JP2006159476A - 記録媒体、記録方法及び記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 色素などの物質を定着する受容層として多重螺旋形状の分子を有する記録媒体を用いて、高発色かつ高堅牢性の記録媒体、記録方法及び記録物を提供し、かつ識別能を有する材料を提供する。
【解決手段】 色素などの機能性物質が定着する受容層に螺旋形状を有する分子を導入して、機能性物質が該螺旋分子と複合化する。
【選択図】 なし
【解決手段】 色素などの機能性物質が定着する受容層に螺旋形状を有する分子を導入して、機能性物質が該螺旋分子と複合化する。
【選択図】 なし
Description
本発明は高発色かつ高堅牢性の記録媒体、記録物および記録方法、処理液および処理方法に関する。
印刷物には発色濃度、彩度あるいは耐水性、擦過性などの様々な機能を要求される。中でも一般的に高精細と言われている染料を色素とする印刷では、印字あるいは印画した像が高発色性であるが、耐光性や耐ガス性などの堅牢性については十分な性能を有していない。この点で堅牢性の向上のために染料を樹脂微粒子中に包含する検討も鋭意行われているが、染料の会合、凝集による発色阻害や樹脂による発色阻害などが起こり、機能を達成できていない。一方、顔料を色素とする場合は耐光性や耐ガス性に対してある程度の性能を確保できるが、発色濃度や彩度が低下し、両立化は困難である。一方、DNAを製膜して、その表面をさらに修飾する検討例や液中でDNAを修飾して該液から形成される画像に関する検討例も見られるが、着色画像の濃度や高堅牢化効果は十分ではない(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開2002−254554号公報
特開2001−294597号公報
特開平11−119270号公報
特開平11−315235号公報
特開平11−207946号公報
色素などの物質を定着する受容層として多重螺旋形状の分子を有する記録媒体を用いて、高発色かつ高堅牢性の記録媒体、記録方法及び記録物を提供し、かつ識別能を有する材料を提供する。
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。
本発明にかかる記録媒体は、多重螺旋を形成する分子を含有する処理液から得られる受容層を有することを特徴とする。
本発明にかかる記録方法は、機能性物質を含有する記録液を記録媒体に付与する記録方法であって、記録媒体として前述の記録媒体を用いることを特徴とする。
又、本発明にかかる記録方法は、前記受容層と、前記記録液に含まれる色素が、吸着、結合又は作用して複合化することを特徴とする。
又、本発明にかかる記録物は、前記記録方法により得られることを特徴とする。
本発明によれば、容易なプロセスで色素分子と多重螺旋構造を有する分子と複合化が可能で、その印画物が高発色、且つ高堅牢性を有することを特徴とする記録物、着色物、処理液および記録方法、着色方法、処理方法を提供し、かつ識別能を有する材料が提供される。
本発明に係る受容層はコレステリック液晶、DNAあるいはタンパク質などの多重螺旋構造分子を有し、該多重螺旋分子と色素分子を複合化してなることを特徴とする。
本発明に係る受容層の製造方法は、例えばDNA水溶液を処理液として紙やOHPフィルムの表面にコートし、その後乾燥させて得ることができる。あるいは、DNAの水溶液に脂質を添加して、水に不溶のDNA−脂質誘導体を析出させて洗浄・回収して得られる該誘導体をエタノールなどの有機溶剤に溶解させて、その溶液を紙やOHPフィルム上にコートし、乾燥させて得ることができる。
本発明に係る多重螺旋構造分子は、イオン結合、水素結合、配位結合等の分子間結合によって色素分子と複合化することを特徴とする。
ここで、多重螺旋構造を有するDNAの特徴について述べる。DNAは生物の遺伝情報を司る単位遺伝子であり、2本のポリヌクレオチド鎖が一つの中心軸の回りに螺旋状に巻いた分子構造を有する。それぞれのポリヌクレオチド鎖は共に右巻きで互いに逆方向に走る。ヌクレオチド鎖の構成分子である核酸塩基には、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの4種がある。これらの核酸塩基は、中心軸に対して垂直な平面内で互いに内側に突出した形で存在して、いわゆるワトソン−クリック型塩基対を形成する。即ち、アデニンに対してはチミン、グアニンに対してはシトシンが特異的に水素結合する。これにより、DNAを構成する2本のヌクレオチド鎖は相補的に結合している。
DNA2重螺旋の中の核酸塩基対に対しては、種々の縮合芳香多環化合物、例えばアントラセン、アセナフテン等が分子間結合によって挿入(インターカレーション)されて層間化合物を形成することが一般に知られている。
一般に色素は分子中にπ共役電子雲を有し、特定の波長の光を吸収してその補色を発色している。反面、経時で分子が光酸化等で破壊されてπ共役電子雲はなくなって退色あるいは変色する。
