感光性印刷版を束にして固定する粘着テープと、保護用の当てボールとを不要とした包装として構成する。
この包装材12で包装される対象となる感光性印刷版10は、所定サイズの長方形の板状に形成された薄いアルミニウム板である支持体上に、感光材料を含有する画像記録層を塗布して形成された感光面10Aが設けられたPS版又はフォトポリマー版として構成されている。
図1に示すように、感光性印刷版10は、所定複数枚積み重ねて例えば直方体の束にする。なお、図示しないが、感光面10Aを保護する合紙と、感光性印刷版10と、を交互に厚み方向に重ね合わせて、感光性印刷版10の束としても良い。
また、この所定枚数束ねられた感光性印刷版10を包装するための、遮光性と防湿性とを有するシート状の包装材12の材料は、強度を確保するため厚さ50μm以上の黒ポリエチレンとする。
この黒ポリエチレン製の包装材12は、所定枚数束ねられた感光性印刷版10の外部周囲を取り巻く寸法より一回り大きく形成し、所定枚数束ねられた感光性印刷版10を内包できる大きさを持つ所定形状に形成する。
このため、図1に示す包装材12は、所定枚数束ねられた感光性印刷版10の長手方向の外部周囲を取り巻く寸法より長い全長に形成すると共に、所定枚数束ねられた感光性印刷版10の短手方向の外部周囲を取り巻く寸法より長い幅に形成する。
このように形成された包装材12における、感光性印刷版10の感光面10Aに当接する面部と、感光性印刷版10の裏面に当接する面部とに、それぞれ厚さ0.5mm〜2mmで感光性印刷版10と同じ平面形状の薄板状に形成した発泡ポリエチレン製の緩衝部材14A、14Bを熱溶着して配置する。
この包装材12では、図5に示すように、感光性印刷版10の感光面10Aに当接する面部に対応した包装材12の外表面と、感光性印刷版10の裏面に当接する面部に対応した包装材12の外表面とに、それぞれ厚さ0.5mm〜2mmで感光性印刷版10と同じ平面形状の薄板状に形成した発泡ポリエチレン製の緩衝部材14A、14Bを熱溶着して配置しても良い。
この包装材12では、少なくとも感光性印刷版10の感光面10Aに当接する面部を保護できれば良い場合もあるので、感光性印刷版10の感光面10Aに当接する面部に対応した包装材12の外表面だけに、厚さ0.5mm〜2mmで感光性印刷版10と同じ平面形状の薄板状に形成した発泡ポリエチレン製の緩衝部材14Aを熱溶着して配置しても良い。
この包装材12では、感光性印刷版10の感光面10A対応部分と、感光性印刷版10の裏面対応部分とにそれぞれ配置する緩衝部材14A、14Bを、包装材12を二枚重ねとした二重構造の包装材とし、緩衝部材14A、14Bを二つの包装材12の間に挟み込むように配置して構成しても良い。
また、この包装材12では、開封作業を容易かつ迅速に行えるようにする開封手段を構成するために、包装材12の材料として配向性を有する材料を用いる。例えば、包装材12は、その材料を一軸延伸して配向性を持たせたものを開封方向が延伸方向となるように設定して使用する。
このポリエチレン材料は、一軸延伸して製造すると、一方に引き伸ばされた方向に沿って切断し易いが、一方に引き伸ばされた方向に交差する方向には切断しにくくなるという性質を有する。
そこで、例えば包装材12における開封のため切断する方向を、図1に示す包装材12の幅方向とする場合には、ポリエチレン材料の一軸延伸された方向が包装材12の幅方向となるように設定する。
また、例えば包装材12における開封のため切断する方向を、図1に示す包装材12の長手方向とする場合には、ポリエチレン材料の一軸延伸された方向が包装材12の長手方向となるように設定する。
なお、平面矩形の包装材12における斜め方向に開封のため切断する方向を設定し、ポリエチレン材料の一軸延伸された方向が包装材12の斜め方向となるように設定しても良い。
さらに、包装材12は、ポリエチレン材料以外のプラスチック材料を用いて構成しても良い。包装材12としてポリエチレン材料以外のプラスチック材料を用いたときに、このプラスチック材料を一軸延伸して製造したときに一方に引き伸ばされた方向に沿って切断し易いという性質を呈する場合には、一軸延伸したものを開封方向が延伸方向となるように設定して開封手段を構成することができる。
また、包装材12の開封作業を容易かつ迅速に行えるようにするための開封手段として、上述した以外の種々の開封手段を講じても良い。例えば、包装材12で感光性印刷版10を、後述するように真空包装した後に、袋状となった包装材12の開封想定線に沿って表面部分をレーザー加工により浅い傷を付けて切断し易い切断用線部を形成し、この切断用線部に沿って切断して開封し易くするよう開封手段を構成しても良い。なお、包装材12にレーザー加工により切断用線部を形成する場合には、この切断用線部の遮光性と、密封性が確保されるように加工することは勿論である。
