JP2006157118A - 差動伝送線路用コモンモード電流検出素子とそれを用いたコモンモードノイズ低減回路およびコモンモードノイズ低減方法 - Google Patents

差動伝送線路用コモンモード電流検出素子とそれを用いたコモンモードノイズ低減回路およびコモンモードノイズ低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】差動伝送線路において発生するコモンモード電流をプリント基板上で容易に検出し、検出された電流の大きさを表示するコモンモード電流検出素子と、この素子を用いてコモンモード電流の発生を低減することが可能なコモンモードノイズ低減回路を提供する。
【解決手段】差動伝送線路に流れるコモンモード電流を検出するコモンモード電流検出手段と、差動伝送線路に差動信号を送出する差動ドライバ手段とを具備し、コモンモード電流検出手段は、少なくとも差動伝送線路に流れるコモンモード電流による磁束を検出する磁束検出部と、磁束検出部に巻きつけた導線によりコモンモード電流を抽出する電流抽出部と、電流抽出部により抽出した電流により発光する発光部とで構成され、発光部の発光強度を確認しながらコモンモード電流が最小になるように差動ドライバ手段から出力される差動信号の波形の補正を行うことにより、コモンモードノイズの発生を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、差動伝送線路において、ディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)により発生するコモンモード電流を検出する検出素子、並びに差動伝送線路に発生するコモンモード電流を抑制し、このコモンモード電流に基づき発生する不要輻射ノイズ(コモンモードノイズ)を低減するコモンモードノイズ低減回路、およびコモンモードノイズ低減方法に関するものである。
高速信号をプリント配線基板上のパターンやケーブルで伝送する場合、不要輻射ノイズを抑制するために差動信号伝送技術が用いられる。一般に差動信号伝送において、差動伝送線路すなわち差動信号が流れる二本の伝送線路間には、互いに逆相のディファレンシャルモード電流だけが流れるように、差動ドライバICは設計されている。
差動ドライバICの出力信号の速度は、IC内部の集積回路の各トランジスタの動作速度のバラツキ以外は速度に差を生じることはない。また、この各トランジスタの動作速度のバラツキは、同一ウエハ上の集積回路であるために非常に少なく、その結果、差動ドライバICの出力信号の速度は殆ど差が生じない。
しかし、差動ドライバICの入力部の差動増幅回路において、逆相極性出力はn段(nは奇数)の増幅器を通して出力されるのに対し、同相極性出力はm段(mは偶数でm>n)の増幅器を通して出力されると考えられるので、差動増幅器を構成するトランジスタの速度が理想的に全く同じだとしても、逆相極性信号に対して同相極性信号は遅延する。
一方、ディファレンシャルモード電流の波形が完全に対称であれば、それぞれに発生するコモンモード電流は相殺されて零となり、コモンモード電流に基づく不要輻射ノイズも発生しないが、上記のように差動増幅回路における増幅器の段数差等によりこれらの両極性信号間に遅延、即ち位相差が生じ、その結果相殺しきれないコモンモード電流が発生し、これがプリント基板上で大きなループ電流を形成することにより不要輻射ノイズが発生する。
また、差動ドライバICに接続される差動信号伝送用のペア線のそれぞれの長さの違い、或いは差動ドライバIC部やコネクタ部での接続線長の違い等、差動ドライバIC外部の伝送路の条件によっても、同相極性信号と逆相極性信号との間に位相差や振幅差が生じるため、差動増幅回路における増幅器の段数差等と同様にコモンモード電流が発生する。
このような課題に対し、プリント基板上で差動信号の位相差及び振幅差を補正することによりコモンモード電流の発生を低減する従来技術としては、差動信号伝送路の終端回路において、ディファレンシャルモード信号及びコモンモード信号に対して整合センタータップ終端回路を単一部品で実現し、これを差動信号伝送路の終端に設置する技術が特許文献1に示されている。
また、位相調整器を用いて、差動増幅集積回路(差動ドライバIC)内部の要因から生じる極性の異なる差動出力信号間の位相の差、或いは伝送路やコネクタ部などの接続される条件を含む外部要因により生ずる位相の差を補償し、また、振幅調整手段により両極性信号間の振幅の差が受信側で現れないように、送信側で振幅を補償する技術が特許文献2に示されている。
しかしながらこれらの方法は、高価な測定装置を用いて直接ディファレンシャルモード信号の振幅や位相等の波形を見ながら部品定数等を調整するものであり、一般的には、ICの端子や差動信号線路に接触型の差動プローブを当て、その波形をオシロスコープで確認しながら部品定数等を調整する方法が用いられている。