一方で、π共役分子同士を配向させることで、上記の光酸化などに対する堅牢性が向上することが知られている。この配向させる鋳型として前述のDNA2重螺旋中の核酸塩基対を適用することが出来る。この効果はDNAの2重螺旋構造を基本骨格としていれば良く、例えばDNA中の糖やリン酸部に官能基を配位・吸着などによって側鎖を複合化させたもの(DNA誘導体)であっても良い。
DNAは一般にはリン酸ナトリウム塩の形であって水溶性であるために、これらの縮合多環化合物の挿入反応は起こりにくい。しかし、DNAの水溶液に長鎖アルキル基を有するアミン類等のいわゆる脂質を加えて、ナトリウムイオンを脂質で交換すると、水に不溶のDNA−脂質誘導体が得られる。このDNA−脂質複合物は有機溶媒に可溶であり、例えばエタノ−ルやベンゼン、テトラヒドラフランなどに溶解する。これにより、水溶性色素と油溶性色素の両方を適用することが可能になる。
以下に本発明について詳細に記述する。
(多重螺旋構造分子)
本発明においては多重螺旋構造分子としてDNAまたはその誘導体を用いた。基本骨格をなすDNAは、特に限定されないが、原料として例えばホタテ、サケ、マス、ニシン、サバ、タラ等の魚類の白子が挙げられる。DNAの分子量は6×103〜6×107g/molのものを使用することができる。
本発明においては多重螺旋構造分子としてDNAまたはその誘導体を用いた。基本骨格をなすDNAは、特に限定されないが、原料として例えばホタテ、サケ、マス、ニシン、サバ、タラ等の魚類の白子が挙げられる。DNAの分子量は6×103〜6×107g/molのものを使用することができる。
(脂質)
DNAの溶解性を変換する脂質として、有機系カチオン性物質を用いることができる。有機系カチオン性物質は特に限定されないが、アミン類や四級アンモニウム塩類が好ましい。具体的には、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のベンジルアンモニウム塩;ラウリルピリジニウム塩、ラウリルピコリニウム塩等のアルキルピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム塩、トリメチル(テトラオキサドコシル)アンモニウム塩、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩等のポリオキシアルキレンアンモニウム塩;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤;ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドの共重合体、等の高分子カチオン化合物等が挙げられる。本発明において有機系カチオン性物質を添加する場合の添加量は、とくに限定されるものではないが、DNA中のリン原子1個に対して有機系カチオン性物質0.1〜1.5モルとするのが好ましい。
DNAの溶解性を変換する脂質として、有機系カチオン性物質を用いることができる。有機系カチオン性物質は特に限定されないが、アミン類や四級アンモニウム塩類が好ましい。具体的には、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のベンジルアンモニウム塩;ラウリルピリジニウム塩、ラウリルピコリニウム塩等のアルキルピリジニウム塩;イミダゾリニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム塩、トリメチル(テトラオキサドコシル)アンモニウム塩、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩等のポリオキシアルキレンアンモニウム塩;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤;ポリジメチルジアリルアンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドの共重合体、等の高分子カチオン化合物等が挙げられる。本発明において有機系カチオン性物質を添加する場合の添加量は、とくに限定されるものではないが、DNA中のリン原子1個に対して有機系カチオン性物質0.1〜1.5モルとするのが好ましい。
(機能性物質)