また、包装材12の開封作業を容易かつ迅速に行えるようにするための開封手段では、図示しないが他の構成の開封手段として、袋状となった包装材12の開封想定線に沿って切断用の細テープを配置し、この細テープの袋状包装材12から延出された自由端部を引くことにより、包装材12を開封想定線に沿って切断して開封するように構成しても良い。
このように包装材12に切断用線部を形成した場合には、作業者が開封作業を行うに当たって、包装材12を切断用線部に沿って容易かつ迅速に切断し開封でき、しかも所定の切断用線部に沿って切断するから常に所定の開封状態となるように安定して開封できる。
また、包装材12に配置する緩衝部材14A、14Bに対しても、開封作業を容易かつ迅速に行えるようにする開封手段を構成しても良い。この場合には、包装材12に設ける開封手段と同じ位置で切断できるように対応させて緩衝部材14A、14Bの開封手段を設ける。
このように構成した包装材12で、感光性印刷版10を所定複数枚積み重ねて直方体の束にしたものを真空包装する場合には、図1に示すように緩衝部材14Bの上に感光性印刷版10の束を置き、包装材12を折り曲げて感光面10A上に緩衝部材14Aを重ね合わせる。
次に、図2に示すように、包装材12が感光性印刷版10を包んだときの長手方向両横部分で上側の包装材12と下側の包装材12とが重なる部分をそれぞれ気密を保つように熱溶着する。
これと共に、包装材12が感光性印刷版10を包んだときの長手方向で折り曲げて形成された底面部に対向した部分で上側の包装材12と下側の包装材12とが重なる部分を、吸気用の開口部12Aを残して気密を保つように熱溶着し、密閉袋を構成する。
次に、この包装材12の吸気用の開口部12Aに、図示しない真空装置の吸気管を接続して吸気することにより、密閉袋の内部を真空に引いた後、吸気用の開口部12Aを気密を保つように熱溶着して封止することにより、図3及び図4に示すように真空包装する。
なお、図示しないが、包装材12で感光性印刷版10の束を真空包装する手順として、包装材12を熱溶着して袋状に形成し、その袋の内部に感光性印刷版10の束を挿入し、次に包装材12の袋の開口から真空装置で吸気して密閉袋の内部を真空に引いた後、包装材12の袋の開口を熱溶着して封止することにより、図3及び図4に示すように真空包装しても良い。
このように包装材12で真空包装されることにより、所定複数枚の感光性印刷版10を積み重ねて直方体の束したものは、大気圧によって各感光性印刷版10が相互に圧接されたときの摩擦抵抗により、重なった感光性印刷版10の相互間でずれ動かないように制止されるから、粘着テープ等を用いなくても、所定複数枚の感光性印刷版10を積み重ねて直方体に一体化された束の状態を維持できる。
また、包装材12で真空包装された所定複数枚の感光性印刷版10を積み重ねて直方体に一体化された束は、束の一番上にある感光性印刷版10の感光面10Aの上に緩衝部材14Aが重なるように配置されて保護しているので、包装材12の上から物理的な外力が加わっても、緩衝部材14Aで緩和して、感光面10Aに傷が付くことを十分に防止できる。
さらに、包装材12で真空包装された所定複数枚の感光性印刷版10を積み重ねて直方体に一体化された束は、束の一番下にある感光性印刷版10の裏面の上に緩衝部材14Bが重なるように配置されて保護しているので、包装材12の上から物理的な外力が加わっても、緩衝部材14Bで緩和して、感光性印刷版10の裏面に傷が付くことを十分に防止できる。
このように包装材12で、所定複数枚の感光性印刷版10を積み重ねて直方体の束にしたものを真空包装する構成では、緩衝部材14A、14Bとして、それぞれ不活性ガスで膨潤させたものを使用し、又は真空包装する際に、包装材12の吸気用の開口部12Aから不活性ガスを内部に充填して内部の空気を排除してから真空装置で吸気することにより、密閉袋の内部を真空に引いた後、吸気用の開口部12Aを気密を保つように熱溶着して、内部に残存する気体が不活性ガスだけとなるようにして封止し、真空包装された包装材12の内部に感光面10Aを構成する化学物質と反応する気体が残ることを防止し、感光面10Aが劣化することをより有効に防止するよう構成しても良い。なお、このように構成する場合には、不活性ガスの他に、感光面10Aを構成する化学物質と反応しない気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を利用しても良い。