また、コモンモード電流を非接触型で測定する方法としては、一般的に電流プローブを用いる方法が知られている。図5は、コモンモード電流の電流プローブを用いた一般的な測定方法を示した図である。図5において、14は電流プローブのフェライトコア、15はフェライトコア14に巻きつけられた導線、16は導線15に誘導された電圧を測定する電圧測定器、17は被測定導線、18のIは被測定導線17を流れる電流、19のHφはフェライトコア14に生成した磁界、20のVは磁界19により誘起された起電力、21のZinは電圧測定器16の内部抵抗を示している。次に、電流プローブによる被測定導線に流れる電流値の測定原理を示す。電流プローブの基本構造は電流が流れる被測定導線17を一次側、フェライトコア14を二次側とするトランスであり、フェライトコア14が形成するループを貫く電流(I)18は、フェライトコア14をまわる磁界(Hφ)19を生成し、その磁界(Hφ)19はフェライトコア14の内部に集中している。フェライトコア14には導線15が複数巻されており、フェライトコア14に誘導された時間変動のある磁界(Hφ)19は、この磁界(Hφ)19に比例した起電力(V)20を導線15に誘起する。このフェライトコア14に巻かれた導線15に誘起された起電力(V)20は電圧測定器16により測定することができるので、電圧測定器16の内部抵抗(Zin)21より電流(I)18を測定することができる。
特開2004−096351号公報 特開2000−124959号公報
しかしながら、特許文献1或いは特許文献2に開示された従来の技術においては、ICの端子や差動信号線路に差動プローブ等を接触させ、ディファレンシャルモード信号の波形を観測しながらその位相や振幅等を調整し、ディファレンシャルモード信号間の相互のズレを補正するという方法を取るため、接触型のプローブの影響を受けてしまう上に、不要輻射の要因となっているコモンモード電流そのものを直接確認することができないという課題を有していた。
また、非接触型でコモンモード電流を測定する方法においても、被測定導線(被測定信号配線)を電流プローブで囲む必要があるため、特定の差動信号線路より発生するコモンモード電流を測定することは物理的に非常に困難であるばかりでなく、電流プローブのフェライトコアに誘導された磁界により導線に誘起した起電力を電圧測定器で確認しないといけないため、大掛かりで非常にやっかいな測定になるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、差動伝送線路において発生する不要輻射ノイズの要因となっているコモンモード電流そのものを直接確認しながら、コモンモード電流が最小になるように差動伝送線路に出力されるディファレンシャルモード信号の波形を補正するコモンモードノイズ低減回路およびコモンモードノイズ低減方法を提供することを目的とするものであり、さらに、プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置して使用され、少なくとも、差動伝送線路に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により磁束検出部に螺旋状に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部とを有するコモンモード電流検出素子を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、第1の本発明(請求項1に対応)は、
プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置して使用され、少なくとも、
前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、
前記コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部とを有し、これらの構成要素を複合した単一部品として構成したことを特徴とするコモンモード電流検出素子である。
第2の本発明(請求項2に対応)は、
プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、
前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を検出するコモンモード電流検出手段と、
前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)を送出する差動ドライバ手段とを具備し、
前記コモンモード電流検出手段は、少なくとも、
前記差動伝送線路に流れる前記コモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、
前記コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部とで構成され、
前記発光部の発光強度を確認しながら前記コモンモード電流が最小になるように、前記差動ドライバ手段から出力されるディファレンシャルモード信号の信号波形の補正を行うことを特徴とするコモンモードノイズ低減回路である。
第3の本発明(請求項3に対応)は、
プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を検出する手段であり、少なくとも、前記差動伝送線路に流れる前記コモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部とで構成されるコモンモード電流検出手段と、