機能性物質としては、色素を例示でき、例えば可視光領域に吸収を有する物質であるならばいずれでもよく、フルオラン系色素、シアニン色素ホウ酸塩、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、ピリドン系モノアゾ色素、キノフタロン系色素、トリシアノスチリル系色素、アントラキノン系モノアゾ色素、複素環系モノアゾ色素、その他アゾ系色素、インドアニリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、インドナフト−ル系金属錯体、ポルフィン、キニザリン、8−オキシキノリンアルミニウム錯体、キナクリドン系色素、ジシアノメチレン系色素、対称型ビスアゾメチン系色素、キノン系色素、臭化エチジウムやアクリジンなどの含窒素複素芳香族系色素、クリスタルバイオレットなどのトリフェニルメタン染料、C.I.ダイレクトイエロー:12、28、44、142、C.I.ダイレクトオレンジ:6、26、39、107、C.I.ダイレクト・レッド2、C.I.ダイレクトレッド:31、79、81、247、C.I.ダイレクトグリ−ン:59、85、シリアスイエローGC、ベンゾパ−プリン4B等が挙げられる。
機能性物質としては、色素を例示でき、例えば可視光領域に吸収を有する物質であるならばいずれでもよく、フルオラン系色素、シアニン色素ホウ酸塩、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、ピリドン系モノアゾ色素、キノフタロン系色素、トリシアノスチリル系色素、アントラキノン系モノアゾ色素、複素環系モノアゾ色素、その他アゾ系色素、インドアニリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、インドナフト−ル系金属錯体、ポルフィン、キニザリン、8−オキシキノリンアルミニウム錯体、キナクリドン系色素、ジシアノメチレン系色素、対称型ビスアゾメチン系色素、キノン系色素、臭化エチジウムやアクリジンなどの含窒素複素芳香族系色素、クリスタルバイオレットなどのトリフェニルメタン染料、C.I.ダイレクトイエロー:12、28、44、142、C.I.ダイレクトオレンジ:6、26、39、107、C.I.ダイレクト・レッド2、C.I.ダイレクトレッド:31、79、81、247、C.I.ダイレクトグリ−ン:59、85、シリアスイエローGC、ベンゾパ−プリン4B等が挙げられる。
また、色素の代替として紫外あるいは近赤外線領域に吸収を持つ物質や光安定剤、酸化防止剤などを用いてもよく、更には蛍光またはりん光を放射する物質やサーモクロミズムを起こす物質を用いてもよい。
本発明において、受容層として用いるDNAの量は、0.1〜30g/m2、好ましくは0.5〜15g/m2が発色性の観点から好適である。
本発明においてDNAおよび得られたDNA誘導体は、そのまま、または適当な溶媒に溶かした溶液の状態、またはフィルム化、繊維化等適当な形に成型して使用できる。フィルム化の方法は、DNAあるいは得られた誘導体を溶媒に溶解させて溶液とし、該溶液をキャストして受容層を作成する。この時、減圧、および/または加熱して溶媒を除去すると効率的に成膜化でき、また、透明なフィルムが得やすくなる。なお、加熱温度はフィルムの変性を防ぐためにDNAであれば40℃以下、DNA誘導体であれば100℃以下が好ましい。
(有機溶剤)
本発明において色素の溶媒に用いる有機溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の極性溶剤などが挙げられる。
本発明において色素の溶媒に用いる有機溶媒は、色素の溶解性に応じて適宜選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の極性溶剤などが挙げられる。
本発明において、上記有機溶媒に対する色素の濃度は特に限定されない。
(受容層中への多重螺旋分子の導入)
本発明において、多重螺旋分子を色素受容層中に導入する方法は特に限定されないが、例えば該分子を固形であるいは液中に溶解または分散させて処理液とし、これを噴霧、塗布、バーコート、アプリケート、インクジェットする、あるいは紙の抄紙工程中にサイズ剤の形式で用いるなどの方法が挙げられる。
本発明において、多重螺旋分子を色素受容層中に導入する方法は特に限定されないが、例えば該分子を固形であるいは液中に溶解または分散させて処理液とし、これを噴霧、塗布、バーコート、アプリケート、インクジェットする、あるいは紙の抄紙工程中にサイズ剤の形式で用いるなどの方法が挙げられる。
本発明で得られる記録物および記録方法、着色物および着色方法の用途は限定されないが、インク、塗料、紫外線吸収材料、可視光線吸収材料、赤外線吸収材料、情報記録材料、ハードコピー用色素材料、感圧感熱記録紙材料、サイカラー材料、電子写真材料、有機光導電材料、熱拡散転写材料、光記録用色素材料、追記型光記録材料、フォトクロミック記録材料、光多重記録用材料、情報表示材料、液晶表示材料、偏光フィルム、有機EL材料、エネルギ−変換材料、有機非線形光学材料、光電変換材料、色素レーザー材料、化粧等が挙げられる。
本発明によれば、水溶性から油溶性まで広範な物性の色素や類似する物質を多重螺旋構造分子と複合化することができ、複合化された色素は安定性が損なわれることなくむしろ向上する。さらに、一般に包接は酸化防止に役立つことが知られているが、この場合はそれ以外に色素を分子分散させる効果を有し、さらに色素分子のπ−πスタッキングや配向させる効果を有し、光劣化の抑制作用も期待される。加えて多重螺旋分子に識別能があることで識別用材料として用いることもできる。