また、この包装材12で感光性印刷版10の束を真空包装する構成では、少なくとも緩衝部材14Aを、感光性印刷版10の感光層の感光波長と同じ波長域を有する光を吸収又は反射させる色(黒色等)に着色して、感光面10Aが感光することをより有効に防止する構成にしても良い。
この包装材12で感光性印刷版10の束を真空包装する構成では、図5に示すように、包装材12の外表面に、それぞれ発泡ポリエチレン製の緩衝部材14A、14Bを配置した場合には、包装材12の内部を真空引きしても、緩衝部材14A、14Bが潰れて薄くなることがないから、十分な厚さを持つ緩衝部材14A、14Bのクッション性を生かして、包装材12の内部に包装されている感光性印刷版10を良好に保護することができる。
さらに、この包装材12で感光性印刷版10の束を真空包装する構成では、包装材12の内部に脱酸素剤(活性ガスの吸収剤等)のパック又は防湿剤のパックを同梱することによって感光性印刷版10の感光面10Aが劣化することを防止するように構成しても良い。
この感光性印刷版の包装では、包装材12と緩衝部材14A、14Bとを、共に構成する材料として、同材料を用いることによって、包装材12及び緩衝部材14A、14Bの廃材を、これらを混合した状態で同時にリサイクルのため再処理することを容易にする。
このため、例えば包装材12及び緩衝部材14A、14Bをポリエチレン材料で形成して、これらを使用後に、再処理してポリエチレン材料に戻し再利用をすることができる。なお、包装材12及び緩衝部材14A、14Bを形成する材料は、リサイクルする際の再処理工程が同一又は同じプロセス(例えば化学的な分解、生成等のプロセス)であれば、これらを混合した状態で同時に再処理できるから、包装材12と緩衝部材14A、14Bとを分別する工程を省略し、包装材12の処理と、緩衝部材14A、14Bの処理とを別々の工程で処理するための設備と手間を削減して、容易かつ廉価にリサイクルできる。
なお、包装材12及び緩衝部材14A、14Bは、所定の遮光性(感光性印刷版10の感光層の感光波長と同じ波長域を有する光を吸収又は反射するを利用した遮光手段)及び防湿性を有し、かつ、感光性印刷版10と化学反応を起こして感光性印刷版10の特性(例えば、かぶりや感度変化等)を実質的に変化させてしまうことのないものを用いることは勿論である。
また、包装材12で真空包装された感光性印刷版10束は、所定複数個づつ、図示しないが、段ボールや樹脂等の所定の剛性を有する材料によって形成された外箱に入れて保護することで、効率的に運搬や保管を行えるようにすることができる。
上述のように真空包装された感光性印刷版10の束は、コンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムに供給するのに好適なように構成されている。
図6及び図7に示すように、このCTPシステムは、真空包装された感光性印刷版10の束が供給される自動送給装置110と、感光性印刷版10の束から感光性印刷版10(PS版)を1枚づつ分離して供給する枚葉供給装置112と、インナードラム露光装置(モノゴンスキャナー)114と、バッファ装置116と、現象処理装置118とを備える。
このCTPシステムにおける自動送給装置110に感光性印刷版10の束を装填する場合には、作業員が、感光性印刷版10の束を外箱から取り出して用意する。次に、作業員は、図6に示す自動送給装置110の扉142を開け、その内部に斜めに配置した保管棚144上に真空包装された感光性印刷版10の束を置いて、扉142を閉じて遮光し、自動送給装置110内を暗室とする。
次に、感光性印刷版10の束を真空包装している包装材12に設けられた開封手段を利用して、遮光されて暗室となった自動送給装置110内で、図示しない自動開封装置が包装材12を開封し、包装材12の全部又は所定一部を取り除き、図7に示すように保管棚144上に載置された感光性印刷版10の束の少なくとも上端部側を露呈させる。
次に、搬出用ローラ146が、感光性印刷版10の束の1番上にある感光性印刷版10に転接して、1枚だけを分離し枚葉供給装置112へ送給する。
この枚葉供給装置112には、各感光性印刷版10を保管棚144からインナードラム露光装置114まで搬送するために、主搬送ベルト148を張架した主搬送ベルト巻き掛け機構150と、副搬送ベルト152を張架した副搬送ベルト巻き掛け機構154とを設置する。
この主搬送ベルト巻き掛け機構150は、保管棚144上部に当たる感光性印刷版10の搬入位置から、インナードラム露光装置114への搬出位置との間に搬送ベルト148を張架して搬送路を構成する。
また、副搬送ベルト巻き掛け機構154は、主搬送ベルト巻き掛け機構150における主搬送ベルト148の下側に設定される搬送路の一部を共用して搬送中の感光性印刷版10が脱落することを防止するよう構成する。