前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)を送出する差動ドライバ手段と、
前記コモンモード電流に起因して発生し前記コモンモード電流検出手段により検出された信号を前記差動ドライバ手段に帰還させる帰還手段とを具備し、
前記帰還手段により前記差動ドライバ手段に帰還された信号、すなわち前記コモンモード電流検出手段により検出された信号の大きさが最小になるように、前記差動ドライバ手段において、前記差動ドライバ手段から出力されるディファレンシャルモード信号の信号波形を自動的に補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減回路である。
第4の本発明(請求項4に対応)は、
コモンモード電流検出手段は、さらに、コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部を有し、前記発光部の発光強度を確認することにより、コモンモード電流の低減度合いを確認できるようにしたことを特徴とする請求項3記載のコモンモードノイズ低減回路である。
第5の本発明(請求項5に対応)は、
発光部は、可視光を発光し、目視によりコモンモード電流の低減度合いを確認できるように構成したことを特徴とする第2の本発明または第4の本発明に記載のコモンモードノイズ低減回路である。
第6の本発明(請求項6に対応)は、
発光部は、非可視光を発光し、前記非可視光を検出する装置によりコモンモード電流の低減度合いを確認できるように構成したことを特徴とする第2の本発明または第4の本発明に記載のコモンモードノイズ低減回路である。
第7の本発明(請求項7に対応)は、
プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を抽出する抽出手段により、前記コモンモード電流の大きさに応じた信号を抽出し、前記抽出手段により抽出された信号により発光し、前記抽出された信号の大きさに応じて発光強度が変化する発光素子の発光強度を確認しながら、前記コモンモード電流が最小になるように、すなわち、前記発光素子の発光強度が最小になるように、前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号を送出する差動ドライバ手段の出力信号波形を補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減方法である。
第8の本発明(請求項8に対応)は、
プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を抽出する抽出手段により、前記コモンモード電流の大きさに応じた信号を抽出し、前記抽出手段により抽出された信号を前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号を送出する差動ドライバ手段に帰還し、前記差動ドライバ手段に帰還された前記抽出手段により抽出された信号が最小になるように、前記差動ドライバ手段においてその出力信号波形を補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減方法である。
本発明により、差動伝送線路において発生する不要輻射の要因となっているコモンモード電流をプリント基板上で実装状態において検出し、コモンモード電流そのものを直接確認しながら、コモンモード電流が最小になるように差動伝送線路に出力されるディファレンシャル信号の波形を補正することができ、コモンモード電流を抑制、すなわち不要輻射を低減することが可能となる。また、検出したコモンモード電流の大きさを発光素子が発光する強度等により視覚的にも確認することができるので、差動伝送線路上のコモンモード電流が最小になるようにするために、プリント基板上のICや部品の定数選定や調整を、高価でかつ測定法が複雑でやっかいな測定器を用いることなく、容易に行うことが可能となる。さらに、プリント基板上に配線された差動伝送路を跨ぐように配置して使用され、差動伝送路に流れるコモンモード電流を検出するための要素を複合して単一部品としたコモンモード電流検出素子を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について図1と図2を用いて説明する。図1は、本発明のコモンモード電流検出素子をプリント配線基板上に実装した状態の概略を示す図である。図1において、1はコモンモード電流検出素子、2はプリント配線基板、3、3′はプリント配線基板2上に配線された差動伝送線路を示す。コモンモード電流検出素子1は、図1に示すように差動伝送線路3、3′を跨ぐように、あるいは図示していないが差動伝送線路3、3′を挟むように配置される。
また、図2は、本発明のコモンモード電流検出素子1の概念的構成図を示すものであって、コモンモード電流検出素子1は、少なくともコア4およびコア4に巻きつけられた導線5、あるいは、少なくともコア4、導線5および導線5に接続された発光素子6で構成される単一複合部品として構成される。コア4は、コモンモード電流の検出精度を高めるために透磁率の高いものを用いることが望ましい。発光素子6は、検出された信号の大きさに応じて発光強度が変化するものが望ましく、例えば発光ダイオードなどを用いることができる。また、図2には記載していないが、発光素子を駆動する増幅器等は必要に応じて適宜配置すればよい。さらに、発光素子を別の部品として構成する、あるいは発光機能を別途設けるようにした場合、コモンモード電流検出素子1は少なくともコア4と導線5から成る単一複合部品として構成することも可能である。