以下に実施例を説明する。但し、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
鮭白子由来のDNA(日本化学飼料製;平均分子量=662万)0.05gとイオン交換水10gをサンプル瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製:UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Aを調製した。このDNA溶液Aをワイヤーバー(No.8)を用いて光沢紙(キヤノン製、GP−301)に塗工し、十分に乾燥させて紙Aを得た。さらに、臭化エチジウム(アルドリッチ製;試薬特級)を0.4gとイオン交換水9.6gをサンプル瓶にとり、マグネチックスターラーにて攪拌して着色液Aを得、該着色液をワイヤーバー(No.3)にて上記の紙Aに塗工し、評価紙Aを得た。
鮭白子由来のDNA(日本化学飼料製;平均分子量=662万)0.05gとイオン交換水10gをサンプル瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製:UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Aを調製した。このDNA溶液Aをワイヤーバー(No.8)を用いて光沢紙(キヤノン製、GP−301)に塗工し、十分に乾燥させて紙Aを得た。さらに、臭化エチジウム(アルドリッチ製;試薬特級)を0.4gとイオン交換水9.6gをサンプル瓶にとり、マグネチックスターラーにて攪拌して着色液Aを得、該着色液をワイヤーバー(No.3)にて上記の紙Aに塗工し、評価紙Aを得た。
<実施例2>
鮭白子由来のDNA(日本化学飼料製;平均分子量=662万)5gとイオン交換水1000gをマヨネ−ズ瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製、UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Bを得た。続いてビーカーに塩化セチルトリメチルアンモニウム(アルドリッチ製)5.3gとイオン交換水1000gを取り、前記混合物を攪拌羽にて120rpmにて30分間攪拌して脂質水溶液Bを得た。次にビーカーに前記DNA溶液Bを1005gと前記脂質水溶液Bを1005.3gとり、混合して水中に水不溶物Bを得た。この水不溶物Bをろ過し、イオン交換水にて精製して再びろ過し、乾燥させてDNA−脂質誘導体Bを得た。前記DNA−脂質誘導体Bを1gとエタノールを9gサンプル瓶に取り、マグネチックスタ−ラ−にて攪拌してDNA溶液B2を得た。そしてこのDNA溶液を実施例1と同様に塗工して紙Bを作成し、実施例1と同様に着色液Aを塗工して評価紙Bを得た。
鮭白子由来のDNA(日本化学飼料製;平均分子量=662万)5gとイオン交換水1000gをマヨネ−ズ瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製、UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Bを得た。続いてビーカーに塩化セチルトリメチルアンモニウム(アルドリッチ製)5.3gとイオン交換水1000gを取り、前記混合物を攪拌羽にて120rpmにて30分間攪拌して脂質水溶液Bを得た。次にビーカーに前記DNA溶液Bを1005gと前記脂質水溶液Bを1005.3gとり、混合して水中に水不溶物Bを得た。この水不溶物Bをろ過し、イオン交換水にて精製して再びろ過し、乾燥させてDNA−脂質誘導体Bを得た。前記DNA−脂質誘導体Bを1gとエタノールを9gサンプル瓶に取り、マグネチックスタ−ラ−にて攪拌してDNA溶液B2を得た。そしてこのDNA溶液を実施例1と同様に塗工して紙Bを作成し、実施例1と同様に着色液Aを塗工して評価紙Bを得た。
<実施例3>
鮭白子由来のDNA(和光純薬製;平均分子量=33万)0.05gとイオン交換水10gをサンプル瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製、UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Cを得た。前記DNA溶液Cをフィルター(ミリポア製:アセチルセルロース、ポアサイズ0.45μm)にてろ過し、インクタンクに詰めてインクジェットプリンター(キヤノン製、BJ S700)を用いて光沢紙(キヤノン製、GP−301)に塗工し、十分に乾燥させて紙Cを得た。実施例1と同様に着色液Aを塗工して評価紙Cを得た。
