JP2006159716A - 光学素子用金型の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望の光学素子を成形することができる光学素子用金型の製造方法を提供する。
【解決手段】 マトリクス状のレジストパターンを有するレジスト型を形成する。次に、レジスト型に複数の同一形状の球15を配列する。その後、球15の表面に二ッケル膜16を形成する。次に、電鋳加工処理によって二ッケル膜16の表面に所定のめっき層17を形成する。最後に、金属膜めっき層17を二ッケル膜16とともに球15から剥離する。
【選択図】 図1
【解決手段】 マトリクス状のレジストパターンを有するレジスト型を形成する。次に、レジスト型に複数の同一形状の球15を配列する。その後、球15の表面に二ッケル膜16を形成する。次に、電鋳加工処理によって二ッケル膜16の表面に所定のめっき層17を形成する。最後に、金属膜めっき層17を二ッケル膜16とともに球15から剥離する。
【選択図】 図1
Description
この発明は光学素子用金型の製造方法に関する。
近年、携帯電話、テレビ、パソコン等の表示装置として液晶パネルが広く用いられている。液晶自体は発光しないので、液晶パネルの背面に光源としてのバックライトが配置される。バックライトの光を液晶パネルに均一に照射するために、表面に微細な凹凸が形成された導光板が使用される。高い光学特性が要求される場合、導光板として直径数μm〜数百μmのほぼ半球状の複数のレンズを2次元配置してなるレンズアレイの光学素子が使用される。
特開平2004−68043号公報には、表面に導電層が形成された基板上に複数の開口を有する電気絶縁層を形成し、基板上に開口を中心に形成されたほぼ半球状の複数の凸部を有するめっき層を電鋳加工処理により形成して母型(マスター)を作成し、この母型により光学素子用金型(スタンパ)を作成する方法が開示されている。
特開平2004−68043号公報
特開平2004−68043号公報の方法では、電鋳加工処理によって基板上に直接ほぼ半球状の複数の凸部を有するめっき層を形成するので、基板の中心部と外周部とでめっきの析出量に差が生じ、基板上に均一な形状のめっき層を形成することは困難である。特に大型の基板ほど困難である。
これは一般的に、電鋳加工処理では電流密度が基板の外周部で高くなるため、外周部のめっき層が中心部のめっき層より厚くなるからである。
これを解決する手段として、補助電極を基板の外周部近傍に設ける方法が提案されているが、この方法によっても基板上に均一な形状のめっき層を形成することは困難であった。
したがって、上記方法によって得られた光学素子用金型では所望のレンズアレイを成形することはできない。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は所望の光学素子を成形することができる光学素子用金型の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、所定のパターンを有するレジスト型を形成する第1工程と、第1工程の後、前記レジスト型に所定形状の複数の部材を配列する第2工程と、第2工程の後、前記部材の表面に導電性皮膜を形成する第3工程と、第3工程の後、電鋳加工処理によって前記導電性皮膜の表面に所定の金属膜を形成する第4工程と、第4工程の後、前記金属膜を剥離する第5工程とを含むことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学素子用金型の製造方法において、前記部材は球であることを特徴とする。
以上に説明したように本願発明の光学素子用金型の製造方法によれば、所望の光学素子を成形することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(A)〜(G)はこの発明の一実施形態に係る光学素子用金型の製造方法を説明するための工程図、図2は球設置工程における球とレジストとの関係を説明する平面図である。なお、図2の球15及びレジスト層12の数は図1のそれとは異なる。
(1)レジスト塗布
レジストとしてはフィルムタイプのネガ型レジストが使用される。
レジストとしてはフィルムタイプのネガ型レジストが使用される。
ガラス基板11上にレジストを貼り付けて均一な厚さのレジスト層12を形成する(図1(A)参照)。なお、ガラス基板11に代えて後述する露光工程で使用するレジスト露光光が透過するプラスチック基板を用いてもよい。
レジスト層12が形成されたガラス基板11を60℃に加熱されたホットプレート(図示せず)上で10分間ベークした後、90℃に加熱されたホットプレート上で7分間ベークする。
(2)露光
マトリクス状に開口が形成された微細パターンのマスク13を用いてレジスト層12を露光する(図1(B)参照)。この微細パターンのマスク13には、図1(C)に示すレジストパターン12aの高さ、幅及び球(部材)15の半径をそれぞれx、2y及びrとしたとき、以下の関係を満たすものが用いられる。
マトリクス状に開口が形成された微細パターンのマスク13を用いてレジスト層12を露光する(図1(B)参照)。この微細パターンのマスク13には、図1(C)に示すレジストパターン12aの高さ、幅及び球(部材)15の半径をそれぞれx、2y及びrとしたとき、以下の関係を満たすものが用いられる。
y=r−√(2rx−x2 ) (1)
例えば、レジストパターン12aの高さxを10μm、球15の半径rを50μmとしたとき、レジストパターン12aの幅2yは40μmである。
例えば、レジストパターン12aの高さxを10μm、球15の半径rを50μmとしたとき、レジストパターン12aの幅2yは40μmである。
露光工程では350〜400nmのUV光(例えばi線)Ryを使用した密着露光法を用いる。露光エネルギは約400〜500J/cm2 である。
(3)現像
露光後、ガラス基板11を専用の現像液に浸漬して現像(露光しなかった部分を溶解)する。その結果、上記式(1)の関係を満たす、マトリクス状のレジストパターン12aを有するレジスト型が形成される(図1(C)参照)。
露光後、ガラス基板11を専用の現像液に浸漬して現像(露光しなかった部分を溶解)する。その結果、上記式(1)の関係を満たす、マトリクス状のレジストパターン12aを有するレジスト型が形成される(図1(C)参照)。