図1及び図2において、差動伝送線路3、3′に発生して流れるコモンモード電流によって磁界が発生しコア4の内部に磁束が生成される(磁束検出部)。この磁束に比例した起電力がコア4に螺旋状に巻かれた導線5に誘起され、誘起された起電力に基づいて導線5に電流が流れる(コモンモード電流抽出部)。この導線5に流れる電流により、あるいはこの電流を増幅器で増幅した電流により発光素子6を発光させ(発光部)、この発光素子の発光強度によってコモンモード電流の大きさを相対的に確認することができるようになる。従って、例えば、コモンモードノイズを低減させる対策方法の一つとして、プリント配線基板上にコモンモードチョークコイル(コモンモードノイズ対策コイル)を取り付ける方法があるが、コモンモードノイズ低減効果を発光素子の発光強度によって容易に確認することができるので、コモンモードチョークコイルの最適な定数や取り付け位置を短時間で見出すことが可能となる。このように、コモンモードノイズの低減効果を発光素子の発光強度などによって容易に確認しながら、プリント基板上に設けられたコモンモード電流低減回路(コモンモードノイズ低減回路)の調整や部品の定数変更等を行うことが可能な素子を提供することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。
図3は、本発明のコモンモード電流検出素子を用いたコモンモードノイズ低減回路の一例を示す概念的な構成図であって、7は差動伝送線路9、9′にディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)を送出する差動ドライバ手段である差動ドライバIC、8は差動レシーバ手段である差動レシーバIC、9、9′は差動ドライバIC7と差動レシーバIC8を結線した差動伝送信号用配線(差動伝送線路)、10は差動伝送線路9、9′を跨いで、あるいは差動伝送線路9、9′を挟んで配置された本発明の実施の形態1に記載のコモンモード電流検出素子などを用いたコモンモード電流検出手段である。
図3において、コモンモード電流検出素子10は、少なくとも、差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、この磁束検出部で検出される磁束に比例した起電力により、磁束検出部に例えば螺旋状に巻き付けた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、このコモンモード電流抽出部により抽出されたコモンモード電流により発光し、このコモンモード電流の大きさに応じて発光強度が変化する発光部とを有し、コモンモード電流抽出部が抽出するコモンモード電流の大きさに応じて発光部の発光強度が変化するように、例えばコモンモード電流の大きさが最小のとき発光部の発光強度が最も弱くなるように構成されている。
このように構成することにより、差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流を最小になるように、すなわちコモンモードノイズを最小にするために、差動ドライバIC7から出力されるディファレンシャルモード信号の信号波形、具体的にはディファレンシャルモード信号の振幅や位相などの補正を行うが、この場合、発光部の発光強度を確認しながら、例えば、発光部の発光強度が最も弱くなるように補正を行うことができるので、簡単な構成で容易にコモンモードノイズを最小にすることが可能となる。
なお、実施の形態1における発光素子6、あるいは実施の形態2における発光部は、いずれも可視光を発するものとして説明したが、非可視光を発するものとしてもよい。非可視光の場合、外来光の影響を受けにくい利点を生かし、工場内などで発光素子の発光強度をセンサで検出して活用する等の用途に用いることが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図4を用いて説明する。
図4は、本発明のコモンモード電流検出素子を用いたコモンモードノイズ低減回路の他の例を示す概念的な構成図であって、10′は差動伝送線路9、9′を跨いで、あるいは差動伝送線路9、9′を挟んで配置された本発明の実施の形態1に記載の、少なくとも差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、この磁束検出部で検出される磁束に比例した起電力により磁束検出部に例えば螺旋状に巻き付けられた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部とで構成されたコモンモード電流検出素子などを用いたコモンモード電流検出手段、11は差動ドライバIC7の出力信号波形を補正する波形補正回路、12はコモンモード電流検出手段10′と波形補正回路11を結線する信号配線、13はコモンモード電流検出手段10′により検出された信号成分、すなわち差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流に起因して発生する電流もしくは電圧を、信号配線12を伝送して差動ドライバIC7の波形補正回路11にフィードバックするフィードバック信号を示す。なお、図3と同じ機能ブロックについては同一番号を付しここでは説明を省略する。