鮭白子由来のDNA(和光純薬製;平均分子量=33万)0.05gとイオン交換水10gをサンプル瓶に取り、密栓して振とう機(東京理科機械製、UNI THERMO SHAKER NTS−1300)にて室温条件で70rpmにて24時間振とうしてDNA溶液Cを得た。前記DNA溶液Cをフィルター(ミリポア製:アセチルセルロース、ポアサイズ0.45μm)にてろ過し、インクタンクに詰めてインクジェットプリンター(キヤノン製、BJ S700)を用いて光沢紙(キヤノン製、GP−301)に塗工し、十分に乾燥させて紙Cを得た。実施例1と同様に着色液Aを塗工して評価紙Cを得た。
<比較例1>
実施例1に記載の光沢紙にワイヤーバー(No.8)を用いてイオン交換水を塗工し、十分に乾燥させて紙Cを作成し、実施例1と同様に着色液を塗工して評価紙Dを得た。
実施例1に記載の光沢紙にワイヤーバー(No.8)を用いてイオン交換水を塗工し、十分に乾燥させて紙Cを作成し、実施例1と同様に着色液を塗工して評価紙Dを得た。
<実施例4>
実施例1に記載のDNA溶液Aをワイヤーバー(No.8)を用いて光沢紙(キヤノン製、HR−101)に塗工し、十分に乾燥させて紙Eを得た。これにインクジェットプリンター(キヤノン製、BJ F850)を用いてマゼンタのベタパターンを印刷して評価紙Dを得た。
実施例1に記載のDNA溶液Aをワイヤーバー(No.8)を用いて光沢紙(キヤノン製、HR−101)に塗工し、十分に乾燥させて紙Eを得た。これにインクジェットプリンター(キヤノン製、BJ F850)を用いてマゼンタのベタパターンを印刷して評価紙Dを得た。
<実施例5>
実施例2に記載のDNA溶液B2を実施例4に記載の光沢紙に実施例4と同様に塗工、乾燥し、紙Fを得た。これに実施例4と同様にベタパターンを印刷して評価紙Fを得た。
実施例2に記載のDNA溶液B2を実施例4に記載の光沢紙に実施例4と同様に塗工、乾燥し、紙Fを得た。これに実施例4と同様にベタパターンを印刷して評価紙Fを得た。
<実施例6>
実施例3に記載のDNA溶液Cをインクタンクに詰めて実施例4に記載のインクジェットプリンターの先がけ用ヘッドに取り付け、実施例4と同様に印刷した。その際、ベタパターンが印刷される所望の範囲にDNA液が光沢紙上に先にベタパターンとして印刷され、その上にマゼンタインクが印刷された評価紙Gを得た。
実施例3に記載のDNA溶液Cをインクタンクに詰めて実施例4に記載のインクジェットプリンターの先がけ用ヘッドに取り付け、実施例4と同様に印刷した。その際、ベタパターンが印刷される所望の範囲にDNA液が光沢紙上に先にベタパターンとして印刷され、その上にマゼンタインクが印刷された評価紙Gを得た。
<比較例2>
実施例4と同様に、実施例4に記載の光沢紙にイオン交換水を塗工し、乾燥させて紙Hを得た。コレに実施例4と同様にベタパターンを印刷して評価紙Hを得た。
実施例4と同様に、実施例4に記載の光沢紙にイオン交換水を塗工し、乾燥させて紙Hを得た。コレに実施例4と同様にベタパターンを印刷して評価紙Hを得た。
<評価基準及び評価結果>
実施例1〜4及び比較例1については下記の評価方法に基づいて、発色性及び耐ガス性の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、実施例4〜6及び比較例2については下記の評価方法に基づいて、発色性及び耐光性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
1.発色性
マゼンタとしての発色濃度(反射)を反射濃度計(ミノルタ製、分光反射計:CM2002)を用いて測定した。この発色濃度を初期発色濃度として評価を行った。評価基準は以下の通りである。
実施例1〜4及び比較例1については下記の評価方法に基づいて、発色性及び耐ガス性の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、実施例4〜6及び比較例2については下記の評価方法に基づいて、発色性及び耐光性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
1.発色性
マゼンタとしての発色濃度(反射)を反射濃度計(ミノルタ製、分光反射計:CM2002)を用いて測定した。この発色濃度を初期発色濃度として評価を行った。評価基準は以下の通りである。
○:初期発色濃度1.2以上
△:初期発色濃度0.9以上、1.2未満
×:初期発色濃度0.9未満
2.耐ガス性
オゾン試験機(スガ試験機製、オゾンウェザーメーター)を用いて評価紙をオゾン濃度3ppm、温度40℃、相対湿度55%の条件下で2時間晒した。試験後の発色濃度を測定して、初期発色濃度に対する濃度保持率を求めて、評価した。
耐オゾン試験後の発色濃度/初期発色濃度(%)
3.耐光性
耐光試験機(アトラス製、アトラスウェザーメーター Ci4000C)を用いて評価紙をキセノン光源に温度50℃、相対湿度50%の条件下で30時間晒した。試験後の発色濃度を測定して、初期発色濃度に対する濃度保持率を求めて、評価した。
△:初期発色濃度0.9以上、1.2未満
×:初期発色濃度0.9未満
2.耐ガス性