上記(1)〜(3)が請求項1記載の第1工程に対応する。
(4)球設置
レジスト型に複数の球15を配列する(図1(D)及び図2参照)。なお、球15として半径50μmのソーダライムガラス製の球を用いた。
レジスト型に複数の球15を配列する(図1(D)及び図2参照)。なお、球15として半径50μmのソーダライムガラス製の球を用いた。
この(4)の工程が請求項1記載の第2工程に対応する。
(5)導電膜形成
レジスト型にセットされた球15の表面にスパッタリング法によって二ッケル膜(導電性皮膜)16を形成する。ニッケル膜16の厚さは0.1μmである(図1(E)参照)。なお、ニッケルに代えて銅、銀、クロム又は金を用いてもよい。
レジスト型にセットされた球15の表面にスパッタリング法によって二ッケル膜(導電性皮膜)16を形成する。ニッケル膜16の厚さは0.1μmである(図1(E)参照)。なお、ニッケルに代えて銅、銀、クロム又は金を用いてもよい。
この(5)の工程が請求項1記載の第3工程に対応する。
(6)電鋳
ニッケル膜16が形成されたガラス基板11に水洗や脱脂等のめっき前処理を行なった後、ガラス基板11をスルファミン酸ニッケルを主成分とするニッケルめっき液浴(図示せず)中に入れ、ニッケル電鋳(ニッケルめっき)を行う。電鋳条件であるpH(ペーハー)、温度、電流密度及び時間はそれぞれ4.1、50℃、5A/dm2 及び50hrである。ニッケル電鋳を行うことによって、ガラス基板11の表面のニッケル膜16上に厚さ約3mmのめっき層(金属膜)17が形成される(図1(F)参照)。
ニッケル膜16が形成されたガラス基板11に水洗や脱脂等のめっき前処理を行なった後、ガラス基板11をスルファミン酸ニッケルを主成分とするニッケルめっき液浴(図示せず)中に入れ、ニッケル電鋳(ニッケルめっき)を行う。電鋳条件であるpH(ペーハー)、温度、電流密度及び時間はそれぞれ4.1、50℃、5A/dm2 及び50hrである。ニッケル電鋳を行うことによって、ガラス基板11の表面のニッケル膜16上に厚さ約3mmのめっき層(金属膜)17が形成される(図1(F)参照)。
この(6)の工程が請求項1記載の第4工程に対応する。
(7)剥離
くさび等の治具(図示せず)をニッケル膜16と球15との間に挿入し、母型(レジストパターン12aとガラス基板11と球15とで構成される型)をニッケル膜16から分離する。
くさび等の治具(図示せず)をニッケル膜16と球15との間に挿入し、母型(レジストパターン12aとガラス基板11と球15とで構成される型)をニッケル膜16から分離する。
その結果、ほぼ半球状の複数の凹部を有する光学素子用金型(ニッケル膜16とめっき層17とで構成される型)が完成する(図1(G)参照)。
この光学素子用金型を用いてほぼ半球状の複数のレンズをマトリクス状に配置してなるレンズアレイを成形することができる。
この実施形態によれば、電鋳によってほぼ半球状の複数のめっき層を基板上に直接形成する代わりに、基板上に複数の球15を配列してなる母型に対して電鋳を行ったので、基板の大きさに拘らず電鋳の際の基板の中心部と外周部との間に析出量の差が生じない。したがって、この実施形態の方法により製造された光学素子用金型によれば、均一な形状のレンズを2次元配置してなるレンズアレイを成形することができる。
なお、上記実施形態では球15を用いてほぼ半球状の複数の凹部を有する光学素子用金型を作成したが、変形例として球15に代えて例えば四角柱や三角柱をレジスト型に配列することによって、断面が四角形や三角形のプリズム等の光学素子用金型を製造することもできる。
また、基板の一方から他方へ向かって、その高さが次第に変化するように四角柱や三角柱を配列することによって、いわゆるグラデーション構造を有する、プリズム等の光学素子用金型を製造することもできる。
この変形例によれば、所望の形状、サイズのプリズムを2次元配置してなる導光板を作成することができる。
11 基板
12 レジスト層
12a レジストパターン
13 マスク
15 球(部材)
16 二ッケル膜(導電性皮膜)
17 めっき層(金属膜)
12 レジスト層
12a レジストパターン
13 マスク
15 球(部材)
16 二ッケル膜(導電性皮膜)
17 めっき層(金属膜)
Claims (2)
- 所定のパターンを有するレジスト型を形成する第1工程と、
第1工程の後、前記レジスト型に所定形状の複数の部材を配列する第2工程と、
第2工程の後、前記部材の表面に導電性皮膜を形成する第3工程と、
第3工程の後、電鋳加工処理によって前記導電性皮膜の表面に所定の金属膜を形成する第4工程と、
第4工程の後、前記金属膜を剥離する第5工程と
を含むことを特徴とする光学素子用金型の製造方法。 - 前記部材は球であることを特徴とする請求項1記載の光学素子用金型の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2004356134A JP2006159716A (ja) | 2004-12-09 | 2004-12-09 | 光学素子用金型の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006178213A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Sanyo Electric Co Ltd | 型の製造方法およびその型を用いて成形された光学素子 |
KR20150123743A (ko) * | 2014-04-25 | 2015-11-04 | 한국과학기술원 | 액체 렌즈 어레이 제조용 금형의 제조 방법 |
-
2004
- 2004-12-09 JP JP2004356134A patent/JP2006159716A/ja not_active Withdrawn
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KR101683699B1 (ko) | 2014-04-25 | 2016-12-20 | 한국과학기술원 | 액체 렌즈 어레이 제조용 금형의 제조 방법 |
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