図4において、波形補正回路11は、学習機能を有し、フィードバック信号13の電流値もしくは電圧値が最小になるように、差動ドライバIC7の出力信号波形の振幅および、あるいは位相を自動的に調整する動作を繰り返すように構成する。
また、フィードバックループをオープンにした状態、すなわち信号配線12を切断した状態で、フィードバック信号13の電流値もしくは電圧値が最小になるように差動ドライバIC7の出力信号波形の振幅を調整し、その後信号配線12を導通状態にしてフィードバック信号13の電流値もしくは電圧値が最小になるように、差動ドライバIC7の出力信号波形の位相を自動的に調整する動作を繰り返すように構成してもよい。
さらに、フィードバックループをオープンにした状態、すなわち信号配線12を切断した状態で、フィードバック信号13の電流値もしくは電圧値が最小になるように差動ドライバIC7の出力信号波形の位相を調整し、その後信号配線12を導通状態にしてフィードバック信号13の電流値もしくは電圧値が最小になるように、差動ドライバIC7の出力信号波形の振幅を自動的に調整する動作を繰り返すように構成してもよい。
このように構成することにより、差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流の大きさが最小になるように、すなわちコモンモード電流に起因するコモンモードノイズを最小になるようにすることが可能となる。
ここで、波形補正回路は、差動ドライバICにおいて従来から一般に用いられている回路に、通常的に用いられる学習機能とフィードバック機能を加えた一般的な回路構成を用いればよい。
なお、本実施の形態3において、コモンモード電流検出手段10′は、差動伝送線路9、9′を跨いで、あるいは差動伝送線路9、9′を挟んで配置された本発明の実施の形態1に記載の、少なくとも差動伝送線路9、9′に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、この磁束検出部で検出される磁束に比例した起電力により磁束検出部に螺旋状に巻き付けた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部とで構成されたコモンモード電流検出素子などを用いる構成としたが、実施の形態2と同様に、上記の構成に加え、コモンモード電流抽出部により抽出された電流により発光し、この抽出された電流の大きさに応じて発光強度が変化する発光部を有するように構成し、この発光部の発光強度を確認することにより、コモンモード電流の低減度合いを確認できるように構成してもよい。
また、本発明は、前述の構成要素により構成されるコモンモードノイズ低減回路に限定されるものではなく、前述の動作説明において示したコモンモードノイズ低減方法も本発明に含まれることは、当業者にとって明白であることは言うまでもない。
本発明は、プリント基板上に配線された差動伝送線路において発生するコモンモード電流を検出し、検出したコモンモード電流の大きさを表示できるコモンモード電流検出素子
として有用である。また、プリント基板上に配線された差動伝送線路において発生するコモンモード電流を検出し、この検出した電流の大きさに応じて発光強度が変化する発光素子を用いて、発生するコモンモード電流の大きさを視覚的に確認することが可能となるため、コモンモード電流を低減するための部品定数の変更や調整等を効率よく行えるコモンモード電流低減回路、すなわちコモンモードノイズ低減回路として有用である。
さらに、プリント基板上に配線された差動伝送線路において発生する差動コモンモード電流を低減することにより、差動伝送線路において発生する不要輻射ノイズを低減することが可能となるため、差動伝送線路を用いる多くの電子機器への応用が可能である。
本発明のコモンモード電流検出素子をプリント配線基板上に実装した状態の概略を示す図 本発明のコモンモード電流検出素子の概念的構成図 本発明のコモンモード電流検出素子を用いたコモンモードノイズ低減回路の一例を示す概念的な構成図 本発明のコモンモード電流検出素子を用いたコモンモードノイズ低減回路の他の例を示す概念的な構成図 コモンモード電流の電流プローブを用いた一般的な測定方法を示した図
符号の説明
1 コモンモード電流検出素子
2 プリント配線基板
3、3′ 差動信号配線
4 コア
5 導線
6 発光素子
7 差動ドライバIC
8 差動レシーバIC
9、9′ 差動信号配線
10、10′ コモンモード電流検出手段
11 波形補正回路
12 信号配線
13 フィードバック信号
14 フェライトコア
15 導線
16 電圧測定器
17 被測定導線
18 被測定導線17を流れる電流
19 フェライトコア14に生成した磁界
20 磁界19により誘起された起電力
21 電圧測定器16の内部抵抗

Claims (8)

  1. プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置して使用され、