このため、副搬送ベルト巻き掛け機構154は、主搬送ベルト148における、保管棚144から搬出された各感光性印刷版10の先端が突き当てられるガイド範囲より搬送方向下流側の中間ローラ156から、主搬送ベルト148の下側に設定される搬送路の出口に近い中間ローラ158の区間で、主搬送ベルト148と副搬送ベルト152とが添うようになって走行するよう巻き掛けて構成する。
このように構成した枚葉供給装置112では、搬出用ローラ146によって1枚だけ分離されて搬出された感光性印刷版10の先端が、主搬送ベルト148のガイド範囲に当たり、主搬送ベルト148の走行動作に従って中間ローラ156側へ搬送される。
そして、先端を主搬送ベルト148にガイドされた感光性印刷版10は、中間ローラ156の位置で、主搬送ベルト148と副搬送ベルト152との間に挟み込まれて挟持された状態で搬送路上を搬送され、出口に近い中間ローラ158の位置で挟持状態を開放され、インナードラム露光装置114へ搬入される。
なお、重ねられた感光性印刷版10の間に感光面保護のため合紙が挟み込まれている場合には、図示しないが、枚葉供給装置112に、この合紙を分離してストックする合紙除去部を別途設ける。
このCTPシステムにおけるインナードラム露光装置114は、円弧内周面形状(円筒内周面の一部を構成する形状)の支持体134を母体として構成されており、この支持体134の内周面に沿って感光性印刷版10を支持するようになっている。
このインナードラム露光装置114では、図示しない真空吸着手段によって、未記録の記録媒体である感光性印刷版10を支持体134の内周面に確実に密着させて沿わせた状態に保持してから露光処理を行う。
このインナードラム露光装置114では、支持体134の円弧中心位置に、光ビーム偏向器としてのスピナーミラー装置136を配設する。このスピナーミラー装置136は、反射鏡部材(スピナーミラー)138を頂面に配置した回転軸140を、図示しない制御装置のスピナードライバによって回転制御がされる駆動源としてのモータによって高速回転可能に構成する。このスピナーミラー装置136では、回転軸140の回転中心軸を支持体134の円弧中心軸と一致するように構成する。
このスピナーミラー装置136では、光源側の光学系から投射された光ビームを、回動する反射鏡部材138の反射鏡面に反射させて感光性印刷版10の感光面に対して主走査方向への走査露光を行う。
このスピナーミラー装置136は、図示しない副走査移動手段によって、支持体134の円弧中心軸の軸線方向(図2の表面から裏面に貫通する方向)に等速度で移動制御されることにより副走査する。
このためスピナーミラー装置136では、制御装置のスピナードライバによって、そのモータの回転制御がされると共に、図示しない副走査移動手段により副走査方向に移動制御される。
このように構成されたスピナーミラー装置136は、光源側の光学系から投射され画像情報に応じて変調された光ビームを、回動する反射鏡部材138の反射鏡面に反射させて主走査方向への走査露光を行いながら、スピナーミラー装置136を副走査方向へ移動することによって、感光性印刷版10の記録面全面に対して2次元の画像を記録する処理を行う。
このCTPシステムに設けるバッファ装置116は、インナードラム露光装置114で露光処理された感光性印刷版10を、搬送速度を調整することによって所要のタイミングで現象処理装置118へ搬入する機能を有する。
現象処理装置118は、搬入されて来た露光済の感光性印刷版10に対する現像処理を行って潜像を顕像化して印刷版を製版する。
10 感光性印刷版
10A 感光面
12 包装材
12A 開口部
14A 緩衝部材
14B 緩衝部材
110 自動送給装置
112 枚葉供給装置
10A 感光面
12 包装材
12A 開口部
14A 緩衝部材
14B 緩衝部材
110 自動送給装置
112 枚葉供給装置
Claims (12)
- 遮光性と防湿性とを有するシート状の材料を袋状にして、その内部に所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で、真空包装する包装材と、
前記感光性印刷版の少なくとも感光面の全面に対応するよう、前記包装材に配置された緩衝部材と、