オゾン試験機(スガ試験機製、オゾンウェザーメーター)を用いて評価紙をオゾン濃度3ppm、温度40℃、相対湿度55%の条件下で2時間晒した。試験後の発色濃度を測定して、初期発色濃度に対する濃度保持率を求めて、評価した。
耐オゾン試験後の発色濃度/初期発色濃度(%)
3.耐光性
耐光試験機(アトラス製、アトラスウェザーメーター Ci4000C)を用いて評価紙をキセノン光源に温度50℃、相対湿度50%の条件下で30時間晒した。試験後の発色濃度を測定して、初期発色濃度に対する濃度保持率を求めて、評価した。
上記の結果よりDNAあるいはDNA誘導体を有することで、表1の結果から耐オゾン性(耐ガス性)が比較例に比して向上しており、また、表2の結果から耐光性に関しても比較例に比して向上していることがわかる。
<実施例7:紙の識別方法>
M13mp18の1本鎖DNAと相補的な蛍光標識化1プローブ DNA 5’−Rho−CONH(CH2)6OP(O2)−dTGTAAAACGACGGCCAGT−3’ (Rho=tetramethylrhodamine)(BEX製)を1mMリン酸緩衝液(pH7.0)/14mM NaCl/5mM KCl中に最終濃度0.1mg/mlとなるよう調整し、実施例1で作成した紙A上に0.5ml滴下した。紙Aを90℃のホットプレートで10分間加熱乾燥した後、紙の表面を蒸留水で洗浄した。洗浄後、紙の表面に波長532nmのレーザー光を照射して波長580nmで検出ところ蛍光が観測され、紙の中にM13mp18が含まれることがわかった。
M13mp18の1本鎖DNAと相補的な蛍光標識化1プローブ DNA 5’−Rho−CONH(CH2)6OP(O2)−dTGTAAAACGACGGCCAGT−3’ (Rho=tetramethylrhodamine)(BEX製)を1mMリン酸緩衝液(pH7.0)/14mM NaCl/5mM KCl中に最終濃度0.1mg/mlとなるよう調整し、実施例1で作成した紙A上に0.5ml滴下した。紙Aを90℃のホットプレートで10分間加熱乾燥した後、紙の表面を蒸留水で洗浄した。洗浄後、紙の表面に波長532nmのレーザー光を照射して波長580nmで検出ところ蛍光が観測され、紙の中にM13mp18が含まれることがわかった。
以上から紙に含有するDNAと相補的な標識プローブDNAを用いることで紙を特定することができる。この技術により、特定の個人に由来する紙などの材料用の識別材料などに応用することができる。
Claims (9)
- 多重螺旋を形成する分子を含有する処理液から得られる受容層を有することを特徴とする記録媒体。
- 前記多重螺旋を形成する分子が核酸構造を主体とする物質である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記多重螺旋を形成する分子がDNAまたはDNA誘導体である請求項1又は2に記載の記録媒体。
- 前記DNAまたはDNA誘導体の量が0.1g/m2以上である請求項3に記載の記録媒体。
- 機能性物質を含有する記録液を記録媒体に付与する記録方法であって、記録媒体として請求項1〜3の何れか1項に記載の記録媒体を用いる記録方法。
- 前記記録液が、インク又は着色液である請求項5に記載の記録方法。
- 前記インク又は着色液に含まれる色素が、染料である請求項6に記載の記録方法
- 前記受容層と、前記記録液に含まれる色素が、吸着、結合又は作用して複合化する記録方法。
- 請求項5〜8の何れか1項に記載の記録方法により得られる記録物。
Priority Applications (1)
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JP2004351037A JP2006159476A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 記録媒体、記録方法及び記録物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8840715B2 (en) | 2011-03-10 | 2014-09-23 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Treatment solution for ink-jet recording, water-based ink set for ink-jet recording, ink-jet recording method and ink-jet recording apparatus |
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2004
- 2004-12-03 JP JP2004351037A patent/JP2006159476A/ja not_active Withdrawn
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