    少なくとも、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
    前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、
    前記コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部とを有し、これらの構成要素を複合した単一部品として構成したことを特徴とするコモンモード電流検出素子。
  2. プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を検出するコモンモード電流検出手段と、
    前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)を送出する差動ドライバ手段とを具備し、
    前記コモンモード電流検出手段は、少なくとも、
    前記差動伝送線路に流れる前記コモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
    前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部と、
    前記コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部とで構成され、
    前記発光部の発光強度を確認しながら前記コモンモード電流が最小になるように、前記差動ドライバ手段から出力されるディファレンシャルモード信号の信号波形の補正を行うことを特徴とするコモンモードノイズ低減回路。
  3. プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を検出する手段であり、少なくとも、前記差動伝送線路に流れる前記コモンモード電流に起因して発生する磁束を検出する磁束検出部と、
    前記磁束検出部で検出される磁束に応じた起電力により前記磁束検出部に巻きつけた導線に流れる電流を抽出するコモンモード電流抽出部とで構成されるコモンモード電流検出手段と、
    前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号(差動伝送信号)を送出する差動ドライバ手段と、
    前記コモンモード電流に起因して発生し前記コモンモード電流検出手段により検出された信号を前記差動ドライバ手段に帰還させる帰還手段とを具備し、
    前記帰還手段により前記差動ドライバ手段に帰還された信号、すなわち前記コモンモード電流検出手段により検出された信号の大きさが最小になるように、前記差動ドライバ手段において、前記差動ドライバ手段から出力されるディファレンシャルモード信号の信号波形を自動的に補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減回路。
  4. コモンモード電流検出手段は、さらに、コモンモード電流抽出部により抽出される電流により発光し、前記抽出される電流の大きさに応じてその発光強度が変化する発光部を有し、前記発光部の発光強度を確認することにより、コモンモード電流の低減度合いを確認できるようにしたことを特徴とする請求項3記載のコモンモードノイズ低減回路。
  5. 発光部は、可視光を発光し、目視によりコモンモード電流の低減度合いを確認できるように構成したことを特徴とする請求項2または請求項4記載のコモンモードノイズ低減回路。
  6. 発光部は、非可視光を発光し、前記非可視光を検出する装置によりコモンモード電流の低減度合いを確認できるように構成したことを特徴とする請求項2または請求項4記載のコモンモードノイズ低減回路。
  7. プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を抽出する抽出手段により、前記コモンモード電流の大きさに応じた信号を抽出し、前記抽出手段により抽出された信号により発光し、前記抽出された信号の大きさに応じて発光強度が変化する発光素子の発光強度を確認しながら、前記コモンモード電流が最小になるように、すなわち、前記発光素子の発光強度が最小になるように、前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号を送出する差動ドライバ手段の出力信号波形を補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減方法。
  8. プリント基板上に配線された差動伝送線路を跨ぐように、あるいは挟むように配置され、前記差動伝送線路に流れるコモンモード電流を抽出する抽出手段により、前記コモンモード電流の大きさに応じた信号を抽出し、前記抽出手段により抽出された信号を前記差動伝送線路にディファレンシャルモード信号を送出する差動ドライバ手段に帰還し、前記差動ドライバ手段に帰還された前記抽出手段により抽出された信号が最小になるように、前記差動ドライバ手段においてその出力信号波形を補正することを特徴とするコモンモードノイズ低減方法。
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