を有することを特徴とする感光性印刷版の包装。 - 前記包装材を、開封方向に添って切断し易いような配向性を持たせた材料で構成したことを特徴とする請求項1に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記包装材の開封想定線に沿って表面部分をレーザー加工により浅い傷を付けて切断し易い切断用線部を形成し、切断して開封し易くする開封手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記感光面の全面に対応するよう配置された前記緩衝部材を、前記感光面の感光波長と同じ波長域を有する光を吸収又は反射させる色に着色したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記緩衝部材を、開封方向に添って切断し易いような配向性を持たせた材料で構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記緩衝部材に、開封想定線に沿って表面部分をレーザー加工により浅い傷を付けて切断し易い切断用線部を形成することにより切断して開封し易くする開封手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で、真空包装した際に、前記包装材の内部に残存する気体が不活性ガスだけとなるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した前記包装材の内部に、活性ガスの吸収剤を同梱したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した前記包装材の内部に、防湿剤を同梱したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した前記包装材の内側に、前記緩衝部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記所定枚数束ねられた感光性印刷版を内包させた状態で真空包装した前記包装材の外側に、前記緩衝部材を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
- 前記包装材の材料と、前記緩衝部材の材料とを、同一の再処理工程又は同じプロセスで再処理してリサイクルできる材料としたことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の感光性印刷版の包装。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004357240A JP2006160341A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 感光性印刷版の包装 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004357240A JP2006160341A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 感光性印刷版の包装 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006160341A true JP2006160341A (ja) | 2006-06-22 |
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ID=36662788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004357240A Pending JP2006160341A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 感光性印刷版の包装 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006160341A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4891451B1 (ja) * | 2011-06-10 | 2012-03-07 | 藤沢紙工株式会社 | 包装体 |
CN102998900A (zh) * | 2012-12-01 | 2013-03-27 | 刘华礼 | 一种超薄感光层感光版的制法 |
JP2015058953A (ja) * | 2013-09-18 | 2015-03-30 | 大日本印刷株式会社 | 包装袋及び内容物を収納した包装体 |
JP2015058954A (ja) * | 2013-09-18 | 2015-03-30 | 大日本印刷株式会社 | 包装袋及び内容物を収納した包装体 |
-
2004
- 2004-12-09 JP JP2004357240A patent/JP2006160341A/ja active Pending
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